金型加工用高速ミーリング

49巻 9号
特
研
(1997.9)
生
産
研
究
集
2
究 解 説
金型 加 工 用高速 ミー リ ング
High SpeedMilling for Die and Mold Making
中 川
威
雄
*
Takeo NAKAGAWA
ボ ー ル エ ン ドミル に よ る切 削加 工 にお い て ,工 具 回転速度 が増 せ ば加 工 時間 を短縮 す る と共 に表
面 の 平滑 さを増 す こ とが で きる.こ の こ とは 自由曲面 をもつ 金型 製作 の迅 速 化 につ なが り1高 速 ミ
ー リング と して注 目 されてい る.高 速 ミー リン グ技術 は実 際 の金 型 工 場 でだんだん と使用 され るよ
うに な って い るが 1耐 熱性 の優 れ た cBNを 工 具 と して用 い れ ば切 削速 度 が 1,000m/min又は主 軸 回
転数 50,000rpmを越 す よ うな超 高速領 域 の超 高速 ミー リング も可能 で ある こ とが わか って きた.最
近 では各所 で工作機 の 開発 も活発 に進 め られているの で近 い将 来鉄 系材 料 の超 高速 ミー リン グの時
代 が至1来 しよ う。
1日は じ
め
に
中心 とな り, 一 部 の 荒加 工 をヽ
除 い て は重 切 削 は行 われ な
い 。特 に 自由 曲面等 で は , ボ ー ル エ ン ドミルの 送 リピ ッ
機械 部 品 の生 産 工 場 にお い て は , 品 質 の 向上 と コス ト
の 削減 は永 遠 の 課題 で あ る。 特 に世 界 的 な経 済競 争 の 中
チ を細 か くす る こ とに よって 表面粗 さを減少 させ 後仕 上
にあ って , 生 産 コス ト削減 の 要 求 は と りわ け厳 しい もの
が る。 多 くの機 械 部 品 は型 を使 って 成 形 され て い るが ,
"か つ
型 に よって生 産 され る素 形 材 に つ い て も, “早 く
“
"供
安く
給 す る こ とは必須 の命題 とな ってい る。素形材
加 工 時 間 を長 くして い る。小 径 工 具 に よる切 削 時 間 を短
げ工 程 を削減 す る こ とが 出来 るが , そ の こ とが また切 削
縮 す る には , 切 削 工 具 の 回転 数 を よ り早 くして , 送 り速
度 を よ り早 くす れ ば よい 。そ こ に高速 ミー リ ン グの存 在
意義が あ る。
生 産 の ネ ックは , こ の 型 の生 産 が簡単 には早 く安 く出来
な い こ と, 即 ち型 の生 産 には 時 間 が か か り価 格 も高 い こ
と とされ て い た。 しか し, 少 量 生 産が 一 般化 し, 商 品サ
イ ク ルが短期 化 し, 新 商 品 開発 期 間 を短縮 化 す る動 きの
うにボ ー ルエ ン ドミルが 使用 され る
中 で , 型 製作 時 間 の 削減 と コス ト低 減 要 求 は益 々厳 しい
で は表 面 に凹 凸が 生 ず るの は避 け られ な い が , よ り滑 ら
もの となってい る。
型 製作 は設計 ・加 工 ・組付 ・仕 上 げ ・トライ ・修 正 と
い った順 で行 われ る。 設 計 の 分 野 で は C A D が 導 入 され ,
さ らには成形 シ ミュ レー シ ョン な どに よ り, 型 設計 の 合
理化 と共 に信頼性 も向上 して い る。型 加 工 は N C プ ロ グラ
2 . 鉄 の 時代 に入 った高速 ミー リング
金型 の よ うな 自由 曲面 の切 削加 工 で は , 図 1 に 示 す よ
1 ) 。 ー ルエ ン
ボ
ドミル
│
工
具 (ボ ー ル エ ン ドミル )
(自由曲面)
