1.CEA 大腸癌 2

08 年度 第二外科 解答公表あり
総論
1.腫瘍マーカーで正しい組み合わせはどれか?
1.CEA
大腸癌
2.AFP
肝癌
3.DUPAN2
膵癌
4.CA19-9
悪性リンパ腫
5.CEA
甲状腺癌(乳頭癌)
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
1:大腸癌では CEA、CA19-9 が上昇する。 ○
2:肝細胞癌では PIVKA-II, AFP が上昇する。 ○
3:膵癌では CA19-9, CEA, Span-1, CA-50, DUPAN2, SLX が上昇する。 ○
4:悪性リンパ腫では CA19-9 は上昇しない。 ×
5:甲状腺乳頭癌では CEA は上昇しない。CEA が上昇するのは髄様癌である。 ×
2.栄養に関して正しい組み合わせはどれか?
(1)アラニンは BCAA(分枝鎖アミノ酸)の 1 つである。
(2)グルタミン投与は小腸粘膜の萎縮を防ぐ。
(3)消化器外科術後は、できるだけ早期に経腸栄養を行うべきである。
(4)肝不全患者には BCAA を投与すべきである。
(5)健常人の Fisher 比は 1 前後である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:d
1:アラニンは CH3CH(COOH)NH2 で、疎水性アミノ酸、非極性側鎖アミノ酸に分類され
る。 ×
2:小腸は主としてグルタミンを呼吸エネルギーとして利用しており、グルタミンの経口投
与には小腸粘膜の萎縮を防ぐ効果がある。 ○
1
3:早期に経腸栄養を行うことで、腸管萎縮による bacterial translocation を防止し、免疫
能も高くなる。 ○
4: 肝機能が低下すると、
肝臓のアミノ酸代謝異常が起こり AAA の血中への供給量が増え、
筋や心臓において BCAA が分解される。よって、肝不全時には BCAA を主とした特殊組成
アミノ酸製剤を用い、静脈内投与によりアミノ酸バランスを補正する。 ○
5 :Fischer 比 は分岐 鎖ア ミノ酸 BCAA と芳香 族ア ミノ酸 AAA の血 中モ ル濃度 比
(BCAA/AAA)のことで、健常人では 3~4 程度である。 ×
3.創傷・治癒について、正しい組み合わせはどれか?
(1)創面の消毒は行ってはならない。
(2)創処置として、肉眼的に確認できる壊死組織、異物は取り除かなければならない。
(3)1 次縫合創は 48 時間以降ガーゼで覆う(ドレッシング)必要はない。
(4)擦り傷は乾燥させた方が直りが早い。
・
(5)ガーゼ亣換の前後に手洗いは必要ない。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
1, 2:創の洗浄は、洗浄液で創内を洗い流したり(圧洗浄)、ガーゼやブラシでブラッシン
グしたりするが、その際の洗浄液には生理食塩水が最適である。消毒薬は線維芽細胞や上
皮細胞を傷害し、創傷治癒を遅らせてしまう。壊死組織、異物がある場合はデブリードマ
ンも必要。 ○
3:術創のようにメスで切開した創面を縫合糸やステープラー、あるいはテーピングにより
合わせて閉鎖された創を一次縫合創という。一次縫合創は一般的に 24 時間から 48 時間の
間に上皮化が完了するとされており、48 時間経って上皮化していると思われる創に対して
ドレッシングをし続けるのは意味が無い。 ○
4:湿潤環境の方が回復は早い。 ×
5:手洗いしないと感染の危険性が高まる。 ×
4.58 歳、男性。胃癌で胃全摘術と脾摘術を受けた。術当日から第 3 世代セフェム系抗生物
質を使用していた。術後 3 日目から 1 日に 10 回以上水様下痢と 39 度の発熱を認めた。正
しい組み合わせはどれか?
(1)difficile 菌毒素が病因となる。
2
(2)本状態は脾摘後に発症しやすい。
(3)大腸内視鏡は禁忌である。
(4)院内感染対策を要する。
(5)バンコマイシンが有効である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:c
1:○
2:脾摘後に発症しやすいわけではない。抗生物質投与後に発症しやすい。 ×
3:むしろ内視鏡で黄白色調の偽膜を確認することが診断に有用となる。 ×
4:○
5:まず原因として疑われる薬物の投与を中止し、バンコマイシンあるいはメトロニダゾー
ルの経口投与を行う。 ○
5.症例は 36 歳男性。左下腻骨折にて整形外科入院中。術後歩行困難であったが 7 日目より
歩行訓練を開始した。しかし訓練開始直後に呼吸困難を来たし、全身チアノーゼとなった。
血圧 70/40mmHg、脈拍 120/分。動脈血ガス分析で PaO2=42mmHg,PaCO2=58mmHg。
適切な診断的アプローチを選べ。
(1)冠動脈造影
(2)大動脈造影
(3)心エコー
(4)肺血流シンチ・
(5)CT
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:e
安静解除直後の歩行時に発症した急性肺血栓塞栓症の症例。肺動脈造影,肺シンチグラム,
動脈血ガス分析,D-ダイマー, 経胸壁心エコー,造影 CT,MRA, 経食道心エコーなどが診
断に有用である。
3
胃・食道
1.症例は 65 歳の男性。胸部痛を主訴に来院した。嚥下困難、体重減尐などはない、入院時、
血液生化学検査では肝機能異常を認めた。上部消化管造影検査所見、上部消化管内視鏡検
査所見、胸部 CT 所見を示す。正しい組み合わせを選択せよ。
(1)女性に多い疾患である。
(2)周囲臓器に浸潤しているので手術適応はない。
(3)ICG15 が 20%以上の場合には手術適応はない。
(4)胃を再建臓器とすることが最も多い。
(5)縫合不全の発生率は他の消化管手術に比較して、高率である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:e
胸部進行食道癌の問題。
気管分岐部付近(UtMt)の 3 型病変で壁深達度は CT 上は T3(Ad)。
(1)男女比は 6 対 1 で男性に多い疾患である。×
(2)CT 上は隣接臓器への浸潤はない。×
(3)一般的に肝機能障害の患者は手術適応は無いが ICG のみでは判断出来ない場合もある。
△
(4)再建臓器は第一選択は胃、第二選択は結腸。○
(5)施設にもよるが食道癌術後の縫合不全は約 20%、直腸は約 5%、胃結腸は 5%以下。○
