会議資料1(県の取組状況) [PDFファイル/4.01MB] - 大分県

第1回次世代の大分森林づくりビジョン推進会議資料
次世代の大分森林づくりビジョンの
実現に向けた大分県の取組状況
平成26年2月12日
大分県 農林水産部
表紙裏面
「次世代の大分森林づくりビジョン推進会議」県取組状況報告要領(案)
(趣
旨)
「次世代の大分森林づくりビジョン推進会議」の目的は、外部委員から提言や助言を
受けビジョンの実現を推し進めることを目的としている。そこで、林業関係の各課室長
並びに林業研究部長は、ビジョンのテーマに沿った取り組み状況並びに今後の計画につ
いて適宜報告し、委員からの助言等を受けることで、事業の効果的な実施に資するもの
とする。
(報告内容)
報告テーマは下表のとおりとし、必要により追加・削除する。
表1:次世代の大分森林づくりビジョン取組状況報告一覧
テーマ
取組内容
担当課室
生産林・環境林の区分
ゾーニングの方法、誘導方法等
林務管理課
低コスト育林(造林)
疎植、コンテナ苗、エリートツリー
森林整備室
災害に強い森林づくり
河川沿いの広葉樹林化
森林整備室
強度間伐の実施、広葉樹誘導等
森林保全課
集約化、路網整備、
搬出間伐重点区域の設定、林業専用道
林務管理課
機械化
新たな作業システムの構築
竹林の活用・整備
竹林の活用
林産振興室
竹林の整備、誘導等
森林との共生推進室
獣害(シカ・ウサギ)
効果の高い獣害対策方法の確立
森林との共生推進室
対策
対策費の低コスト化
木材の需要拡大
木質バイオマス、集成材、
林産振興室
CLT等の新たな需要の拡大等
全般
研究成果、今後の研究計画
-1-
林業研究部
課題:低コスト育林(造林)
平成26年 2月12日
森 林 整 備 室
低コスト造林の推進状況
1.低コスト再造林の実施状況
年度別再造林実績表
区
分
H22
H23
H24
H25
1,470
1,301
1,239
657
513
700
45
39
56
342
301
485
52
59
69
計
ha
(A)皆伐面積
(前年度分)
1,195
ha
(B)再造林面積
466
(C)再造林率
%
(B)/(A)
39
(D)うち低コスト
ha
再造林面積
257
(E)低コスト再造林率
(D)/(B)
1,385
%
55
※低コスト再造林:疎植(2,000本/ha以下)実施林分(H22年度から実施)
H25は実績見込み面積
2.実証試験地の設定状況(平成25年度実施)
所在地
佐伯市本匠
設定面積
1.05 ha
設定内容
植栽密度毎の生
スギ苗①1,000本/ha、②1,500本/
育状況等比較試験
ha、③2,000本/haに植栽密度を区
(個人有) (コンテナ苗)
佐伯市直川
3.00 ha
設定条件
分、今後の生育状況等を調査・分析
コンテナ苗と裸苗
スギ苗2,000本/ha植栽地
の生育比較試験地
コンテナ苗と裸苗の生育状況を調査
(個人有 )
・分析
-2-
3.スギ優良品種の母樹林(採穂園)造成状況
スギの優良苗木を安定供給するために、優良品種を選定するとともに、優良品種
の母樹林(採穂園)の造成を進めている。
大分県が成長特性及び材質試験の結果、スギ造林品種に適するものとして、3品
種を「推奨品種」として選定した。(シャカイン、ヤマグチ、タノアカ)
また、国の林木育種センターが精鋭樹から選抜したスギ品種「エリートツリー」
