やましろNPO協働通信 発行:京都府山城NPOパートナーシップセンター 〒611-0021 京都府宇治市宇治若森7−6 ~広げよう協働の輪 つなげよう協働の輪~ 京都府山城広域振興局宇治総合庁舎2F (TEL/FAX: 0774-22-5122) NO.12・13 合併号 22.12 京都府山城NPOパートナーシップセンター移転記念事業とし て、 「やましろ地域協働マッチングセミナー」を開催しました。 第1部のセンター移転記念事業は、約80名の参加者で会場は一 杯となり、勝見彰京都府山城広域振興局長と佐藤満立命館大学政策 科学研究科長による挨拶の後、① 共同作業所の授産製品販売等の 取組、② 地域団体の観光振興の取組、③ 市民活動の三つのテーマ に沿って、それぞれの地域活動の担い手による活動事例報告が行わ れました。 第2部は、山城地域における地域協働のあり方を考え、テーマご とに地域の協働を目指したプラットフォーム形成を進めていくこ とを目的にしたワークショップを実施しました。ワークショップは、 ①チャレンジド&学生コラボ販売促進事業の仕組みづくり~授産 工賃倍増大作戦~、②新しい観光資源の開発~お茶の向こうに~、 ③やってみよう!市民活動~ぶち当たる理想と現実の壁~ の三つ ● 日時 9月4日(土) 13:00~17:30 のテーマに分かれて行われ、NPOなど地域団体・企業・行政・大 ● 場所 京都府山城広域振興局宇治総合庁舎 学の関係者、山城地域で研究に取り組んでいる地域共創准研究員や 一般の院生・学部生も参画し、地域活動の現状報告や活発な意見交 換が行われました。 地域で活動する団体からの活動報告 第1部 13:00~14:00 ① 共同作業所の授産製品販売等の取組 ② 地域団体の観光振興の取組 ③ 市民活動の事例報告 ブレイクタイム 14:00~15:00 3つの地域活動報告の後、ブレイクタイムが設けられ、地域活動の担い手たちが 手掛ける商品や共同作業所の授産製品の販売が行われ、茶やイチジクといった山城 地域の特産を活かしたスイーツなどを食べながら参加者が歓談する場となりまし た。 ★ チャレンジド&学生コラボ販売促進事業の仕組みづくり 第2部 ~ 授産工賃倍増大作戦 ○ 授産施設や共同作業所の製品は良い品であっても売り手不足で製品が余剰 ○ 売り場の確保と学生や団塊世代等による売り手ボランティアを確保する仕組みの構築を検討 ★ 新しい観光資源の開発 ~ お茶の向こうに ~ ○ お茶だけでなく、様々な地域資源を活かした観光振興の方策を検討 <例> 各市町村のふるさと自慢、今はない歴史遺産等も地域の語り部で復活 ★ やってみよう!市民活動 ~ ぶち当たる理想と現実の壁 等 ~ ○ 市民活動は活発化しつつあるが、実際の市民活動の現場においては多くの課題がある ○ お互いに課題を出し合い、その解決方策を検討 ~ 第1部 地域で活動する団体からの活動報告 (1) 共同作業所の授産製品販売等の取組 NPO法人就労ネットうじ みっくすはあつの小畑治氏は、これまで手掛けてきた共同 作業所の授産製品販売の取組について、写真資料を使いながらアンテナショップなどの 具体的な販売の現場を多数紹介されると同時に人員配置などの課題に触れられました。 その中でも、京都府山城NPOパートナーシップセンターの事業である「ええもん発 見市 in やましろ」の中で実施された授産製品を預けNPOに出店と販売を委託するとい う取組を取り上げられ、授産製品販売機会の創出に繋がり、更に授産工賃の増加に寄与 していくであろう、その可能性への期待を示されました。 NPO法人就労ネットうじ みっくすはあつ 小畑治氏 (2) 地域団体の観光振興の取組 山背古道探検隊 中島和代氏 山背古道探検隊の中島和代氏は、城陽から木津までの全長約 25 ㎞に及ぶ山背古道に対 する参加者の認知度を確かめながら、山背古道探検隊の成り立ちを説明され、会員減少と いう現状の課題にも触れられました。次に探検隊の活動の中で、つくり上げてきたマップ を取り上げられ、沿道の市民活動を紹介しつつ、山背古道沿いの各地域に伝わる「八景」 を紹介する、その特徴を説明されました。