第十管区海上保安本部 マリンレジャー安全推進室 平成25年 6 月 5 日発行、第97号 【特集】気象・海象 (事故事例) 5 月 某 日 、男 性 1 人 乗 船 の プ レ ジ ャ ー ボ ー ト が 濃 霧 の 湾 内 で 位 置 を 見 失 い 、1 1 8 番 通 報 で 駆 け つ け た巡視艇に発見・救助されました。 プレジャーボートが向かっていたのは通常なら 1 5 分 程 で 到 着 す る 湾 内 の 対 岸 で し た が 、コ ン パ ス や G P S な ど を 一 切 持 っ て い な か っ た た め 、全 く 見 当 違 い の 方 向 に 進 ん で し ま い 、約 1 7 キ ロ も 離 れ た 場所で発見されたものです。 な お 、事 故 当 日 、海 上 で は 濃 霧 警 報 が 発 表 さ れ て いました。 巡視艇により無事発見! ☆船乗りの常識「自船の位置を知る」 船の大小に関わらず、自船の位置を知ることは船乗 りの常識!そのためには、方位を知るためのコンパス (方位磁石)や自船の位置を知るためのGPSを持ち ましょう。 GPS機能のついた携帯電話なら船位の把握だけで なく、いざというときの118番通報も可能!さらに スマートフォンならコンパスやGPSなどの便利アプ リを使わない手はありません! ☆出港を思いとどまるのも勇気「船長として自覚を持て」 平 成 2 4 年 に 海 難 を 起 こ し た 船 舶 は 1 4 3 隻 で 、こ の う ち プ レ ジ ャ ー ボ ー ト は 6 0 隻 で 全 海 難 船 舶 の 4 3 % を 占 め 、さ ら に 約 1 割 に あ た る 6 隻 の プ レ ジャーボートが気象海象の不注意で海難を起こしています。 船 舶 や 乗 客 の 安 全 を 守 る の は 船 長 の 義 務 ! 出 港 前 に は 、テ レ ビ や イ ン タ ー ネット、携帯電話などで 最新の気象・海象情報を入手し、条件が悪いときは 勇気をもって、出港の取りやめや延期を決断して下さい。 ☆もし自船の位置を見失ったときは「クールに対応」 事 故 事 例 の よ う に 濃 霧 で 自 船 の 位 置 を 見 失 っ た と き に 、む や み に 走 り 回 る のは大変危険。他船への衝突や乗揚げ事故などを起こす可能性大です。 こ の よ う な と き は む や み に 走 り 回 ら ず 、ま ず 冷 静 に な っ て 自 船 の 位 置 の 確 認 を ! エ ン ジ ン 故 障 な ど で 航 行 不 能 に 陥 っ た と き な ど で も 、自 船 の 位 置 が わ かっていれば救助も迅速です。 あ わ せ て 、自 船 に 接 近 す る 船 舶 の 有 無 や 水 深 や 危 険 な 岩 礁 な ど が な い か な どについても確認して下さい。 ☆ M I C S ( ミ ッ ク ス )「 登 録 す る な ら 今 で し ょ ! 」 海上保安庁では、プレジャーボート運航者や釣り愛好者などに、海の安全 に関する様々な情報を提供するMICS(ミックス)を運用しています。M ICSは、インターネットを通じ、誰でも簡単に利用できます。 また、7月1日からは、登録者にメールで気象警報・注意報や津波警報、 航路標識の消灯情報などを配信するメール配信サービスも開始されます。ぜ ひご利用下さい。 MICS ア ド レ ス http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/mics/ 登 録 用 ア ド レ ス http://www7.kaiho.mlit.go.jp/micsmail/reg/touroku.html 【マリンレジャー事故の発生状況】4月16日~5月15日 プレジャーボート11隻(34名)の事故が発生(衝突1隻、乗揚1隻、転覆浸水3隻、機関故障3隻、 運航阻害1隻、安全阻害1隻)し、3名が海中転落。 「うみまる通信」や「マリレ用海洋速報」についてのご意見、ご要望等がございましたら、第十管区海上 保安本部警備救難部救難課(マリンレジャー安全推進室事務局)までご連絡ください。
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