治療経過中に再増悪を認めた腎移植後のニューモシスチス肺炎の 1 例

日呼吸会誌
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●症 例
治療経過中に再増悪を認めた腎移植後のニューモシスチス肺炎の 1 例
平井
潤
屋良さとみ
原永 修作
照屋 宏充
比嘉
藤田 次郎
太
要旨:症例は 55 歳男性.54 歳時に当院泌尿器科で夫婦間血液型不適合生体腎移植を施行され,外来でシク
ロスポリン,ミコフェノール,メチルプレドニゾロンを内服中であった.来院 4 日前より発熱が出現し,
乾性咳嗽も認めたことから当院救急受診.室内気で SpO2 83% と低酸素血症を認め,胸部 CT でびまん性に
スリガラス陰影を認めた.β-D-グルカン値の上昇と,画像所見からニューモシスチス肺炎(Pneumocystis jirovecii pneumonia:PCP)
が疑われ,気管支鏡検査で PCP と確定診断した.ST 合剤投与開始後に,低酸素
血症が進行したためプレドニン(prednisolone,PSL)60mg を併用したところ酸素飽和度や画像所見は徐々
に改善した.その後 PSL の減量を行ったが,酸素化および画像の悪化が認められたため PSL を 30mg まで
増量したところ速やかに症状や画像は改善し,その後も経過良好で治癒した.本症例は非 HIV 症例である
が,PSL 減量が PCP 増悪に関係しており HIV における免疫再構築症候群と類似な経過を呈したと考えられ
た.
キーワード:ニューモシスチス肺炎,免疫再構築症候群,腎移植
Pneumocystis jirovecii pneumonia,Immune reconstitution syndrome,Renal transplantation
症
例
mL)が認め
で β-D-グルカン値の著明な上昇(2,504pg!
られた.そのためニューモシスチス肺炎(Pneumocystis
症例:55 歳,男性.
jirovecii pneumonia;PCP)が疑われ,当院泌尿器科入
主訴:4 日前からの発熱と乾性咳嗽,呼吸困難.
院となった.
既往歴
入院時現症:身長 161.3cm,体重 51.3kg,BMI 19.7kg!
25 歳:慢性腎不全(原因は詳細不明)
.
2
分 整,呼吸数 20 回!
分,
m ,体温 38.0 度,脈拍 87 回!
48 歳:透析導入.
分)
,意識
血圧 120!
80mmHg,SpO2 95%(経鼻酸素 4L!
54 歳:夫婦間血液型不適合生体腎臓移植(腎移植後
清明,眼球結膜黄疸なし,眼瞼結膜貧血なし,口腔内
にサイトメガロウィルス[cytomegalovirus,CMV]抗
白苔なし,頸部の 表 在 リ ン パ 節 触 知 せ ず,胸 部 で は
原が陽性でガンシクロビル投与歴あり)
.
wheeze・crackle などの雑音聴取せず,心音も I・II 音
家族歴:特記事項なし.
亢進なく,III・IV 音聴取せず,収縮期・拡張期雑音認
現病歴:3 カ月前に腎移植後,当院泌尿器外来でシク
めず,四肢にはチアノーゼなく,浮腫も認められなかっ
ロスポリン 120mg!
日,ミコフェノール 250mg!
日,メ
た.
チルプレドニゾロン 4mg!
日内服されていたが,その間
入院時検査所見(Table 1)
:血算で白血球 13,800!
μL
ス ル フ ァ メ ト キ サ ゾ ー ル・ト リ メ ト プ リ ム(ST;
と高値を認めた.血清で CRP 11.9mg!
dL と炎症反応高
sulfamethoxazole-trimethoprim)合剤の予防内服はされ
値を認め,KL-6 は 353U!
mL と正常範囲であったが,β-
ていなかった.来院 4 日前より 38 度台の発熱,3 日前
mL と著明高値を示した.CMV
D-グルカンが 2,504pg!
より乾性咳嗽と呼吸困難が出現し,症状増悪したため当
抗原や human immunedeficiency virus(HIV)抗体,hu-
院救急部受診.来院時に SpO2 83%(room air)の低酸素
man T-lymphotropic virus type-1(HTLV-1)抗体は全
血症があり,胸部 X 線でびまん性のスリガラス陰影,
て陰性であった.動脈血液ガスは経鼻酸素3L!
