2005年度 下水道新技術研究所年報〔1/2巻〕 下水道処理施設ネットワーク 施工技術に関する研究 1. 2. 研究目的 近年の下水道事業においては,安定した下水道事業 の運営と,合流式下水道の改善・高度処理等の社会的 要請へ応えるために合理的な事業計画を策定していく ことの重要性がますます高まりつつある。その社会ニ ーズに対応する具体的な手法として,ネットワーク計 画に関する研究では,①現状システムをネットワーク した場合と②単独対応した場合の長期的な視点による 比較検討(経済性,危機管理,付加価値等)を通じた事 業計画の策定が有効であることを提案した。 ネットワーク化の検討対象となる下水道システムの 多くは,整備がほぼ完了した下水処理施設であること や,処理施設間をつなぐ連絡管路の予定路線が成熟し た市街地であるため,ネットワーク化の実現へ向けた 施工上の課題や対応技術も複雑かつ高度なものとなっ ている。このため,計画段階から施工上の課題を的確 に把握し適切な対応技術を選定することが,効率的な 計画を策定するうえで重要になってくる。 ネットワーク施工技術に関する共同研究は,計画・ 維持管理部門との相互の連携を図りながら,複数の計 画案に対する総合的な比較検討を進めるにあたっての 施工の難易度判断や最適な適用工法の選定作業におい て,的確かつ効率的な検討成果を導く手法を提示する ことを目的とした。 研究体制 本研究は, (財)下水道新技術推進機構,大成建設㈱, 鹿島建設㈱,戸田建設㈱,㈱竹中土木,東急建設㈱, 三井住友建設㈱,飛島建設㈱,㈱奥村組,㈱フジタ, 五洋建設㈱の共同研究により実施した。 3. 研究内容 本研究の結果,以下に示す事項を明らかにすること ができた。 3.1 施工技術の検討方法 3.1.1 ネットワーク計画の策定に対応した施工上の 技術検討レベルと実施内容 ネットワーク可能性の検討から事業計画策定の各段 階において,それぞれの検討段階に合致した課題に対 する施工技術や適用工法を的確に把握・選定すること が重要であり,その内容を示した。 【検討レベル1】 ① 下水道システムのネットワーク可能性検討 【検討レベル2】 ② 下水道システムのネットワークした場合と単独 対応の比較検討 【検討レベル3】 ③ ネットワーク整備計画および事業計画の策定 【検討レベル4】 75 -145- 2005年度 下水道新技術研究所年報〔1/2巻〕 ④ ネットワーク施設の実施設計 ネットワーク計画策定の検討手順と施工上の技 術検討レベルの関連を図-1に,各検討レベルに 対応した検討内容例を表-1に示す。 【レベル 1】 (1) 建設計画の確認~制約条件の把握 ネットワーク可能性判断の検討段階(検討レベ ル1)として,建設計画を確認し, 「制約条件・施 工難易度の把握」を実施する。ネットワーク管き ょ計画における施工技術上の建設計画と施工課題 の整理,把握の事例を図-3に示す。 (1)ネットワーク可能性の検討 ネットワーク可能性判断 【レベル 2】 検討段階:【レベル1】 【レベル2】 ネットワークした場合 (2)現状システムをネットワークし た場合と単独対応した場合の 比較検討 ネットワークの 比較検討 (3)ネットワーク整備 計画の策定 【レベル 3】 単独対応した場合 単独対応 ネットワーク実施設計 図-1 検討手順と施工上の技術検討レベルの関係 施 工 検 討 の 実 施 段 階 目的 アウトプット 【レベル2】 制約条件の整理 および把握 §9 建設計画に基づく施工 条件および課題の抽出 §10 課題を解決するための 対応技術の選定 §12 施工法および 工法の選定 §11 概算事業費の算出 §13 建設工期の把握 および工事費の算定 地盤条件 地形図 埋設物 土質資料etc ・年次建設計画に よる制約条件 ・具体的な施工課題と施工条件 ・適用工法,補助工法の選定 ・施工手順の検討 ・工事工程,工事費の算定 ネットワーク案と単独案の 比較検討への反映 図-2 施工上の技術検討の手順 施工上における全般的な難易度の概略把握 制約条件・施工の難易度の把握 比較検討を通じた双方の施工手法・ 目的 ネットワーク化と 建設計画:連絡管きょは事業着手から 4 年間で完成 