また中島氏は、探検隊が行政との協働から始ま った団体であることに触れ、その活動が今日まで継続してきた背景として、当初から関わ っていた各市町職員が「行政ボランティア」として継続して取り組み続けてくれたことが 大きく作用してきたとの見解を示されました。 (3) 市民活動の事例報告 おりなす.キャンプ.城陽の長澤とよ海氏は、「市民の情熱を縦糸に知恵を横糸」にし て地域を織りなすという団体名「おりなす.キャンプ.城陽」の由来に触れながら、城陽 の市民活動を交流させ、繋がりづくりを進めていき、より良い地域づくりを進めていきた いという活動の思いを紹介されました。また長澤氏は、城陽市民活動支援センターの運営 に関わりながら、テーマ型の基金である「城陽みどりのまちづくり基金」の設置申請者と しての役割を果たしているおりなす.キャンプ.城陽の活動展開について触れ、これまで と代わって、活動上の資金を取る側から基金を説明し市民活動にアドバイスをする立場に なったことで生じてきた意識の変化についても語られ、しばしば「壁にぶち当たる」市民 活動の現状を少しでも打開していきたいとの決意を述べられて、報告を締めくられました。 第2部 テーマ別ワークショップ おりなす.キャンプ.城陽 長澤とよ海氏 (1) チャレンジド&学生コラボ販売促進事業の仕組みづくり~授産工賃倍増大作戦~ このワークショップでは、障害者の経済的自立支援に向けた授産工賃の増加をテーマにしており、出席者は約20名を 数えました。2つの班に分れてワークショップが行われ、参加者はNPO関係者、大学教員・学生、行政職員など様々な 背景を持ち、各主体の活動情報の共有を通じて、チャレンジド&学生コラボ販売促進の取組の方向性について話し合われ ました。その中で、以下の3点に議論が集中していくことになりました。 ①NPO法人間の連携・事例の蓄積と共有化・企画力や商品力の向上・売り場の多様化 ②大学による地域活性化への貢献 ③企業の協力・支援など 具体的には、①においては、共同仕入れや共同受託、得意分野における連携、授産 製品の棲み分け、個別 NPO 法人が蓄積したケースを基にした支援・連携のあり方の検 討、協力を得られる企業・事業者のネットワーク化、大学生協との協力・コラボ商品 のさらなる展開、行政からの情報提供を伴った地域イベントへの参加などが提案され ました。②では、学生・市民ボランティアが参加しやすい環境整備、大学サークルの イベント派遣の拡大や大学生協での授産製品取扱いの拡大などの声が寄せられました。 ③においては、企業からの発注増大、売り場の提供、授産製品の取扱い拡大などが挙 げられました。これらの議論を踏まえて、販売体験プログラムを開発し、今後の実践 活動に向けた課題を検討していくとの方向でまとめられました。 (2) 新しい観光資源の開発~お茶の向こうに~ このワークショップでは、寺村安道氏(地域共創モデレーター)から「学習行動型 観光の展開の可能性」と題した報告が行われ、地域の歴史文化資源を発掘し再構成 して、地域紹介の物語づくりを進めていくとのワークショップの趣旨が紹介されま した。参加者は観光ボランティア・NPO関係者・大学関係者・学生・行政職員な ど様々であり、グループごとに多様な意見が提示されると同時に、山城地域各地の 興味深い特徴が紹介されていくことになりました。参加者個々の意見は多様である 一方で、特定のキーワード結ぶことができる事象も多く、最終的には、山城各地の 名水と、古来から近代までの物流と人の流れを支えてきた河川の風景と舟運に注目した「山城の水と河川の物語」、各地 域の祭と神事の中に現れる特徴的な供物・食べ物に着目した「山城の神事と食」という二つの物語がその輪郭を現し始め るところに至りました。今後は、こうした議論を深める一方で、地域活動のアクターとの連携を探りながら、地域観光の 振興を進めていく取組が求められます。 (3) やってみよう!市民活動~ぶち当たる理想と現実の壁~ このワークショップは宇治交流センターを会場にして開かれ、20名の参加者を2 つに分け、実際に活動されている方からの実情報告と、それに関連した活発な意見交 換と議論が行われました。