2.症例は 72 歳の女性。骨折の治療の際に胸部レントゲン写真で異常所見を指摘された。自
覚症状はない。入院時、血液生化学検査では肝機能異常を認めた。上部消化管造影検査所
見、上部消化管内視鏡検査所見、上部消化管超音波内視鏡検査所見、胸部 CT 所見を示す。
正しい組み合わせを選択せよ。
(1)食道粘膜下腫瘍が最も考えられる。
(2)EC 細胞由来である。
(3)進行肺癌が最も考えられる。
(4)KIT 陽性である。
(5)リンパ節郭清の必要はない。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
4
解答:c
食道の粘膜下腫瘍の問題。
画像から下部食道左壁中心の大きな粘膜下腫瘍の存在が疑われる。
(1)○
(2)奇形腫に関連する胚性癌細胞(EC 細胞)を引っ掛けた選択肢と思われる。×
(3)×
(4)画像上は GIST の疑いが高いので○。
(5)一般的に粘膜下腫瘍(特に GIST)のリンパ節転移は稀。○
3.症例は 65 歳の男性。腹痛、下血、体重減尐を主訴に来院した。入院時、血液生化学検査
では貧血(Hb9.8g/dl)を認めた。上部消化管造影検査所見、上部消化管内視鏡検査所見、腹
部 CT 所見を示す。正しい組み合わせを選択せよ。
(1)所属リンパ節の腫大がある。
(2)診断的腹腔鏡が推奨される。
(3)術中洗浄細胞診が推奨される。
(4)胃全摘術が必要である。
(5)膵浸潤が疑われる。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
胃前庭部(L 領域)の巨大な潰瘍性病変で画像上は 2 型の進行胃癌が疑われる。
(1)CT 上胃小わんの No.3 のリンパ節腫大あり転移が疑われる。○
(2)CT 上 T3(SE)で腹膜播種の可能性がある。診断的腹腔鏡は有用。○
(3)(2)の同じ理由で○。
(4)画像上は L 領域の癌で幽門側胃切除により根治切除は可能。×
(5)CT 上は膵との境界は保たれている。×
4.症例は 68 歳の男性。健診にて胃の異常所見を指摘された。入院時、血液生化学検査で
は異常所見を認めなかった。上部消化管内視鏡検査所見を示す。正しい組み合わせを選
択せよ。
5
(1)壁深達度は T3 と考えられる。
(2)食道浸潤が疑われる。
(3)ガイドライン上、D2 郭清術が必要である。
(4)ガイドライン上、脾合併切除術が必要である。
(5)ガイドライン上、胃全摘術が必要である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:e
胃噴門部(U 領域)2 型の進行胃癌の問題。
画像が見にくいが内視鏡上は食道浸潤はない。しかし進行胃癌の場合は粘膜下浸潤の可能
性も
あり UGI や EUS の所見も必要。CT も見たい気がする。
国崎先生の希望は内視鏡所見から「T2(MP または SS)、2 型で食道浸潤なし」と診断して
欲しいら
しい。
(1)内視鏡上は T2(それほど深い病変ではない)。×
(2)内視鏡上は食道浸潤なし。X しかし与えられた画像のみでは判断できない。
(3)早期癌ではないので縮小手術の適応なし、ガイドラインでは胃切除+D2 で○。
(4)U 領域の D2 郭清では No.10,11 の郭清が必要であり一般的には脾摘を行う。○
しかし施設により脾温存し D2 郭清を行うため△?
(5)ガイドラインでは U 領域胃癌の D2 郭清では No5、6 の温存は可能で噴門側胃切除の適
応あり。
したがって×だが、国崎先生は○として e を正解とした。
以上の理由で不適切問題として全員○としました。
5.症例は 70 歳の男性。健診にて胃の異常所見を指摘された。入院時、血液生化学検査では
異常所見を認めなかった。上部消化管内視鏡検査所見、腹部 CT 所見を示す。上部消化管内
視鏡検査の際に施行した生検では sig であった。正しい組み合わせを選択せよ。
(1)壁深達度は SM と考えられる。
(2)隆起主体の病変である。
(3)ESD の適応がある。
(4)LADG の適応がある。
(5)予想される 5 年生存率は 90%前後である。
6
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:c
胃角前壁の 0-Ilc 病変で内視鏡所見からは SM 浸潤が疑われる。
(1)内視鏡上は T1(SM)。陥凹面の不正より SM と読んでください。○
(2>内視鏡所見では陥凹性病変。×
(3)SM 病変でしかも生検で sig。ESD の適応ではない。×
(4)CT 上は小わん No.3 に小結節あり N1 の可能性あるが、胃病変の腫瘍径な 2cm 以下であ
り StagelB の縮小手術(LADG)の適応あり。○
(5)StagelB の 5 生率は 90%。○
(3)の×は「sig 病変が EsD の適応」を×として下さい。すると b の(1)(2)(5)か c の(1)(4)(5)
のどちらかが正解。隆起性病変には見えないので選択肢からは c が正解。
白黒の画像が見にくいが選択肢から回答可能。
LADG の適応は施設により異なりますが、ガイドラインでは StageIB まで。
ちなみに CT で胃内にみえるものは、マーキングクリップです。
6.症例は 85 歳の男性。嚥下困難、体重減尐を主訴に来院した。既往歴に糖尿病と心筋梗塞
がある。HbAlc は 7.5、一日尿糖量は 11.2g、,空腹時血糖値は 125mg/dl であった。EF は
45%であった。上部消化管造影検査所見、上部消化管内視鏡検査所見、腹部 CT 所見を示す。
正しい組み合わせを選択せよ。
(1)放射線治療が第一選択となる。
(2)食道浸潤が疑われる。
(3)周囲臓器への浸潤が疑われる。
(4)肉眼型は潰瘍浸潤型である。
(5)開胸開腹胃全摘術を施行するのが良い。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:d
胃噴門部癌に関する問題。
(1)日本では胃癌に対する放射線治療はコンセンサスが得られていない。×
(2)UGI では下部食道の狭窄あり食道浸潤が疑われる。×
7
(3)CT 上横隔膜脚との境界不明瞭で T4 疑い。○
(4)UGI で口側(食道側)の境界不明瞭で Type3(潰瘍浸潤型)が疑われるが画像が悪いので△。
(5)JCOG の Study では食道浸潤 3cm までは開腹操作で切除可能で○だが国試レベルではち
ょっと難しい。△?