概略工事費の算出と選定判断 単独対応の比較検討段階 アウトプット <計画諸元> ・制約条件1: トンネル断面・線形・深度・延長, 地盤・水圧条件,狭隘ヤード ・制約条件2: 河川横断および工期短縮 <トンネル断面> 概略工事の把握 対応技術把握 【レベル3】 <計画ルート図> 事業計画策定段階における効率的な 目的 ネットワーク化の 建設計画の検討 アウトプット 具体的な施工法、概算工期・工事費の把握 連 絡 管 き A処理場 (発進立坑) 実施検討段階における施工検討・ Φ1000mm 2条ダクタイル鋳鉄管 Φ500mm 2条ダクタイル鋳鉄管 曲率R=80m 管理用 スペース 制約条件2 ょ 【レベル4】 河川 目的 ネットワークの 実施設計検討段階 §8 検討レベルに 応じた詳細条件 技 術 検 討 内 容 技術検討レベル 事業計画の策定検討段階 建設計画の確認 および把握 ネットワーク 検討への アウトプット 表-1 施工上の技術検討レベルと実施内容例 ネットワーク可能性判断 §7 ネットワーク 検討からの インプット (4)ネットワーク事業計画 の策定 事業の実施 【レベル1】 ネットワーク ・工事手順の検討 建設計画検討 スタート 施 工 検 討 の 準 備 段 階 事業計画策定 【レベル 4】 検討段階:【レベル3】 【レベル4】 選定への参考資料 アウトプット 制約条件1 実施設計での工法選定や施工計画 3.1.2 施工上の技術検討手順 連絡管きょや処理施設の構築・整備に関する施工上 の技術検討について,建設計画の把握から概算工事費 の算出までを, 「確認~整理~把握~抽出~選定~細部 検討」の検討段階を一連の検討フローに従って実施す ることが重要であり,その手順を示した。 また,適用技術の抽出・選定や施工法の選定は,そ れぞれの検討段階における要求レベルに応じた内容で 実施する必要があり,手順の中で明示した。 図-2に,ネットワーク計画検討における標準的な 施工上の技術検討の手順を示す。 B処理場 (到達立坑) 連絡管きょ延長 L=2,300m 曲率R=50m RC セグメント RC セグメント 内径 Φ4600mm 外径 Φ5100mm 外径 Φ5100mm 内径 Φ4600mm 図-3 建設計画と施工課題の整理,把握の事例 (2) 施工課題把握~適用技術抽出~工法選定 ネットワーク計画の比較検討段階として,施工 課題の把握~適用技術の概略検討を通じて概算工 事費の算出を行うことができる。 また,事業計画策定に際して概算事業費の精度 向上へ向けた具体的工法の選定,あるいは実施設 計検討での工法選定として,適用技術から工法の 選定を行った検討事例を表-2に示す。 3.1.3 施工上の技術検討事例 本研究の成果として得られた施工技術の検討手法に ついて, 「ネットワーク連絡管きょの計画検討」を事例 について示す。 76 -146- 2005年度 下水道新技術研究所年報〔1/2巻〕 (1) 連絡管きょの施工に関する計画時の留意点と施 工上の課題に対する対応技術の一覧表 シールド工法に限定し,主要4工種に分類して 技術情報を取り纏めた。 ① 掘進(シールド)工 ② 覆工(セグメント) ③ 立坑 ④ その他,仮設備 表-3,4に例示として,掘進(シールド)工に 関する対応技術の一覧表を示す。 表-2 課題解決に供する対応技術群 および工法の抽出・選定検討例 施工課題の抽出 対応技術群の選定 課題解決の施工法・工法選定 ⇒ 地上変位抑制の密閉式トンネル築造技術 ① 予定ルートに軟弱地盤 ⇒ 密閉型泥水式シールド工法 ② 大深度・高水圧(河川横断)土層を通過 ⇒ 高水密性を確保する機構技術 ③ 掘進距離が長い ⇒ 耐磨耗性を確保する機構技術 ⇒ 高耐久カッタービット ④ 立坑作業基地が狭小 ⇒ 仮設備階層配置技術 ⇒ 省面積立坑システム ⑤ 工費(工期)低減 ⇒ 二次覆工省略技術 ⇒ 内面平滑式ボルトレスセグメント ⑥ 立坑着手から4年以内に完工 ⇒ 高速施工技術 検討段階:レベル2 ⇒ 同時掘進式シールド機 概算工事費の算出 施工計画の検討 概算工事費算出 検討段階:レベル3,4 3.2 施工技術検討のための技術情報資料 本研究で提案する施工上の技術検討手法を実践する にあたり, 「整理・把握を行った施工課題」から, 「効 率的な対応技術・工法の選定」が行えるよう,近年の 技術開発状況や新技術採用工事の実績等を調査し,整 理・検討した結果を技術情報資料として取り纏めた。 