全日本育成会は東京都労働委員会も認定した - ユニオン東京合同

育成会分会ニュース
50号
2014. 3.11.
発 行: ユニオン東京合同 全日本手をつなぐ育成会事務局分会
(全日本手をつなぐ育成会の事務局で働く労働者の分会)
〒101-0061 東京都千代田区三崎町 2-17-8 皆川ビル 301 朔気付
TEL&FAX
03-3262-4440
メール [email protected]
HP http://www.union-tg.org/utg/
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働く労働者のみなさん。労働者・障がい者の権利を護る立場の皆さん。
私たちは、
「東京都港区芝公園1-1-11 興和芝公園ビル2階」にある「社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会」
(以下、「全日本育成会」とします)の事務局で働く労働者で組織するユニオン東京合同(略称:UTG)の分会です。
6年前の特別監査報告によって、当時の事務局長が突然解職される事件が起き、労働者から話し合いを求めても使用
者は話し合いを拒絶したため、当該労働者は、地域の合同労組・ユニオン東京合同の分会を結成し、以来、使用者によ
る労働者の権利侵害と闘っています。労働者・障がい者に対する権利を護っていきましょう。
全日本育成会は東京都労働委員会も認定した
不当労働行為をただちに謝罪せよ!
「社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会」(使用者)による不当労働行為に対し、ユニオン
東京合同が救済申し立てをした4件併合事件への東京都労働委員会「命令書」が2014年2月
26日に交付された。東京都労働委員会の「命令書」は、労働組合と組合員を合理的な理由なく
差別する使用者の言動を厳しく断罪し、以下のように不当労働行為を認定した。
「1.ユニオン東京合同との団体交渉においてIJ組合員に対する事務局長解任の撤回をしない
理由について具体的説明を行わなかったこと、
2.2009年8月20日以来ユニオン東京合同の申し入れた団体交渉に応じていないこと、
3.OK組合員に対し東京都労働委員会における審問出頭につき賃金カットを行ったこと、
4.OK組合員へ2011年6月7日付け、けん責処分を行ったこと 」
のいずれも不当労働行為であることを認定し、使用者に対し「このような行為を繰り返さない」
ことを求めるものであった。
(詳しくは、「平成 26 年 2 月 26 日 全日本手をつなぐ育成会事件命令書交付について」(2ページ)をご覧ください。)
そして「この内容を文書にしてユニオン東京合同に交付すること、同一内容の文書を 55 セン
チ×80 センチ(新聞紙2頁大)の白紙に楷書で明瞭に墨書して、貴法人職員の見やすい場所に
10 日間掲示しなければならない」とされ、命令書交付日から1週間以内にしなければならない
にもかかわらず、全日本育成会(使用者)は履行していないのである。(2014年3月 10 日現在)
1
「平成 26 年 2 月 26 日 全日本手をつなぐ育成会事件命令書交付について」
(東京都労働委員会事務局のサイトから抜粋)
怖心やこれに伴う精神的苦痛を与えたとして、同人に対
し、23 年6月7日付懲戒処分(けん責)を行った。
23 年9月、X3は、同人が東京地裁に提起した懲戒処
分無効確認訴訟において法人と和解し、同処分は撤回さ
れたが、その後、法人理事長は、職員会議等で処分は間
違っていたということではない旨の発言をした。
1 当事者
申立人
ユニオン東京合同
被申立人
社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
2 事件の概要
・法人は、平成 19 年、法人が設置した特別監査チームか
らの指摘を受け、事務局体制等に問題があるとして、組
合員Ⅹ1の事務局長職の解任を決定した。5月上旬、X
1は、組合に加入し、組合は、法人に対し、事務局長解
任の撤回等を求め、この問題などを議題とする団体交渉
が開催されたが、5月に開催された第2回団体交渉の議
事録に、就業規則の変更に当たっては事前協議する旨の
組合の主張が記載されていたことから、同議事録が労働
協約に当たるかなどの見解で労使は対立し、その後、法
人は、理事会において事務局長解任の撤回要求には応じ
ないと決め、法人は、組合の交渉態度を問題として団体
交渉に応じなくなった。
3 命令の概要
<主文(要旨)>
文書の交付及び掲示
文書の要旨:平成 19 年の団体交渉における法人の対
応、及び、法人が、21 年8月 20 日の開催後団体交渉に
応じていないこと、Ⅹ3に対し、東京都労働委員会にお
