2012 - リコーロジスティクス

環境経営報告書
2012
R I C O H L O G I S T I C S G R O U P
SUSTAINABILITY
R E P O R T( E N V I R O N M E N T )
編 集 方 針
リコーグループは、環境保全と利益創出を同時に実現する「環境経営」を目指してい
ます。
当報告書は、リコーグループの環境経営の考え方を受けて構築しているリコーロジス
ティクスグループの環境経営の考え方、活動事例などを情報開示し、社会とのコミュ
ニケーションを図ると共に、環境活動と物流業の繋がりを広くお知らせするために発
行しています。また環境活動と事業活動の報告を通じて、環境保全活動の環が社会に
拡がることを目指しています。
対象読者は、リコーロジスティクスグループの企業活動に関わるすべてのステークホ
ルダー(お客様、地域の方々、パートナー、従業員 等)の皆様です。
報告対象範囲
リコーロジスティクスグループの中で、国内にてISO14001:2004認証を
取得した全組織の活動実績データを基本的な対象範囲としています。
なお、特筆すべき事項がある場合には、対象としている組織以外のデータを使用して
いる部分もございます。
報告対象期間
2011年4月1日~2012年3月31日
HP上での公開
当報告書は、HP上でも公開しております。
弊社の環境経営、並びに、社会的活動をご参照頂ければ幸いです。
環境活動公開 URL
http://www.rlc.co.jp/csr/ecology/
企業の社会的責任活動公開 URL
http://www.rlc.co.jp/csr/
表紙の写真
ハハジマノボタン ハハジマノボタンはノボタン科の植物で、小笠原諸島にのみ分布しています。日本においては絶滅危
惧類として野生種の絶滅が危惧されている植物です。
1
目 次 トップメッセージ
リコーグループの環境経営の考え方
リコーロジスティクスグループの経営理念/環境方針
リコーロジスティクスグループの環境経営の考え方
≪事業編≫
事業系環境負荷低減活動
循環型ロジスティクス
汚染防止
低公害車の導入
包装材の化学物質汚染への対応
3
4
6
7
9
10
11
省エネルギー・省資源
燃費改善への取り組み
アイドリングストップ装置の導入
配送効率の向上
グローバル輸送手段での環境負荷低減への取り組み
コンテナラウンドユース
モーダルシフト
輸送時におけるCO2排出量の可視化(首都圏地区)
改正省エネ法への対応
エネルギー使用量削減への取り組み
■環境活動の最前線から①
~節電への取り組み
循環型エコ包装
OPCドラム緩衝材リターナブルの推進
環境配慮型パッケージの設計・開発
■環境活動の最前線から②
~大型複合機のオール段ボール包装
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廃棄物の削減
循環型ロジスティクスを支える静脈物流
事業所系廃棄物量の削減
リサイクルセンター内部化
21
≪コミュニケーション編≫
環境マネジメントシステム
ISO 14001:2004認証取得状況
環境マネジメントシステムに関する社内教育
17
20
23
生物多様性保全活動 リコーグループの生物多様性保全活動
リコーロジスティクスグループの社会貢献活動
森林生態系保全活動
河川・海岸・路地での生物多様性/環境保全活動
24
表彰/認定
27
■特集 災害による影響とその対応
28
会社概要
沿革
29
30
2
トップメッセージ
この度は、リコーロジスティクスグループの『環境経営報告書』をご高覧頂き、誠にありがとうございます。
東日本大震災の発生直後に幕開けとなった2011年度は、福島第一原子力発電所の事故の影響によって、政府
から計画停電や電力使用制限令が発令され、持続可能なエネルギーのあり方について注目が集まることとなりま
した。リコーロジスティクスグループでは、電力の大口需要家に該当した物流センター京浜島第一、物流センター
板橋を中心に徹底した節電対策を実施致しました。
さらにこの年は国連によって定められた国際森林年(※)でもありました。森林は、光合成によりCO2を吸収、固
定することでCO2を貯蔵し、燃料として使用することは化石燃料に比較してCO2の排出抑制となるため、地
球温暖化防止に大きく貢献します。地球温暖化の深刻化が叫ばれるいま、世界レベルで森林への関心が高まって
いるのです。その中でリコーロジスティクスグループは、CO2を排出する物流事業者として、CO2を吸収す
る森林と、すべての地球環境を支える生物多様性の保全を重視しております。2011年度は、豊かな森林の保
全に寄与すべく、「企業の森・リコーロジスティクスグループ(御岳)」の協定を東京都と結びました。今後は
社員一丸となって、企業の森活動をはじめとした森林生態系保全活動を実施し「森づくりと、森づくりを通した
人づくり」を行ってまいります。
さて、私たちリコーロジスティクスグループには地球環境保全に関して三つの立場があると考えています。 一つ目はリコーグループのサプライチェーンの一部としてリコー製品の輸配送サービス提供を担う立場です。
リコーグループでは、先進国は2050年までに2000年度比で製品のライフサイクルにおける環境負荷を総
量にして1/8に減らす必要があると認め、2005年に「2050年長期環境ビジョン」として表明、202
0年と2050年を照準年とした数値目標を「中長期環境負荷削減目標」として策定しています。
私たちはグループ企業の一員として、上述した「中長期環境負荷削減目標」を達成すべく、2011年にスター
トした「リコーロジスティクスグループ第6次中期経営計画」をもって、「事業全域における世の中の環境ニー
ズに配慮した地球環境保全」の活動レベルから、地球環境保全活動と経済的価値創出の同時実現、同軸化を目指
す「環境経営」へと活動レベル向上を図り、事業活動の重要な柱の一つとして、全力をあげて取り組んでおりま
す。
二つ目はサードパーティーロジスティクスサービス提供企業としての立場です。私たちは動脈物流(包装設計・調
達・生産・販売)から静脈物流(回収・再生・処理)までの“一気通貫の物流ネットワーク”である「循環型ロジスティ
クス」を構築し、その過程で発生する様々な環境負荷の低減に努め、特に廃棄物に関しては3R(リデュース・リ
ユース・リサイクル)に配慮しております。そして、お客様にとって最適なロジスティクスサービスを提供する
立場として、多岐に渡る法令への対応、商習慣や地域社会の慣習の変化など社会的ルールの変化への俊敏な対応
を心がけ、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。
三つ目はグローバル総合物流企業の立場として、グローバル経済の更なる進展に伴う多様化による新しい社会的
ニーズに対応すべく、その役割をますます強く意識し、お客様起点におけるお役立ち実現のため、新たな価値創
造・提供を心がけ、より一層の信頼獲得と向上に務めております。
私たちは環境経営『ダントツ』トップランナーとして持続可能な社会の実現へ挑戦すると同時に、地域社会の皆
様に愛され存続を望まれ成長し続ける企業を目指してまいります。
※ 国際森林年(the International Year of Forests)
世界の森林の減少・劣化をくい止め、持続可能な森林管理・利用を拡げていくためには、政府や森林所有者、林業関係者による取組みも
重要です。しかしながら、企業や消費者も、原材料の調達や木製品の購入という事業活動や消費活動を通して関わりが深いことから、幅
広い方々の森林への意識を高めていくことが求められます。この考えから、世界で「持続可能な森林管理・利用」という森林の成長量を
超えない範囲での木材を利用していくことの重要性に対する認識を高めることを目的に、国連によって定められたのが2011年の国際
森林年です。(出典:国際森林年Webサイト http://www.mori-zukuri.jp/iyf2011/)
物流センター北名古屋
3
