Unit 9 臨床総論Ⅴ 臨床腫瘍コース 1 .教 員 名 責 任 者 中川 和彦 職 位 教 准 教 講 腫瘍内科学 教 員 名 ・ 所 属 授 中川 和彦・田村 孝雄(腫瘍内科学)・西村 恭昌(放射線腫瘍学) 伊木 雅之(公衆衛生学)・奥野 清隆(外科学)・佐藤 隆夫(病院病理部) 村上 卓道(放射線診断学)・松村 到(血液・膠原病内科学) 小山 敦子(腫瘍内科学心療内科分野)・光冨 徹哉・菰池 佳史(外科学) 万代 昌紀(産科婦人科学) 授 安田 卓司(外科学) 師 鶴谷 純司(腫瘍内科学)・千葉 康敬(臨床研究管理センター) 医学部講師 清水 俊雄・金田 裕靖・武田 真幸・奥見 裕邦(腫瘍内科学) 松岡 弘道(緩和ケア室)・奥田 武司(脳神経外科学) 医学部助教 仁科 慎一・岡部 崇記・田中 薫・川上 尚人・岡本 邦男・阪本 亮 大武 陽一(腫瘍内科学) 非常勤講師 佃 博(和泉市立病院)・佐藤 太郎(大阪大学医大学院) 宮﨑 昌樹(吹田市民病院)・佐藤 恵子(京都大学大学院) 祖父江友孝(大阪大学医学部)・荒井 保明(国立がん研究センタ-中央病院) 橋本佐与子(MBS毎日放送 報道局) 川上 祥子(キャンサーネットジャパン)・藤阪 保仁(大阪医科大学) 倉田 宝保(関西医科大学) 看 小山富美子(がんセンター)・慎 玉姫(通院治療センター) 護 師 ソーシャル ワーカー 小西 直毅(患者支援センター) 客員教授 西條 長宏(日本臨床腫瘍学会)・大江裕一郎(国立がんセンター東病院) Unit9 臨床総論Ⅴ 2 .コース目標 ・一般目標(GIO) 悪性腫瘍の疫学,生物学,病態,診断の基本的知識,ならびに悪性腫瘍の治療法の総論を学び,臨 床腫瘍学とはどのような学問体系で,なぜその知識が必要かを理解する。 ・行動目標(SBO) がん治療のあり方やそれに伴う副作用を把握し,エビデンスに基づいたがん治療とは何か,そして 臨床試験の重要性やがん治療における倫理的側面として正しいインフォームド・コンセントのとり 方について学び,がん患者の緩和医療,がん患者とのコミュニケーションのとり方についても学習 する。 — 117 — 3 .コース時間割表 第 1 週 臨床総論 1 月日 曜日 時限 担当教員 内 容 1 中川 和彦 臨床腫瘍学総論 1 .臨床腫瘍学の全体像 2 .癌化学療法の癌種別の臨床的位置付け 3 .がんの病期とがん化学療法の果たす 役割 4 .Goldie - Coldman の理論 5 .Sequential therapy の理論 2 中川 和彦 がん化学療法概論 1 .主な抗がん剤の種類と作用機序 2 .抗がん剤と一般薬の違い 3 .がん診療におけるチーム医療の重要性 4 .癌化学療法の有効性 放射線腫瘍総論 1 .癌治療における放射線治療の特徴 2 .放射線治療における 3 因子 3 .空間的線量分布を改善する方策 4 .時間的線量配分を改善する方策 5 .放射線効果の増感法 3 11/18 週責任者:中川 和彦 西村 恭昌 月 光冨 徹哉 予後因子とバイオ マーカー 5 祖父江友孝 がん対策 1 .がん対策基本法・基本計画 2 .がん統計・がん登録 3 .がん検診 6 荒井 保明 IVR 1 .IVR の概念と歴史 2 .臨床腫瘍医が知っておくべき IVR 3 .IVR のエビデンスと臨床試験 村上 卓道 がんの放射線診断 学 GIO:腫瘍に CT・MRI の診断医につい て理解する SBOs: 1 .腫瘍診断における各種画像診断法の 長所・短所が言える 2 .画像診断による良悪性腫瘍の特徴を 言える 3 .各腫瘍の TNM 分類判定の画像所見 が言える 岡部 崇記 がんの内視鏡診断 学 1 .悪性腫瘍の発生過程に関与する遺伝子 2 .悪性腫瘍の診断・治療における外科 の役割 3 .拡大手術・縮小手術,機能温存手術 の意味 Unit9 臨床総論Ⅴ 4 1 .が んの予後因子とバイオマーカー (効果予測因子)の違い 2 .がんの予後因子を主な癌種について 列挙できる 3 .