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平成26年度
県工事事故防止対策事業計画
平成26年6月
宮
城
県
平成26年度県工事事故防止対策事業計画
本県において,昭和53年に7人が死亡した土砂崩壊事故をきっかけとして設置された「県工
事事故防止対策委員会」により,平成8年に第1次県工事事故防止対策推進計画(5ヶ年計画)
が策定され,以来5ヶ年ごとに策定し,事故防止に努めてまいりました。
平成26年度県工事事故防止対策事業計画は,平成24年に策定された第4次県工事事故防止
対策推進計画(平成24年~28年)に基づく年次計画となります。
Ⅰ.重点事項
◎労働災害の防止
「労働災害の予防」
東日本大震災以降,復旧・復興工事の本格化に伴い労働災害が急増しており,平成25年
(暦年)における死傷者数(軽微な事故を含む)は143人で,前年比55人増加(約1.
6倍)しています。災害復旧・復興工事を円滑に進めるうえで,労働災害防止対策が一つの
大きな課題となっています。
災害復旧・復興工事の本格化に伴い,新規就労者や県外からの労働者が増加し,これらの
方の労働災害が増加しており平成25年度は2件の死亡事故が発生しています。
このため,宮城県では,平成26年度の重点事項として「労働災害の予防」(快適な職場
環境づくり実施に向けた取組)に以下の観点から積極的に取り組むこととします。
1.新規就労者や県外からの労働者への対応
新規就労者や県外からの労働者が安全で働きやすい快適な職場環境づくりを実現す
るため,リスクアセスメントの導入促進,施工体制の適正化を徹底し,労働災害の予
防,死亡災害の撲滅を図ります。
2.災害公営住宅新築工事及び大規模工事への対応
東日本大震災で被災した沿岸部では,災害公営住宅新築工事や大規模工事が本格化
することから,これらの工事での労働災害の予防の取り組みを重点的に実施します。
3.外部専門家による現場安全点検等の実施
復旧・復興工事等での労働災害を予防するため,安全管理監督職員による現場安全
点検のほか,安全衛生コンサルタント等の外部専門家による現場の安全点検や安全講
習会を積極的に実施します。
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Ⅱ.事故防止対策事業
1 安全文化の創造
(1)法令等の遵守
①工事現場安全点検等の実施
【工事現場の点検】
「県工事安全管理監督規程(昭和54年4月1日施行)」及び「県工事安全管理監督実施要綱
(平成17年4月1日施行)」に基づき,安全管理監督職員を約200名配置し,建設工事の安
全かつ適正な施工を図りつつ,労働災害の防止及び安全確保に努めます。
各工事現場における安全点検は,各課(室)・地方公所毎に実施するとともに,各地区
労働災害防止連絡会議による合同安全点検,安全衛生コンサルタント等の外部専門家によ
る安全点検を実施します。
目標は延べ約1,200箇所に対して点検を行います。
【安全点検の重点ポイント】
・危険レベルが高く発生頻度の高い下記項目を重点ポイントに設定し点検。
①崩壊・倒壊
・・・土砂崩壊対策(切土盛土勾配,土留先行工法等)
②墜落・転落
・・・足場からの転落・墜落(昇降設備,2段手すり及び幅木)
③建 設 機 械
・・・重機(バックホウ,クレーン)との接触(重機と人の分離,合図者配置等)
クレーン等安全規則の遵守
クレーン機能付きバックホウの適正な使用
合図者の重機誘導専念
・潜水作業における作業手順等に,危険性又は有害性の発生の恐れがないか確認。
・作業手順書,車両系建設機械作業計画書等を確認しその実施状況を確認。
・施工計画書やKY活動等におけるリスクアセスメントの取り組み状況の確認。
・公衆災害の防止対策について下記項目を重点ポイントに設定し点検。
①第三者に対する作業場の立入禁止対策の確認
②建設機械による架空線や埋設物等との接触防止対策の確認
③保安施設,注意看板等の適正な設置状況の確認
②安全衛生管理計画等の確認
現場の実態を踏まえた施工計画書を作成するよう指導します。特に,設計変更がある場
合は,施工計画書等の関係書類の作成,提出を徹底します。施工計画書の安全衛生管理計
画に関する事項(宮城県土木部制定施工計画書作成要領(案)に規定)については,監督職員
だけでなく安全管理監督職員等を含めて確認します。
【施工計画書における重点ポイント】
1.適切な施工機械の選定