分吸入下で
胸部 CT では地図状のスリガラス陰影を認め,血液検査
PaCO2 33Torr,
HCO3− 24mmol!
L
pH 7.48,
PaO2 79Torr,
と呼吸性アルカローシスの状態であった.
〒903―0215 沖縄県中頭郡西原町字上原 207 番地
琉球大学大学院感染症・呼吸器・消化器内科学講座
(受付日平成 22 年 8 月 30 日)
画像所見(Fig. 1)胸部 X 線では両側びまん性にスリ
ガラス陰影を認め,胸部 CT では地図状のスリガラス陰
影を認め,胸膜直下では正常肺が保たれており,小葉間
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Table 1 Laboratory data on admission
<Hematology>
WBC
13.8×103/μL
Mye
1.0%
Met
2.0%
Stab
10.0%
Seg
73%
Lym
11.0%
Mono
3.0%
RBC
447×104/μL
HB
14.3 g/dL
Hct
41.8%
Plt
16.8×104/μL
<Coagulation>
PT
11.4 sec
APTT
33.3 sec
PT INR
1.06
a
<Biochemistry>
Na
139
K
4.8
Cl
100
Ca
9.5
BUN
22.0
Cre
1.29
T-bil
1.3
AST
40
ALT
15
ALP
275
LDH
496
TP
6.3
Alb
3.3
mEq/L
mEq/L
mEq/L
mEq/L
mg/dL
mg/dL
mg/dL
IU/L
IU/L
IU/L
IU/L
g/dL
g/dL
<Urine>
gravity
1.018
pH
6.5
protein・sugar・ketone body (−)
White blood cells 1―4/HPF
Red blood cells 1―4/HPF
<Serology>
CRP
11.9 mg/dL
KL-6
353 U/mL
β-D-glucan
2,504 pg/mL
CMV antigen
(−)
HIV antibody
(−)
HTLV-1 antibody
(−)
Ciclosporin
169 ng/mL
<Arterial blood gas>
pH
7.48
pO2
79 Torr
33 Torr
pCO2
24 mmol/L
HCO3−
P/F ratio
225
115 Torr
A-aDO2
3 L/min)
(nasal O2
b
Fig. 1 Chest X-ray film (a) and CT (b) on admission show ground-glass opacities in both lungs.
隔壁の肥厚も認めた.
が再増悪し,当科紹介入院となった.急激なステロイド
入 院 後 経 過(Fig. 2,Fig. 3)
:入 院 時 か ら ST 合 剤
の減量が増悪の要因と判断し当科転科後にプレドニン
1,200!
240mg×3!
日を開始.入院 2 日目,主治医により
30mg!
日へ増量したところ,酸素化は改善し胸部 X 線
シクロスポリンは 120mg!
日から 50mg!
日へ減量,ミコ
上もスリガラス陰影は消退傾向となり入院 21 日目にプ
フェノール 250mg!
日は中止,メチルプレドニゾロン 4
レドニンはメチルプレドニゾロン 4mg!
日の維持量へ変
mg!
日も中止された.入院 2 日目に気管支鏡検査施行し,
更となった.その後も呼吸困難や低酸素血症など認めず,
気管支肺胞洗浄液のグロコット染色でニューモシスチス
ST 合剤の予防内服を導入し,入院 23 日目に退院となっ
の囊子を認め,PCP の確定診断となった.ST 合剤投与
た.退院後半年以上を経過しているが再発なく経過良好
後 SpO2 の低下と胸部 X 線で両側スリガラス陰影の悪化
である.
が認められたため,入院 3 日目よりプレドニン 60mg!
日を併用したところ,酸素必要量の減少と SpO2 の上昇,
胸部 X 線上も改善傾向が認められたため,プレドニン
の漸減を行った.しかし,入院 12 日目に経鼻酸素 4L!
分で SpO2 99%,胸部 X 線で両側肺野のスリガラス陰影
考
察
本症例は腎移植後に発症した non-HIV-PCP であり,
治療経過中 2 度の増悪を認めた症例であった.