表-3 施工上の課題に対応する適用技術一覧 <掘進(シールド)形式の例> 土圧式 シールド形式 掘進地質 土圧 土層 土質 腐植土 適合性 留意点 適合性 留意点 適合性 留意点 0 × - △ 地盤変状 △ 地盤変状 0~2 ○ - ○ - ○ - 沖積 シルト・粘土 粘性土 砂質シルト・ 砂質粘土 0~5 ○ - ○ - ○ 5~10 ○ - ○ - ○ - ローム・粘土 10~20 △ 掘削土砂による閉塞 ○ (閉塞への留意) ○ (閉塞への留意) 15~25 △ 掘削土砂による閉塞 ○ - ○ 洪積 粘性土 砂質ローム 砂質粘土 3.2.1 連絡管きょの構築・整備に関する施工技術 ネットワーク連絡管きょの施工検討に供する技術 情報ツールとして,以下の5項目を掲載した。 泥水式 泥土圧 N値 △ 掘削土砂による閉塞 ○ - ○ - 50以上 △ 掘削土砂による閉塞 △ ビットの摩耗 △ ビットの摩耗 10~15 ○ - ○ - ○ - 10~30 △ 細粒分含有量 ○ - ○ - 締まった砂 30以上 △ 細粒分含有量 ○ - ○ - 緩い砂礫 10~40 △ 細粒分含有量 ○ - ○ 40以上 △ ○ - ○ - - △ ○ - △ ビット仕様*3 - △ 地下水圧 スクリューコン ベヤー仕様*1 ビット仕様*2 △ ビット仕様*2 △ 礫の破砕*3 表-4 施工上の課題に対応する技術一覧 <掘進(シールド)工法の例> 同時掘進組立シールド 本 ル 体 トンネル ド 技 地中分岐 軸方向 マ 術 シールド トンネル シ 直行方向 ン 球体シールド 機械接合シールド 拡大シールド マシン転用シールド 切羽止水 DPLEX工法 WAC工法 ハーモニカ工法 MFシールド工法 DOT工法 異形断面シールド工法 ロングジャッキ式工法 ダブルジャッキ式工法 ラチス式シールド工法 ロスゼロ工法 親子シールド工法 H&Vシールド工法 T-BOSS工法 JUC工法 ホルン工法 クルン工法 MSD工法 DKT工法 CID工法 拡大シールド工法 コンパクトシールド工法 DSR工法 スクリューコンベア +ロータリーフィーダ 多段スクリューコンベア ツインスクリュー 高 水 圧 急 曲 線 急 勾 配 長 距 離 中 支 大 縮 立 削間 撤 施高 障 深 小 坑 減立 去 工速 物 度 化 坑 ○ ○ その他 ○ 例示1 例示2 例示3 - - - 例示4 例示5 - 例示6 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 覆工本体止水 地中ビット交換 急曲線対応 障害物撤去 ○ ○ 特殊テールシール(多段配置) ウレコンシール ラッピング工法 リレービット工法 クルン工法 トレール工法 スライドカッター工法 シャークビット工法 充填式シールド工法 ブレードカッター DO-Jet工法 ○ ○ ○ ○ ○ - 例示19 ○ ○ ○ 例示20 ○ ○ ○ 77 -147- ○ 例示7 - 例示8 例示9 例示10 例示11 例示12 例示13 - 例示14 例示15 例示16 例示17 例示18 ○ 高性能長尺スクリューコンベア 付 属 設 備 ○ ○ ○ ○ 工 法 部 ・ 料 概 分 分 接 編ト要 岐 拡 合 縮 ケミカル・プラグ・シールド テール部止水 資シ 任 意 形 状 ) ー シ 硬 質 地 盤 延長, 支障 工程 狭隘ヤード 施設規模 物 制限 ー 非円形シールド 対応技術 具体的工法名 地盤・地下 平面・ 水条件 縦断線形 ( 特 殊 技 術 - 25以上 土丹(泥岩) シルト粘土 混じり砂 砂質土 緩い砂 固結砂礫 砂礫 ・玉石 玉石混じり 砂礫 巨礫・玉石 施工上の課題(キーワード) - ○ 例示21 例示22 例示23 例示24 - - 例示25 - 2005年度 下水道新技術研究所年報〔1/2巻〕 (3) 特殊条件工事実績リスト 下水道管きょ工事のうち平成6年~15年までの 実績データを対象として,対応技術で区分した下 記の4種の工事リストを掲載した。 ① 大深度シールド工事実績リスト 20 例 ② 長距離シールド工事実績リスト 20 例 ③ 急曲線シールド工事実績リスト 20 例 ④ 大断面シールド工事実績リスト 20 例 (2) 特殊条件下での工事実績相関図 下水道管きょ工事のうち平成6年~15年までの 実績データを対象として,下記の6種の相関図を 掲載した。なお,図-4に例示として,長距離掘 進工事の実績相関図を示す。 ① 掘削深度-シールド外径の実績相関 ② 掘進延長-シールド外径の実績相関 ③ 急曲線施工-シールド外径の実績相関 ④ 水圧-テール部止水ブラシ段数の実績相関 ⑤ 一次覆工厚-シールド外径の実績相関 ⑥ 一次覆工厚-土被り深さの実績相関 掘進距離-シールド外径 相関図 (4) ネットワーク構築関連工事リスト(参考資料) 下水道管きょ工事のうち,現在までに施工され たネットワーク関連工事16例について,工事名 称・発注者・工期・ネットワークの目的・ネット ワークの対象・構造諸元・施工課題・採用した特 殊技術等を掲載した。 表-5に, 下水道ネットワーク関連工事を示す。 下水道管きょ 全体 862件 (STAデータより出典 平成6年~平成15年) 4,500.0 4,000.0 × ビット交換機構有り 掘進距離(m) 3,500.0 3,000.0 2,500.0 2,000.0 長距離掘進 (5) 新技術の工法概要シート(参考資料) ネットワーク連絡管きょの構築・整備にあたっ て必要とされる「新規・高度・特殊工法技術」に 関し,実績を有した60工法を選定して,工法概要・ 特徴・施工実績・問合せ連絡先を掲載した。 1,500.0 1,000.0 500.0 0.0 0 2,000 4,000 6,000 8,000 シールド外径(mm) 10,000 12,000 図-4 長距離掘進工事の実績相関図 (掘進延長-シールド外径) 表-5 下水道ネットワーク関連工事 NO. 1 2 3 4 ネットワーク幹線を結ぶ 多摩川上流水再生センター 東尾久浄化センタ-~三河 森ヶ崎処理場東~南部汚泥処理 新河岸処理場~新河岸東処 処理場および幹線名 ~八王子水再生センター 島処理場 プラント 理場右岸処理施設 工事名称 発注者(企業者) 多摩川上流水再生センター 八王子水再生センター間連 荒川幹線工事 絡管敷設工事 東京都下水道局 東京都下水道局 東京都南部汚泥処理プラント 連絡施設その1連絡管渠工事 新浮間幹線その2及び新河 岸処理場送水管その2工事 日本下水道事業団 東京都下水道局 工 期 1994年1月~2006年 3月 1994年11月~2001年 1月 1980年11月~1996年 3月 1990年6月~1992年 2月 1999年8月~2000年12月 (二次覆工) 仕上がり内径 φ3500mm φ3800mm φ8000mm φ6000mm トンネル延長 576m 2396m 3334m 土 被 り ネットワークの目的 GL-8m~-18m ・施設更新のコスト縮減 ・災害時のバックアップ ・統合管理による効率化 GL-15m~-22m ・汚泥の集約処理 ・処理水再利用 GL-20m~-21m ・高度処理への対応 ・汚泥の集約処理 ・汚泥 ・処理水 ・人 ・φ450mm×2条 ・φ1350mm ・φ80mm ・送泥管 φ400mm, φ700mm×2 ・送返水管φ500mm, φ1000mm×3 ・管理用通路 ①工期短縮、経済性 ①深い立坑(49m) ②長距離(L=2,400m) ③可燃性ガス発生 ①地中接合 ・情報 ・二次処理水 ・汚泥 ・高度処理水 ・雨水 ・その他 ・光ファイバーケーブル ・二次処理水圧送管 φ2800mm ・汚泥圧送管φ400mm×2条 ・逆洗圧送管φ800mm×2条 ・雨水φ6000mm半断面 ・予備管 φ60mm×4条 ①地中接合 ①幅広セグメント ①高速対応継手 ①二次覆工省略 ①地盤改良併用接合 ①縦横連続シールド工法 ①セグメントエレベーター による荷役 ②サーフィンシステムによ るセグメントの自動搬送 ③電気設備の防爆化、換気 の実施、ガスの自動検知 ・情報 ネットワーク媒体 ・汚水 汚水、雨水、処理水、汚 ・汚泥 泥、熱、電力、情報(光 ・再生水 ファイバー)、人 ・電力 ・人 ・光ファイバーケーブル ・管理歩廊 ・汚水圧送管φ500mm 敷設管路および ×2条 ケーブル名称 ・汚泥圧送管φ200 ・再生水φ3000mm 与えられた課題 ・施工条件 上段の課題に対して 採用した特殊技術 (NO.