ブルセラ基礎培地

カタログコード:711169-5
ブルセラ基礎培地
BRUCELLA MEDIUM BASE
OXOID コード:CM0169
2
CULTURE MEDIA
E 組成(培地1Lあたり)
やRenoux3)の報告した培地に比べて選択性および発育条件
の厳しい菌の発育支持性に優れている。 Jones と Brinley
Morganは血清-ブドウ糖-抗生物質寒天培地では培養が極め
ペプトン …………………………………… 10.0
g
ラブ-レムコ末 ……………………………… 5.0
g
て困難か又は不可能とされたBrucella abortus生物型2の発育
ブドウ糖 …………………………………… 10.0
g
も含め、全てのBrucella属の良好な発育が得られることを報
塩化ナトリウム …………………………… 5.0
g
寒天 ………………………………………… 15.0
g
告した。
pH 7.5±0.2
E 方法
ブルセラ選択サプリメンント( SR83)
選択剤としての色素(マラカイトグリーンやゲンチアナバ
1バイアルあたり:500mL用
イオレット等)は多くのBrucella属の発育を抑制するため勧
ポリミキシンB ………………………… 2,500
IU
められない。非選択培地が必要な場合は、本品に血清のみを
バシトラシン ………………………… 12,500
IU
加えた(抗生物質無添加)ものを使用する。Brucella属の菌
シクロヘキシミド ………………………… 50.0
mg
株間の鑑別には、本培地とCruickshankのdyestrip法4)を併用
ナリジクス酸 ……………………………… 2.5
mg
することが勧められる。
ナイスタチン ………………………… 50,000
IU
バンコマイシン …………………………… 10.0
mg
1. 濾紙片に1:200塩基性フクシンまたは1:600チオニンをし
み込ませて乾燥する。
2. 血清-ブドウ糖寒天培地の表面に濾紙片を置き、その上に
同じ培地を薄く重層し、固化させる。
E 調製方法
非選択培地の調製
本品23gを500mLの精製水に懸濁し、沸騰するまで加熱し
て溶解する。121℃で15分間、高圧蒸気滅菌し約50℃に冷却
3. Brucella属の試験菌株を濾紙片に対し直角に画線接種す
る。
4. 10%CO2条件下、35℃で2∼3日間培養する。
5. 色素抵抗菌は濾紙片を横切って発育するが、色素感受性
する。56℃で30分間非働化したウマ血清を5%となるように
菌は濾紙片から 10mm まで発育が抑制される。典型的な
添加し、十分に撹拌した後シャーレに分注する。
発育パターンは以下のとおりである。
選択培地の調製
塩基性フクシン
ブルセラ選択サプリメント(SR83)1バイアルに10mLの
1: 200
メタノール/滅菌水( 1:1)溶液を加え懸濁し、 35℃で 10∼
Brucell abortus
15分間放置する。撹拌後、約50℃に冷却した500mLの滅菌
Brucella melitensis
済み培地に添加する。
Brucella suis
チオニン
1: 600
発育 発育しない
発育
発育しない 発育
発育
但し、これらには例外があるため、鑑別同定には複数の性
状試験を併用することを勧める5)。
E 用途・特徴
Oxoid社のブルセラ基礎培地は、発育条件の厳しいタイプ
を含むBrucella属の分離培養にJonesとBrinley Morgan1)が
開発した血清-ブドウ糖-抗生物質寒天培地の基礎培地に相当
するものである。
抗生物質を添加したブルセラ培地は、 Kuzdas と Morse 2)
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ブルセラ基礎培地
Brucella属は発育が遅く栄養要求が厳しいため、乳や動物
組織の培養には共雑菌の過剰発育を抑制するために選択剤を
加えなければならない。
静菌性色素含有の培地はBrucella abortus 生物型2および
他の発育条件の難しい菌株を抑制する。色素の代わりに抗生
物質を使うとBrucella属全ての生物型の発育が選択培地上で
確認された 1)。しかし、 Leechら 6)は血清-ブドウ糖-抗生物
質処方
1)
は選択性が不十分でモルモット接種より優位性が
劣ると報告した。
E 参考文献
1. Jones Lois M. and Brinley Morgan W.J. (1958) Bull. Wld
Hlth Org. 19. 200-203.
8)
7)
Mair の考案した選択培地を改良したBarrowとPeel の
培地は、抗生物質とゲンチアナバイオレットの両方を含むも
2. Kuzdas C.D. and Morse E.V. (1953) J. Bact. 66(4). 502504.
のである。この培地ではBrucella abortusの一部の菌株は発
3. Renoux G. (1954) Ann. Inst. Pasteur 87(3). 325-333.
育せず、これらの菌株は非常に低濃度の色素にも敏感である
4. Cruickshank J.C. (1948) J. Path. Bact. 60. 328-329.
というMairの説が確認された。
5. Stableforth A.W. and Jones Lois M. (1963) Internat. Bull.
9)
Farrell は血清‐ブドウ糖寒天基礎培地にバシトラシン
Bact. Nomen. Taxon. 13. 145-158.
6. Leech F.B., Vessey M.P., Macrae W.D., Lawson J.R.,
100μg/mLおよびナイスタチン100IU/mLを添加し、極めて
MacKinnon D.J. and Brinley Morgan W.J. (1984) Animal
選択性の高い抗生物質含有培地を開発した。
Disease: Survey No 4 HMSO. London. p17.
比較試験で
10)
本培地はモルモット接種の場合と同等の分
離率が得られ、またBrucella abortus生物型2の発育も支持す
ることが確認された。
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25IU/mL 、バンコマイシン 20μg/mL 、シクロヘキシミド
7. Barrow G.I. and Peel M. (1967) Mon. Bull. Minist. Hlth
26. 192- 196.
8. Mair N.S. (1955) Mon. Bull. Minist. Hlth 14. 184-191.
Oxoid社のブルセラ選択サプリメント(SR83)は Farrell
の処方に基づくものである。本培地が血清-ブドウ糖寒天培
地または Barrowと Peelの培地のどちらよりも、選択性が極
11)
めて高いことは追加実験により確認されている
。
9. Farrell I.D. (1969) PhD Thesis, University of Liverpool.
10. Farrell I.D. and Robinson L. (1972) J. Appl. Bact. 35.
625-630.
11. Hunter D. and Kearns M. (1977) Br. Vet. J. 133. 486-489.
1. 乳からのBrucella属を直接培養する場合は、検体を滅菌試
験管にとり、40℃で一夜放置する。
2. 一定量をらせんワイヤーで計り取ったクリームは、滅菌
コンラージ棒でサプリメント加寒天平板培地に塗抹する。
3. 10∼20%CO2(v/v)条件下、35℃で培養し、10日間にわ
たって2日毎に観察する。
4. Brucella属のコロニーは直径1∼2mmの周縁が滑らかな隆
起したコロニーとして認められる。このコロニーは、ス
ライド凝集反応で同定する事ができる。
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