本症例における PCP 発症の要因として腎移植後の免
再増悪を認めたニューモシスチス肺炎の 1 例
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Fig. 2 First clinical course
Fig. 3 Second clinical course
疫抑制薬投与中に ST 合剤が予防内服されていなかった
による移植腎障害を危惧してのことであった.これまで
ことがあげられるが,これは主治医が ST 合剤の副作用
腎移植患者に対しては PCP に対する ST 合剤の予防が
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積極的に行われていない背景があり,近年,Yazaki ら1)
対し免疫反応がおこり日和見感染症の症状の悪化が起こ
が腎移植後に予防内服されていなかった患者におこった
る,いわゆる免疫再構築症候群と呼ばれる病態が認めら
PCP の集団発生を報告し,移植後患者における ST 合剤
れる7).HIV-PCP においても例外ではなく HAART 療
の予防投与を推奨している.当院泌尿器科でもこの報告
法開始後に酸素化や画像の悪化を認める症例が報告され
を機に,移植患者への ST 合剤の予防内服開始を検討し
ている8).本症例の経過はステロイドの減量に伴う免疫
ていたところであった.
反応の回復にて PCP の増悪をきたしており HIV-PCP に
本症例では ST 合剤による治療開始直後と,ステロイ
おける免疫再構築症候群と類似な病態と考えられた.
ド減量後の 2 度 PCP の増悪を認めているが,治療開始
これまでも固形臓器移植患者においても免疫再構築症
後の増悪の要因の一つに免疫抑制薬の減量が関連した可
候群様の病態は報告されており,クリプトコッカス,結
能性も示唆される.本症例で免疫抑制薬であるシクロス
核,CMV での報告がみられている9)10).我々の調べた限
ポリンが 120mg!
日から 50mg!
日へ減量,ミコフェノー
りにおいて臓器移植後にニューモシスチスの免疫再構築
ル 250mg!
日が中止,メチルプレドニゾロン 4mg!
日が
症候群を発症した報告は見られないが,移植以外の non-
中止されていたことについては,免疫抑制薬投与中に日
HIV 症 例 で は Othabachi ら11)が alemuzumab に よ る
和見感染である PCP を発症したと疑ったことに加えて,
CLL の治療終了後に出現したニューモシスチス肺炎の
腎移植後に CMV 抗原血症を認めた既往も認めることか
免疫再構築症候群を呈した症例を報告している.彼らの
ら移植担当医が免疫抑制薬は減量すべきと判断したため
報告によると alemuzumab 投与により CD4 陽性細胞が
であった.本症例においては PCP 発症直後に免疫抑制
抑制された後,治療終了に伴って急激に CD4 細胞が回
薬が減量・中止されたことにより宿主の免疫が高まり
復したことによりニューモシスチスに対する免疫が高ま
ニューモシスチスに対する過剰反応が惹起されたことも
り免疫再構築症候群をきたしたと推測されている.
免疫再構築症候群の発症の機序に関しては不明な点が
考えられる.
今回,ST 合剤開始後の PCP 増悪に対してはステロイ
多いが Sun ら10)は原疾患や治療によって生じた Th2 細
ドの補助療法を行った.重症例の HIV-PCP では治療開
胞や regulatory
T(Treg)細胞優位の抗炎症反応の状
始時のステロイド補助療法の有用性が示されており,
態から Th1 細胞や Th17 細胞に優位の炎症反応へと変
PaO2 70Torr 以下や肺胞気―動脈血酸素分圧較差(A-
化すると述べている.免疫抑制薬やステロイドは Th1
aDO2)が 35Torr 以上の症例に ST 合剤とプレドニンの
細胞を抑制するだけでなく Th2 と Treg 細胞を活性化
2)
同時併用が推奨されている .一方,non-HIV-PCP 症例
させることが知られており12),これらの薬剤の中止や減
においてステロイドを併用すると,併用しない症例と比
量は Th2 や Treg 細胞優位の抗炎症状態から Th1 を主
較して人工呼吸管理期間や ICU 入院期間,酸素必要期
体とした炎症状態への移行をもたらす.Fan ら13)はステ
間を短縮するが,挿管の頻度と死亡率に関しては両者で
ロイドパルス後にリンパ球減少は 2 時間後からみられる
差がないと報告されており3)4),non-HIV-PCP における
が 24 時間で回復し,反復投与でもその周期変化が繰り
ステロイドの補助療法のエビデンスは確立されていな
返されると報告しており,また Balow ら14)はハイドロコ
い.しかし,non-HIV-PCP 症例においてもステロイド
ルチゾン投与後 4 時間で 50% 以上のリンパ球の減少が
補助が有効であった症例の報告も散見され5)6),本症例も
みられ 24 時間で回復するが,増量や長期間の投与でも
それらの報告と同様にステロイド投与が有効であった.