がんの予後因子の臨床的意義につい て説明できる 1 11/19 火 2 — 118 — 月日 曜日 時限 担当教員 内 容 4 .各種の臓器癌の外科手術と補助療法 3 11/19 火 4 5 6 1 水 安田 卓司 奥野 清隆 菰池 佳史 倉田 宝保 がんの臨床病理 腫瘍外科総論 1 .悪性腫瘍の発生過程に関与する遺伝子 2 .悪性腫瘍の診断・治療における外科 の役割 3 .拡大手術・縮小手術,機能温存手術 の意味 4 .各種の臓器癌の外科手術と補助療法 がん免疫療法 1 .非特異的免疫療法 2 .がんペプチド抗原と CTL 療法 (特異的キラーT細胞誘導療法) 3 .モノクローナル抗体とがん治療への 応用 4 .免疫モニタリング法と臨床試験 がんホルモン治療 1 .ホルモン依存性腫瘍 2 .閉経前,閉経後の女性ホルモン動態 3 .内分泌療法剤の作用機序 4 .乳癌治療における内分泌療法の EBM 抗がん剤の臨床薬 理 1 .臨床薬理学的知見に基づいた抗悪性 腫瘍薬治療の重要性 2 .各薬物の臨床薬理学的特長 3 .各薬物の代謝・排泄経路を理解し臓 器障害時の対応方法 4 .薬物相互作用の重要性 2 岡本 邦男 がんの支持療法 1 .癌の集学的治療とは? 2 .術後補助化学療法の有用性 3 .放射線化学療法の有効な腫瘍 4 .放射線化学療法の実例を挙げ説明で きる 3 武田 真幸 がんの集学的治療 1 .抗癌剤治療における副作用の種類 2 .抗癌剤治療関連死の原因 3 .抗癌剤治療における副作用の評価方法 4 .抗癌剤治療における副作用の対策方法 4 川上 尚人 がんの分子標的治 療 1 .がんの分子標的治療の概念 2 .現在,臨床導入されている分子標的 薬剤の作用メカニズム — 119 — Unit9 臨床総論Ⅴ 11/20 佐藤 隆夫 1 .腫瘍の病理学定義 2 .上皮の種類およびそこから発生する 腫瘍の形態学的特長 3 .非上皮の種類およびそこから発生す る腫瘍の形態学的特長 4 .生検の意義,方法 5 .細胞診でみられる典型的細胞像 月日 曜日 時限 担当教員 内 容 3 .現在,臨床導入されている分子標的 薬剤の治療における位置づけ(エビ デンス) 4 .標的分子の変異と分子標的薬剤の効 果や副作用 11/20 11/21 水 伊木 雅之 がんの疫学 1 .主要な悪性新生物の罹患と死亡の動向 2 .主要な悪性新生物のリスク要因 3 .悪性新生物の予防策 4 .がん登録の目的,仕組み,臨床応用 6 田村 孝雄 がんの症候学 1 .がん診断のコツ 2 .癌初発症状 3 .癌転移症状 1 清水 俊雄 がんの新薬開発 1 .新薬開発の必要性 2 .新薬の開発方法の流れ 3 .新薬開発のための臨床試験 4 .新薬開発における問題点 2 橋本佐与子 がん医療の問題点 −報道記者の 立場から− 1 .医師と患者の意思疎通 2 .様々な情報から生まれる誤解 3 .患者が抱いている誤解や疑問点にど こまで医師が対応できるか 4 .チーム医療は医療者の情報共有のみ ではなく,患者主体になっているか? 3 川上 祥子 がん患者が直面す るがん医療の問題 1 .がん医療を取り巻く環境 2 .がん患者・家族が直面する問題 3 .わたしたちにできること 4 西條 長宏 がん診療の国際比 較 1 .薬理遺伝学 2 .人種差 3 .国際共同臨床試験 4 .ドラッグラグ 木 Unit9 臨床総論Ⅴ 11/22 5 金 5 中川 和彦 がんの医療経済学 1 .医療経済学の概念 2 .が ん治療におけるコストパートパ フォーマンス 3 .クオーリーの考え方 4 .日本の医療行政とがん診療 6 中川 和彦 細胞医療と造血幹 細胞移植療法 1 .がんの治療における細胞医療の概念 2 .細胞医療の具体例 3 .造血幹細胞移植療法の現状 1 川上 尚人 がんの臨床研究と EBM 1 .エビデンスとは 2 .臨床研究について 3 .臨床試験について (第Ⅰ相・Ⅱ相・Ⅲ相試験) — 120 — 月日 11/22 曜日 金 時限 担当教員 内 容 2 佐藤 恵子 臨床試験における 倫理 1 .