2.具体的な施工方法の記載
3.施工方法の現地との整合性
4.安全衛生管理組織体制
5.リスクアセスメントの記載
③安全衛生管理の手引きの活用
平成26年3月に「監督員のための安全衛生管理の手引き」を策定。安全管理に必要な
知識をまとめ,発注者だけではなく,建設業者の方でも活用できるようホームページに掲
載し,内容の充実を図っていきます。
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(2)研修機会の拡充
①安全講習会等の実施
各地区労働災害防止連絡会議主催の施工業者を対象にした安全管理講習会と,各発注機
関毎の安全管理講習会を実施します。また,復旧・復興工事では大規模工事が本格化し,
元請業者の現場管理に対する役割が非常に重要となることから,現場代理人等を対象とし
た安全講習会を開催します。
各安全講習会等の延べ受講者約2,700人を目標に実施します。
【講習テーマ】
リスクアセスメント,墜落・転落災害防止対策(ハーネス型安全帯),
快適な職場環境づくり
②安全管理研修の実施
発注者対象の安全管理研修においては,特に若手職員を中心とし,県職員だけではなく
市町村職員を含めた講習・勉強会を開催します。講師は,労働基準監督署,安全衛生管理
士,安全衛生コンサルタント等に依頼し,工事発注者としてのスキルアップを図ります。
また,安全パトロールは,安全管理監督職員と工事監督員(若手職員等)による合同パ
トロールを行い,実践的な安全点検の実施能力の向上を図ります。
③労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)の普及
安全衛生に係るリスクの低減に効果的で,厚生労働省が推進している「労働安全衛生マ
ネジメントシステム(OHSMS:Occupational Health & Safety Management System)」導
入を推奨していきます。マネジメントシステムを導入する基盤作りのため,研修会等を通
して普及の推進を図ります。
④継続教育(CPD)の普及
各地区労働災害防止連絡会議で開催する請負業者向け安全講習会を継続教育(CPD
:Continuing Professional Development:技術者の継続的な専門教育)対象と位置づけて,
受講者が配置技術者となった場合の労働安全衛生の意識向上を図ります。
(3)安全情報の一般公開
①工事現場のオープン化
注目度の高い工事現場では,各団体,学校等からの現場見学希望について積極的に対応
することにより,現場の安全管理を再度徹底する機会とします。
②安全情報公開の促進
下記の内容をホームページに掲載します。
・第4次県工事事故防止対策推進計画の概要
・県工事における工事関係者事故の統計
・宮城県建設工事事故防止対策推進大会の概要
・監督員のための安全衛生管理の手引き
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(4)優れた施工業者の選定
①入札制度の改善
総合評価落札方式により,価格だけではなく,技術力に優れた施工業者を選定し,安全
管理を含む工事の品質を確保していきます。
②工事成績への適正な反映
平成25年4月から「県工事成績調書におけるリスクアセスメントの加点措置要領」を
施行し,リスクアセスメントを実施した場合,工事成績調書の創意工夫の項目で最大2点
を加点します。
安全管理が不適切な場合,減点することを徹底します。また監督職員からの文書による
改善指示が行われた場合「企業評価(不誠実な行為)データベース」に記載し総合評価落札
方式における企業評価の一項目である「不誠実な行為」へ反映させていきます。
③工事関係者の表彰
「宮城県建設工事事故防止優良者表彰事務取扱要領(平成3年1月11日施行)」に基づき,
宮城県建設工事事故防止対策推進大会において,優良な工事関係者を表彰します。建設工
事入札参加登録資格審査(主観的事項)において,受賞者が所属する事業者に加点(過去
5年間分,1件10点(最高20点))されるほか総合評価落札方式においても加点され
ます。
東北地方安全施工推進大会(SAFETY)を国土交通省東北地方整備局と共催し,事
故防止優良企業表彰等を行います。
④安全管理措置の不徹底に対する罰則
「建設工事入札参加業者等指名停止要領(昭和60年7月8日施行)」に基づき,安全管理措