国崎先生は d の(2)(3)(4)を正解にしたが、画像が不鮮明で、正解率が悪いの全員○にしまし
た。
肝(悪性・良性)
1.ICG 負荷試験について正しいのはどれか。
(1)ほとんどが胆汁に排泄される
(2)黄疸は検査結果に影響しない
(3)グルタチオン抱合され排泄される
(4)有効肝血流量を反映する
(5)体質性の排泄異常者が存在する
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:c
1:ICG はリポ蛋白と結合し肝に運ばれ肝細胞に摂取された後、胆汁中にそのままの形で排
泄される。 ○
2:ICG, Bil は血液中でリポ蛋白、アルブミンに競合して結合するため、Bil が上昇すると
ICG の結合が阻害される。Bil≧3.0 では ICG 試験の信頼性は失われる。 ×
3:そのままの形で排泄される。 ×
4:ICG に反映される因子は肝血流能、肝細胞の ICG 摂取能力、ICG の胆汁への排泄能力
であり、それぞれ 3:1:1 の比で ICG に反映される。
○
5:○
2.次に示す症例について問いに答えよ。
65 歳男性。突然の心窩部痛で来院。CT、超音波検査で肝 Sg3 に肝表面より突出する最大径
4cm の腫瘍陰影と腹水を認めた。造影 CT で造影剤の腫瘍辺縁部への漏出所見あり。身体
所見:体温 37 度。血圧 90/50mmHg、脈拍 110/分、上腹部に筋性防御を伴う圧痛あり。検査
所見:白血球 8500/mm3、血小板数 4.8 万、ヘモグロビン 7.89/dL、アルブミン値 2.8g/dL、
8
総ビリルビン値 1.5mg/dL、GOT=141 単位、GPT=85 単位、HBs 抗原陽性、HCV 抗体陰
性、ICG15 分値 30.2%。治療法としての第一選択はどれか。
a.緊急開腹ドレナージ術
b.緊急肝切除術
c.緊急開腹パッキング術
d,経カテーテル肝動脈塞栓術
e.保存的治療
解答:d
肝細胞癌の破裂により、出血性ショックを呈していると考えられる。
肝細胞癌の破裂機序は,腫瘍浸潤による肝静脈分枝の遮断が起こり,その結果腫瘍内圧が
上昇し腫瘍表面の破裂を引き起こすと考えられている。そのため腹腔内に突出した腫瘍に
発生しやすく,腫瘍径も 5cm 以上の進行性肝癌に破裂例が多い。突然の腹痛、腹部膨満と
ショック症状が 3 徴とされる。肝細胞癌破裂例は背景に肝疾患を有する症例が多く、出血
が肝血流量を低下させ肝不全や凝固能の破綻をきたす。TAE は低侵襲であり止血効果も優
れているため第一選択の治療法である。TAE で一時的止血に成功し全身状態が改善したら
根治手術を考慮した二期的肝切除術に移行する。
3.次に示す症例について問いに答えよ。
40 歳男性。図 3-A の MRI で認められた肝腫瘍に対して肝切除を施行した。
肝切除後の術中写真を図 3・B に示す。考えられる術式はどれか。
a.外側区域切除
b.内側区域切除
c.左葉切除
d.左 3 区域切除
e.中央 2 区域切除
解答:c
見たまんまです。
4.次に示す症例について問いに答えよ。
9
60 歳男性。肝硬変の経過観察中、腹部超音波検査で径 1cm の highechoic な占拠性病変が
確認された。
検査所見:血小板数 8.2 万、プロトロンビン時間(INR)1.2、アルブミン値 3.2g/dL、総ビリル
ビン値 1.2mg/dL、GOT=49 単位、GPT=39 単位、HCV 抗体陽性、ICG15 分値 24%。
本病変の治療効果が期待できないと予想されるものはどれか。
a.経カテーテル動脈塞栓療法
b.経皮的エタノール注入療法
c.経皮的マイクロ波凝固療法
d.経皮的ラジオ波焼灼療法
e.肝切除術
解答:a
5.次に示す症例について問いに答えよ。
46 歳女性。約 1 年前に他院で大腸手術を受けている。易倦怠感を主訴に受診。CT を施行
したところ写真のような結果を得た。
身体所見:体温 35.8℃,血圧 120/70mmHg,脈拍 82/分,腹痛なし。
検査所見:WBC=5800/mm3,PLT=22.5 万/mm3,CRP=0.1,Alb=4.2g/dL,
GOT=21 単位,GPT=26 単位,ALP=201 単位,T-Bil=0.8mg/dL,PT(INR)=1.06,
ICG15 分停滞率=9.2%,CEA=150.1ng/mL,AFP=3.7ng/mL
この症例について正しいのはどれか。
1)無治療の場合の平均生存期間はおよそ 12 ヶ月以内である。
2)本症例の治療の第一選択は緩和治療である。
3)確定診断を得るためにも経皮経肝的な病変の針生検が必須である。
4)化学療法に奏効した場合肝手術の追加は不要であり、化学療法中増悪する場
合に限り肝手術を考慮すべきである。
5)化学療法のみの治療で生存期間の中央値はおよそ 20 ヶ月に達する。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答:b
大腸癌の肝転移が疑われる。
10
1:○
2:大腸癌からの転移においては、原発巣が根治しており、遠隔転移がなく全身状態も良い
場合手術またはラジオ波焼灼術 RFA を行う。 ×
3:生検は確定診断を提供するが、必須ではなく他の検査により決定的な結果が得られない
場合か、組織学的情報(肝転移巣の細胞型など)により治療計画が決まる場合に実施され
る。 ×
4:大腸癌肝転移に対する治療としては、肝切除が最も信頼できる治療法である。まず
neoadjuvant chemotherapy として化学療法を行い,down staging を図ってから肝切除を
行うべきである。 ×
5:○
移植
1.42 歳男性、血液型 B 型、原因不明の劇症肝炎で入院中。生体部分肝移植が必要と考えら
れた。5 名のドナーが立候補した。ドナーの自発的意思は確認されており全員生来健康であ
る。医学的・社会的に最も適切なドナーを選べ。
①B 型、25 歳の会社の部下。
②B 型、15 歳の息子。
③0 型、21 歳の息子。
④AB 型、22 歳の息子。
⑤A 型、23 歳の息子。
解答:③
ドナーの条件として、
・ドナーとなることへの自発的意志を有する成人
・レシピエントの 3 親等以内あるいは配偶者
・レシピエントと血液型が一致ないし適合
が挙げられる。以上の条件をみたすのは③のみ。
2,正しいものはどれか
①日本の生体肝移植症例の 5 年生存率は 76.1%である.
②日本では、生体肝移植よりも脳死肝移植が普及している.
③肝移植後に、感染症予防のために免疫抑制剤を使用する.
11
④C 型肝炎の肝移植後には、原疾患の再発率は低い.
⑤肝移植後の急性拒絶反応の確定診断は、血液検査でおこなう.