臨床研究の歴史 2 .臨床試験はなぜ必要か 3 .臨床試験の実験台には誰がなるか 4 .インフォームド・コンセント 3 岡部 崇記 医学英語 知っておくべき医学英語について,学習 する。 4 がんの生物統計Ⅰ 千葉 康敬 5 6 11/23 がんの生物統計Ⅱ 佃 博 がん診療における 地域連携 土 1 .臨床試験の意義と重要性 2 .生存曲線の書き方・見方 3 .生存期間中央値・ハザードの意味 4 .論文を批判的に読む力を身につける 1 .がん医療の均てん化と地域医療 2 .がん診療における地域連携 3 .在宅がん医療 4 .泉州がん医療ネットワーク 勤労感謝の日 第 2 週 臨床総論 2 月日 月 週責任者:中川 和彦 時限 担当教員 1 田中 薫 頭頸部腫瘍 1 .TNM 分類 2 .治療方法 3 .副作用 2 仁科 慎一 肝・胆・膵癌 1 .肝癌,胆道癌,膵癌の特徴 2 .肝癌,胆道癌,膵癌の薬物療法 3 .肝癌,胆道癌,膵癌の集学的治療 乳がん 1 .乳癌の特異性 2 .乳癌の診断(各種診断方法) 3 .乳癌の治療(手術療法,放射線治療, 化学療法,内分泌療法) 4 .乳癌の薬物治療に関して近年の動向 (分子標的治療を含めて) 5 .EBM に基づいた乳癌治療 3 鶴谷 純司 内 容 4 松村 到 血液腫瘍 1 .造血器腫瘍の種類,分類 2 .造血器腫瘍の臨床像 3 .造血器腫瘍の予後 4 .白血病細胞の細胞学的特徴 5 .白血病治療の基本概念 5 佐藤 太郎 胃癌 1 .胃癌の臨床試験 2 .胃癌の化学療法 — 121 — Unit9 臨床総論Ⅴ 11/25 曜日 月日 11/25 曜日 月 時限 火 6 奥田 武司 転移性脳腫瘍の管 理 1 田村 孝雄 結腸・直腸癌 1 .結腸・直腸癌の疫学 2 .結腸・直腸癌の診断手順 3 .結腸・直腸癌の病期と治療 武田 真幸 原発不明癌 1 .原発不明癌の定義 2 .原発不明癌の特徴 「微小病変」という言葉を用いて 3 .原発不明癌の組織学的分類 "favorable subset" と い う 言 葉 を 用 いて 4 .診断に必要な検査 "favorable subset" と い う 言 葉 を 用 いて 5 .原発不明癌の治療 "favorable subset" と "unfavorable subset" の両者について 3 宮﨑 昌樹 骨・軟部腫瘍・ GIST 1 .骨・軟部腫瘍の定義 2 .骨・軟部腫瘍の疫学,予後 3 .骨・軟部腫瘍の診断方法 4 .骨・軟部腫瘍の標準的治療 5 .GIST の治療について 4 金田 裕靖 肺がん 1 .呼吸器腫瘍の種類,分類 2 .肺癌の組織分類,病期分類 3 .非小細胞肺癌の病期毎の標準的治療 4 .小細胞肺癌の病期毎の標準的治療 Unit9 臨床総論Ⅴ 11/27 水 内 容 1 .転移性脳腫瘍の病態について説明で きる 2 .転移性脳腫瘍の診断について説明で きる 3 .転移性脳腫瘍の治療方針について説 明できる 4 .髄膜癌腫症の病態について説明できる 2 11/26 担当教員 5 大江裕一郎 腫瘍随伴症候群 腫瘍関連救急処置 1 .腫瘍随伴症候群の定義 2 .代表的な腫瘍随伴症候群の病態と診 断・治療 3 .Oncology Emergency の概念と代表 的病態 4 .Oncology Emergency の診断と治療 6 万代 昌紀 婦人科癌 1 .婦人科臓器の解剖と生理 2 .子宮頸癌,診断と治療 3 .子宮体癌,診断と治療 4 .卵巣癌,診断と治療 1 金田 裕靖 胚細胞腫瘍 1 .胚細胞腫瘍の種類,分類 2 .胚細胞腫瘍の症状・検査 — 122 — 月日 曜日 時限 担当教員 内 容 3 .胚細胞腫瘍の予後因子 4 .胚細胞腫瘍の治療戦略 5 .胚細胞腫瘍の標準化学療法 2 11/27 水 3 小山 敦子 藤阪 保仁 がん告知 (治療法の選択) 1 .悪い知らせを伝える際のコミュニケー ション 2 .患者が望むコミュニケーション 3 .