議事録(PDF:81KB) - 滋賀県

<配付資料確認>
<会議成立の確認>
◆
議事
(1) (仮称)琵琶湖レジャー利用適正化基本計画(素案)について
会
長
本日は委員の皆さん、非常にご多忙の中、多数お集まりいただきましてあり
がとうございます。前回、プレジャーボートの航行規制水域の指定について、
皆さんのご承認を得て、國松知事に答申をいたしました。その際、当然のこと
ながら、皆様から寄せられましたご意見を付帯意見として沿えております。皆
さんのご意見に沿って、今後努力をしていただくようにお願いしています。第
4回会議で少しご議論をいただきましたが、十分な時間もなく審議ができてお
りません。それにつきまして、本日改めてご審議をいただきたいと思います。
それでは事務局から説明をお願いします。
(仮称)琵琶湖レジャー利用適正化基本計画(素案)について事務局より説明。
会
長
ただ今、事務局から説明がありました。それに対して各委員からご意見等ご
ざいましたら、ご発言をお願いしたいと思います。お気付きの点等ございまし
たらご指摘をお願いいたします。
委
員
ほんの些細なことですが、字の間違いについて言わせていただきます。まず
3ページですが、レジャー利用の現状のところで「琵琶湖は、湖岸道路の設置
や道路網の整備などにより、京阪神・中京圏からも比較的容易に琵琶湖に訪れ」
とありますが、最初の琵琶湖は必要がないという気がします。その次ですが、
9ページです。
「様々な分野における総合的な取組み」のみがもうひとつくっつ
いていますので外してください。14ページですが、迷惑駐車の防止で、
「迷惑
駐車のために生活に支障が生じています。車の通行や農作業への支障が生じて
います」というところ、もう少し書き方が変わった方がいいのかなと思います。
それから16ページ「例えば利用施設の整備により、自然湖岸や湖岸植生への
影のある」というのは、影響でしょうね。次に、18ページ、「琵琶湖レジャー
利用監視員の設置するとともに」は、
「監視員を」ですね。
委
員
「清らかな琵琶湖のために」とか「豊かな琵琶湖のために」は非常に言葉も
優しいし「安全な琵琶湖」もいいんですが、
「活気ある琵琶湖」の活気あるとい
うのはちょっと理解しにくい。どういう意味で活気あるというのか、清らか、
豊かときたので、少しは元気の出る言葉を入れないといけないかなと思って入
れたのかもしれません。活気あるというのは中味を読んでもわかりませんので、
どういう目的でこういう言葉を使われて、この項目を作られたのか。それと細
かい点、1点だけお伺いいたします。活気ある琵琶湖のための新しい釣りルー
ルの普及の中で触れていますが、ノーリリースありがとう券の実験事業を実施
すると新聞にでていました。クーポン券のことだと思うのですが、私は初めて
聞いたので、これは具体的にどんなものか、もし説明できるのだったらお答え
願います。
事務局
まず、
「活気ある琵琶湖のために」につきましては、15ページに目標という
ことで囲んでおりますが、多くの人々が訪れ、様々に活動する琵琶湖、これを
イメージいたしまして活気あるというひとつのキャッチフレーズを作らせてい
ただきました。それから2点目にお尋ねのノーリリースありがとう券の実験事
業につきましては、現在まだ実施のための検討をしてるところであります。イ
メージといたしまして、釣り人の方が釣り上げられた外来魚をありがとう券の
引き換え場所へ持ち込んでいただく。そこへ持ち込んでいただいた場合に、1
キロで200円程度のありがとう券をお渡しをさせていただく。この釣り人の
方が受け取られた200円のありがとう券を、協力していただける店舗で使っ
ていただこうというもので、協力いただける店舗につきましては、発行します
ところに、その分の商品の代金を請求していただこうというものです。目的と
してますのは、外来魚のリリース禁止に釣り人の方に協力していただく、そう
いうきっかけ作りにしたいというものであります。なお、こういったノーリリ
ースありがとう券によく似た制度として、すでに守山地区で、守山の漁業組合
を中心にこういった事業を進められておりまして、現に実施をされている。そ
れを少し広いエリアで実験的にやれないかというのが、今回の事業になってお
ります。
委
員
今、守山の名前を挙げていただいたので、少し補足的な説明をさせていただ
きます。この事業には、家族連れや釣りの愛好家など多くの方に参加いただい
ています。競争したりいろんなことで釣り上げる量も多く、いろんな企業も協
力いただいて、その券によって琵琶湖の周辺の企業も潤っていくということで、
年に1回ですが毎年行なわれています。非常にたくさんの方が、県外からも来
られています。ありがとう券の事業がうまく軌道に乗ればいいと思っています。
委
員
今のノーリリースありがとう券とも関わっているのですが、全体として2点
指摘があります。地域の人たちと外から来る人たちのいわば相互理解が足らな
かったことがこれまで問題だったということで、地域協議会への支援というこ
とを挙げていただいているのは、大変重要な実践的方向だと思いますが、その
地域協議会が今具体的にどれくらい動いていて、今後どうなっていくのかとい
うことを少し具体的にお教えいただきたいということが一つです。新旭町など
はすでに動いていると思いますが、詳しく教えていただきたい。もう1点は、
条例や琵琶湖ルールを理解するための入口が大変重要だと思います。その役割
を担っているのが「ルールブック」だと思いますが、3点ほど要望がございま
す。一つは、プレジャーボートの航行規制水域は記載されていますが、水上安
全条例とかヨシ群落保全条例があります。なぜこれが最初から地図に入ってい
ないのか。せっかく滋賀県全域のいわば琵琶湖全域の総合政策を進めようとい
うのが本来の主旨ですから、最初から地図には、少なくとも7ノット規制水域
とヨシ群落保全条例を一枚の地図に書いてください。それから2つ目は、イケ
スの写真なりあるいは外来魚の回収ボックスの写真を入れていただいているん
ですが、多くの人が回収したらどうするのということを気にしています。もち
