Zenno NewsPaper '09-Oct(第54号) 為替公示TTSレート推移表 110 単位:1JPY(EUR/JPY) USD EUR 105 1JPY(JPY/100THB) 150 1JPY(JPY/100Rp) 為替レート(タイバーツTHB・インドネシアルピアRp公示TTS)推移表 330 1.25 145 1.2 140 310 1.15 135 100 130 95 290 1.1 125 1.05 120 90 270 THB IDR 115 110 85 2009/3/1 2009/4/1 2009/5/1 2009/6/1 2009/7/1 2009/8/1 2009/3/1 2009/9/1 ●9月終盤迄の動き・@93.00円/$近辺水準で9月をスタート。米ISM製造業景気指数の好結果から一旦米ドル高(高値@93.45 円/$)に振れるも、米投資ファンド破綻/米銀追加損失計上懸念等/米失業率悪化/金価格$1,000/トロイオンス超/米7月貿易収支 の赤字幅拡大等のドル売要因⇔8月非農業者部門雇用者数の悪化幅減少/G20への期待感/利上げ出来ないユーロ等他通 貨の苦戦等のドル買戻しで高下しながら徐々に円高方向に進んだ。25日海外時間には本邦要人の為替介入に消極的な発 言を景気に短期筋の円仕掛買がまず英ポンドで発生⇒米ドル等にも波及⇒更に同要人の発言解釈に因り『介入は無いので ドンドン仕掛けられる』との短期筋の円買いが加速し28日早朝に@88.23円/$と約半年振り水準迄ドル売りが進んだ。同要人発 言の補足が行われ円の売戻/期末のOP実需等も絡み@90円/$近辺で月終盤を迎える。 ●今後の展開・9月は予想以上に一気の円高進行相場で実際に原油価格等は安定しており、短期筋の思惑により動いたと 見られる。10月は未だ多少は円高の予知を残すものの11月のファンドの決算に因る手仕舞いのタイミングを考えると終盤に近づ くに連れ、円安の方向性に進む相場展開を予想(レンジは@87.90円⇒@90.00円/$⇒@94.50円/$)します。 PP・EG:US$/t 250 PP EG PTA 1600 2009/6/1 2009/7/1 2009/8/1 ナフサ:US$/t 原油:US$/1bbl 原油(WTI)・ナフサ相場 1200 ナフサ 原油 1000 1100 1300 900 1000 800 0.95 2009/9/1 1200 1000 700 700 2009/5/1 ●タイバーツ相場:@34THB/$を越えた水準で9月をスタート。米日中での株式急落を背景にリスク回避姿勢が強まり3日にバーツ売 (安値@34.11THB/$)が進んだ。米雇用統計の予想比強めの結果/G20での景気刺激策継続確認から他のアジア通貨同様バーツも 上昇し、23日のADBによるアジア経済見通し改訂版発表でのアジア全域の成長率引上げ(タイは下方修正も高官の強気発言から材 料視されず)期間中高値の@33.50まで上昇した。月終盤も同レベルでの推移となる。10月は堅調なアジア通貨に連れる形でバーツ高 基調継続⇒介入を意識/終盤には11月のファンドの手仕舞いに絡み反転推移、レンジは@33.30∼34.30THB/$を予想する。 ●インドネシアルピア相場:@10,100/$手前水準で9月をスタート。序盤はタイバーツ同様リスク回避姿勢の強まり⇒Rpの下値追いの展開と なり、2日に期間中安値の@10,175Rp/$迄値を下げた。以降もタイバーツ同様リスク許容度が上がり、更に高金利通貨であるRpが買 われ⇒米大手格付機関のソブリン格付引上等も経て期間中高値@9,574Rp迄Rpは買われた。28日には同国株式上昇に伴う利益確 定売り等ドルショートカバーの動きに転じ@9,750Rp/$近辺の相場推移となる。10月は堅調なアジアに連れる形の上昇⇒終盤には11月 のファンドの手仕舞いに絡み反転推移の相場推移(@9,300∼10,000Rp/$)を予想する。 PTA:US$/t PTA・PP・EG相場 1900 2009/4/1 1 130.00 110.00 800 90.00 600 70.00 400 50.00 600 2008/11/1 2008/12/1 2009/1/1 2009/2/1 2009/3/1 2009/4/1 2009/5/1 2009/6/1 2009/7/1 2009/8/1 30.00 200 500 400 2008/10/1 2009/9/1 中国の化合繊生産、上期は三大合繊とレーヨン二ケタ増/輸入堅調 中国の09年1∼6月合繊生産状況は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨンが2ケタ増に復調、合繊原料輸 入でもナイロンとアクリル原料が2ケタ増に回復、ポリエステル原料ではPETチップ輸入が2ケタ増。