CSRレポート2007 - 三井住友建設

C S Rレポ ート2 0 0 7
Cor por ate So cial Responsibility Report 2007
このパンフレットは環境にやさしい「大豆油インキ」を使用しています。
発行:2007年9月 次回発行予定:2008年9月
三 井 住 友 建 設 は 、建 設 事 業 を 通じて
多 様 化・高 度 化 する社 会 的 要 請 に 応え、
三井住友建設 CSR レポート2007
CONTENTS
社長メッセージ
3
考えています。
三井住友建設では、CSRに対する基本的な姿勢として
「経営理念」を定め
経営理念
株主価値の増大
●CSRへの取り組み
……………………………………………………………………………………
CSRとは、事業活動を通じてステークホルダー(利害関係者)からの要請
に応え、企業の信頼性を高めていくことであり、企業経営そのものであると
豊 か な 未 来 を 築 きます。
顧客満足の追求
報告概要
高い技術力と豊かな創造力の向上に努め、顧客そして社会のニーズと信頼に応えて、高品質
ており、
その実現を目指した事業活動をCSR活動と位置づけています。
第1章 顧客満足の追求
CSR活動を進めるに当たっては、その指針として
「企業行動憲章」を定め、
建設技術による社会的課題への貢献
具体的な内容については「目標管理制度」の中で、各職制における年度計
画として策定し、実施状況の報告、評価、見直し、ならびに内部監査による監
な建設作品とサービスを提供します。
視を行うことで、
その充実を図っています。
徹底した効率経営と安定した収益力により、事業の継続的発展を実現し、企業価値=株主価値
特に2007年度からは、年度計画で設定する目標について、企業行動憲章
の増大に努めます。
との関連を明確にすることで、
より社会性に配慮した企業活動を行い、
ステ
都市と自然が調和した人にやさしい街づくり 5
環境・健康・循環を指向する玉手箱
7
日本の建設技術による国際貢献
9
安心・安全・高品質の提供
11
ークホルダーからの信頼性向上に努めています。
社員活力の尊重
社員の個性と能力が遺憾なく発揮でき、働き甲斐のある、開かれた闊達な会社を創ります。
社 会 性 の 重 視
公正な企業活動を行い、社会から信頼される健全な企業市民を目指します。
組みを、事業活動を通じて分かりやすく報告することを目的として、当社経
地球環境への貢献
人と地球に優しい建設企業の在り方を常に求め、生活環境と自然の調和を大切に考えます。
営理念に掲げる顧客・株主・社員・社会・地球環境の各ステークホルダーを
本レポートでは、冊子版およびWeb版において、当社の2006年度の取り
カテゴリーとして分類し、記載しました。
第2章 株主価値の増大
再生への取り組み
未来への進歩・発展に向けて
15
第3章 社員活力の尊重
Corporate Social
Responsibility Report 2007
ゼロ災に基づくものづくり
17
社員のモチベーション向上のために
18
第4章 社会性の重視
三井住友建設企業行動憲章
1. 品質および環境に配慮した技術開発や設計提案を通して、建設活動に対する多様な要請に応えます
●対象期間
……………………………………………………………………………………
本レポートは、2006年度(2006年4月1日から2007年3月31日)の活動内容を
透明性の高い経営体制の構築
ステークホルダーからの信頼に応える
2. 企業価値向上に邁進するとともに、
ステークホルダーならびに社会に向けて公正な企業情報の開示を積極的に行い、透明
性の高い企業の実現に努めます
記載していますが、
一部内容については同期間前後の活動を含んでいます。
地域社会とのかかわり
3. 長期的な視点に立った社員雇用の維持、人材の育成を行うとともに、人権を尊重し、人を大切にする企業の実現に努めます
●対象範囲
……………………………………………………………………………………
本レポートは、三井住友建設株式会社における活動内容を記載していま
第5章 地球環境への貢献
4. 法令、社会規範、国際ルールならびに企業倫理の順守に対する意識を高めて公正、透明、
自由な競争ならびに適正な取引
を行います
5. 社会の健全で持続的な発展への貢献が求められていることを認識し、
社会貢献活動の推進に努め、
社会と調和する企業の
実現に努めます
6. 地球規模での環境への貢献が求められていることを認識し、
環境の保全、
維持、
改善に積極的に取り組みます
7. 本憲章に反する事態が発生した場合には、経営トップは自ら問題解決にあたり、社会への説明責任を遂行するとともに自
らも含めて厳正な処分を行います
す。一部関係会社における活動内容を含みます。
19
21
環境経営と環境マネジメントシステム 23
環境保全活動
25
●準拠あるいは参考とするガイドライン等
……………………………………………………………………………………
本レポートは、
「環境報告ガイドライン(2007年版)
」
(環境省)を参考として
記載しています。
●会社概要
1
商号
三井住友建設株式会社
設立
1941(昭和16)年10月14日
●連絡先
……………………………………………………………………………………
三井住友建設株式会社 CSR推進部
代表者
代表取締役社長 五十嵐 久也
〒160-0023 東京都新宿区西新宿七丁目5番25号
資本金
168億円
電話 …… 03-5332-7296 FAX …… 03-3365-7243
売上高
4,554億円
E-MAⅠL … [email protected]
社員数
3,302人
URL …… http://www.smcon.co.jp/
事業内容
土木・建築・プレストレストコンクリート工事の設計・施工及びこれらに関する事業
CSRレポートWeb版 ……http://www.smcon.co.jp/csr/index.html
2
CSRの極みに、未 来 がある。
「CSR」を経営に浸透させるスキームはひとつではありません。
5つのステークホルダーと、それぞれに対する社会的責
を隠しきれぬ声も耳にしました。
任をこう明記しています。❶顧客満足の追求、❷株主価
逆に私は聞き返します。
「どうなっていくか? ではなく、
値の増大、❸社員活力の尊重、❹社会性の重視、❺地
あなたがどうしたいのか? そこが重要なのでしょう」
と。
これは、すべての社員を叱咤激励するためのメッセージであると同時に、
球環境への貢献̶̶私たちが日々追究すべき「施工プ
受け身のままではダメです。入社時を思い起こしてくだ
ステークホルダーの皆さまへ向けた、私たちの公約なのです。
ロセス」は、つねにここを立脚点とします。
さい。あの志気に充ち溢れていた自らを蘇らせてくださ
さらには、私たちの行動指針である
〈企業行動憲章〉
。
い。私も頑張ります。数十年も昔の入社時からなんら変
これは人権・情報開示・コンプライアンスまでを視野に
わることのない己の情熱を、わが社の再建に捧げます。
入れた、まさに三井住友建設におけるCSRのエッセンス
●
私たち三井住友建設にとってCSRとは“事業再生メソッド”であると考えます。
すなわち、CSRと未来戦略とは同義、表裏一体の関係にあるのだ、と̶̶
President Message
を7か条に凝縮したものです。
なぜ私がここまでお話したのか。それは、
ここ2年の改
革で確かな光明を見出せたからに他なりません。社員諸
君、矜持を纏いましょう。大志を抱きましょう。
社
長
メ
ッ
セ
ー
ジ
再建への道半ばにある三井住友建設にとって、CSRと
に対する安心感を。また株主へはロスのない施工収益
事業戦略とは表裏一体の関係にあります。ものの喩えで
による適切な配当を。そして社員へは待遇改善を̶̶
はありません。両者をぴたりと同一軌道へ乗せていかな
あ
す
計画・準備段階∼竣工・納品までのプロセスから一切の
い限り、我々に未来はないのです。
ミスを駆逐しながら、すべてを同軸に、一本の横串で貫
あえて申しあげます。私自身を鼓舞するため。そして何
いていきます。
より、10年後の我々が笑顔でいるために。
このプランは絵に描いた餅などでなく、わが社のミッ
スを守るのは施工部門だけではありません。スタッフ部
門も含む全員のチームプレーです。
きものを見つめ直すことから
バイブルを胸にアクションを起こそう
再出発したいのです。
さらに詳しく話しましょう。三井住友建設は10年でトッ
我々にできること、我々にし
プゼネコンに比肩する存在へ返り咲きます。それも規模
かできないことを社会へ広く
ではなく 中身 、すなわち施工プロセスと純利益で。か
供給していく。惜しみなく。澱
つ、
この利益を三分割し、1/3を配当へ、1/3を資本へ、1/3
張っている社員の皆さんへ応分に報いるためです。
では、私たちのレーゾンデートルとは何か? それは「施
そのためにも、旧弊は打破せねばなりません。改革へ
工プロセスの最重視」に他なりません。言い換えれば、安
の勇気をもち、明日を信じて 精励恪勤 して欲しい。そし
3
し
イントラに載せて全員の奮起を促してきました。おそらく
べてのプロセスにCSRを浸透させて、皆さまのご期待に
耳にタコができているかもしれませんね、社員の皆さん
応えてまいります。我々が築く、三井住友建設の未来に、
には。
しかし、
この「CSRレポート」
という不特定の読者を
ぜひともご期待ください。
あ
す
てきます。すなわち私信は公約となり、努力目標は必達
事項となって、
もはや逃げも隠れもできません。
社長就任以来、私は全国の事業所をめぐり、若い社員
を中心に対話を続けています。彼らと、これからの事業
三井住友建設株式会社
代表取締役社長
を待遇改善へと配分していく。そう、いまは苦しくても頑
る。不失正鵠 に徹していく。
か
数多くのステークホルダーの皆さま、三井住友建設はす
は「三井住友建設はどうなっていくのですか? 」
と、不安
義」
と規定します。つまりレーゾンデートルとでも呼ぶべ
せいこく
じつは私からのこうしたメッセージを毎週毎週、社内
社
長
メ
ッ
セ
ー
ジ
のあり方について本音で語り合っているのです。なかに
まず三井住友建設にとってのCSRを、
ここでは「存在意
みなく。惑うことなく、正鵠を射
そして何よりも、私たちを日々温かく見守ってくださる
もつ媒体においては、
メッセージの意味そのものが違っ
ション、対社会へのマニフェストなのです。むろんプロセ
レーゾンデートルは
「施工プロセス」
わが選手諸君、永遠のルーキーたれ
せいれいかっきん
全・安心かつ瑕疵のない工事を遂行することで、あらゆ
て何か判断に迷うことが起きたなら、
〈経営理念〉
〈企業
るステークホルダーの期待に応えていくのです。
行動憲章〉
(→P.1)へと立ち返ってください。
お客さまに対しては信頼と満足を。地域社会へは工事
〈経営理念〉とは、言わば三井住友建設のバイブル。
4
街路
散水車による散水
ポット苗による植栽
ビオトープ
伐採材のチップ化
地下調整池
S P E CⅠA L ⅠS S U E
顧
客
満
足
の
追
求
都
市
と
自
然
が
調
和
し
た
人
に
や
さ
し
い
街
づ
く
り
都 市 と 自 然が調和した
人 に や さ しい街づくり
自然環境および周辺環境に配慮した施工
万福寺土地区画整理事業は、開発面積約37haで、小
●防塵対策の徹底
田急線新百合ヶ丘駅から約3分 15分に位置し、周辺は
市街地の中での大規模造成工事であり、特に既存住
整備された住宅地と自然の緑が調和した、交通至便な
宅地への埃被害を最小限に抑えるよう、外周境界部の防
がらも多摩丘陵の面影を残す緑豊かな環境に立地して
塵ネット柵の設置、散水車および人力による日々の散水
います。
に努めました。
当事業は、マンションや戸建てなどの住宅ゾーンを
三井住友建設は、住宅地造成工事において豊富な施工実績を有しています。
万福寺土地区画整理事業土木工事では、
中心に、商業・事業施設、文化施設、公益施設等の各ゾ
●伐採材および既設構造物撤去材の再生資源利用促進
ーンで構成され、幹線道路などの基盤整備により、全体
伐採に伴い発生した幹や大枝はパルプ材の原料とし
周辺が整備された住宅地といった環境の中、
完成時には約7,700人が暮らす緑豊かな住宅地が誕生
てパルプ工場へ、枝や根は場内でチップ化し、堆肥工場
高度な技術力と豊富なノウハウにより
します。
