資料2-1 全国消費生活情報ネットワーク・システム (PIO-NET)の概要 2011年12月19日(月) 独立行政法人国民生活センター PIO-NETの構築 • 目的 ○ 被害救済 • 相談処理の参考情報 ○ 被害の未然防止・拡大防止 • 消費者への情報提供、法執行、政策立案等 ○ 行政事務 • 相談記録文書の保存・管理、決裁手続き • 運用開始 ○ 1984年:8自治体が参加 • 各自治体の協力により情報収集 1 PIO-NETの歴史(別紙1参照) • • • • • • 1984年度:運用開始(8自治体) 1987年度:全都道府県自治体に端末機配備 1989年度~:一部の市区町村自治体が参加 1995年度:全政令指定都市自治体に端末機配備 2001年度:全国の市区町村向けネットワーク構築 2005年度:相談カードを電子化し手書きカードを廃止、 データ入力費用のための交付金を廃止 • 2007年度~:端末追加配備 • 2010年3月:PIO-NET2010運用開始 2 ネットワークの規模 • ユーザ(ID)数 ○ 約11,000(2011年10月末日) • 利用組織 ○ 中央省庁(11)、消費生活センター(981)*、独立行政法人(3) *設置箇所数 • 端末配備台数 ○ 3,668台(2011年10月末日) • 配備基準 ○ 相談員の有無、窓口の開設日数等を基準に配備 • 「平成19年度PIO-NET端末等設置基準」「PIO-NET追加配備実施 要綱」 3 PIO-NET2010の接続イメージ ※霞が関WAN経由 中央省庁・消費者行政担当部 局・独立行政法人 13箇所 ※LGWAN経由 国民生活センター データセンター 都道府県・政令指定都市 消費者行政担当課 ※データセンターと消費生活センター間の回線は専用回線 20箇所 消費生活センター(サブセンター) (都道府県・政令指定都市・市 区町村) 消費生活センター(メインセンター) (都道府県・政令指定都市) 66センター 915センター 専用端末 専用端末 専用端末 専用端末 専用端末 合計981 センター (2011年10月末現在) 4 PIO-NETデータの性質 • 真実性 ○ 相談者の申し出の記録 ○ 事実関係を確認していない • 公文書 ○ 受付センターにおける「相談の記録」 ○ 相談受付自治体の「行政文書」 • 情報の利用制限 ○ 原則としてネットワーク参画自治体のみ利用可能 ○ 相談者保護と公共の利益を比較考量して利用 ○ 利用ルールが存在 • 「PIO-NETデータ取扱規則」 • 「国の行政機関等におけるPIO-NET情報の利用指針」 5 消費生活相談情報の件数の推移 件数 1 ,9 1 9 ,6 7 4 2 ,0 0 0 ,0 0 0 1 ,5 0 9 ,8 8 9 1 ,5 0 0 ,0 0 0 1 ,0 0 0 ,0 0 0 1 ,3 0 3 ,5 8 8 1 ,1 1 3 ,1 4 1 8 7 4 ,2 6 0 1 ,0 5 0 ,8 2 6 9 5 0 ,4 8 0 9 0 2 ,1 5 6 8 9 5 ,8 7 5 6 5 5 ,8 9 9 4 3 8 ,5 5 6 5 0 0 ,0 0 0 0 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 年度 (2011年10月末日までの登録分) 6 PIO-NETデータ 登録の流れ 相談受付 相談業務における聞き取りのポイント 5W1H ①Who :相談者・契約者 ②What :商品・役務 ③When :日時 ④Where :場所 ⑤Why・How :経緯 各項目への入力 <入力項目> ○件名・相談概要 ○商品・役務名 ○ブランド・型式 ○事業者名 ○相談者の属性 など 相談カード完結 県メインセンター 市区町村センター 決裁・承認 PIO-NETに登録 (地域版・全国版)※ 相談受付者 (相談員) 完結 第一次決裁者 (行政職員) 承認 第一決裁 データベース登録 (地域版・全国版)※ 第二次決裁者 (所長) ※ 地域版データベースは、各県内の相談情報全てを収集。県単位のデータベース。 全国版データベースは、全国の相談情報のうち「苦情相談」のみを収集。 ※ 各自治体は自分が所属する県下の地域版データベースと全国版データベースの 情報にアクセスできる。 7 入力画面 • 入力項目 ○ 相談処理業務の流れに沿ったレイアウト • 入力支援機能 ○ オートコンプリート、エラーチェック、テンプ レート等 • 決裁機能 ○ 公文書である相談カードの決裁システム 8 検索・集計画面 • 検索の目的 ○ 相談処理の参考情報、相談傾向把握、資料作成 • 利用データ ○ 単なる「問合せ」を除いた「苦情」 ○ 過去11年度分 • 検索機能 ○ データ項目、全文検索の組み合わせが可能 ○ 検索条件の共有機能 • 集計機能 ○ 三次元までの集計 ○ よく使う定型的な集計表を用意 9 個人情報の取扱い • 個人情報の存在 ○ 相談処理に相談者の個人情報が不可欠 ○ 個人情報をデータベースに記録 • 個人情報保護の必要性 ○ 個人情報保護法 ○ プライバシーの保護による相談窓口利用の促進 • システムにおける個人情報の扱い ○ 原則 • データベース上の個人情報項目を暗号化(物理的データはデータセン ターに存在) ○ 個人情報保護条例によりサーバ上に保存できない場合(※) • PIO-NET端末機に保存(物理的データは各自治体に存在) ※ 条例によっては、実施機関以外への個人情報の提供を禁止している。 