ける証人出頭につき賃金等を減額し、また、同人にけん
責処分を行ったことは、いずれも不当労働行為であると
認定された。今後、このような行為を繰り返さないよう
する。
・21 年6月3日、法人は、組合員X3が5月 18 日に東
京都労働委員会の審問に証人として出頭する時間の勤務
上の取扱いについて、同人から質問があったことに答え
て、20 年 12 月 1 日改定の就業規則等の規定に基づき、
不就労としてその時間分を賃金から控除すると回答した。
法人は、7月8日にX3が証人として出頭した時間分
を8月支給の給与から減額し、以降、21 年5月 18 日、
8月 24 日、22 年2月 23 日、7月7日及び9月 24 日の
証人出頭に伴う不就労の時間分について、賃金の減額及
び調整的減額並びに賞与の減額(以下「賃金等の減額」
という。)をした。
なお、22 年9月、X3が、東京地裁に賃金等減額分の
支払請求訴訟を提起したところ、23 年7月、法人は、同
人に対して減額した賃金及び賞与並びに損害金を任意に
返還し、X3の請求をほぼ認容した 24 年7月付東京高等
裁判所判決が確定した。
・法人は、組合が、団体交渉において法人側団体交渉員
の発言を繰り返し妨害したことを理由として、21 年8月
20 日開催の団体交渉後、組合の申し入れた団体交渉に一
切応じていない。
・22 年 10 月 15 日、組合は、法人事務局に無断で立ち入
り、事務局長の机上に団交開催要求書を置いた。法人は、
X3が組合の一連の行為を制止せずに誘導若しくはほう
助する形で加担し、法人事務局の女性職員らに対して恐
2
4 判断のポイント
・ 19 年の団体交渉において、法人は、Ⅹ1の解任撤
回要求に応じない具体的な理由を説明しなかったのであ
るから、不誠実な団体交渉に当たる。また、法人が、組
合に対する謝罪要求等に固執し、21 年8月 20 日より後
の団体交渉開催に一切応じていないことは、正当な理由
のない団体交渉拒否に当たる。
・ Ⅹ3の賃金等の減額措置は、当時の労使関係に鑑
みれば、同人が証人として活動したこと等に対する報復
的不利益取扱いに当たり、同人の組合活動を妨害するこ
とを意図した支配介入にも該当する。
・ 22 年 10 月 15 日に組合が法人を訪れ、団体交渉開
催要求書を提出したのにはやむを得ない事情があると認
められ、法人が、X3に対して組合の行動を制止すべき
としてけん責処分をしたことは、組合活動を嫌った不利
益取扱い及び組合活動を制約することを狙った支配介入
にも該当する。法人は、21 年8月 20 日の第 21 回団体交
渉後、組合が申し入れた団体交渉に一切応じない状況が
続いたのであるから、22 年 10 月 15 日に組合が法人を訪
れ、団体交渉開催要求書を提出したのには、やむを得な
い事情があったというべきであり、X3に、組合の行動
を制止する義務があることを当然の前提とすることはで
きない。また、X3が組合の行動を制止しなかったこと
をもって、組合の行為の誘導若しくはほう助に当たると
認めることは困難である。
むしろ、法人は、X3が本組合活動のメンバーのうち
唯一の職員であるから、あえて、同人に対して懲戒処分
を行ったものとみることができ、法人のⅩ3に対する上
記事由に基づく懲戒処分には問題があったといわざるを
得ない。
Ⅹ3に対するけん責処分は、処分事由及び処分が行わ
れた当時の労使関係の状況を併せ考えれば、同人の組合
活動を嫌った不利益取扱いに当たるとともに、同人を処
分することにより組合活動を制約することをねらった支
配介入にも当たる。
全日本育成会事務局の偽装閉鎖と労働者全員解雇を許さない
久保厚子理事長は、2013年6月就任直後から、
「全日本育成会の幕引きのために理事長になった」
という奇怪な言動で、障がい者団体関係者から不審がられていたが、これまでの、団交拒否をはじめと
する不当労働行為の累積と使用者責任から逃れたいためにか、東京都労働委員会「命令書」交付の前日、
2014年2月25日に「事務局の閉鎖と事務局労働者全員解雇」を口走るに至り、ブラック企業(使
用者)そのものの体質を露わにした。
ユニオン東京合同全日本育成会分会は「事務局の閉鎖と事務局労働者全員解雇」の場合、使用者責任
をあいまいにしない闘いを決意した。
声
明
2014年3月3日
ユニオン東京合同
2014年2月25日、
「社会福祉法人 全日本
手をつなぐ育成会」久保厚子理事長は、職員会議
で「社会福祉法人格の返上」と「事務局職員全員
解雇」を職員に告げた。
ユニオン東京合同は、
「事務局労働者全員解雇」
に断固として反対し、また、
「全員解雇」のための
「事務局閉鎖」にも反対する。
体交渉拒否に当たるといわざる得ない」と厳しく
断罪された。
全日本手をつなぐ育成会の「再生」は、育成会