へ搬出して再利用を図りました。また、既設構造物の撤
里山の保全・継承・発展を目指すため、地区の約1/4
去に伴い発生したコンクリート塊は場内で破砕し、工事
を公園・緑地として緑化しています。特に「復元の緑」
と
用道路の材料として再利用を図りました。
周辺環境に配慮した施工を実施し、都市と自然が調和した
人にやさしい街づくりのための基盤整備を行いました。
所 在 地
神奈川県川崎市麻生区万福寺341番地 他
計画人口
7,700人
発 注 者
万福寺土地区画整理組合
用
設
株式会社 オオバ
戸建て住宅地・集合住宅地・商業施設用地・
公園・緑地 他
計
施工監理
三井不動産株式会社
工
2001年4月2日∼2007年3月31日
期
開発面積
36.9ha
都
市
と
自
然
が
調
和
し
た
人
に
や
さ
し
い
街
づ
く
り
して、地区内の既存樹木の種苗(ポット苗)を15,000本
万福寺土地区画整理事 業 土 木 工 事 概 要
5
緑豊かな住環境の提供
顧
客
満
足
の
追
求
途
施工内容
切土:1,314,000m3 盛土:916,000m3
3
残土搬出:526,000m(構造物残土含む)
排水工事:13,200m 道路工事:53,000m2 擁壁工事:12,100m
調整池工事:地下式9箇所 オープン式1箇所
育成した後、再び地区内へ植栽しました。さらに一部の
●調整池プレキャスト化による型枠材使用量の削減
緑地にはビオトープを創出したほか、景観に配慮する
10箇所の調整池の内、地下調整池となる9箇所につい
ため高圧線を地中化するなど、自然豊かな里山と都会
てはプレキャスト製品を使用し、型枠材の使用量削減を
的なイメージの両面を併せ持つ住環境を整備しました。
図りました。
ゼロ災に基づく街づくり
現場所長の安全管理方針として、❶協力業者の自主
実施により、全工期延
的な安全衛生活動を推進する、❷地域住民の理解を得
べ労働時間170万時間
る、を全工事関係者に明確に示しました。
また、セーフテ
無 事 故 無 災 害 記 録を
ィーリーダー制による協力業者職長の安全活動の定着
達成し、厚生労働大臣
と、本支店安全環境部を含めた安全パトロールの随時
優良賞を受賞しました。
6
アトリウム外観
モール内部
屋上庭園
太陽光発電設備
S P E CⅠA L ⅠS S U E
顧
客
満
足
の
追
求
環
境
・
健
康
・
循
環
を
指
向
す
る
玉
手
箱
環境・健康・循環を指向する玉手箱
三井住友建設では「環境・健康・循環」をテーマにした大規模商業施設を完成させました。
これからもさまざまな形で、地球環境保護と健康な生活を最優先し、
地球と人類が健康的に共存共栄できるライフスタイル構築に貢献していきます。
新しいまち づくりに 貢 献 する商 業 施 設【ららぽ ーと柏 の 葉 新 築 工 事 】
環境・エネルギー優良建築物マークの交付
太陽光発電設備の導入
室内環境水準を確保のうえ、省エネルギーに配慮し
地球温暖化対策が求められている現状において、省
た建築物であることが、第三者機関である財団法人建
エネルギー対策の一環として、太陽光発電設備を導入し
「環境・
築環境・省エネルギー機構(ⅠBEC)に認められ、
ました。これは、独立行政法人新エネルギー・産業技術
エネルギー優良建築物」マークの交付およびCASBEE
総合開発機構(NEDO)の太陽光発電新技術等フィール
「Sランク」の認証を受けました。当建物では、空調およ
ドテスト事業として認められ、今後、NEDOと共同研究の
び照明への高効率機器採用等により、国が定める省エ
形で発電設備の実証研究を行っていきます。今回の発
ネルギー基準と比較して20%以上の省エネルギーが
電設備は定格出力10kWで、フードコート屋上に設置さ
可能であることが、省エネルギー計算書によって確認
れています。
されました。
CASBEE「Sランク」認証取得
緑化による環境配慮
7
自然光を取り入れたサークルモール形成
環境負荷低減に向けた取り組みを客観的に評価する
ツールとして、国土交通省が中心となり産官学連携で開
柏の葉キャンパスシティの自然環境に配慮したまちづ
2階をメインフロアとするモールは各建物を繋ぎ、サ
くりコンセプトに合わせて、
「環境・健康・循環」をテーマ
ークルモールを形成しています。
対策/二酸化炭素排出量削減 設計段階での取り組
とした本施設では、2階のエントランスデッキに柏の木の
このモール部分は、快適な室内環境を保ちながら、自
み」追記を参照)を使用しました。
ウェルカムツリーを、モールには館内植栽を配し、建物
然光をできるだけ取り入れることを目指し、原則トップ
結果、建築物の環境性能
内での緑とのふれあいを大切にしています。また、来店
ライトとすることで、半外部的な日光が降り注ぐ心地よ
者が散策でき景観にも配慮された屋上庭園、会員制の
い空間を演出しています。
屋上農園、屋上緑化や壁面緑化なども取り入れ、沿道の
また、外壁のイメージの連続性を内壁に取り込むこ
桜並木とも調和のとれた緑化を行っています。
とで開放性の高い空間としています。
発された「CASBEE」
(CASBEEの詳細はP.26「地球温暖化
指標である「環境性能効率
(BEE)」=3.2であり、建築物
の環境品質・性能および環
境負荷低減性に関して評価
が最も高い「Sランク」の建
特に、屋上に配置されたパーゴラ利用緑化は、放射熱
築物であることが、第三者
の低減および屋外設備への修景など、周辺地域にも配
機関であるⅠBECより認証さ
慮した計画となっています。
れました。
顧
客
満
足
の
追
求
環
境
・
健
康
・
循
環
を
指
向
す
る
玉
手
箱
らら ぽ ーと 柏 の 葉 新 築 工 事 概 要
所 在 地
千葉県柏市若柴175
発 注 者
三井不動産株式会社
設計監理
三井住友建設株式会社 一級建築士事務所
施
工
三井住友建設株式会社
工
期
2005年10月∼2006年10月
敷地面積
41,654.14m2
建築面積
36,074.32m2
延床面積
144,517.48m2
構
造
S造(一部RC造)
規
模
地下1階、地上6階、塔屋1階
用
途
物販店舗、飲食店舗、映画館、託児所、スポー
ツクラブ、
スーパーマーケット、診療所、駐車場
8
第2メコン国際橋
タインチ橋
ベトナムテレビセンター
SVP小児医療大学院病院
S P E CⅠA L ⅠS S U E
日本の建設技術による国際貢献
三井住友建設は、世界の建設市場を舞台に、高度な技術力とノウハウを活かし施工実績を積んでまいりました。
当社はこれからも国際社会に何を貢献できるかを考え続けます。
顧
客
満
足
の
追
求
日
本
の
建
設
技
術
に
よ
る
国
際
貢
献
大河に架ける橋
生活インフラの近代化に貢献
第2メコン国際橋
ベトナムテレビセンター建設工事
メコン河は、チベットにその源を発し、中国雲南省、
ミ
に斜版を用いた110mの航路スパン(4スパン)が設けら
当社は、経済発展の著しいベトナムの首都、ハノイ
待されています。
ャンマー、タイ、ラオス、カンボジアを経由しベトナムで
れ、優れた景観美を実現しています。
市の中心部において、東南アジア地域で最も高性能な
当社は、テレビ放送局の建設を通して、ベトナム国民
の生活水準の近代化に貢献しています。
南シナ海に注ぐ、東南アジア屈指の大河です。本橋は、イ
第2メコン国際橋の開通に伴い、
ミャンマー、タイ、ラ
設備を有する近代的な国営テレビ放送局を建設して
ンドシナ「東西回廊」整備の要として、タイとラオスの国
オス、ベトナムが陸路で結ばれることになり、インドシナ
います。
境を画するこのメコン河を跨いで施工され、2006年12
地域における貿易、流通、地域経済への大きな貢献が期
ベトナムは南北に細長い国土を持つ多民族国家で、
月に、日本、タイ、ラオス、ベトナムなど関係諸国の政府
待されています。
南部と北部とは気候や人々の風習、気質も多様です。
こ
首脳が列席し、現地で盛大な開通式が行われました。
竣
工
日 2006年12月2日
メコン河の雨季と乾季の河川水位差は13mに及びま
発
注
す。そのため、河川内基礎工事を乾季の低水位の時に完
竣
工
日 2008年6月16日
(予定)
発
注
者 ベトナムテレビセンター建設工事管理局
の放送局の建設により、遠隔地や山岳地帯に住む少数
所
在
地 ベトナム社会主義共和国ハノイ市
者 ラオス側工区 ラオス通信運輸郵政建設省
タイ側工区 タイ運輸通信省道路管理局
民族などを含む国民のニーズに合った質の高い報道番
構 造 形 式 RC地上5階建 テレビ放送局(スタジオ10室)
組や娯楽番組を制作する体制が整い、
これにより今後国
敷 地 面 積 18,800m2
地 タイ王国ムクダハン市ーラオス人民民主共和国サバナケット市間
民に対するより一層の教育・知識・文化水準の向上が期
延 床 面 積 32,000m2
了すべく綿密な施工計画を立て、厳しい工程を乗り切る
所
ことができました。橋梁構造は、標準径間長80m、等桁高
主 橋 構 造 形 式 PC19径間連続ラーメン箱桁橋(航路部は斜版付箱桁橋)
のPC箱桁断面で設計され、メコン河の航路確保のため
うち主橋部1,600m
工 事 規 模 路線延長2,702m、
在
タインチ橋
日
本
の
建
設
技
術
に
よ
る
国
際
貢
献
インド オリッサ州サダール・バルバイ・パテル(SVP)小児医療大学院病院整備計画
本橋は、ハノイ市外環道路整備事業の一環として計画
ノイ市内からハイフォン港に向かう5号線に繋がるチョン
インドの乳幼児死亡率など、小児に関する保健指標は
することを決め、当社はその病院の建設工事を担当しま
された国道1号線と5号線を結ぶバイパスルートのうち、
ズン橋は、道路交通のボトルネックとなっていました。本橋
周辺国と比較して、4倍から5倍高い数値を示しています
した。
紅河を渡るPC橋です。工事に使用されたコンクリート量
は、ハノイ市中心部を囲む環状道路3号線の一部となり、ハ
が、中でもオリッサ州の乳幼児死亡率は、9% 10%とイ
今後この施設には、乳幼児死亡率の低減や医学生の教
は390,000m 、鉄筋量は38,000トンに及び、中規模のダム
ノイ市中心部を迂回して国道1号線と国道5号線を結ぶバ
ンド全土においても最も高い数値であり、小児医療分野
育施設としての機能に、
大きな期待が寄せられています。
工事に匹敵する数量の大規模橋梁工事です。
イパス機能を果たすため、ハノイ市における道路交通のボ
の改善が重要課題となっていました。
河川敷部の取付橋はPC多径間連続桁橋からなり、施工
トルネックを解消し、市内中心部の交通渋滞の緩和と物流
このような状況下で、オリッサ州政府保健部は2010年
竣
工
日 2007年3月15日
はベトナムでは初めての移動支保工施工が採用され、現
の改善、および北部地域の物流効率化に貢献するものと
を目途に、乳幼児死亡率の減少、公共医療施設利用率の
発
注
地への技術移転も実施しました。河川部の主橋部分は、
考えられます。また、すでにこの橋梁の開通を見込んで、5
向上などを目標に掲げました。そこで、オリッサ州内で小
者 インド オリッサ州サダール・バルバイ・パテル
小児医療大学院病院
支間長(橋脚間の長さ)に比べて橋脚高が低い構造のた
号線に沿って数多くの工業団地が開発されつつあります。
児医療のトップレベルの病院であり、かつ州の医科大学
所
在
め、橋梁完成後に主桁のクリープ・乾燥収縮の影響を大き
竣
工
日 2006年11月7日
院生に小児医療教育を行っているサダール・バルバイ・
地 インド オリッサ州サダール・バルバイ・パテル
小児医療大学院病院敷地内
く受けます。そのため主桁中央閉合前に、その閉合部にジ
発
注
者 ベトナム運輸省
パテル(SVP)病院の老朽化に伴う整備について、インド
構 造 形 式 RC地上2階建 小児医療大学院病院
ャッキを設置し、外側に最大2,400トンの水平力を加圧す
所
在
地 ベトナム社会主義共和国ハノイ市南西部(環状線紅河渡河区間)
政府から日本政府に対して援助要請がありました。日本
敷 地 面 積 約100,000m2
政府はそれを受けて、無償資金援助で拡充・整備を実施
延 床 面 積 3,228m2
3
る工夫を行っています。
9
顧
客
満
足
の
追
求
本橋の完成前は、ハノイ市内を流れる紅河に架かる道
構 造 形 式 主 橋…PC6径間連続ラーメン橋
取付橋…PC5および6径間連続桁橋
路橋梁はタンロン橋とチョンズン橋の2本しかなく、特にハ
