厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克等次世代育成基盤研究事業) 総 括 研 究 報 告 書 「不育症における抗リン脂質抗体標準化に関する研究」 抗リ ン脂質抗体症候群に対するオルガラ ン療法の有用性 研究代表者 北折珠央 名古屋市立大学大学院医学研究科助教 研究協力者 片野衣江 名古屋市立大学大学院医学研究科講師 研究分担者 杉浦真弓 名古屋市立大学大学院医学研究科教授 研究協力者 尾崎康彦 名古屋市立大学大学院医学研究科准教授 研究要旨 生児獲得率はへパリン群では77%、オルガラン群では82%であった。血小板減少症はへパリン群 で8.3%(2/22)であり、そのうちHITが1例であった。オルガランは抗リン脂質抗体症候群の流死産 予防効果があり、血小板減少症、 出血が危惧される患者において選択枝になりうると考えられた。 D . 研 究 目 的少 症 を 認 め な か っ た 。 胎 児 先 天 異 常 は 両 群 と も に アスピリン・へパリン併用療法は抗リン脂質抗 認 め な か っ た 。 体症候群の流死産予防に有効である。 しかしへパ D リン惹起性血小板減少症HITを起こすと母体にと って深刻な事態をもたらすことが判つている。 ダ . 考 察 ダナパロイドは抗リン脂質抗体症候群におけ ナパロイドをへパリンの代わりに用いた報告はあ る流死産予防に有効であることが明らかになっ るが、 流死産予防に有効かどうかは検討されてい た。ダナパロイドは皮下注射が可能なへパリノ ない。 本研究は抗リン脂質抗体症候群におけるダ イドであり、未分画へパリンよりも出血が少な ナ パ ロ イ ドの有用性を調べた。 いとされている。皮下注射が可能なへパリン様 物質として本邦で最初に承認された。 コストは E . 研 究 方 法 カプロシンよりも高額なため自費診療である流 2005年から2009年に来院した2回以上の流産 死産予防の第1選択になるかどうかは不明だが、 もしくは1回以上の子宮内胎児死亡を経験し、抗 最も重篤な副作用である HIT の心配がないため、 リン脂質抗体強陽性が12週間以上持続した33人 血小板減少が危惧される患者に対する選択とし をへパリン療法とオルガラン療法の2群に分けて ては有用と考えられる。 検討した。 両群とも妊娠4週から低用量アスピリ E ンを内服した。 オルガランは1250U/日、 カプロシ ンは10000U/日を自己注射とした。 両群の生児獲 . 結 論 オルガラン(ダナパロイド)はへパリンと同等 得率と副作用を調べた。 の流死産予防効果が認められた。 血小板減少症、 出血が危惧される症例には今後選択される可能性 が F . 研 究 結 果 あ る 生児獲得率はへパリン群では77%(17/22)、オ ルガラン群では82%(9/11)であった。血小板減少 F.健康危険情報 な 症はへパリン群で8.3%(2/22)であり、そのうち し HITが1例であった。 オルガラン群では血小板減 2 1 。 G. 研 究 発 表 - 1.Katano K,Sugiura 0gasawara M.Danaparoid versus heparin therapy in recurrent pregnancy1oss patients with antiphospholipid antibody.67th Annua1 meeting ofthe American Society for Reproductive Medicine.2011.10.15 19.F1orida. - H.知的財産権の出願 (予定を含む。) 4. 特許取得 なし 5. 実用新案登録 なし 6. その他 なし 。 登録状況
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