2014.3月号 - ゼンノ株式会社

Zenno NewsPaper '14-Mar(第106号)
為替公示TTSレート推移表
単位:1JPY(EUR/JPY)
1JPY(JPY/100Rp)
1JPY(JPY/100THB)
為替レート(タイバーツTHB・インドネシアルピアRp公示TTS)推移表
360
1.20
150.00
THB
107.00
IDR
350
1.15
340
1.10
330
1.05
320
1.00
310
0.95
145.00
104.00
140.00
101.00
135.00
98.00
130.00
USD
EUR
95.00
2013/7/1
125.00
2013/8/1
2013/9/1
2013/10/1
2013/11/1
2013/12/1
2014/1/1
300
0.90
2014/2/1
2013/7/1
●2月の動き・@102.30円/$水準で2月をスタート。序盤、米指標の悪化から米株下落⇒損切りの米ドル売りの展開となり、
●2月の動き
一時@100.76円/$(期間中安値)をつけるも反発し、直ぐに@102円/$台を回復。注目の米雇用統計は予想を下回る結果と
なり、一時@101円/$台半ば迄米ドルが売られるも直ぐに@102円/$台を回復する等、概ね@101.50~102.50円/$範囲(21
日にウクライナ和平合意観測にて@102.83円/$;期間中高値も示現)での推移となる。実際には、その間もウクライナ情勢(リス
ク回避の円高)やFOMCでのフォワードガイダンス変更示唆(米ドル買い)等、通常では大きく相場が変動する事項も多かったもの
の月初の円高サイドへの大幅な値動きが、円高サイドの需要を消化し、米ドル高サイドの事象はインパクトに欠けるもので
あった為、BOX圏の動きに終始となった。27日にはウクライナ情勢懸念/米GDP予想悪化等からリスク回避の円買いが進み月
末現在@101.80/$水準の推移となる。
●今後の展開・注目された米雇用統計は二ヶ月連続での振るわない結果であったが、この数字自体筆者は違和感を感
●今後の展開
じている。実際には3月の雇用統計や過去の修正値にて力強い米ドルを確認できるものと考える。但し、ウクライナ関連の政
情不安や全人代を控えた中国情勢等、地政学的な不安定さも除外されておらず、若干のリスク回避も織り込む。で3月の
具体的レンジは前半@101.50~@103.50円/$、後半@102.00~@103.50円/$とやや広めながら、米ドルしっかりの相場を
予想する。
2013/8/1
2013/9/1
2013/10/1
2013/11/1
2013/12/1
2014/1/1
2014/2/1
●タイバーツ相場:@33.10THB/$台水準(期間中高値@33.15THB/$)で2月をスタート。週末の総選挙で大きな混乱が見られな
●タイバーツ相場
かった事からバーツが買われると1月の中国貿易収支が堅調であったことから一気に@32.50THB/$水準となる。17日発
表のタイ4QGDP速報値が市場予想を上回ると投資資金を呼び込み期間中高値の@32.20THB/$を示現した。その後は、
再度デモ関連からの政情不安観測が強まり@32.50THB/$水準で推移し、月末現在@32.70THB/$近辺で推移する。3月
は国内政情不安も徐々に解消し、ウクライナ情勢等でも収束に向かうものと予想。レンジは@32.00~33.00THB/$と予想す
る。
●インドネシアルピア相場:@12,200Rp/$(期間中安値)水準で2月をスタート。3日の12月貿易収支で大幅黒字(二ヶ月連続)/5日
●インドネシアルピア相場
の4QGDPの予想以上の好結果が確認されると@12,000Rp/$を抜けRp買いとなり、米FRB議長議会証言/中銀の政策金
利据置/4Q経常赤字の縮小等を受け、一気に@11,600Rp/$水準迄Rpが買われる。その後は、このRpの上昇が急激で
あった為、中銀のRp高警戒発言(期間中高値@11,550Rp)等もあり@11,800Rp/$台迄小戻しするもリスクテイクとなると優勢