置の不適切についての措置要件に該当するときは,情状に応じて期間を定め当該有資格者
について指名停止等の措置を行います。
建設工事入札参加登録資格審査(主観的事項)において,指名停止を受けた事業者は減
点されます。(過去2年間分,月数×-10点)
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労働災害の防止
(1)労働災害の予防(平成26年度重点事項)
①リスクアセスメントの実施に向けた取組
平成18年4月に改正された,「労働安全衛生法第28条の2及び同第2項」に基づい
て厚生労働省より通達された「危険性又は有害性の調査等に関する指針」に従い,リスク
アセスメントの実施に向けた取組をします。
このリスクアセスメント導入によって,現場に潜在し労働災害の発生をもたらす「危険
性・有害性」を作業前に把握し,その把握した危険性・有害性に対して適切な低減措置を
行うことにより,災害防止が図れ,安全衛生管理水準の向上が期待できます。
平成25年4月から「県工事成績調書におけるリスクアセスメントの加点措置要領」を
施行し,リスクアセスメントを実施した場合,工事成績調書の創意工夫の項目で最大2点
を加点評価することとし,施工業者に対してリスクアセスメントの導入を促進します。
また,実施時期については下記のとおりとし,その実施状況については書面で確認する
ものとします。
・着手前:施工計画書にリスクアセスメントに関する事項を記載し計画的に実施すること
・作業・工法等の変更時:作業方法の変更に伴うリスクを把握し,それに対応した計画を
作成し実施すること
・労働者の入替時:新規入場者に対して,意識啓発するとともに,職場全体で定期的に確
認し,実施すること
リスクアセスメントの基本的な手順
【手順1】 危険性・有害性(ハザード)の特定
・労働者に負傷や疾病をもたらす物や状況
(災害復旧・復興工事の作業に潜在するハザード)
【手順2】 危険性・有害性ごとのリスクの見積もり
・負傷や疾病の重篤度と発生可能性の度合いの
両者の組合せ
【手順3】 リスク低減のための優先度の設定・
リスク低減措置内容の検討
・危険性・有害性について,それぞれ見積もられた
リスクに基づいて優先度を設定
【手順4】 リスクの低減措置の実施
・リスクの優先度にしたがい,リスクの除去や低減
措置を実施
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②快適な職場環境づくりの実施に向けた取組
仕事による疲労やストレスを感じることのない働きやすい快適な職場環境づくりの導
入に向けて,労働安全衛生法第71条の3の規定により厚生労働大臣から公表された「快
適職場指針」に基づき,以下の項目について取組みます。
・作業環境の管理
・作業方法の改善
・労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
・その他の施設・設備の維持管理
また,県外からの労働者が増加していることから,宿舎等の附属施設についても建設業
附属寄宿舎規程等を遵守しているか点検し,労働者の快適な職場環境を確保します。
③災害復旧・復興工事に向けた取組について
平成24年12月から,みやぎ復旧・復興工事ゼロ災運動推進協議会を設置し,宮城労
働局・労働基準監督署,建設団体,発注機関等が協働して「みやぎ復旧・復興工事ゼロ災
運動」を展開しています。宮城県では,ゼロ災運動推進協議会と連携し,安全衛生活動へ
の取組を推進するとともに,以下の項目について実施していきます。
・高所作業における墜落・転落防止措置の徹底
災害公営住宅新築工事等が本格化することから,高所での墜落・転落を防止す
るための適正な足場,囲い,手すり等の設置を徹底する。また,墜落時の身体へ
の衝撃が少ないハーネス型安全帯の着用促進を図ります。
・重機等による災害防止の徹底
重機と作業員の接触等の安全対策として,立入禁止区域の設定,誘導員の確実な
配置等,目に見える形での立入禁止措置を徹底します。
・土砂崩壊災害防止対策等の徹底
復旧・復興工事においては,東日本大震災の影響により緩みを生じた地山の掘削や斜
面の近傍で各種の工事が行われることが予想されるため,各種建設工事に付随する中小
規模斜面の崩壊防止対策を徹底します。
また,上下水道やガス,電気等のインフラ整備に伴い,小規模な溝掘削工事が多数実
施されることが予想されるため,
「土止め先行工法」の更なる普及に努め,土砂崩壊災