リコーロジスティクス株式会社
代表取締役
リコーグループの環境経営の考え方
リコーグループの環境経営の全体像
リコーグループの「環境経営」は、環境保全
と利益創出の同時実現を意味します。これを
「環境技術開発」「全員参加の活動」によっ
て推進しています。「製品」および「事業活
動」、それぞれについて「省エネルギー・温
暖化防止」「省資源・リサイクル」「汚染予
防」の3つの領域(3本柱)で活動を展開し、
その活動を効率的に推進するために「環境経
営の基盤」を整備しています。
地球環境を保全するには、環境負荷を削減す
るだけでなく、地球環境の回復力を維持し、
高めていくことも重要です。リコーグループ
は、「環境経営の基盤」の一部として私たち
の事業活動が生物多様性を基盤とする地球の
生態系サービスの提供を受けて成り立ってい
ることを認識し、生物多様性の保全に取り組
む方針を掲げております。
出典:リコーHP(http://ext.ricoh.co.jp/ecology/)
わたしたちの目指す姿~Three Ps Balance 環境保全活動の目的は、地球環境の再生能力の範囲内に環境負荷を抑制し、地球環境を維持することにあります。
リコーグループは、環境(Planet)・社会(People)・経済(Profit)の3つのPの関係が、歴史の中でどのよう
に変化したかを考えることで、目指すべき社会の姿を明らかにし、その実現に向けて企業としての責任を果たし
ていきます。
私たち人間が目指すべき社会の姿は、排出する環境負荷が地球環境の再生能力の範囲内に抑えられた状態です。
そして、それを実現するには、ただ漠然と環境保全活動に取り組むのではなく、長期的な視点に立ったビジョン
と具体的な活動を進めるための目標の設定が重要です。リコーグループでは、目指す姿に向けた通過点である
「2050年長期環境ビジョン」を描いたうえで、温暖化防止・省資源・汚染予防の3つの分野での目標を明確
に示した「中長期環境負荷削減目標」を策定し、環境保全活動を推進しています。地球環境と人間社会の未来に
貢献するため、リコーグループは、長期的なビジョンと明確な目標を持って、自らの挑戦を続けていきます。
■現在の姿
■私たちの目指す姿
出典:リコーHP(http://ext.ricoh.co.jp/ecology/)
4
リコーグループの環境経営の考え方
持続可能な社会実現のためのコンセプト~コメットサークル コメットサークルは、私たちリコーグループが目指す持続可能な社会を表現したもので、1994年に制定され
ました。それぞれの球体は、持続可能な社会を構築するためのパートナーを表しています。コメットサークルの
図は、上のルートが動脈系、下のルートが静脈系を表しています。右上の「原材料供給者」によって自然環境から
取り出された「資源」は、上のルートを右から左に流れる間に「製品」となってユーザーのお客様に届けられます。
使用済みの製品は下のループをたどって、左から右へと流れます。
リコーロジスティクスは、この動脈系や静脈系で発生する保管・梱包・輸送・回収・リサイクルの各過程を担っ
ており、動脈物流と静脈物流(※)を合わせた『循環型ロジスティクス』体制を構築しています。
※動脈物流と静脈物流
『原材料の調達→商品の生成→お客様へお届け』までの一連の物流を「動脈物流」、『使用済み商品の回収→再使用可
否の分別→再使用もしくは再資源化』までの一連の物流を「静脈物流」といいます。
長期環境ビジョンと中長期環境負荷削減目標 地球環境を保全し、持続可能な社会を実現するために、私たちは、環境負荷を地球の再生能力の範囲内に抑える
必要があります。そのためには、地球環境と人間社会の将来における「目指す姿」を描き、長期的なビジョンを
設定したうえで、活動を推進していかなければなりません。なぜなら、地球環境保全はやり直しのきかない課題
であり、短期的な視点で行動しては成果が得られないからです。そのためリコーグループは、持続可能な社会づ
くりを目指し、2005年に、先進国は2050年には、環境負荷を現在の1/8にする必要があるという「2
050年長期環境ビジョン」を策定しました。IPCC(※)による地球温暖化に関する警告に基づき、「205
0年長期環境ビジョン」の下に温暖化防止の必要性を考慮し、リコーグループライフサイクルでのCO2排出総
量を、2000年度比で2050年までに87.5%、2020年までに30%削減することを、「温暖化防止
中長期目標」として掲げております。
※IPCC(Intergovermental Panel on Climate Change/気候変動に関する政府間パネル)
国際的な専門家で構成された、地球温暖化に関する科学的研究の収集/検討/整理のための国際的政府間機構。IPC
Cは、今後20~30年に温室効果ガスの削減努力と投資が早急に必要であること、温暖化ガス濃度安定化のために世
界的な中長期削減目標が必要であること、削減の遅れはより厳しい気候変化の影響を助長することを指摘しています。
地球の環境負荷が削減される二つの世界(シナリオ)
5
環境目標の設定方法
出典:リコーHP(http://ext.ricoh.co.jp/ecology/)
リコーロジスティクスグループの経営理念/環境方針
経営理念 私たちは、グローバル物流企業としてすべてのお客様から信頼され続けるプロ集団を目指します
リコーロジスティクスグループでは、経営理念に則った「目指す姿」として
1.世界5極全てでお客様の困りごとを解決しグループ全体最適な物流サービスが提供できている
2.リコーグループ事業とのシナジーの創造によりお客様の事業拡大にお役立ちしている
3.一人ひとりが旺盛なチャレンジ精神を持ち、会社と社会の発展に貢献している
を掲げております。
環境方針 リコーロジスティクスグループでは、経営理念に則りCSR方針を定め、その中の「環境との調和」を環境方針
として設定しております。大気汚染・土壌汚染・化学物質による汚染の防止/省エネルギー・省資源化/廃棄物
の削減に取り組むことを宣言し、環境保全と事業継続の同時実現を目指しております。また「5S+SS(整理
/整頓/清掃/清潔/躾 + セーフティー/セキュリティー)」を全ての活動の基本と考え、環境活動や業務に
取り組んでおります。
リコーロジスティクスグループ
CSR方針
リコーロジスティクスグループは、リコーグループCSR憲章に則り、存在感と信頼感を獲得した好循環な経営基
盤創出と持続可能な社会作りへの寄与に向け、次の3点を方針の骨子とする。
1.品質活動、環境活動、情報セキュリティ活動、労働安全衛生活動、社会貢献活動の5つの活動とそれを包含
するコンプライアンスを経営の重要な柱と位置付ける。
2.事業活動の遂行上、併せ持つリスクを網羅的・統括的に捕らえ実効性・効率性のある統合的リスクマネジメ
ントを推進する。
3.従業者一人一人は、事業活動に関わるあらゆる利害関係者と向き合い、それを社会に対する責任と自覚し、
グループ全体の課題そして個人の課題として、理解し、取り組み、責任を果たし、当CSR方針を支える。
■誠実な企業活動
1.事業活動に関連する法規制及び当グループ各社の同意するその他の要求事項、必要であれば可能な範囲で自
主基準を定め、これを順守する。
2.現在及び将来の顧客ニーズを理解し、顧客要求事項を理解し、顧客の期待に答える。
3.事業活動に関わる重要情報流出防止とシステム障害発生防止及び発生時における迅速な業務復旧に努める。
■環境との調和
4.事業活動が環境に与える影響を削減する為、①大気汚染・土壌汚染・化学物質による汚染の防止②省エネル
ギー・省資源化③廃棄物の削減に努める。
■人間尊重
5.従業者一人一人、公正さと責任の保証のもと、自主性を尊重し、互いに信頼で結び合い、お互いを尊重しあ
える明るい職場環境を築く。
■社会との調和
6.社員、パートナーに対し、社会的責任の教育と啓蒙活動を行い、周知と理解の基、あらゆる活動を通して地
域社会と共存し、積極的な役割を果たし貢献することにより、良好な関係を築く。
7.CSR方針は公開する。
2009年6月