の母樹林(採穂園)を造成するため、県営採穂園の改良を進めている。
県営山香採穂園改良実績表
年
度
改良面積 (ha)
植 シャカイン
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
0.70
0.67
0.35
0.36
0.35
0.20
0.40
150
150
150
150
1,050
付 ヤマグチ
600
1,005
本 タノアカ
600
600
数 エリートツリー
計
1,050
1,005
600
600
600
4.コンテナ苗生産施設の整備
皆伐面積の拡大に伴い再造林面積が増加することから、苗木の安定供給と春期に
集中する作業を周年作業化し、労働力の適正配分を可能とするコンテナ苗の安定供
給を推進するため、大分県樹苗生産農業協同組合の生産施設整備経費の一部を支援
する。
平成25年度施設整備事業計画
施設名
MC コンテナ
培地撹拌機
ハウス潅水施設
計
数量
1,000 枚
1 台
1 式
事業費
754
1,370
534
2,658 千円
-3-
補助金額
1,329 千円
備 考
24,000本挿付
早生有用広葉樹等を活用した短伐期林業に関する研究
(平成24年度~平成26年度)
成 長 特 性
材 質 特 性
成果
成果
チャンチンモドキ
14
300
0.4
200
0.2
コウヨウザン
100
5
10
15
20
スギ
25
1番玉
樹齢(年生)
2番玉
3番玉
10
8
6
4
コウヨウザン
2
チャンチンモドキ
0
0.0
動的ヤング率
12
400
スギ
容積密度(kg/m3)
材積(m3)
0.6
容積密度
500
コウヨウザン
動的ヤング率(Gpa)
0.8
樹幹解析
チャンチンモドキ
スギ
0
4番玉
1番玉
3番玉
4番玉
2樹種ともにスギと同程度
2樹種ともにスギと同程度
コウヨウザン>スギ
チャンチンモドキ>スギ
2番玉
容積密度・動的ヤング率の観点からは
スギと同程度の品質が得られる
スギよりも材積成長が優れている
今後
①乾燥試験・曲げ試験
②用途の検討
育 苗 技 術
成果 コウヨウザン挿木による発根試験
ガラス室内
成果 チャンチンモドキ播種による発芽試験
露地
最適挿し付け条件
用土:バーク+バーミキュライト
穂長:20cm
容器:プランター
播種条件
露地
ガラス室
最適条件
穂長:20cm
発芽率(%)
68.8
87.5
発芽率が高く、播種による育苗に適している
今後
発根率:100%
発根率:48.3%
水分ストレスを受けやすい樹種か?
(保育技術で後述)
露地<<ガラス室
挿し付け時期が問題?(露地は5月初旬に挿し付け)
①根切り
②台切り試験
今後 ①適期試験により挿し付け適期を検討
水分ストレスに強い
苗作りの検討
造 林 ・ 保 育 技 術
成果
樹種別成長量(国東)
50
30
チャンチンモドキ先枯れ本数割合
60
b
a
a
10
-10
先枯れ本数割合(%)
平均樹高成長(cm)
70
国東
佐伯
大分3月
大分4月
50
40
30
20
10
0
-30
コウヨウザン
スギ
チャンチン
モドキ
今後 ①植栽後2年目の成長特性を把握
5
6
7
8
9
10
11
植栽後~夏期
コウヨウザンはスギと同程度の成長
2年目以降に差が出る?
チャンチンモドキは先枯れしやすい
水分ストレスに弱い?
佐伯では秋期も先枯れが発生
適地ではない?
