ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 No.242 平成 26 年 4 月 1 日 伊予銀行 ニューヨーク駐在員事務所 <経済> 米国経済 私が当地で感じる景気の見方は前月と基本 的に変わらず「悪くなっているということは ないが、強くはない。緩やかに成長。雇用は しっかりしてはいない。金融緩和のおかげで 株価は強い」というものです。 米国の景気は悪くはないのですが、一般の 人々の雇用がしっかりしてきた感じはありま せん。 米国の企業はリーマンショックからの回復 の過程で、なりふりかまわずコスト削減に取 り組みました。例えばキャタピラーは、北米の工場毎に、労使間の契約更新のタイミン グにあわせて、「工場廃止か、昇給凍結か」というような選択を迫りました。ボーイン グ社でも、その本拠地であるシアトルでの雇用維持と引き換えに、組合が実質的な賃下 げ(企業の年金負担の凍結や医療保険の保障の切り詰めなど)を受け入れるということ がありました。また、フォルクスワーゲンの米国南部の工場では、僅差でしたが 1 月に、 組合の結成が否決されました。このフォルクスワーゲンの例では、同社の従業員が「組 合の結成による待遇改善」と「長い眼で見た雇用の維持」とを天秤にかけ、後者を選択 したとの解説がなされています。 米国企業は最近、高収益を上げていますが、その裏ではこのようにブルーカラーやホ ワイトカラーの業務の効率化が進められましたので、米国の普通の人々、つまりミドル クラスの人々は傷んだままだといわれています。ミドルクラスの人々の雇用は戻らず、 賃金もなかなか上がらないのです。 この状況は「二極化」というキーワードで解説されることがありますし、グローバル なコスト削減競争がリーマンショックを契機に(漸く)米国にも及んできたと見ること もできるのだと思います。漸く米国においても、日本や欧州と同じ現象が現れてきたわ けです。 ところで、ミドルクラスが傷んだままで、米国は大丈夫なのでしょうか?米国をよく 知る人々は、大丈夫だ、と答えます。「米国社会にはリスクをとってアップサイドを狙 う人々を育む仕組みが組み込まれている。 」 「企業家精神は依然として旺盛であり、新し い技術や産業が生み出される。 」 「機会の平等は教育によって担保されており、アメリカ ンドリームは健在だ。 」というのがその理由です。 1 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 <ビジネス> ショッピングモールの盛衰 米国ではショッピングモールの閉鎖が相次いでいます。 米国最初のショッピングモールは 1956 年にミネアポリスでつくられたということで すので、60 年近くの歴史があることになります。その間、ショッピングモールは米国 の一つの文化として、人々の生活になくてはならない存在となりました。1956 年から 2005 年の間に、およそ 1,500 のモールが作られたということなのですが、2006 年以降、 屋内型モールの新設がぱったり止まり、その後、ついにはショッピングモールの相次ぐ 閉鎖が報道されるようになりました。 この第一の理由は、インターネットショッピングの出現と隆盛です。ある専門家は「こ れからの 10 年で、既存のショッピングモールの半分程度が閉鎖されることになっても 驚かない」と言っているのですが、それほどの状況だというのです。 ところがこのような状況の中にあって、年四百万人の人々を惹きつけ、人気を博して いるショッピングモールがあります。 それは「Plaza Fiesta」という名前のショッピングモールです。「Plaza Fiesta」 というのは「祝祭の広場」とか「お祭りプラザ」とかいう意味になるのですが、2005 年にアトランタ郊外で閉鎖されることになったモールをある人が買収し、改装して作ら れたモールです。 名前から想像がつく方もおいででしょう。このショッピングモールは、人口の増加が 著しい中南米出身の米国人(「ヒスパニック」とか「ラチーノ」という言葉で総称され ます)をターゲットとしてオープンされたモールです。1990 年から 2000 年までの 10 年間でアトランタのラチーノの人口は 3 倍になり ました。このモールはこの人口動態の変化を狙っ たものなのですが、成功の理由は人口動態だけで はなく、鍵は「 (extended)family concept」で あったと言われています。 