その半面、ポ リプロピレン繊維やビニロン繊維は低調。 上期生産は上記繊維は前年同期比で12%前後増となり、アクリル繊維も13%近い増加に転じた。これに対して、 昨年は2ケタ増だったポリプロピレン繊維が15%減、ビニロン繊維も昨年上期の23%増から2%減と低調です。合 繊原料の輸入量は、国産能力が拡大のポリエステル主原料のPTAが昨年上期の16%減から1%増へと増加に 転じた。繊維の生産量が2ケタ増だったため、PTA原料のパラキシレン国産能力不足もあってPTA輸入を増やす 必要があったと見受けられる。EG輸入は1ケタ増にとどまった、アクリル原料のアクリロニトリルは前年上期の27% 減から一転して34%増へと激増した。 2008/11/1 2008/12/1 2009/1/1 2009/2/1 2009/3/1 y パルプ相場 2009/4/1 2009/5/1 2009/6/1 2009/7/1 2009/8/1 2009/9/1 米国では、夏場のドライブシーズン終了に伴う石油不需要期が近づいてきたこともあり、8 月中旬以降原油輸入量が低下 傾向となってきた反面、9 月7 日のレイバー・デーの休日に伴う連休向けガソリン需要に備えて製油所が8 月後半に原油精 製処理量を増加させた結果、原油在庫は減少したが、それでも依然として在庫水準自体は平年幅を超過している状況にあ る。ガソリンについては、原油処理量の低下に伴い生産量も減少、在庫も減少傾向を示したが、レイバー・デーに伴う連休を 控えて製油所での生産が増加した結果、9 月4 日の週には在庫も増加に転じた他、在庫水準自体はこの時期としては平年 幅の上限近辺に位置している。留出油については、需要が低調であることの影響で、在庫量は平年幅を超過したままとなっ ている。2009 年8 月下旬から9 月中旬にかけての原油価格(WTI)は、引き続き各種経済指標や米国株式相場の変動に影 響を受けつつ、1 バレル当たり65∼75 ドルの範囲内で上下変動を繰り返す展開となったが、特に9 月7 日の米国レイバー・ デーの前週には、3 日間にわたり終値ベースで1 バレル当たり68 ドルを前後のごく狭い範囲で推移する場面も見られた。今 後の原油価格に下方圧力が加わる可能性もありうると推測されるため注意が必要である。 アクリロニトリル相場 US$/t 2200 1000 針葉樹パルプ 広葉樹パルプ 2000 1800 800 軸ラベル 1600 1400 600 1200 1000 800 400 2008/9/1 2008/11/1 2009/1/1 2009/3/1 2009/5/1 2009/7/1 2009/9/1 アメリカ市場:北米のパルプ需要は8月と比べ1.5%ダウンにとどまりました。1-8月の15%ダウンからすると底打ち感は見られ ます。北米の針葉樹パルプ市況はUSD759.77/トンです。 欧州パルプ市場(針葉樹パルプ):フィンランドのStora Ensoの工場が11月に再稼働するとの情報があります。8月のパルプ 出荷は7月と比べ少しアップしました。2008年8月比では13%増となります。生産者在庫は2日減り、非常に低いレベルです。 為替の影響もありますが、針葉樹パルプの市況は若干上げて、USD720.56/トンとなっています 欧州パルプ市場(広葉樹パルプ):出荷は継続して堅調です。2008年8月に比べ出荷量が13%増加しました。需要家在庫は2 日分ヘリ、30日分となっています。市況はUSD598.51/トンとなっています。 中国パルプ市場(広葉樹パルプ):中国への出荷は依然強いです。2009年の輸入量は2008年比55%増の予定です。価格も 引き続きあがっています。市況はRMB3948.96/トンと、RMB65.61/トン上昇しています。 