ろん肥料にするとか、あるいは食べる工夫をしようとかしているわけですが、
そのような情報も是非入れてください。3点目ですが、釣りをしている人を見
ると、かなり子どもが多い。是非子ども向けの「ルールブック」を作っていた
だきたい。外来魚を回収して、きちんと資源として利用できるリサイクルを作
っているんですよということも、教育効果も含めて作っていただきたい。次の
バージョンアップをお願いしたいと思います。以上です。
事務局
まず地域協議会の関係につきまして、お答えをさせていただきます。現在各
市町村に照会をしておりますけども、現時点で把握している状況といたしまし
て、今、委員からご指摘がありました新旭町の源氏浜におきまして、ここは新
旭町が中心となって一つの協議会を作っていただいて、ルールを設けていただ
いております。それから彦根市の新海浜にも地域ルールがあります。こちらに
つきましては、どちらかといいますと都市公園になっておりますので、県の都
市計画課が中心となって、地元と利用者の間を取り持つような形で一つのルー
ルができております。これ以外では長浜港に公共スロープがあります。その公
共スロープの使用の仕方を巡って、湖北振興局の建設管理部が中心になって話
を進めております。ある程度しっかりした形での話し合いの場というのは、そ
ういった形で今把握をさせていただいております。それからルールブックにつ
きましては、3月の終わりに航行規制水域を答申いただいて、それから作成し
ました。また、4月29日の街頭での啓発に間に合わせるため、本当に急ピッ
チで作成したもので、いつくか不十分な点もございます。次に作成するときに
は、ご指摘いただいた点を踏まえさせていただきたいと考えております。これ
が初版としますと、次が第2版第3版ということになるかもしれませんが、何
らかの形で取り入れさせていただきたい。また、子ども向けのルールブックに
つきましては、検討させていただきたいと思います。
委
員
先ほどの地域協議会の支援という分野でご説明いただきました新旭、新海、
また長浜港につきましては、すでに進行しているもしくはかなり前から進行し
ているところだと思うのです。新しくルールを作られるに際しまして、地域協
議会的なものへ持っていきたいという要望を持ちながら、なかなか地域協議会
に持っていけない。利用者側からの要望もありますでしょうし、また地域の方
が利用者にマナーを守ってもらうために協議会をやりたいという要望も当然出
てこようと思うのです。そういうときに現場での話し合いがうまくいかないと
いうのが実態で、地域協議会まで持っていければ、いろんな進展なり発展もご
ざいますでしょうが、そこへ持っていけないところに、何らかの行政の協力と
いうことが、一番大切なことだと思います。そういう窓口とかそういうことの
考え方というのは、この中には掲載されていませんが、何かありましたら教え
ていただきたい。
事務局
地域協議会につきましては、先の適正利用懇話会の中でもかなり深く議論を
いただき、具体的な提案のような形で提言の中でいただいています。その中で
も触れられておりますけども、今まで利用者と地元とで話し合いの機会がなか
った。その一つの要因として、行政の関わりが希薄であったということが言わ
れていました。そういう意味で、今回条例の中で、地域協議会という具体的な
名前は出ておりませんが、県民活動の支援という形で条例の中に条文を設けて
おります。具体的な支援方法としては、行政が関与するということが大きな支
援になると思います。関与の仕方としては、会議に出席してそこでのいろんな
情報の提供ですとか、そういったことになってこようかと思っています。その
窓口としては、今回、県庁の中に琵琶湖レジャー対策室ができましたので、こ
こで窓口をさせていただいて、その中で、県の中でふさわしいところがより深
く関わっていくというような形で進めさせていただきたいと考えております。
委
員
現在、琵琶湖レジャー利用監視員が66名いらっしゃって、それぞれの地域
において、啓発指導監視活動を行っているとなっております。また、本文の中
にも指導監視体制の整備ということで、ここに監視員の問題が出てきています
が、監視員の具体的な役割など、はっきり決まったものがございますか。
事務局
琵琶湖レジャー監視員につきましては、設置要項を設けておりまして、その
中で具体的な業務を掲げております。具体的には、まず1つ目として、レジャ
ー利用の状況を把握していただきたいということ。2つ目に、プレジャーボー
トの利用に関する指導ですとか啓発をしていただきたい。3つ目に、外来魚の
リリースの禁止に関する指導とか啓発をしていただきたいということ。それか
らこれはレジャー条例だけに関わったものではありませんけども、いろんな条
例あるいは法令に違反するような行為などを認めた場合には、県あるいは関係
機関へ情報の提供をしていただきたいといったことをお願いいたしております。
レジャー利用監視員の皆さん、66名お願いをしております。4月1日に委嘱
状をお渡しさせていただき、その後、各地域振興局単位にお集まりをいただい
て、実際の指導監視活動の進め方などの打ち合わせや、監視員さん同士の情報
の交換などを行っています。66名の方がおられまして、だいたい半分ぐらい
の方が漁業に関わっていただいている方、それ以外の方も、いわゆるマリーナ
に関わっておられる方ですとか、あるいは湖岸沿岸の自治会の方というように、
皆さん何らかの形で琵琶湖と関わりの深い方々、普段から琵琶湖には目を向け
ていただいている方々に、市町村から推薦をいただいてお願いをすることがで
きましたので、こちらとしては非常にふさわしい方々になっていただけたと考
えております。
委
員
年間に釣りに来られる方の数が、以前いただいた素案のときは74万人にな
っているのですが、今回84万人になっているのはご承知でしょうか。それと
も変更になったのでしょうか、という質問が1点。あとヨシの条例が4月1日
から変わったというふうに書かれているのですが、それはどこで改正されて、