「(extended)family concept」というのは、 「家族が皆で楽しむ場所、楽しむ時間」というよ うな概念をベースにしてつくられたショッピング モール、ということになるのですが、このアトラ ンタ郊外の「Plaza Fiesta」には 280 の店舗の他、 診療所、歯医者、散髪屋、外国送金会社など、お よそメキシコの町にありそうなものはなんでも 揃っています。 「ラチーノ」の人々は家族を大切にすることでも有名なのですが、 2 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 週末に、家族そろってでかけて一日過ごす場所となっているのです。「Plaza Fiesta」 はコンピューターの前に座っていたのでは体験することのできない経験を提供するこ とで、人々を惹きつけています。 3 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 見本市 Offshore Technology Conference(エネルギー技術開発展示会) 1969 年からテキサス・ヒューストンのリリアントパークで開催されている世界で最 も有名な石油ガス関連機器の展示会。2013 年度は同展示会の歴史で過去 2 番目に多い 10 万人以上が参加した。 開催日 2014 年 5 月 5 日(月)~8 日(木) 開催地 Reliant Park 1 Reliant Parkway Houston,Texas 77054 Tel:832-667-1400 開催頻度 1年に 1 回 実績 参加者数:10 万 4,800 人 (2013 年度) 出展社数:約 2,700 社 出展料金 (2014 年度) $15.00~$36.00 /1スクエアフィート (レンタルしたブースの場所による) 参加者 機械・工業、輸送・物流関係、海洋工学 展示商品 ガス探索、デジタル油田運用管理システム、設備管理など。 参加費 4 日通し券:$150.00(メンバー) $210.00(ノンメンバー) 1 日券:$120.00(メンバー) $160.00(ノンメンバー) 学生:任意 参加国数:約 120 カ国 主催団体:Offshore Technology Conference 参加・出展 電話:972-952-9494 Fax:713-779-4216 問い合わせ先 ウェブサイト:http://www.otcnet.org/2014/ E-mail:[email protected] 次回開催年 2015 年(日程未定) 4 ニューヨーク駐 駐在 在員 員事 事務 務所 所情 情報 報 米国の見本市情報(2014 年 4 月~6 月) 25th annual GLOBALCON CONFERENCE & EXPO 2014 (アトランティック・シティ) 4 月 9 日~10 日 【備考】太陽エネルギー、空調、照明、コージェネレーション施設、建物、ボイラーなど New York International Auto Show 2014(ニューヨーク国際自動車ショー) (ニューヨーク) 4 月 18 日~27 日 【備考】自動車 SCAA(Specialty Coffee Association of America) 26th Annual Exposition (ボストン) 4 月 24 日~27 日 【備考】高級コーヒー Moda Manhattan (ニューヨーク) 5 月 4 日~6 日 【備考】モダン・コンテンポラリーコレクション 2014 Offshore Technology Conference (ヒューストン) 5 月 5 日~8 日 【備考】海洋資源保護、再生、開発関連技術など 26th Annual International Contemporary Furniture Fair (ニューヨーク) 5 月 17 日~20 日 【備考】家具、デザイナー家具、照明器具、フロアー・カバリング、住宅用テキスタイルなど EastPack (ニューヨーク) 6 月 10 日~12 日 【備考】化粧品&パーソナルケアパッケージング、医療、医薬、機能性食品包装など Atlantic Design & Manufacturing (ニューヨーク) 6 月 10 日~12 日 【備考】コンピューター、ハードウェア 周辺機器、電子部品など Pharmapack North America (ニューヨーク) 6 月 10 日~11 日 【備考】オートメーションと組立システム、段ボール包装、ラベリング、印刷技術など ※上記見本市は予定が変更になる場合もありますのでご留意ください。 以上 5
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