先枯れ発生時期(月)
②試験地間の環境条件の違いの分析 適地の条件を検討
-4-
コウヨウザン
熊本県菊池市
54年生(2013.7.2撮影)
国東市
(2013.3.12植栽 2013.9.26撮影)
熊本県菊池市
54年生立木 伐採後の萌芽の様子
(2012.12.5伐採 2013.10.29撮影)
チャンチンモドキ
日田市
21年生(2013.5.29撮影)
国東市
(2013.3.12植栽 2013.10.30撮影)
-5-
場内
1年生苗の地上部と地下部
(2013.4.5播種 2013.11.9掘り取り)
課題:災害に強い森林づくり
災害に強い森林づくりについて
(流木被害森林緊急整備事業の着手について)
1.概要
平成24年6月30日から7月14日にかけての3回にわたる集中豪雨は、竹田市、中津
市、日田市を中心に県内各地に甚大な被害をもたらしたが、集中豪雨に加え、流木の
発生が被害の拡大を招いたと指摘されている。
そこで、本年3月に策定した「次世代の大分森林づくりビジョン」では、「河川沿
いの広葉樹林化」や「尾根・急傾斜地の針広混交林化」を基本とする災害に強い森林
づくりのための施業・管理方法を示した。さらに河川沿いの広葉樹林化を目指す具体
的な事業として「流木被害森林緊急整備事業」を今年度からの新規事業として開始し
た。
2.これまでの経緯
・平成24年 7月
:九州北部豪雨災害により竹田市の吐合川をはじめとする河川にお
いて流木被害が発生。山地災害や流木被害等を軽減する「災害に強
い森林づくり」の整備が急務となった。
・平成24年11月
:専門家(林野庁、(独)森林総合研究所)を入れての現地調査を
竹田市及び日田市で実施し、対策の進め方を検討。
・平成25年 3月
:次世代の大分森林づくりビジョンの策定
・平成25年 3月
:流木被害森林緊急整備事業を事業化
・平成25年 6月
:竹田市が事業計画を策定
・平成25年10月18日:竹田市が本工事に着手
3.事業内容
目
的 : 流木の発生や河岸浸食等の危険性・緊急性が高い人工林の自然植生の回復、
広葉樹林化
対
象 : 浸食等による流木発生の危険性・緊急性が高い人工林
事業主体 : 市町村(所有者と協定を締結)
(森林環境税を活用して、県から市町村へ補助するもの)
事業内容 : ・河川沿いの人工林の帯状伐採及び強度間伐 ※1
・伐採木は、流出しないよう搬出又は再浸食・崩落の恐れのない区域に固
定し整理
・伐採後は天然更新による広葉樹林化・針広混交林化を図る。ただし、天
然更新が見込めない場合は、潜在自然植生を考慮した広葉樹を植栽できる
こととする。
※1 強度間伐とは、地面に光が入り、広葉樹が侵入可能となる程度の間伐
(間伐率40%以上)
-6-
4.標準的な事業イメージ
①被災状況
②現状
流出したスギ
浸食・流出
増水
河川
再浸食・崩落の
おそれがある区域
浸食の危険の
少ない河岸
強度間伐
③事業イメージ
④将来(広葉樹林化・針広混交林化)
帯状伐採
(5~10m幅)
強度間伐
伐採木を固定
天然更新
天然更新
伐採木は搬出
5.事業の全体計画
面積
H25
H26
H27
合計
81 ha
85 ha
84 ha
250 ha
6.平成25年度事業計画(見込)
面積(ha) 交付決定(着手)
備考
竹田市
23.8
6月下旬
10月18日 本工事に着手
中津市
15.0
12月上旬
11月1日市森林整備計画の変更手続開始
日田市
23.0
1月中旬
現地調査中、12月に市森林整備計画変更
玖珠町
7.2
11月下旬
町森林整備計画変更済
由布市
12.0
12月中旬
市森林整備計画変更済、詳細な現地調査中
・中津市、日田市、玖珠町、由布市については、当初予算で予算編成していなかっ
たため、9月補正後の事業着手となる。
-7-
課題:素材生産の機械化(低コスト化)
新作業システムの構築①
ラジコン
搬機
上げ荷集材
繊維ロープ
25年度の取組
○操作研修及び工程調査
期 日 平成25年5月20日~31日
場 所 佐伯市(森林組合皆伐地)
※住友林業(株)事業地
