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三戸地方農林水産事務所
○普及指導室
八戸 市 大字 尻 内町 字 鴨 田 7
TEL:0178-27-4444
FAX:0178-23-2801
E-mail :[email protected]
○三戸普及分室
三戸町大字川守田字関根川原 85-2
第5号
− 平 成 1 8年 2月 1日 発 行 −
活彩あおもり
TEL:0179-23-3264
FAX:0179-23-3274
∼農地・水・環境保全 向上対 策につ いて∼
前号でお伝 えしたとおり 、農林水産省が昨年 10月に公表した 「経営所得安定対策 等大
綱」 は 、 ① 品目 横 断 型 経 営安 定 対策
② 米政 策 改革 推 進 対策
③農 地 ・水 ・ 環境 保 全 向
上対 策 ( 仮 称) の 3 つ の 対策 か らな り ま すが 、 今回 は 「 農地 ・ 水・ 環 境保 全 向上 対 策 」
の概要を お知ら せしま す。
農地 や 農業 用 水 路等 は 、長 い 年月 の 中 で多 く の人 々 が 手を か け形 成 ・維 持 され て き た
もの で す 。 これ ら は 食 料 の安 定 供給 の 基 盤と し てだ け で なく 、 国土 の 保全 等 の多 目 的 な
機能も有 してお り、社 会共通資本と位置づけることができます。
税務 申 告 を 、青 色 申 告 で実 施 さ れて い る方 も 年 々増 え てき て おり ま す。 白 色 申告 と 青
しか し 、農 村 の 高齢 化 や混 住 化の 進 行 等に よ り、 こ れ らの 維 持保 全 に支 障 が生 じ て き
色 申告 で は 税 制の 優 遇 措 置も 違 い ます 。 まだ 白 色 申告 と いう 人 は青 色 申告 へ の 切り 替 え
てい ま す 。 そこ で 、 こ う した 資 源を 農 家 だけ で はな く 地 域全 体 で守 っ てい く ため に 、 本
を考えてみてはいかがでしょうか。
対策が講 じられ ること となりました。
営農活動への支援
地域の環境保全に向けた先進的な営農活動を支援
1 青色申告 と白色申告 の優遇措置の 主な違い
項
目
青
色
申
告
青色 申 告特 別 控 ・10万円(損益計算書)
除
・65万円(複式簿記、貸借対照表、損益計算書)
専従者給与
全額必要経費算入
白
色
申
告
なし
配偶者 86万円 、その他 50万円 限度
損失の繰越控除 翌年以 降3ヶ 年繰り越 して控除 が可 変 動 所 得 又 は 被 災 事 業 用 資 産 に
能
限り可能
損失の繰戻還付 損失が 生じた 場合、前 年の所得 に係 なし
る税金からの還付 可能
帳 簿 調 査 に 基 づ 帳簿調 査に基 づかない 推計課税 によ 帳 簿 調 査 に 基 づ か ず 、推 計 に よ る 更
かない課税更正
る更正を受けるこ とはな い
正を受けることもあり得る
引当 金 の経 費 算 貸し倒 れ引当 金、退職 給与引当 金な なし
入
2
どを経費算入でき る
取組面積に応じた支払
+集落等を単位とする支援
農地・水路等を守るための地域共同活動を
行 う 「 活 動 組 織 」 に 対 し 、 10a 当 た り 水 田 :
4,400円、 畑: 2,800円 、草地 :400円 の助
成金が交付されます。対策の実施期間は平成