リコーロジスティクス株式会社
代表取締役 市岡 進
全ての活動の基本「5S+
全ての活動の基本「5S+SS」
整頓
整理
清潔
安全
Safety
清掃
5S
+
SS
躾
防犯
Security
社内啓蒙ポスター
6
リコーロジスティクスグループの環境経営の考え方
環境保全から環境経営へ
私たちリコーロジスティクスグループは、2011年度からスタートした「第6次中期経営計画(2011年
度~2013年度)」において、「環境」に対する姿勢を、「環境保全活動」から事業活動を通じて経済価値
創出につなげる「環境経営」へと移行すべく、本格的に舵を切りました。
これは社会貢献を含む社員一人一人の自主的な活動から、物流事業者として積極的に活動し成長していくこと
を意味しており、私たちは「環境革新(Green Innovation)」と称しています。
具体的には、お客様へ競争力の高い物流サービス提案を行う上で、新しい物流技術の開発、導入を基本として、
例えば物流ネットワーク効率化におけるリードタイム短縮や積載率向上による配送回数の削減、モーダルシフ
トなど、全体最適化を図ってお客様(荷主)に向き合っています。
結果的にコスト優位性を創出、つまり環境負荷に繋がるエネルギー使用量の削減が実現され、それはお客様
(荷主)への貢献、更に輸配送における運送パートナー会社への貢献となり、「環境経営」実現に繋がってい
ます。
[リコーロジスティクスグループ 第6次中期経営計画 環境戦略]
事業戦略と環境経営を融合させ「環境革新(Green Innovation)」を創出、加速し、
グローバル、そしてトータルに物流業界内で「環境優位(Green Advantage)」を確立する。
環境経営の推進体制 「環境革新(Green Innovation)」を実現するにあたり、私たちは事業活動を通じた環境負荷
低減活動をリコーロジスティクスグループとして取り組むための推進体制を構築しています。
具体的には、2011年度から品質本部長を委員長とし、リコーロジスティクスグループを構成する各事業部、
各社の管理部門長をメンバーとした「Green Innovation委員会」を創設、毎月定期的な会合を
開いています。各管理部門長をメンバーにすることにより、推進部門と事業部門の間で双方向の情報伝達並び
に水平展開が容易となり、積極的な意見交換が行われています。
この委員会では、事業部毎に事業活動における環境負荷低減活動テーマを登録し、事業の進捗状況及び環境負
荷低減状況の達成度合いを共有化しています。さらに環境負荷低減活動テーマは7つのセグメントに分け、事
業活動の何に環境負荷低減活動の効果が発揮されるか、されているかといった具体化を図っております。資源
投資や対策の検討などについて誰もが検討できるレベルにすることにより、リコーロジスティクスグループ内
において「環境革新(Green Innovation)」の活性化を実現させています。
環境負荷低減活動テーマの7つのセグメント
セグメント
1.ネットワーク改革
[拠点統合・集約・再編]
2.ネットワーク改革
[配送ルート改善・輸送効率]
3.配車マネジメント
[輸送業務・配送業務に関わる改善]
4.倉庫マネジメント
[倉庫業務・機能に関わる改善]
5.エコ包装
[リターナブル事業・包装設計技術展開・
購買機能・包装資材販売]
6.資源循環型ビジネス [ReC]
7.その他環境活動
7
具体的な活動(例)
・もともと2拠点あった物流拠点を一つに統合し、倉庫の稼動スペ
ース・稼働時間を最小限に抑えて電力使用量を削減
・配送ルートを効率良く見直し、車輌の走行距離を減らして燃料使
用量を削減
・車輌の積載率を上げて運行回数を減らすことで、車輌の走行距離
を減らして燃料使用量を削減
・入庫や出庫業務の生産性向上を図り、倉庫の稼働時間を最小限に
抑えて電気使用量を削減
・これまで廃棄していた資材をリターナブル化し、廃棄物を削減
・従来使用していた循環ラックの利用拡大を実施し、廃棄物を削減
・リサイクルセンター業務の生産性の向上を図り、製品リサイクル
にて消費される電力を削減
・LED照明の導入による電気使用量の削減
・ハイブリッド車の導入による燃料使用量の削減
・アイドリングストップ装置を車輌に搭載し、燃料使用量を削減
・新型のデジタルタコグラフを車輌に搭載して効果的な省エネ運転
を実施し、燃料使用量を削減
温暖化防止中長期目標について リコーロジスティクスグループは、リコーグループ「温暖化防止中長期目標」を達成するため、現在、2000
年度比でCO2排出量を2020年までに30%削減すべく、様々な活動に取り組んでおります。2011年度
は、2011年~2013年を1スパンとした3年ごとの中期計画の初年にあたり、CSR方針(※6ページ)に則っ
た汚染防止/省エネ・省資源の分野で、軽油使用量の削減/電気使用量の削減を中心に、温暖化防止活動を実施
しました。
リコーグループ環境目標設定方法
出典:リコーHP(http://ext.ricoh.co.jp/ecology/)
リコーロジスティクスグループCO2排出量(国内)及び中期環境目標値
2000年度比削減率
▲1%
0%
▲8%
CO2排出量(t)
▲5%
▲9%
▲16%
第6次中期環境目標値
▲17%
▲19%
▲21%
▲30%
グラフのCO2排出量はリコーロジスティクスグループ国内の総排出量です。CO2排出量総量は事業環境の変化による取扱物量の変化に
応じた物流拠点新設と、その床面積並びに走行距離に左右されると私たちは考えております。そのため2011年度総排出量は、最大限の
削減努力を致しましたが、目標値7,959tに対して実績値8,447t(計画比-6%)という結果となりました。今後も、面積・走行
距離・物量そのものを原単位としたCO2排出量の監視測定とその抑制に取り組んで参ります。
8
≪事業編≫事業系環境負荷低減活動
リコーロジスティクスグループでは事業活動を通じた環境負荷低減活動を実施しております。ここでは、ネット
ワーク改革による環境負荷低減の一例をご紹介いたします。
効率を追求した最適物流ネットワークへの変革
―大阪港・博多港を活用した、MFP/
―大阪港・博多港を活用した、MFP/LPの消費地陸揚げの拡大―
≪輸入港変更による環境負荷低減≫
リコーロジスティクスグループでは、環境負荷低減を目指し、物流ネットワークの再構築を行っております。
㈱リコーの複合機(MFP)、レーザープリンター(LP)という主力製品群は海外工場での生産が拡大してお
り、日本市場向けに日々製品輸入が行われております。海外工場からの製品輸入について、従来は輸入港として
横浜港・東京港の利用がほとんどという状態でした。そこから本部倉庫を経由して、関西・九州・北海道にある
地域倉庫へトラック輸送を行い、お客様へお届けを行っておりました。
2008年度より、お客様の需要がある地域に近接する港を活用して製品輸入を行い、多段階輸送を削減する
という施策を開始致しました。まずは、大阪港を活用して、関西・中四国地域の需要分から施策展開を行い、
2011年度には、博多港(九州地区需要分)の活用も開始致しました。
これら活動の結果、内陸のトラック輸送が削減された事により、2011年度で113tのCO2削減を行って
おります。
2012年度以降、施策展開の対象製品を従来よりも拡大し、さらなる効率化、環境負荷低減を図って参ります。
Before
海外
国内
生産工場
本部倉庫
・複合機
(MFP)
・レーザープリンター
(LP)
・消耗品
中国(上海)
地域倉庫
お客様
関西・中四国地区
九州地区
大阪
鳥栖
横浜港
東京港
内陸輸送(トラック)
中国(福州)
中国(深圳)
タイ
地域倉庫
(鳥栖)
地域倉庫
(大阪)
横浜港・東京港
After
国内
海外
生産工場
地域倉庫
消費地近接の港へ直接陸揚げ
・複合機
(MFP)
・レーザープリンター
(LP)
・消耗品
中国(上海)
中国(深圳)
大阪
鳥栖
お客様
関西・中四国地区
九州地区
内陸輸送の削減
×
中国(福州)
タイ
9
大阪港
博多港
博多港
×
大阪港
横浜港・東京港