どういうふうに啓発されているのかを教えていただきたいのが2点目。3点目
が、回収ボックス、イケスで1.2トンの魚が入ったということなんですが、
これはどれぐらいの数で、どれぐらいの範囲にあって、これからそれをどうい
うふうにしていこうというふうに考えられているのかが3点目。4点目が、こ
こにある航行禁止水域の黄色いブイなんですが、これがどれぐらいの間隔でど
ういうふうに置かれているのか。イケスが置いてある場所なんですけれども、
これは釣り禁止の漁港との関係とかは大丈夫なのかとかという心配が5点目で
す。
事務局
1点目の、年間延べの釣り人の数は、今回が誤りで、74万人が正しい数字
であります。それから2点目のヨシ条例の改正の関係につきましては、条例自
体は改正になっておりますが、保護地区の具体的な指定につきましては現在作
業を進めております。ヨシ群落保全審議会で検討していただくということにな
っておりますので、まだ指定の方はできておりませんが、夏ごろぐらいになる
かなと考えています。それから3点目の回収箱なりイケスの数でありますけど
も、回収箱につきましては33個で、回収のイケスについては13か所です。
合わせて46という状況で、利用の状況や釣りをされる方のポイントなど踏ま
えて、今後もう少し増やしていきたいと思っています。それから航行規制水域
を表示しますブイですが、今琵琶湖全域で64のブイを設置いたしております。
概ね300メートルから500メートルぐらいの間隔で設置しています。それ
からイケスを設置している場所がそれぞれの漁港になっているとのことですが、
これにつきましてはそれぞれご了解をいただいております。
会
長
何か他にございませんでしょうか。
委
員
地域協議会への支援ということで、この行政というのは警察も含めてなんで
しょうか。行政の方で支援をしていただくという中で、ある程度権威を持った
方もご一緒に参加をしていただけるなら効力があるでしょうけど、そのあたり
はどうなんでしょうか。
事務局
それぞれの地域によって、その地域が抱えている問題によって、構成するメ
ンバーは決まってくるものと考えています。県庁の中でも、どの課が関わると
一番いいのかとかいうあたりもありますので、実際に問題に直面して、あるい
は課題に直面して、その時点で本当にふさわしい方に加わっていただくという
ことで、その時点で考えなければいけないと思っております。
委
員
長浜の例を申しますと、現在は、例えば連合自治会長さんであったり、ボラ
ンティアのガイドであったり、そういう人たちです。もちろん漁業者の方もい
らっしゃいますし、ヨットハーバーをしている方もおられますが、本当に機能
するのかなというのがちょっと心配です。もちろん地域振興局の方もご参加い
ただいています。地域振興局の方たちが一生懸命してくださるのはとてもあり
がたいのですが、取り締まるということにはちょっと不向きな方たちではない
のかと思います。そのあたりをもう少しきっちりと検討していただけたらなと
思います。
委
員
監視員の件につきましては、ほとんどボランティアに近いわけです。もう少
し身が入るようにしていただきたい。そうでないと、一生懸命やってくれても、
いつまでも続くものでもないし、ほとんど100%に近いボランティアで、日
報とか何とかいろんなことの要求もされているように聞いています。活動がス
ムーズにいけるようなことを考えてほしいと思います。イケスについては、か
なり日数も経ってきて非常に汚れております。イケスが汚れていると魚も死ん
でいきます。どう考えておられるのか。また、回収ボックスの問題ですが、こ
れから夏場になれば臭いの問題がでてくるのではないか、夏場に向けてのボッ
クスの対策もどういうふうに考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
事務局
琵琶湖レジャー利用監視員の方々には、1回活動していただくごとに100
0円という御礼をさせていただいております。そういう意味ではボランティア
的なものであります。ただ、活動時間は1日1時間から2時間程度と、監視員
の皆さんに申しあげております。それともう1点、土曜日、日曜日という、レ
ジャーに来られる方が多い日でしかも利用の多い時間帯を見計らって見ていた
だきたい、とお願いをさせていただいています。自然保護課では、自然公園の
監視員という監視員制度ももっており、報酬の額あるいは活動の方法もよく似
ておりまして、その例を参考にしたということもございます。2点目の、漁港
などに設置させていただいております回収のイケスにつきましては、特に設置
の港によっても状況が違うようでありますけども、管理の面で考えていきたい
と考えております。それから3点目のボックスの臭いの関係ですけれども、間
伐材でできている回収ボックスを採用しておりますけども、導入にあたりまし
ていろいろ検討いたしました。いわゆるコンペ方式で今回のボックスを採用し
ております。提案をいただいた中には、風が通る通気性のいいもの、中に脱臭
剤・消臭剤を入れるようなものなど、いろいろご提案いただきましたが、その
中で、いわゆる断熱効果の点、臭いが外に漏れないとかいったようなことから、
今回の間伐材でできている回収箱を採用いたしております。臭いについては、
回収の頻度を検討するとかいうようなことも一つかと思いますし、本当に暑い
季節には、一定の時期、回収ボックスの使用について少し控えていただくとい
ことも、一つのやり方として今後考えていかなければならないのかなと思って
います。何分にも今スタートしたばかりでありまして、いろいろ調査しながら
進めさせていただいているという状況であります。
委
員
この間の話はどうも、地域性の問題と他府県から来られる方の問題との対峙
関係にあるかなとお見受けしました。15ページの「多くの人が訪れ、様々に
活動する琵琶湖を目指す」というところが、活気あるということのお答えだと
私は理解しました。それを受けてもう一度確認させていただきたいんですが、
まず1点は、レジャー利用の現状の中で、何故県内外に分けてアンケート調査
