※※2013年 2 月改訂(第7版) ※2010年 6 月改訂 日本標準商品分類番号 872413 貯法 生物由来製品・処方せん医薬品 遮光・冷所保存 注) 日本薬局方 注射用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン 使用期限 外箱に表示(3年) 3,000単位 5,000単位 10,000単位 承認番号 21300AMZ00678 21300AMZ00677 21300AMZ00676 薬価収載 2001年9月 販売開始 2001年9月 注)注意̶医師等の処方せんにより使用すること 造精機能不全による男子不妊症、下垂体性男子性腺機能不 全症(類宦官症)、思春期遅発症 通常、1日500∼5,000単位を週2∼3回筋肉内注射する。 睾丸機能検査 10,000単位を1回または3,000∼5,000単位を3∼5日 間筋肉内注射し、1∼2時間後の血中テストステロン値を 投与前値と比較する。 卵巣機能検査 1,000∼5,000単位を単独またはFSH製剤と併用投与して 卵巣の反応性をみる。 黄体機能検査 3,000∼5,000単位を高温期に3∼5回、隔日に投与し、 尿中ステロイド排泄量の変化をみる。 【警告】 ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン製剤の投与に引き続き、本 剤を投与した場合又は併用した場合、血栓症、脳梗塞等を 伴う重篤な卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。 【禁忌(次の患者には投与しないこと) 】 ※ 1.アンドロゲン依存性悪性腫瘍(例えば前立腺癌)及び その疑いのある患者[アンドロゲン産生を促進するた め、腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。 ] 2.性腺刺激ホルモン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者 3.性早熟症の患者[アンドロゲン産生を促進するため、 性早熟を早め、骨端の早期閉鎖をきたすことがある。 ] 【使用上の注意】 【組成・性状】 販売名 注射用HCG 3,000単位「F」 注射用HCG 5,000単位「F」 注射用HCG10,000単位「F」 有効成分 日局 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン (妊婦の尿由来) 含量 添加物 添付溶解液 pH ※1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (1)前立腺肥大のある患者[アンドロゲン産生を促進す るため、症状が増悪するおそれがある。 ] (2)エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内 膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるい は顕性化を促すことがある。 ] (3)未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖 ※※ 症は細胞異型を伴う場合があるため。 ] (4)子宮筋腫のある患者[子宮筋腫の発育を促進するお それがある。 ] (5)子宮内膜症のある患者[症状が増悪するおそれがあ る。 ] (6)乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれが ある。 ] (7)乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳 腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた 患者[症状が増悪するおそれがある。 ] (8)てんかん、片頭痛、喘息、心疾患又は腎疾患のある 患者[アンドロゲン産生を促進するため、体液貯留、 浮腫等があらわれ、これらの症状が増悪するおそれ がある。 ] (9)高齢者( 「5.高齢者への投与」の項参照) (10)骨成長が終了していない可能性がある患者、思春期 前の患者( 「6.小児等への投与」の項参照) 2.重要な基本的注意 女子不妊症の治療に際し、ヒト下垂体性性腺刺激ホル モン製剤の投与に引き続き、本剤を用いた場合又は併 用した場合、以下の点に注意すること。 (1)卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、 次の点に留意し、異常が認められた場合には直ちに 投与を中止すること。 1)患者の自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、 腰痛等)の有無 2)急激な体重増加の有無 3)卵巣腫大の有無(内診、超音波検査等の実施) (2)患者に対しては、あらかじめ次の点を説明すること。 