≪事業編≫循環型ロジスティクス
私たちリコーロジスティクスグループは、環境負荷の少ない「循環型ロジスティクス」を展開しています。工場
で製品を製造するためのパーツから、完成した製品までをお届けする動脈物流と、使用済み製品を回収・リサイ
クルする静脈物流を合わせた一気通貫の物流ネットワークである「循環型ロジスティクス」を推進しています。
また、このネットワークの中で発生する様々な環境負荷を認識し、多岐にわたる環境保全活動に取り組んでいま
す。特に、静脈物流においては、使用済み製品の再利用や廃棄物のマテリアルリサイクル環境負荷の低減に大き
く貢献しております。
動脈物流・静脈物流―― 一気通貫の物流ネットワーク 製造工場様
物流倉庫
販売物流 生産物流
仕入先・
部品メーカー様
倉庫・配送拠点
調達物流
包装設計
動 脈 物 流
静 脈 物 流
エンドユーザー様
リサイクル物流
回収物流 回収センター
グリーンロジスティクスセンター
リサイクル・
再生センター
静脈物流の流れ
お客様からお預かりした使用済みの製品は、選別、分解・分別、リサイクルされ、生まれ変わっています。
使用済み製品
マテリアルリサイクル
成形メーカー
リコーロジスティクスグループ業務範囲
樹脂材料
メーカー
再生樹脂
粉砕処理
鉄・アルミ
微粉砕処理
ミックスメタル
ダスト
熱エネルギー
再資源化機
一次回収
センター
使用済み製品の
引き取り
グリーン
ロジスティクス
センター
使用済み製品の
選別
再生品
再生センター
リサイクル
センター
再資源化機の
部品単位での選別
再使用部品
部品・ユニット
その他
(埋立)
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≪事業編≫汚染防止
私たちリコーロジスティクスグループは、大気汚染・土壌汚染・化学物質による汚染など、さまざまな汚染を防
止するための取り組みを行っています。
低公害車の導入 低公害車の導入
リコーロジスティクスグループでは、通常のディーゼル車からCNG車(※1)やハイブリッド車(※2)等の地球環境
にやさしいトラックへの切り替えを実施しています。現在、60台の低公害車を使用しております。CNG車や
ハイブリッド車などの「低公害車」は、通常のディーゼル車に比べ、地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素や、
大気汚染の原因とされるNOxやPM(※3)の発生を抑制することができます。
※1 CNG車(CNG:Compressed Natural Gas)
圧縮した天然ガスを燃料とする自動車。CNGはメタンを主成分としている
ため、炭素の割合が低く、大気汚染の原因となる硫黄酸化物の発生量を大幅
に削減することができます。また、PMや黒煙も排出しません。
※2 ハイブリッド車
ガソリンと電気モーターなど複数の動力を組み合わせて走行する低公害車。
二酸化炭素の排出量が少なく、燃費に優れているのが特徴です。
※3 NOxとPM
NOxとは、燃焼時に空気中の窒素が酸素と結びついて発生する一酸化窒素
(NO)や二酸化窒素(NO2)の総称。大気汚染物質の一つとされ、基準値よ
り濃度を上回ると人体の呼吸器に悪影響を及ぼします。PMは、ススや有機
可溶性成分など燃料の不完全燃焼により生成される粒子状物質です。喘息や
花粉症などを助長しているといわれています。
ハイブリッド車
包装材の化学物質汚染への対応 お客様へ荷物をお届けする立場として、包装材による化学物質汚染への対応を行っております。近年、世界的に
強化傾向にある各種化学物質規制に対応するため、REACH基準(※)に基き、リコーグループ統一で包装資材
に含まれる化学物質の評価、管理を行い、いち早く対応しています。化学/調剤メーカーから伝達された化学物
質の情報に基づき、リコーグループ全体で製品(アーティクル)メーカーとして、基準値以上の化学物質が含ま
れていないのかなどの評価を行い、適切な情報をEU(欧州連合)やユーザーへ届出/伝達しております。
REACHにおけるリコーグループのサプライチェーン管理
※ REACH基準
EU域内の化学物質規制。EU域内の製造者や輸入者は、アーティクル中に基準値以上のSVHC(高懸念物質)が含まれ
る場合には製品の消費者及び受領者へ少なくとも物質名の情報伝達を実施します。また、そのSVHCが年間1tを超える
場合にはEUへの届け出を行う必要があります。更に非常に危険性の高い物質を使用する場合には、製造/使用/輸入が制
限されます。
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≪事業編≫省エネルギー・省資源
リコーロジスティクスグループは、環境負荷低減のため、また持続可能な社会を作る活動の一環として、様々な
省エネルギー・省資源活動に積極的に取り組んでいます。
燃費改善への取り組み 軽油使用量 及び 燃費 実績
軽油使用量(KL)
675 KL
658 KL
628 KL
771 KL
0
※ デジタルタコグラフ(デジタコ)
走行速度/急発進・急ブレーキ回数/アイドリング時間な
どの運転状況をデジタル情報で記録し、省エネ運転の数値
評価ができる計器のことをデジタルタコグラフ(デジタコ)
といいます。
リコーロジスティクスグループでは、デジタルタコグラフ
を活用して運行の記録として運行記録管理表を作成し、安
全運転や燃費の更なる改善を目指したドライバー勉強会な
どを実施しています。
●燃費(㎞/L)
778 KL
運送事業に携わる私たちの事業活動において、化石燃 (KL)
料は必要不可欠なものです。しかし、化石燃料の使用 800
のよって排出されるCO2がもたらす地球温暖化問題 700
は重大さを増しています。
600
この現状を背景に、現在リコーロジスティクスグルー
プでは153台のデジタルタコグラフ(※)を車輌に搭載 500
し、化石燃料の効率的な使用による燃料使用量削減を 400
継続的に実施しております。
300
燃費改善への取り組みによって、燃費実績は5.75
㎞/L(前年比104%)と大幅に改善することが出 200
来ました。
100
07年
08年
09年
10年
11年
※2011年度よりデータを捉える範囲が変わり、対象車輌が
20台増加しました。そのため軽油使用量が増加しております。
デジタルタコグラフ
運行記録管理表
TOPIC 新型デジタルタコグラフの導入 (首都圏事業本部 運送統括事業部)
燃費の改善を実現するには、省エネ運転(エコドライブ)を徹底することが求められます。
ところがリコーロジスティクスグループにて使用している現行のデジタルタコグラフでは、運転評価
点の採点基準がエコドライブの観点で妥当性がない、またデータの出力機能がなく把握・分析に負荷
がかかっているという問題点がありました。
そこで2011年10月より、エコドライブの実績を把握し評価を効果的に実施するためのツールと
して、新型のデジタルタコグラフの導入を開始しております。
新型のデジタルタコグラフの大きな特徴は、「運行全体」を評価し、指標化するところにあります。
従来製品では減点方式の評価方法であり、違反のない運転部分は考慮されませんでしたが、それに対
し新型製品では特許技術の「理想速度グラフ」(実際の速度グラフをもとに、滑らかな速度変化のグラ
フを作成)を用いて運転評価を実施します。
そのため、運行全体をより適正に評価することが可能となっております。
新型製品の導入で高精度な分析・評価が可能となったことで、軽油使用量の
削減・燃費向上が実現し、およそ13tのCO2削減に繋がりました。
新型デジタルタコグラフ
↓従来製品と新型製品の運転評価方法比較
運転評価
従来製品による運転評価
◆違反回数
Aさん:1回
Bさん:1回
◎運転評価
Aさん:△
Bさん:△
新型製品による運転評価
◆違反回数
Aさん:1回
Bさん:1回
+
☆運転特性☆
Aさん:速度変化の激しい波状運転
Bさん:速度変化の少ない滑らか運転
◎運転評価
Aさん:×
Bさん:○
12
≪事業編≫省エネルギー・省資源
