ME5年 32 番 宮下 純一 (1)動機 自由Ӏ題で個人で調べることになり、夏休みに入る前、何をӕ析しようかとい ろいろ考えた。しかし思いつくのはパソコンデスク、ୟ竿など、すべて三次元の もの、または過去にやったことのあるものだった。そんな時ある友達が、「なぜ レールの断面はあんな形なんだ?」とۗい出した。それでこれだと思い、彼は有 限要素をやってる人ではなかったので、いただいて調べてみることにした。 (2)対象物 今回は鉄道の中で、新幹線のレールについてӕ析を行うことにした。なぜかと いうと、乗客が乗車率 100%の時の重量でӕ析をしたかったからである。ちなみ に乗車率 100%とは座席、つり革が全て人で埋まったときのことをいう。調べて みて、在来線の図面はなかったので座席数を数えられなかった。新幹線は時刻表 に書いてあったので座席数を数えることができた。 レールの図面は次ページ 次ページの二つの図を見てわかるように、在来線と新幹線のレールの断面形状 は形が微妙に異なっていて、大きさも新幹線のレールのほうが大きい。ただ上の 車輪と摩擦する分の幅は同じだった。 在来線のレール 新幹線のレール (3)ӕ析方法 レ ー ル の 材 料 は 鉄 で 数 量 は 1 つ 、 ポ ア ソ ン 比 は 0.3 、 ヤ ン グ 率 は 21000kgf mm 2 で、平面応力においては厚さを 10mm と仮定してڐ算する。 直線を走行してるときの場合は要素数を 64 個と 91 個の 2 つで調べた。またそ れぞれの要素数の場合で、平面応力と平面ひずみでӕ析をした。これはレールは 無限といっていいほどସいが、車輪が当たるところ、つまり荷重がかかる点は無 限の等分布荷重ではなく、集中荷重であるからである。FEM で平面ひずみでӕ析 すると、レールはずっと奥に続いていることになるが、荷重もおなじようになっ てしまう。FEM では材料は無限、荷重はその 1 点だけというのができないから、 今回は平面応力と平面ひずみの 2 つでӕ析することにした。 カーブを走行してるときの場合は、要素数は 91 個のみとし、カーブの内側の レールと反対側のレールで、それぞれ平面応力と平面ひずみでӕ析した。 レールの形状を FEM で書くにあたって各接点の座標を出さなければならなか った。右上図を拡大コピーして、ものさしで測ると 145 のところは実寸では 12.7cm に な っ た 。 そ こ か ら 比 で ڐ算 す る と 実 寸 の 1mm が 図 面 の 寸 法 で は 11.5mm になった。それで各接点の座標を求めた。 荷重は、ひかりレールスターについて調べた。先頭車両の重量は 40t 、座席数 は 52 席で、人間 1 人の体重を 60kg として、乗車率 100%でڐ算すると、 43120kg に なっ た。 先頭 車両 には 8 つ の車 輪が ある ので 、1 つの 車輪 には 5390kg の荷重がかかる。よって直線走行では右上図のようにyࡃの負の方向に 1 つの集中荷重がかかる。 次にカーブを走行するときの場合だが、実際のカーブではレールは傾いている。 今回は 15 度傾いているとする。ڐ算するとカーブの内側のレールには 5580kg 、 反対側のレールには 5200kg の荷重がかかる。しかし FEM では斜め方向に荷重を かけることができないので、これらを力の分力でڐ算すると、右下図のように荷 重 が かか り 、 内 側の レ ー ル には x ࡃ の 正の 方 向 に 1444kg 、 y ࡃ の 方向 に は 5390kg の荷重がかかる。反対側のレールにはx方向には 1346kg 、y方向には 5023kg の荷重がかかる。 直線走行 カーブ走行(内側) (外側) 荷重の作用状況 (4)ӕ析結果 要素数 64 個 直線走行 平面応力 平面ひずみ 要素数 91 個 直線走行 平面応力 平面ひずみ 要素数 91 個 カーブ走行 内側のレール 平面応力 平面ひずみ 要素数 91 個 カーブ走行 外側のレール 平面応力 平面ひずみ カーブ走行(内 直線走行 要素数 側) 64 個 タイプ (外側) 91 個 平面応 平面 平面応 平面 平面応 平面 平面応 平面 力 歪 力 歪 力 歪 力 歪 σ max 45.3 74.4 53.5 69.8 25.3 34.5 21.7 29.8 x min -46.2 -75.4 -70.0 -94.4 -95.3 -121.8 -22.9 -30.9 σ max 279.9 297.3 382.1 395.8 66.0 68.4 44.8 46.6 y min -356.6 -374.1 -467.1 -481.0 -190.0 -198.0 -122.3 -128.3 11.0 10.0 13.9 12.6 2.2 2.0 1.1 1.0 τxy 表 1.ӕ析結果(kgf/mm2) (5)理論値の算出 理論値を求めるにあたって、この ままでは求めるのが難しいので、レ ールを形状を簡略する必要がある。 形状は右図のようにした。これを L 形フレームを用いて算出する。 M d 2w = - 0 だから 2 EI dx M M dw = - Ú 0 dx = - 0 x + C1 dx EI EI MB = P⋅a w=- M0 2 x + C1 x + C 2 2 EI 境界条件をそれぞれ代入すると M M dw = - 0 x w = - 0 x 2 dx EI 2 EI M 0 = -P ⋅ a q B = dw Pla = dx EI Pla 2 Pa 3 + EI 3EI ここで a = 14.5mm, l = 100mm, ∴ w C = q B ⋅ a + w 'C = E = 21000 kgf mm 2 , I = bh 3 12 hは厚さ、bは奥行きで 10mm である。 これらを代入すると、 wC = 12 ¥ 5390 ¥ 100 ¥ 14.5 2 12 ¥ 5390 ¥ 14.5 3 + = 2.37 mm 21000 ¥ 10 ¥ 14 3 3 ¥ 21000 ¥ 10 ¥ 39 3 となる。また s x , s y についても理論値を求める。 sx = sy = P 5390 = = 32.7 kgf mm 2 A 16.5 ¥ 10 M M 6 ¥ 5390 ¥ 24.5 = 2 = = 291 kgf mm 2 Z bh 10 ¥ 16.5 2 6 ちなみにӕ析したとき、直線走行の場合で問題のタイプが平面応力、要素数 64 2 個のときの荷重地点の Y 方向の変位は 2.89mm で、 s x = 45.3 kgf mm 、 s y = 279.9 kgf mm 2 だった。よって、今回のӕ析ではほぼ正しい値が得られた と思う。 (6)考察 それぞれの条件において、 s x の値はわずかであり、 s y は荷重値が大きいので、 応力分布図を見てもわかるように大きな力がかかっている。カーブ走行では内側 のレールのほうが値が大きい。これは車が傾くのだから当然である。引っ張り の力はほとんど加わらず、圧縮の範囲が大きい。カーブ走行より直線走行の方が 意外とかかる応力が大きかった。せん断応力でも同じことがいえる。 (7)まとめ 今回は先ほども述べたが、無限ସのレールと 1 点だけの集中荷重という条件は FEM ではӕ析できないので、正確な値が得られないと思っていたから、理論値と かなり誤差が出るのではないかと思われたが、ほぼ同じ値が得られたのでよかっ た。ӕ析はそんなに難しくなかったが、レールの断面形状など調べるのが大変だ った。
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