第 3 章 ごみ処理基本計画

第3章
ごみ処理基本計画
第 3 章 ごみ処理基本計画
1.ごみ処理等の現状
(1) ごみ排出量の実績およびその性状
①
ごみ排出量の実績
本市のごみの分別区分および過去 5 年間のごみの種類別排出量の実績は、以下のとおり
です。
平成 19 年 10 月から、益田地区広域クリーンセンターが稼働しており、ステーション収
集困難物も排出されているため、ごみ排出量は平成 19 年度に増加しています。平成 22
年度では 1 人 1 日当たりのごみ総排出量は 909g となり、平成 19 年度に比べて年々減少し
ています。
表 3-1 ごみの分別区分
区分
燃やせるごみ
埋め立てるごみ
内容例
生ごみ、木くず、紙くず、布きれ、紙オムツ、貝殻、使い捨
てカイロ、ストッキング等
陶磁器類、ガラス製品、ゴム製品、プラスチック製品(容器包
装プラスチック以外)、バケツ、おもちゃ、長靴等
ステーション収集困難物
布団類、毛布、カーペット類、畳、よしず、すだれ
木製家具
タンス、イス
容器包装プラスチック
プラスチック製の容器、ビニール袋
廃食用油
植物性油
飲料用カン類
ジュース、ビール等の飲料用のカン
ビン類
飲料用、食用のビン
古紙類
新聞紙、広告、雑誌類、雑紙、ダンボール
ペットボトル
紙パック
家電製品類・金属類
発泡スチロール類
飲料(清涼飲料、酒類等)、特定調味料(しょうゆ、ドレッシン
グ等)
牛乳、ジュース等の飲料用
電気式、充電式電池式の電気製品、
飲料用のカン類以外の金属製品
発泡スチロール製の箱、トレイ、緩衝材
資料:環境衛生課
22
表 3-2 ごみの種類別排出量
区分
人口(人)
燃やせるごみ
埋め立てるごみ
ステーション収集困難物
木製家具
容器包装プラスチック
廃食用油
資 飲料用カン類
収集 源 ビン類
ご 古紙類
生
み ペットボトル
活
系
紙パック
家電製品類・金属類
発泡スチロール類
計
生活系収集原単位(g/人・日)
燃やせるごみ
直接 埋め立てるごみ
搬入 計
生活系直接搬入原単位(g/人・日)
燃やせるごみ
事 収集 事業系収集原単位(t/日)
業
系 直接 燃やせるごみ
搬入 事業系直接搬入原単位(t/日)
ごみ排出量
原単位(g/人・日)
集団回収量
原単位(g/人・日)
ごみ総排出量
原単位(g/人・日)
平成
18年度
52,715
8,404
561
71
633
25
128
486
1,515
125
36
448
12
12,444
647
76
76
4
4,369
12
16,889
878
395
21
17,284
898
平成
19年度
52,120
8,193
589
3
100
638
20
114
457
1,534
132
35
445
16
12,276
645
197
103
300
16
1,153
3
4,122
11
17,851
938
346
18
18,197
957
平成
20年度
51,665
7,707
472
7
104
587
20
103
446
1,352
127
34
374
15
11,348
602
165
106
271
14
1,522
4
4,016
11
17,157
910
334
18
17,491
928
(単位:t/年)
平成
平成
21年度 22年度
51,187 50,770
7,526
7,241
493
504
7
7
109
111
570
569
14
16
105
104
419
410
1,283
1,282
132
139
33
31
388
366
12
10
11,091 10,790
594
582
183
189
163
110
346
299
19
16
1,573
1,524
4
4
3,899
3,909
11
11
16,909 16,522
905
892
306
317
16
17
17,215 16,839
921
909
※四捨五入の関係で合計値が合わない場合があります。
6
※1人1日当たり排出量(g):ごみの排出量(t)÷人口(人)÷365(日)×10 (g/t)
※1日当たり排出量(t):ごみの排出量(t)÷365(日)
※ごみ総排出量は、ごみ排出量と集団回収量を足したものとしています。
※各年度のデータは、4月1日から3月31日までとします。
資料:環境衛生課
23
図 3-1 ごみ排出量
生活系収集ごみ排出量
生活系収集
生活系収集
生活系直接搬入ごみ排出量
生活系直
接搬入ごみ排出量
事業系収集ごみ排出量
事業系収