例えば、これまでのNPO活動上の経験として、活動を立 ち上げた当初はヤル気があり、また金銭的に準備した上で臨むが、数年経つと、メン バーの中で特定の人にかなりの負担がかかるなどの弊害がおこり、活動を続けること が難しくなるといったことが挙げられました。またどこのNPOでも如何に収入を得 るかということが問題であり、現状では京都府や特定の機関からの補助に頼っている 例が多く、資金源が固定的だと活動も絞られてくるため、活動の幅や人脈が広がらず、 悩んでいるとの声も聞かれました。更に「やりたいこと」と「NPOだからこそやら なければならないこと」は別で、それぞれに合った資金源や活動内容があるべきだとの意見も出ました。こうした議論の 中で、悩んでいるNPOは多いので、他の仲間たちと協力しあい、融和して、それぞれの分野で活動するのが良いと思う が、NPO同士をつなぐコーディネイターはいないので、一つ一つの団体の活動にとどまっているのが実情であり課題で あるとの認識も出てきました。現場で苦労されている人たちだからこその意見続出で、2 時間では語りつくせない、密度 の濃いワークショップとなりました。 時 所 11月13、14日、多くの観光客で賑わう府立宇治公園(中 の島)において、地域資源を活かした産品づくりに取り組むN PO等地域団体が一堂に集まり、展示販売や体験教室を実施し ました。 3回目となった今回は、参加者の御意見を踏まえ、休憩所を 兼ねた展示コーナーを設置するとともに、地域に根ざした取組 となるよう、市民参加のブースとステージも募集し、一緒にな って盛り上げることができました。 地域の魅力をPRし、地域への誘客、他地域との交流促進を 進める取組として、これからも毎年5月、11月に開催してい く予定です。 市民参加ステージ 展示コーナー&休憩所 完売も多数あり 取組が定着しつ つあることが実 感できました! 立命館大学大学院生の参加型研究の受入 8~11月 立命館大学政策科学部と山城広域振興局とは学術交流協定を締結 し、地域振興及び学術交流・教育の発展を目的として相互交流を図っ ています。 その一環として、NPOセンターで院生を受け入れ、次の政策をテ ーマに研究が行われました。 にぎわいカフェ 10月23日 地域の方々との交流やNPOセ ンターのPRのため、NPO法人 まちづくりねっと・うじが主体と なり、宇治橋商店街「にぎわいフ ェスタ」に参加しました。 ★ 地域力再生プロジェクトに対する質的調査:川田浩太郎 ★ 発達障害者支援の地域的な取組について:角林大地 ★ 山城における地域交通の課題:山本智洋 ★ 山城地域における都市近郊型耕作放棄地解消対策の現状: 秋吉隆宏 ★ 山城地域における着地型観光の可能性:黒瀬直美 宇治川花火大会インターネット中継 8月10日 今回50回記念となった花火大会。当日は、台風の影 響で開催も危ぶまれましたが、無事実施されました。 当センターでは、NPO法人まちづくりねっと・うじ により平成20年からインターネットライブ中継を実施 してきましたが、視聴者数は年々増え続け、雨の影響も あってか、当日は7万5千件を超える非常に多くのアク セスがありました。 また、近くにいながら、花火を見ることができない お年寄りに、生の花火で喜んでいた だこうと、宇治白川明星園に、宇治 川花火大会の実況放送を中継し、入 居者の皆様からお礼状と写真入りの 宇治白川明星園入居者の皆様からの寄せ書き 素敵な寄せ書きもいただきました 編 集 後 記 NPOパートナーシップセンターを開設して、まも なく丸3年となります。 この間、地域団体の協力を得ながら、様々な事業に 取り組んできましたが、試行錯誤の連続で、実際のニ 今後の予定 詳細は次号でお知らせします ★ 地域別・協働サロン(1~3月) ・ 木津川地域、相楽東部地域、八幡地域で地 域力再生団体による取組報告と意見交換 ーズに応えてこれたかと言えば、「はい」とは言いづ ★ 学生による地域活動研究成果報告会 らいのが本音です。 ★ NPO法人向け会計講座(3月) より地域活性化に貢献できる方策を探っていきたい と考えていますので、皆様からも積極的な御意見・御 提案をお願いします。 ★ NPO、地域力再生団体の紹介冊子づくり
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