をしたのかということの意図の確認と、それから第2点として、滋賀県として
の基本的なスタンス、すなわち地域性重視なのか、あるいはそうでないのかと
いう点です。この2点について大事なことだと思うので、確認させていただき
たい。
事務局
アンケート調査については県内で実施しており、琵琶湖にどこから来られて
いるのかというような形で、来られている方をそれぞれ調査いたしております。
この29日の湖岸での調査におきましても、湖岸におられる方に一人ずつ声を
掛けまして、聞き取り調査をしております。昨年の夏の場合ですと、駐車場に
止まっている車のナンバーを見ながら、どちらから来られているのかというよ
うなことを推計しております。2点目については、他府県から来られる方に対
する県としての考え方ということになろうかと思いますが、琵琶湖というのは
非常に大きな魅力を持っていると思います。琵琶湖の湖畔にたたずみますと、
前に広がる大きな空間。それから周りに見えます山々を見ますと、非常に心に
開放感や爽快感を受けます。また、湖岸を渡ってくる風に触れますと、まさに
これこそ爽快感という、大きな魅力を持っていると思います。この魅力が、い
わゆる琵琶湖を訪れる方の心に触れるのだと思います。そういう意味で多くの
方にこの琵琶湖の良さというのは知っていただきたいと考えております。ただ、
来ていただくのは滋賀県の活気にもなることでいいことかと思いますが、来て
いただくにあたっては、琵琶湖における琵琶湖としてのローカルルールを守り、
その中で琵琶湖を満喫していただきたい、そんな思いでおります。
委
員
「共に利用できる琵琶湖のために」とか、
「安全な琵琶湖のために」という言
葉のもう一つとして、私は「未来に生きる琵琶湖のために」という目標課題を
一つ付けさせていただいたらいかがかと思います。目標として、これからの琵
琶湖がどうあるべきかということを今議論しているんですから、県としてこの
地域に住んでいる者が、将来どのような形で琵琶湖に対する未来像を持ってい
るかということを入れていただけたらと思います。
事務局
先ほども委員から、活気あるという言葉を少し工夫した方がというご意見を
いただいておりますので、そのあたりと合わせまして検討させていただきたい
と思います。
会
長
今回、琵琶湖レジャー対策室というものを作られて、この条例について積極
的にこの対策室が対応していくということになっていますが、例えば道路の車
両の進入禁止とかいろいろな問題が絡んでくるわけです。そのときに県の中と
して、例えばいわゆる管理、所管が違うような問題が出てきます。これを対策
室で全部権限を持たれてやり得るのかどうか、そこを少し懸念しています。例
えば、先ほど協議会というのがございまして、それを関係の市町あたりがいろ
いろ実際に指導しておられる。そういった場合も、実際の実施にあたっての分
担、役割あるいは権限を明確にしておかないと難しいんじゃないかと思うので
すが、そのあたりどうですか。
事務局
まず県庁の中の組織機構でありますが、関係課を含んで、県庁の中に琵琶湖
レジャー利用適正化推進会議という組織を持っております。琵琶湖レジャー対
策室が窓口にならせていただいて、庁内の関係課で組織します推進会議で対応
させていただこうと考えております。それから、従来からのレジャーに対する
苦情への対応などをみましても、まず市町村の関わりが大きいと考えておりま
す。そこで県と市町村の連絡調整会議を持たせていただいており、施策の調整
なりあるいは連携を図る取り組みをさせていただいております。いずれも昨年
の10月に条例ができた後、庁内組織それから市町村との連携の組織の立ち上
げをさせていただいておりまして、すでに活動の方を始めさせていただいてお
ります。
委
員
この基本計画は、先ほど説明があったように3年後に見直すということです
ね。ところが一方、これから条例を実施されて、この間定めた規制水域等に不
備が生じるような場合は、3年以内でも修正・変更が可能なのかどうか。実際
的対応としてそういうことが必要じゃないかと思いますが、どうですか。
事務局
航行規制水域については、この4月1日で最初の指定分として16か所を指
定しました。基本計画でも「今後、道路騒音の影響や利用状況の変化等を踏ま
えて指定の変更を行います」ということと、「指定後の状況を把握するために、
騒音の調査や利用状況調査といった継続したモニタリングを実施します」と表
記しております。したがいまして、このような調査を踏まえまして、航行規制
水域について、秋以降、再度この審議会でご審議いただきたいと考えておりま
す。
委
員
この条例の実効性というところをもう少し教えてください。プレジャーボー
トの航行規制については、なかなか罰則規定まで難しいわけです。まだ1件も
罰則規定で違反をしていわば検挙されたという例はないと聞いています。果た
してこれは定着できるのかということが重要で、それには警察権限がなければ、
ボランティアでは対応できないというところがさっきからの中心にあるテーマ
だと思います。それからもう1点、
「活気ある琵琶湖のために」の中にあり、見
落としてしまいそうな項目なんですが、小型船舶の湖面利用に関する税の創設
はかなり大切だと思います。今まで琵琶湖利用で税というのはまったくなかっ
たわけです。これを作るということは、もう一つのいわば新しい制度になって
いくと思いますが、どのように考えていらっしゃるのか。税ということはきち
んとモニタリングできて把握できるわけです。陸上で走る車と同じように水上
のボートも、きちんと行政として管理するべきだと思います。全国的にもそれ
ぞれの自治体が独自の税を作っていいという流れになりつつありますし、この
あたりの見通しをどう考えていらっしゃるのか。また、そこには小型船舶のカ
テゴリーとして、どれぐらいのカテゴリーを考えていらっしゃるのか、そこを
少し教えていただきたい。
事務局
まず1点目のプレジャーボートの航行規制水域の実効性についてですが、4
月以降監視船に乗りまして、航行規制水域の指導とか監視にあたっております。