ミング を含 め 最 も多 くの工 数 を要 し, こ の工 程 の 時 間短
縮 が型 製作 にお け る リー ドタイ ムの 短 縮 と コス トの 削減
には不可欠 の もの とされてい る。
型加工 の大 部分 は切 削加 工 で 行 われ , エ ン ドミル に よ
る フライス切 削 を用 い て 行 われ るが , 複 雑 な形状 を もつ
型加 工 で は , 工 具 径 の大 きな もの を使 用 で きな い 。 した
が って小 径 工 具 が 多用 され , そ の こ と もあ って軽 切 削 が
*東
8
京大学生産技術研 究所 第 2 部
ピックフィー ド E P f ]
図 1 自 由曲面 の ボ ー ルエ ン ドミル加 工
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か な面 を 得 る に は 送 リ ピ ッチ を細 か くす る必 要 が あ る 。
に問題 が あ ったか らに他 な らな い 。高速 で切削 を行 えば,
この こ とは 同 時 に 切 削 加 工 に 要 す る時 間 を 長 く して し ま
切刃 に高熱 が発生 し, 工 具 が 短時 間 で損傷 して しま う。
しか し, 最 近 の工 具材 料 の 発展 は 目覚 ま しい ものが あ
る。セ ラ ミック コー テ イ ン グ した超 硬 工 具 は この 高速 ミ
う。高速 ミー リ ングでは工 具 の 回転速度 を早 くし,そ れ
に応 じて加工能率 を上 げ送 りを早 くす る。 この よ うな高
速 ミー リ ング採用 によ り切削加 工 の高能率化 は図 2に 示
力
す金型加工の例 か らも理解で きる .
同時に工 具 の送 リピッチを細か くすれ ば表面粗 さは図 3
の ように大幅 に改良されるの.こ のように高速 ミー リング
ー リ ン グに耐 え る工 具材 料 で あ る こ とが わか って きた。
また , 刃 先 に負 の す くい 角 をつ け る こ とに よつて刃 先 の
チ ッ ピ ン グ を避 け る こ とに も成 功 して い る。 図 4 は 鉄系
の 金型材 の切 削加 工 の 過去 。現在 ・将 来 を ま とめ た もの
は高能率 と高精度 の加 工が 同時 に実現で きる利点 を持 っ
てい る.こ の よ うな高速 ミー リングの利点は ここで改 め
て述べ るまで もな く,ず っと以前 よ り知 られて い たこと
で あ る。 この よ う に金 型 製作 の 現場 にお い て は , ミー リ
ン グの速 度 を よ り高速 化 す る こ とに大 きな期待 が寄せ ら
れて い る °.
で,事 実 アル ミ合金 の切削加工 ,特 に航空機部品産業 で
は一般的 に活用 され きた。 この高速 ミー リ ングが金型製
3 . 金 型 の 高速 ミー リングの例
作 に これ まで用 い られなか った理由は,切 削工 具 の寿命
金型 加 工 で 高速 ミー リ ン グが適用 され , 実 際 に大 きな
効果 を上 げ て い る例 の報告 が次 第 に多 くな って い る。 図 5
は トヨ タ 自動 車 の金 型 工 場 にお け る鍛 造 金型 に適用 した
高速切肖J
高速 D N C 運 転
1001000 min‐ 1
主軸 回転数
切削送 り
用 い る こ とに よ り放 電加 工 や加 工 後 のみが き工 程 さえ も
省 略 した こ とが全 体 の 加 工 時 間短縮 に大 き く寄与 して い
る. さ らに図 6 は 小径 2 φ のボ ー ル エ ン ドミルエ 具 1 本 の
6.000 1111in l
0.6m/1nin
10m/min
切込 み量
ピックフィー ド
9。
小径 工 具 を
例 で あ り, 加 工 時 間 に大幅 に低 下 して い る
通常切削
0,l llllm
■
