　さまざまな人権問題を解説するコーナー「じんけん問題はじめの一歩」です。第７回目は「アイヌ民族の人権」です。アイヌ民族って？アイヌの人々は、固有の言語であるアイヌ語や伝統的な生活習慣など独自の豊かな伝統や文化を持った民族です。〈アイヌ〉は〈人〉や〈男〉、〈夫〉などを意味する言葉です。人口は、１９９９（平成）年の北海道庁の調査によれば北海道内には２３，７６７人となっていますが、と推定されています。圧迫されてきた歴史的事実を背景としていることは、否定できません。化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」が施行されました。また、２００８（平成）年６月６日には、衆参両院において「アイヌ民族を先住民とすることを求める決議」が全会一致で採択されました。今後、この決議をもとに策定されるアイヌ政策が、差別を撤廃し、アイヌ民族の人権の確立を実現するものとなることが期待されています。民族の誇りを受け継ぐアイヌ語も祖父母から父母、そして子どもたちへと広がりを見せています。民族や文化等の違いによる差別のない社会を築くとともに、お互いの文化や価値観を相互に認め合い、文化の多様性を発展させていくことが求人権確立のために１９９７（平成９）年７月「アイヌの人々の民族としめられます。参考：「新修部落問題事典」「部ての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国落問題・人権事典」「アイヌ民族一問一答」解 ( 放出版社ほ )か ਀ დ ⅷⅻ Ⅹℴ ⅻ⅔ 第７回手話は、ろうあ者が日常使用しているコミュニケーションの方法です。このコーナーでは、毎回ひとつの言葉を紹介します。「妹」が誤っ前回の手話「弟」ていましたので、今回正しい手話を再掲します。しゅわ『息子』『娘』『弟』あわせておぼえよう！『妹』 ※中指を立てた手を上げると「兄」、小指を立てた手を上げると「姉」になります。あわせて覚えておきましょう。協力：手話サークル津名淡路市人権学習交流会に息子が参加させていただきました。とても楽しかったようで、また来年も参加どんな人権問題？近代以降、日本政府が「北海道開拓」を進めるなかでのいわゆる「同化政策」などにより、アイヌの人々の民族としての誇りの源泉である多くの文化が失われてきました。今では、昔ながらの集落に住み伝統的な生活を続けている人はいませんが、今日でも依然としてアイヌの人々に対する差別や偏見が存在しています。１９８６年の北海道の調査では、％を超える人が 20 過去に自分や家族が差別を体アイヌの人たちは苦難の道験したと答え、そのうちのを歩みながらも、固有の文化％の人が今も差別があるとを現在に受け継いできました。答えています。現在「熊の霊送り」などのこのような差別や偏見は、儀礼や、伝統舞踊など文化のアイヌ民族が「和人」により、伝承・保存活動がおこなわれ、あるいは国によりその存在を 70 の多様な文化の発展に寄与すること」を目的に「アイヌ文させていただきたいと思います。（30 才代・女性）中指を立てた手を下げる。小指を立てた手を下げると「妹」。 !! 親指（男）を立てた手を腹の位置から前に出す。小指 ( 女 ) を立てた手を腹の位置から前に出す。 85 その７アイヌ民族の人権実際はその倍以上はいると思われます。また、北海道以外にも首都圏などに数千人いる 11