その時間は延長しないと報告されている.これらの報告
本症例では移植担当医によって免疫抑制薬が減量また
よりステロイド剤を中止や減量 24 時間頃からリンパ球
は中止されていた時期に PCP の増悪が見られ,ステロ
への影響は出現することが推測される.本症例では最初
イドを投与することによって症状が改善している.これ
の増悪はシクロスポリンの減量やメチルプレドニゾロン
は免疫抑制状態からの免疫の再活性化が PCP 増悪に関
の中止から 2 日後に見られており,2 回目の増悪はプレ
与しステロイドによってコントロールされたことを示唆
ドニン減量開始から 4 日目で,30mg から 10mg への減
する.また,本症例ではステロイド減量中に再び症状や
量した翌日にみられており,免疫抑制薬の中止や減量に
陰影の悪化を認め,ステロイドの再増量のみにより画像
よるリンパ球数の増加が免疫再構築症候群を引き起こし
所見や酸素化の改善をもたらしている.この経過も PCP
たことが推測される.
に対する免疫反応が増悪に強く影響していたことを支持
するものである.
本症例では ST 合剤開始時に免疫抑制薬を減量しなけ
れば PCP の増悪が見られず経過中のステロイドの使用
HIV 症例においては進行した免疫不全状態で highly
も不必要であった可能性もある.一方で,免疫抑制薬の
active anti-retroviral therapy(HAART)療法が行われ
減量の有無にかかわらず増悪した可能性も否定できな
た場合に,免疫力の回復と同時に残存している病原体に
い.また本症例においてどれぐらいの経過でステロイド
再増悪を認めたニューモシスチス肺炎の 1 例
を減量するのが適切であったかも不明である.HIV に
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発症し,空洞と嚢胞性陰影を呈したニューモシスチ
おける免疫再構築症候群にもみられるように,PCP の
ス肺炎の 1 例.日呼吸会誌 2008 ; 46 : 297―301.
経過において免疫能の変化が影響を与えることは確認さ
7)安岡 彰,小西 満,照屋勝治,他.厚生労働科学
れており,PCP 治療中に免疫抑制薬の変更は行うべき
研究費エイズ対策研究事業「重篤な日和見感染症の
ではなく,呼吸不全に対してステロイドを使用した場合
早期発見と最適治療に関する研究班」
.免疫再構築
でも減量の際は増悪の可能性を念頭に入れる必要がある
症候群 診療のポイント Ver. 2.2009 ; 4―5.
8)Koval CE, Gigliotti F, Nevins D, et al. Immune recon-
だろう.
今回の症例は non-HIV-PCP 症例においても免疫抑制
stitution syndrome after successful treatment of
薬やステロイドの減量および中止が免疫の再活性化を引
Pneumocystis carinii pneumonia in a man with hu-
き起こし増悪をきたす可能性があること,治療を開始し
てから増悪を認めた場合にはステロイドが有効となる症
例があることを示唆する貴重な症例と思われた.
引用文献
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370
日呼吸会誌
49(5)
,2011.
Abstract
A case of Pneumocystis jirovecii pneumonia after kidney transplantation
with re-exacerbation following therapy
Jun Hirai, Shusaku Haranaga, Hiromitsu Teruya, Satomi Yara, Futoshi Higa and Jiro Fujita
Department of Infections, Respiratory, and Digestive Medicine, Control and Prevention of Infectious Diseases,
Faculty of Medicine, University of the Ryukyus
A 55-year-old man who had a living kidney transplant 3 months previously was admitted complaining of 4
days of non-productive cough and fever. Because of his low oxygen saturation (SpO2 83% on room air), groundglass opacities in both lung fields, and marked elevation of beta-D-glucan, a diagnosis of Pneumocystis jirovecii pneumonia (PCP) was considered. The diagnosis of PCP was confirmed by bronchoalveolar lavage. Subsequently, his
oxygenation level decreased even after the administration of trimethoprim-sulfamethoxazole, therefore we concurrently administered 60mg of prednisolone. His clinical symptoms and radiographic findings gradually improved. However, his respiratory condition and radiographic findings exacerbated again after the tapering of
prednisolone. His condition improved after the prednisolone dose was returned to 30mg per day. This case suggested that, in the treatment of PCP in patients without human immunodeficiency virus (HIV) infection, reduction
of steroids may cause exacerbation of PCP, similar to immune reconstitution inflammatory syndrome which occurs in HIV patients.