が対応) 2760m GL-32m~-38m ・高度処理への対応 (処理水送水) ・再構築へ向けての汚水の 融通 ・汚泥高度処理 ・二次処理水 ・汚水 ・情報(光ファイバ-) 78 -148- ①地盤改良併用接合 2005年度 下水道新技術研究所年報〔1/2巻〕 3.2.2 処理施設の構築・整備に関する施工技術 処理施設の施工検討に供する技術情報ツールとして, 以下の2項目を掲載した。 (1) 処理施設の施工に関する計画時の留意点と 施工上の課題に対する対応技術の一覧表 処理施設の構築・整備に必要とされる主要4工 種に分類して技術情報を取り纏めた。 ① 掘削および土留壁築造工法 ② 杭基礎工法 ③ 地盤改良工法 ④ 解体,撤去工法 表-6,7に例示として,杭基礎工法に関する 対応技術の一覧表を示す。 (2) 調査・検査方法と診断評価について 処理施設の構造物に関する事前調査および検査 方法と診断評価について対応技術の一覧表を取り 纏めた。 表-6 施工上の課題に対応する適用技術一覧 <杭基礎形式の例> 地 盤 ・地 下 水 条 件 支持層までの状態 ~ 1 5 m 1 5 2 5 4 0 2 5 m 4 0 m 6 0 m 砂 ・ 砂 れ き 2 0 ≦ N 3 0 ≦ N 打込み杭基礎 既 製 プ 中 レ 堀 ボ り 杭 リ ・ ン グ 基 礎 ー 杭 PC, PHC杭 基 礎 鋼管杭 場所打ち杭基礎 ○ ○ ○ PC,PHC杭 ○ 鋼管杭 ○ 最終打撃方法 ○ 噴出撹拌工法 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ コンクリート打設方式 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 最終打撃方法 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 噴出撹拌工法 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ コンクリート打設方式 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ オールケーシング杭 ○ ○ ○ ○ ○ アースドリル杭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ リバース杭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 地中連続壁基礎 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 深礎杭 鋼管矢板基礎 ケーソン基礎 ○ RC杭 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ オープン ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 周辺 環境 振 隣 動 接 騒 構 音 造 対 物 策 に 対 す る 影 響 ○ ○ ○ ○ ○ 杭 作 業 空 間 が 狭 い ○ ○ ○ 杭 ○ ○ ○ ○ 擦 ○ ○ ○ ○ 持 ○ ○ ○ 鉛 直 荷 重 に 比 べ て 水 平 荷 重 が 大 き い ○ ○ ○ ○ 鉛 直 荷 重 に 比 べ て 水 平 荷 重 が 小 さ い ○ ○ ○ 鉛 直 荷 重 が 大 き い ○ ○ ○ ○ ○ ○ 鉛 直 荷 重 が 普 通 ○ ○ ○ 鉛 直 荷 重 が 小 さ い ○ ○ ○ 地 下 水 流 速 3 m / m i n 以 上 ○ ○ ○ 地 表 よ り 2 m 以 上 の 被 圧 地 下 水 ○ ○ ○ 湧 水 量 が 極 め て 多 い ○ ○ ニューマチック 地 下 水 位 が 地 表 面 近 い 施工条件 支持 形式 支 摩 荷重規模 