366MB - 沖縄電力

特集
自然災害に対する取り組み
【総合防災訓練への反映】
私たちは、地域社会のライフラインを担うことの重要性を強く認識し、台風、地震、津波などの
自然災害に強い設備形成や被災時における迅速な復旧に向けた盤石な体制を構築し、良質な電気
の安定供給に向け全力を尽くしてまいります。
煙突
震災を踏まえての災害対策
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〈災害対策検証委員会での取り組み〉
災害対策検証委員会
東日本大震災の発生後、当社管内において
災害対策検証委員会
ワーキンググループリーダー会議
も大規模な地震・津波被害が発生し得るとの
考えや、災害はいつ起こるか分からないとい
災害対策検証委員会
ワーキンググループ窓口会議
う緊急性に鑑み、早急な設備耐力の検証を行
う必要性から、2011年(平成23年)3月29
設備
営業
総務・厚生・広報
資材
ワーキンググループ ワーキンググループ ワーキンググループ ワーキンググループ
日に「災害対策検証委員会」を設置し、これ
まで計6回の委員会を通して、事業継続の観
点から、電力設備の災害対策や復旧シナリ
オ、後方支援の検証を行うとともに、必要な
処置を進めています。
【事務局】
(防災室)
●主な検証内容
沖縄県ハザードマップ ※における地震・津波の被害
を想定するとともに、東日本大震災における電力設備
の被害・復旧状況の調査結果を踏まえた設備の強化対
策および復旧見通しを検証しています。
(※2010年(H22)3月 沖縄県地震被害想定調査、2007年(H19)
3月沖縄県津波・高潮想定調査)
これまで実施してきた訓練に加え、東日本大震災から得られた教
訓や、災害対策検証委員会における検討結果を反映した訓練を実施
しています。
【吉の浦ガスタービン発電所の建設】
現在、沖縄本島西海岸に被災時の復旧用電源を設置しております
が、災害対策について検討した結果、更なる復旧用電源を早急に設
置する必要があるとの結論に至りました。
具体的な設置場所は、本島東海岸に位置し、かつLNGタンクの保
安にも活用できる吉の浦火力発電所が最適と判断し、吉の浦ガス
タービン発電所1号機(仮称)の建設を計画しています。
また、当設備は、ピーク対応電源として活用することで重油焚き
火力と比較した場合、CO2排出原単位の削減など環境性の向上に資
することになります。
【今後の予定】
現行の沖縄県ハザードマップにおける
被害想定に対する設備強化対策案の策定
を進めています。
また、沖縄県から新たなハザードマッ
プなどが公表された場合は順次対応して
いく予定です。
送電線
これまでの災害対策
沖縄電力 CSRレポート 2012
沖縄県および市町村からの要請を受け、
広く県民の防災意識を啓発し、地域防災の
取り組みへ協力する一環として、当社所有
電柱への海抜表示シートを掲示するスペー
スを2011年(H23)9月より市町村へ無償
提供しています。
家庭や
オフィスなど
送電線路の2回線化、
2ルート化
送電線復旧の自動化
一部の送電線路が停止しても
停電とならないよう線路の2
回線化や2ルート化を図って
います。
停電が発生した場合の停電時
間短縮のため、送電線復旧の
自動化を図り、電力の安定供
給に努めています。
自然災害などにより変電所の
設備が被災し停止した場合に
備え、速やかに対象となる変
電所へ移動用変電設備を搬出
し、電力の早期復旧ができる
よう努めています。
高圧引下ケーブル
低風圧電線
変圧器に接続する
電線を電柱に這わ
せて施設するため
風の影響を受けに
くく、海沿いや内
陸部の強風地域に
採用することで断
線事故を防いでい
ます。
柱上変圧器の装柱改修
(ハンガー式)
支持物の連続倒壊防止
耐摩耗電線
低風圧電線を使用することで
従来の電線に比べ、風による
影響を低減することができま
す。
変台式
ハンガー式
変台式からハンガー式にすることにより、地震動によ
る柱上変圧器の傾斜および落下を防止しています。
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当社電柱への海抜表示スペースの無償提供
変電所
移動用変電設備による対応
万が一、送電系統が遮断されて発電所の電源を喪
失した場合に発電所の保安電源を確保できるよう
に、非常用発電機の起動確認を行っています。
【原動機】シンプルサイクルガスタービン
【場 所】吉の浦火力発電所構内
【出 力】34,940kW
【運 用】非常用電源およびピーク対応電源
【燃 料】LNG、灯油など
【運 開】2014年(H26)10月
配電線
発電所
非常用発電機の起動確認
その他の取り組み
吉の浦ガスタービン
発電所1号機(仮称)の概要
電線被覆の摩耗性が強化される
ため、樹木伐採や枝打ちが困難
な場所に使用することで、樹木
による事故を防止しています。
樹木伐採
直線線路の電柱におい
て、支線取付や2t柱
の使用などにより支持
物の強度を上げ、支持
物の連続倒壊を防止し
ています。
配電自動化
樹木伐採をする
ことにより、樹
木接触による断
線や樹木倒壊に
よる設備被害を
防止していま
す。
健全区間への自動負荷融通を行
うことで、停電の範囲を最小限
に留めるとともに、事故点の早
期発見を行っています。
◉配電自動化→
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沖縄電力 CSRレポート 2012
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