監視船と書かれた旗を掲げて監視をしておりますが、通るときには静かに船の
前を行かれて、沖合いへ出て行かれる。あるいは岸の方へ帰ってしまわれると
いうようなことで、条例についてよくご存知いただいていると考えてます。も
しそういう中で、違反航行を見かけた場合に、まず指導をすることにしており
ます。それでも従わずに引き続いて航行しているという場合には、職員が停止
の命令をかけます。命令しても従っていただけない場合、その場合初めて条例
による違反となって罰則となります。一定の手順を踏んで、最初は指導とか警
告というような中で、それで停止命令を出して、それでも従わないということ
で、その場合に違反行為として罰則が適用されていくということになりますが、
現在はそこまで至ってないということです。また、その手順を踏む段階につい
て、それぞれ経過を証拠として残していく必要があります。先ほどご報告させ
ていただきましたように、4月29日に警察と連携をして、そういう手順につ
いて確認をさせていただいております。2点目の小型船舶の湖面利用に関する
税の創設ということにつきましては、現在まだ県庁の中で検討を進めさせてい
ただいている段階で、まだ素案のようなものもできておりません。対象範囲を
どこまでとかいうことについても、まだ決まってないというのが状況でありま
す。ただ考え方としては、琵琶湖で船舶を使用されると、琵琶湖に対して何ら
かの影響を与えている、負荷をかけているということで、税として頂戴しよう、
そのいただいた税については、琵琶湖の環境を保全するための事業に充ててい
こうということで検討させていただいています。
委
員
ちょうど桜の満開の時期なんですが、菅浦の方から、湖岸でたくさんバーベ
キューをしている、これはどういうふうに止めることができるのか、という電
話がありました。湖岸でのバーベキューなどは監視ができるんでしょうか。湖
岸では、バーベキューをしたり花火をしたりということが多いわけですが、こ
のようなレジャーは、この条例の対象となりますか。
事務局
バーベキューがレジャーに含まれるかどうかという点については、懇話会の
ときからの議論であったと思いますが、ごみの放置の問題に大きく関わってく
ると思います。そういう意味で、レジャーの一つの形態というようなことで考
えていくべきだと思っています。ただ、それを規制できるかどうかについては、
そこの場所を管理されている方、公園なりあるいは私有地であればその所有者
でご検討いただくのが、まず最初かなと考えております。
委
員
確か知事がお出しになっている、たくましい経済圏という目標の中に、観光
産業というのが大きな目玉の一つに入っていたと思います。そしてその滋賀県
の観光産業の、いわゆる一大セールスポイントというのがやっぱり琵琶湖であ
る。そのことが、活気ある琵琶湖のためにという分野の中に入っているんだと
思います。琵琶湖の周りで何をしても啓発されるみたいなことになっていって
しまったんでは、まったくそれに逆行しているように思います。ですから、観
光産業、観光というものも大切だという言葉を何かを入れないことには、禁止
事項ばっかりを羅列していくようなことになりかねないという危惧をいたしま
す。
委
員
4月29日に行われましたアンケート調査によると、リリース禁止について
は知っている人もたくさんおられ、琵琶湖ルールについても協力しようという
方がほとんどだと聞いています。現状把握として状態は良好というふうに県の
方で考えられているのか、それとも実態は良好じゃないけど良好の方向へ向か
っているというふうに考えられているのか、をお聞かせください。
事務局
土曜なり日曜日に、大津なぎさ公園などでレジャー利用者に声を掛けており
ますと、だいたい「リリースの禁止については知っている」という声が返って
きます。そういう意味では皆さんよくご存知だと思います。その原因としては、
条例成立にかけまして、全国的にも反響があって、釣り人の皆さんの中でリリ
ースの禁止が広がっているものと思っています。一方、プレジャーボートにつ
きましも、船の上から声を掛けたりしますが、よくご存知いただいていると思
っています。実際にレジャーをされている方々の話を聞いている中では、本当
によくご存知いただいているというのが率直な実感であります。
委
員
事務局
それでは意識は良好ですね。実態はどうでしょうか。
湖岸を歩いている中で、釣り人の皆さんにつきましても、バケツを持って来
ていただいているとか、あるいは持って帰るための袋を持って来ていただいて
いる姿を見受けるようになってきましたので、そういう意味でもルールについ
て協力いただいていると思っております。
委
員
今おっしゃったことにも関わりますが、効果の把握をしなければならないと
思います。変更に関しても効果の把握というのは大事になってくるので、基本
計画の中にわかりやすい数値目標など示しやすいものを挙げていただいた方が
良いのではないかと思います。それと、地域協議会とか利用監視員の実効性を
保つために、ローカルルール、地域協議会、それから利用監視員の権限を基本
計画の中に明文で入れていただいた方が、実効性が上がると思いますので、検
討をお願いします。
会
長
今おっしゃったように、フォローアップするために、過去の調査の結果のデ
ータなどをきちっとモニタリングしていかないといけないということですね。
それが一番大事だと思います。
委
員
今のご指摘、大変重要だと思います。ただ、例えば静かというときに、デシ
ベルで計れるような数字になるものと、一方では数字にならないものがありま
す。それから、今まで騒音で苦情があったところの人たちが、この条例ができ
てから本当に静かになった、良かった、ありがたかったというような声が、果
たして上がってくるのかどうか。その点も含めて、数値化できるものと、数値
化できないけれども地域の人たちが効果だとしてあげているもの。そんな難し
いことではないので、是非ここは把握していただきたい。それからリリース禁
止に関しては大変難しい問題で、結局生態系の保全ということで、固有種はど