面 積 3ha 樹種 スギ50年生
研修生 6人( 3事業体)
生産性 18㎥/人日(3人作業)
○海外研修
期 日 平成25年10月21日~31日
場 所 オーストリア(コンラッド社)
研修生 3人( 3事業体)
○タワーヤーダの県内導入
事業主体 森林ネットおおいた
活用事業 先進的林業機械緊急実証・
普及事業(国庫100%)
導入年月 平成26年1月
工程調査 平成26年2月5日~8日
現地検討会 平成26年2月12日
今後の取組(案)
○タワーヤーダの普及推進
森林ネットおおいたが認定林業事業体に
リース方式により活用推進を図る。
○県内操作研修 リース先の事業地で2回
○海外研修(当初予算要求中)
場所 オーストリア(コンラッド社)
研修生 5人( 5事業体)
スカイライン長
最大600m
-8-
新作業システムの構築②
間伐生産性7㎥/人日実現への取組み
ロングリーチフェラバンチャ
○新たな車両系作業システムの確立
【緩傾斜地(0~25°)】
・集約化団地拡大等による1事業地の素材生
産量の増大
・ロングリーチフェラバンチャ等の導入(改良)
による集材作業・作業道開設の効率化
25年度の取組
○既設機械の改良
※ロングリーチ等への改良
・事業主体 認定林業事業体等
・補助率 定額(上限9800千円)
○既設機械のアタッチメント切替
※フェラーバンチャ、ハーベスタ等への
ヘッドの切替
・事業主体 認定林業事業体等
・補助率 1/2以内
○工程調査
※7㎥達成に向けての課題等の把握
・委託先 森林ネットおおいた
ロングアームグラップル
運転席を水平に保つ
スタビライザー付き
今後の取組(案)
○既設機械の改良
○既設機械のアタッチメント切替
○作業システム研修
①ロングアームを活用した作業システム
・研修規模・人数:2日×3回×10名
・研修内容:効率的な集材作業
②ザウルスロボを活用した作業システム
・研修規模・人数:2日×3回×10名
・研修内容:伐倒機能付き掘削機による
効率的な作業道開設
フェラーバンチャ
(ザウルスロボ)
バケットで道作り・根株掘り
-9-
課題:竹林整備
竹林の課題と対策
竹林
1 竹林面積は増加傾向(13,548ha 民有林の3.4%)
2 竹林整備は事業費が嵩む
(広葉樹林化の場合200~300万円/haを要し、全ての整備は不可能)
3 竹林の場所
基本的に整備対象外(支障とならない場合)
① 奥地
②
③
④
⑤
観光地
幹線道路沿線
(観光地と観光地をつなぐ道路)
公共施設周辺
集落周辺
市町村等が計画的に実施
②③④・・・景観改善
⑤
・・・鳥獣害対策
地域実情、県民要望による事業の選択
(1)竹林再生事業
①広葉樹林化
②景観保全
③優良竹林化
④処理効率化
(2)公共造林事業
(国庫補助)
スギ・ヒノキ人工林へ
の侵入竹を除去
(3)県民提案事業
(森林環境税)
NPO,ボランティア団体等の提
案による竹林整備、森林体験
活動(伐竹、たけのこ掘り、
炭焼き体験等)の実施、地域
行事(うすき竹宵、日田千年
あかり等)にも活用
-10-
(4)他部局の竹関係
事業(森林環境税)
商工労働部(流通・加工)
●県産竹材利用促進事業
●竹工芸品海外販路開拓事業
今後の竹林整備事業について(案)
-11-
課題:獣害(シカ)対策
簡易ネットを使ってクヌギ萌芽を
シカ食害から守ろう!!
クヌギ萌芽を食害するシカ
防鳥ネットによる防除
遮光ネットによる防除
クヌギを伐採した後に株から伸びる萌芽は、シカの食害を受け続けると株そのものが枯死してしま
うことから、将来の原木供給に影響を及ぼすことが懸念されています。
クヌギ萌芽は、成長が早く、短期間でシカの食害を受けにくい高さまで成長するため、林業研究部
では、この特徴を生かした防除方法の研究を行ってきました。
クヌギ萌芽をシカの食害から守るため、簡易ネットを使い、低コストに防除する方法をとりまとめま
したので、積極的にご活用いただければ幸いです。
大分県農林水産研究指導センター 林業研究部
平成26年2月
-12-
① 萌芽は成長が早い!春先の新芽を防除することが重要!!