の推移となるも海外からの投資資金流入の流れが続き、月末現在@11,575Rp/$での推移となる。3月も大きな材料はな
いが、米経済の力強さ(=リスクテイク)を再認識する月であると予想し、ややRp高を予想。具体的レンジは@11,400~
11,800Rp/$)を予想する。
原油:US$/1bbl
PP・EG:US$/t
原油(WTI)
PTA:US$/t
PTA・PP・EG相場
120
1900
1500
1600
1300
100
1300
1100
1000
900
80
PP
EG
PTA
700
400
2013/4/1
2012/2/1
2012/1/1
700
原油
500
2013/6/1
2012/3/1
2012/4/1
2013/8/1
2012/5/1
2012/6/1
2013/10/1
2012/7/1
2012/8/1
2013/12/1
2012/10/1
2012/9/1
2014/2/1
2012/11/1
2012/12/1
ポリオレフィンの値上、分野別では決着も大口向けは交渉継続
主要ポリオレフィンメーカーが2014年1月から打ち出したポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の値上は、2月になり決着が見え
てきた。しかし、PEのフィルム向け、PPの射出成形向けなど、主力の大口ユーザー向では充分に取り切れていないところが散見さ
れ、一部メーカーの収益性改善には大幅な期ズレが生じそうだ。
今回は2013年第4四半期の国産ナフサ価格67千円/kレベルから、2014年第1四半期に73千円/kレベルへの上昇をにらみ10
~16円/kgの幅でポリオレフィンの値上が提示された。前回の2013年10月の値上が浸透し切らなかったこともあり今回は順調に交
渉が進み1月早々に決着をみたメーカーもある模様だが、同月末の時点では大口顧客向けの交渉が難航しているメーカーが多く
見受けられた。ただ、1月末時点で「交渉中」としていた中でも、「2月中旬には決着した」と言うところも出てきており、ようやく出口が
見えそうな状況となっている。 しかし、一部メーカーではいまだに大口向けの値上提示が通っていない模様だ。第1四半期のナフ
サ輸入通関(MOF)価格は、1月を境に下落傾向で国産ナフサ価格は72千円/k程度になる見通し。73千円レベルには届きそうもな
いが、前四半期との比較では+4千円もの差が生じる見込であり、ポリオレフィンメーカーにとって一刻も早い値上決着が望まれる。
ただ、ナフサ70千円超えという高い水準が続いていることや、2014年は消費増税前の駆込需要により需給タイト化状況も生じてお
り、当初予定よりも大幅な期ズレが生じるものの、3月中には全て値上げが決着するのではないかと思われる。(参照:J-chem
News '14.3.3)
60
2013/4/1
2013/6/1
2013/8/1
2013/10/1
2013/12/1
2014/2/1
リビア減産で原油相場急反発
原油相場は3営業日振りに大きく反発し、昨年10月以来の$102/bbl台となった。リビアの供給障害に加えて北米の寒波によ
る暖房油需要期待が原油相場を支えている。
2月18日のNYMEX(New York Mercantile Exchange〔ニューヨーク・マーカンタイル取引所〕) WTI原油先物の終値は前日比
$2.13安の$102.43/bblで、引き後の時間外取引は$102/bb台半ばとなった。
今年1月中旬にWTI相が$91/bbl台に沈んだのは、リビア西部のエル・シャララ油田から原油を輸送するパイプラインの封鎖が
解かれ、同国の産油量が日量20万bbl台から同60万bblへと回復したことも要因となっている。従って、リビアの生産量が再び落
ちることは、原油相場の支援材料となって然るべきである。また、米国の中間留分在庫は2月7日の週まで5週連続で減少してお
り、寒波による一段の在庫低下も妥当な想像と思われる。現在のリビア産湯量は日量40万bblと割れたところで、昨年末よりもか
なり高い水準でもある。それにも関わらず足元の原油相場が昨年末の$90/bbl大台後半を超えている。また、米国政府の統計