解答:①
①○
②日本では脳死肝移植はほとんど行われていない。
×
③免疫抑制剤を使用する目的は拒絶反応を起こさないため。むしろ免疫抑制剤によって易
感染性になる。 ×
④C 型肝炎に対する生体肝移植術後のウィルス学的再発は必至であり、組織学的再発も術後
3 年の時点で 8 割以上の症例にみられることから、
再発治療ないしは再発予防が必要となる。
×
⑤血液検査では Bil、AST、ALT、ALP などが上昇するが、特異的でないため生検で確定す
る。 ×
胆(良性・悪性)
問 1.肝内結石症について正しいのはどれか。
1.両葉型では肝切除を勧める。
2.総胆管結石が積み上がって肝内胆管に至った結果として生ずる。
3.ビリルビンカルシウム結石が多い。
4.狭窄部の解除が治療の原則である。
5.肝内胆管癌の合併は稀である。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答:d
1:×
2:肝内結石の原因は、完全には解明されていないが、先天性や遺伝性の原因よりは、食事
や衛生環境といった後天的な原因が関係していると考えられている。ビリルビンカルシウ
ム石では胆道感染、胆汁成分の変化、肝内胆管の変化などが、コレステロール石では過剰
なコレステロール、脂肪の代謝異常などが原因と考えられている。 ×
3:肝内結石症ではビリルビンカルシウム石が主体(85%程度)である。 ○
4:○
12
5:胆管癌合併は 2.5~5%程度で、90%以上の症例で胆管癌発生と結石存在部位が一致。 ×
問 2.胆道疾患の診断・検査法について正しいのはどれか。
1.PTCD 施行した翌日に歩行させる。
2.MRCP は閉塞性黄疸症例では施行不可能である。
3.Charcot の三徴とは黄疸、発熱、ショックである。
4.Murphy 徴候は急性胆嚢炎に見られる。
a(1)(3)(4)のみ b(1)(2)のみ c(2)(3)のみ d(4)のみ e(1)~(4)のすべて
解答:d
1:PTCD は施行した当日から歩行可能。(治療後 3 時間ほどベッド上安静) ×
2:閉塞性病変でも、閉塞部の中枢抹消どちらも描出でき、有用。 ×
3:Charcot の三徴は発熱、腹痛、黄疸。 ×
4:Murphy 徴候とは、右季肋部を圧迫したまま深呼吸させると、痛みのために途中で呼吸
が停
止すること。急性胆嚢炎、胆石症などでみられる。 ○
問 3.腹痛で受診した 48 才の女性。MRCP で膵胆管合流異常症を認めた。腹部超音波検査
では胆嚢粘膜の肥厚像を認めた。以下の記述で正しいものはどれか。
(1)総胆管拡張型のほうが非拡張型よりも胆嚢癌の発生頻度が高い。
(2)胆管内に逆流する膵液と発癌の関連が強く疑われている。
(3)明らかな隆起性病変がなぐても胆嚢摘出術を勧めるべきである。
(4)深達度 ss の胆嚢癌ではリンパ節転移や肝転移の頻度は低い。
a(1)(3)(4)のみ b(1)(2)のみ c(2)(3)のみ d(4)のみ e(1)~(4)のすべて
解答:c
1:拡張型は胆管癌の発生頻度が高く、非拡張型は胆嚢癌の発生頻度が高い。 ×
2:○
3:膵胆管合流異常症では無症状でも胆嚢摘出術の適応となる。 ○
4:ss 胆嚢癌は早期癌と進行癌の中間の進行度と位置づけられ,多彩な進展様式を示す。
13
×
問 4.十二指腸乳頭部癌について正しいものはどれか
(1)黄疸の消長がみられる。
(2)便潜血陽性のことがある。
(3)超音波内視鏡検査は進展度診断に有用である。
(4)組織学的膵浸潤は予後に影響を及ぼさない。
(5)膵頭十二指腸切除術の適応はない。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
1:乳頭開口部で癌がくずれたりすることで黄疸が出たり消えたりするのが特徴。 ○
2:癌からの出血に伴って下血や貧血がみられることがある。 ○
3:US,CT では腫瘍描出が困難であり,超音波内視鏡 EUS あるいは管腔内超音波検査
IDUS が腫瘍を描出する方法である。EUS は膵への浸潤の判定にすぐれているが組織学的
膵臓浸潤は判定できていない。IDUS は膵管あるいは胆管内への進展の診断,膵浸潤,十二
指腸浸潤の診断に優れている。 ○
4:×
5:基本的に膵頭十二指腸切除術を施行する。 ×
問 5.右季肋部痛、発熱で来院した 72 才男性。CT で胆嚢壁の肥厚と胆嚢周囲の液体貯留
を認めた。白血球数 20000、CRP=15、血圧 140/80mmHg,脈拍 86/分、体温 38 度。
次のうち正しい記載はどれか。
(1)CT で胆嚢内に石灰化を認めなければ無石胆嚢炎である。
(2)早期手術が原則である。
(3)胆嚢摘出後に胆嚢管から総胆管造影を行う。
(4)腹腔鏡下胆嚢摘出術は開腹胆摘よりも胆管損傷が尐ない。
(5)術後の予防的抗生剤はバンコマイシンを用いる。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
14
解答:c
右季肋部痛、胆嚢壁の肥厚、胆嚢周囲の液体貯留、WBC20000、CRP15、38℃の発熱より
急性胆嚢炎が疑われる。
1:コレステロール結石は石灰化を認めない。 ×
2:急性胆のう炎では原則として胆嚢摘出術を行う。(全身状態の改善後。
)
○
3:術中胆道造影により総胆管結石の有無を確認し、あれば結石を除去する。 ○
4:腹腔鏡下胆嚢摘出術は低侵襲だが、視野が狭く開腹よりも胆管損傷を起こしやすい。
×
5:抗菌スペクトルの広いセフェム系抗生剤が第一選択とされる。 ×
膵(良性・悪性)
問 1.急性膵炎について、誤ったものを選べ。
1)急性膵炎の成因として、胆石性が最も多い。
2)重症膵炎では造影 CT は禁忌である。
3)BUN、BaseExcess(=B.E)は急性膵炎の予後因子である。
4)感染性膵壊死の確定診断には CT 下 fine needle aspiration による細菌培養が推奨される。
5)蛋白分解酵素阻害剤投与は欧米のガイドラインでは推奨されていない
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答:a
1:アルコール多飲が最も多く、35~40%を占める。 ×
2:重症化の診断には造影 CT が最も有用である。
×
3:重症化の指標として、BUN≧40ng/dl, BE≦-3 がある。 ○
4:感染性膵壊死の診断には細菌学的検査(CT or US ガイド下の局所穿刺後)が有用。 ○
5:知るか。急性膵炎に対して、日本で通常使用されることの多い膵酵素阻害剤は、これま
で欧米のガイドラインでは推奨されていなかった。しかし、2000 年以降のRCTでは死亡
率、合併症発生率ともに有意に低下させ、有効であるとの報告がなされ、日本のガイドラ
インでは同様の記載がなされた。ただし、重症例に対する点滴静注の報告では、日本の保
険で許可されている用量を越える使用量で有用性が示されているため、この結果をそのま