0.2mm
ステ ップフィー ド
1.Omm
←
加工 時 間
38分
5時 間 41分
切削長 さ
1751111
NCテ ー プ長
ー
ボ ルエン ドミル
←
61000111
■
サー メッ ト R5
被削材材質
S50C 硬
切削方式
Down-c
ハイス R 5
度 H B 206
t Dry
図 2 高 速 と通常切削 との比 較 (新潟鉄 工 )
0
1
m)
0
2
■■1 ︶ 赳毅 翌 摯
Pf=0.2 mm (Rmax=1.350 μ
高 速 ミー リ ン グ
Coathg
Pf=0.5mm (Rmax=4.795 μ
H il 5T [百
l■輛 孫
yI蔵 而 i
「「丁 下Vl 市
贋
「
結 体 ポ ー ル エ ン ドミル R5mm l
1 切 削 工 具 :特 殊 CBN焼
l
斜 面 ,乾 式 切 肖1,Down― ctt
l 切 削 条 件 :15度
l
工 具 : ボ ー ル エ ン ドミ ル
m)
被 加 工 材 料 : ダ ィス鋼
0.2
N=50,000min lF=5,000mm/min d=0.lmm Pf=0.2hm l
図3 ピ
ック フ イー ドと表 面 粗 さ (新潟 鉄 工 )
Ⅱ Rc45
1
送 り (mm/cutting edge)
図 4
金 型 ボ ー ル エ ン ドミル 加 工 の 過 去 。現 在 ・将 来 ( 松岡)
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15,000rpm)
① Machine s口ndle speed 13,500‐
oaJng
② T o d H i g h n g d l y , M―
uo 田
③ Soi
Caerum(Rough&lnish)
lvlanufacturing
time
Past
processing
Machiningcenteril』
101
hilj
New
processtng
Machiningcenter 101
図 5 高 速 ミー リ ン グの実用 夕1(ロ ー アア ー ム熱 間鍛 造金型 )
(ト ヨタ)
生
産 研
究
い られる工 具材料 としては焼結 cBN工 具 が考 え られ る。
cBN工 具 は図 7に 示す ように現在 の ところ鉄系材料 の切
削 には最 も耐摩耗性 が 高 い と信 じられている工 具材料 で
あるの.し か し,同 時 に超硬 に比較 して靭性が劣 り,加 工
時 に切刃 のチ ッピングの発生が危惧 される。cBN工 具 に
はバ イ ンダ量の大小 によって,靭 性 の高 い もの か ら靭 性
の まで各種 の材 質が発 売 されて い る。バ イ ンダ
EDMの低 い も71『
185
量が多 く靭性 の高 い ものは主 として鋼材用 に,バ イ ンダ
量が少 な く靭性 の低 い ものは硬質鋳鉄 な ど適 して い る と
言われてい る。 しか し,切 削速度が 1,000m/minのような
高速 ミー リ ング領域では,バ イ ンダ量が多 い と発生す る
高温 の切 削熱 に よってバ イ ン ダ部分がおか されるので ,
出来るだけバ イ ンダ量の少ない材質が望 ましい。
靭性 の劣 るバ イ ンダ量が少ない cBN材 を用 い て, しか
も発生す る ピ ッチ ングの危険 を避 け るには,工 具 刃 先 に
負 のす くい角 をつ ける対策 をとらざる を得 ない。負のす
くい角 の採用 によって切れ味が低下するが,幸 い 図 8に
実験結果 を示す よ うに切れ味が劣 った分 は高速化す るこ
とによって切れ味が向上 し,超 高速切削では負 のす くい
角で も満足 な切削 を行 うことができる°。 これ らの こ とか
ら図 9に 示す よ うな高密度焼結 cBNを 超硬本体 に ロ ウ付
け した負 めす くい角 を持 つ cBN工 具が超高速 ミー リング
用 として開発 された 9.