工 事 規 模 橋長3,084m 幅員16.1mx2(上下線)
10
安心・安全・高品質の提供
建物・構造物の安心・安全・高品質の提供
三 井 住 友 建 設は、高い技 術 力と豊かな創造力の向上に努め、
知的財産組織
お 客さまそして社 会のニーズに応えて、安心・安全・高品質を提供します。
当社の知的財産に関しては、技術研究開発本部研究開
施工品質の確保について
知的財産報告
当社における施工品質の確保については、会社として
当社では、技術開発の成果として創出される知的財産
の『品質方針』を定め、
ⅠSO 9001に適合した品質マネジ
が、企業の持続的発展にとって重要な経営資源となり、
メントシステムを確立して実施しています。
さらなる企業価値の向上に寄与できるように、知的財産
土木部門においては、プレリスクコントロールとして
活動への取り組みを推進しています。
発管理部知的財産グループが管理し、知的財産に関する
聴強器
指導・教育活動を行っています。
近年、コンクリート構造物の耐久性・品質に対する社
社内委員会である発明審査小委員会は、特許の出願
会的な関心が集まり、
コンクリートの品質を検査・診断す
や審査請求の要否、保有特許権の継続の要否について
る技術を求める気運が高まっています。
このような中、当
定期的に審議し、必要な認定・決定等を行っています。
社は、
コンクリート構造物の圧縮強度を簡便に推定可能
な「聴強器」
を開発・実用化しました。
技術委員会
コンクリート構造物の圧縮強度を簡便に推定する既
存技術としては、反発強度から圧縮強度を推定する
「テ
ストハンマー」などがありますが、測定精度の信頼性が
技術的危険予知を行うことによって、品質不良の絶滅に
2006年度における当社(単体)の特許出願件数は、土
「聴強器」は、表面2点法という構造物のコンクリート
ントシートおよびプレリスク工程表を作成し、予測可能
木部門では15件、建築部門では16件であり、合計では31
表面を伝播する弾性波の伝播速度測定方法を利用し
なすべてのリスクを洗い出し、その発生時期に向けて、
件です。特許取得の選択と集中を進めている結果、特許
予防措置を展開していく現場管理方法です。
出願件数は減少傾向が続いています。
また、設計・工事着手前・施工中・完成引き渡し後の各
2006年度末時点での当社(単体)の出願中特許は394
段階において、本支店および作業所が一体となり、綿密
件、保有特許権は406件です。過去4年間の各年度末時
かつ具体的な品質管理活動を実施し、建設物の安全と
点での保有特許権は、土木部門では約250件、建築部門
品質を確保しています。
では約150件であり、合計は約400件から420件で推移し
建築部門においては、建築管理本部に品質・安全の管
ています。
理主管部署として
「品質安全管理部」を設置し、各部支店
保有特許権は、土木部門では橋梁やシールド・推進に
」制度を導入しています。
には「品質安全検査員
(QSⅠ)
関する特許が充実していること、建築部門では、超高層
これにより、建築管理本部(品質安全管理部)
と各部支
住宅に関する技術や免制震技術に関する特許が充実し
との連携による施工中の品質・安全状況の把握
店(QSⅠ)
ていることが当社の特徴です。
建築小委員会
発明審査小委員会
知的財産の取得・管理に関する方針
て、高い精度で圧縮強度を推定する測定器です。二つの
当社の知的財産の取得、管理等に関しては、
「特許管
加速度センサーを30cmの間隔で取り付けた振動検出器
理規則」
を定めて運用しています。
と呼ばれる器具を用いて弾性波速度を測定し、
これに基
社内外での実施実績や優位性などの評価基準に基づ
づき圧縮強度を簡便に推定することができます。
き、技術開発戦略に沿った知的財産の選択と集中を進
「聴強器」は、国土交通省の「微破壊・非破壊によるコ
めています。
ンクリート構造物の強度測定」の試行技術として採用さ
発明を行った従業者等に、特許を出願した場合と、そ
れたため、今後は標準的な測定方法として運用されてい
の出願が登録された場合に発明奨励金を、ライセンス
く技術です。
収入などがある場合には実績報償金を支払うこととして
当社と関連会社の(株)コスモプラニングでは、
「聴強
おり、特許出願や特許権の活用へのインセンティブを高
器」の商品化を進め、2006年末に販売の運びとなり、
め、
さらに技術開発の一層の進展を図っています。
2007年度より本格的な販売を開始しています。
と早期対策が今まで以上に迅速に行えるようになり、建
おいて、作業所各種行事で品質、技術の指摘を受けてい
る事項等を確認し、指摘事項が是正、改善、実施されてい
ることを確認するなど、品質の確保に努めています。
さらに、両部門において、技術者教育・研修の充実を
図り、高品質を確保した施工技術の継承と維持を推進し
ています。
(教育研修についてはP.18「社員のモチベーシ
ョン向上のために」参照)
■特許権保有件数推移
建築部門
土木部門
(件)
���
�
ライセンス収入(グループ会社からの収入を含む)を
造物の補修・補強技術、深礎の吹付け技術、GPS測量技
���
���
���
���
術などです。建築部門では、建物の免震技術や制震技
術、集合住宅の給湯・暖房配管システム、構造部材の接
���
���
ライセンス活動の概要
得ている技術は、土木部門ではアラミド繊維を用いた構
���
���
合技術などです。
���
���
���
���
聴強器概観
測定状況
■構成および測定方法
振動検出器
パソコン
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
知的財産に関するリスク対策
を与える知的財産に関する係争、
訴訟案件はありません。
当社では、建物などの設計段階、あるいは施工計画段
階において、担当部署と知的財産グループが協力して、
知的財産侵害リスクの可能性を検討し、他社との知的財
産に係わる係争を未然に防止するように努めています。
また、公開された特許情報をイントラネットへ定期的に
掲示することにより、周知を行っています。
ハンマー
振動計
振動センサ
2007年3月末時点において、当社の経営に重大な影響
QSⅠによるパトロール
安心・安全・高品質の提供
安心・安全・高品質の提供
具体的には、工事着手時点で、作業所リスクマネジメ
土木小委員会
顧客満足の追求
顧客満足の追求
知的財産の概要
築管理本部で実施している技術品質安全パトロールに
11
高くないという問題がありました。
努めています。
振動センサ
コンクリート
測定距離
■弾性波と圧縮強度の関係
圧縮強度(N/mm2)
100
80
60
圧縮強度推定式
推定強度
40
20
0
3000
測定速度値
3500
4000
4500
5000
5500
弾性波速度(m/s)
12
安心・安全・高品質の提供
フリープラン対応大スパンフルプレキャスト床構工法
顧
客
満
足
の
追
求
安
心
・
安
全
・
高
品
質
の
提
供
トンネル覆工巻厚管理システム
地震リスク診断技術
当社では、超高層鉄筋コンクリート構造建物における
トンネル施工において、覆工コンクリートの巻厚を精度
阪神淡路大震災から12年が経過し、その間にも新潟
我が国の水道の普及率は97.2%(2005年度末)に達
高品質・工期短縮・経済性などの事業主ニーズに応え、
よく管理することは、品質確保の点から非常に重要です。
県中越地震や福岡県西方沖地震などいくつかの被害地
し、良質な生活用水や都市活動用水等を確保する手段と
柱梁などの主要構造部に現場打ちコンクリートがほとん
現状のトンネルの施工管理方法は、
「土木工事施工管理
震を経験し、社会の防災に対する意識がますます高まっ
して必要不可欠なライフラインとなっています。
ど存在しないオールプレキャストコンクリート工法を展
基準及び規格値」
(国土交通省)や「トンネル施工管理要
てきています。
また、防災意識が高まる中、近年ではBCP
蛇口に最も近い配水施設の中で、高強度・高品質なコ
開しています。
このたび、
プレキャスト
(PCa)化が困難と
領」
(東日本高速道路(株)他)等によって規定されていま
(事業継続計画:Business Continuity Plan)が今後の企
ンクリートにプレストレスを導入することで、水密性・耐
言われていた床を含めたフルプレキャスト施工法を開
すが、覆工コンクリートの巻厚については、5m∼10 mご
業経営の上で重要な要素として位置付けられています。
発し、実用化しました。
とに1断面当たり数箇所を測定することとなっています。
このような背景から、建物の耐震性を合理的に診断する
住宅の床をPCa化する場合は、床の下面を部分的にプ
硬い岩盤で採用される発破掘削では、断面形状が一
方法として
「地震リスク診断技術」が注目されるようにな
近年、維持管理の重要性が話題となり、配水池におい
レキャストにするハーフPCa合成床構工法が一般的で
様にならないことから、従来の方法では計測位置によっ
っています。
ても経年劣化に加え、配水池内面の塩素雰囲気による劣
す。
しかし、既往の構工法には、
「床本体に段差を設ける
ては巻厚が異なってしまう恐れがありました。
地震リスク診断とは、建物の立つ敷地の地震危険度と
化や酸性雨等の要因による外面の劣化が問題となって
際に経済性、施工性を損なう」
「床の構造が工場製作の
そこで当社は、3次元で形状を捉えることが可能なレ
建物の耐震性能を比較することによって地震が発生した
います。
PCa部と現場打ち部とに分離されるため、中空率を大き
ーザースキャナを用いた「トンネル覆工巻厚管理システ
場合の建物の被害額を推定する方法です。地震リスクを
当社は、昭和30年代より数多くのPCタンクを建設して
くすることが難しい」などの問題がありました。
ム」を新たに開発・実用化しました。従来の計測手法で
示す指標として最も一般的に用いられているのがPML
きました。その豊富な施工実績と最新のリニューアル技
このたび、当社が開発した「大スパン中空段差フルプ
は困難だった覆工前のトンネル形状を3次元連続形状
(予想最大損失:Probabilistic Maximum Loss)
です。PML
術を基に、水道施設の『診断−評価−補修補強設計−施
レキャスト床構工法」は、独自方式のPC鋼線配置、中空
計測によりデータ化(図化)
し、覆工コンクリートの巻厚
とは、50年に10%の確率(475年に一回程度)で発生する
工』の一貫システムを有しています。
型枠配置を採用することにより、主として内法10m以上
を高い精度で評価・判定することが可能となりました。
大地震に対して建物に予想される被害額の最大値を表
特に、PCタンクのドーム屋根は、鉄筋コンクリート
しています。すなわち、PMLの値が大きいほど耐震性が
(RC)構造で、厚さが10cm程度と非常に薄いため、一般
低い建物、小さいほど耐震性が高い建物を表します。
こ
的な断面修復工法等の改修では配水池の長寿命化には
のように、地震リスク診断は、耐震性能を被害額で示すこ
対応できないのが現状です。
とにより費用対効果が明示できるため、
リスクマネジメン
当社の持つ「アルミニウム合金製屋根工法」の技術を
トの有力な手法として期待されています。
用い、劣化したRCドーム屋根を撤去し、新たにアルミニ
当社では、
この地震リスク診断を用いて既存建物の耐
ウム合金製ドーム屋根を設置することで、配水池の機能
震改修工法の選定、新築建物の耐震性能グレードの選定
を回復させ、
さらに今後の維持管理を低減できる工法を
などお客さまの意思決定をサポートし、
ニーズに合った設
開発しました。
(不動産投資信託:Real
計提案を行っています。
また、
REⅠT
また、当社では、劣化したドームの更新に際して、代替
の大スパンを適用範囲とし、実厚300mmという従来比
約20%減の薄く軽い床とし、経済性と施工性を向上させ
ました。床段差にも柔軟に対応できるため、設計の自由
度を高めることが可能となっています。
[システムの特長]
① 高速で3次元形状を把握することが可能です。
② 暗所においても精度良く形状計測が可能です。
③ 連続的な立体として形状を捉えるため、覆工巻厚の
不足箇所の把握が容易です。
④ 計測結果を平面展開コンター図、断面図および一覧
表で表示でき、視覚的な覆工巻厚管理が可能です。
⑤ 詳細な3次元内空形状データから打設コンクリート量