集ごみ排出量 事業系 直接搬入ごみ排出量
事業系直
接搬入ご み排出量 (t/年)
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
平成18年度
平 成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
資料:環境衛生課
図 3-2 1 人 1 日当たりのごみ排出量、集団回収量
ご み排出量(1人1日当 たり排出量)
ごみ排出量(1人1日当たり排出量)
集団回収量(1人1日当たり回収量)
集団回収量(1人1日
当たり回収量)
(g)
1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
平成18年度
平成19年度
平成 20年度
平成21年 度
平成22年度
資料:環境衛生課
24
図 3-3 現状のごみ処理フロー
収集・直接搬入
【収集・直接搬入】
燃やせるごみ
【直接搬入】
ステーション収集困難物
【収集・直接搬入】
埋め立てるごみ
【収集・直接搬入】
木製家具
【収集・直接搬入】
容器包装プラスチック
中間処理
最終処分
益田地区
広域クリーンセンター
資源化
リサイクル残渣
残渣物等
焼却可能物
下波田埋立処理場
小原一般廃棄物最終処分場
(搬入は平成22年度終了)
益田市
リサイクルプラザ
一般販売
(木製家具の修理再生)
【収集】
廃食用油
廃食用油の燃料化
(ごみ収集車、プラザ重機)
【収集】
飲料用カン類
容器包装プラスチック
(容器包装リサイクル協会)
【収集】
ビン類
【収集】
古紙類
資源物
【収集】
ペットボトル
【収集】
紙パック
業者による資源化
【収集】
家電製品類・金属類
【収集】
発泡スチロール類
集団回収
リターナブルびん
小売店による資源化
(再利用)
※拠点回収は平成 23 年度より廃止しています。
※リターナブルびんとは、洗って繰り返し使用できる瓶の総称をいいます。
資料:環境衛生課
25
②
ごみの性状
益田地区広域クリーンセンターの過去 4 年間のごみ組成(乾物、三成分)と発熱量の実績
は、以下のとおりです。
・ごみ組成
紙・布類の割合は、各年とも全体の半分程度を占めています。
一方、三成分については、水分と可燃分の割合が多くを占めており、可燃分は 30%を超
えています。
・ごみの発熱量
低位発熱量については、平成 19 年から平成 22 年度まで、6,279kJ/kg∼6,782kJ/kg の
間を推移しています。
表 3-3 ごみ組成・発熱量の推移
区分
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
紙・布類(%)
-
54.5
53.7
54.5
55.5
木・竹・わら類(%)
-
5.6
9.3
7.7
7.8
-
17.1
14.8
14.9
12.3
-
17.8
16.9
16.0
17.2
不燃物類(%)
-
1.6
1.3
3.0
1.8
その他(%)
-
3.5
4.0
3.8
5.3
-
258
212
199
189
-
55.6
55.2
54.7
52.5
-
37.5
37.3
37.9
39.4
-
6.9
7.5
7.4
8.1
乾 ビニール・合成樹脂・
物 ゴム・皮革類(%)
割
※1
合 ちゅう芥類 (%)
単位容積重量(kg/m3)
水分(%)
三
成 可燃分(%)
分
灰分(%)
高位発熱量※2
(実測値)
発
※2
熱 低位発熱量
量 (実測値)
総発熱量
(kJ/kg)
-
-
-
8,303
8,796
(kJ/kg)
-
6,607
6,283
6,279
6,782
(kJ/kg)
-
8,658
8,319
-
-
※1 ちゅう芥類 : 生ごみ類
※2 低位発熱量、高位発熱量 : 燃料(ごみ)には水分が含まれているため、水(液体)から水蒸気(気体)にするた
めの熱エネルギー(潜熱)を除いたものを、低位発熱量(真発熱量)と呼びます。
逆に水蒸気の蒸発潜熱を含んだものを高位発熱量(総発熱量)と呼びます。
資料:益田地区広域クリーンセンターの年度別月間分析結果を平均化
26
図 3-4
ごみ組成の推移
紙・布類
紙・布類
木・竹・わら類
木・竹・わら類
ビニール・合成樹脂・ゴム・
合成樹脂・ゴム・皮革類
皮革類
ビニール・
ちゅう芥類
ちゅう芥類
不燃物類
不燃物類
その他
その他
水分
水分
可燃分
可燃分
灰分
灰分
100%
80%
60%
40%
20%
0%