◇防除する期間は?
食害を受けた株
1~2年でシカの口が届かない高さまで成長
2m以上になるまで防除する!!
※現地の状況を見て判断する
クヌギ伐採後2年守ればOK!
枯死することもある
250
シカの口が届かない高さの目安
平均樹 高(cm)
200
150
100
50
※成長の良いクヌギの例
0
食害を受けて枯死した株
5月
6月
7月
8月
10月
12月
② 1年目に食害を受けてもあきらめない!翌年の新芽を守れば大丈夫!!
◇防除後の成長は?
100
250
80
200
平均樹高(cm)
生存率(%)
◇食害に対する株の耐久性は?
60
40
防除前
防除後
150
100
50
20
0
0
1年後
2年後
防除前
3年後
防除1年後
防除2年後
食害を受け始めてからの経過年数
2年続けて食害を受けると株の生存率が低下
株数を維持していくには、
食害を受けていても防除後の
萌芽は順調に成長した
2年続けて食べられないようにする!
株が生きていれば、防除後の
成長は期待できる!!
-13-
③ 簡易ネットの長所を生かして萌芽を守る!!
コストや施工性の面から簡易なネットを使った防除方法を検討したところ、
★遮光ネットは風の影響を受けにくい場所や立木がある場所が効果的
★防鳥ネットは定期的に補修ができる場所が低コストで効果的
ということが分かりました。
・防除資材の特徴(一般的なシカネットを基準)
防除効果
資材費
施工性
長所
短所
―
―
シカネット
(基準値)
単木防除
◎
750円/m
◎
◎
650円/本
○
防除効果は高い
遮光ネット
◎
476円/m
◎
目隠し効果
防鳥ネット
○
239円/m
◎
忌避剤
△
2,500円/㍑
◎
軽量で安価
細かい目合い
手間がかからない
枝条利用
△
0円
△
資材費なし
萌芽の倒伏が発生
手間がかかる
風の影響を強く受ける
破れ易い
効果の持続が困難
新芽に薬害の恐れがある
設置に手間がかかる
風による倒壊
・遮光ネットの効果試験(設置1年後の外と内の様子)
外側
内側
食害を受けて
成長していない
ネット内のクヌギは
順調に成長
ネット内の萌芽は順調に成長しているのに対し、外の萌芽は食害で成長できていないことがわかります。
④ 適正な管理を行なってこそ効果的な防除ができる!!
・ネットを張った時からが、防除のスタートです。
・定期的な見回りや補修を行えば、簡易ネットでも防除ができます。
・風で破損したり、シカによって破られた箇所を適宜に補修してください。
-14-
◇遮光ネットの設置方法
・遮光ネットは、萌芽を見えにくくすることや先が見通せないことによって警戒心を増大させるなどの効果
があります。風の影響を大きく受けるため、立木を利用して設置すると効果的です。
1m
遮光ネット設置の仕様
立木を利用して
設置する
巻き結びが便利
アイクリップを
使って留める
ロープと支柱を
番線で留める
隙間のないよう
に留める
1.8m
外側に折り返す
アイクリップ
巻き結び
遮光ネットの施工例
20cm
2.5m
材料
ポイント
設置手順
① 遮光ネット
(2×50m・遮光率約40%)
※カラミ織りが丈夫
② 支柱
③ ロープ
④ アンカー
⑤ アイクリップ
⑥ 番線
① 使用する立木の間に2.5m間隔
で支柱を打ち込む
② ネットを留めるロープをまわす
③ ロープとネットを1m間隔でアイ
クリップを使用して留める
④ 外側に折り返したネットに1m間
隔でアンカーを打ち込む
⑤ 番線で支柱とロープを留める
① 立木を利用して設置する
※伐採時に支柱となる立木を残す
② 柔軟性のある支柱を使用する
③ ネットの下20cmを外側に折り返す
④ 下はすき間のないようにする
◇防鳥ネットの設置方法
・防鳥ネットは、目合いが細かく低コストで設置できるため、定期的な見回りと補修が可能な場所では、
防除効果が期待できます。
