平成 24 年度 消防局 運営方針 ■ キャッチフレーズ 市民が安全で安心して暮らせる都市さがみはらの実現 ■ 局・区の運営の責任者 消防局長 大谷 喜郎 副消防局長 岩田 進一 ■ 局・区の役割・目標 1.あらゆる災害から市民のいのち・財産を守ります。 複雑多様化する災害に的確に対処するため、防ぎょ体制の充実・強化を図ります。 2.火災の発生を未然に防ぐため、火災予防対策の充実に努めます。 火災予防思想の普及啓発に取り組みます。 3.増加する救急需要に的確に対処し、救命率の向上を目指します。 一人でも多くの大切な命を救うため、救急業務の高度化・専門化に的確に対応した救急体制の整備を図ります。 ■ 局・区経営の視点・方針 1.地震発生時に想定される同時多発火災への対応力の強化を図ります。 2.大規模災害発生時における緊急消防援助隊の受け入れ体制を確立します。 3.消防署所や消防車両・資機材等基盤整備の充実に努めます。 4.消防団活動環境の更なる整備に努めるとともに、連携の強化を図ります。 5.消防法令違反対象物の是正、住宅防火対策と防火教育を推進します。 6.高度化する救急業務に対応できる職員の養成を更に進めます。 7.消防職員として一人ひとりが強い自覚と誇りを持ち、資質の向上に努めます。 8.法令遵守、交通事故防止に積極的に取り組み、信頼される組織とします。 ■ 現状と課題 現 状 課 題 今後予想される南関東、東海地震等の大規模地震が発生し た際に、市内では広域的な断水により消火栓の機能が失わ 1 れることが予想される中、市内で火災が相次ぎ、特に住宅密 集地域などでは急速に拡大することが懸念される。 大規模地震発生に伴い、災害の状況に応じた優先順位 や部隊活動を勘案した「消防トリアージ」を取り入れ、消火 活動に必要な水利の確保や資機材の整備など、消防団と の連携を図りながら、活動体制の確立が必要である。 消防力整備計画に定める、署所の整備計画にあわせた 地震や風水害等の大規模災害や毒性物質発散等による特 施設の配置・整備、地域の特性に応じた車両・装備等の 殊災害、また高層化・深層化する都市部における災害や市 導入、部隊の適正配置、専門的かつ高度な隊員教育等を 2 街地以外の地域において発生する山林火災など、あらゆる 実施し、災害の態様に応じた防ぎょ体制を構築する必要 災害に的確に対応する消防力が求められている。 がある。 消防団員数は、産業構造や就業形態の変化等により、全国 平常時における災害活動はもとより、地震等大規模災害 3 的な傾向として年々減少しており、このことは本市において 時における災害対応に万全を期すため、消防団員を確保 する必要がある。 も同様で、消防団員の欠員が生じている。 使用している全てのアナログ無線機を単年度で更新する デジタル消防救急無線の整備事業(共同整備及び市単独整 ことができない。したがって、アナログ無線機とデシタル無 備)については、平成23年度に実施設計を完了した。今後 線機の併用期間が生じてしまい、複雑な無線運用となる 4 は、平成24年度に整備工事に着手し、平成27年度の運用 ため、併用期間が極力短くなるよう効率的な整備工事を 開始を計画している。 行う必要がある。 小規模社会福祉施設のスプリンクラー設備をはじめとした消 5 防用設備の設置基準が強化されているが、適合していない 消防法令違反対象物の是正を図る必要がある。 対象物がある。 6 住宅火災による死傷者の割合のうち、逃げ遅れによるもの が最も多い。 消防団員や民生委員との連携など地域資源を有効に活 用し、住宅用火災警報器の設置率向上に取り組む必要が ある。 平成23年中に救急搬送した傷病者は前年比4.7%増加し 7 た。これに伴い軽症者も0.2%増加し、52.4%を占め依然 更に救急車適正利用の普及啓発を進める必要がある。 として高い割合となっている。 1 傷病者に対してより高度な救急救命処置を可能にするた め、平成23年度までに120名の救急救命士を養成した。