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
資料:益田広域クリーンセンターの年度別分析結果を平均化
図 3-5
高位発熱量
高位発熱量
発熱量の推移
低位発熱量
低位発熱量
総発熱量
総発熱量
(kJ/kg)
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
資料:益田広域クリーンセンターの年度別分析結果を平均化
27
(2) ごみの減量、再生利用
①
資源ごみの回収状況
本市の資源ごみの回収状況の実績は、以下のとおりです。
資源ごみの回収量は、平成 18 年以降減少しており、平成 22 年度では 3,038t となって
います。内訳では、古紙類が同様の傾向を示して減少しています。このことから、資源ご
みの回収量を増やしていくことが重要であると考えられます。
表 3-4
資源ごみの回収状況
(単位:t/年)
区分
木製家具
平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
71
100
104
109
111
633
638
587
570
569
廃食用油
25
20
20
14
16
飲料用カン類
資
源 ビン類
ご 古紙類
み
ペットボトル
128
114
103
105
104
486
457
446
419
410
1,515
1,534
1,352
1,283
1,282
125
132
127
132
139
36
35
34
33
31
448
445
374
388
366
発泡スチロール類
12
16
15
12
10
計
3,479
3,491
3,162
3,065
3,038
容器包装プラスチック
紙パック
家電製品類・金属類
資料:環境衛生課
28
図 3-6
資源ごみの回収状況
木製家具
木製家具
容器包装プラスチック
容器包装プラスチック
廃食用油
廃食用油
飲料用カン類
飲料用カン類
ビン類
ビン類
古紙類
古紙類
ペットボトル
ペットボトル
紙パック
紙パック
家電製品類・金属類
家電製品類・金属類
発泡スチロール類
発泡スチロール類
(t/年)
4000
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
資料:環境衛生課
29
②
集団回収の状況
回収量は、平成 18 年度以降減少し、平成 21 年度には 306t となりましたが、平成 22
年度には 317t に増加しています。区分の内訳をみると、全体のうち紙類の割合がもっと
も大きく、平成 22 年度には全体の 83%を占めていることから、紙類の回収量の増減が集
団回収量の合計値の変動に関与していると考えられます。
表 3-5
集団回収の状況
(単位:t)
区分
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
飲料用カン類(プレス)
15
14
15
16
15
ビ
ン
類
54
40
54
43
38
古
紙
類
326
292
265
247
264
395
346
334
306
317
計
資料:益田市一般廃棄物処理事業実態調査処理状況調査票
図 3-7
(t)
集団回収の状況
飲料用カン類(プレス)
飲料用カン類(プレス)
古紙類
古紙類
ビン類
ビン類
400
300
200
100
0
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
資料:益田市一般廃棄物処理事業実態調査処理状況調査票
30
③
生ごみ処理機器について
生ごみ処理機器の補助実績は、平成 18 年度以降増加し、平成 20 年度には 112 個となり
ましたが、平成 22 年度には 49 個に減少しています。
表 3-6 生ごみ処理機器補助実績
(単位:個)
区分
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
コンポスト
4
31
51
23
26
生ごみ処理機
55
78
61
36
23
計
59
109
112
59
49
※コンポスト(補助額は購入金額の 1/2 助成、上限 5,000 円)
※生ごみ処理機(補助額は購入金額の 1/3 助成、上限 15,000 円)
資料:環境衛生課
図 3-8 生ごみ処理機器補助実績
生ごみ処理機
生ごみ処理機
コンポスト
コンポスト
(個)
120
100
80
60
40
20
0
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