う戻ってくるか。これは効果は5年とか10年とかかかるかもしれない。ある
いは漁師さんが、最近戻ったよというふうな形で漁獲高に出てくるかもしれま
せん。ずいぶんと反対があった釣り人の人たちが本当にどういう声を持ってい
るのかというようなことも、是非生の声が欲しいと思います。こういう委員会
は、どうしても形式というか、公式の見解ばかりなので議論がしにくいんです
が、そのあたりを含めて効果と考えたらいいのではないかと思います。少し肩
の力を抜いていただいて、生活者の言葉のようなものをもうちょっと出してい
ただけたらというのが一つの希望でございます。
委
員
もう一度確認させていただきたいんですが、先ほど委員から、この会のあり
方について少しご発言がありました。もちろん知事が、経済的にたくましい県
をめざして、観光資源の適正利用というようなことをおっしゃってるようです
が、私不勉強なんですけれども、この審議会というのは、基本的にはマザーレ
イク21計画の一環として、総合保全のための事業として私は呼ばれたと思っ
ています。観光資源の今後の取扱いまで論議したら、私はここにいる理由がま
ったくありません。どう適正化、抑制といいますか、その方法について思案し
ているつもりです。お伺いしたいのは、マザーレイクの中でそのへんの経済効
果について、知事がどのようにアピールされているのか、あるいはどのように
謳われているのか、ちょっと教えていただけますでしょうか。
事務局
この基本計画は、3つの柱で作らせていただいています。1つが、環境への
負荷の低減を図るために規制をしていこうという柱であります。2つめの柱と
しては、現在あるレジャー活動を、より環境負荷が少ないものに変えていこう、
環境配慮型のレジャー利用に変えていこうとするものです。3つめの柱として、
この2つの施策を総合的に進めていこうというものです。今ご議論いただいて
いるのはこの2つ目の柱で、いわゆる環境負荷の少ないレジャー活動を推進し
ていこうという、その部分についてのご議論かなと思います。琵琶湖における
レジャーは、来られる方の心を和ましてくれる大きな効用があると思います。
そのレジャーから受ける効用を、いかに多く受け取っていただくかという観点
でのご議論をいただけたらと思っております。
委
員
もちろん県には観光振興の政策はあると思いますが、この琵琶湖ルールを作
らざるを得なかった現状認識を、是非共有してほしいと思います。何千年、何
万年、何十万年と続いてきた琵琶湖の自然が、急速にここ数十年で大きく変わ
ってしまって、もう元に戻らないような危機的な状況にあるということから始
まったわけです。その基本認識が、手続き的なところで細部に入ってしまった
がゆえに忘れているような気がします。今、外来種のリリースを禁止したとし
て、あるいはこれを減らしたとして、果たして琵琶湖の生態系について見通し
があるのかどうか、そのことも含めて、委員同士だということで申し訳ないの
ですが、教えてほしいのが1点です。それからレジャーということの考え方で
すが、日本では自由利用ということを原則として認めてきました。もちろん江
戸・明治からの歴史をみると、自由といいながら極めて緻密に地域の中には利
用のわきまえ、節度がありました。ですから漁業者の方たちでも、どうやった
ら季節ごとの魚を減らさない、あるいは魚の生息場を壊さないというようなこ
とで、緻密に見れば見るほど節度があってわきまえがありました。ここ数十年
特に外から来られる方は一時の楽しみだけですから、自分たちの行動がどうい
う影響があるかということがわからずに、悪意なく悪影響を与えてしまったと
いうようなことがあったわけです。それでいわば行政としては、本来自由利用
であるものを、止むに止まれず作ったルールだと思います。そういう人間の側
の節度の無さと、それから過剰な開発が大変大きかったと思うのですが、その
影響で生態系が危機的な状況にあるというところに出発点を戻しておくことが
重要であると、私は委員として主張させてほしいと思います。世界中の湖をみ
ても、例えばアフリカのビクトリア湖なども大変ひどい状態ですが、琵琶湖は
ビクトリア湖以上にひどいんじゃないのかと思います。このことをあわせて、
このキャッチアンドリリースをどうにか止めたとして、あるいは外来魚を止め
たとして、戻る可能性があるのかどうか、教えていただけたらと思うのですが。
委
員
現状としてすぐに結論が出るのかどうかはわかりません。いずれにせよ、今
の滋賀県の取り組みは、世界中が注目していると言ってもいいでしょう。復元
生物学の歴史が浅そうございますから、今は世界的にはどこも現状把握の段階
というところであって、修復に関する取り組みをまじめにやった国はない。や
りつつあるところです。まったく答えが出しにくいというところです。人間の
力というのは、生物のサイドから見る限りにおいてはまさに絶大で、いくつも
の生物をいとも簡単に絶滅させてきた経緯がございます。これを逆手に取れば、
人間の能力を賢くワイドユーズすれば、リカバリし得ると考えております。今
までの伝統的な漁法、あるいはもろこ釣りのような普通の釣りの方法は、自然
とのバランスが取れていたわけです。今それが急変してきた。私たちの見通し
というのは、そう甘いものではありません。魚類学者としての経験と予見力と
いうのは当然あるわけです。しかし、今取り組み始めたことは、遅過ぎること
はないと思います。まさにこれからだと思っております。結論から言えば、外
来魚駆除の見通しはあると思います。当面は最も安全な方法としては、個体を
除去していくしか方法がないと思います。他に非常にラジカルな方法もありま
すが、現状では、やはり最も安全な方法として、いうのは、多くの方々が個体
を1つ1つ除去していって、適切なところでまた考え直す。可能性は十分にあ
ると思います。それと今日はあまりお時間がありませんが、ブラックバスとブ
ルーギルの影響に関しては、今のところ、両者を個別の問題として取り上げる
のではなく、相互依存的な存在として考えていった方がよさそうです。それか
ら、現状としてはもちろん在来魚よりブラックバスを釣る方が多いわけですが、