さ 救急救命士の資格を有している者のうちから、気管挿管、 8 らに重篤な傷病者の救命率の向上を図るため、救急救命士 薬剤投与認定救急救命士の計画的な養成・配置が必要 の処置範囲の拡大を含めた救急業務の高度化が求められ である。 ている。 更に民間施設へのAEDの設置促進及び有効活用を図る。 AEDの重要性が認識され、市内の公共施設をはじめ、民間 また、救急車到着前のバイスタンダー(その場に居合わせ 施設においてもその設置が進められているが、地域によって 9 た人)による応急手当や早期のAEDの実施が救命率の向 AEDの設置や、救命講習会等への参加数に偏りが見られ 上に寄与することから、救命講習会等の参加者数を増や る。 す必要がある。 ■ 重点目標(H23評価とH24目標) 事務事業名 事務事業の概要 【○:H23単年度目標、◎:H23・24継続目標、新:H24新規目標】 平成23年度 指標・目標 実績・評価等 平成24年度 指標・目標 1.あらゆる災害から市民のいのち・財産を守ります。 大規模災害発生時における 対応力の強化 1-1 新 大規模な地震や集中豪雨などに 実 績 ― 評 価 ― ― よる大災害に対応する災害対応 体制の確立を図る。 消防署所整備事業 災害状況に応じた 効果的な部隊運 用や資機材の整 備について検討す るとともに、緊急消 防援助隊の受け入 れ体制の確立を図 る。 災害活動に対応しやすく、救命講 実 習等で市民や消防団員の利用が可 績 能な施設となるよう実施設計を行っ た。 藤野分署の移転整備 (実施設計) 1-2 市街地の消防署所整備は、災害 現場まで5分以内で到着できる ◎ 配置、市街地以外は、山林火 災、山岳救助など地域特有の災 害発生状況等を勘案し配置す る。 1-3 藤野分署の移転 整備(建設工事) 評 予定どおり実施した。 価 実 績 ― 評 価 ― 実 績 ― 評 価 ― ― 防災消防訓練場整備事業 北部地域及び津久井地域を管 1-4 新 轄する消防署、消防団をはじめ 自主防災組織等の訓練に活用 するため、防災消防訓練場を整 備する。 ― 相原分署の改築 (地質調査、基本 設計) 防災消防訓練場 の整備 (用地取得、耐震 性防火水槽、訓練 用消火栓、外周 フェンス等の設置) 消防団詰所・車庫整備事業 実 予定どおり、3棟の建替えを実施し 績 た。 消防団の活動拠点となる詰所・ 消防団詰所・車庫 の建替数1棟 1-5 ◎ 車庫を計画的に整備し、地域の 消防団詰所・車庫の建替数3棟 防災力の向上を図る。 評 予定どおり実施した。 価 消防団員の確保 1-6 ◎ 消防団員数の減少に歯止めをか 可能な限り100%に近づける。 け、広報活動等の方策を展開 し、消防団員を確保する。 ○平成23年4月1日現在 定員1,707人 実員1.563人 充足 実 率91.6% 績 ○平成24年3月31日現在 定員1,707人 実員1.597人 充足 率93.6% 可能な限り100% に近づける 評 充足率が2ポイント上昇した。 価 消防団組織の体系づくり 「相模原市消防団に関する条例」等 実 を改正し、1団6方面隊の体制とし 績 た。 1-7 ○ 消防団組織の更なる充実・強化 1団組織の体系づくり を図るため、現行の5団の組織を 1団6方面隊の組織に再編する。 評 予定どおり実施した。 価 2 - 特殊災害に対応するため、車 両及び資機材の整備 計画どおり救助工作車及び先端屈 大型除染システム 救助工作車及び先端屈折はしご 1-8 ◎ 特殊災害への対応及び緊急消 付消防自動車を整備する。 防援助隊派遣活動に備え、特殊 災害対応車両、高度救助用資機 材等を計画的に整備する。 実 折はしご付消防自動車の整備が完 搭載車、特別高度 績 工作車(大型ブロ 了した。 評 予定どおり実施した。 価 アー・カッター 車)、大型重機、燃 料補給車を整備す る。 