THB/1Kg 2008/9 18.0 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 93.00 83.00 73.00 63.00 53.00 2009/1 2009/3 2009/5 2009/7 2009/9 出光興産はアクリル酸とアクリル酸エステルの国内価格について10月1日納入分からともに㎏当たり10円の値 上げを打ち出し、需要家との交渉を開始した。値上げ打ち出しは6月以来今年2度目。ナフサ価格は騰勢を強め ており、10−12月期のナフサ価格は4万5,000円/klを超えるとみられている。原料コストの上昇分を製品価格に 転嫁して採算を是正するため、値上げを決めた。 % 天然ゴム相場 2008/11 出光興産、アクリル酸/同エステル値上げ∼10月1日から10円 OECD諸国の医療費対GDP比率(2007年) 16.0 7.3 医療費対GDP比 医療費公的支出対GDP比 11.0 10.8 10.4 10.2 10.1 10.1 9.9 9.8 9.8 9.6 9.3 9.2 9.1 8.9 8.7 8.7 8.7 8.5 8.4 8.2 8.1 8.3 8.0 8.1 7.7 7.7 7.2 7.4 7.5 7.1 7.1 6.8 6.1 6.9 6.1 6.6 6.4 6.1 5.8 5.9 43.00 08/10 08/11 08/12 09/01 09/02 09/03 09/04 09/05 09/06 09/07 09/08 09/09 7月下旬から二カ月続いた中国からの買い付け急増によるラバーブロックの価格高騰は9月中旬より一旦小康状 態、あるいは若干の下落傾向にあります。中国のタイヤメーカーにおいて大きな影響が対米輸出に関して発令さ れる模様。米国側は自家用自動車、軽自動車向けタイヤ、中国からの輸入に対して関税を初年度35%、2年目 30%、3年目25%課すると言われている。これによる中国メーカー需要が下落することで市況価格への影響を注視 する必要があると思われます。2009年度の全世界のゴム消費量は当初予測の4.9%ダウンに対して、世界的な不 況の影響もあり5.5%ダウンの9,500t。タイ、インドネシア、マレーシアの2009年度上期生産量は計画に対して13%ダ ウンの3,020t。主要生産国のひとつであるマレーシアからのゴム輸出は中国(24t弱)、ドイツ(7t)、韓国(4.5t)、ブ ラジル(4t)他、前月6月と比較して10.3%ダウン。一方、2010年度見通しとして、景気回復のなか2008年度レベル にまで戻り、ゴムの消費量としては0.7∼2.1%上乗せが可能との見方も出ている。 毎年OECDは加盟各国の医療費の対GDP比率を発表しており、これが医療費の上昇に歯止めをかけたい各国の 関心を引くところになっている。最新の結果を図にした。世界の中では米国が16.0%と突出している。医療の大 きな目標の一つは死亡率の改善ではあるが、米国の平均寿命は決して高い水準にはなく、米国の医療は高度医 療では世界をリードしているが平均的な国民のニーズには応えていない。また、医療保険制度が不備であるとし て、世界から懐疑の目で見られている。日本は前年と同じく30か国中21位の8.1%である。一方平均寿命は世 界一であり、米国とは逆に世界一効率的な医療が行われていると一般に見なされている。なお、日本の場合、対 GDP比のうち公的保険や財政負担に係る公的負担が6.6%である。米国、メキシコでは私的負担の割合が半分 を超えている点が目立っている。医療費の規模は高齢化の進捗度とリンクしている為、医療費水準をより正しく評 価する為には高齢化比率との相関をみる必要はある。(出:OECD HEALTH DATA 2009, June 2009資料) <不織布資材トピックス> <家電トピックス> 日本衛生材料工業連合会、不織布マスクに統一基準 パソコン向け電子部品生産、東南アジアで回復鮮明 日本衛生材料工業連合会は今秋、広告表示など不織布マスクの統一基準を策定す る。同連合会傘下のマスク工業会がすでに自主基準を持っておりますが、工業会非 加入者に対して影響力を持たないのが実情です。これに伴い厚生労働省も自主基 準の拡充を要請しており、連合会は今年10月の理事会で表示に関する統一基準を 決める方向です。 日本衛生材料工業連合会は新型インフルエンザ流行によるマスク確保の問題、粗 悪品の流通問題などから、マスクを現状のまま「雑貨品」として扱うことに限界がある と見ている。そのため、数年後をめどに医薬部外品としての品質基準も確立する考 えです。 