ま適応することは難しく、注意が必要とされる。 ○
15
問 2.慢性膵炎について、正しいものはどれか。
1)慢性膵炎の膵液中の k-ras 点突然変異は高率に認められる。
2)慢性膵炎は、膵癌の risk factor ではない。
3)慢性膵炎では 30%に膵管内に膵石を伴う。
4)自己免疫性膵炎では、血清 IgG4 の上昇が特異的である。
5)PFD テストは、膵の内分泌機能検査である。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答:d
1:慢性膵炎でも認められることはあるが、膵癌に高率に認められる。 ×
2:risk factor として喫煙、糖尿病、慢性膵炎、家族歴などが挙げられる。 ×
3:膵石はアルコール性膵炎に効率に合併する。 ○
4:高γグロブリン, IgG, IgG4, 抗核抗体のいずれかが上昇する。症状としては黄疸や糖尿
病で発症することが多く、腹痛は尐ない。 ○
5:PFD 試験:Pancreatic function diagnostant test は外分泌能検査。膵機能診断薬である
PFD は経口摂取されると、膵キモトリプシンによって分解され、分解産物である p-アミノ
安息香酸(PABA)が尿中に排泄される。この PABA 尿中排泄率を測定することによって
膵機能を評価する。慢性膵炎、膵癌など、膵疾患における膵機能低下が疑われる際の有用
なスクリーニングである。
×
問 3.膵癌について正しいのはどれか。
(1) 腺房細胞由来のものは尐ない。
(2) 切除後の補助化学療法は効果が無い。
(3) 上腸問膜動脈周囲神経叢に浸潤することは稀である。
(4) 拡大リンパ節郭清に延命効果が認められる。
(5) 膵空腸吻合縫合不全が腹腔内出血を引き起こす。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答:b
1:膵管上皮由来のもの(膵管癌)が 80%以上を占める。 ○
2:欧州における RCT より 5-FU をベースとする術後補助化学療法が推奨されるが,日本
16
ではこれを支持するエビデンスが乏しく,十分なコンセンサスが得られていない。塩酸ゲ
ムシタビンによる術後補助化学療法の延命効果は現時点では確定していない。×
3:膵頭部癌では膵頭部後面から上腸間膜動脈方向へ向かう膵頭神経叢浸潤が多く、上腸間
膜動脈周囲神経叢の切除が行われる。×
4:現時点では膵癌に対する拡大郭清を伴う手術を積極的に推奨する根拠はない。 ×
5:○
問 4.正しい記載はどれか
(1)膵臓と十二指腸は剥離できない。
(2)膵臓は胎生期には腹側膵と背側膵に分かれている。
(3)背側膵の膵管は Santrini 管である。
(4)輪状膵のために十二指腸通過障害を生ずる。
(5)膵鈎部は膵頭神経叢と離れている。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:d
1:×
2:膵臓は内胚葉由来の臓器で,胎生期中期に消化管から腹側膵および背側膵が出現し,そ
の後両者が癒合することで形成される。 ○
3:背側膵の膵管は Santrini 管で、腹側膵の膵管は Wisrung 管。 ○
4:輪状膵とは、発生異常で膵臓が十二指腸を取り囲んだもの。十二指腸が狭窄を起こし、
通過障害を招く。新生児から嘔吐を反復する。Xp 上では、完全閉塞していなければ十二指
腸下行脚狭窄像、完全閉塞していれば double bubble sign がみられる。通過障害が重けれ
ば外科的治療を行う。 ○
5:×
問 5.IPMN、MCN において正しいものはどれか。
a.壁在結節を有する 30mm の分枝型 IPMN は手術適応である。
b.MCN を疑ったが大きさが 3cm なので経過観察とした。
c.IPMN は癌化しても転移しない。
d.MCN は主膵管と亣通を有する。
e.IPMN の特徴として卵巣様間質が挙げられる。
17
解答:a
a:分岐型 IPMN は嚢胞径≧3cm、嚢胞内結節(+)の場合手術適応となる。 ○
b:MCN は原則的に外科切除となる。 ×
c:×
d:一般的には膵管との亣通はない。よって主膵管の拡張もない。 ×
e:卵巣様間質は MCN の特徴である。 ×
大腸良性・小腸
一般問題 1)~3)
1)小腸腫瘍について正しいのはどれか。
(1)良性の血管腫では出血することはない。
(2)小腸のカルチノイドでは、皮膚紅潮、腸蠕動充進、下痢をきたすことはない。
(3)小腸良性腫瘍は成人腸重積の原因となることがある。
(4)良性腫瘍では GIST(gastrointestinal stromal tumor)が多い。
(5)癌は回腸末端に多く、悪性リンパ腫は空腸に多い。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答:d
1:症状は消化管出血とそれに伴う貧血。 ×
2:カルチノイド腫瘍からセロトニンなどの活性物質が分泌され、皮膚紅潮、腸蠕動亢進、
下痢、気管支喘息様発作、ペラグラ様皮膚症状、カルチノイド心など多彩な症状を示す。
×
3:成人の腸重積症ではその発生原因として、腸管に存在しているポリープ、腫瘍、腸炎、
憩室、瘢痕などがあげられる。 ○
4:良性腫瘍は平滑筋腫>脂肪腫>過誤腫>血管腫の順に多い。 ○
5:好発部位は悪性リンパ腫は回腸、癌では Vater 乳頭部。 ×
2)正しいのはどれか。
(1)大腸憩室症は真性憩室である。
18
(2)Meckel 憩室は真性憩室である。
(3)高齢者の虫垂炎では筋性防御が出現しにくい。
(4)絞やく性イレウスは保存的に経過観察する。
(5)Crohn 病では輪状潰瘍に乾酪性肉芽腫を認める。
a.(1)(2) b.(1)(5) c.(2)(3) d.(3)(4) e.(4)(5)
解答:c
1:大腸憩室症は腸管内圧の上昇により粘膜+粘膜筋板のみが腸管壁の抵抗減弱部位より脱
出して発生する仮性憩室である。 ×
2:先天性真性憩室で、胎生期の卵黄管の遺残したものである。 ○
3:老人虫垂炎では生体反応が弱く、症状のはっきりしない間に病気が進行しやすい。 ○
4:緊急手術で絞やくを解除する。腸管が壊死していたら腸管を切除する。 ×
5:輪状潰瘍に乾酪性肉芽腫を認めるのは腸結核。Crohn 病では縦走潰瘍、Cobble stone
appearance がみられ、組織所見では全層性炎症性病変、サルコイド様非乾酪性肉芽腫を認
める。 ×
3)正しいのはどれか。
(1)小腸造影の偏側性変形は縦走潰瘍の所見である。
(2)S 状結腸軸捻転症では穿孔、絞拠の所見がなければ大腸内視鏡が有用である。
(3)直腸炎型の潰瘍性大腸炎に対する術式は超低位前方切除術である。
(4)カプセル内視鏡は Crohn 病の小腸狭窄の診断に有用である。
(5)Peutz-Jeghers 症候群のポリープは過誤腫である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:b