デジタル消防救急無線整備 事業 計画どおり共同整備及び市単独整 実 備のそれぞれの実施設計を実施し 電波法関係審査基準の改正によ 績 た。 り、消防救急無線のデジタル化 整備工事の実施 移行期限が平成28年5月末日ま 実施設計の実施(共同整備及び (共同整備及び市 1-9 ◎ でと定められた。このため、デジ 市単独整備) 単独整備) タル化の特性を活かした通信内 容の秘匿性の確保及び広域災 評 予定どおり実施した。 害を踏まえた神奈川県全体の 価 ネットワーク構築のため、整備を 進める。 2.火災の発生を未然に防ぐため、火災予防対策の充実に努めます。 住宅防火対策の推進 住宅用火災警報器の設置率を 100%とする。新たに集合住宅等 2-1 ◎ 住宅火災による死者数を減少さ を訪問し、併せて未設置住宅等 せるため、住宅用火災警報器の 早期設置を推進する。 についても継続指導する。 実 住宅用火災警報器 設置率:70. 績 6% 設置率は全国平均とほぼ等しい結 設置率100% 評 果となり、警報器が設置されている 価 住宅からの火災による死者は発生 していない。 少年・少女防火教育の推進 (ファイヤースクール) 実 19校実施 績 市内小学校へ出向き、防火教育 72校を実施 2-2 ◎ 小学生を対象とした体験学習型 を実施する。 評 72校に協力依頼し、19校実施する の防火教育を行う。 価 ことができた。 小規模社会福祉施設や個室ビ デオ店等の遡及対象物の指導 小規模社会福祉施設のスプリンク ・違反是正を強化する ・猶予期間が終了するまでに設 デオ店等、既存の防火対象物に 置率が100%となるよう指導す 対し消防設備設置義務が拡大さ る。 れた。 2-3 ◎ 小規模社会福祉施設や個室ビ 実 ラー、個室ビデオ店の自動火災報 績 知設備共 設置率:98% 設置率100% 違反対象物0を目 スプリンクラー設備:516件中1件未 指す。 評 設置 価 自動火災報知設備:558件中9件 未設置 3.増加する救急需要に的確に対処し、救命率の向上を目指します。 救急車の適正利用の推進 平成23年中に救急搬送した傷病者 実 は前年比4.7%増加し、これに伴い 績 軽症者の占める割合も52.4%にな 平成24年中に搬 平成23年中に搬送した傷病者 り、0.2%増加した。 のうち、軽症者の占める割合を5 進し、軽症者の救急搬送人員の 0%未満に下げる。 引き続き救急車の適正利用の啓発 減少を図る。 評 を推進し、軽症者の救急搬送人員 価 の減少を図る必要がある。 3-1 ◎ 救急車の適正利用の啓発を推 3 送した傷病者のう ち、軽症者の占め る割合を50%未 満に下げる。 救急高度化の推進 計画どおりに救急救命士を養成し、 実 全救急隊の救急救命士2名配置を 応急処置範囲の拡大などの救急 績 維持した。 高度化への対応と2名乗車体制 を維持するため救急救命士を2 名配置する。 評 価 - 予定どおり実施した。 養成計画どおりに、気管挿管認定 実 全救急隊に配置する養成計画に 績 救急救命士6名、薬剤投与認定救 急救命士7名の養成ができた。 基づき、気管挿管認定救急救命 傷病者に対してより高度な救急 士6名、薬剤投与認定救急救命 救命処置の実施を可能にするた 士7名を養成する。(平成24年度 3-2 ◎ め、救急救命士の養成・配置な までに全救急隊に1名配置) 評 予定どおり実施した。 らびに気管挿管、薬剤投与認定 価 救急救命士を養成・配置し、救 命率の向上を図る。 平成22年8月1日から相模原市 AED使用可能施設登録制度を開始 実 し、平成24年3月31日現在で122 績 の民間施設が登録し、早期除細動 市内でAEDを設置している民間 ができる状況が増加した。 施設に呼びかけ、AED登録制度 に登録していただき、早期除細 動を実施し、救命率の向上を図 る。 評 今後も、AED登録制度を広く周知し 価 て、登録施設の増加を図る必要が ある。 