資料:環境衛生課
31
④
レジ袋の削減活動の取り組みについて
レジ袋無料配布中止が平成 23 年 9 月から開始し、平成 23 年 10 月には 6 事業所 16 店舗
まで広がり、3 月末でのマイバック持参率は 89.4%となっています。
表 3-7 レジ袋無料配付中止後のマイバック持参率(H23.9∼H24.3)
調査月
レジ通過者数
有料袋販売枚数
マイバック持参数
マイバック持参率
(A)人
(B)枚
(C=A-B)人
(C/A×100)%
実施事業所数
9 月 末
522,518
77,031
445,487
85.3
5事業所14店舗
10月末
542,451
57,466
484,985
89.4
6事業所16店舗
11月末
513,037
52,810
460,227
89.7
6事業所16店舗
12月末
576,453
65,528
510,925
88.6
6事業所16店舗
1 月 末
499,368
56,017
443,351
88.8
6事業所16店舗
2 月 末
498,627
51,625
447,002
89.6
6事業所16店舗
3 月 末
491,657
51,976
439,681
89.4
6事業所16店舗
3,644,111
412,453
3,231,658
88.7
計
資料:益田市地球温暖化対策地域協議会
32
(3) ごみの中間処理、最終処分の実績
①
中間処理施設および最終処分場の位置、稼働状況
本市の中間処理施設および最終処分場の位置は、以下のとおりです。
中間処理施設は、益田地区広域クリーンセンターおよび益田市リサイクルプラザとなっ
ており、最終処分場は、下波田埋立処理場および小原一般廃棄物最終処分場となっていま
す。
表 3-8 中間処理施設および最終処分場の位置
種類
記号
施設名
A 益田地区広域クリーンセンター
中間処理
B 益田市リサイクルプラザ
B 下波田埋立処理場
最終処分
C 小原一般廃棄物最終処分場
資料:環境衛生課
図 3-9
中間処理施設および最終処分場の位置
浜田市
C
A
美都地域
益田地域
B
益田市
山口県
匹見地域
津和野町
吉賀町
33
広島県
②
中間処理施設の概要
■
益田地区広域クリーンセンター
益田地区広域クリーンセンターは、平成 19 年 10 月に稼働を開始しており、焼却炉およ
び溶融炉の 2 つの施設があります。
焼却炉の処理能力は 62t/日(31t/24h×2 炉)となっており、溶融炉の処理能力は 9.6t/
日(9.6t/24h×1 炉)となっています。
運営は、PFI 方式により展開されており、広域市町村圏事務組合と選定事業者が取り組
んでいます。
表 3-9
益田地区広域クリーンセンターの概要
施設名
益田地区広域クリーンセンター
管理者
益田地区広域市町村圏事務組合
所在地
益田市多田町 1082 番地 7
稼働年月
平成 19 年 10 月
焼却炉
全連続燃焼式(ストーカ炉)
処理能力
62t/日(31t/24h×2 炉)
バーナ溶融方式
溶融炉
処理能力
9.6t/日(9.6t/24h×1 炉)
資料:益田地区広域クリーンセンターパンフレット
表 3-10
益田地区広域クリーンセンターの中間処理量
区分
直接焼却
残渣焼却
合 計
処理残渣
平成20年度
13,410
518
13,928
488
平成21年度
13,181
530
13,711
424
(単位:t/年)
平成22年度
12,863
532
13,395
419
資料:環境衛生課
34
■
益田市リサイクルプラザ
益田市リサイクルプラザは、平成 15 年 4 月に稼働を開始しており、啓発棟および工場
棟の 2 つの棟があります。
啓発棟では、研修室、体験工房、再生品修理室、啓発・展示コーナーなどがあり、市民
の学習やリサイクルの体験の場となっています。また、イベント時には、再生した木製家
具の販売なども行われています。
工場棟では、埋め立てるごみや容器包装プラスチックから、手選別作業により資源物の
抜き取りを行うとともに、廃食用油の燃料化(バイオディーゼル燃料(以下、
「BDF」とい
う。))を行っています。
表 3-11 益田市リサイクルプラザの概要
施
設
名
益田市リサイクルプラザ
管
理
者
益田市
所
在
地
益田市下波田町 490 番地
月
平成 15 年 4 月
棟
研修室、体験工房、再生品修理室、啓発・展示コーナー
稼
働
啓
年
発
工場棟
埋め立てるごみ
3t/日(5h)