がん診断,再発,終末期の心の反応 4 .コミュニケーションの学習法 藤阪 保仁 小山富美子 がん患者・家族と の関わり (コミュニケーショ ン・スキル実習) 1 .真実を伝えることの重要性 2 .Bad News の伝え方を身につける 3 .治療方法の説明の仕方 4 .患者家族との対応の仕方 5 .積極治療から症状緩和への移行 6 .末期患者とのコミュニケーションの あり方 4 5 鶴谷 純司 医学英語 知っておくべき医学英語について,学習 する。 1 松岡 弘道 緩和医療総論 疼痛緩和を中心に 1 .緩和医療総論 2 .緩和医療の様々な手段 3 .疼痛緩和の実際 小山 敦子 サイコオンコロジー 1 .サイコオンコロジーの役割と重要性 2 .がん患者のストレス要因 3 .がん患者の心のケア 4 .がん患者のQOLの評価と,これを 高める医療 5 .がん患者の家族に対するアプローチ 6 .がん治療におけるチーム医療 3 小西 直毅 -がん診療のしくみ- 医療・支援制度 1 .がん対策基本法 2 .オンコロジー・ソーシャルワーク 3 .高額療養費制度 4 .訪問診療・訪問看護 5 .介護保険制度 4 小山富美子 -がん診療のしくみ- がん看護 1 .がん患者と家族の理解 2 .がん看護実践の基本概念 3 .がん患者とチームアプローチ 4 .がんサバイバーシップ 木 — 123 — Unit9 臨床総論Ⅴ 6 2 11/28 心身医学総論 1 .心身医学の役割と重要性 2 .全人的医療について 3 .心療内科と心身症 4 .心身相関 5 .心療内科的診断と治療 月日 11/28 11/29 曜日 担当教員 内 容 5 慎 玉姫 -がん診療のしくみ- 外来化学療法 1 .当院外来化学療法の現状 2 .当院通院治療センターにおける各職 種(医師,薬剤師,看護師)の役割 3 .通院治療センターにおけるチーム医療 4 .当院通院治療センターの問題と課題 6 大武 陽一 総合診療と心身医 学 1 .総合診療と心身医学の関わり 2 .総合診療のアプローチ 3 .総合診療で診る疾患各論 1 中川 和彦 総括講義 これまで学習した講義内容を,おさえて おくポイント等を踏まえて,復習する。 木 2 小山 敦子 心療内科疾患Ⅰ 消化器心身症 1 .消化器心身症総論 2 .消化器心身症の機能検査 3 .消化器心身症の診断(特に過敏性腸 症候群,機能性胃腸症を中心に) 4 .消化器心身症の治療 3 阪本 亮 心療内科疾患Ⅱ その他 1 .緊張型頭痛について 2 .片頭痛について 3 .ストレス高体温症について 4 .線維筋痛症について 4 小山 敦子 心理療法と 心理テスト 1 .心理療法の役割と重要性 2 .具体的な心理療法(リフレーミング) の演習 3 .心理テストの意義と限界 4 .具体的な心理テストの演習と解説 5 奥見 裕邦 小児心身症 漢方治療 1 .小児心身症の特徴 2 .小児心身症の診断と治療 3 .漢方治療の特徴と重要性 4 .漢方治療の実際 6 松岡 弘道 慢性疼痛 1 .慢性疼痛総論 2 .慢性疼痛の特徴 3 .慢性疼痛の診断 4 .慢性疼痛の治療 1 中川 和彦 自 習 10:10 ~ 11:40 中川 和彦 試 験 金 Unit9 臨床総論Ⅴ 11/30 時限 土 — 124 — 4 .教 科 書(参考書) 書 籍 名 著 者 名 発 行 所 発行年 参 新臨床腫瘍学 JSMO 編集 南江堂 2009年 参 がん診療レジデントマニュアル 第 5 版 国立がんセンター内 科レジデント 編 医学書院 2010年 参 入門腫瘍内科学 JSMO 編集 篠原出版新社 2009年 教:教科書 参:参考書 5 .試験・その他 試験は講義の内容から出題し,マークシート方式で行う。 また講義への出席および出席態度についても評価し,これらを総合判定とする。 Unit9 臨床総論Ⅴ — 125 —
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