養成計画に基づき 気管挿管認定救 急救命士6名、薬 剤投与認定救急 救命士7名を養成 する。 市内でAEDを設置 している民間施設 に呼びかけ、AED 登録制度への登 録促進を図り、早 期除細動ができる 環境を整え、救命 率の向上を図る。 応急手当の普及啓発 救急自動車到着前のバイスタン 3-3 ◎ ダーによる応急手当の実施は、 救命率に寄与することから、救命 講習会等の開催を推進し受講者 数の増加を図る。 バイスタンダー(その場に居合わ せた人)による応急手当や早期 の実施は、救命率の向上に寄与 することから、救命講習等の受講 者数を年間1万人以上とするよう 維持する。 実 救命講習等の受講数は、19,561人 績 だった。 評 予定どおり実施した。 価 救命講習等の受 講者数を年間1万 人以上とする。 ■ 本年度の主な事業(取組) 【新:H24新規目標】 主な取り組み 部名/課名 内 容 事業費(千円) ― 1.あらゆる災害から市民のいのち・財産を守ります。 1-1 新 大規模地震発生時における 対応力の強化 警防・救急課 大規模地震発生に伴い、市内では同時多発的 に火災の発生が想定されることから、効果的な 部隊活動を勘案した「消防トリアージ」を取り入 れ、検証訓練を行なうなど消防団との連携を強 化した活動体制の確立を図る。 1-2 新 緊急消防援助隊の受け入れ 警防・救急課 体制の確立 大災害時に全国から派遣される緊急消防援助 隊を円滑に受け入れ、効果的な災害活動がで きるよう、図上訓練を行なうなど受援体制の確 立を図る。 ― 1-3 消防署所整備事業 消防総務課 藤野分署の建設工事を行う。 相原分署改築のための、地質調査及び基本設 計を実施する。 294,792 消防総務課 北部地域及び津久井地域を管轄する消防署、 消防団をはじめ自主防災組織等の訓練に活用 するため、防災消防訓練場を整備する。 75,492 消防総務課 市内111箇所の消防団詰所・車庫の機能を維 持するとともに、老朽化した施設を計画的に整 備する。 (津久井方面隊1箇所) 41,245 1-4 新 防災消防訓練場整備事業 1-5 消防団詰所・車庫整備事業 1-6 特殊災害に対応するため、車 警防・救急課 両及び資機材の整備 大型除染システム搭載車、特別高度工作車 (大型ブロアー・カッター車)、大型重機、燃料 補給車を整備する。 16,729 1-7 デジタル消防救急無線整備 事業 デジタル消防救急無線の共同整備及び市単 独整備の整備工事を実施する。 399,111 指令課 4 2.火災の発生を未然に防ぐため、火災予防対策の充実に努めます。 2-1 違反是正取り組みの強化 予防課・消防署 消防法令違反建築物の是正に取り組む。 2-2 少年・少女防火教育事業 (ファイヤースクール) 予防課・消防署 小学生を対象に、体験学習型の防火教育を行 う。 1,381 2-3 住宅防火対策事業 予防課・消防署 住宅用火災警報器の設置促進を継続して取り 組む等、住宅防火対策を推進する。 380 ― 3.増加する救急需要に的確に対処し、救命率の向上を目指します。 3-1 救急高度化推進事業 3-2 AED使用可能施設登録制度 警防・救急課 の推進 3-3 応急手当の普及啓発 救急救命士を計画どおり養成する。 また、救急救命士の中から気管挿管、薬剤投 与認定救急救命士を養成し、救急高度化を図 る。 消防総務課 警防・救急課 市内でAEDを設置している民間施設に呼びか け、AED登録制度への登録促進を図り、早期 除細動ができる環境を整え、救命率の向上を 図る。 救命率の向上には、市民による応急手当が不 可欠である。少しでも多くの市民が受講できる ような講習会等を開催し、普及啓発の推進を図 る。 警防・救急課 5 13,361 50 6,318
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