図 6 エ アベアリングミー リングマシンによる切削夕1
(コンロッド)(2φ,30,000 rpm,送り6m,24 min)
(新潟県工業技術総合研究所)
み で 熱 間鍛 造用 コ ネ クテ ィ ン グ ロ ッ ド金型 の キ ャ ビテ イ
部 の全 加 工 を行 った例 で あ る °。 しか も, こ の例 で は使用
す る マ シエ ングセ ン タの主 軸 の ベ ア リ ン グが空 気 軸 受 で
も問題 な く加 工 で きた こ とが 示 され て い る。空 気 軸 受 け
は高速軸受 け寿 命 が長 い こ とに期待 が 集 まって い る。
これ らの金型 加 工 で は, 高 速 ミー リ ングの採用 に よ り,
送 リ ピ ッチ を細 か くして表 面仕 上 げ精 度 を向上 す る と共
に, 小 径 ボ ー ル エ ン ドミル を用 い る こ とに よ り, 従 来放
電加工 で行 ってい た底 の R 部 の 形状 加 工 も切 削 で行 って
い る. こ の場合 工 具 の種 類 を減 らす と共 に, N C カ ッター
5 . 超 高速 ミー リングの 実験結果
前 述 の c B N ボ ー ル エ ン ドミルエ 具 と, 新 潟 鉄 工 製 の
100× 103Ψ
m 超 高速 ミー リ ン グ盤 を用 い て金 型材 の超 高
ー
速 ミ リ ン グ を行 った 。鍛 造用 プ リハ ー ドン ダイス鋼 を
5 0 × 1 0 3 r p m で切 削 した結 果 は , 図 1 0 に 示 す よ う に 5 ×
1 0 3 r p m と比 較 して工 具寿 命 の低 下 は認 め られ なか った D .
そ れ どころ か 両 速 度 領域 にお い て , 超 硬 合 金 に比 べ て ,
は るか に長寿 命 を示 し, c B N 工 具 の 耐久性 の 高 さを示 し
た。
10000
パ ス を求 め る手 間 も減少 して い る。 但 し, 小 径 工 具 で は
工 具 の ア ス ベ ク ト比 L / D が 大 きい ため 当然 びび り振 動 を
発生 し易 くな るので , 側 壁 が 直 角 に切 り立 った壁 を持 つ
金型 には この種 の切 削加 工 の み で は加 工 出来 な い 。 つ ま
り, 小 径 工 具 に よる切 削加 工 にお け る深 い キ ャ ビテ イの
加 工 の形状 的制約 は解消 されて い る訳 で はな い.
4 口よ り高 い切削熱 に耐 える c B N 工 具
これ ら高速 ミー リ ン グの 実 際 の 金型工 場 で の 成功 に刺
激 され て , よ り高速化 へ の挑 戦 が進 んで い る. よ り高速
の切 削 , こ こで は超 高速 と呼 ぶ こ と とす るが , こ れ に用
10
Toughness(Bending strength)Kgf/mm2
図 7 切 削用工具材料 の硬 さと靭性
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昭 8
こ 6
∝4
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究
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さ らに同 じ工 具 で焼 入 れ ダイ ス鋼 の切 削 実験 を行 った
ところ, 図 1 1 に 示 す よ う に, 驚 い た こ とに超 高速 で は工
11)。
これ は , 超 高速
具摩 耗 が 減 少 す る傾 向 が認 め られ た
切 削 で は , 切 削 熱 に よ り, 焼 入 れ材 が軟化 す る こ とに よ
切肖I条件 :
S50C HB206 15・
斜面
・
ルR5-2枚刃
ホ ルエンドミ
f=0.05 ml1/tooth
置 2
主 軸 回転 速 度
産
って , 摩 耗 が減 るので は な い か と考 え られ て い るが , 本
4
6
8
粗さ7点測定
NE×1 04 min l]
当 の ところは不 明 で あ る。