を施工前に算出することで、高精度な数量管理と経
済的な施工が可能です。
PCタンクリニューアル
震性の高い配水池の構造がプレストレストコンクリート
(PC)
タンクです。
物件の地震リスク診断などのコ
EstateⅠnvestment Trust)
のない配水池の稼働を止めることなく、屋根の更新を行
本システムは、国土交通省近畿地方整備局発注の「一
ンサルティング業務や自社物件の地震リスク診断による
う技術として
「不断水ドーム改修工法−ウォーターラッ
般国道8号敦賀バイパス鳩原トンネル工事」において、
全社的なリスク管理などさまざまな方面でこの地震リスク
ピング工法−」
を開発しています。
施工全線に亘る覆工巻厚管理に採用され、その有用性
診断技術を活用していま
を確認することができました。
す。当社では、建物診断か
顧
客
満
足
の
追
求
安
心
・
安
全
・
高
品
質
の
提
供
RCドーム屋根撤去
ら一貫した独自の地震リス
不断水ドーム改修工法の概念
(劣化したPCタンクのドーム屋根を
タンクを稼働しながら架け替えます)
ク診断技術を開発するな
フルプレキャスト床概観
ど、精度の高い地震リスク
診断技術を有しています。
レーザー計測状況
地震危険度解析
遮蔽シート
3次元形状データ
■各改修工法の費用対効果の例
損失
損失
損失
損失
対策
対策
対策
断面図
一覧表
施工状況
13
コンター図
無対策
耐震改修
制震改修
免震改修
実証試験の様子
14
再生への取り組み
∼未来への進歩・発展に向けて∼
主な経営指標の推移
三 井 住 友 建 設は、安 定 的な収益体制の確立に向け、
「新・経 営 中 期 計 画」の推 進に全力で取り組んでいます。
■単体
(億円)
■連結
(億円)
2005年3月期 2006年3月期 2007年3月期 2008年3月期予想
新・経営中期計画の進捗状況
当社は、2005年3月末に「新・経営中期計画」
(2006年
今後は、本計画の完遂に向け最終年度となる2008年3
3月期∼2008年3月期)を策定し、計画目標の確実な達
月期目標値の確実な達成を図るとともに、新たな成長段
成に向け、役員・社員一丸となって全力で取り組んでい
階へ移行すべく次期計画の策定を急ぎます。
ます。
また、お客さまに高品質の作品を提供するために、
本計画は、
「安定した事業基盤の構築」
「事業分野の絞
「施工プロセスこそが当社の商品」
という意識を徹底し、
込み」
「コスト構造の徹底的な見直し」を実行し、安定的
全施工過程における設計・施工品質を徹底的に追求し
ていきます。同時に、営業および技術提案力の強化、内
部統制システムの整備による透明性の高い企業経営並
と経常利益目標を超過達成しており、計画は順調に推移
びに人材の育成による経営資源の充実を図り、企業競
しています。
争力の一層の強化と経営のさらなる効率化を実現し、
ス
テークホルダーの皆さまのご期待に応えてまいります。
受注高
4,570
4,158
4,220
4,000
売上高
売上高
5,363
5,453
5,300
4,880
4,664
4,717
4,554
4,250
営業利益
148
140
116
102
営業利益
118
118
90
85
経常利益
44
80
102
75
経常利益
42
70
80
65
当期純利益(損失)
△2,437
1,801
70
64
△2,585
1,752
60
61
有利子負債
3,564
257
146
140
3,144
199
103
100
当期純利益(損失)
有利子負債
適時開示に係る体制
1 社内情報の収集・把握体制について
■適時開示に係る体制
当社における社内情報の収集・把握に関しては、総
取締役会
総企
合画
企本
画部
部
合企画部、関連事業部、総務・法務部および経理部
が担当しており、当該情報について、経営会議、取締
■受注高
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
���
�
2006年3月期
2007年3月期
2008年3月期予想
■ 計画 ■ 実績
(億円)
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
�����
���
�
経営会議
�����
�����
�����
�����
�����
�����
2 適時開示体制について
各種委員会
把握された社内情報については、企画本部を中心
に関係部署と協議のうえ、決定事実および決算情報
については、決定・承認後遅滞なく、また、発生事実
総合企画部、関連事業部、総務・法務部、経理部
決定事実、発生事実、決算情報の把握
については発生後遅滞なく開示を行っています。
2006年3月期
2007年3月期
再生への取り組み
再生への取り組み
■ 計画 ■ 実績
(億円)
�����
役会に報告する体制をとっています。
■売上高
開
示
株主価値の増大
株主価値の増大
な収益が確保できる事業体質を確立するものとしてい
ますが、初年度(2006年3月期)
、二年度(2007年3月期)
2005年3月期 2006年3月期 2007年3月期 2008年3月期予想
本店各部
支店
連結子会社
2008年3月期予想
株式情報(2007年3月31日現在)
■経常利益
■有利子負債
■ 計画 ■ 実績
(億円)
��
��
��
��
���
��
��
��
��
��
��
���
��
��
���
��
���
�
���
���
■所有者別分布状況
���
���
���
��
��
2006年3月期
2007年3月期
2008年3月期予想
�
発行済株式総数・・・151,954,973株
株主総数・・・・・・71,697名
���
���
���
��
■ 計画 ■ 実績
(億円)
■所有数別分布状況
自己株式
0.23%
証券会社
5.28%
外国法人等
14.08%
2006年3月期
2007年3月期
2008年3月期予想
1,000,000株以上
50.01%
個人
35.54%
100株以上
5.53%
1,000株以上
15.41%
一般法人
30.42%
金融機関
14.45%
15
100株未満
0.68%
10,000株以上
12.39%
100,000株以上
15.98%
16
ゼロ災に基づくものづくり
社員のモチベーション向上のために
会社の原動力は社員です。三井住友建設では「社員活力の尊重」を経営理念に掲げ、
■安全衛生基本方針
社員一人ひとりの個性や能力が十分に発揮できるような 闊達な 職場づくりに取り組んでいます。
三井住友建設は、
「ゼロ災に基づくものづくり」を理念とし、働く人のかけがえのない命と
健康を守るため「安全」
・
「健康」
・
「快適」な職場の実現を目指しています。
■安全衛生基本目標
目標管理
❶災害の絶滅 ❷死亡・重篤・重大災害 ゼロ 目標値:度数率0.8以下 強度率0.03以下
社員教育について
❸健康で快適な職場環境の形成
災害の絶滅に向けての主な取り組み
ゼ
ロ
災
に
基
づ
く
も
の
づ
く
り
社員が仕事を通じて成長していくなかで、さらなる成
し、会社の総合力を高めるため、全社員を対象として
「目
長の機会、能力開発の場を提供していきます。そして会
標管理制度」
を実施しています。
社も社員とともに成長していくというサイクルづくりを目
これにより、全社員が会社方針を認識し、それぞれの
指しています。仕事に必要な専門能力・知識の習得はも
円滑な工事と安全活動を強力に推進し、当社の発展と
持ち場・役割の中で社員相互にベクトルを一にして、最
とより、部下の教育、後継者の育成といった大きなテー
運動を推進、強化しています。
会員会社の繁栄に資することを目的として13の支店真
大限能力を発揮できることになります。
マを持って教育を行っています。
●災害事例(ヒヤリハット)
を活かしたKY活動
栄会が組織されています。
(2007年3月末現在の会員数:
● まえネ ー ム による
約2,000社)
1 不安全行動の撲滅を目指して、各作業所で下記の
社
員
活
力
の
尊
重
三井住友建設真栄会との連携
社員の個性を尊重する一方でその「個」の力を結集
能力・成果主義とコミュニケーション
「安全ひと声運動」
また、支店真栄会を構成員とした真栄会連合会は、支
●「指差し呼称」による
店真栄会の相互協力と当社との連携により、会員会社の
社員の「ガンバリ
(=成果)
」は「公正」に評価し、処遇
一人現地KY活動
体質強化、生産性の向上、品質の確保並びに労働災害防
に反映します。
止等の活動を展開しています。
社員が上司と面談したうえで設定した目標の達成度
●4S運動(整理・整頓・
清掃・清潔)
…………………………………………………………
結果をフィードバックし、
より高い目標にチャレンジする
2 墜落災害を撲滅するために、当社独自のポスター
ためのステップとします。
フィードバックを通じて社内の
や標識を制作して
「墜落災害防止強化運動」を重点
コミュニケーションを充実させ、より開かれた組織を形
展開しています。
成します。
支店真栄会に対する安全表彰
全国安全環境会議
真栄会連合会および支店真栄会も参画
して安全衛生管理計画が検討される
「墜落災害防止強化運動」ポスター
「あっ あぶない!災害から何を学ぶか」
真栄会連合会と共同制作した当社の
災害事例集
「可搬式作業台の禁止動作」標識
「安全環境のしおり」を発刊し、全作業所の食
3 毎月
堂、休憩所等に掲示して、
「危険に対する感受性」の
労働安全衛生マネジメントシステム
当社では、2003年度より安全衛生管理水準の一層の
向上を図っています。
向上を目指して
「労働安全衛生マネジメントシステム」
を構築し、運用しています。
月刊「安全環境のしおり」
…………………………………………………………
視したものとし、
より
「充実感」
と公平感をもたらします。
心と体の健康管理について
社員の「ガンバリ」の源は「健康」
と
「家庭」の充実に他
社員の健康確保を一層推進するために、定期健康診
断実施はもちろんのこと、産業医による健康相談の受診
も推奨しています。そこでは、長時間労働等による体調
のチェックやメンタルに関する相談など、心と体の両面
で社員をフォローしています。また、有給休暇の取得を
推進する一方で、工期終了時にまとまった休暇の取得を
労働安全衛生マネジメントシステムの導入
4 過去の災害事例等も掲載した「災害速報」を作成
奨励し、家族とのふれあいを通じ心と体をリフレッシュし
て、新たな気持ちで次の業務に取り掛かれるよう努めて
し、社内ホームページへの掲載、協力会社への送付
経営との一体化
リスクアセスメント
への取り組み
自主的な対応の促進
および安全朝礼での報告・注意喚起等により類似
全社的な推進体制
の整備
リスクの低減
組織的、継続的かつ
効果的な活動の励行
災害防止の水平展開を図っています。
処遇も旧来の年功によるものではなく、能力・成果を重
なりません。
…………………………………………………………
ム、国内留学、資格取得の推進、およびOJT等を効果的に
組み合わせて体系的・継続的な教育を行うことにより、
を評価の対象としますので納得性も得られるうえ、その
KY(危険予知)活動風景
具体的にはキャリア・ニーズに応じた研修プログラ
います。
社員一人ひとりの成長をサポートしていきます。
共通教育
特別教育
上級管理者
研修
幹部研修
中級管理者
研修
選抜マネジメント
研修
初級管理者
研修
国内留学
入社5年目
研修
職種別教育
一般教育
専
専
専
専
専
門
門
門
門
門
技
技
技
教
教
術
術
術
育
育
教
教
教
育
育
育
新入社員
研修
部門共通
セ各コ
ク種ン
シマプ
ャネラ
ルジイ
ハメア
ランン
ストス
メシ教
ンス育
トテ、
講ム企
習 教 業
育行
等、動
人憲
権章
教、
育
、
土木部門 建築部門 設計部門 営業部門 事務部門
その他
O
資
J
格
T
取
社
員
活
力
の
尊
重
得
支
援
全社員
[教育内容]
●共通教育
部門を横断的に実施する階層別研修 等
新入社員研修、入社5年目研修、初級・中級・上級管理者研修 等
●特別教育
社
員
の
モ
チ
ベ
ー
シ
ョ
ン
向
上
の
た
め
に
経営層の育成など、特定の階層を対象に目的を特化して行う研修 等
幹部研修、選抜マネジメント研修、国内留学 等
●職種別教育
部門(土木、建築、設計、営業、事務)
ごとに行う専門教育