1)卵巣過剰刺激症候群、多胎妊娠があらわれること があること。 3,000単位 5,000単位 10,000単位 乳糖水和物(ウシ乳由来)5mg 日局 生理食塩液 1mL 5.0∼7.0 〔2mg/mL生理食塩液〕 浸透圧比(生理食塩液に対する比) 約1 〔1アンプル/mL生理食塩液〕 色調・性状 白色∼淡黄褐色の粉末又は塊 (凍結乾燥製剤) 剤形 注射剤(アンプル) 【効能・効果】 無排卵症(無月経、無排卵周期症、不妊症)、機能性子宮 出血、黄体機能不全症、停留睾丸、造精機能不全による男 子不妊症、下垂体性男子性腺機能不全症(類宦官症)、思 春期遅発症、妊娠初期の切迫流産、妊娠初期に繰り返され る習慣性流産、睾丸・卵巣の機能検査 【用法・用量】 本剤は添付の生理食塩液1mLで溶解し、ヒト絨毛性性腺 刺激ホルモンとして、下記のとおり筋肉内注射する。なお、 本剤の用法・用量は症例、適応によって異なるので、使用 に際しては厳密な経過観察が必要である。 無排卵症 通常、1日3,000∼5,000単位を筋肉内注射する。 機能性子宮出血、黄体機能不全症 通常、1日1,000∼3,000単位を筋肉内注射する。 妊娠初期の切迫流産、妊娠初期に繰り返される習慣性流産 通常、1日1,000∼5,000単位を筋肉内注射する。 停留睾丸 通常、1回300∼1,000単位、1週1∼3回を4∼10週 まで、または1回3,000∼5,000単位を3日間連続筋肉内 注射する。 −1− (2)投与時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等へ の影響を避けるため、下記の点に注意すること。 1)同一部位への反復注射は行わないこと。 特に乳児、幼児、小児には注意すること。 2)神経走行部位を避けること。 3)注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の 逆流をみた場合には直ちに針を抜き、部位を変え て注射すること。 (3)アンプルカット時:本品はワンポイントカットアン プルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿 等で清拭してからカットすることが望ましい。 2)異常が認められた場合には直ちに医師等に相談す ること。 3.相互作用 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 ヒト下垂体性性腺刺激 ヒト下垂体性性腺刺激 卵巣への過剰刺激に伴 ホルモン(hMG) ホルモン製剤の投与に う過剰なエストロゲン 引き続き、ヒト絨毛性 分泌により、血管透過 性腺刺激ホルモンを用 性が亢進される。 いた場合又は併用した 場合、卵巣過剰刺激症 候群があらわれること がある ( 「重大な副作用」 の項2)3)参照) 。 【薬物動態】 〈吸収〉 ヒトにヒト絨毛性性腺刺激ホルモン (以下hCGと略) を筋肉内投 与した場合、血中濃度は6時間後に最高となり、その後30∼ 32時間の半減期で血中より消失する1)。 4.副作用 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる 調査を実施していない。 (1)重大な副作用(頻度不明) 1)ショック:ショックを起こすことがあるので、観 察を十分に行い、顔面潮紅、胸内苦悶、呼吸困難 等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処 置を行うこと。 2)卵巣過剰刺激症候群:ヒト下垂体性性腺刺激ホル モン製剤の投与に引き続き、本剤を用いた場合又 は併用した場合、卵巣腫大、下腹部痛、下腹部緊 迫感、腹水・胸水を伴う卵巣過剰刺激症候群があ らわれることがある。これに伴い血液濃縮、血液 凝固能の亢進、呼吸困難等を併発することがある ので、直ちに投与を中止し、循環血液量の改善に つとめるなど適切な処置を行うこと。 3)血栓症、脳梗塞、卵巣破裂、卵巣茎捻転、肺水腫、 呼吸困難:卵巣過剰刺激症候群に伴い、血栓症、 脳梗塞、卵巣破裂、卵巣茎捻転、肺水腫、呼吸困 難を引き起こすことがある。 (2)その他の副作用 以下のような副作用があらわれた場合には、症状に 応じて適切な処置を行うこと。 【薬効薬理】 hCGは黄体形成作用 (LH、男子では間質細胞刺激作用−ICSH) と黄体維持作用 (LTH) が主であるが卵胞成熟作用 (FSH) も認め られている。 1.雌性生殖器に対する作用 (1)幼若ラットにhCGを投与すると卵巣の重量が増加する2)。 (2)hCGはFSHと協力して卵胞からエストロゲンを分泌させる3)。 (3)ヒトの月経黄体及び妊娠黄体の機能を賦活しステロイド ホルモン特にプロゲステロンの産生分泌を促進する4)。 (4)hCGはFSHと協力して排卵を誘発する 5)6)。成熟卵胞の 場合には単独でも排卵を誘発することができる7)。 (5)ラットの摘出子宮筋の収縮を抑制する8)。 2.雄性生殖器に対する作用 (1)ラットにhCGを投与すると精子数の増加が見られる9)。 (2)睾丸の間質細胞に作用してアンドロゲンの産生分泌を促 進する10)。 (3)幼若ラットにhCGを投与すると副性器(前立腺、精のう 等)の重量が増加する11)。 【有効成分に関する理化学的知見】 一般名:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン (Human Chorionic Gonadotrophin) 性 状:白色∼淡黄褐色の粉末で、水に溶けやすい。 頻度不明 過 敏 症 発疹等注1) 精神神経系 めまい、頭痛、興奮、不眠、抑うつ、疲労感 内 分 【取扱い上の注意】 性早熟症注2) 長期連続投与により注3) 泌 女性:嗄声、多毛、陰核肥大、ざ瘡等の男性化症状 男性:性欲亢進、陰茎持続勃起、ざ瘡、女性型乳房 安定性試験 最終包装製品を用いた長期保存試験 (1∼15℃、なりゆき湿度、 遮光、3年) の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、 注射用HCG3,000単位「F」、注射用HCG5,000単位「F」 及び注 射用HCG10,000単位「F」 は規定条件の市場流通下において3 年間安定であることが確認された12)。 投 与 部 位 疼痛、発赤、硬結 注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 注2)徴候があらわれた場合には投与を中止すること(「6. 小児等への投与」の項参照) 。 注3)観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合に は、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 【包 装】 3,000単位 10アンプル (日局 生理食塩液1mL 10アンプル添付) 5,000単位 10アンプル、50アンプル (日局 生理食塩液1mL 10アンプル、50アンプ ル添付) 10,000単位 10アンプル (日局 生理食塩液1mL 10アンプル添付) 5.高齢者への投与 高齢者ではアンドロゲン依存性腫瘍の潜在している可 能性があること、及び一般に生理機能が低下している ので慎重に投与すること。 ※6.小児等への投与 骨端の早期閉鎖、性的早熟をきたすことがあるので、 骨成長が終了していない可能性がある患者、思春期前 の患者に投与する場合には、観察を十分に行い、慎重 に投与すること。 7.臨床検査結果に及ぼす影響 本剤投与により、免疫学的妊娠反応が陽性を示すことがある。 8.適用上の注意 (1)投与経路:本剤は筋肉内注射にのみ使用すること。 【主要文献】 1)Rizkallah,T.et al.:J.Clin.Endocrinol.Metab.,29,92(1969) 2)Albert,A.:J.Clin.Endocrinol.Metab.,29(11) ,1504(1969) 3)Channing,C.P.:J.Endocrinol.,43(3) ,415(1969) 4)Savard,K.et al.:Rec.Prog.Horm.Res.,21,285(1965) 5)Van Thiel,D.H.et al.:Endocrinology,89(2) ,622(1971) 6)小林 隆 他監修: “現代産科婦人科学大系,第4巻D 臨 床内分泌学各論”p292(中山書店) (1971) 7)東條伸平:“婦人科学提要”p64(金原出版) (1971) 8)Stamm,O.:Schweiz.Med.Wochenschr.,89,383(1959) −2− 9)碓井博司:泌尿器科紀要7(1),118(1961) 10)徳田源市 他:日本臨床 22(10) ,2198(1964) 11)Diczfalusy,E.:Acta Endocrinol.,17,58(1954) 12)富士製薬工業株式会社 社内資料(安定性試験) 【文献請求先】 主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。 富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課 〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地 (TEL)076-478-0032 (FAX)076-478-0336 −3− 6DEH1302X −4−
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