1:○
2:大腸内視鏡の挿入、バリウムや生理食塩水の注腸で整復可能なことが多い。それで治ら
なければ開腹して用手的に整復、腸管壊死の場合切除。 ○
3:術式として、肛門を温存した大腸全摘が勧められている。 ×
4:カプセル内視鏡は狭窄患者や過去に開腹手術で腸管の癒着が想定される場合は、適応外
となる。×
19
5:過誤腫性ポリープで常染色体優性。 ○
症例問題 4)~6)
19 歳、男性主訴:下痢、発熱、倦怠感
16 歳時に肛門周囲膿瘍で切開排膿された。6 ヶ月前より下痢が出現。1 ヶ月前より 37 度台
の微熱が続き、倦怠感が強いため受診した。
現症:身長 168cm、体重 51kg(1 ヶ月間で 5kg の体重減尐あり)。体温 37.7 度。頭頚部、胸
部に異常所見なし。腹部は平坦、軟で、左右下腹部に軽度圧痛あり。肛門に廠痕あり。1 日
排便回数 6 回。
血液検査所見:白血球数 13200/μ1、赤血球数 408/μl、ヘモグロビン値 8.7g/dl、血小板数
28.5 万/μ1、総蛋白 6.1g/dl、アルブミン 2.9g/dl、総コレステロール 104mg/dl、トリグリ
セリド 86mg/dl、赤血球沈降速度一時間値 20mm、CRP4.867mg/dl
小腸造影検査(図 1)を示す。
4)本症例の診断にあたって正しいものはどれか。
(1)上部消化管病変の有無を確認する。
(2)小腸造影検査は縦走潰瘍の所見である。
(3)生検組織学的検査で陰窩膿瘍があれば潰瘍性大腸炎の確定診断となる。
(4)炎症性腸疾患を疑う場合には便培養検査は有用ではない。
(5)ツベルクリン反応は陰性のことが多い。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:b
下痢、腹痛、体重減尐、肛門病変、低蛋白血症、赤沈亢進、CRP(+)がみられ、画像では腸
管の狭窄、縦走潰瘍、Cobble stone appearance がみられることから Crohn 病が疑われる。
1:Crohn 病は口腔から肛門までの消化管の全部位に起こりうるので確認する。 ○
2:○
3:陰窩膿瘍は Crohn 病、潰瘍性大腸炎ともに認められ、確定診断にはならない。 ×
4:サルモネラ菌や病原性大腸炎などの細菌性腸炎との鑑別を行う。 ×
5:腸結核ではツベルクリン反応陽性になる。 ○
20
5)本症例の治療方針として検討する必要があるものはどれか。
(1)経腸栄養療法
(2)ステロイド剤投与
(3)抗 TNFα抗体投与
(4)広範囲小腸切除術(小腸亜全摘術)
(5)回腸嚢肛門管吻合術
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
1:腸管の安静と食事性アレルギー性抗原の除去を目的として、成分栄養剤による経腸栄養
を行う。 ○
2、3:薬物療法としては 5-ASA(サラゾピリン)、ステロイド、抗 TNF-α抗体療法
(infliximab)
、免疫抑制剤を用いる。
4:×
5:潰瘍性大腸炎の手術。 ×
24 歳、女性主訴:粘血便
約半年前から、1 日 5~6 回の下痢が出現し、次第に粘液、血液を伴うようになったため当
院を受診した。家族歴、既往歴に特記すべき事項はなく、海外渡航歴、発症前の薬剤服用
歴、放射線照射歴もなかった。
受診時現症:身長 157cm、体重 45kg、体温 36.6 度、脈拍数 95 回/分、眼球、眼瞼結膜に軽
度の貧血あり、頚部、胸部に異常所見なし。腹部は平坦、軟、左下腹部に軽度の圧痛を認
めた。検査所見では、白血球数 10134/μ1、赤血球数 364 万/μ1、ヘモグロビン値 9.3g/dl、
血小板数 36.8 万/μ1、
総蛋白 7.8g/dl、アルブミン 3.5g/dl、
赤血球沈降速度一時間値 32mm、
CRP1.842mg/dl、便細菌培養検査陰性、抗アメーバ赤痢抗体陰性。注腸造影検査所見を示
す(図 2)。内視鏡検査の生検で、粘膜のびまん性炎症細胞浸潤、陰窩膿瘍、杯細胞減尐を認
めた。
6)本疾患に正しいものは以下のどれか。
(1)注腸製剤が有効である。
(2)5ASA(アミノサリチル酸)をもちいる。
(3)血球成分除去療法がおこなわれる。
21
(4)手術適応は狭窄による腸閉塞が多い。
(5)本症例では結腸左半切除+低位前方切除が良い適応である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
生検で、粘膜のびまん性炎症細胞浸潤、陰窩膿瘍、杯細胞減尐を認め、画像上連続性病変
を認める。下痢、腹痛、貧血などの症状からも潰瘍性大腸炎と診断できる。
1:○
2:薬物は、サラゾピリン、ペンタサ、ステロイド、免疫抑制剤などを用いる。約 90%の症
例では初回の内科的治療にて寛解導入が可能である。○
3:重症で、ステロイド抵抗例には、ヒドロコルチゾンパルス療法、IgG 大量静注療法、白
血球除去療法や顆粒球除去療法、シクロスポリン静注療法が行われる。○
4:手術適応は内科的治療での難治例が多い。手術の絶対適応には大出血、狭窄、穿孔、中
毒性巨大結腸、癌化などがあり、相対的適応には難治例、局所的合併症、発育障害がある。
×
5:潰瘍性大腸炎の手術は IACA(回腸嚢肛門管吻合)、IAA(回腸嚢肛門吻合)が行われる。
×
大腸
1)~3)44 歳男性、
腹部膨満感を主訴に来院された。
注腸および腹部 CT の所見を示す(図 1)。
1)正しいのはどれか
a.盲腸癌 stage0 の診断である
b.横行結腸癌 stageI の診断である
c.上行結腸癌 stageII の診断である
d.下行結腸癌 stageIII の診断である
e.S 状結腸癌 stageIV の診断である
2)腹部膨満以外の症状で最も可能性が低いものはどれか
a.右上腹部痛
b.左下腹部癌
c.左背部叩打痛
22
d.嘔吐
e.下血
3)選択される可能性が高い治療方法はどれか
1.癌を含む大腸切除術
2.癌の口側への人工肛門造設術
3.放射線治療
4.肝腫瘍に対する焼灼術
5.抗がん剤治療
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
1)~3)解答
図 1:注腸では S 状結腸に apple core sign がみられ、進行癌が疑われる。
CT では肝に低吸収の腫瘤が多数見られ、転移性肝癌が疑われる。
1)解答:e
S 状結腸の進行癌である。
2)解答:c
a:転移性肝癌によって腹痛が出現していると考えられる。 ○
b、d、e:S 状結腸癌の症状として矛盾しない。 ○
c:背部叩打痛は通常認められない。 ×
3)解答:b
1、2:S 状結腸切除術+一時的に人工肛門造設を行う。 ○
3、4、5:すでに遠隔転移しているので、放射線治療や RFA よりも、肝動注や全身化学療
法で down staging を図り、可能なら肝切除を行う(?)