アイドリングストップ装置の導入 アイドリングストップ装置の導入
更なる環境経営促進のため、2011年3月より、アイドリングストップ装置(※)を自社車輌184台に導入し
ました。装置取り扱い不具合による事故を抑制するため、2011年6月には「安全キャンペーン」として教
育用CD-Rの再視聴教育を展開し、事故を0件に抑えております。
高速道路や郊外走行の多いエリアでは、車輌の停止頻度が低く効果も低いといった状
況がありましたが、車輌全体で見ると燃費は向上し、2011年度はアイドリングス
トップ装置により311t/年のCO2削減を実現しました。
今後は、効果的なアイドリングストップ運用のために、装置利用の好事例等の情報共
有、水平展開を社内で実施してまいります。
アイドリングストップ装置
※ アイドリングストップ装置
信号停止時等に自動的に車輌エンジンを切りアイドリングを停止させる車輌搭載機器。
配送効率の向上
リコーロジスティクスグループは、自社開発した配車支援シス
テム(N-TRIS)を活用し、積載率の向上・走行距離の削減と
いった配送効率の向上によって、CO2排出量の削減と業務の
効率化に取り組んでいます。配車支援システムによって配送計
画を作成し、約1,200台を所有している携帯端末(PDA)
(※) 及びデジタコを使用し運行状況をリアルタイムで管理する
ことにより、お客様へのサービス向上と、実際の走行距離にあ
わせた正確なCO2排出量の算出を実現しています。
※ 携帯端末(PDA)
運行管理システムのイメージ PDA 配車支援システム
(N-TRIS) PDA(Personal Digital Assistant)と、自社開発した配車支援システムと
の連動により、運行管理や貨物ステータス管理などを実現させ、配送の効率化
を実施しています。運行管理のほかにも勤怠管理(出勤・退社・運行時間・走
行距離)や配送商品の検品が可能となっております。
グローバル輸送手段での環境負荷低減への取り組み ≪船会社転換による取り組み≫
グローバルな物流の発展と環境負荷低減の同時達成を目的として、2010年度に続き2011年度も環境負荷
低減活動を積極化している大手船会社を起用しております。船会社の取り組みとしては、船のエンジンの電子制
御による最も効率の良い燃料消費や、同じ目的地へ航行する複数船舶のルートと燃料消費量の解析による最適な
航行速度を算出する『航海効率化システム』、そして電子システム制御による消費電力の少ないコンテナ冷却シ
ステムの導入などを実施しています。グローバル輸送手段としてリコーロジスティクスグループが起用したこと
により、2011年度はリコーロジスティクスグループ取り扱い商品(リコー製品およびその他の一般荷主の商
品)の輸送においてCO2削減効果は1,260t/年となりました。
CO2排出量比較
リコーロジスティクスグループ利用船会社(A社)
A社以外の船会社(平均値)
上記データは、2010年度より起用した環境負荷低減実施の大手船会社(A社)のCO2排出量と、
その他船会社におけるCO2排出量の平均値との比較です。(物量や輸送ルートより算出)
≪利用空港変更による環境負荷低減≫
リコーロジスティクスグループでは、安全・確実・スピード感のあるグローバル物流を行うために利用空港の変
更を2010年度に行いました。 2011年度も同様の取り組みを実施し、従来利用していた成田空港から、
羽田空港への変更により、空港から納品場所への輸送距離とリードタイムを48%削減し、年間約2.81tの
CO2削減へ寄与しました。
13
コンテナラウンドユース
リコーロジスティクスグループは、往路/復路が空のコンテナ、またはコンテナを引かずに走るトラックヘッド
同士の輸送を組み合わせることにより、輸出入の際に使用するコンテナの効率を向上させ、全体での走行本数・
走行量を減らす、コンテナラウンドユースを積極的に実施しています。
空コンテナを効率よく利用することによって輸送効率が向上し、CO2排出量及び環境負荷を低減させることが
できます。2011年度の1年間では220台のコンテナラウンドユースを実施し、CO2排出量を約76t低
減させることが出来ました。
輸配送の仕組み「KAIZEN」の一例
空コンテナ
貨物を積載している状態
Before
After
輸入貨物
空コンテナの
活用
物流センター御殿場
(
)
輸出貨物
物流センター厚木
輸出貨物
ILC 横浜市
(
)
空コンテナ引渡し
船・コンテナヤード
輸出貨物
物流センター御殿場
物流センター厚木
ILC 横浜市
船・コンテナヤード
空コンテナ引渡し
輸入貨物
空コンテナ返却
輸出貨物
※「ILC」は、国際ロジスティクスセンターの略称です。
モーダルシフト 長距離配送やトラックから排出される有害物質やCO2を抑制する活動として、自動車輸送と鉄道・海上輸送と
組み合わせて物流を行うモーダルシフトの推進が挙げられます。長距離輸送の際に一部区間を鉄道輸送や海上輸
送に切り替えることで、CO2の排出を大幅に減らすことができます(※) 。
リコーロジスティクスグループは、国内輸送において、トラック輸送から鉄道・海上輸送への切り替えを行い、
モーダルシフト推進によるCO2の抑制に努めています。また、輸出入時に、地方港を活用することで、国内の
トラック輸送距離を短縮する活動にも取り組んでおります。
モーダルシフトによるCO2削減実績
2,029t (前年比110%)
※トラック輸送の場合との比較
鉄道輸送によるCO2削減実績(国内)
1,956t
国内モーダルシフト実施ルート
鉄道輸送
仙台~大阪
仙台~福岡
仙台~多治見
仙台~名古屋
東京~福岡
沼津~青森
沼津~秋田
沼津~鳥栖
沼津~広島
沼津~福岡
沼津~札幌
沼津~鍋島
南福井~沼津
南福井~横浜
海上輸送
有明~苫小牧
大洗~苫小牧
新潟~小樽
追浜~苅田
【新規】
古川~札幌
古川~大阪
古川~福岡
刈谷~鍋島
沼津~鍋島
鍋島~仙台
海上輸送によるCO2削減実績(国内)
73t
※モーダルシフトによるCO2排出量削減効果
トラックでの輸送と比較すると鉄道や船舶での輸送はエネルギーの消費効率がよいため、鉄道輸送の場合は約1/8、海上
輸送の場合には約1/4までCO2排出量を削減することができると言われています。また、モーダルシフトは、道路混雑
の緩和や、交通事故の防止など、省エネや温暖化以外の観点でも効果を発揮すると言われています。
14
≪事業編≫省エネルギー・省資源
輸送時におけるCO2排出量の可視化(首都圏地区) 環境意識が高まるなか、リコーグループ及び荷主様への物流環境負荷低減がRLCGに課せられたミッションであ
り、特定荷主や事業者にはCO2排出量低減計画策定や排出量の定期報告が改正省エネ法では求められています。
2010年度より、CO2排出量可視化/CO2排出量削減マネジメントを目的に、首都圏地区にて、輸送時にお
けるCO2排出量算出機能及びアウトプット機能の構築を実施しております。
配送拠点とお客様先の緯度・経度情報を基に計算された見込みの走行距離から「CO2排出量見込値」が算出され、
納品書などへ印字されます。その後、お客様先へ訪問した際の実測距離を運送PDA端末で報告させることで
「CO2排出量実績値」が算出され CO2排出量算出の流れ
ます。算出されたCO2排出量は、
社内のCO2排出量削減マネジメン
トに活用され、荷主様は専用のWe
bページにて「CO2排出量情報」
が確認可能です。改正省エネ法にて
要求されている定期報告やCO2排
出量低減計画策定へご活用頂けるの
はもちろんのこと、荷主様は日々オー
ダー単位、顧客様単位でCO2排出
量を把握することにより、顧客様と
ともにCO2排出量削減活動の推進・
提案が可能となります。
改正省エネ法への対応 2006年4月1日に施行された省エネ法(※1)により、特定荷主様に対して物流における省エネが義務化されま
した。リコーロジスティクスグループでは、お客様へのサービス提供として、物流におけるCO2排出量を算定
の仕組みを構築しました。CO2排出量の算定は改良トンキロ法(※2)に基づき、発着点間の距離、重量、車種、
