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社会福祉法人 青葉仁会とは
昭和58年(1980)、熱い思いをもって社会福祉活動団体「青葉仁会」がはじまりました
知的障害者の入所施設をつくろうという計画は、当初障害児教育に携わった数名の教員からでした。
当時この発起については「無理である」とか「夢だ」とかいろいろとありましたが、その動機となっ
た経過は、身体や知的なハンディをもった多くの子どもたちにふれあい、その障害のある子どもたち
のそれぞれの人生や社会参加にむかって共に力を尽くし、少しでも障害の状態が改善されるようにと
願いながら日々の活動を続けていました。
次々に養護学校を卒業していく子どもたちのその後の現状をみた時、彼らが生きるうえで遭遇している
大きな困難から目をそむけることができませんでした。障害者に対し、今でも充分な施策がなされて
いるわけではありませんが、施設づくりを発起した1980年頃の社会状況では障害をもつ子どもたちの
進路保障をするほどには福祉施策が整備されておらず、適切な仕事をみつけることはおろか、福祉施設
にも入れずにやむなく在宅障害者となり、外に出る機会も少なく、長年の間には年老いた親や兄弟な
どの世話をうけながら生活している卒業生が多く存在していました。その卒業生たちの悩みを聞く度
に、あいるは困っている現状を見るにつけ、彼らと接してきた者としては身を切られるような思いしま
した。
そしてこのような思いを重ねるうちに、いつしか障害をもつ子どもたちと接してきた我々の手で何と
かしたい、あるいは、一助になりたいと思うようになりました。これが社会福祉法人青葉仁会の創設
の発端でした。
(青葉仁会ホームページ参照)
現理事長で設立発起人でもある榊原典俊氏は元々登山家でもあり「次は福祉の山を登る」と心に決
め、身体や知的にハンディを持った多くの人々の社会参加に向かって力を尽くしてきました。
その一つの活動が、山仲間でもあった辰野勇氏(モンベル代表)と結成された「パラマウント・チャ
レンジ・カヌー」であり「障害者カヌー協会」の設立でした。
また、障害者の自立支援を具体化させた多くの支援活動に取り組んでいます。
カフェ・ハーブクラブやデリカテッセン イーハトーヴなど障がい者が積極的に働き、多くのファンを
持つ店舗展開もしています。
その榊原氏が次に目指したのは昔から楽しんできた「自転車」の世界だったのです。
青葉仁会が毎年開催している「グリーンフェスタ」
Teamまんまとは・・・
「Teamまんま」は2007年に奈良市で発足したクラブチームです。
チーム代表は自転車仲間から「まんまさん」と呼ばれている石津佳也が勤め、妻の「まんまママ」
こと石津恵美子が監督を努めて運営されています。
チーム母体となるのはこの2人が経営しているカレーションプ「高畑まんま亭」というお店です。
最初家族4人から始まった小さなチームでしたが、チーム代表の自転車活動の輪が広がり、仲間が集
まり2008年から(※)JBCFに登録。
4人の登録選手が所属するチームとして歩み出しました。
また、夫婦でインターネットラジオや自転車イベント等にも出演し自転車の素晴らしさ、楽しさを
伝える活動をしていて、初代「奈良の自転車名人」にも選んで頂きました。
チームはJBCF以外にもシマノ鈴鹿ロードレースや各地のレースにも参戦。
また、ロードレースだけでなくMTB、シクロクロス、トラック競技とありとあらゆる自転車競技に
参加しています。
競技以外にもサイクリングを楽しむチームメンバーも在籍しており、総勢40人ほどのメンバーが
「まんまジャージ」を着て日本国中に広がっています。
チームは多くのプロ選手との交流もあり、次第に活動の場を増やしてきました。
2012年には登録選手を16名にまで増やし、実力も徐々にステップアップして行き、カテゴリーの昇
格や上位入賞者を排出するまでに力をつけてきました。
また、成績だけでなく「垣根の無いチーム」として他のチームとの交流も盛んで、チームピットには
いろんなジャージを着た選手が集います。
そこアマチュアからトッププロ選手、マスコミ関係者等自転車好きが大勢集まるオアシスとなって
います。
※ JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)とは
273チーム、2101名(2011年2月現在)が登録
年間約30戦のシリーズ戦があり、各カテゴリーで年間 チャンピオンを争う日本最高峰のシリーズ戦である。
青葉仁会との出会い
青葉仁会が経営しているカフェレストラン「ハーブクラブ」に「自転車道の駅」が開設される記念式
典のお手伝いにTeamまんまが参加しました。
そこで榊原理事長をはじめ理事の片山右京氏、モンベルの辰野勇氏が参加される中、利用者の皆さ
んやそのご家族と交流を深めました。