運動とかけ離れた「職員全員解雇」するような、
ブラック企業体質を克服し、労働組合と組合員差
別をする体質を払しょくすることなしにはできな
い。
2月26日には、全日本手をつなぐ育成会(使
用者)による不当労働行為へのユニオン東京合同
が申し立てた、救済申立4件併合事件への東京都
労働委員会の命令が交付された。
命令書は、労働組合と組合員を合理的な理由な
く差別する言動を指摘し、
「1.ユニオン東京合同
との団体交渉において飯島組合員に対する事務局
長解任の撤回をしない理由について具体的説明を
行わなかったこと、2.2009年8月20日以
来ユニオン東京合同の申し入れた団体交渉に応じ
ていないこと、3.岡庭組合員に対し東京都労働
委員会における審問出頭につき賃金カットを行っ
たこと、4.岡庭組合員へ2011年6月7日付
け、けん責処分を行ったこと」のいずれも不当労
働行為であることを認定し、
「このような行為を繰
り返さない」ことを求めるものであった。とりわ
け、使用者の団交拒否について「不誠実な対応で
あったと言わざる得ない」
、
「正当な理由のない団
久保厚子理事長・田中正博常務理事の言動によ
れば、
「社会福祉法人格の解散」の手続き後は、
「5
6正会員による連合体の形態で、事業の整理、統
廃合後の機能を、各正会員で分散して役割を担い、
運動体として活動を存続させる。」とされているが、
もしそうであるならば、東京都労働委員会の命令
書の誠実履行の責任も雇用の責任も含む、使用者
としての責任は「56正会員による連合体の形態
で存続させられる」ものであり、56正会員には
使用者の責任が明確に刻印されるものである。
組合は、使用者の組織形態がいかようになろう
とも、全日本手をつなぐ育成会事務局労働者の「全
員解雇」を阻止し、あるいは撤回させるために、
労働委員会、民事裁判も含むあらゆる手段を尽く
して闘い抜くことを宣言する。
以上
3
厚生労働省は、全日本育成会の不法行為を容認するな
「労働組合法第二十七条の十二の4 救済命令等は、交付の日から効力を生ずる。
」のであり、
「労働組合法第二十七
条の十五 ただし、この申立て【←再審査の申立て】は、救済命令等の効力を停止」しないのである。だから、厚生
労働省が全日本育成会の不法行為を容認するようなことがあってはならない。使用者は、掲示命令に従え。
久保厚子理事長・田中正博常務理事は
あらゆる企業に「ブラック企業」的体質が蔓延しつつ
ある社会状況ですが、障がい者団体で唯一とも言われた
障害者自立支援法への賛成をして以来、障がい者の利益
とは方向がずれてしまった全日本手をつなぐ育成会の使
用者が、(知的)障がい者の権利を擁護する運動団体と
しての矜持を投げ捨て、厚生労働省ほかの行政・自治体
に「もの申す」姿勢も窺えないようになり、それと呼応
して、「労務」の姿勢も「普通の企業並み」(すなわち、
ブラック士業と変わらぬ発想・体質)を志向するように
なりましたが、それは、副島宏克・北原守氏らの跡を継
いだ久保厚子現理事長・田中正博常務理事らにも継承さ
れているので、全日本育成会の労務体質は、真っ黒なブ
ラック企業体質から抜け出せません。すべてのブラック
企業の体質と闘い、労働者の権利を護りましょ
使用者責任から逃げられない!
「事務局閉鎖」をめぐる、久保厚子理事長・田中正博常務理事の言動によれば、「全日本育成会」
が「社会福祉法人格の解散」の手続きをした後は、「56正会員による連合体の形態で、事業の整理、
統廃合後の機能を、各正会員で分散して役割を担い、運動体として活動を存続させる。」とし、そこ
には「会長と事務局を置く」と、現在の事務局職員を全員解雇した後も、事務局は存続するとしてい
る。
このことは、久保理事長・田中常務理事は、自らの使用者責任を逃れるために、「不当労働行為の
後始末」を、「56正会員」(47都道府県・9政令指定都市育成会)に押し付けようとしていると
しか見えない。東京都労働委員会の命令書の誠実履行の責任も雇用の責任も含む、使用者としての責
任は「56正会員による連合体の形態で存続させられる」ことになり、久保理事長、田中常務理事は、
使用者としての責任を56正会員に引き受けさせようとしているのであろうか。
ユニオン東京合同は、3月3日付「声明」
で、『「事務局労働者全員解雇」に断固と
して反対し、また、「全員解雇」のための
「事務局閉鎖」にも反対する。』
『組合は、
使用者の組織形態がいかようになろうとも、
全日本手をつなぐ育成会事務局労働者の
「全員解雇」を阻止し、あるいは撤回させ
るために、労働委員会、民事裁判も含むあ
らゆる手段を尽くして闘い抜くことを宣
言』した。
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