による中間留分在庫は確かに減少しているが、一方製品出荷量を見ると中間留分は2週連続の減少で2月7日の週は前年同期
比もマイナスとなっている。
この日の発表の経済指標も、欧州と米国の景気感指標が冴えない数字で、景気回復による石油需要期待に水を差す要素となっ
ている。 (参照 BLOGOS)
THB/1Kg
パルプ相場
天然ゴム相場
1000
120.00
110.00
800
100.00
90.00
80.00
600
針葉樹パルプ
広葉樹パルプ
70.00
60.00
400
2013/2/1
2013/2/1
2013/4/1
2013/6/1
2013/8/1
2013/10/1
2013/12/1
2013/4/1
2013/6/1
2013/8/1
2013/10/1
2013/12/1
2014/2/1
2014/2/1
中国 大衆食堂に氾濫する低品質ティッシュ、細菌感染の恐れも
顧客が口などを拭くために広東省広州市内の屋台や大衆食堂の店内に置かれているティッシュペーパーの多くが、廉価な低品質なものである
実態がこのほど地元紙の取材で明らかになった。メーカー、生産者、生産日の記載がまったくない「三無商品」が氾濫している状況という。飲食
店の経営者が市場から仕入れるティッシュペーパーは、ロール式の商品が主流。これを店内の入り口に吊るし、客が自分で使いたい分を取る
という方法が採られている。箱入り製品もあるものの、100枚入りで0.85人民元(約14円)の超低価格。これら廉価製品は、再生紙を原料として
いるものがほとんどだ。ティッシュペーパーは、口や鼻などに直接触れるだけに衛生面の安全性が求められ、植物から新たに作られたフレッ
シュパルプを原料としている製品が好まれる。だが、ある店のスタッフは「パルプ紙と再生紙の区別は分からない」と話す。店のオーナーは、「フ
レッシュパルプを原料としたティッシュペーパーは高すぎる。使える訳がない」と開き直っていた。
この状況に専門家は、健康被害の危険性を警告する。広州市質量技術監督局の関係者によれば、一部のメーカーは生産管理が甘く、商品の
最終検査も怠っている。こうした環境で製造されたティッシュペーパーは、重要な衛生指標となる細菌数が基準値を超えている可能性が高い。
口や鼻、目などの粘膜をこれらで拭けば、感染症を引き起こしかねないという。市販されている紙製品をめぐっては、このほど北京市消費者協
会がティッシュペーパー30種とトイレットペーパー35種のうち、それぞれ14種と12種の品質が基準を満たしていないことが判明したと報告したば
かり。不合格となった製品には、金紅葉紙業の「清風」や中順潔柔紙業の「潔柔」、保定市東昇衛生用品の「小宝貝」などの有名ブランドも含ま
れていた。太倉長順紙業のトイレットペーパー「双船」については、古紙を原料にしていた。 (引用:亜州IR株式会社)
天然ゴム市場分析2014年2月12日
東京ゴムは、上海ゴムの旧正月(1月31日から2月6日)の間に、228円付近から210円付近まで大きく下落したものの、旧正
月明けには上海ゴムはプラスサイドで始まった。これにより東京ゴムは2月7日からの3営業日で18円ほど上昇した。また、旧正
月のタイの産地現物価格が小幅下落に留まっていた事や上海ゴムや産地現物価格の底堅さは注目である。
上海ゴムは1月30日に4年半ぶりの安値を記録し、旧正月明けから上昇に転じている。産地現物価格も4年半ぶりに安値水準で
推移している。また、東京ゴムは2月6日に210円まで下落し、1年5ヶ月ぶりの安値を記録した。
国際天然ゴム公社(IRCO)は2月10日、国際3カ国天然ゴム議会(ITRC〔タイ・インドネシア・マレーシア〕)に対して、現在の安値
で天然ゴムを販売しないように勧めており、自社のウェブサイト上でも記載している。ITECの生産量は、世界生産の約70%を占めて
おり、今後の産地動向が気になるところであり、産地天然ゴム価格は、4年半ぶりに安値圏にまで下落している事から、IRCOの呼
びかけに対して産地生産者が安値非売運動に協力する可能性がある。これに対してタイ政府は反政府デモの影響で、閣議を開