容器包装プラスチック
12t/日(5h)
木製家具
1t/日(5h)
廃食用油
400L/日
資料:益田市リサイクルプラザパンフレット
表 3-12
益田市リサイクルプラザの中間処理量
平成
平成
区分
18年度 19年度
搬 埋め立てるごみ
637
692
入
木製家具
71
100
ご 資源ごみ 容器包装プラスチック
633
638
み
廃食用油
25
20
量 計
1,366
1,450
木製家具
5
容器包装プラスチック
555
525
BDF
25
19
中
飲料用カン類
3
3
間 資源ごみ
ビン類
7
6
処
ペットボトル
3
4
理
家電製品類・金属類
7
9
量
発泡スチロール類
0.1
0.1
燃やせるごみ
104
416
埋め立てるごみ
634
376
※四捨五入の関係で合計値が合わない場合があります。
※各年度のデータは、4月1日から3月31日までとします。
平成
20年度
578
104
587
20
1,289
4
480
18
2
4
4
11
0.1
518
245
(単位:t/年)
平成
平成
21年度 22年度
656
614
109
111
570
569
14
16
1,349
1,310
5
7
483
484
14
14
2
2
4
4
2
0.2
11
6
0.0
0.0
530
532
285
286
資料: 益田市リサイクルプラザ施設稼働状況および利用状況
35
③
最終処分場の概要
本市の最終処分場の概要は、以下のとおりです。
下波田埋立処理場は、埋立処分容量約 146,629m3 のうち、残余容量が約 27,314m3(平成
22 年 3 月 31 日)となっています。小原一般廃棄物最終処分場は、埋立処分容量約 7,142m3
のうち、残余容量が約 0m3(平成 22 年度末)となっています。
表 3-13
最終処分場の概要
施設名
下波田埋立処理場
小原一般廃棄物最終処分場
管理者
益田市
益田市
所在地
益田市下波田町 490 番地
益田市美都町小原 1600 番地外 6 筆
供用年度
昭和 60 年
平成 3 年
埋立容量
146,629m3
7,142m3
浸出水処理
生物処理+凝集沈殿+砂ろ過+活性炭
前処理+生物処理+脱窒+凝集沈殿
+砂ろ過+活性炭
3
処理能力
20m3/日
54m /日
資料:パンフレット
表 3-14 最終処分量
(単位:t/年)
区
分
平成20年度
平成21年度
平成22年度
最 終 処 分 量
743
721
718
し 尿 処 分 量
12
13
13
リサイクル残渣
488
424
419
資料:環境衛生課
36
(4) ごみ処理運営、管理体制
①
運営、維持管理体制
ごみの収集運搬の現状については、燃やせるごみ(ステーション収集困難物を除く)は週
2 回、埋め立てるごみ、容器包装プラスチック、飲料用カン類、ビン類、古紙類、ペット
ボトル、紙パックは月 2 回、燃やせるごみ(ステーション収集困難物)は月 1 回、家電製品
類・金属類、発泡スチロール類は 2 ヶ月に 1 回の頻度でステーション方式による収集を行
っています。
その他、引っ越しなど多量のごみが出る場合は、各搬入先へ直接搬入または許可業者に
依頼することとなっています。
表 3-15
ごみの収集・運搬方法
種類
収集・
運搬区分
収集回数
燃やせるごみ
(ステーション収集困難物を除く)
委託業者
週2回
市指定袋
燃やせるごみ
(ステーション収集困難物)
委託業者
月1回
市指定の処理券を貼る
市指定袋
(入らない場合は縦・横・高
さ 2m 以内の容器に入れ、市
指定の処理券を貼付)
区分
収集方法
ステーション方式
個別収集
委託業者
月2回
木製家具
個別収集
随時
容器包装プラスチック
委託業者
月2回
廃食用油
委託業者
随時
飲料用カン類
委託業者
月2回
透明・半透明の袋
ステーション方式
ビン類
委託業者
月2回
透明・半透明の袋
(ビン類の色ごとに分ける)
ステーション方式
古紙類
委託業者
月2回
紐で縛る
(新聞紙、雑誌、ダンボール
等で分別)
ステーション方式
ペットボトル
委託業者
月2回
透明・半透明の袋
ステーション方式
紙パック
委託業者
月2回
紐で縛る
ステーション方式
家電製品類・金属類
委託業者
2 ヶ月に 1 回
家電リサイクル法対象品目
およびパソコンは除く
ステーション方式
発泡スチロール類
委託業者
2 ヶ月に 1 回
透明・半透明の袋
ステーション方式
委託業者
および
許可業者
随時
委託業者回収分(市指定袋)
