第5章 光学センサの処理 Et = 229.18(0.000075 + 0.001868cosΓ - 0.032077sinΓ - 0.014615cos2Γ - 0.04089sin2Γ) 129 (5.36) (3) 分子散乱(レイリー散乱) 分子は,可視・近赤外の波長に対しそのサイズパラメータが非常に小さいため,レ イリー散乱と呼ばれる散乱を生じさせる。 レイリー散乱の位相関数 Pm (θ ) は Pm(θ ) = ( 3 1 + cos 2 θ 4 ) (5.37) となる。ただし,より厳密には,減偏光因子(depolarization factor) δ p のパラメー タを導入し, Pm(θ ) = [ 3 1 + δ p + (1 − δ p ) cos 2 θ ( ) 2 2+δ p ] (5.38) と計算される。δ p の値については,最近では δ p =0.0279 が利用されることが多い。 ただし, δ p =0.0350 などといった説もある。 一方,レイリー散乱の光学的厚さτms(λ)の求め方には,多数の経験式がある。一例 を以下に示す。 τ ms (λ ) = [0.008569λ -4(1 + 0.0113λ -2 + 0.00013λ −4 )] p To po T (5.39) ,p,T 波長,地表面気圧,温度の関数であり実用的な式である。λは波長(μm) はそれぞれ地表面での気圧(mb)と温度(K)を示し,po ,To はその標準状態での値 (po=1013.25mb,To=288.15K)である。 しかし,より正確に計算を行うには下記の式を用いる(もしくはこれに類する式。 たとえば,より厳密に高度毎に算出するもの) 。 τ ms (λ ) = ( ) 8π 3 n 2 − 1 Nc 6 + 3δ p p To 3λ 4 Ns 2 6 7 δ p − po T 2 (5.40)
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