①階層別技術教育(新入社員研修、主任・所長研修、
キャリアに応じた専門技術教育 等)
②専門教育(専門職種教育、VE講座 等)
●一般教育
全社員を対象に行う教育
コンプライアンス教育、企業行動憲章教育、各種マネジメントシステム
ⅠT教育、
教育、安全衛生教育、
人権教育、
セクシャルハラスメント講習 等
●その他
キャリアライフプラン研修、OJT教育、資格取得支援 等
技師制度について
労働災害のさらなる減少
高い技術力を誇る会社として、当社は2006年4月1日に「技師制度」
を新設しました。
これはトップレベルの技術者をもって技術・ノウハウの伝承の中心的な存在=「技師」
と位置付け、技術者をよりプロ
安全衛生水準の向上
フェッショナルな人材へと育成することを目的としています。
また、技術者である社員に対して
「技師」
という明確な目標
を提示することで、社員の意欲向上にも一役買っています。
17
工事現場の安全朝礼風景
災害速報
18
透明性の高い経営体制の構築
∼ステークホルダーからの信頼に応える∼
三 井 住 友 建 設およびグループ各社は、透明性の高い経営体制を構築し、
コンプライアンスの推進
企 業 集 団としての価 値を高めるため、コーポレートガバナンス、内部統制システム、
コンプライアンス体 制の充 実に努めています。
コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
コーポレートガバナンスの基本方針
業務執行機能
当社は、効率的で公正な経営体制を構築し、株主をは
「執行役員制度」を導入し、取締役会の意思決定機能
じめとするステークホルダーの皆さまの信頼と負託に応
と執行役員の業務執行機能を明確に分離することで、意
えるため、
「迅速な意思決定」
「戦略性の高い組織設計」
思決定の迅速化と責任の明確化を図っています。
「企業行動の透明性、合理性の確保」
「内部統制システム
また、業務上の重要事項の審議機関として「経営会
の確立」
「適正なディスクロージャーとアカウンタビリテ
議」を設けて、業務執行における意思決定の透明性を高
ィの充実」をコーポレートガバナンスの基本方針として
めるとともに、その諮問機関として部門横断的な構成員
います。
による各種委員会を設置して、業務執行における機動的
かつ的確な意思決定を確保しています。
社
会
性
の
重
視
透
明
性
の
高
い
経
営
体
制
の
構
築
機関構成および組織運営
適切な内部統制システムの確立
当社取締役の人数は13名であり、当社の大株主であ
当社は内部統制委員会を設置して、業務の有効性およ
る大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベスト
び効率性を確保するために必要な施策を実施していま
メンツ株式会社より3名の社外取締役を選任して、取締
す。
また、本支店の業務部門から独立した内部監査部門と
役会の監督機能を強化しています。
して監査部を設置して、法令等の順守状況、内部統制シス
また、監査役の人数は5名であり、
うち社外監査役を3
テム全般の運用状況についてモニタリングし、企業活動
名選任して監査役会の機能充実に努めています。
の適正性確保に重要な役割を果たしています。
なお、当社は2007年4月に行われた取締役会において、
「内部統制システムに関する基本方針」
を決議しています。
事業継続(Business Continuity Management:BCM)への取り組み
コンプライアンス・マニュアルの策定
談合排除プログラムの制定
当社のコンプライアンス・マニュアルとして、
「企業行
当社は、2007年6月1日付で「談合排除プログラム」を
動憲章付属:法令等詳説」を策定しています。
このマニュ
制定し、
「談合行為の完全排除・禁止」を役員・社員全員
アルは、建設業法、独占禁止法等、当社の企業活動に密
に改めて周知徹底しています。
接に関わる法令について、主として実務的な観点から
談合行為を完全に排除するためには、❶経営トップの
「分かりやすさ」をモットーとしたオリジナルの解説書と
明確かつ揺るぎのない「完全排除・禁止」姿勢、❷社内順
しての機能を有しています。
い順守意識とが、三位一体として維持されることが肝要
コンプライアンス教育
であると考え、
このプログラムには、経営トップによる談
法令等詳説については、全役職員に対し周知(掲示、
合排除宣言、社内監視体制、行動指針、教育資料等を盛
配付等)するのみでは足りず、折に触れて啓蒙活動を行
り込んでいます。
また、役員・社員の順守意識をさらに高
う必要があります。当社では、総務・法務部において、新
めるために、全役員・社員から
「談合を行わない・談合に
入社員研修、職種別集合教育等の機会を捉え、法令等詳
関与しない」
旨の誓約書を取り付けています。
説をメインツールとした教育を積極的に行っています。
また、支店総務部においても、同様の活動を行ってい
情報セキュリティへの取り組み
ます。
ⅠTの急速な発展に伴い、ネット犯罪や情報漏洩事故が
多数報道されていますが、当社は高度情報化社会に対
内部通報制度
応した企業活動の遂行には情報セキュリティの確保が
当社における組織的あるいは個人的な法令違反行為
不可欠と考え、積極的な取り組みを行っています。
に関する通報・相談の適正な処理の仕組みを定めること
具体的には2005年4月の個人情報保護法の完全施行
により、不正行為の早期発見と是正、未然防止に資する
を機に、
プライバシーポリシーや個人情報保護規則を制
体制を構築することを目的として、2006年2月1日付で内
定し、全社員に情報セキュリティの重要性を周知しまし
部通報者保護規則を制定しています。この規則に基づ
た。さらにお客さまからお預かりした個人情報や企業秘
き、通報窓口を総務・法務部および顧問弁護士事務所に
密を確実に保護するため、情報セキュリティマネジメン
設置し制度運用を開始しています。
トシステム(ⅠSMS)の構築に取り組み、2006年9月に建築
通 報 手 段としては、通 報 窓 口 に 対 する電 話、FAX、
施工部門においてⅠSO/ⅠEC 27001認証を取得しました。
e-mail、面談の各方法によって行うことができ、幅広く通
今後はその認証範囲を拡大し、継続して情報セキュリ
近年、甚大な被害をもたらす地震、台風、洪水などの
会的責任を果たすためにも、迅速に社会基盤施設の復
報を受け付けるという観点から、匿名による通報も受け
ティの向上を目指すとともに、コンプライアンスを重視
自然災害や事故が発生した場合でも、企業は重要な業
旧活動の協力を行うとともに、お客さまの円滑な事業継
付けています。
し、お客さまの信頼に応えられるよう努めます。
務を中断させないこと、
また中断した場合でも早期に重
続活動への支援を行うため、以下に示す基本方針を制
要な業務を復旧させることが求められています。
定し、事前の事業継続計画(Business Continuity Plan:
このような事態に対し、当社は、建設事業を通して社
BCP)を策定しています。
総務管理本部長
指示
付議・報告
び激甚被害が想定される事故・災害等の発生時には、事業活動の重要な機能の維持・継続に努め、被災地および社会資本
総務・法務部
の復旧・復興・支援活動を迅速に行います。
●社員とその家族の安否確認および安全確保を速やかに行います。
●地域社会の一員として、救援活動や社会資本の復旧活動に貢献します。
●当社関連の施設や施工中工事等における二次災害を防止し、早期の事業復旧に努めます。
●お客様の事業継続活動が円滑に進むよう協力・支援を行います。
透
明
性
の
高
い
経
営
体
制
の
構
築
CSR委員会
当社は、建設事業を通じて安心・安全を提供するという重要な社会的責任を負っていることを認識し、大規模自然災害およ
また、定めた事業継続計画は、継続的に教育・訓練および評価を行い、適切に行動できる体制の維持・改善に努めます。
社
会
性
の
重
視
■内部通報制度体制図
BCP基本方針
19
守・監視体制の構築、❸役員・社員の十二分な理解と高
調
査
結
果
の
報
告
調査・協議
弁護士事務所
通報
電話・FAX・e-mail等
従業者等
通報者の保護
ⅠSMS登録証
20
地域社会とのかかわり
支店・作業所における取り組み
三 井 住 友建 設は、国 内外に多くの支 店、作業所を展 開しており、
地 域 社 会 から信 頼される健 全な企 業 市 民を目指しています。
当社では、全国に数多くの支店・作業所を展開してい
る事業の性質上、地域の皆さまからのご理解をいただく
海外における取り組み
日本土木工業協会が主催する
「百万人の市民現場見
第2メコン国際橋渡り初め
当社は、タイ・ラオス国境において施工した「第2メコ
第2メコン国際橋は、タイとラオスを結ぶ、円借款とし
学会」へも積極的に協力しており、2006年度は、延べ122
ン国際橋」
(2006年12月完成 P.9参照)において、日本
ては初の国境を跨ぐ事業であり、当社は橋の開通に先立
回実施し約3,700名が参加されました。
の国際協力銀行(JBⅠC)が実施したエイズプログラムに
ち、2006年の10月から12月にかけて、両国から橋を歩く
また、静岡支店で組織するNPO「まちづくり支援隊」も
渡り初め を実施し、タイ・ラオス両国の112校、約4,200
活動を進めており、安倍川水防訓練への参加、アドプト
大規模なインフラ整備においては、地方から多数の労
人の小学生が参加しました。
プログラム(清掃活動)への参加や道路・緑地帯の補修
働者が雇用され、また、経済発展に伴う人の移動の拡大
長年完成が待ち望まれていた橋を歩いて渡ることに
作業等を実施しています。
によりHⅠV感染の機会が高まることから、労働者とともに
より、その意義について将来を担う子供達の理解を深め
周辺住民への正しい感染予防知識の普及が不可欠とな
ることができたと思います。
ります。特に本事業は、インドシナ東西経済回廊開発の
地
域
社
会
と
の
か
か
わ
り
辺の清掃活動や見学会等を実施しています。
第2メコン国際橋事業におけるエイズ対策(Bridge of Hope)
参加しました。
社
会
性
の
重
視
ことが不可欠であるという考えのもと、支店や作業所周
要であり、その完成によりメコン地域におけるHⅠV感染
の拡大が懸念されたことから、JBⅠCによるエイズプログ
ラムが実施されることになりました。
当社は、
このようなプログラムへの参加は初めてであ
り、
また、
プログラムの実施により工事の遅れが懸念され
ましたが、工事に従事する労働者の健康管理も企業の
重要な責任であるという認識のもと、現地のNGO「タイ
家族計画協会(PPAT)」
とラオスの「サバナケット県エイ
ズ予防委員会(PCCA)」の支援を得て参加することとなり
ました。
プログラムは Bridge of Hope(希望の橋)
プロジェク
トと銘打って実施されました。主な内容としては、現場の
安全会議における安全管理者への啓発や管理職セミナ
ーの実施、および、PPATによる冊子やコンドームの配
ハノイ日本人学校児童によるタインチ橋見学会
「土木の日」近隣小学生の技術研究所見学
河 に 架 かるハノイ市で3番目の 橋、当 社JV施 工)は、
1994年から毎年この時期に、土木学会からの依頼により
を持ってくれるような工夫を凝らしました。
2007年2月2日に開通しましたが、開通式に先立ち、1月
技術研究所見学会を行っています。昨年も11月16日に流
質疑応答では、難易さまざまな質問があり、普段私た
10日にハノイ日本人学校5年生による橋梁見学会を実
山市立八木北小学校5年生の児童133人が訪れました。
ちが当然のように使っている言葉を解説する難しさを痛
施しました。
最初に、
「建設会社はこんなことをしています」で仕事
感しました。
タインチ橋は、橋長3,084m、道路幅16mの上下2車線
内容を紹介し、橋の施工の模様をビデオで見た後、7つ
の規模で、
日本でも類
のテーマごとに説明コーナーを設置してプレゼンテーシ
のない大橋梁です。
ョンを行いました。
児 童 たちは、普 段
テーマは「建物と地震」
「液状化」
「鉄筋コンクリート」
歩いて横断できない
社
会
性
の
重
視
地
域
社
会
と
の
か
か
わ
り
「3次元レーザースキャナ」
「音」
「空気質」
「ビル風」で、小
橋 面 上を歩き、橋 の
液状化が起こるとどうなるの?