許可業者回収分(透明・半透
明の袋)
ステーション方式
契約収集
直接搬入者
随時
直接搬入
生活系
埋め立てるごみ
資源ごみ
事業系
燃やせるごみ
直接回収
(要事前申込)
市指定袋
収集タンク、回収車
ステーション方式
個別収集
ステーション方式
拠点回収
直接搬入
※美都、匹見地域については収集回数が異なる場合があります。
※生活介助を要する場合、個別収集を実施します。
※ステーション収集困難物とは、布団類(掛敷、こたつ、座布団)、毛布、カーペット類(電気式を含む)、畳、よしず、
すだれに限ります。
資料:環境衛生課
37
②
一般廃棄物収集運搬許可業者の現状
本市の一般廃棄物収集運搬許可業者の実績は、以下のとおりです。
ごみ収集運搬委託業者の件数は、平成 19 年度以降 7 件と変わっていません。また、ご
み収集運搬許可業者の件数は、平成 18 年以降減少しており、平成 22 年度では 16 件とな
っています。
表 3-16 一般廃棄物収集運搬許可業者の件数
(単位:件)
区
分
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
ごみ収集運搬委託業者
5
7
7
7
7
ごみ収集運搬許可業者
20
19
19
17
16
資料: 益田市一般廃棄物処理事業実態調査処理状況調査票
③
ごみ処理経費
本市のごみ処理経費の実績は、以下のとおりです。
ごみ処理経費は、平成 20 年度以降増加し、平成 21 年度には 785,302 千円となりました
が、平成 22 年度には 760,301 千円に減少しています。
表 3-17 ごみ処理経費
(単位:千円)
区分
人口(人)
平成18年度
平成19年度
平成20年度
平成21年度
平成22年度
52,715
52,120
51,665
51,187
50,770
建
設
・
改
良
費
工事費
2,049
-
-
-
-
調査費
-
-
-
-
-
組合分担金
22,758
11,754
186,794
187,606
187,606
小 計
24,807
11,754
186,794
187,606
187,606
処
理
お
よ
び
維
持
管
理
費
人件費
103,119
84,567
74,028
86,242
89,193
処理費
10,816
17,140
19,177
8,418
8,411
車両等購入費
-
-
-
-
-
委託費
226,080
213,041
222,821
229,715
231,670
組合分担金
200,327
196,102
260,109
268,861
239,476
調査研究費
小 計
その他
合 計
1人当たりのごみ処理経費(千円/人)
-
-
-
-
-
510,850
576,135
593,236
568,750
18,442
4,917
4,460
3,945
565,149
541,046
767,846
785,302
760,301
11
10
15
15
15
540,342
-
資料: 益田市一般廃棄物処理事業実態調査処理状況調査票
38
④
ごみ袋販売収入および資源化物等の売払収入
表 3-18
ごみ袋販売収入および資源化物等の売払収入
(単位:千円)
区分
平成19年度
平成20年度
平成21年度
ごみ袋販売
77,750
88,163
86,357
資源化物売払
15,128
22,921
4,789
容器包装プラ
スチック拠出
合 計
-
92,878
-
111,084
10,434
101,580
平成22年度
85,655 販売手数料6%を除く
内訳:古紙、スチール缶、アル
8,083 ミ缶、ペットボトル、紙パッ
ク、家電金属、発泡スチロール
8,626 内訳:容器包装プラスチック
102,364
※この表は、平成19年10月のごみ袋有料化実施以降の数値となっています。
39
備考
資料:環境衛生課
(5) リサイクル率について
直接資源化される資源ごみに加えて、中間処理施設からリサイクルされるもの、住民団
体による集団回収をあわせて、総資源化量を明らかにするとともに、リサイクル率を算出
します。
表 3-19 益田市の総資源化量とリサイクル率
(単位:t/年)
平成
18年度
128
486
1,515
125
36
448
12
2,750
0
555
25
3
7
3
7
0.1
600
15
54
326
395
3,745
17,284
21.7
区分
直
接
資 資源ごみ
源
化
益田地区広域
クリーン
センター
中
間
処
理 益田市