同 じような超 高 速 で か え って工 具 寿命 が 延 長 す る現 象
は 同 じc B N 工 具 を使 った 図 1 2 の よ うな フェイ ス ミル を使
3 0 ,0 0 011in 1(Vmax=420o/min)
った鋳鉄 の切削実験 で も認 め られて い る。6 , 0 0 0 m / m i n ま
で の 結 果 を 図 1 3 に ま と め て い る が , 明 らか に 2 ∼
3 , 0 0 0 m / m i n の超 高速切 削領 域 で は工具摩耗 の減少 が 認 め
2 ) 。この
実験 結 果 は連 続 加 工 に近 い フ ェ イ ス
られ て い る
Cutting Area A Ecm コ
200 400 600 800 1000 1200
》
フ ィ ー ド方 向 の 切 削 面 4 1 1 さ
結 体 ド ルエンド ミルに よ る S 5 0 C 切
削
・
速切削 にお ける ム シ レの改 善効 果 (新潟鉄 工 池 田)
図8 高
[日日□ m> ﹄“①〓 出口‘一﹄
ネガ ランド 付 き C B N 焼
維雌
H耐謂 li鸞
:差
;=;:;;ffi""""'l
tr:ao,ooonin-',v=r.zEI-1,55rn/uin
Pf‐0.2■II
Down―cut,Dry
θ=30°
0
loo 200 300 400 500 600
Cuting Length L Em]
巨]1l Effect of cutting sPccd on CBN toolin lnilling of quenchcd
die stcel(SICD61,HRc57)
(池田他)
ー ルエ ン ドミル (松岡)
図 9 高 速 ミー リ ング用 cBNボ
C u t t i n g A r e aA [ c m ' ]
[日日] m> ﹄“①〓 出口“[﹂
200
400
600
800
1000
1200
't=407* 700m/nin 0 =75'
O N=50,000nin-1
=30"
O N = 5 0 , 0 0 0 n i n - 1V = 7 8 5 - 1 0 4 0 m / n i n 0
0
=
30"
7
0
4
n
/
n
i
n
v
=
7
9
5
,
0
0
0
n
i
n
t
N
=
n
f:0 . 05nn/to oth
F =5,000/500un/nin
d =0.1nu
Pf=0.2nn
Down-cut, DrY
0 0
0
loo 200 300 400 500 600
Cuting Length L Em]
=-80 RP=-6.
A「
ミー リ ング試験 に用 い た cBN平 面 フライスエ具
図 10 Effect of cutting specd on CBN tool wear in llllilling of pre― 図 12 超 高速
(松岡 。高橋他)
田他
)
hardened dic steel(SKD61,HRc36)
(池
49巻 9号
生
産 研
究
6 . 超 高 速 ミー リン グ マ シ ン
現 在 開発 され て い る高速 ミー リ ングマ シ ンの うち , ボ
ー ル エ ン ドミルの工
具外周部 で 2 , 0 0 0 m / m i n 以上 の超 高速
TI\E︶> 側躙 轟 S
度 が 出せ る機種 が 幾 つ か存在 す る。 この うち最 初 の 新 潟
鉄 工 の機種 は 1 9 9 0 年頃 に開発 され た もので , 軸 受 け にセ
ラ ミックボ ー ルベ ア リ ン グ を用 い て い る。 こ れ は 1 0 0 ×
103Ψ
m の 回転 数 を もち , 今 話題 の超 高速 ミー リ ン グの 可
能性 を実 証 す るキ ッカケ とな った機種 で あ る。 これ よ り
高速 回転 の もの は最 近理 研 ( 北村 機械 , 東 芝機 械 , フ ァ
ナ ック と共 同開発 ) で 開発 され た。1 5 0 X 1 0 3 r p m の 主 軸
回転 数 を持 ち主軸 が空 気 軸受 け とな ってい る 1 の
。 他 の機
マ