農地面積支払
19年 度 か ら 23年 度 ま で の 5年 間 で 、 助 成 金
は毎年の 活動に 対して 交付されます。
共同活動への支援
農地・水等を守り、質を高める効果の高い共同活動を支援
2
助成 を受 ける には
図:対策のイメージ
地 域 で 「活 動 組 織 」 をつ く る必 要 が あり ま す。 活 動 組織 の 構成 員 とし て は、 農 業 者
・農 業 関係 団 体 (土 地 改良 区 、J A 等 )だ け でな く 、 非農 家 の構 成 員( 自 治会 や P T
A、消防団等 )を必 ず入れなければなりません。
活 動 組 織が で き た ら 、ど の よう な 活 動を す るの か 構 成員 で 話し 合 って 活 動計 画 を 作
成し ま す。 水 路 の泥 上 げや 草 刈り な ど 、い ま まで 普 通 に行 っ てき た 維持 管 理に 加 え 、
青色 申 告 を し よ う と す る 方 は 、 そ の 年 の3 月 1 5 日 ま でに 「 青 色 申
施設 の 補修 等 に よる 長 寿命 化 や生 態 系 ・景 観 保全 活 動 など 、 質的 に 向上 し た維 持 活 動
農 業制度 資金の 活用
農業の施設投資や 農地の購入などの制 度資金の活用につい ては 、 青色申告が前 提とな
っていますので 、今後活用を検討される方は 、青色申告への切り替えを検討して下さい 。
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対策 の内 容
青 色申告 の申請
告承認申請書」を所轄の税務署長 に提出 します 。
3
1
自 分 の経営 内容 の検討
申 告 書 に 添 付さ れ た 損 益 計算 書 や 貸 借対 照 表 から 、 余分 な 経費 が かか っ て いな い か
等の検討をすることができ、経営 をより 良い方 向へ変えていく第1歩となります。
申告書を活用して経営分析にも 取組み ましょ う。
をす る こと が 求 めら れ ます 。 計画 策 定 後は 、 活動 組 織 と市 町 村と で 協定 を 結び 、 助 成
金が 活 動組 織 へ 支払 わ れる こ とに な り ます 。 助成 金 は それ ら 活動 に かか る 人件 費 や 材
料代等に充て ること ができます。
地 域 共 同活 動 に 加 え 、地 域 内の 一 定 のま と まり で 減 農薬 等 の環 境 保全 型 農業 に 取 り
組んだ場合、 助成金 が上乗せされることとなっています 。( 上乗せ金額等は未定)
品 目 横 断 型経 営 安 定 対 策が 担 い手 へ 支 援を 集 中す る の に対 し 、こ の 対策 は 、農 地 や 水
路等 の 維 持 管理 に 関 し て 地域 全 体で の 取 組み を 促進 し よ うと す るも の で、 国 は2 つ の 対
策を農政 の両輪 として 位置づけています。
当事務所では 今後各 地域で説明会を行う予定ですので 、積極 的な参加をお願いします 。
県で は 、 堆 肥成 分 の 分 析・ 表 示 によ る 適正 な 施 肥計 画 に基 づ いた 安 全・ 安 心 な農 産 物
の生産や 堆肥の円滑 な流通を 目的とし て「堆肥で つなぐ有機の環 推進事業」を平成17年
∼残留農 薬基準 の制度 が変わります∼
1
ポジティ ブリスト 制度 とは ?
