掲載見本

表 3 厚生労働省 新旧ガイドライン目次比較
は新ガイドラインで追加された項目
コンピュータ使用医薬品等製造所
適正管理ガイドライン
第 1 目的
医薬品・医薬部外品製造販売業者等における
コンピュータ化システム適正管理ガイドライン
1. 総則
1.1 目的
1.2 コンピュータ化システムの取扱い
1.3 カテゴリ分類
第 2 適用の範囲
2. 適用の範囲
3. コンピュータ化システムの開発、検証及び運用管理に
関する文書の作成
第 3 開発業務
1. 開発検討段階
( 1 ) 開 発 段 階 の 責 任 体 制 の 確 立
( 2 ) 開 発 マ ニ ュ ア ル の 作 成
( 3 ) 開 発 計 画 書 の 作 成
2. システム設計段階
( 1 ) シ ス テ ム 設 計 書 の 作 成
( 2 ) シ ス テ ム 設 計 書 の 確 認
3. プログラム設計段階
( 1 ) プ ロ グ ラ ム 仕 様 書 の 作 成
( 2 ) プ ロ グ ラ ム 仕 様 書 及 び プ ロ グ ラ ム の 確 認
( 3 ) プ ロ グ ラ ム テ ス ト の 実 施
4. システムテスト段階
( 1 ) シ ス テ ム テ ス ト 実 施 計 画 書 の 作 成
( 2 ) シ ス テ ム テ ス ト の 実 施
5. 設置・運用テスト段階
( 1 ) 設 置 計 画 書 の 作 成
( 2 ) ハ ー ド ウ ェ ア の 設 置
( 3 ) 運 用 テ ス ト 実 施 計 画 書 の 作 成
( 4 ) 運 用 テ ス ト の 実 施
4. 開発業務
4.1 開発計画に関する文書の作成
4.2 要求仕様に関する文書の作成
4.3 システムアセスメントの実施
4.4 機能仕様に関する文書の作成
4.5 設計仕様に関する文書の作成
4.5.1 ハードウェア設計仕様
4.5.2 ソフトウェア設計仕様
4.6 プログラムの作成及びプログラムテスト
4.6.1 プログラムの作成
4.6.2 プログラムテストの実施
4.7 システムテスト
4.7.1 システムテストに関する文書の作成
4.7.2 システムテストの実施
4.8 受入試験
5. 検証業務
5.1 バリデーションの全体計画に関する文書の作成
5 . 2 設 計 時 適 格 性 評 価( D Q )
5.2.1 設計時適格性評価の計画に関する文書の作成
5.2.2 設計時適格性評価の実施
5.2.3 設計時適格性評価の報告に関する文書の作成
5 . 3 据 付 時 適 格 性( I Q )
5.3.1 据付時適格性評価の計画に関する文書の作成
5.3.2 据付時適格性評価の実施
5.3.3 据付時適格性評価の報告に関する文書の作成
5 . 4 運 転 時 適 格 性 評 価( O Q )
5.4.1 運転時適格性評価の計画に関する文書の作成
5.4.2 運転時適格性評価の実施
5.4.3 運転時適格性評価の報告に関する文書の作成
5 . 5 性 能 適 格 性 評 価( P Q )
5.5.1 性能適格性評価の計画に関する文書の作成
5.5.2 性能適格性評価の実施
5.5.3 性能適格性評価の報告に関する文書の作成
5.6 適格性評価の一部省略と引用
5.7 バリデーションの全体報告に関する文書の作成
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針 の 方 が 広 い こ と に 注 意 が 必 要 と な る。Part11 は 対 象 を 実 質 的 に GMP 業 務 と し て い る が、
ER/ES 指針は薬事法が適用される医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器に関連するシス
テムが対象となっている。
3.システムライフサイクル各フェーズでの活動内容
ここまで述べてきたように、規制は国によって求めるところは似ているが、異なっている
のが現状である。しかし基本となる CSV の考え方、実施内容は同じであるので、以下、個
別の CSV 活動の説明では、厚労省の新ガイドラインあるいは GAMP5 の内容に沿って進め
ることとする。
3.1 ライフサイクルのフェーズ
GAMP5 においては、ライフサイクルのフェーズを図 1 のように、
「構想」
「プロジェクト」
「運用」