。
4)直腸癌術後の機能障害に関して間違っているものはどれか
a.骨盤内臓全摘術 - 尿路変更術に伴う代用腼胱
b.陰部神経 - 精子形成能低下
c.下腹神経 - 射精障害
d.骨盤内臓神経 - 勃起障害.
23
e.骨盤神経叢 - 射精障害、勃起障害
解答:b
a:骨盤内臓全摘術は一般的には double stoma の造設を伴い,術後 QOL を著しく損なう
が,近年では代用腼胱の作成や,症例によっては stomaless で術式が施行され長期予後が
えられる。 ○
b:陰部神経は外尿道括約筋を支配する。 ×
c:下腹神経は Th11~L2 に由来する亣感神経で、射精に重要な働きをする。
○
d:骨盤内臓神経は副亣感神経で、勃起に重要な働きをする。 ○
e:骨盤神経叢は主として下腹神経と骨盤内臓神経から構成されるため、傷害されると射精
障害、勃起障害ともに起きる。
5)直腸癌の手術で器械による吻合を行わないものはどれか
a.高位前方切除術
b.低位前方切除術
c.超低位前方切除術
d.直腸切断術
e.上記のいずれでもない
解答:d
直腸切断術は直腸とともに肛門・肛門括約筋を含めて切除するもので、S 状結腸で永久人工
肛門を造設するため吻合は行われない。前方切除術はいずれも器械吻合を行う。
6)51 歳男性、2 年前に S 状結腸癌を切除され、外来で経過を観察されていた。経過観察中
の CT を示す
正しいものはどれか
a.左肺上葉への転移が疑われる。
b.原発性肺癌との鑑別は不要である。
c.CEA の上昇は認められない。
d.切除では予後を改善することはできない。
e.標準的な化学療法の適応である。
24
解答:e
a:右肺への転移が疑われる。 ×
b、d:転移性肺癌は原発組織別に特徴があり、病理組織診断をつけることが重要。結腸癌
からの転移では抗癌剤に感受性が低く、積極的に手術が行われる。 ×
c:大腸癌からの転移では CEA は上昇する。 ×
e:○
乳腺疾患
1)乳癌について間違っている記載はどれか。
1.日本において罹患率は増加傾向であり、日本人の 8 人に 1 人が罹患する計算になる。
2.日本において死亡率は低下傾向にある。
3.検診は、30 歳以上の女性に対して、触診とマンモグラフィーの併用が基本である。
4.肥満は閉経後乳癌発症の危険因子のひとつである。
5.乳癌の罹患が最も多い年齢層は 50 歳代である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
1:日本では、乳癌の罹患率は現在 4-5%で、20-25 人に 1 人が罹患する計算になる。また、
アメリカでは 8 人に 1 人が罹患する計算になる。 ×
2:死亡率は上昇傾向にある。 ×
3:超音波検査とマンモグラフィーの併用が行われる。 ×
4:危険因子は未婚、未産、高齢初産、早い初潮、遅い閉経、肥満、家族歴など。 ○
5:○
2)乳癌の診断、治療について正しい記載はどれか
1 マンモグラフィーでポップコーンのような粗大石灰化は、乳癌を示唆する所見である。
2 乳癌が発生する最も頻度の高い部位は、乳房の内側下部である。
3 乳房温存術が増加し、現在、術式全体の 60%を占める。
4 乳癌治療において薬物療法の重要性は増している。
25
5 センチネルリンパ節生検は、一般的な術式になりつつある。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
1:ポップコーンのような粗大石灰化は線維線種の特徴である。微細石灰化は乳癌を疑う。
×
2:外側上部>内側上部>外側下部>内側下部の順に多い。 ×
3:○
4:HER2 陽性例に対するハーセプチンや、エストロゲン受容体陽性例に対する LHRH ア
ナログ、タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤などが術前・術後の補助化学療法や進行・
再発乳癌の治療に重要である。 ○
5:○
3)図のマンモグラフィーの所見について正しい記載はどれか
1 カテゴリー5 の乳癌の所見である。
2 触診では、はっきりとした所見がない可能性がある。
3 治療上、病変の広がりが問題になる。
4 術後抗癌剤が必要になる可能性が高い。
5 スピキュラが見られる。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:a
マンモグラフィーの読影には 0-5 までのカテゴリー分類があり、カテゴリー5 は「悪性を
強く疑う,生検を推奨」という最も悪性を疑う分類である。
4)34 歳女性で、
左外上区域に約 1.5cm の腫瘤を主訴に来院した。腫瘤は触診すると弾性硬、
境界明瞭、表面平滑、可動性良好であり、マンモグラフィーでは粗大な石灰化を認め、超
音波では境界明瞭な横長の腫瘤として認めた。この症例に関して正しい記載はどれか?
1)腫瘤を診断するために摘出すべきである。
26
2)次に行うべき検査は、細胞診である。
3)若い女性に最も多い良性腫瘍の可能性が高い。
4)このまま経過観察になる可能性が高い。
5)乳房温存術を行うべきである。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:d
年齢が 30 代前半、触診上弾性硬、境界明瞭、表面平滑、可動性良好で、マンモグラフィー
で粗大な石灰化を認めることから、線維腺腫が疑われる。
1、2:次に穿刺吸引細胞診、あるいは針生検で確定診断を行う。 ○
3:乳腺の良性腫瘍の中でもっとも多くみられるのが線維腺腫。 ○
4:線維腺腫の治療は定期的な経過観察を行うが、増大傾向を示す場合、細胞診・針生検に
て悪性の可能性が否定できない場合は切除が必要となることもある。 ○
5:乳癌よりも線維腺腫が疑われる。 ×
5)55 歳女性が、両側の乳房痛を主訴に来院した。視診では異常はなかったが、触診にて両
側とも乳房全体に圧痛を伴う硬結を認めた。マンモグラフィーを行うと両側とも乳房全体
のびまん性の微小円形石灰化を認めた。この症例に関して不適切な記載はどれか?