催する事は難しく思われ、昨年8月に実施した「輸出削減策」などの政策も難しいと思われる。しかし、IRCOが呼びかけている「輸
出削減策」であれば、閣議等が必要なく、今のタイでも実施できるだろう。
【参照 みんなのコモディティコラム】
<不織布トピックス>
<設備・家電トピックス>
大きく変わるマスクの使用用途
消費税8%化が目前 「冷蔵庫」は買い、「エアコン」は待ち
家庭用マスク市場が急拡大している。市場調査会社「富士経済」が各メーカーを調査したところ、出荷金額はこの約10年間で大きく増
加していることがわかった。平成25年は15年の3倍を超える239億円に達する見込みだ。また、変わったのは出荷金額だけではなく
使用用途でも大きく変わっている。以前は花粉症や新型インフルエンザの流行などをきっかけとしてにの予防目的の用途が殆どであっ
たが、最近では病気の症状がでていないにも関わらずマスクを付ける人が増え、衛生用途以外で使用する「だてマスク」という使い方が
増えてきている。
マスクの生産枚数を調査している衛生用品メーカーでつくる日本衛生材料工業連合会によると、家庭用マスクは平成19年度(平成19年3
月~20年3月)は15億5,400万枚、24年度(24年3月~25年3月)は23億1,200万枚と大きく伸びている。
家庭用アスクは、平成12年頃までは綿の中にガーゼを入れ、ガーゼを洗ったり入れ替えたりしても使用できる製品の綿タイプが主流と
なっていた。平成15年には、花粉症対策として化繊メーカーである「ユニチャーム」が、不織布素材での使い捨てマスクを販売しヒットし、これを
契機に花粉症にマスクを着用する人が多くなった事が需要増加の原因として大きい。不織布タイプは安価で大量供給でき、現在のマス
クの主流となっている。平成25年見込みでは、構成比は不織布タイプは86%、綿タイプが11.9%となっており拡大したマスク市場では不
織布が圧倒的に売上を伸ばしている。
一方、日常的にマスクをする人が増えている中、機能性だけではなくオシャレを意識した製品も販売をしている。花柄や刺繍、水玉、
千鳥格子などの見た目から、匂いの付いた物など様々なタイプが出ている。風邪をひいているからマスクをするのではなく、防ぐ為に
する人とともに、すっぴん隠し、防寒の為といった衛生用の目的以外で「だてマスク」をする人も増えてきている。主な理由としてすっ
ぴん隠しの他に落ち着くや、知り合いに会いたくない時に便利などがある。風邪や花粉症以外でマスクをすることがある女性が多く、
用途としてはすっぴん隠しが多い。
すっぴん隠しには根源的心理が存在している。人と関わると、笑顔を見せるとか怒りを表すとか関係性を決断しなければならない
が、マスクをるすと表情が見えないので、そうhした対人関係を保留する事ができる。現代の青年の対人恐怖がそこにあると指摘があ
る。また、現代の若者はメールやSNSなど人と直接接しない多様なコニュニケーションに慣れており、そうして文化が根底にあるのではない
かとも言われている。
(参照:Business Media 誠 )
消費税増税まで1か月を切った今、考えるべきは「いかに損をしないか」。たとえ3%とはいえ、品目によっては増税前に購入すべき
で、この機会を逃すと確実に損をするものがあるからです。それは何か──。結論からいってしまえば、「値崩れしない高級品」と
「3月末までにまとめ買いしても支障がない商品」となります。以下、紹介させていただきます。
耐久消費財で値崩れしにくい、いわゆる“白物家電”の代表格である「冷蔵庫」、「洗濯機」は、3月中に購入しておいたほうがいい
です。家電ジャーナリストの安蔵靖志氏が指摘しています。
「10年前の製品に比べ、冷蔵庫や洗濯機は『省エネ』技術が格段に進歩したため、1か月の電気代を従来の半分に抑えることがで
き、年間で1万円単位の節約も可能です。既に買い替え時期に来ている、あるいは7~8年使用してそろそろと考えるなら、省エネと
増税対策の一石二鳥を狙って購入することをお勧めします」
資源エネルギー庁の調査でも、家庭の消費電力量は冷蔵庫(14.2%)が1位。現在、家電量販店では500リットルクラスの大型冷
蔵庫が売れまくっているといいます。