コンクリートを割ってみよう
大きさを実感したよ
うです。
タインチ橋見学会
を招聘しての自発的カウンセリングと検査(Voluntary
Counseling and Testing)等を実施しました。
労働者を中心にJVでチームを組成し、地元主催のボートレースに飛び入り参加
(第2メコン国際橋)
寄与することができたと考えています。
問合わせ・クレーム等への対応
当社では、建設工事の施工に伴い発生する不適合・
また、蓄積されたデータを分析し、品質および環境マ
不具合とともに、周辺住民からの問合わせ・クレームに
ネジメントシステムの継続的な改善に活用しています。
関する情報をイントラネット上で収集・伝達・蓄積する
2006年度における工事の施工に関する問合わせ・クレ
「Ⅰsogooシステム」を運用しています。このシステムで
ームは、112件(要件の重複を含めると123件)発生して
は、以下の効果を上げることを目的としています。
います。
❶本支店関係部署とのコミュニケーションを図り、迅速
■Ⅰsogoo システム概念図
かつ的確に不適合・不具合、問合わせ・クレーム、およ
マネジメント
レビュー
継続的改善
び是正処置・再発防止に対処する。
❷是正処置・再発防止を他の作業所・支店内に水平展開
する。
❸必要に応じて、是正処置の水平展開として予防策を全
ハノイ工科大学の教授・学生約120名に対する現場見学会、現場周辺の清掃作業
(ナツソ交差点建設・改良工事:ベトナム)
21
水防訓練
学生にも分かるような説明を心がけ、
また建設業に興味
住民のHⅠV/エイズに対する啓蒙を行うとともに、医師
労働者エイズ教育と現場でのコンドーム配布(第2メコン国際橋)
街路補修作業
当社では、11月18日「土木の日」のイベントとして、
者宿舎でのビデオショー等により、労働者ならびに周辺
する認識度の向上が報告されており、当社もその一端に
河川敷清掃作業
ベトナムのハノイ市郊外で建設されたタインチ橋(紅
布、休み時間を利用した作業所における予防教育、労働
本プログラム実施により、労働者のHⅠV/エイズに対
作業所見学会
社的にフィードバックする。
❹発生する不適合・不具合や問合わせ・クレームを分析・
評価する基礎情報として活用する。
工
事
の
施
工
検査・試験
監査・審査
問合わせ
クレーム
水平展開
予防処置
外
部
情
報
処置
不
適
合
処
置
情
報
処置
是
正
処
置
情
報
分析・評価
データベース
22
環境経営と環境マネジメントシステム
環境会計
三 井 住 友 建 設は、経 営 理 念および企業行動憲章のもと、
全 店 統 合 型の環 境マネジメントシステムによる環境経営を推進しています。
当社は、
「 環境会計ガイドライン(2005年版)
」
( 環境
■環境保全コスト
(百万円)
省)および「建設業における環境会計ガイドライン(2002
年版)
」
(建設業3団体)に基づき
「環境会計ガイドブック」
全店統合型マネジメントシステム
および「環境保全コスト管理要領」を策定し、2005年度
結果は次年度の計画等の見直しに反映され、継続的改
2006年度につきましては、土木30作業所、建築30作業
な環境配慮の活動を自主的・積極的に取り組むことによ
善に努めています。
所、計60作業所(完工高比率16.2%)をサンプリング作業
E 社会活動コスト
り、環境に優しい ものづくり と建設作品・サービスを社
このように、全店統合型の環境マネジメントシステム
所として選定し、環境保全コストを収集しました。
F 環境損傷対応コスト
会に提供することにあります。
の中で支店他全店のPDCAサイクルを機能的に回すこと
この試行結果を反映して、
「環境会計管理規定」
を策定
この環境経営の発信基地として
「中央環境委員会」があ
により、
より効果的な環境経営を行います。
し、2007年度より運用を開始します。運用に当たっては、
具体的には、
「中央環境委員会」の審議を経て部門ご
年度行動計画
とに策定される全店共通の環境年度行動計画に基づ
整合を図ることで、入力・集計の省力化およびデータの
信頼性向上を目指します。
報告
本店各部門
(営業、設計、購買、施工、事務業務、研究開発)
き、本店各部門から支店各部門、作業所へと展開されま
す。
この活動結果は支店長に報告され、支店マネジメン
年度行動計画
トレビューを実施するとともに、本店各部門に報告され
た全店の活動の成果は「中央環境委員会」に報告され、
8,674
C 管理活動コスト
337
D 研究開発コスト
197
6
合計
51
9,425
●範囲……… 三井住友建設
(株)国内事業所(ⅠSO14001審査登録範囲と整合)
●期間……… 2006年4月1日から2007年3月31日
●集計方法… 作業所の環境保全コスト情報はサンプリング方式とし、前年度工種
別の完工高を参考に、作業所数および完工高の10分の1以上を基
準として当社単独工事またはJVスポンサー工事の中から選定し、
当該年度の完工高に割戻した推定コスト。
その他内勤部門では関係コスト全数を対象として算出しています
が、
グリーン調達コストのように、差額計上を必要とする項目につ
いては除外。
環境教育と内部監査
外部審査の結果
報告
環境保全活動の理解を進め、円滑な推進・定着を図る
支店各部門
(営業、設計、購買、施工、事務業務)
事業活動とマテリアルバランス
ため、環境システム教育、建設副産物の適正処理に関す
2006年11月に、
(財)建材試験センター(JTCCM)による
る教育等を実施しています。2006年度は、環境教育の実
( 維持審
ⅠSO 14001登録審査の「第7回サーベイランス」
施回数353回(前年度:292回)
、受講者数は延べ4,883人
査)が行われました。
(前年度:3,930人)
となりました。
発見された軽微な指摘事項
(5件)
については是正処置回
建設業と環境の関わり
事業活動における環境との関わりと取り組み
また、環境保全活動の実施状況を把握し、活動の改善
答書を提出した結果、
「是正処置および再発予防対策は有
建設業は、住宅、事務所、公共施設等の建物や道路、
当社は、事業活動に関わる主要な環境課題として、工
を進めるための環境内部監査は、環境システム文書の規
効である」
との評価により登録継続の判定を受けました。
橋、
トンネルなどの社会基盤整備を通じて、生活空間の
事周辺地域に直接影響する
「公害防止課題」
、エネルギ
定により各部門・部署、作業所で計画的に実施し、2006年
また、
審査報告書では、
審査全体を通しての評価として以
構築や国土整備という重要な役割を担っています。
ー消費や建設廃棄物・リサイクルなどの「資源循環課
度は全店延べ624回(前年度:601回)実施しました。内部
下が報告されました。
同時に、
これら建設物の建設時には、コンクリート、鋼
題」、地球温暖化や生態系保全に代表される
「地球環境
監査員数は714人(前年度:670人)
を維持しています。
●トップマネジメント、環境管理責任者及び作業所を含め
材など大量の資源を使用し、完成した建設物が解体され
保全課題」、そして環境汚染防止や健康被害リスク管理
た組織全体が熱意を持って環境マネジメントシステムの
るまでの供用期間には、照明、空調などで多くのエネル
などの「有害化学物質管理に関する課題」をとらえ、それ
実施、
維持及び周知徹底に取り組んでいる。
ギーが消費されます。
らの環境課題に対し、事業活動の各段階(
「企画・設計」
、
環境法規制の順守
「施工」、
「リニューアル・解体」、
「技術開発」
)およびオフ
ィス活動で取り組んでいます。
■Ⅰnput
■Output
エネルギー投入量
オフィス
施工
1.75×109MJ
電力
電力
灯油
軽油
483万kW・h
5,194万kW・h
845kℓ
32,402kℓ
主要建設資材投入量
343.1万トン
生コンクリート
鉄筋
鉄骨
セメント
主な再生材投入量 高炉生コン
電炉鉄筋
電炉鋼材
高炉セメント
再生砕石
アスファルト混合物
23
44
3,424
162
及ぼす影響を認識・理解し、これに対処する多種、多様
「環境会計システム」を構築し、既存の経理システムとの
5,205
B 上・下流コスト
下期より環境会計を試行導入しています。
中央環境委員会
委員長:副社長
地球環境保全コスト
資源循環コスト
マネジメントレビューを実施します。また、
このレビュー
など、
環境への取り組みに関する重要事項を決定します。
環
境
経
営
と
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
A 事業エリア内コスト
環境への取り組みの基本姿勢は、当社事業が環境に
り、
環境方針の策定、
全店展開の環境年度行動計画の審議
地
球
環
境
へ
の
貢
献
公害防止コスト
313.2万トン
18.3万トン
7.4万トン
4.2万トン
60.1万トン
18.3万トン
3.0万トン
0.5万トン
25.2万トン
2.3万トン
CO2排出量
オフィス
施工
建設廃棄物排出量
総発生量
コンクリートがら
建設汚泥
アスコンがら
木くず
混合
その他
計
119.2千トンCO2
2.7千トンCO2
116.5千トンCO2
19.6万トン
32.7万トン
3.0万トン
1.3万トン
2.3万トン
3.4万トン
62.4万トン
62.4万トン
中間処理量
コンクリートがら
19.6万トン
建設汚泥
32.4万トン
アスコンがら
3.0万トン
木くず
1.3万トン
混合
2.1万トン
その他
3.0万トン
計
61.3万トン
建設発生土
総発生量
原単位:26.2トンCO2/億円
125.7万m3
176.0万m3 有効利用
地
球
環
境
へ
の
貢
献
環
境
経
営
と
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
シ
ス
テ
ム
●全店の大きなPDCAのサイクルと、
支店長等のPDCAのサ
イクルが構築され、
運用されている。
2006年度、環境法規制に抵触する行政処分や法令罰
●全体として、
目標管理制度と一体となりつつ、環境マネジ
則の適用となる、あるいは発注機関による指名停止など
メントの輪郭が明確にされた、緻密でかつ洗練されたシ
の違反事案は発生しませんでした。
ステムとなっている。
原単位:137.0トン/億円
最終処分量
建設汚泥
がれき類
0.4万トン
0.3万トン
混合
その他
計
0.2万トン
0.3万トン
1.1万トン
原単位:276.0m3/億円
76.6万m3 最終処分
49.2万m3
※オフィス活動に伴う二酸化炭素(CO2)排出量は、本店、支店のオフィスビルにおける電気使用量から、
「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」の係数を使用し算定しています。
※施工段階における二酸化炭素(CO2)排出量は、
(社)
日本建設業団体連合会の「施工分野・二酸化炭素排出量並びに削減量把握調査」を活用し、サンプリング方式により算
出し、電力については、
「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」の排出係数を使用し算定しています。
※エネルギー投入量は、
「エネルギー源別標準発熱量」
(資源エネルギー庁 平成19年5月)により算出しています。
24
環境保全活動
三 井 住 友 建 設は、環 境マネジメントシステムに基づく事業活動において環境負荷を認識し、
地球温暖化対策/二酸化炭素排出量削減
できる限りこれを低 減させるだけでなく、建設物自体の環境性能の向上、
生 態 系 保 全のための技 術 開 発などにも積極的に取り組んでいます。
施工段階における取り組み
■2006年度 CO2排出量
施工段階におけるCO2発生原因の大半は軽油の使用
CO2排出量
にあることから、当社では、全作業所において軽油使用
2006年度 環境活動結果と2007年度 環境目標
量削減を目指し
「アイドリングストップ運動」および「省
土木
エネ運転」の実施、
「重機・車両の適正整備」の励行、
「建
部
門
土
木
施
工
部
門
環境目的
地
球
環
境
へ
の
貢
献
環
境
保
全
活
動
土
木
設
計
部
門
建
築
設
計
部
門
―
○
グリーン調達品の使用促進
