Kwansei Gakuin University Repository Title 「年相応」を脱ぎ捨て本物の大人へ。 Author(s) Miyahara, Kojiro, 宮原, 浩二郎 Citation 関西学院大学スカイセミナー : Sky Seminar, 21 Issue Date 2003-04 URL http://hdl.handle.net/10236/4226 Right http://kgur.kawansei.ac.jp/dspace 関西学院大学スカイセミナー署名は検証されていません。 Vol.21 人間の成熟本物の大人へ。関西学院大学社会学部教授ました。年齢に応じて社会的役割や地く﹂実績を誇りえた時代は過ぎ去り想社、 2 0 0 2 年︶など。賢い大人になる哲学﹂︵ P H P 研究所、 1 9 9 8 年︶、﹁ことばうだけでは敬意を抱けなくなっている現大 1 在学 9 あ院 5 る社 6 い会年は学生源博ま氏士れ物課。東語程京﹂︵修大新了学曜 Ph.D 法社学、。部 1 著卒 9 書業 9 に。﹁ 2 貴ウ年人ィス︶論コ、﹁ンニ｜シー思ンチ想大ェの学・ ) の臨床社会学﹂︵ナカニシヤ出版、 1 9 9 8 年︶、﹁変身願望﹂のが現実です。いまや、年輩者がただ年 ( ︵ちくま新書、 1 9 9 9 年︶、﹁マンガの社会学﹂︵共編、世界思輩であるというだけで﹁人生を生き抜みやはらこうじろう専攻は知識社会学、文化社会学。ても、年長世代に対して、﹁年上﹂といくはないのです。騒ぐ若者は論外にしありません。﹁成人﹂も格別におめでたらといって特別の価値があるわけではこういう社会では、ただ年をとったか代なのです。する前に、大人の成熟を考えるべき時要があります。若者の幼稚化を心配うな無邪気さで自己主張していく必てない﹁総長寿社会﹂なのです。年を迎える。現代日本は人類史上かつ応﹂の価値観を脱ぎ捨て、子どものよだからこそ、できれば 30 代から﹁年相多数がそろって成人し、中年を過ぎ、老成熟への道は簡単ではありません。電子署名者 : Kwansei Gakuin DN: cn=Kwansei Gakuin, ou=Public Relations, c=JP 日付 : 2003.03.28 13:35:46 +09'00' Kwansei Gakuin ﹁年相応﹂を脱ぎ捨てほぼ９割に達しています。同世代の大３割を少し超える程度でした。今では初期には、 65 才まで生きられる確率はその﹁新老人﹂が幼かった時代、昭和可能性を遠ざけているのです。の姿勢。これが新時代の個人的成熟のてもらえる﹂という、他人任せの﹁待ち﹂く年齢を刻んでいけば、やがて評価し﹁新老人﹂を提唱しています。院ＯＢの日野原重明さんは 75 才以上の 60 代も多く、 91 才の現役医師で関西学ごく普通、﹁還暦﹂など思いもよらないりません。迷い惑うモラトリアム 40 代はて﹁幼稚な﹂若者がいても不思議はあす。同じ 20 才といっても、一昔前と比べ女 85 才という驚異的な数字が現実で世紀の間に 30 年も伸びました。男 77 才・日本人の平均寿命は戦後わずか半値観ではないでしょうか。﹁じっと大過な阻んでいるのが、根強い﹁年相応﹂の価ができる ⋮ 。ところが現在、この成熟を一個人として自由自在に振る舞うことどんなに年上でも、どんなに偉くても、無邪気で軽快、大胆不敵です。相手がこの意味の大人は青年よりもはるかにを再び甦らせることができた人です。﹁青春を克服﹂し、自分のなかの子ども物の大人とは、 30 代から 40 代にかけて西宮上ケ原キャンパス〒662-8501 兵庫県西宮市上ケ原一番町１番155号 ●神学部●文学部●社会学部●法学部●経済学部●商学部/高等部/中学部とは思えません。ますが、私にはそれほど不可解なこともなった若者が ⋮ ﹂といぶかる声もありになると思います。ニーチェによれば、本いた﹁個人的な成熟﹂の考え方が参考私はニーチェが 1 世紀前に予言して気の使いようが印象的でした。﹁ 20 才に騒動にこりたのか、今年は主催者側の成人式が話題になっています。昨年の切になってきたのです。の﹁個人としての生き方﹂がいよいよ大位が決められていた時代は過ぎ、一人一人神戸三田キャンパス（KSC）〒669-1337 兵庫県三田市学園2丁目1番地 ●総合政策学部●理工学部「Sky Seminar」のバックナンバーは、http: // www.kwansei.ac. jp/information/sky.html で御覧になれます。ロースクール、来春開設予定関西学院大学は、２００４年４月のロースクール（法科大学院）開設に向けて着々と準備を進めています。「企業法務に強い法曹」「国際関係に強い法曹」「人権感覚豊富な市民法曹」を三本柱に、新時代に貢献する法曹を育成します。