第15詩 ことりんご

藤村記念歴程特別賞 受賞記念
宇宙連詩
地球のしずくの巻
第十五詩(公募)の発表と
第十六詩の公募について
第十五詩の応募総数
今までの全応募総数
(新記録更新中)
8
7 1
4 3
1 1
☆ 第十五詩☆
☆ 光る作品☆
☆ 最新の宇宙連詩 ☆
☆ 第十六詩への応募用紙 ☆
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☆第十五詩の発表☆
15
公園の木の下から
小さなすべり台が見えた
その上には小さな男の子
その男の子は
すべり台の旅にでるのだった
ことりんご(小学五年)
小さな子供にとって、すべり台は大きく見えます。ひとりですべるのは、大冒険にも等
しい旅ですね。その感じをよくつかまえた詩です。(新藤凉子)
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☆
光る作品
西日がさす
☆
ガラスに当たる光の強さよ
ピア(小学五年)
でも一しゅん輝いたかと思うと
日は西の空に落ちていく
明日の東の空に輝くまで
敗戦直後のこと、焼け野原になった東京に、大学受験のため上京した私は、焼け残った
家の三畳に下宿することになりました。それも運のよいほうでした。食べるものがない
状況でした。そんな折の夕暮れの西日は、せつなかった。焼け野原の地平線に沈み昇る
笑菜(小学五年)
太陽を毎日見て、戦争はしていけないと思ったものです。
(新藤凉子)
きらきら光る雨つぶが
星のようにふってくる
なにも味はしないけど
私の体に入ってくる
大きな花がさくように
恵みの雨、水。ステキな花を咲かせてくださいね。(新藤凉子)
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ももちゃんピース(小学五年)
もみじやいちょうが色づいてゆく
赤や黄色いろんな色になってゆく
私の心も
いつのまにか
いろんな色になってゆく
紅水晶(小学五年)
秋の色の変化に心をかさねていく。ステキな秋を過ごしてね。(新藤凉子)
天使のはしごってしってる?
ほら、雨上がりの雲の間から
滝みたいに流れ落ちるかがやく光のことよ
あのはしごをかけのぼって
洗いたての太陽をいっぱいあびたいの
天使のはしご。はじめて知りました。最後は、
「な」から「の」にかえてみました。
(新藤凉子)
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たくさんあった
はっぱがね
どんどんどん
なくなって
ロクロク(十才)
いちめん木の葉のじゅうたんさ
こういう詩、大好きです。(新藤凉子)
もんもんパズル(小学五年)
クモって私よりすごく小っちゃい
ゾウって私よりすごく大きい
クモとゾウって大きさがぜんぜんちがうよね
でも二人とも一生けん命生きている
なんて地球ってすばらしい!
もんもんパズルさんの生きものへの愛情を感じます。そういう人がいれば、この星も大
丈夫。最後は、
「すばらしい!」にかえてみました。(新藤凉子)
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イッキー(十一才)
新品のこの不思議な楽器
「ド」っていうと大地が声を上げる
「ミ」っていうと花が笑う
「ソ」っていうと空がまねする
合わせたら全ての物がはく手をおくった
「新品のこの楽器」を「新品のこの不思議な楽器」にしてみした。「新品の楽器」だけ
ですと、どんな楽器なんだろう?と考え込んでしまう人もいるので、「不思議な」を入
ミッキー(小学三年)
れてみました。
「(新藤凉子)
私が歩いたらね・・・
お月様がついてくるんだよ「まってぇまってぇ」って
私がとまってあげたらね・・・
「ふ!」という様にお月様も止まるんだよ
すごいでしょ
お月様とお散歩できるなんてステキね。(新藤凉子)
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秋のサクラブタ(十才)
さらり去られた夏の太陽
月に光るねこの目
葉から落ちた月のなみだ
月と一緒に光る
おそなえのだんごのやまとス・ス・キ
こ の 作 者 は 、 個 性 豊 か な 人 な ので し ょ う 。 さ って 行 っ た 夏 と 、 や っ て き た 秋 の 情 景 が 、
月によって表現されています。月のなみだは、作者のかなしみなのかもしれません。こ
らかも投稿してね。(新藤凉子)
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毛利衛( 宇宙飛行士)
☆最新の宇宙連詩☆
1
宇宙に浮 かぶ丸い地球を見 た
離れて考えた
海の水を細胞に詰めた地球生命のつながり
私は地球のしずく 、地球の細胞
新藤凉子(詩人)
重力から解き放たれた宇宙生命として旅をする
2
透明なしずく 涙
高橋順子(詩人)
私たちからあふれ出た一滴が
海になった
3
海と陸のさかいにすむ巻貝は
疑問符が丸まったようなかたちをしている
疑問符は なかなかほどけな い
巻貝が砂にかくれると
海峡は巨大な渦を巻きはじめた
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砂時計
4
カタツムリ(高校
年生)
1
ひっくりかえせば無限に続く
ことな(小学三年生)
時間はどこまで続いていくのかな
5
さくらがね
あああいうう(中学一年生 )
はるのおてがみみたいにね
ひらひら
ひらりと
ちっている
6
もらったんだ手紙を
だれがくれたかわからないけど
もらったんだ手紙を
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7
i
m
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あの野原にしゃがんでいたね
鉄棒でまわっていたね
麦わらぼうしをかぶって
土手の上にすわっていたね
笑菜(小学五年生 )
だれだったんだろう!
8
セミの声が聞こえてくる
すいかのあまい匂いがする
大きな船のようなにゅうどう雲につつまれて
9
(九才)
a
k
a
n
a
T
a
k
u
o
y
K
こもれびが
葉っぱのすきまを
ねらってね
地面がぼやけて
光るんだ
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10
もう実ったかい
まあだだ よ
ぺぺちゃん
麻生直子(詩人)
とんぼうたちが知らせにきたよ
11
しおさい
北 の 島 の 山 ぶ ど う は 潮 騒 の味が す るよ
川は岩で埋まったけれど
二十年前に地震と津波に遭って
ぶなの森は崩れ
いまではおいしい木の実の収穫祭
八木幹夫(詩人)
蛍だって飛んだんだよ
12
ふるさとの闇にうかぶほたるを見ていると
地球へ帰ってきた
あの「はやぶさ」は六十億
ふるさと
宇宙の星々を思い出す
孤独な闇の旅から
の
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m
k
13
ただいま というと
岡島弘子(詩人)
おかえり とむかえてくれる
音程はソの高さで
笛吹川がミの音程で
川は五線 譜になり
鈴村和成(詩人)
声を合わせて宇宙交響曲をうたおう
ドングリがやってきて音符になる
さあ
14
ゆられて
涼しげなハモニカを吹く少年よ
さるすべりのように 晴れやかにワープする蒼穹よ
ゆらり
ことりんご(小学 五年)
クモの巣に光る朝の階段を上っていけよ どこまでも
15
公園の木の下から
小さなすべり台が見えた
その上には小さな男の子
その男の子は
すべり台の旅にでるのだった
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