CDOと相関とネットワーク

CDOと相関とネットワーク
S&P
Masato Hisakado
久門 正人
CDO(Collaterralized Debt Obligation)
優先劣後構造
シニア債
低リスク部分
債権
債権
債権
特別目的
会社SPC
メザニン債
中リスク部分
債権
債権
担保資産ポートフォリオ
エクイティ
劣後債
高リスク部分
優先劣後構造
デフォルト数
シニア
メザニン
劣後
メザニンまで損失
シニアは無事。
劣後で吸収
デフォルトの分布を計算
する必要がある。
相関による分布密度関数(Factor modelを使用)
PD20%
0.18
0.16
ピークの移動
0.14
0.12
相関を増やすと分布の形状は変わる
相関はそれほど変動しないと考える。
0.1
0.08
0.06
0%損失の上昇
0.04
テールの厚み
第2のピーク
0.02
76
%
81
%
86
%
91
%
96
%
56
%
61
%
66
%
71
%
31
%
36
%
41
%
46
%
51
%
6%
11
%
16
%
21
%
26
%
1%
0
Modelによる違い 。ただしρは同じ
正規分布(参考)
分散は等しい
Ising model
Beta Binomial
Isingの
第2のピーク
モデルによる違い。テール部分
テール部分に若干差が。
高次の相関が高いため
テールが厚くなる。
BBD vs コピュラ
1
分布形状 PD=0.05
1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
0.1
0.1
0.01
Copula
BBD
0.001
Copula
BBD
0.01
0.0001
0.001
0.00001
0.000001
0.0001
1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
相関
0.1 0.5
0.1
Copula
BBD
0.01
0.001
0.9
BBD vs コピュラ
分布形状 PD=0.5
1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
1
11
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
一様分布
0.1
Copula
BBD
Copula
BBD
0.1
0.01
0.001
0.01
1
1
0.1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
Copula
BBD
相関
0.1 0.5
0.9
0.01
BBD vs コピュラ
0.07
相関 PD=0.5
0.35
0.06
0.3
0.05
0.25
0.04
Copula
BBD
0.03
0.2
Copula
BBD
0.15
0.02
0.1
0.01
0.05
0
1
2
3
4
5
6
7
8
0
9
1
2
3
0.8
0.7
0.6
0.5
Copula
BBD
0.4
0.3
相関
0.1 0.5
0.9
0.2
0.1
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
4
5
6
7
8
9
BBD vs コピュラ
☆β分布とコピュラによる分布はきわめて似ている。
☆ノーマル以外のコピュラはテールが若干厚くなるようになっている。
Implied Default Distribution
Implied Distribution and default Distribution of popular
Models
どのParametricな分布とも似ていない。
Index in US and UK
Implied Distribution and Correlation Structure 1
ピークが立つ。
概ね似た形状。
問題
• 同じパラメータ設定でも分布はかなり異なる。→β分布~コピュラ vs Isi
ng
• 様々なコピュラモデルが考えられている。ではこのようなモデルで相関を
適切に設定すれば、システミックなテール・リスクは捉えられるだろうか?
→コピュラの違いはテールの厚みが多少違う。
Β分布とコピュラ・モデルの違いはどこからくるのか?
また実際のデフォルト現象でIsingのような分布になることはあるのか?→デ
フォルトの連鎖が止まらないという現象。
マルコフ連鎖
相関=周辺からの影響
-独立
ーハーダー:周辺からの影響を受ける
ハーダの中に独立がドープされる。
独立
独立
Analog herder case
IF p= 0 Beta distribution ~Polya pod model
D
R
ND
1-R
R:前の時間までの
模倣者
DとNDの割合
appearance with p
If R=1/2, herders vote for
C0 with ½.
D
ND
1-q
q
独立
appearance with (1-p)
デフォルトが多いと模倣者はデフォルトしやすくなる
Tanh type herder case=
Ising model
D
1-qh
ND
qh
模倣者
appearance with p
If qh=1/2, herders vote for
C0 with ½.
D
ND
1-q
q
独立
appearance with (1-p)
周りからの影響が線形ではなくTanh型の関数
極限状態でヘビサイド関数=デジタル
これでβ分布とIsingモデル両方を含んでいる
モデルを作ることができた。
T^(-γ)で収束。
one peak phase
BM
1
γ
Normal pc/2
two peak phase
遅い Phase
Super
Tanh
=Ising
analog
Beta
収束しない
0
pc
p
1
複数均衡=良い均衡と悪い均衡
-(2q-1)(1-p)/p
-(2q-1)(1-p)/p
v
(a)
v
(b)
まとめ
-β分布~コピュラとIsingモデルとの違い
★周りからの影響が線形か、非線形かによる違い。
★非線形の反応=Tanh型の場合(低い相関でも)デフォルトが止まらない
場合がある可能性がある。
→デフォルト事象でこのようなことはまれではないか。
Qポートフォリオのデフォルト率の分布は相関によって記述できるか?
A同じ相関であっても分散を規定するのみ。
分布は正規分布、β分布、Isingと幅広いものになる。
線形の反応の場合はコピュラ+相関によって記述できるかもしれない。
参考文献
-M.Hisakado,. K Kitsukawa and S.Mori
Correlated Binomial models and correlation structures,
J.Phys.A:Math.Gen .39(2006) 15365-15378
Betaケース
ーM. Hisakado and S.Mori,
Phase transition and information cascade in a voting model,
J. Phys. A: Math. Theor. 43 (2010) 315207
アナログ・ケース
-M. Hisakado and S.Mori,
Digital herders and phase transition in a voting model
J. Phys. A: Math. Theor. 44 (2011) 275204
デジタル・ケース
ーM. Hisakado and S.Mori,
Two kinds of phase transitions in a voting model
J. Phys. A: Math. Theor. 45 (2012) 345002
Tanhケース
ご清聴ありがとうございました。