使用燃料、積載率の情報を一つの輸送ごとに把握する必要があるため、現在稼動中の物流管理システムとリンク
したデータ取得を行っております。改正省エネ法対応に特化したシステムではなく、荷主様、運送事業者双方の
体質改善に効果を出す為のデータ把握の出来るシステムの構築を、荷主様と一緒に実施しました。把握した情報
を荷主様に提供すると共に、物流改善のポイントを提案し、お客様の物流分野における環境経営のサポートを行っ
ております。海外版のシステム構築、システム精度の向上など、常にシステムの進化を図っております。また2
010年度より施行された工場・事業場部門で特定事業者としてリコーロジスティクス(単体)が指定されたた
め、管轄省庁への定期報告を実施しました。
※1 省エネ法
省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)は、2005年の改正により輸送部門が追加され、2008年の再改
正により、建物内での年間エネルギー使用量が原油換算1,500KL以上の企業に対象が拡大しました。対象企業はエ
ネルギー使用量の削減計画設定、目標値達成のための具体的行動や、管轄省庁への報告が求められています。
※2 改良トンキロ法
積載率、最大積載量別の輸送距離・輸送重量からエネルギー使用量を計算するエネルギー使用量把握のための算定式。
リコーロジスティクスの改正省エネ法対応の効果
物流サービス提供
リコーロジスティクスが提供する情報
一般の運送事業者が提供する情報
【ポイント】
改善に使用するために、5つの情報を一輸送ごとに把握
※ヒアリングにより確認
(受注情報の配車情報を融合)
物流におけるCO2を把握するために必要なデータ
重量
重量
距離
距離
リコーロジスティクスの体質改善
荷主様としての
改正省エネ法 報告
15
車種
車種
体質強化
車種燃料
車種燃料
・改善に活用できる情報の提供
・データ分析による改善提案
お役立ち
お客様の更なる物流改善の活性化
積載率
積載率
エネルギー使用量削減への取り組み 2005年より『チャレンジ25キャンペーン(改称前:チーム・マイナス6%)』へ参加し、全従業員が地球
温暖化防止に貢献できるよう活動しています。夏季・冬季の時期にそれぞれCOOLBIZ・WARMBIZを
実施し、エアコンの温度設定管理や、ビジネススタイルの工夫をしています。また、ポスターの掲示や社員証ケー
スの裏面にカードを挿入し、来社されたお客様に対して活動の理解を図ると同時に、全従業員が地球温暖化につ
いて意識しエネルギー使用量低減に努めております。
2011年度は、蛍光灯の照度調整や間引き、LED照明などの省エネ照明の導入、昼休みの消灯、PCのコン
セントを抜いてから帰宅、業務改善により残業時間を低減させて電力使用を抑えるなど、設備面/運用面ともに
積極的にエネルギー使用量の削減に取り組みました。その結果、電気使用量は15,155千kwh、CO2排
出量は5,728t(前年比88.2%)となりました。
今後は一層、空調負荷低減の工夫を含めたエネルギー使用量の削減を徹底し、エネルギー使用量削減を実施致し
ます。
※次ページに節電の特集がございますのでご参照ください。
エネルギー削減の為の取り組み
省エネルギー設備の導入
チャレンジ25キャンペーン活動促進ツール
■LED照明
倉庫内、外灯、広告灯に省電力の
LED照明の導入を進めています。
■反射板
照度を向上させる「反射板」利
用により、低照度の蛍光灯の使
用や、蛍光灯の数を間引くこと
ができ、省エネに効果がありま
す。
LED照明
(看板灯)
■PRポスター
LED照明
(外灯)
反射板
■電力監視装置
設定した電気使用量を超えないよう、使
用状況を監視する装置。電気量の見える
化により、省電力活動に寄与します。
■遮光フィルム
窓に遮光フィルムを貼ること
で室内の気温が低く保たれ、
夏場は空調利用の低減に繋が
ります。
■社員証ホルダー用啓発カード
常に活動を意識するように
工夫しています。
電力監視装置
遮光フィルム
TOPIC 海外での省エネの取り組み(中国・香港/深圳) 海外でも省エネ推進のために様々な取り組みを実施しております。
2011年は、国内のCOOLBIZと同様に「ドレスライトデイ」として軽装での勤務日を設け
て服装の工夫によって空調の使用を抑制しました。
また、リコーグループにて毎年行って
おりますグローバル環境イベント「リ
OA機器の
コーグローバルエコアクション」や、
電源をOFFに
世界自然保護基金(WWF)による地球
温暖化防止活動「EarthHour
2012」へ参加。社員への環境教育
を実施するとともに、昼休みにおける
消灯やPCなどOA機器の電源OFF
を徹底して実施いたしました。
省エネ推進の取り組みは、確実に社員
ドレスライトデイ(軽装日)の様子
の意識の向上へと繋がっており、会社
家庭でも・・・
のみならず家庭においても省エネ(省
資源)の活動を社員が自発的に行って
社員が廃棄物の再利用で
おります。
自作したシューズラック。
16
環境活動の最前線から①
節電への取り組み ~物流センター京浜島第一、物流センター板橋
首都圏事業本部 OS事業部
2011年度の夏は東日本大震災の影響により、電力の大口需要家(契約電力500kW以上)に対して
政府から電力制限令が発令され、ピーク電力の15%削減、節電行動計画の作成・報告が義務付けられま
した。リコーロジスティクスグループでは、OS事業部の2拠点、物流センター京浜島第一(以下BC京
浜島)と物流センター板橋(以下BC板橋)が大口需要家に該当し、徹底した節電対策を実施しました。
現状を分析して効果的な節電対策を 節電対策に取り組むにあたって、OS事業部ではまず過去データを元に現状分析を行い、両物流センター
での電力使用状況の実態を明らかにしました。その結果、どちらの物流センターでも、使用電力の多くを
占めるのは「空調」「照明」であり、これらを如何に抑えるかが節電対策の鍵となりました。
照明・空調の節電を徹底するため、両物流センターでは節電計画をたて、それに従って対策を実施しまし
た。PCディスプレイの照度ダウン、自動販売機の照明消灯・更に時間帯による電源OFF、トイレのクリー
ンドライの使用禁止、未使用エリアの消灯、エレベーター使用ルール(2階層までの移動はエレベーター
を使用せず階段利用)の作成など、多岐に渡った節電対策を展開しております。
また、徹底した空調温度管理(冷やしすぎない・暖めすぎない)、照明の消灯管理(無駄な照明はつけな
い)のために節電運用ルールを設け、エリアごとに担当者を決め、時間ごとに区切って管理を行いました。
BC京浜島 BC板橋 BC京浜島では、ピーク電力15%カットを実現
するため、電気使用量をリアルタイムで把握する
ことが必要と考え、電力監視装置を導入しました。
これにより、電気使用量の可視化を実現し、上限
を超えそうな時は一時空調を停止し、抑制措置を
講ずる事が可能となりました。
照明設備においては、反射板を設置して照度を上
げることで、蛍光灯の間引きを実施。また人感セ
ンサーも設置し、必要最低限の照明利用に努めて
おります。
空調に関しては、事務所の窓に遮熱フィルムを貼
り、太陽光を遮ることで室内温度を下げる工夫を
施しました。夏場は熱中症も懸念されますが、対
策としてウォーターサーバーの増設を行い、朝礼
での声かけも実施しております。
BC板橋は、LED照明、太陽光発電設備、人
感センサーなど環境配慮型の拠点ですが、更な
る節電に取り組んでおります。
省エネ設備のLED照明は、更に間引きをして
必要最低限の照明利用に抑えております。
また設備面のみでなく、業務改善によっても節
電を実施しております。仕事量の予測を元にし
た週次での人員計画により適正な人員配置を行
い、稼働時間の削減を実現。その結果として、
使用する電力量も削減となりました。
冬場は、従業員全員にジャンパーを配布して
WARMBIZを推進することにより、空調利
用を抑える取り組みをしております。