保存先 拠点数 割合 データセンター 691 70% 端末機 228 23% 未入力 62 6% 合計 981拠点 10 【個人情報をデータセンターに保管する場合】 PIO-NET2010 データセンター 登録用データベース 集計用データベース 相談情報データベース 個人情報データ ベース 消センA 消センB 消センC 個人情報 個人情報 個人情報 ×× PIONET 専用線 PIO-NET 専用線 消費生活セン ターA 相談情報 (集計用データ形式) 検索用データベース 相談情報 (検索用データ形式) 霞が関WAN 業務LAN(国セン) 国民生活センター (中央省庁・独立行政法人) 【個人情報を共有端末に保管する場合】 データセンター PIO-NET2010 登録用データベース 集計用データベース 相談情報データベース 相談情報 (集計用データ形式) 個人情報データ ベース 検索用データベース 消センB 消センC 個人情報 個人情報 ×× PIO-NET 専用線 霞が関WAN 業務LAN(国セン) 共有端末 消費生活センタ ーA 消センA 個人情報 相談情報 (検索用データ形式) 国民生活センター (中央省庁・独立行政法人) × 11 セキュリティの確保 • 通信の保護 ○ 専用回線(広域イーサネットまたはIP-VPN)および専用端末 • インターネットからのサイバー攻撃が困難 ○ SSL • 通信を暗号化 ○ ファイアーウォール • 不正アクセス防止 • アカウント管理 ○ 統合認証システム • 定期的なパスワード変更 ○ アカウントとIPアドレスの紐付け • IDとパスワードは特定のIPアドレスからのみ有効 12 費用負担 • 年間運用経費 PIO-NET2010運用費用内訳(2011年度) 4.3億円(2011年度) 単位:千円 • 内訳 PIO-NET 端末 132,000 ○ サーバ機器 • メインサーバの機器賃借料、運用・保守費用 総運用経費 4.3億円 ○ PIO-NET端末 • 端末機賃借料、保守料 データセン ター 25,520 ○ ネットワーク関連 • 回線賃借料、VPN機器賃借料 サーバ機 器 116,100 ネットワー ク関連 159,150 ○ データセンター • データセンター賃借料 • PIO-NET2010による改善 ○ 旧システムからの改善点 • 機能向上 • 設置箇所増加(461→981箇所) • 運用費用削減(▲2.5億円) 単位:千円 700,000 旧システムとPIO-NET2010の年間運用コスト比較 600,000 直接作成システム 156,076 500,000 ネットワーク関連 81,133 データセンター 25,520 PIO-NET端末 230,890 ネットワーク関連 159,150 サーバ機器 216,838 PIO-NET端末 132,000 サーバ機器 116,100 2008年度(旧システム) 総額:6億8千万円 2011年度(PIO-NET2010) 総額:4億3千万円 400,000 300,000 200,000 100,000 0 13 PIO-NET2010開発の経緯 • 背景 ○ 「電子政府構築計画」(2003)に基づき業務・システムの見直しを目指す。 • 刷新可能性調査実施(2006年度) ○ 「ハードウェアに依存しないオープンシステム」による「データ登録期間 短縮」と「運用コスト低減」を提案。 2011年度本格運用開始予定。 • 最適化計画策定(2007年度) ○ データ登録の迅速化、検索機能強化、セキュリティレベル向上、オープ ンシステムへの移行等を計画。本格運用開始を2010年度に変更。 • 調達(2008年度) ○ 総合評価落札方式による費用効率向上。 • システム構築(2009年度) ○ オープンシステム化、複数データベースの統一、完全オンライン化、全 文検索機能の強化等を実施。 • PIO-NET2010運用開始(2010年3月29日) • 2次開発実施(2011年度) ○ ユーザからの要望を反映した改修。 14 PIO-NET2010開発で残された課題 • 入力負担の軽減 ○ 入力作業についてのユーザの負担感が高い。入力効率化が必要。 • 応答速度・使いやすさ ○ ユーザからは応答速度と操作性についての要望が多い。 • データ登録の迅速化 ○ データの登録には消費生活センターの決裁手続きが必要なため、 データ登録の迅速化に限界がある。 • 連携システムの統合 ○ 複数のPIO-NET関連システムが並存しているため運用保守が煩雑。 システム統合による効率化が必要。 • PIO-NET関係者間の調整 ○ 地方自治体間の合意に基づいて運営しているが、自治体数が多い ため意見調整に時間がかかる。 15 PIO-NET関連システム <PIO-NETデータを利用するシステム> ○ 個人情報保護相談データベース • 個人情報保護法に基づいて消費生活センターが受け付けた相談を記録 ○ 事故情報データバンクシステム • 関係機関より「事故情報」「危険情報」を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ 収集・提供 ○ 消費生活相談早期警戒システム(PIO-ALERT) • 早期警戒指標とPIO-NETデータの集計を行う情報分析ツール ○ 消費生活相談データベース • 国民生活センターHP上でPIO-NET分類の集計と事例の一部を閲覧可能 <PIO-NETの運営に関わるシステム> ○ 消費者行政フォーラム • メンテナンス等のシステム関連情報、相談処理の参考情報を消費者行政機関で共有 ○ 統合認証システム • PIO-NET関連システムのユーザアカウントを統一的に管理 ○ 消費者判例情報検索システム • 消費者問題に関する裁判例を広く収集し、消費者判例情報評価委員会の解説と共に 提供 ○ 医療機関ネットワークシステム • 参画医療機関から収集した危害情報を記録 16
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