施 リサイクル
設 プラザ
集
団
資源ごみ
回
収
合計(総資源化量)
ごみ総排出量
リサイクル率(%)
飲料用カン類
ビン類
古紙類
ペットボトル
紙パック
家電製品類・金属類
発泡スチロール類
計
金属類
溶融スラグ
計
木製家具
容器包装プラスチック
BDF
飲料用カン類
ビン類
ペットボトル
家電製品類・金属類
発泡スチロール類
計
飲料用カン類
ビン類
古紙類
計
平成
19年度
114
457
1,534
132
35
445
16
2,733
9
402
411
5
525
19
3
6
4
9
0.1
571
14
40
292
346
4,061
18,197
22.3
平成
20年度
103
446
1,352
127
34
374
15
2,451
15
667
682
4
480
18
2
4
4
11
0.1
523
15
54
265
334
3,990
17,491
22.8
平成
21年度
105
419
1,283
132
33
388
12
2,372
5
682
687
5
483
14
2
4
2
11
0.0
521
16
43
247
306
3,886
17,215
22.6
平成
22年度
104
410
1,282
139
31
366
10
2,342
35
571
606
7
484
14
2
4
0.2
6
0.0
517
15
38
264
317
3,782
16,839
22.5
※四捨五入の関係で合計値が合わない場合があります。
※リサイクル率:総資源化量÷(ごみ総排出量(収集ごみ量+直接搬入ごみ量+集団回収量))
※各年度のデータは、4月1日から3月31日までとします。
資料:益田市一般廃棄物処理事業実態調査処理状況調査票
40
(6) 近隣他市町の動向
平成 22 年度における近隣他市町の動向は、以下のとおりです。
益田市の 1 人 1 日当たりのごみ総排出量は 909g となっており、浜田市や萩市より少な
くなっています。一方、リサイクル率は 22.5%となっており、浜田市や萩市より低くなっ
ています。
表 3-20
市区町村名
単
近隣他市町の動向
外国人を含めた
総人口
ごみ総排出量
1人1日当たり
ごみ総排出量
リサイクル率
(人)
(t/年)
(g)
(%)
位
益
田
市
50,770
16,839
909
22.5
浜
田
市
60,090
21,487
980
24.3
市
55,485
22,363
1,104
32.3
津 和 野 町
8,763
2,261
707
27.0
吉
7,012
1,366
534
31.6
萩
賀
町
※四捨五入の関係で合計値が合わない場合があります。
※1人1日当たりごみ総排出量(g):ごみの排出量(t)÷人口(人)÷365(日)×106(g/t)
※ごみ総排出量は、ごみ排出量と集団回収量を足したものとしています。
※リサイクル率:総資源化量÷(ごみ総排出量(収集ごみ量+直接搬入ごみ量+集団回収量))
※各年度のデータは、4月1日から3月31日までとします。
※益田市以外のデータは、一般廃棄物処理事業実態調査処理状況調査票(H22)から引用しています。
総人口の差が少ない萩市と比べて、益田市のリサイクル率が低い理由としては、以下の
とおり、紙類のリサイクルに差があると考えられます。
表 3-21 近隣他市のリサイクルの動向
市区 町村 名
紙類
(単位:%)
金属類
ガラス
類
ペット
ボトル
容器包
装プラ
溶解
スラグ
その他
益
田
市
9
1
3
1
3
3
2
浜
田
市
9
4
2
0
3
5
0
市
17
1
2
0
2
0
7
萩
※萩市では、焼却灰・飛灰のセメント原料化を行っており、「その他」7%を占めます。
※割合は、資源化物/ごみ総排出量を示しています。
資料:一般廃棄物処理事業実態調査処理状況調査票(H22)
41
(7) 新技術の動向
近年のごみ処理技術は、処理プロセス別に以下のとおりです。
従来の焼却による安定処理中心であった処理の方法から、地球環境保全と資源の保護・
有効利用を目的とした法整備の進展や社会的な意識の向上に沿って、循環型処理へ大きく
転換しています。
表 3-22
抑制
排出
処理プロセス
ごみ処理技術の動向
技術概要
①生ごみ堆肥化技術
②発泡スチロール資源化技術
収集運搬
①ごみ輸送技術
②低公害収集車技術
①堆肥化・燃料化技術
②プラスチック類油化技術
中間処理資源化
③不燃物選別技術
④ごみ溶融技術
⑤残渣の資源化技術
⑥サーマルエネルギー回収技術