一方で夏場は熱中症対策として、倉庫の入り口
付近の各所にドリンクステーションを設置し、
水分補給をしやすい環境を整えております。
↓遮熱フィルムを貼った窓
↑反射板の設置
↑電力監視装置
↑OSのロゴ入りジャンパー
担当者の声
BC京浜島
高橋 智成
17
↑ ドリンクステーション
わたしたちは荷主様の看板を背負って仕事をしていますので、
節電に関しても重要事項と捉えて全力で取り組みました。
節電の方法はあってもコスト面から実施できないなど、なか
なか歯がゆい思いもしましたが、物流センターのメンバー皆
さんの協力があってこそ、ピーク電力15%削減を達成出来
たのだと思います。
節電に取り組むことで、環境保全への意識が高まりました。
近ごろは東京の亜熱帯化など、深刻な環境破壊の現状を目
の当たりにすることも増え、危機感を覚えます。
たかが節電と捉えるのでなく、職場からひとつひとつ出来
ることを積み上げて、環境保全に寄与できれば良いですね。
BC板橋
酒井 智子 飯沼 孝徳
≪事業編≫省エネルギー・省資源
循環型エコ包装 リコーグループでは、複写機輸送、部品調達などに使用する包装材の環境負荷を削減するため、繰り返し使用可
能な包装材『循環型エコ包装』を開発・改良してきました。リコーロジスティクスグループでは、様々な形の循
環型エコ包装を開発することで多様な形態のグリーンロジスティクスへ対応すると共に、循環型エコ包装を確実
に回収し、効率良く運用するための管理体制の強化に取り組んでいます。
海外での取り組み
従来は、段ボール箱で梱包された部品(複写機
製造用)が中国から日本のリコー御殿場工場
(静岡県)へ納品され、不必要になった段ボー
ル箱が大量に排出されておりました。そこで、
中国~日本間で、オリジナルのプラスチック製
段ボール容器(循環箱)を開発・導入し、循環
化させることで、排出物削減と段ボールを焼却
する際に発生するCO2の削減を実現しました。
循環箱作成にあたっては、蓋の角を丸く切り取っ
た加工施行による作業者安全性の確保、蓋を折
り曲げやすく耐久性にも優れた仕様へ改良、な
ど市販品の改善を実施しました。
2011年度は、中国~日本間のみならず、中
国~タイ間でも循環箱と緩衝材のリターナブル
を展開。また循環箱だけではなく、日本~中国
間及び中国~フランス間で利用されるラックも
循環化されました。
管理面では、繰り返し使用するための循環容器
管理システムを構築し、輸出入に係わる法令に
準拠した対応、出荷支援システム、貿易手続き
支援システムなどの関連システムと連携を取り、
効率的なシステム構築をしております。
従来
段ボール梱包での納品
大量の廃棄物
循環容器の
開発・導入
フランス
中国
タイ
返却時は
折りたたんで小さく!
日本
循環容器管理
システム
循環箱
循環ラック
バーコードと循環容器管理
システムによる徹底した管理
を実施しております。
リコーグループCO2削減効果
・循環箱 32t/年 減
・循環ラック 178t/年 減
国内での取り組み
循環型エコ包装を確実に回収するため、RFID技術(※)を導入し、部材を一括管理しています。ICチップを
取り付け、動脈物流~静脈物流の一連の流れを管理し、確実な回収・再利用を実現しています。また、エコ包装
自体も改良を重ね、大きく省資源化を図っています。
旧来のエコ包装ではできなかった複数機種で
の共通使用が可能となりました。そのため大
幅な包装材の削減を実現しております。
リコーグループ廃棄物削減効果
従来比
・包装材廃棄物 90 %減
・荷姿容積 30 %減 ※ RFID技術
『Radio Frequency IDentification』 の 略 で 、
電波による自動認識技術の総称を言います。微
小の無線チップ(ICタグ)を利用して、電波に
よって識別や管理をする仕組みです。
さまざまなエコ包装
リコーロジスティクスグループが独自に開発した様々な循環型エコ包装も広い地域で取り入れられています。
【機密機器輸送用循環箱】
【ストレッチフィルム代替品】
緩衝材を内蔵し、しっかりと保護しつ
つも回収時には折りたたんでコンパ
クトになり、何度も使用できます。
使い捨てされる梱包資材
のストレッチフィルムの代
わりに繰り返し使用できる
包装資材を使用し、環境
負荷を低減させています。
ベルト
ロードストッパー
18
≪事業編≫省エネルギー・省資源
包装材以外のリターナブル推進(OPCドラム用緩衝材、パレット、ペール缶)
深圳(中国)のRAI(※1)工場~御殿場(静岡県)間において、既に複写機の部品輸送で大量廃棄される緩衝
材の削減のために循環箱を用いていました(※前ページ) 。更なる廃棄物の削減を目的として、既存のリターナブル
回収ルートを活用し、2006年からRAI工場~リコー沼津、及び内山梨電子工業(リコーグループ)のOP
Cドラム(※2)包装で使用される緩衝材のリターナブル化を実施しております。リコー沼津、山梨電子工業で生
産されたOPCドラムを中国へ出荷し、中国からはOPCドラムを包装していた緩衝材を回収。その後日本にて
再利用し中国へとリターナブルを行っています。
2011年度には、現像剤を入れている容器「ペール缶」を新たにリターナブル化し、OPCドラム品種が5種
類、プラスチックパレット1種類の合計7種類を推進展開しております。リターナブル推進によって削減された
CO2削減量は合計84.5トン/年となりました。
※1 RAI
RICOH ASIA INDUSTRY LTD. の略称です。
※2 OPCドラム
有機感光体ドラム。複写機の中に入っている部品の一部で、トナーを定着させるために静電気を起こす装置です。
リターナブル品回収・再利用のイメージ
再利用
RAI工場
OPCドラム製品
①OPCドラム緩衝材(5種)
リ コ ー沼 津
↓新たにリターナブル化
回収
②プラスチックパレット
③ペール缶
環境配慮型パッケージの設計・開発 リコーグループの複合機・プリンターをはじめとする各種製品・周辺機器・オプションのパッケージ(包装)設
計を実施するにあたりましては、環境に優しい材料の選定から、必要最小限に抑えたパッケージサイズまで、微
細に渡りこだわることで、輸送効率の向上と共に輸送時のCO2排出量を削減する活動に寄与しています。
600kgを超える大型機複合機のオール段ボール化
容積可変封筒
リコー包装設計グループ開発
キャップ
従来の梱包
胴枠
立体形状時
平面形状時
同梱箱
緩衝材
パレット
緩衝材、パレットなど全てを、再資源として利用
できるダンボールにする事で環境配慮を行って
います。
19
外加重に強い形状
※次ページにオール段ボール包装の特集が
ございますのでご参照ください。
環境活動の最前線から②
世界最高峰のパッケージングコンテストに入賞!
大型複合機のオール段ボール包装
生産物流事業本部 事業開発部 パッケージ企画課・包装設計課
世界的な不況や顧客のニーズを受け、製品の低価格化が進む中、包装材においても積極的にコスト削減に取
り組むことが求められています。
2011年度、中津川包装工業株式会社様、株式会社リコー、リコーロジスティクスは抜本的な包装改善に
取り組み、低コストでありながら環境に優しい「大型複合機のオール段ボール包装」を共同開発しました。
この包装は日本パッケージングコンテスト(主催:日本包装技術協会)にて「ジャパンスター賞」を受賞。
さらに世界最高峰の「ワールドスター賞」、「アジアスター賞」に輝きました。
エコと低コストの同時実現 大型複合機は従来、発泡ポリエチレン・木材・スチール・段ボールの計4種類の複合材料で梱包されており、
パレットが非常に重く廃棄時には分別が必要でした。それらの課題はオール段ボール化によって解決。段ボー
ルは安価な上にリサイクルが容易であり、単一素材にしたことで廃棄時の分別を容易にすることが出来ました。
また、軽量化や作業のし易さといった点も追及し、無駄な材料を抑制するため形状にも工夫を凝らしました。
こうして、低コストでありながら100%リサイクル可能な環境に優しい包装設計が実現したのです。
部品点数
の削減
(15点)
間を
梱包時 減!
