家 保 通 信

家保通信
Vol.19
No.4 2005.7
福生市福生
樫村 悠莉 さん
夏季期間中における死亡牛BSE検査の受付体制
当所では平成15年4月より、「牛海綿状脳症対策特別措置法」に基づいた死亡牛のBSE
検査を実施しています。暑熱の影響を受けやすい夏季期間中(7月~9月)については例年
どおり、死亡牛の届出受付を下記のとおり拡大します。
注意 : 土曜日の受付電話番号は、090-6941-4315 です。土曜日に受け付けた場合、
青梅施設への搬入は日曜日になります。詳細については別紙カレンダー(牛飼養
農場、家畜商、診療獣医師のみ同封)をご覧の上、下表の電話番号へ連絡願いま
す。
●夏季期間中(7月~9月)及び下記日曜日における死亡牛届出の受付
受付日
受付時間
受付電話番号
死亡牛搬入日
月曜日~金曜日
9:00~17:45
042-524-8001
090-6941-0256(携帯)
当日の午後3時までに搬
入できない場合は、翌日
に搬入
土曜日
9:00~17:00
090-6941-4315(携帯)
日曜日に搬入
7月17日(日) 9:00~17:00
090-6941-4315(携帯)
7月18日(祝)に搬入
9月18日(日) 9:00~17:00
090-6941-4315(携帯)
9月19日(祝)に搬入
9月23日(祝) 9:00~17:00
090-6941-4315(携帯)
9月24日(土)に搬入
鶏のカイセンダニ
ワクモ・トリサシダニ・ウモウダニ類以外で、鶏に寄生するダニにはニワトリカイセン
ダニ科があり、「ニワトリカイセンダニ」や「ニワトリアシカイセンダニ」が知られてい
ます。両者とも平飼い形式の農場で認められること、有色品種に多く白色品種では殆ど認
められないこと、症例が夏に多く見られることなどが共通しています。
この仲間は0.3~0.5㎜程度の円板状の体をした短脚のダニで、ニワトリカイセンダニは
尾部や翼を除く羽毛の基部付近の皮膚に寄生し、いわゆる疥癬症を引き起こします。
(裏へ続く)
(表より続き)
一方で、ニワトリアシカイセンダニは脚鱗下にのみ寄生し、脚の変形・起立不能などと
ともに、慢性例では循環器や泌尿器にも障害を起こすといわれています。
ニワトリアシカイセンダニ
(左) とダニの寄生により脚が
変形したチャボ(右)。
写真出典
左:家畜臨床寄生虫アトラス
(チクサン出版社)
右:鳥の病気 (鶏病研究会)
口
脚
治療法としては、ダニの寄生部位に鶏用の殺ダニ剤を塗布するのが一般的です。脚の
場合は「脚鱗に潜り込んだダニの呼吸を止めて殺す」という意味で、脚を食用油に浸す
方法も行われています。しかし、いずれの方法もダニの卵を殺す作用はないため、7~10
日間隔で同じ処置を繰り返す必要があります。もちろん、鶏舎の清掃・消毒も必要です。
九州での豚コレラ疑似患畜事例の概要
6月15日に開催された、豚コレラ撲滅全国検討委員会(第9回)の資料より、昨年九州で
確認された豚コレラ疑似患畜確認事例の概要について紹介します。
概要は下表のとおりですが、初発事例の発生要因として農場管理者より、内容不明の
薬品を注射したという情報が得られたことから、この薬品に原因となった豚コレラウイ
ルスが混入していた可能性が高く、更にこの薬品が注射液の包装形状だったことから、
国内未承認のワクチンだった可能性があるとしています。国内承認ワクチンは製造段階
での品質管理が十分行われており、ワクチンから派生したとされる豚コレラウイルスは
過去にも見つかっていないことから、原因となったウイルスが国内承認ワクチンから派
生した可能性は極めて低いと考えられています。
今回の事例から、各農場では家畜の健康観察及び記録・消毒の実施・立入制限といっ
た飼養衛生管理基準の遵守、動物用医薬品の適正使用、異常家畜の早期発見が重要であ
り、地域ぐるみの衛生管理の推進が疾病のまん延防止に有効であると提言しています。
豚コレラ疑似患畜事例の概要
発生状況
平成16年3月から9月にかけて鹿屋市で4件、高尾野町で1件
発生地域
初発事例の農場は、半径3km以内に70農場が存在する養豚密集地帯。農場の
多くは一般道路と近接。適切な侵入防止対策、衛生管理対策が不十分な農場
もあった。
原因ウイルス
5事例すべて同一。国内承認ワクチンであるGPE-株とは若干異なっていた
が、遺伝子解析では近縁。
豚の異常が認められた時期や検査結果等から、初発事例の飼養豚から排泄
ウイルス伝播 されたウイルスが伝播し、その後の事例につながった。
高尾野町での事例では、4事例との関連が確認されなかった。
編集発行
東京都家畜保健衛生所
〒 190-0013 東 京 都 立 川 市 富 士 見 町 3-19-4
TEL :042-524-8001 FAX:042-523-4286
携帯:090-6941-0256