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ) ) 直接基礎 3 0 度 程 度 以 上 支 持 層 面 の 凹 凸 が 激 し い ) 粘 性 土 ( ○ 5 0 ㎝ 5 傾 斜 が 大 き い ( ○ 1 0 ㎝ 5 m 未 満 ( ○ れ き 径 1 0 ~ れ き 径 5 地下水の状態 支持層 の土質 支持層の深度 ~ れ き 径 5 ㎝ 以 下 液 状 化 す る 地 盤 が あ る ~ 中間層に れきがある ~ 中 間 層 に 極 硬 い 層 が あ る ~ 施工上の課題 杭基礎工法 中 間 層 に 極 軟 弱 地 盤 が あ る 構造性の特性 支持層までの状態 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 表-7 施工上の課題に対応する技術一覧 <杭基礎工法の例> (1)地盤・地下水条件 施工上の課題 (3)近接施工 (2)狭隘ヤード 杭基礎工法 軟弱地盤 直接基礎 砂礫地盤 高水圧 ○ 打込み杭基礎 既 製 杭 基 礎 中堀り杭 ・プレボーリング基礎 PC,PHC杭 鋼管杭 場所打ち杭基礎 RC杭 ○ PC,PHC杭 ○ 鋼管杭 ○ 最終打撃方法 ○ ○ 荷重規模が 大きい ○ ○ ○ ○ 噴出撹拌工法 ○ ○ コンクリート打設方式 ○ ○ 最終打撃方法 ○ ○ 噴出撹拌工法 ○ ○ コンクリート打設方式 ○ ○ オールケーシング杭 ○ アースドリル杭 ○ リバース杭 ○ 深礎杭 ○ ○ 地中連続壁基礎 ○ 大深度 ○ ○ ○ 79 -149- 騒 音 振 動 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ (6)その他 ○ ○ ○ ○ 鋼管矢板基礎 (5)施設規模 既存施設近接 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2005年度 4. 下水道新技術研究所年報〔1/2巻〕 第4章 処理施設の構築・整備に関する施工技術 第1節 処理施設の構築・整備に関する施工技術 の検討 第2節 検討手順 第3節 調査・検査による診断評価 および対処法の選定 第4節 施工技術 技術マニュアルの構成 マニュアルは,本編と資料編から構成される。各編 の内容は以下のとおり。 第1章 総 則 第1節 目的 第2節 適用範囲 第3節 用語の定義 第2章 ネットワーク計画における施工上の技術検 討 第1節 ネットワーク計画における施工上の技術 検討 第2節 建設計画および制約条件の把握 第3節 建設計画に基づく施工条件および施工課 題の抽出 第4節 適用技術の選定 第5節 概算工事費の算出 第6節 施工法および工法の選定 第7節 建設工期の把握および工事費の算定 第3章 連絡管きょの構築・整備に関する施工技術 第1節 連絡管きょの構築・整備に関する施工技 術の検討 第2節 検討手順 第3節 連絡管きょの断面・線形の設定 第4節 施工技術 ●この研究を行ったのは 研究第二部長 研究第二部総括主任研究員 研究第二部主任研究員 研究第二部研究員 研究第二部研究員 松浦 將行 桐原 隆 津田 伸夫 松本清治郎 岡本 健 【資 料 編】 1.新工法概要シート 2.下水道ネットワーク関連工事一覧表 3.ケーススタディー事例 4.近接状況の把握と近接程度の判定 5.準拠指針類および関連法規類 6.積算資料(案) 5. まとめ 本研究では,ネットワーク計画の策定に際して,的 確かつ効率的な施工技術の検討成果を導く手法を提示 することを目的とし,その成果としてマニュアルを発 刊した。厳しい財政状況が続くなかで,今後,より効 率的な下水道事業の運営が求められてくると考えられ る。下水道のネットワークという新しい施策立案をと おして,この課題の解決に向けた一歩を踏み出し,そ の検討過程で本マニュアルが大いに活用されることを 期待している。 ●この研究に対するお問い合わせは 研究第二部長 研究第二部総括主任研究員 研究第二部総括主任研究員 研究第二部主任研究員 研究第二部研究員 80 -150- 松浦 將行 目黒 享 津田 伸夫 松本清治郎 岡本 健
© Copyright 2024 ExpyDoc