ただ、同じ白物家電で省エネ効果が高くても、「エアコン」は、待ったほうがいい。
「昨年末から2月にかけて、新型モデルが出揃ったばかりで、今、駆け込んでも値引きがそれほど期待できません。新型家電の値
引きは発売後2~3か月後が一般的なので、エアコンに関しては、増税後のGW明けが狙い目です」(安蔵氏)
大型テレビやパソコンも、基本的には「待ち」。これらの商品は駆け込み需要の反動で大きく値崩れしやすいからです。直近では
2011年3月の『家電エコポイント制度』終了時がそうでした。
テレビは現在、フルハイビジョンより4倍も鮮明な画像の「4Kテレビ」が話題だが、まだ価格も40万~100万円と値が張る。こうした
テレビはモデルチェンジが頻繁で、価格も下がる傾向があるために、あわてて買う方が損をします。増税後にじっくり検討したい。
パソコンも同様だが、例外があります。それは現在使用しているパソコンのOSが『Windows XP』の場合です。
XPのサポートは4月で終了します。サポートが終わるとウイルス対策などの更新がされなくなり、パソコンのセキュリティが脆弱に
なると指摘されています。そのため現在のパソコンがXPならば、「増税前の購入」が正しい選択です。
<海外トピックス>
<金融・ビジネストピックス>
消費勃興 ベトナムの陣 所得向上 9000万人目覚め
高まるアベノミクスに対する海外メディアの失望報道
ベトナムに外資小売業や外食チェーンが続々と参入し、消費ブームが起きつつある。今年1~2月だけでも日本のイオンや米マクドナルドが1号店を開業。買い物
を楽しむ現代的な消費文化が根付き始めたばかりのベトナムは、外資の店舗は消費者に新鮮に映り購買意欲を刺激する。人口9千万人の「消費パワー」をどこま
で引き出せるか、世界の企業が競い合う。
ベトナムの最大都市、ホーチミン市の郊外。夜7時過ぎ、ネオンに照らされた大型ショッピングセンター(SC)「イオンモール・タンフーセラドン」にバイクやタクシーに
乗った顧客が次々と訪れ、賑わいを増す。混み合う店内で特に目立つのが、すしの持ち帰り店に並ぶ大行列。1人20カン限定ながら、iカン5000ドン(=約25円)のす
しが飛ぶように売れていく。「1時間並んだけど新鮮でおいしい」。笑顔で話すのは外資系企業で働くヌンさん(27)。夫(30)と2人暮らしで世帯収入は月2500万ドン(約
12万3千円)。来店は二回目だが、「今後も1か月に1回は来るつもり」という。同店はベトナム1号店。1月上旬の開業当初から話題を呼び、2月初旬に1日の来店客
数が15万人にも達した。しかも高額品を購入する顧客が多い。時計店「タイムステーション・ネオジャパン」では、1万5千円前後の女性用時計や、5万~6万円する
「カシオ」「セイコー」「シチズン」など日本のブランドの腕時計が売れる。現地小売の関係者などが「予想外」と口をそろえるほどの好スタートをきったイオン。その様
子からはベトナムの「消費のマグマ」がいよいよ噴火する予感が漂う。
2013年のベトナム全体の1人当たり国内総生産(GDP)は年1900ドル(約19万5000円)だが、1千万人近くが住むホーチミン市は年4500ドルに達した。これは消費
ブームが起こった03年時点の中国・上海とほぼ同水準だ。内需の成長は遅れたが、人口規模は東南アジア諸国連合(ASEAN)でインドネシア、フィリピンに次ぐ3
位。消費市場の潜在力は大きい」というのが外資共通の認識だ。
「マクドナルドに行って来た」。ベトナムでも普及した交流サイト(SNS)のフェイスブックには最近、こんな書き込みが飛び交う。2月8日にマクドナルドの1号店が開
業。ベトナムにある大手外食チェーンでは初の24時間営業とドライブスルーを始めた。開店から2日間は1日1万2千人が来店。今も1日5千~1万人が訪れる。午前
0時過ぎに来店する10~20代も多く、ベトナムにも「深夜消費」の文化が生まれつつある。昨年2月にコーヒーチェーンのスターバックス、11月にダンキンドーナツと
米国が発祥の外食チェーン店が次々と上陸。世界的な知名度の高さを武器に外食の四条を席巻する。ベトナムは地場商店を守るため外資の小売や外食に対し