害防止を徹底します。
・災害廃棄物処理場での事故防止対策の徹底
処理場の解体等に伴う災害防止を徹底します。また,有害物質等の飛散防止対策を
徹底します。
・発注者及び近接工事の元方事業者による工事エリア別協議組織の設置開催
・施工体制・施工体系図の確認
労働災害等が発生し,下請隠しや口頭契約など建設業法や派遣法等に違反する行為
が発覚するケースが増加しており,これらの事故の場合,被災作業員は十分な安全衛
生教育を受けていない可能性があります。健全な元下関係の確保や労働者の雇用環境
を改善し,事故の発生を未然に防止するため,施工体制等の点検を強化します。
・現場安全管理の外部委託
復旧・復興工事での労働災害を予防するため,安全衛生コンサルタント等の専門家
に外部委託し,現場の安全点検等の強化を図ります。また,専門家の点検結果に基づ
く職場内研修を実施することにより,監督職員のスキルアップを図ります。
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(2)労働災害の再発防止
①事故調査
事故が発生した場合は,各部局における安全対策委員会を,それぞれの設置要綱及び運
営要領に基づき開催し,類似事故の再発防止対策等に反映します。
また,休業4日以上,全治30日以上の事故が発生した場合は,事故報告書の提出を徹
底し,是正措置及び再発防止対策を確実に実施します。
②建設工事事故対策検討委員会の活用
建設工事事故データベースに事故情報を入力し,国土交通省で設置した検討委員会での
検討結果を県の事故防止対策にも反映させていきます。
(3)工事発注者としての配慮
①安全を考慮した適正な経費の負担
足場からの墜落防止対策として,
「手すり先行工法に関するガイドライン(厚生労働省)
」
に基づく働きやすい安心感のある足場を設置することにより労働災害を未然に防止しま
す。その費用を適切に計上します。
法面からの墜落防止対策として,大規模又は特殊法面工事においては,必要に応じて昇
降設備の設置を推奨し,適切に費用を計上します。
②適切な工期の設定及び工事発注の平準化
工事発注にあたっては,入札執行期間を見据え,前年度中に準備(地元調整,関係機関
協議等)を済ませるとともに,早期積算の実施に努め,工事発注の平準化を図るよう取り
組んでいきます。
③施工条件や工事内容の変更への対応
工事内容の変更を最小限にするとともに,
変更施工計画書の事前提出の徹底を図ります。
また,施工条件等が変化し,やむを得ず工事内容の変更を行う場合には安全管理対策の妥
当性を見直し,必要に応じて対策の変更を行うとともに,それに伴う適正な経費及び工期
変更の措置をとります。
④安全管理の設計審査
各部局の安全対策委員会等を活用し,工事発注時,現場条件の変更時等の各段階にお
いて,安全に配慮した設計内容を審査して建設工事における事故を予防します。
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安全管理体制の充実
(1)安全管理行政の向上
①安全管理監督職員の配置
県工事の工事発注担当各課・各公所に安全管理監督職員を配置し,各課・各公所の安
全点検や安全講習会の実施及び関係機関との連絡体制を確立します。
②事業計画の評価・改善
県工事事故防止対策に関わる以下の会議での審議を経て,平成26年度県工事事故防止
対策事業計画を策定します。
・県工事事故防止対策事務連絡会議(平成26年5月
1日)
・県工事事故防止対策委員会幹事会(平成26年5月21日)
・県工事事故防止対策委員会
(平成26年6月
2日)
また,各課(室)・事務所から報告される実施状況の評価を行い,施策の改善等へ反映
します。
③専門家や関係機関との連携
みやぎ復旧・復興工事ゼロ災運動推進協議会と協働し,「みやぎ復旧・復興工事ゼロ災
運動」の取組について積極的に推進し,労働災害等の防止に努めます。
宮城県・宮城労働局労働災害防止連絡会議(昭和53年11月27日規程施行)を開催し,労
働災害の発生状況及び建設業における労働災害防止対策,並びに建設業に対する監督指導
等について情報交換や協議等を行います。
また,各地区労働災害防止連絡会議を開催するとともに,それぞれの計画に基づき,合
同パトロールや県工事における労働災害防止に関する安全管理講習会を行います。
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