グリーン調達品の実績調査
―
○
指定建設廃棄物(※2)の
分別率の維持・向上
分別率(※3)
全店集計 50%以上
44%
△
今年度着工作業所での実施率15%以上
19%
○
省エネ運転実施(※4)
今年度着工作業所での実施率95%以上
99%
○
94%
○
100%
○
11件
○
適用すべき物件を100%実施
3件
○
適用すべき物件を100%実施
―
―
適用すべき物件を100%実施
「ゼロエミ施工」の実施
CO2排出量の削減
3.建設資機材の
グリーン調達の促進
グリーン調達品の使用促進
1.省資源化配慮設計の
提案および実施
2.地盤配慮設計の
提案および実施
3.その他の環境配慮設計
の実施
設計プロジェクトにおける
省資源化配慮設計の提案および実施
設計プロジェクトにおける
地盤変位配慮設計の提案および実施
設計プロジェクトにおける
その他の環境配慮設計の提案
1.紙(OA紙)購入量の低減
事
務
業
務
部
門
CO2排出量調査による
CO2排出量・削減量の算出
3.建設資機材の
グリーン調達の促進
3.省資源化
2.電気使用量の低減
3.事務用品等の
グリーン調達の促進
環境配慮設計の総合的実施
分別率(※1)95%以上
CO2排出量削減活動の実施率
(実施作業所数/全作業所数=100%)
CO2排出量・削減量調査
全店合計100作業所以上および排出削減量
目標の算出
全作業所でグリーン調達ガイドラインに沿った運用
実施
全店合計100作業所以上で実績調査の実施
適用すべき物件を100%実施
適用すべき物件を100%実施
適用すべき物件を100%実施
建築物の環境性能効率
BEE≧1.0/PJ(※5)
省エネルギー対策の実施
評価点 SLR-1≧3.0点/PJ(※6)
PAL・CEC値の低減(※7)
PAL:規制値の97%以下
CEC:規制値の95%以下
省資源化対策の実施
評価点
SLR-2≧3.0点/PJ(※8)
5.混合廃棄物の発生抑制
(日常業務)
土
木
営
業
部
門
建
築
営
業
部
門
購
買
部
門
1.地球保全関連の提案
による受注拡大
2.地域環境保全関連の
提案による受注拡大
3.廃棄物・リサイクル関連
の提案による受注拡大
4.化学物質対策の提案
による受注拡大
1.地球保全関連の提案
による受注支援
2.地域環境保全関連の
提案による受注支援
3.廃棄物・リサイクル関連
の提案による受注支援
4.化学物質対策の提案
による受注支援
1.グリーン調達の促進
○
CO2排出量の削減
●全作業所でCO2排出量削減活動実施
CO2排出量削減活動実施率:80%以上
CO2排出量の削減
●全作業所の80%以上の作業所にて
CO2排出量・削減量調査の実施
グリーン調達品の使用促進
●全作業所の80%以上の作業所
にてグリーン調達実績調査の実施
建築物の環境性能効率
BEE≧1.1:PJ平均値
○
評価点 SLR-1≧3.1点:PJ平均値
○
○
PAL≦規制値の95%:PJ平均値
CEC≦規制値の93%:PJ平均値
○
評価点
SLR-2≧3.1点:PJ平均値
前年度比98%以下
96.3%
○
94.9%
○
再生紙購入の推進
●OA紙購入量の80%以上
電気使用量の低減
●前年度比98%
―
(1.再生紙購入の推進に移行管理)
電気使用量の低減
前年度比98%以下
グリーン購入法に適合した
再生紙(OA紙)の使用促進(※9)
グリーン購入法に適合した事務用
品又はエコマーク商品の使用促進
OA機器に関するグリーン調達の促進
OA紙購入量の75%以上
82%
○
活動項目の実施(※10)
―
○
活動項目の実施
活動項目の実施(※10)
○
活動項目の実施
関連技術の開発を推進する
各研究開発部
33点以上(※11)
―
土木研究開発部
42点(※11)
建築研究開発部
46点(※11)
応用研究開発部
65点(※11)
全部平均
51点(※11)
○
関連技術の開発を推進する
●各研究開発部 36点以上
―
○
再資源化可能な廃棄物のリサイクルを
推進する
●分別回収度合 90%以上
―
○
目標管理制度により展開
2.省エネルギー技術の開発
3.土壌汚染・地下水汚染
対策技術の開発
4.快適で健康的な環境を
創造する技術の開発
本店:1.35
支店:1.18
全店:1.29
本店:3.31
支店:3.22
全店:3.28
PAL:73%
CEC:70%
本店:3.26
支店:3.29
全店:3.27
紙(OA紙)購入量の低減
1.構造物の長寿命化技術
の開発
技
術
研
究
部
門
混合廃棄物の発生抑制
●分別率 95%以上
CO2排出量の削減
●CO2排出量削減活動実施率 80%
CO2排出量の削減
●CO2排出量・削減量調査の実施率
(実施作業所数/全作業所数) 80%
グリーン調達品の使用促進
●グリーン調達品の実績調査
混合廃棄物の削減
●混合廃棄物原単位:9.6kg/m2以下
「ゼロエミ」施工の実施
●今年度着工作業所での実施率 15%以上
○
CO2排出量の削減
2.省エネルギー化
環境年度行動計画(2007年度)
環境目標・目標値
100%
2.CO2の排出抑制
1.環境配慮設計の実施
活動結果(2006年度)
実績値
達成評価
○
混合廃棄物の分別率の向上
2.CO2の排出抑制
目標値
97%
1.混合廃棄物の発生抑制
1.建設廃棄物最終処分量
の削減
建
築
施
工
部
門
環境年度行動計画(2006年度)
環境目標
再資源化可能な廃棄物の
リサイクルを推進する
分別回収度合 90%以上
設発生土の搬出量および輸送距離」の削減等の活動を
推進しています。
また、CO2排出量およびCO2削減効果を定量的に把握
―
合計
灯油
軽油
合計
トンCO2
17,616
1,791
42,958
62,365
トンCO2/億円
13.09
1.33
31.92
46.34
54,139
トンCO2
11,209
346
42,584
トンCO2/億円
3.49
0.11
13.27
16.88
トンCO2
28,825
2,137
85,542
116,505
トンCO2/億円
6.33
0.47
18.78
25.58
するため、サンプリング(土木:95作業所、建築:94作業
を実施しました。
所)による
「CO2排出量調査」
その結果、2006年度のCO2排出量原単位は、建築16.9
トン/億円(総排出量 5.4万トン)
、土木46.3トン/億円
(総排出量6.2万トン)
となり削減活動の結果、1.6%(0.2万
トン)のCO2排出量の削減を行いました。
設計段階での取り組み
■CASBEE(※1)評価結果一覧表
建築設計部門では、2006年度の環境目標として
「環境
用 途
物件数
BEE(※2)平均値
ランク
(※2)
配慮設計の総合的実施」を掲げ、環境目標に対する達成
事務所
2
1.15
B+:2件
学 校
1
1.40
B+:1件
物販店
1
1.40
B+:1件
病 院
2006年度の全店における実施設計物件のうち30件に
2
1.40
A:1件、B+:1件
集合住宅
19
1.32
A:5件、B+:14件
ついて
「CASBEE」評価を実施しました。目標値は、建築物
工場・倉庫
5
1.14
B+:5件
の環境配慮度合いを示す
「BEE」
(Building Environmental
合 計
30
1.29
A:6件、B+:24件
度の確認ツールとして
「CASBEE」
(※1)
を使用し、活動に
取り組みました。
Efficiency:建築物の環境性能効率)の値を、すべての物
件において、現在の技術で標準であるとされる1.0以上
とすることでした。結果は、すべての物
(ランク B+ 以上)
件において目標値をクリアできました。
また、設計者の環
境配慮設計に対する認識をより深めるために、全店の設
計部門を対象に「CASBEE」説明会を計14回実施し、延べ
104人の参加がありました。
2007年度は継続して環境目標に「環境配慮設計の総
目標管理制度により展開
建築
電力
合的実施」を掲げ、環境配慮設計を行い、
「CASBEE」評価
地
球
環
境
へ
の
貢
献
環
境
保
全
活
動
※1 建築物の環境性能を総合的に評価する手法として、2001年以降、産・官・学共
同プロジェクトにより進められてきた「建築物総合環境性能評価システム
(Comprehensive Assessment System for Building Environmental
Efficiency)
」
です。現在、9自治体において、条件に該当する建築物には、
「CASBEE」評価が義務付けられており、
さらに今年度2自治体にて義務付けら
れる予定です。
※2 評価のラベリング:BEEの値により以下の5段階に分類されます。
BEE≧3.0 ランクS(素晴らしい)
3.0>BEE≧1.5 ランクA(大変良い)
1.5>BEE≧1.0 ランクB+(良い)
1.0>BEE≧0.5 ランクB−(やや劣る)
0.5>BEE ランクC(劣る)
BEE=1.0の建築物が、現在の技術で標準的な建物を表すように採点基準が
定められています。
を実施します。
目標管理制度により展開
―
―
目標管理制度により展開
―
―
(※12)
○
目標管理制度により展開
○
目標管理制度により展開
達成評価欄の記号凡例 ○:達成 △:一部未達
※1 分別率(%)=(分別した廃棄物の合計−建設汚泥量)/(発生した廃棄物の合計−建設汚泥量)
とし、解体工事は除く。 「分別した廃棄物の合計」=「発生した廃棄物の合計」−「混合廃棄
物(安定型)+(管理型)」 ※2 指定建設廃棄物 (コンクリート、
アスコン、汚泥、金属を除く建設廃棄物)
ガラスくず・陶器くず、廃プラスチック類、混合(安定型)、紙くず、木くず、繊維くず、廃
石膏ボード、混合(管理型含む)
:新築工事を対象とする ※3 指定建設廃棄物の分別率=[1−{混合(安定型+管理型)}/指定建設廃棄物] ※4 省エネ運転 = 業務車両からのCO2排
出削減に向けた当社で奨励する効果的な運転方法。
アイドリングストップ、適正車両整備、対象車両の運転経路管理・教育活動を行うもの。 ※5 PJ:個別設計プロジェクト
(共通事項) 建築
物の環境性能効率(BEE:Building Environmental Efficiency) BEE=建築物の環境・品質性能Q/建築物の環境負荷L ※6 評価点:SLR-1(LR-1評価の平均点) LR-1:
「建物の熱負荷」
「自然
エネルギー」
「設備システム効率化」
「効率的運用」 ※7 PAL(Perimeter Annual Load)
:年間熱負荷係数 CEC(Coefficient of Energy Consumption)
:設備システムエネルギー消費係数 省エネ法指定物件:①ホテル・旅館②病院・診療所③物品販売・店舗等④事務所⑤学校⑥飲食店⑦集会所等 ※8 評価点:SLR-2(LR-2評価の平均点) LR-2:
「水資源保護」
「低環境負荷材料」
※9 グリーン購入法適合のOA再生紙:古紙パルプ配合率100%かつ白色度70%程度以下 ※10 2006年度は数値目標を設定せず、2007年度の継続を踏まえ、実績調査を行う。達成度は、
各展開部署からの活動内容の評価にて行う。 ※11 環境目標への寄与度合、技術開発の段階、進捗率目標(各3段階評点)から算出する達成度評価点 ※12 グリーン調達の実績値、活動
内容については、P.27の「グリーン調達の促進」
を参照
25
26
環境保全活動
グリーン調達の促進
■2006年度建設廃棄物の品目別排出状況
■建設廃棄物種類別排出量推移
建設廃棄物排出量は、
建設汚泥が最も多く32.7万トン排
三井住友建設では、環境方針に、環境負荷の低減に取
り組むことを掲げ、環境負荷のより少ない資機材、構法・
工法、技術および事務用品等の優先的な調達(グリーン
調達)に努め、持続的発展が可能な循環型社会づくりを
目指しています。
出し全体量の53%を占めています。次にコンクリートがら
■〈2006年度 実績〉土木部門・建築部門
実績調査品目
使用量
電炉鋼材(電炉鉄筋を含む)
19.6万トン
(31%)
、
アスファルト・コンクリートがら3.0万トン
213,335トン
高炉セメント
(5%)
の順は前年度と同様です。
5,034トン
ずが42.1%増加し、
コンクリートがらが2.6%、
アスコンがら
工法、技術の開発にも注力しており、グリーン調達重点