度から19年度ま で実施して おり、そ の中で、 堆 肥等の分析経 費の助成 を行っていま す。
食 品 衛 生法 が 改 正 さ れ、 残 留農 薬 の ポジ テ ィブ リ ス ト制 度 が平 成 18 年 5月 2 9 日
具体 的 な 事 業内 容 は 以 下の と お りで す ので 、 積 極的 に 事業 を 活用 し て、 堆 肥 の適 正 利
から施 行され ます。
用を図りましょう。
こ の 制 度で は 、 今 ま で残 留 農薬 基 準 値が 設 定さ れ て いな い 農薬 に も、 国 際基 準 等 を
参 考 に し た 「 暫 定 基 準 」 や 、 国 内 外 に 基 準 が な い も の に は 「 一 律 基 準 = 0.01ppm」
1
事 業主体
が設定 されま す。
農協、畜協、牧野組合、堆肥利 用を目 的とし た組合
こ れ に より 、 基 準 値 を超 え て農 薬 が 残留 し た場 合 、 その 農 産物 の 流通 は 禁止 さ れ ま
す。 農 産 物 が出 荷 停 止 な どに な ら な いよ う に 、 農 薬 の 飛散 に は今 ま で以 上 に注 意 が 必
2
要 です 。
対 象農家 等
家 畜 排 せ つ 物法 の 管 理 基 準を 遵 守 し 、家 畜 排 せつ 物 を自 ら 堆肥 化 又は 液 肥 化に よ り
《現行 制度》
処理している畜産農家及び堆肥セ ンター
希望者は農協又は市町村へ連絡 して下 さい。
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補 助対象 経費及 び補助金額
補 助 対 象 経 費
堆肥、液肥の成分分析に係る 経費
注1
補
助
金
額
補助 対象経費の3分の1以内の額か
30,000円のいずれか低い額
農薬 A
農薬B
農薬C
5. 0
−
3.0
−
−
−
いくら残留しても規制は
ない。
残
米
留
小麦
基
は くさい
5. 0
2.0
−
準
り んご
2. 0
−
−
値
ぶ どう
−
0.5
−
基準値がない場合には、
−:基準値 がない もの
(平成18年5月29日)
分析 項 目は 窒 素、 リ ン 酸、 カ リ、 カ ル シウ ム 、マ グ ネシ ウ ム、 炭 素 、銅 ( 豚
《ポジ ティブ リスト 制度 》(単位:ppm)
のみ )、 亜鉛 ( 豚及 び 鶏の み )、水 分 、電 気 伝 導度 を 必須 と し 、家 畜排 せつ 物 以
区
外 の原 料 ( 食 品 残渣 等 ) が 混 合し て い る とき は 水 銀 、 カド ミ ウ ム 、ヒ 素 を 選 択
項目とする。
注2
(単位:ppm)
申 請 に 当 た り 、 家 畜 排 せ つ 物 法 に 基 づ く 排 せ つ 物 量 等 の 記 録 (写 し )を 添 付 す
る。
堆肥は、肥料取締法の中で「特殊肥料 」に位 置づけ られ、有償・無償に関わらず
分
農薬 A
農薬B
農薬C
5. 0
0.5
3.0
※
1.5
2.5
残
米
留
小麦
基
は くさい
5. 0
2.0
※
準
り んご
2. 0
0.2
※
値
ぶ どう
※
0.5
※
:国際基準等を参考にした
暫定基準の設定
※
:基準値が 無かった ものは一律基
準(0.01ppm)の設定
第三者へ譲渡する場合、次の対応が必要 となり ます。
2
農薬 の飛 散 防 止対策 は ?
風が ないと きや弱 いときを選び、風下に飛散しないように散布しましょう。
①特殊肥料の生産業者の届出
散布 機の圧 力や風 量を上げすぎないようにしましょう 。
※届出するには肥料成分の分 析結果 が必要 です。
②販売する場合は販売業務につ いての 届出
細か すぎる 散布粒 子のノズルは使わないようにし、適量散布を心がけましょう。
③第三者へ譲渡する場合には品 質表示 する
粒剤 タイプ などの 飛散しにくい剤型を選びましょう。
散布 後は、 タンク やホース等に農薬が残らないように洗浄しましょう。
事業で堆肥を分析したら、特殊 肥料生 産業者 の届出等も併せて行いましょう。
薬剤 の適正 使用基 準を守り 、「使用記録簿」 をつけ ましょ う。
・特殊肥料の生産業者の届出の窓 口:県 食の安 全・安心対策課 ( TEL:017-734-9351)
・販売業務についての届出の窓口 :三戸 地方農 林水産事務所農業振興課
( TEL:0178-27-5111内 線222)
散布 情報を 隣接栽培者に伝え、地域の農業者同士の連携体制をつく る
とともに、飛散を できるだ け減らすよう工夫し ましょ う。