多様な釣りの仕方を考えるならば、過去における釣りの形態を統計的数値で表
して、釣りの仕方の変遷を知る必要があります。釣りのところに少し、かつて
の状況等を数値で入れておかれたらどうでしょうか。
委
員
昭和30年代の写真を見ますと、例えば草津の南山田のあたりは、人が入れ
ないぐらいもろこ釣りをしています。その場所が今はバスになってるわけです。
在来魚を増やすというのは、もちろん漁業者の方の生業ということもあるんで
すが、本来の琵琶湖の楽しみというものを回復することにもなると思います。
在来魚が逃げ込む場所を作ろう、田んぼを産卵の場所にしようというので、明
日からある場所で田んぼに魚道を作るんです。県もバックアップしてくれて、
NPOでやろうなんていうような動きもございます。総合開発で150の水門
を作り、湖岸を固めて完全に琵琶湖を人工のダムにしたということが、この本
質的なところにあるわけです。ですから、陸と水を行ったり来たりして、在来
魚がちゃんと子孫を残せるような場所を周辺で作ってあげるというようなこと
も、生態系の政策としては大切だと思います。内湖を復活させるのと合わせて、
田んぼを魚のゆりかごにしようと、農家の方が協力して動き始めています。在
来魚が増えたら、子どもたちでももろこ釣りの楽しみなりあるいは鮎のさびき
なり、釣りの楽しみも多くなります。そういうこともこれからのレジャーのと
ころに是非とも入れていただきたい。
委 員
本来の在来魚を是非とも復活させていただきたい。もろこ、鮎、鯉、いさざ、
ごりなどのいろんな魚がたくさんいる琵琶湖、その琵琶湖に、さまざまな楽し
さを求めて来られる方を増やしていくというのもまた大事な観光事業の一つだ
と思います。今年もやっぱりもろこが全然捕れなくて、東京の方からお客様に
お越しいただいて、たった6人のお客様のために、もろこを36匹捕るのに3
日間かかりました。そういう現実を踏まえて、今までの琵琶湖を取り戻してし
てほしいという気持ちでおります。是非ともリリースとかいろんな問題で検討
を重ねていってほしいと思います。
委
員
私は釣り人としての意見を言わせてもらいますね。肩の力を抜いて話をさせ
てもらおうと思います。おそらくほとんどの釣り人に話しても、まず一番最初
に、バス・ギルだけが悪いんではないやん、というのが必ず来ると思うんです
よ。もちろん在来魚を食べるというのはわかっているけど、それだけではない
やんっていうのが必ず来ると思います。もろこが捕れない。わかる。でももろ
こが捕れない理由は、もろこが産卵する場所がないからやとか思うわけですよ。
例えばブラックバスが釣れてても、5月の連休になったら5月2日あたりから
一切釣れなくなるんですよ、たんぼの泥水が琵琶湖に流れ込んだとたんに本当
に釣れなくなるんです。ブラックバス・ブルーギルでさえ釣れなくなるような
泥水が流れてきて、もろことかの弱い魚だったら平気なんか?魚が少なくなる
ような理由がいっぱいあることを釣り人はわかってるんです。皆わかってる中
であたかもバスだけが悪いようなことを言われるから、滋賀県が決めたことは
決めたことでしゃーないかもしれないけど、釈然としないという部分がものす
ごく強いんですね。僕は審議会に出て、現状を何とか変えていこうということ
で、参加させてもらって意見をいわせてもらってるんですけど、今の話の中で
いくと、どうしてもバス対在来魚の構図。これはある意味そうかもしれないけ
ど、実は違う部分もあるじゃないですか。釣り人にしてみたらおもろないんで
すよ、正直。釣り人にしてみたら、条例が丸まるおもろないとかそういうこと
よりも、そういうふうに言われて、ちゃうやんってことが自分たちの中である
のに、在来魚が少なくなったのは、ブラックバスのせいだみたいに言われるか
ら、だからおもしろくないのだと思います。例えば今日の夕方、レジャー利用
者対滋賀県みたいな番組があるらしいんですが、外来魚再放流の条例があるの
に、そんなん関係ないやんってぽいっと逃がすやつが一人おったら、その映像
を撮って、滋賀県対レジャー利用者になるかもしれない。どういうふうな番組
なのか全然わからないけど、実際こんな番組作るの簡単じゃないですか。滋賀
県が条例はうまくいっていると言っても、マスコミにこんな感じで扱われるの
が現実なんですよ。前から言ってるけど、そういうなかでどうしていくか、釣
り人に協力してほしいから条例を作ったなら、上手にやらんとあかんと思うん
です。これからどうしていくか、見直しも含めて、徐々に良くしていこうとい
うことで、お互いに考えないと。レジャー利用者対滋賀県なんてタイトルが付
くこと自体がくだらないと思います。さっき観光の話、ちょっと出ましたけど、
来ていただいて、楽しんでいただいて、節度ある、秩序ある利用だったらウエ
ルカムなわけでしょ。ただそれが狂ったから。ちょっと待てよ、困るやん。滋
賀県に来る人に、琵琶湖に環境に負荷をかけんといてほしいやんっていうとこ
から、この条例は始まってるんじゃないですか。それをベースにぜひ来てくだ
さい、だけどちゃんと利用してくださいということだと思うんですね。それが
何か言葉のはき違いだとか、感情のはき違いだとかでどんどんややっこしいと
こにいくんです。漁業者と釣り人っていうのは、本当は魚を利用して、片一方
は生業、片一方は楽しんでいる。同じとこにいなきゃいけないのに、なぜか対
抗するような形になってみたりとか、僕はすごく歪んでると思うんですよ。魚
がたくさんいる美しい琵琶湖が良いのは、漁業者も釣り人も同じだと思うので
すが。
委
員
今、琵琶湖の在来種の話が出てたので、ちょっと漁業者の立場として、僕の
方の思いとかここへ来たことの経緯も含めて話したいと思います。確かに昭和
47年から琵琶湖総合開発をやられて、年々在来種が減ってきているのは事実
です。しかし平成8年頃から、特にブルーギルが増えてきた。そのことにより
非常に急激に在来種が減りました。例えばある漁業組合では、平成7年に年間
14トンのもろこの漁獲量がありました。それが13年に700キロ。20分