て2店目以降の出店を規制してきた。だが昨年6月に500平方メートル未満の小規模店は規制が緩和された。外資には追い風で、出遅れ気味の日本の外食も動きだ
した。トリドールの讃岐うどん専門店「丸亀製麵」が1月に出店。定食の大戸屋ホールディングスも1号店の準備を進める。
外資の洗練された店舗が街に広がる一方で、食品業界ではビール競争が話題を集めている。1月の旧正月商戦ではスーパーの売り場に「バドワイザー」が平積
みされた。世界最大手ハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)の主力商品だ。これまでは輸入販売してきたが、同国南部に工場を建設し、年内にもバドワイザー
の現地生産を始める構えだ。先行するオランダのハイネケンやデンマークのカールスバーグと競争が激化する。
調査によると、ベトナムで世帯当たり可処分所得が年5千~3万5千ドルの中間層は20年には4600万人に膨らむ。高価な耐久消費財を購入できる層が増えること
を見越してトヨタ自動車は1月、レクサス販売店をホーチミンに初開業した。本格的な自動車普及期とみる20~25年に向けてブランドを浸透させる考えだが、わず
か2か月弱で「100台超の注文があった」。ワンランク上の生活を求める消費で市場が沸き立つ。
「1年過ぎても実を結ばないアベノミクス」(ウォール・ストリート・ジャーナル社説)、「ぐらつくアベノミクス3本の矢」(ロイターコラム)
など、アベノミクスに対する海外メディアの失望や批判報道が相次いでいる。極めつけはウォール・ストリート・ジャーナルによる本
田悦朗氏(内閣府参与)のインタビュー報道。「ナショナリスト本田悦朗氏がアベノミクスで目指す目標」と題されたインタビュー記事
では、本田氏は「戦時中の話を熱く語るナショナリストでもある」と称され、第二次大戦中の神風特攻隊の自己犠牲について語りな
がら涙ぐんだと紹介されている。そして、本田氏は、「日本が力強い経済を必要としているのは、賃金上昇と生活向上のほかに、よ
り強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだと語った」と記されている。これに対し、本田氏は記者の受け止め方を含
め真意と異なる曲解報道と反発している。
一方、冒頭の「1年過ぎても実を結ばないアベノミクス」では、政府が2月17日に発表した2013年10-12月期の実質GDP(国内総生
産)は年率換算で1.0%増と、日本の経済成長が予想外に鈍化していること。とくに、国内消費は10-12月期は前年同期比0.5%増
と脆弱だと評価した。その上で、まだ実現していない経済改革の「第3の矢」を推進する時間は限られていると指摘している。
その「第3の矢」について、ロイターはコラム「ぐらつくアベノミクス第3の矢」で、ベレンベルグ銀行のエコノミストのコメントを引用す
る形で「アベノミクスが一時のあだ花に終わり、日本が長期的な成長見通しを改善できずに景気刺激策が終われば、債務が積み
上げるだけになる危険性が相当増大する。最悪のケースなら、インフレによる価値切り下げの連鎖という破壊的な事態が起こりか
ねない」と警告を鳴らしている。
こうした一連の海外メディア報道の背景には、安倍首相の靖国神社参拝に端を発する近隣諸国との軋轢の高まりや集団的自衛
権の問題など、米国から離れいわゆる「普通の国」になろうとする日本への牽制があると思われる。さらに、経済面では、米国が金
融緩和の縮小に進む中、そのサポート役を期待される日本銀行が、追加の金融緩和に慎重な姿勢を示していることが関係してい
るとみられる。米国の金融緩和の縮小に伴い新興国経済は混乱しているが、その肩代わりを日銀に期待しているのに、日銀は追
加緩和に消極的でマネーを出し惜しみしているという見立てだ。
日銀が異次元の金融緩和に踏み込んだのは昨年4月。まだ評価は早いと思うが、欲張りな市場やせっかちなメディアは待っては
くれないようだ。(出:東京商工リサーチ記事)
●本誌の記事・内容に関しまして、誤り等存在する場合もありますので、あくまでご参考の資料としてご利用頂きますと大変有難く存じます。
●本誌のデータは各種公表数字を基に作成しております。