⑦公害防止技術
①クローズド処分場技術
最終処分
②しゃ水技術
③浸出水処理技術
④処分場再生技術
42
技術要素
家庭用生ごみ処理容器
EM 菌
ペレット化
中継基地(べ一ル・コンパクタ・バインド)
真空輸送
地下集積場
電気自動車
ハイブリッド自動車
高速堆肥化
バイオガス化
RDF 化(ペレット、炭化、パウダー)
RPF 化
油化
ガス化
還元モノマー化
ビン・カレット色自動選別
PVC 選別
永久磁石アルミ選別
灰溶融(バーナー、アーク、プラズマ)
直接溶融
ガス化溶融
ガス化改質
スラグ化
スーパー発電
コジェネレーション
ダスト処理技術(固化、キレート)
排ガス(Nox、水銀、DXN 等)処理技術
覆蓋型処分場(地下・屋根)
多層しゃ水
漏水検知システム
自動修復システム
膜処理
電気透析
光化学分解
原位置埋立物減容化
原位置埋立物固化
(8) 課題の抽出、整理
本市の廃棄物の現況評価は以下のとおりです。
表 3-23
ごみ処理の評価表
ごみ総排出量※1
リサイクル率※2
g/人・日
%
H20
928
22.8
H21
921
22.6
H22
909
22.5
評価項目
市の実績値
全国・県の実績値
全国平均
H22
976※3
20.8
島根県平均
H22
917※3
23.8
国
H27
1,048
25.0※4
国・県の目標値
(平成 19 年比 5%削減)
島根県
H27
※4
26.0※5
(平成 20 年比
5%削減)※5
注)評価項目は、本市で実績などが把握でき、国や県の指標などが公表されている項目を対象としています。
※1 ごみ総排出量: (収集ごみ量+直接搬入ごみ量+集団回収量)÷計画収集人口÷365 日
※2 リサイクル率:総資源化量÷(収集ごみ量+直接搬入ごみ量+集団回収量)
※3 全国平均および島根県平均の実績値は、
「平成 22 年度一般廃棄物処理事業実態調査票」に基づき設定。
※4 国のごみ総排出量、リサイクル率の目標値は、
「国の廃棄物処理基本方針」に基づき設定。
※5 島根県の目標値は「第 2 期しまね循環型社会推進計画」より設定。
①
ごみ総排出量
平成 22 年度では、本市のごみ総排出量は 909g/人・日となり、全国平均の実績値 976 g/
人・日や県平均 917g/人・日に比べると下回っています。
本市のごみ総排出量(収集ごみ量+直接搬入ごみ量+集団回収量)は、過去 4 年間で減少し
ており、平成 27 年度の国の目標値に対しても下回っています。
今後は、住民、事業者、市が連携して、簡易包装の促進やレジ袋の削減などの排出抑制
に取り組むことが重要です。
②
リサイクル率
平成 22 年度では、本市のリサイクル率は 22.5%となり、全国平均の実績値 20.8%を上回
っているものの、県平均の実績値 23.8%よりは下回っており、平成 27 年度の国や県の目
標値を下回っています。
リサイクル率を高めていくためには、集団回収活動のさらなる活性化(普及啓発および
43
支援の強化など)や資源ごみの分別収集を促進することが必要です。
また、事業系ごみについては、情報提供、啓発活動の拡充など、事業者自らの責任と負
担による適正処理の浸透が課題であり、社員への教育を充実していくことも必要です。
③
中間処理
本市のごみ焼却施設「益田地区広域クリーンセンター」は、平成 19 年 10 月に稼働を開
始しており、稼働後 5 年が経過しています。リサイクル施設「益田市リサイクルプラザ」
は平成 15 年 4 月に稼働を開始しており、稼働後 9 年が経過しています。今後は、ともに
各設備の老朽化対策を含めた長寿命化計画についての検討が必要となっています。
また、循環型社会を構築する上で、熱エネルギーの有効利用や、焼却残渣のリサイクル
が求められており、今後、施設整備の際には、十分に検討を行うことが必要です。
今後は、環境への配慮、コスト縮減とともに、安全で効率的な中間処理計画を検討する
ことが必要です。
④
最終処分
本市の最終処分場がある「下波田埋立処理場」は昭和 60 年に稼働しており、稼働後 27
年が経過し、埋立処分容量約 146,629m3 のうち、残余容量が 25,293.9m3(平成 23 年度末)
となっており、年間合計埋立量(覆土含む)を 1,294 m3 と試算すると、残余年数は 19.5 年
程度と想定されます。
将来は新しい処分場の建設が難しくなることから、ごみの排出抑制、再資源化を進める
とともに、各設備の長寿命化計画について、検討を進めることが必要です。
44