種 と して ザ ック ( 豊田工 大 ) の 4 0 番 で 4 0 × 1 0 3 r p m の
1
10
1oo
looo
10000
工具寿命 T(min)
図 13 切 削速度 と工具寿命お よび寿命 に至 るまでの除去量 の関係
(高橋 。松 岡他)
機 種 が あ り, 主 と して アル ミ合 金 切 削用 に開発 され た も
の で , 通 常 の ボ ー ルベ ア リ ン グを使用 して い る。 この機
種 の特徴 は送 り速度 が 6 0 m / m i n と 極 め て高速 が 出せ る点
で あ る. こ の 高 速度 送 りは通常 の ボ ー ルス ク リュ ー で 実
現 して い る。
7.お
わ
り
に
ミル の 結 果 が あ るが , フ ェ イ ス ミル で も切 刃 が 被 加 工 材
に 常 に接 触 して な い 断 続 切 削 で は , 更 に 摩 耗 が 減 少 し長
何 と い っ て も超 高 速 ミー リ ン グで cBN工 具 ボ ー ル エ ン
ドミル の 速 度 限 界 が い ま だ 見 え な い 点 は 興 味 が つ きな い
寿 命 が 得 られ る こ とが わか って ぃ る. つ ま りこの 実験 結
果 で は 2 ∼ 3 , 0 0 0 m / m i n で最大寿 命 が 得 られて い るが , ボ
ー ル エ ン ドミル で の最 大寿 の
命 速 度値 は更 に高 くな る こ
と こ ろ で あ る。NC送
りや 工 作 機 械 の 限 界 が 高 速 化 の 支 障
とな っ て い る と した ら,そ れ を打 ち破 る工 夫 を加 え て ほ
しい もの で あ る。
とが予想 され る.
(1997年6月 18日受理)
以上 の 2 つ の 実験 結 果 が 示 す こ とは , ボ ー ル エ ン ドミ
ル に よる金型 材 と鋳 鉄 の加 工 で は , c B N 工 具 を用 い る 限
り今 の ところ工 具 寿 命 か らみ た速 度 の 限 界 は把握 され て
い な い こ と となる。 高速 化 す れ ば す る程加 工 能率 は上 が
り, 工 具寿 命 も問題 とな ってい な い ので あ る。 これ はボ
ー ル エ ン ドミルで は
, 工 具 切 刃 が 被 加 工 材 に触 れ る 時 間
は極 め て短 時 間 で あ り, 大 部 分 の 時 間 は空 冷 され て い る
こ とに依 ってい る と思 われ る. 但 し, ボ ー ル エ ン ドミル
の 底 の 中心 刃 部 は速 度 が 遅 く, ま た接 触 時 間 も長 い ので
必 ず しも この理 屈 は通用 しな い 可 能性 が あ る。 したが っ
て工 具 の 中心 刃 の 形状 は益 々重 要 と な り, 将 来 は工 具 を
少 し傾 け て切削す る等 の工 夫 も必要 となる可 能性 もあ る。
参 考
1)池
文
献
田,松 岡,中 川 :精 密工学会中国四国支部 [最近 の金型
製作法]講 習会テキス ト (1990),1.
2)池 田,手 塚 :型 技術 ,5,8(1990),91.
3)池 田,高 橋 ,松 岡,中 川 :型技術 ,6,8(1991),45
4)松 岡 :機 械技術 ,43,6(1995),19.
5)古 谷 :理研 シンポジウム第 2回 ラ ピ ッ ドプロ ダク トマニュ
フアクチ ヤリングテキス ト (1996),20.
6)嶽 岡 :機械技術 ,43,6(1995),25。
7)精 密工作便覧,精 密工学会編 (1992),49.
8)池 田,高 橋 ,松 岡,中 川 :1990年 度精密工学会秋季大会
学術講演会論文集 (1990),1115.
9)松 岡,池 田 :型技術協会第 3回 高速 ミー リング研究委員会
テキス ト (1993),1.
10,11)池 田,高 橋 ,松 岡,中 川 :型技術 ,8,8(1993),78.
12)高 橋 ,安 斎 :機 械 と工具,40,5(1996),44.
13)中 川 ,安 斎 ,高 橋 ,新 野 ,松 岡 :1997年 度精密工 学会秋
季大会講演予定.