パーティクルボード※
が25.5%、混合廃棄物が2.4%減少しました。建設汚泥の8.8
595,000m2
繊維板※
135,000m2
上とその活動を促進させるため、従来の「グリーン調達
前年度比
3,994
42.1%
22,803
-555
-2.4%
27,925
38,355
33,789
-4,566
-11.9%
合計
638,612 619,714 552,669 623,765
71,096
12.9%
万トン増加し、
建設事業の推移が強く反映されました。
再生資源利用促進(搬出)の状況
82%(4,495/5,481万枚)
+1ポイント
建設副産物のうち指定副産物のリサイクル状況(再生
176万m3のうち28%の約50万m3が現場内で利用されて
文書に位置付けをし、促進を図ることとしました。
事務用品
49%
+2ポイント
資源利用促進率)は、前年度までの上昇傾向から、低下
いるのが特徴です。
■2006年度 取組品目・調査品目
コピー機等
100%(33/33台)
+4ポイント
プリンタ等
となりました。
他の品目は、場内利用はわずかで、ほとんどが再資源
100%(21/21台)
同
品目別では、建設発生土16ポイント、コンクリート塊1
化施設に搬出されています。今後とも、廃棄物削減・リサ
ポイント、アスコン塊2ポイントの低下、建設発生木材
イクル率向上を進めるため、計画段階での対応が重要と
は、ほぼ横ばいとなりました。建設発生土は発生量約
なります。
■2006年度再生資源利用促進率
■再生資源利用促進率推移
重点取組品目
実績調査品目
ファクシミリ
−(0/0台)
同
土木部門
43品目
20品目
ディスプレイ
100%(315/315台)
同
建築部門
33品目
15品目
事務業務部門
(文具)
4品目
(コピー用紙、事務用品、印刷用紙(2種類)
)
事務業務部門
(OA機器)
4品目
(コピー機、
プリンタ、
ファクシミリ、
ディスプレイ)
(注)事務用品については、購入費の比率を示す。
(注)
コピー用紙の実績には、印刷用紙の実績も含む。
建設副産物種別
①発生量
③場外搬出量
建設副産物の排出およびリサイクル
■建設廃棄物排出量の推移
��
����
��
����
����
����
91
コンクリートがら
31%
��
建設汚泥
53%
196,229
30,429
13,511
765,671
193,395
29,617
12,640
��
⑤その他処理
491,734
2,834
811
871
��
72.1%
98.6%
97.4%
93.6%
�
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
アスコン塊
建設発生木材
再生品の利用には、インフラ整備、再生品の品質・安
事業別では、建設事業の推移の影響もあり、土木の搬
全性確保など課題山積ですが、引き続き再生資源の利
■ 混合廃棄物
入はこの4品目とも前年度比で減少しましたが、利用率
用推進に取り組みます。
■ その他
は、土砂3ポイント、砕石1ポイント、木材3ポイント上昇し
■再生資源利用率推移
増加しましたが、利用率はすべて低下あるいは低下ぎみ
建設副産物種別
�
建設発生土
建築とも15ポイント低下しました。
土砂(m3) 砕石(m3)
アスファルト
木材(トン)
混合物(トン)
搬入量
846,383
410,241
42,590
247,183
内再生資源量
707,542
126,171
22,664
302
利用率
83.6%
■ 2003年度 ■ 2004年度 ■ 2005年度 ■ 2006年度
(%)
���
��
■2006年度再生資源利用率
��
コンクリート塊
��
��
1,257,405
ました。建築の搬入は砕石が44%減少の他はいずれも
��
��
12ポイント低下しました。
■ 木くず
��
855
したが、再生アスファルト骨材は21ポイント、再生木材は
■ アスコンがら
アスコンがら 5%
��
2,344
�� ��
�� ��
ました。また、再生アスファルト骨材の利用率は、土木、
■ コンクリートがら
木くず 2%
503,415
�� �� �� ��
2ポイント、再生砕石は3ポイント前年度比較で上昇しま
■ 建設汚泥
その他 5%
13,602
�� �� ��� ��
です。特に再生木材の利用率は20ポイントの低下となり
■2006年度 建設廃棄物種類別排出割合
混合廃棄物 4%
31,284
�� ��
��
全体で再生資源の利用状況は、再生土砂の利用率が
62.4万トン発生し、前年度と比較して7.1万トン(前年度比12.8%)増加しました。
(万トン)
198,573
���
再生資源利用(搬入)の状況
建設廃棄物排出量の全体量は、当社の建設事業の推移を反映し過去減少傾向を続けていましたが、2006年度は
■建設廃棄物排出量の推移(全体)
1,760,819
■ 2003年度 ■ 2004年度 ■ 2005年度 ■ 2006年度
(%)
④再生資源促進利用量
R 再生資源利用促進率(%)
R=(②+④)/①
建設廃棄物の排出状況
建設発生土 コンクリート塊 アスコン塊 建設発生木材
(トン)
(トン)
(トン)
(m3)
環境保全活動
環境保全活動
コピー用紙
地球環境への貢献
地球環境への貢献
ガイドライン」を「グリーン調達管理要領」に改め、上位
②現場内利用・減容量
27
13,471
23,358
事業別では、
土木工事が2.9万トン減少、
建築工事は10.0
グリーン購入法適合品数量/全購入量
実績調査結果
9,477
18,153
万トンが顕著な増加でした。
(注)※印は、96サンプル作業所の集計結果を基に全体量を算出。
実績調査品目
12,946
28,336
22,664トン
■〈2006年度 実績〉事務業務部門
-2.6%
-25.5%
その他
707,542m3
2007年6月にはグリーン調達に対する社員意識の向
-5,175
21,857
89%を占めています。品目別では、建設汚泥が36.7%、木く
36.7%
-10,371
16,039
126,171トン
87,769
30,322
混合廃棄物
再生砕石
前年度比
40,693
木くず
255,808m3
2006
年度
コンクリートがら 231,407 243,239 201,424 196,249
この3品目で55.3万トン
(前年度比7.3万トン増)
、全体の
高炉セメント使用コンクリート
(トン)
2005
年度
278,276 272,829 239,362 327,131
44,622
建設発生土
より認められています。
建設汚泥
2004
年度
62,697
再生加熱アスファルト混合物
浄化においては、当社独自の技術を多数所有し、各方面
2003
年度
アスコンがら
当社では、環境負荷の低減に寄与する資機材、構法・
取組品目にも選定しています。その中で、土壌・地下水の
建設廃棄物
種別
30.8%
53.2%
0.1%
�� ��
�� ��
��
��
�� �� ��
��
��
��
�� ��
��
�
� �
土砂
砕石
アスファルト混合物
��
�
木材
28
環境保全活動
工事施工における環境への配慮
生態系保全の推進
自然環境に配慮した施工方法の採用−山切1号高架橋−
増殖機能を有する漁場造成
第二東名高速道路山切1号高架橋は、東名高速道路と
当社では1984年に テトラリーフ魚礁 を開発し、現在
現在建設中の第二東名高速道路とを結ぶ清水連絡路に
に至るまで13,000基を超える実績により、全国の漁場造
建設される橋長約700mのプレストレストコンクリート橋
成事業に貢献してきました。
です。
魚礁は魚類を集め、そこで漁獲することを本来の目的
本橋は、みかん畑や閑静な住宅地に近接し、
また起伏
としていますが、
このテトラリーフは、水平方向の射影板
の激しい山間部に位置していることから、建設に当たっ
を特徴とする魚礁で、以前よりヤリイカの産卵が確認さ
ては周辺自然環境の保全が求められました。
れていました。
そこで、経済性、施工性、品質を含めて考慮し、製作ヤ
2001年に施行された「水産基本法」において
「生態系
ードで分割して製作した橋桁(プレキャストセグメント)
の構成要素であり、限りある水産資源の持続的な利用を
を架設地点へ運搬し、接合後、プレストレスを与えて一
確保するため、適切な保存管理と増養殖を推進」するこ
体化するプレキャストセグメント工法を採用しました。
ま
とが基本理念としてあげられ、また、2002年の「新・生物
た、架設桁を用いた張出し架設工法により、すべて上空
多様性国家戦略」においても、
「生物多様性に配慮した
張出し架設概念図
つくり育てる漁業の推進」が謳われるなど、漁場造成に
としました。
ついても単なる漁獲のみを目的とするものから、幼稚仔
本橋では、
リブ・ストラット構造(橋桁の張出し床版部
魚の育成、産卵等に役立つなど、水産資源の持続的利用
を補剛する部材)を組合せた箱桁断面構造を採用し、架
のみならず水域の環境・生態系の保全に配慮することが
断面図
求められています。
を先行して施工、その後、工場で製作したプレキャスト板
このような状況の中、当社は2002年1月より青森県農
を用いて張出し床版部を施工する方法としました。
林水産部と、廃棄物として処分に困っていたホタテの貝
本工法により、セグメント重量の低減と架設サイクル
殻の利用方法について共同研究を行い、生の素材にで
日数の短縮が可能となり、また、張出し床版部に型枠が
きるだけ手をかけずに利用する方法として、コンクリー
不要なプレキャスト板を敷設するため、木材使用量の大
トへホタテ貝殻を直に植え込む方法を考案し、中床版へ
施工状況
ホタテ貝殻取付中床版
環境保全活動
環境保全活動
設時にはリブ・ストラットと箱桁部のみとしたセグメント
幅な削減とともに、施工の省力化も可能となりました。
地球環境への貢献
地球環境への貢献
からの施工を可能とし、周辺環境へ与える影響を最小限
テトラリーフ魚礁
ホタテ貝殻を敷設して水産動植物の増殖機能を付加し
全景
た テトラリーフTR-3型(ホタテ貝殻取付型)魚礁 を開発
しました。
「ゼロエミッション」への取り組み
当社建築施工部門では、環境年度行動計画において、
の結果報告・改善提案、場内一斉清掃時のゼロエミコー
建設廃棄物の削減・リサイクルを推進することで最終処
ナーでのゴミ分別監視活動など地道な活動を行い、
「ゼ
分量をゼロに近づける
「ゼロエミ施工」を着工作業所の
ロエミ施工」を実践しています。
能を有していることも確認され、
これらの結果より、テト
T作業所においては、廃棄物の分別ヤード(写真)を設
ラリーフTR-3型(ホタテ貝殻取付型)魚礁 はヤリイカの
けて、建設廃棄物を9種類に分別することで、最終処分量
産卵場所の他に、魚類の餌料生物の培養効果と、産卵等
をゼロに近づけるべく、
「ゼロエミ運動」を実施していま
るゼロエミチームにより、ゼロエミ運動の推進および実
施状況の監視等を行っています。ゼロエミチームでは、
特製のワッペンを付けたゼロエミリーダーを中心に、1
4.2倍∼2.7倍の生息量を示し、魚礁周囲の魚を採取し胃
アイナメの卵塊が多く見られ、魚類の産卵場としての機
エミ施工」
を展開しました。
(P.25参照)
目標を設定するとともに、協力会社の職長会で構成され
アイナメの卵塊
ニ類、エビ類、二枚貝類、小魚等が確認されました。
また、
年度には着工作業所の19%(34作業所)を選定し、
「ゼロ
産廃会社等からなるゼロエミ推進会議を設置して、方針・
殻部に生息する餌料生物は、コンクリート部と比較して
の内容物を調査した結果、ホタテ貝殻に生息していたカ
15%以上で実施することを目標として掲げており、2006
す。ゼロエミ運動の推進に当たっては、当社、協力会社、
2007年2月青森県六ヶ所村での調査では、ホタテの貝
分別ヤードと
ゼロエミ運動周知看板
の増殖効果を併せ持った魚礁と言えます。
この魚礁は、
2002年8月に特許を出願、2007年1月特許登録となって
おり、
これまでに約2,600基を設置しています。
当社では、これらのノウハウを活かし、生態系の構成
要素である水産資源の持続的な利用を確保できるよう、
今後の漁場造成に貢献してまいります。
日2回のゼロエミパトロールの実施、朝礼・打ち合わせで
29
30