・破れやすいため、ネットをゆるく設置して伸縮性を持たせると、耐久性を補い、補修もしやすくなります。
防鳥ネット設置の仕様
ロープと支柱を
番線で留める
1.8m
下は隙間のな
いように留める
防鳥ネットの施工例
1m
5m
材料
設置手順
ポイント
① 防鳥ネット
(2×54m・3cm目合い)
② 支柱
③ ロープ
④ アンカー
⑤ 番線
基本的には他のネットの設置と同様です
① 5m間隔で支柱を打ち込む
② ネットの上下にロープを通す
③ 支柱にロープを張りながらネットを展
開させていく
④ 下のロープに1m間隔でアンカーを打
ち込む
⑤ 番線で支柱とロープを留める
① 定期的な見回りと補修が可能な
場所であること
② かなりゆるめに張る(支柱5m間隔
にネットを7m程使用して設置)
※ネットに伸縮性を持たせるため
※補修がしやすくなる
③ 支柱の間隔は広めにする
④ 下はすき間のないようにする
-15-
課題:木材の需要拡大
木材の需要拡大
1 効率的な加工体制整備
乾燥機の導入等、製材工場の規模拡大や高品質乾燥材の生産量増加に向けた取組みを支援
2 製材品の需要拡大対策
公共建築物の木造化や丸太の海外輸出の促進、県外販路の拡大等、県産材の需要拡大対策を支援
1-① 製材工場の規模拡大
1-② 高品質乾燥材の生産拡大
○佐伯広域森林組合
宇目工場の製材機
○佐伯広域森林組合
宇目工場の乾燥機
*年間原木消費量
約11万m3
*H24県内乾燥材生産量
約14万m3
全国 6位
*製材品の乾燥材率
30%
全国18位
原木消費量10万m3
以上の製材工場は
県内に2社
2-① 県外販路の拡大
2-② 県内需要の拡大
○中国向け丸太の船積
○木造の幼稚園
カトリック臼杵幼稚園
(木材使用量178m3)
*H24丸太輸出量
9,618m3
*H25県関係公共建築物
50棟の木造・内装木
質化率
100%
*H25丸太輸出見込量
18,500m3
-16-
CLTの普及支援
CLTとは
○Cross Laminated Timber の頭文字を取った略称
○1993年頃欧州で開発され、木材を板状に加工したラミナ(挽き板)を、
面状に接着パネル化し、繊維方向が直交するように、積層接着したもの
○節などの欠点材を有効活用でき、欠点分散できることで、性能が均一化し、
面材として中層・大規模建築にも活用できる
鉄筋コンクリートに代わる材料として注目されている
・法整備以降、大型物件木造化の更なる推進が期待できる
・地域材標準使用量:0.38m3/m2と在来工法の約2倍
現
状
<国の動き>
○類似工法の製作等を行ってきたメーカーを中心に、
日本CLT協会を立ち上げて強度性能等の試験実施
○H25年12月にJAS規格に登載され、建築部材と
しての製品規格が定義付けされた
<業界の動向>
○日本CLT協会会長の銘建工業が意欲的に活動
○高知県でCLT建築促進協議会を発足させ、おおとよ
製材社員寮をCLTで建設
○同協議会は、CLTに対応できる建築士の育成と公共
建築物のCLT工法による建設推進に注力している
課
題
<国の取組み>
○建築基準法改正等の条件整備による一般工法としての確立
・材料強度、接合部材力の確認
H26年度より3年以内
・材料の面構造体としての定義付け
に法的条件を整備
・構造の建築工法としての定義付け
(建築基準法等)
・材料、工法の防耐火性能の確認
<県内>
○学識経験者、建築業・木材関係者を構成員とする産学官
一体となったCLT利用促進協議会の設立
○CLT構造躯体モデル(3坪ハウス)設置、研修会開催
・建築材料としてのCLTの建築士等への認知度の向上
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CLTの利用促進による県産材利用の拡大
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