「 リ タ イ ア メ ン ト 」の 4 フ ェ ー ズ と 定 義 を し て い る 。 C S V は ラ イ フ サ イ ク ル を 通 し て
実施することとなっているが、おもな活動はプロジェクトフェーズで実施され、運用フェー
ズでは、プロジェクトフェーズでの CSV 活動を通して確立したシステムのバリデート状態
を維持するための変更管理での活動になる。GAMP5 では CSV の一般的なアプローチの概
念を図 2 で説明している。図 1 のプロジェクトフェーズに図 2 が描かれており、運用フェー
ズでその変更が載っているのが、このことを表わしている。
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新 ガ イ ド ラ イ ン で は ラ イ フ サ イ ク ル モ デ ル が 図 3( 別 紙 1 )に 示 さ れ て い る 。 開 発 計 画 書 の
作成から始まり、開発業務、検証業務、運用管理業務、システムの廃棄の流れとなる。
コンピュータ化システムのライフサイクルモデル
手順書に
関する文章
3.コンピュータ化システム管理規定
システム毎に
作成する文章
4.開発計画書
5.検証
業務
別紙1
6.運用管理基準書
4.開発業務
システム
アセスメント
要求仕様書
(URS)
5.バリデーション計画書
6.3 標準操作手順書
5.検証業務
6.運用管理業務
性能適格性評価
(URS)
設計時適格性
評価︵DQ︶
供給者監査
機能仕様書
(FS)
運転時適格性評価
(URS)
設計仕様書
(DS)
据付時適格性評価
(URS)
保守点検
セキュリティ管理
バックアップ及びリスト
ア
変更の管理
逸脱(システムトラブル)
の管理
教育訓練
7.自己点検
プログラムの作成
プログラムテスト
システム
テスト
受入
試験
8.システムの廃棄
9.文章及び記録の管理
図 3 新ガイドラインのライフサイクルモデル
3.2 フェーズ毎の活動
システム開発、および CSV 活動で最低限求められている主要な仕様書およびその検証に
関わる作業内容を理解することにより、今まで述べた、CSV の目的等が明確になると思わ
れる。
3.2.1 システム設計段階の仕様書
こ の 段 階 の 仕 様 書 と し て は 、 ユ ー ザ 要 求 仕 様 書( 以 下 U R S )、 機 能 仕 様 書( 以 下 F S )、 設 計
仕 様 書( 以 下 D S )が 挙 げ ら れ る 。 各 々 の 作 成 者 、 記 載 内 容 は 以 下 の と お り 。
3 . 2 . 1 . 1 ユ ー ザ 要 求 仕 様 書( U R S )
文字通り、これから構築するコンピュータ化システムでどのような事を実現したいのか、
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原則として実運用環境で実施する。
3 . 2 . 2 . 4 性 能 的 確 性 評 価( P Q )
OQ が終了し、承認されてから PQ を行う。OQ 同様に PQ 計画書に従って作業を進めるこ
とになるが、内容は、システムで実現された機能で、業務が支障なく行えるかを検証する作
業である。OQ がシステムの機能面に着目して行う作業であるのに対して、PQ は業務面に
着目して行う作業であり、使用するデータも実作業で発生するデータとなる。OQ 同様に原
則として実運用環境で実施する。
以上、システム設計段階の仕様書、検証段階の作業について説明をしたが、これはあくま
でも CSV の検証段階の基本的な枠組みであり、CSV 活動がこれだけで説明できたわけでは
ない。新ガイドラインに拠っても、表 2 にあるように、バリデーション計画書、報告書の作
成、システムアセスメントとしての 3 つの作業の実施があげられる。
4.GxP 間での相違点
新ガイドラインは GMP、GQP が対象になっており、GAMP においても GxP とは言って
い る が、GMP が 主 体 と な っ て い る の は 否 め な い が、GAMP を GCP 業 務 に 適 用 で き る こ と
は 確 認 済 み で あ り 、G C P 領 域 で あ れ 、G L P 領 域 で あ れ C S V 活 動 の 内 容 、基 本 的 な 枠 組 み が 、