の1になりました。今もまだまだ減っています。これから先、琵琶湖はどない
なるんかなと、漁師さんは不安でいっぱいです。このような状況のなかで、3
900トンまで在来種を戻すという計画を持っておられます。どうして390
0トンかというと、平成元年頃に在来種が年間に3900トンぐらいいたわけ
です。そうすると漁業者もそれなりに生活できるし、今みたいに瀕死の状態で
ないわけで、それは非常にありがたいことと感謝しています。しかし、今ここ
にきて漁業者は、もう10年先までは待てない状態になっています。ある組合
では、平成7年、8年には、年間1000万円の水揚げしてる方がおり、年間
所得の平均がだいたい400万円でした。それが今は昨年の最高の年間水揚げ
額が220万円、平均すると56万円ぐらいです。だから非常に厳しい状態に
なっています。琵琶湖にもう魚がいなくなってきた、南湖では90%以上がも
う外来魚だと思っております。だから漁業者が今必死になって外来魚を駆除し
ています。そこで、先ほど8月になったら回収箱を止めると説明がありました
が、外来魚駆除のため、最大限の努力をしていただきたい、今後も誠実な姿勢
で臨んでほしいと思います。
会
長
どうもありがとうございました。時間がなくなってまいりましたので、他に
ございませんか。
委
員
私も今回ゴールデンウィークが一つの山場というか、レジャー利用が始まっ
て皆がどう対応するのかということを見てきました。私が住んでいる志賀町で
は、すぐ近くの浜が航行規制水域になっています。そこの状況をみますと、知
らないで走っている方が半分、知ってて徐行されている方が半分という感じを
受けたところです。琵琶湖ルールはまだ始まったばかりですが、琵琶湖ルール
のこれからの広報啓発活動の予定についてお教えいただきたい。
事務局
広報啓発活動につきましては、いくつか考えております。まずポスターにつ
いては、昨年度も作ってまいりましたシリーズのポスターを作り、県外の主要
駅に張りたいと考えています。また、スポーツ新聞やレジャー雑誌でPRをし
ていきたい。それから特にリリースの禁止とかについて、なぜ必要なのかとい
うことを子どもたちにも理解してもらうために、子ども向けの啓発誌なども作
っていきたいと考えています。これも広報啓発の一環かと思いますが、ノーリ
リースありがとう券事業のなかで、リリースをしないというルールの定着に向
けた取り組みをさせていただきたい。これ以外にもラジオあるいは県の広報紙
などを使ったPRを、昨年に引き続いて実施してまいります。
委
員
先ほど私がバーベキューの話をいたしましたのは、実はごみ問題だけではな
い意味を込めておりました。と申しますのは、砂浜というのはいろんな植生が
ございます。そういった貴重な植生のところで、平気でバーベキューをしたり
する。そういう行為をどういうふうに取り締まったらいいのかなということで
す。このあたりにしかいない貴重な植物というのはあります。私の近くにも野
漆の原があったんですが、今はもうすっかりなくなってしまったりしています。
バーベキューをするということは、取りも直さず浜の植生が壊れてしまうとい
うことですので、そういうことを含めて先ほどの発言があったと思ってくださ
い。観光のお話もありましたけれども、確かに観光客を呼び込むということは
いいことですが、リリース問題も含めまして、観光客に観光の真意は一体何だ
ということを、知らせていかないといけないんではないかと思います。したい
放題のことをしていいということではないということを、今回のこの条例でし
っかりと皆に知ってもらいたいということを含めて先ほどの発言だったという
ことです。
会
長
どうもありがとうございました。他にございませんか。今日はいろいろ非常
に貴重なご意見をいただきました。要は琵琶湖の大切さといいますか、そうい
うものを利用者に理解をしていただく。そうして健全な利用を図っていただき
たいということかと思います。そういう点からしますと、在来魚の減少に対し
ても、県を挙げて、水質を良くする努力をし、ヨシ原の復元などを行うととも
に、そういった事業の広報をして理解をしてもらうということが非常に大事で
あろうと思います。環境が変化しますと、それを安定化させるにはものすごい
時間がかかると思うのですが、マイナス要素をできるだけなくす、いろいろな
角度からそういう努力を続けていって、あるべき姿にもっていくという地道な
努力が必要だと思います。その一つが、今回の条例であるわけです。従って、
この条例だけで解決できるものではなく、琵琶湖を守るためのさまざまな努力
に対する啓発を行うということが非常に大事ではないかと思います。いろんな
皆さんのご発言がございましたが、そういったご意見をこの基本計画案に盛り
込んでいただいて、若干これを修正していただいて、その案について、あらか
じめ私が今日お聞きしたことを踏まえて入っているかどうかチェックさせても
らって、それで委員の皆さんに修正案を確認していただいてご意見を伺い、そ
のあとは私座長にお任せいただいてよろしいかどうか、こういうことをお諮り
したいのですが。そういった手続を踏みましてよろしいでしょうか。
会
長
それでは予定しておりました時間がまいりました。事務局から連絡事項があ
りますか。
事務局
前回までの審議会の中で、一度レジャーをされているところの現地を見てみ
たいというご意見をいただいております。レジャー利用の一番盛んになります
7月の下旬から8月の上旬ぐらいの日曜日がふさわしいと思いますので、その
あたりで事務局の方で用意をさせていただきます。特に審議会という形ではな
しに、ご参加いただける方が現地を見ていただくというような形で、そういう
場を持たせていただけたらというふうに考えております。
会
長
よろしいですか。そうしましたらそれを企画していただいて、また連絡させ
ていただきます。それでは本日委員の皆様には非常に熱心なご討議をいただき
まして、貴重なご意見を非常にたくさんいただいてありがとうございました。
本日はこれをもちまして終了させていただきます。どうもありがとうございま
した。