デジカメ動画」 撮影&活用テクニック 「 デジカメ動画」撮影&活用テクニック 特別講座 「 手軽に撮って多彩に楽しむ デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、スマートフォ 特別講座 ンなど、動画を撮影してパソコンに取り込める機器が 増えている。取り込んだ動画は、編集して配布したり ネット公開したりできる。この連載では、デジカメを中 第 1 回 機器ごとの特徴を理解して使い分ける 心に動画関連のノウハウを紹介する。今回は、機器ご との特徴を見ていこう。(田中 雄二=フリーライター) でさえ、HD 動画に対応する製品が ある。ちょっとしたスナップ動画を 撮影する用途であれば、十分な機能 スマートフォンや 携帯電話 デジタルカメラ パソコン用 Web カメラ HD 動画をパソコンに取り込んで活用 図 1 デジタルビデオカメラだけでなく、デジタルカメラやスマートフォン、パソコンの Web カ メラなど、動画を撮影できる機器は多い。高品質のハイビジョン(HD) 動画への対応も増えた。 撮影した動画は、パソコンに取り込める ●パソコンを使えば多彩な活用ができる 図 2 容量の大きい HD 動画は、ハードディス クやブルーレイディスクなどに保存して管理 したい。他の人に見せたいときは、ディスク に書き込んで渡したり、ネットの動画共有サ イトで公開したりする。家の中なら、パソコ ンをサーバーにして他の機器で視聴もできる 84 ブルーレイディスク や DVD に保存 日経パソコン 2012.2.27 無線 LAN 経由で 他の機器で視聴 動画サイトで公開 動画用の機能や使い勝手は、 ● デジタルビデオカメラより劣る部分がある ら、やり方次第ではビデオカメラよ 一方、動画がメインのビデオカメ 図 3 コンパクトデジカメでもフル HD 動画対応機器が増えている。スナップ的な動画撮影なら デジカメでも十分。大口径レンズのデジタル一眼なら、背景をぼかすなどデジタルビデオカメラ 以上の絵作りも可能だ。写真はソニーのミラーレス一眼「NEX-5N」 (ボディーのみの実勢価格は 6 万 2000 円前後) 。動画の手ぶれ補正機能を備え、フル HD 動画に対応する 動画の撮影が可能な機器が増えて で簡単に操作できる作りになってい きている。従来はデジタルビデオカ るが、大型のデジカメは両手での操 メラが主役だったが、今ではデジタ 作が必要で、扱いがやや面倒。また、 ルカメラも動画対応は当たり前。ス 画像がぶれないようにする「手ぶれ マートフォンや携帯電話でも動画の 補正」機能も、動画撮影時には弱い 撮影は可能だ。 パソコンにつなぐ 製品がある。多くのデジカメは、連 Webカメラなどの機器もある(図1) 。 続撮影が 30 分以内に制限されてお 画質の向上も著しい。多くの機器が、 り、ビデオカメラより短い(図 3) 。 高画質なハイビジョン(HD)動画の 撮影に対応するようになった。 本格撮影ならビデオカメラ 撮影した動画は、パソコンに取り デジタルビデオカメラは、気軽に 込むことでいろいろな用途に活用で 購入しやすい価格帯の製品が増えた。 きる(図 2) 。本連載では、動画の撮 前述のように、片手での操作がしや 影に必要な知識と、撮影した動画を すく、動画撮影向けの手ぶれ補正機 パソコンで活用するためのノウハウ 能を搭載。ほとんどの機種が、高倍 を紹介していく。今回は、動画撮影 率のズーム機能を備える。運動会な が可能な主要機器とそれぞれの特徴 どでは、ビデオカメラのほうが、手 について解説する。 軽に動画を撮影できる。 デジカメでも動画はOK 多くのビデオカメラは、静止画を 撮影する機能も搭載している。ただ パソコンで利用可能な動画を撮影 し、画質的にはコンパクトデジカメ できる機器のカテゴリ ー としては 並みのものが多い(図 4) 。 動画撮影では、聞きなれない用語 最近の動画撮影機器では「 フル スナップ動画なら、スマートフォ が多く出てくる。適切な設定で撮影 HD」がキーワードになっている。こ カメラ」 「スマートフォンや携帯電話」 ンや携帯電話もお薦めだ。画質とい するために、これらの用語について れは画像サイズの一つであり(図 7) 、 が挙げられる。 う点ではいまひとつの機種が多いが、 知っておこう。 デジタルカメラは本来、写真(静 撮影した動画をその場でインターネ 最初に覚えたいのは「画質」に関 ル HD だ。一般には、サイズが大き 止画)撮影が主目的だが、ほとんど ットの動画共有サイトにアップロー する用語だ。図 6 の「画像サイズ」 「フ いほど画質が良い。 の機種で動画の撮影も可能だ。画質 ドするなど、通信機能を生かした使 レームレート」 「ビットレート」を理 「フレームレート」は、1 秒間に表 は意外に高く、コンパクトデジカメ い方が簡単にできる(図 5) 。 解しておこう。 示する画像のコマ数。 「60p」 「 60i」 「デジタルカメラ」 「 デジタルビデオ 外付け HDD や USB メモリーに保存 大口径レンズを使う一眼タイプなら、 ● プロ機材レベルの絵作りも 作りが可能な一眼レフのデジカメな りも美しい動画を撮影できる。 ▶フル HD 動画への対応が増加 ● コンパクトデジカメでもフル HD 動画に対応 特に、背景をぼかすなど高度な絵 えば操作性だ。ビデオカメラは片手 デジタル ビデオカメラ デジタルカメラ を備えている。 ラに比べ、使いにくい点もある。例 ●さまざまな機器でハイビジョン動画の撮影が可能に ●動画撮影が可能な主要機器とその特徴 デジタルビデオカメラ ▶動画撮影に向く機能と使い勝手 手ぶれ補正や高倍率ズームなど、 ● 動画撮影の機能が充実 ● デジカメよりも長時間の録画が可能 ● 静止画は、デジカメより画質が劣ることが多い 図 4 フル HD 動画対応、手ぶれ補正、高倍率ズーム、片手で使える操作性など、動画撮影のた めの便利機能が充実。運動会などでの動画撮影にはビデオカメラが最適。写真はフル HD 動画撮 影が可能なパナソニックの「HC-V700M」 (実勢価格は 9 万 1000 円前後) 。オプションで 3D 動 画の撮影にも対応する スマートフォン/携帯電話 ▶その場で動画共有サイトへの投稿も 画質はそれなりだが、 ● フル HD 動画の撮影が可能な製品も登場 その場でネットにつなぎ、 ● 動画共有サイトへの投稿が可能 ズームや手ぶれ補正機能などは弱く、 ● 運動会などには不向き 図 5 スマートフォンや携帯電話のカメラ機能で、フル HD 動画撮影が 可能な機種が増えている。その場でネットに接続して動画共有サイトに アップロードできるのが魅力。写真はアップルの「iPhone 4S」。800 万画素の撮像素子を搭載し、フル HD 動画の撮影が可能だ 「1920 × 1080」ドットのサイズがフ 日経パソコン 2012.2.27 85
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