GMP と は 異 な っ て い る こ と は な い。 領 域 に よ り、 シ ス テ ム と 業 務 と の 関 連 が 異 な る た め、
活動の実施時期、深さ等が異なると理解したほうが良い。
4.1 GMP 領域での CSV
GMP においては、一度決めて稼動した生産形態、生産設備等に変更は発生するとしても、
全体が大幅に変更されることは稀にしか起こらない。当然ながらそこで稼動するシステムも
同じであり、CSV 活動もそれに合わされることになる。
また、GMP 領域で稼動するシステムの特徴として、生産設備との連携を必要とすること
が挙げられる。生産設備等の制御をシステムで行っている場合には、システム単独の CSV
ではなく、設備のバリデーション活動の中で、システムの検証も行えるようにすることが推
奨されており、GMP 領域で多数発生する CSV の一形態といえる。
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通の考え方を示している。新ガイドラインのカテゴリ分類表を表 4、GAMP5 での分類例を
表 5 に示す。
表 4 カテゴリ分類
文書管理
O︶
Q
標準操作手順書
運 転 時 適 格 性 評 価︵
I︶
Q
P︶
Q
据 付 時 適 格 性 評 価︵
D︶
Q
性 能 適 格 性 評 価︵
設 計 時 適 格 性 評 価︵
D︶
S
バリデーション計画書・報告書
設 計 仕 様 書︵
F︶
S
受入試験
機 能 仕 様 書︵
U R︶
S
供給者監査
要 求 仕 様 書︵
システム台帳登録
システムアセスメント
開発計画書
カテゴリ
基盤ソフト
1
内容
・カテゴリ 3 以降のアプリケ ○ 1 ○ 1 ○ 1 ○ 1 ○ 1 ○ 1 - ○ 1 ○ 1 - ◎ 2 ○ 1 ○ 1 ○ 1 ○ 1 1 アプリケーショ
ーションが構築される基盤
ンに含めて作成、
と な る も の( プ ラ ッ ト フ ォ
実 施( 単 独 で 作 成
ーム)
する必要はない)
・運用環境を管理するソフト
ウェア
このカテゴリは設定しない
2 設置の確認、バ
ージョン・製造
番号等の記録
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2
5
製造設備、 ◎
分析機器、
製造支援
設備等に
搭載され
るシステ
ム
◎
◎ ◎3 △
-
△
- ◎ 3 - ◎ 2 △ ◎ 3 ◎ 3 ◎ 3 設備に合わせて
仕様の設定及び
機能の検証を行
うことで差し支
えない。単純な
システムに関し
ては校正で代用
することも可
(実行時のパラメ
ータの入力のみで
調整されるアプリ
ケーション等は本
カテゴリに含まれ
る)
単独のコ
ンピュー
タシステ
ム
◎
◎
◎
◎
―
-
△
-
◎
- ◎2 -
◎
◎
◎
ユーザの業務プロセスに合わ ◎
せて構成設定したソフトウェ
ア( ア プ リ ケ ー シ ョ ン 上 で 動
作 す る マ ク ロ 等 を 含 む )。
◎
◎
◎
○
○
○
○
◎
△
◎
◎
◎ ◎4 ◎4 ◎4 ○
構成設定したソフトウェア
4
カ
ス
タ
ム
ソ
フ
ト
ウ
ェ
ア
GAMP 5 との整
合性を考慮し使用
しない
商業ベースで販売
されている既製の
パッケージソフト
ウェアで、それ自
体は業務プロセス
に合わせて構成設
定していないもの
(アプリケーショ
ン上で動作するマ
ク ロ 等 を 含 む )。
構成設定していないソフトウェア
3
備考
◎
○
◎
◎
◎ 設計仕様、システ
ム構築に関する文
書は供給者が管理
してもよい ◎ ◎4 ◎
◎
◎
◎
◎ 4 単純な機能で、
URSのみでシ
ステム設計が可
能 な 場 合 作 成( 実
施 )し な く て も よ
い
但し、ソフトウェアコードを
変更した場合はカテゴリ 5 と
する
業務プロセスに合わせて設計 ◎
され、プログラムされたソフ
トウェア、
(アプリケーション上で動作
するマクロ等を含む)
◎ : 必 須 ○ : シ ス テ ム ア セ ス メ ン ト の 結 果 に よ る( 基 本 的 に は 必 要 )、 △ : リ ス ク ア セ ス メ ン ト の 結 果 に よ る( 基 本 的 に は 省 略 )、 - : 省 略 可 能
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