このとき障がい者の支援と自転車との接点について榊原理事長とお話をさせて頂きました。
また、パラマウント・チャレンジ・カヌーへの挑戦のお話もお伺いしました。
これを機に青葉仁会の利用者さんと自転車を楽しむプログラム作りに参加させて頂くようになりま
した。また、青葉仁会で開催されている「グリーンフェスタ」にも参加しました。
そんな中「自然学校」というカリキュラムで障がいを持つ若い皆さんとマウンテンバイクを使って自
転車体験をしてもらうミニスクールを開催しました。
ルールを守って決められた敷地内を走った後は少し冒険して設定されたコースを回るように工夫をし
ました。
参加された皆さんの表情が見る見る明るくなっていき、会話が生まれて行く事に感動しました。
その後、大阪の岸和田競輪場さんのご好意でバンク(走路)を走る体験をする企画にもスタッフと
して参加させて頂きました。
障がいのある方が思いっきり安全に走れる場所は競輪場が最適という私の思いを具現化させたイベン
トでした。
まずは全員で自転車に乗らずバンクを走ってその感触を確かめました。
みんなその角度に驚いてはいましたが、もう自転車で走りたくてウズウズしていたようです。
ヘルメットを被るとそれぞれのペースで思いっきりペダルを回していました。
このような体験を重ね自転車を共に楽しむ事で社会において障がい者と健常者の真の共生ができる
のではないかと考え始めました。
スポーツとして自転車に取り組む
事でさらに絆は深まるのではないか。
仲間となれるのではないかと。
榊原理事長とお会いするたびに、
障がい者スポーツ、生涯スポーツと
しての自転車の可能性についてお話
を重ねました。
(Teamまんま 代表 石津佳也)
まんま・AO-HANI CyclingTeam の誕生
障がい者福祉の世界で様々な挑戦をしてきた青葉仁会と垣根を取っ払って自転車を楽しむ事だけに専
念してきたTeamまんまがタッグを組んでボーダレスに取り組む、今までに無い自転車チームが誕生
します。
それが「まんま・AO-HANI CyclingTeam」です。
テーマは「融合」です。
実業団選手から障がいを持つ自転車乗りまで。
自転車が好きで共に戦える自転車チームを目指します。
まずは自転車を楽しむ事、その先に見えるものはスペシャルオリンピックなのか?
パラリンピックなのか?オリンピックなのか・・・。
境目(ボーダー)を置かず、ありのまま自然に自転車に取り組もうと思います。
社会福祉法人が傘下に収める実業団登録チームは今までの日本には無い新たな試みです。
どうぞこの新しい挑戦を応援して頂きたいと思います。
スポーツ界からボーダレスな空気が広がって障がいを持つ人もそうでない人も共に楽しみ笑い合える
社会になる事に胸を膨らませて2012年秋 船出します。
自転車競技とは
ツール・ド・フランスに代表されるロードレースと競輪やオリンピック等で見られるトラック競技、
そして山の中などオフロードを走り回るマウンテンバイク、シクロクロス等たくさんの種目があり
その種目によって使う機材やトレーニング法も多種に渡っています。
とくに最近は、健康志向と有酸素運動によるダイエット効果、自転車自身の持つ快適性とスピード感
からロードレースが人気となっています。
自転車愛好家の増加に伴って各地でロングライドイベントやヒルクライムレースが盛んに開催され、
エントリー申し込みと同時に締め切りとなり、抽選になることもあり人気を博しています。
また、自動車のサーキットを利用した長時間の耐久競技のエンデューロレースや単独走でタイムを争
うT.Tレース(タイムトライアル)なども多くの参加者を集めています。
トラック競技は自転車競技の原点と言われておりブレーキも変速機もない最もシンプルな機材を
使って主に短い距離で決する競技です。
日本では競輪がその代表格ですが本場ヨーロッパでは室内競技場で食事をしながらトップ選手の走
りを間近で見れるトラックパーティーが大人気です。
シクロクロスはロードレースの冬場のトレーニングとして始まったとされていますが、障害物や階段
等テクニカルなコースを時には自転車を担いだり飛び乗ったりしながらスリリングなレースが展開さ
れています。
こちらのレースも近年人気が高まっていて子供から女性、マスターズクラスまでが顔を泥だらけにし
ながら走っています。
他にもマウンテンバイクやトライアル、BMX、室内競技と各地でイベントが開催されています。
自転車競技は選手と観客の距離が近いこともあって応援や選手の鼓
動をリニアに感じれるスポーツで、レース会場に応援にだけ駆けつ
けるファンも増えつつあります。
また、個人だけでなくチーム競技としての側面が強く練習を通して
その一体感が重要な競技でもあります。
このような選手の活動をを支えているのがクラブチームです。
生涯スポーツとしての自転車の世界はどんどん広がっています。