今春の新型インフル流行から、インフルへの効能をうたうマスクも増え、公正取引 委員会は「優良誤認」の可能性を懸念しています。 東南アジア主要国でパソコン向けを中心に電子部品の生産の回復傾向が鮮明に なってきた。在庫調整の進展や小型パソコンの需要の拡大を背景に、タイではハー ドディスク駆動装置(HDD)大手が従業員を大幅に増員。マレーシアやシンガポール でも半導体などの受注が上向いている。電子部品の復調は各国の輸出を押し上げ、 東南アジアの景気を下支えしそうだ。 HDD生産量で世界一のタイでは昨秋以降、人員削減を続けていた大手が増員に 転じた。米ウエスタンデジタルは期間従業員を9月から5000人増やし、過去最大の3 万6000人体制に増強。10∼20%の増産に踏み切る。 タイの電子部品業界の設備稼働率は今年1月の40.8%から7月は65%まで上 昇。電子部品の7月の輸出額は1月に比べ50%増に拡大した。 <海外トピックス> <金融・ビジネストピックス> 豪州 資源権益取得に規制 中国企業の買収けん制、出資比率に上限 オーストラリア政府は相次ぐ中国企業による豪資源権益の取得に一定の歯止めを設ける投資規 制を導入した。豪では資源ビジネスの主導権を奪われかねないとして、中国企業の権益取得に反 発する空気も広がっている。ただ資源開発には多額の資金を要するため、中国企業の排除もでき ないのが実情。豪政府は新規制の導入で秩序だった中国マネーの取り込みを目指す。新規制は 投資案件を審査する外国投資審査委員会(FIRB)のコルマー委員長が豪メディアに明らかにした。 新たな鉱山開発を手掛ける中小企業への出資は50%未満とし、すでに生産、出荷をしている大手 への出資は15%を上限とする。新規制は事実上、中国企業の権益取得に制限を設ける内容となっ ている。中国企業による豪権益取得の案件は2009年だけでも20件を超え、投資額は総額70億豪 ドル(約5500億円)に達する。投資対象もこれまでの鉄鉱石鉱山から、亜鉛やウラン、レアアース ドル(約 億円)に達する。投資対象も れまでの鉄鉱石鉱山から、亜鉛やウラン、 アア (希土類)へと広がっている。中国からの資源権益取得の動きが加速している背景には、開発案件 を抱える豪資源中堅企業の資金需要もある。資源開発には巨額の投資資金が必要だが、世界的 な金融危機による資源需要減退と信用収縮で、実績のない豪中堅企業に対する資金の出し手は 中国以外に見つからないのも実情だ。中国からの出資を受け入れた企業からは、FIRBに対し、審 査の迅速化を求める声も出ている。豪政府は中国からの資金呼び込みと、資源輸出国としての価 格支配力の確保の両立をにらみ、難しい判断を迫られそうだ。 海外へ移転する生産拠点 ∼変化するメーカーの戦略 製造業を取り巻く環境の変化やメーカーの戦略の転換により、生産拠点の海外シフトが進みつ つあります。特に目を引くのは、これまでノウハウの流出を恐れて国内生産が中心となっていた、 最先端設備のシフトが進んでいる点です。これについては、単に国内生産のコスト競争力が低下 しているだけではなく、メーカーの戦略が変わってきた部分も大きいとみられます。これまでは「研 究開発→技術のブラックボックス化、国内工場での大量生産→輸出によるコスト回収」という循環 で成功を収めてきましたが、消費地で生産・販売を行う戦略に変わりつつあります。この背景に は、サプライチェーンの短縮による在庫リスクの軽減、各国での保護貿易化の動きによる輸出の 先行き懸念などが大きく作用しているとみられます。むしろ、製造業派遣の禁止や温暖化ガスの 削減といった国内のコスト要因はダメ押しであり、仮にこの要素がなかったとしても、海外で保護 主義が強まっていく以上、海外シフトの流れは止められない可能性が高いでしょう。これらを踏ま え、今後は空洞化の進展を前提とした経済成長のあり方を考えていく必要があるでしょう。今や、 日本の持つ「ものづくりの強み」を経済成長にどうつなげていくかを再検討すべきときに来ている でしょう。(出:りそな総研) ●本誌の記事・内容に関しまして、誤り等存在する場合もありますので、あくまでご参考の資料としてご利用頂きますと大変有難く存じます。 ●本誌のデータは各種公表数字を基に作成しております。
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