1)乳癌を示唆する主訴である。
2)マンモグラフィーの所見からは、乳癌の可能性は考えられない。
3)乳房痛に対して薬物治療が行われることは尐ない。
4)超音波検査は、この症例には有用ではない。
5)次に行うべき検査は、生検である。
a:(1)(2)(3),b:(1)(2)(5),c:(1)(4)(5),d:(2)(3)(4),e:(3)(4)(5)
解答:c
両側の乳房痛、圧痛を伴う硬結を認めることから、乳腺症が最も疑われる。
1:乳腺症を示唆する主訴である。 ×
2:○
3:経過観察をおこなう。 ○
27
4:超音波では明瞭な実質性腫瘤像を欠く広範囲な不均一エコー像で大小の嚢胞像が混在し、
豹紋様を呈することが多い。画像診断や穿刺吸引細胞診、生検などで乳癌でないことを確
認することが大切。 ×
5:超音波、穿刺吸引細胞診など低侵襲の検査から行う。 ×
肛門・ヘルニア
【問題 1】写真 A48 歳男性。これまで排便時出血はない。硬い便の排便直後に肛門上皮に
硬い腫瘤が突然出現し強い痺痛が出現した。この時も排便時の出血はない。治療後写真 B
のようになり 5 日後には硬い腫隆は消失し治癒した。
1.この疾患は歯状線より口側の粘膜の脱出によるものである。
2.この疾患の原因は歯状線より外側の粘膜下に発生した静脈血栓である。
3.この疾患の原因は細菌感染である。
4.この疾患は軽度のものから高度のものがあり Goligher 分類がある。1 度 2 度は保存的治
療、3 度 4 度は手術適応がある。
5.治療法は局所麻酔、切開、血栓の除去である。
abcde のうちどれが正しいか?
a.1.3. b.1.5 c.2.3. d.2.4. e.2.5
解答:e
診断は外痔核。
1:歯状線の口側の粘膜の脱出によるものは内痔核。外痔核は歯状線より下方にある下直腸
静脈叢から発生した静脈瘤である。 ×
2:○
3:静脈瘤。 ×
4:Goligher 分類は内痔核の分類。3 度 4 度は内痔核に流入する血管を結紮後、内痔核を切
除するという結紮切除術を行う。 ×
5:○
【問題 2】写真 C は 45 歳男性。肛門部の鈍痛と 38,5℃の発熱で来院。白血球数 16,300。
触診にて肛門左側の腫脹痙痛が著しい。矢印に浸出液が認められる。a.b.c.d.e から正しいも
28
の選び上の解答欄に記入して下さい。
a.内痔核 b.外痔核 c.肛門ポリープ d.裂肛 e.痔ろう
解答:e
画像が見にくいが、矢印の部分に浸出液が認められることから、この部分が外ろう孔と考
えられる。鈍痛、発熱、白血球↑も痔ろうに一致する。
【問題 3】写真 C の治療法は何か
a.マイルス手術
b.手術抗生物質投与
c.Lay open 法
d.結紮切除怯
e.切除 + Sliding Skin Graft 法
解答:c
痔ろうの治療としては、lay open 法、括約筋温存手術、Seton 法などがある。Lay open 法
とは、原発口を切除し、全ろう管を二次口まで切開して開放し、不良肉芽を掻爬する手術
である。
マイルス手術は腹会陰式直腸切断術で直腸癌の手術、結紮切除怯はふくれている痔核部分
をその責任血管を含めて楔状に切除する痔核の手術、Sliding Skin Graft 法は肛門の後ろ側
の皮膚を肛門内に移動させて肛門を広くする手術で、裂肛や肛門狭窄に対して行われる。
【問題 4】52 歳男性。3 ヶ月前から排便時に強い痺痛があり、排便終了後約一時間肛門の疼
痛に苦しんで来院した。来院時の肛門鏡の写真は D のようである。この疾患について正し
いものを a.b.c.d.e.から選んで解答欄に記入して下さい。
1.この疾患は腫瘍によるものである。
2.好発部位は前壁である。
3.見張り疵を伴うことがある。
4.治療は直腸切断術である。
5.治療は切除 + Sliding Skin Graft 法である
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a.1.4.
b.2.4.
c.2.5.
d.3.4.
e.3.5.
解答:e
写真はいまいちよく見えないが、排便時と排便後長く続く疼痛から裂肛が疑われる。
1:裂肛は固い便などによって肛門が裂けた状態。腫瘍ではない。 ×
2:ほとんどが後壁に発生する。 ×
3:潰瘍、肥大乳頭、見張りイボを裂肛の三主徴という。 ○
4、 5:裂肛のほとんどは生活習慣の改善や緩下剤などの薬物療法で治る。しかし、裂肛が
慢性化し肛門狭窄を伴い排便後の痛みが強かったり、肛門ポリープが大きかったり、痔ろ
うなどの合併があるときは手術を行う。その際は切除 + Sliding Skin Graft 法が用いられ
る。直腸切断術は直腸癌の手術。
【問題 5】写真 E は 7 歳男児。1 ヶ月前より立位になると左陰嚢が腫大するようになった。
左陰嚢の内容物を丁寧に頭側に押し込むとグル音を発して還納できた。右陰嚢の内容物の
性状を見るために懐中電灯で透光性を見たところ透光性はない。
写真 F は 65 歳男性。
立位になると左鼠径部に膨隆が出現し痛みがある。陰嚢は腫大しない。
外鼠径輪から示指を挿入したところ下腹壁動脈の拍動を外側に触れた。
a.b.c.d.e から正しい
診断を選んで下さい。
a.EF 両方とも外鼠径ヘルニアである
b.両方とも内鼠径ヘルニアである
c.E 外鼠径ヘルニア F 内鼠径ヘルニアである。
d.E 内鼠径ヘルニア F 外鼠径ヘルニアである。
e.E は陰嚢水腫、F は外鼠径ヘルニア
解答:c
写真 E は小児、立位で陰嚢が腫大、透光性がないことから外鼠径ヘルニアと診断できる。
陰嚢の透光性がある場合には陰嚢水腫を疑う。
写真 F は成人、立位で陰嚢が腫大しない上、下腹壁動脈を外方に触れることから内鼠径ヘ
ルニアと診断できる。
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