削
分
2
1
単一素材
複合素材
■従来仕様
分別が
に
廃棄時 要
必
が
分別
!
容易に
オール
段ボール化
段ボール
部品点数の
多さ
(18点)
管理や
包材の の 負荷
業
作
梱包
軽量化
(53㎏)
包材!
安価な
包装材の
重量
(166㎏)
影響
ストへの
物流コ
物流コ
ストの削
減!
600㎏もの機体を支えるパレット(底面)部分も全て段ボール仕様。
本体にはキャスターがついており、段ボールが破れないように強度
を上げるため、試行錯誤を繰り返した。
過去の仕様にこだわらずに、新しい仕様にチャレンジ 重量600㎏超えの大型複合機の包装をオール段ボール化したのはリコーグループにおいて初の試みであり、
作業のし易さと製品保護という点が大きな課題となりました。その上、従来仕様からコスト削減40%とい
う、実に大きな数値を目標として設定したため、従来と同様の包装仕様では目標達成は困難でした。開発か
ら生産までは約1年半と長丁場でしたが、従来仕様にとらわれない発想と視点をもち、単一素材へのこだわ
りを持ち続けたことで「大型複合機のオール段ボール包装」の開発が現実のものとなりました。
また、今回の包装設計では初めてリコーロジスティクスが設計段階から参画し、包装仕様の提案を実施しま
した。上流に入り込んでの活動により、製品設計を巻き込んでの全体を見通した包装設計が可能となりまし
た。
各賞の応募/受賞状況
関係区との情報を密にして連携を強化することで、課題をクリア
することが出来ました。今後も関係区と協力し合いながら、製品
のオール段ボール化を進めて参ります。
←開発メンバー
(左から)飯田 政記、半澤 剣三郎、
安藤 俊一、野木 政延
受賞した3つの賞の賞状・トロフィー
賞名
応募数
受賞数
ジャパンスター賞
328件
13件
ワールドスター賞
243件
137件
アジアスター賞
128件
98件
☆「ジャパンスター賞」
社団法人日本包装技術協会主催の「日本
パッケージングコンテスト」における最高賞。
☆「アジアスター賞」「ワールドスター賞」
世界各国から出品される作品と競い合う、世界
最高峰のパッケージングコンテストであるアジア
スターコンテスト(主催:アジア包装連盟(APF))、
ワールド スターコンテスト(主催:世界包装
機構(WPO))における最高賞。
20
≪事業編≫廃棄物の削減 私たちは、荷主である株式会社リコーが廃棄物処理法における特例制度である「広域再生利用認定」を受けたのに
対し、広域再生利用認定産業廃棄物処理者として、責任を持ってリコーが製造した製品の収集・運搬業務、回収
ロジスティクスを行っております。また業務の中で発生する廃棄物について、分別を徹底し、廃棄物削減と再資
源化率向上に努めています。
循環型ロジスティクスを支える静脈物流 お客様から回収した使用済みの製品は、全国80ヶ所の一次回収センターにて引き取り、全国11ヶ所のグリー
ンロジスティクスセンターへと集約されます。グリーンロジスティクスセンターでは、使用済み製品の選別作業
を行い、再生品は再生センター、再資源化機は全国8ヶ所のリサイクルセンターへ、適切な工程へと受け渡しま
す。リサイクルセンターへと運ばれた再資源化機は手順に従って解体され、再使用部品とマテリアルリサイクル
(※1)品に分別され、次工程へと受け渡されます。
2011年度 使用済み回収品実績
※1 マテリアルリサイクル
廃棄物を、新しい製品の原材料として再利用することをいいます。
※2 マシンPPC
普通紙複写機。一般的な「コピー機」を指します。
※3 サプライ
一般的には、主にトナーボトル/トナーカートリッジ/ペーパーのこ
とを指します。
ここでは、トナーボトル/トナーカートリッジ/現像剤/廃トナーを
指しています。
循環型ロジスティクスにおける静脈物流の位置 倉庫
製造工場様
物流倉庫
配送拠点
マシンPPC(※2)再生台数 16,
16,119台
再生台数比率
※マシンPPC総回収台数を分母にて算出
12%
製品系再資源化率
99.
マシン
99.5%
サプライ(※3) 99.
99.7%
回収拠点マップ
仕入先
部品メーカー様
販売物流 生産物流 調達物流 包装設計 ★ グリーンロジスティクスセンター
:統括地域の回収・集約拠点
◆ リサイクルセンター
:リコースペックに従った
再資源化処理
◆
★
動 脈 物 流
エンド
ユーザー様
◆★
静 脈 物 流
★
リサイクル物流 回収物流 ★◆
★
回収センター
リサイクルセンター
グリーンロジスティクスセンター 再生センター
★
★
◆
★
◆
★
★
◆
★ ◆
◆
グリーンロジスティクスの業務内容
使用済み製品
リサイクル
センター
再資源化機の
計量
リコーロジスティクスグループ業務範囲
再資源化機
一次回収
センター
使用済み製品の
引き取り
グリーン
ロジスティクス
センター
使用済み
製品の選別
再生品
再生センター
21
再使用部品
抜取り・解体
部品・ユニット
再使用部品
マテリアルリサイクル
リサイクルセンター内部化 再資源化処理ネットワークの構築や循環型リサイクルビジネス
の拡大を目的に、外部委託していた使用済み製品のマシン(複
写機)、サプライ、パーツ(部品)の中間処理をリコーロジス
ティクスグループ内にて実施する、「リサイクルセンターの内
部化」を2009年より推進しております。
東北リサイクルセンターにて中間処理許認可を取得後、201
0年より東北全域で発生する全ての使用済みリコ-製品を東北
リサイクルセンターで処理できるようになりました。関西では
2010年に中間処理許認可を取得し、中間処理を実施してお
ります。また関東では2009年から2010年の間に、関東
リサイクルセンターでサプライ品の中間処理を開始しました。
関東地区では2011年度にパーツ処理を開始し、中間処理許
認可取得後の2012年10月には、マシンの処理業務を立ち
上げる予定です。
推進の結果、6.3%であった内部化率が2011年には31.
0%まで向上しております。またグリーンセンターから外部リ
サイクルセンターへ持ち込みで発生していたスクラップ運送費
の削減、外部委託していたために発生していた不正流失リスク
防止ための機能破壊作業の廃止、内部化拠点を活用したリユー
スの拡大も実現させました。今後は内部化率を47.9%まで向
上させる計画であり、「業界No.1の技術プロ集団による安心・
安全で高効率なリサイクル事業の実現」に向けて展開を図って
まいります。
東北リサイクルセンター
関東リサイクルセンター
関西リサイクルセンター
事業所系廃棄物量の削減 業務上発生する事業所系廃棄物を19種類(産業廃棄物10種類、一般廃棄物9種類)に分類し、廃棄物量の減少
と再資源化率の向上を目指して徹底的な分別をしております。
廃棄物に対する基本概念・3R(リデュース・リユース・リサイクル)を基軸に、5S+SS中心の廃棄物の削
減を徹底しています。ダストボックスやダストカートには正面や蓋などのよく見える位置に廃棄する具体例の絵
や写真が入った廃棄分類を表示したり、ボックスやカートの色分けをするなど、誰でも適正な分別が行える工夫
をすることで廃棄物削減促進を実施しております。
また、2011年度は段ボールやストレッチフィルム、パレットなど、従来廃棄していたものを新たに有価物化
(再使用・再資源化)することを促進し、再資源化率は99.3%となりました。
今後は、更なる廃棄物削減を目指して、再資源化可能な廃棄物の見極め・処理業者の開拓等を含めた廃棄物再資
源化の促進を実施致します。
再資源化率および排出物総量 廃棄物の基本概念3Rと5S+SS (t)
排出物総量(t)
Reduce
● 再資源化率(%)
●
減量化
Reuse
Recycle
再使用
再資源化
07年
08年
09年
10年
11年
※2011年度よりデータを捉える範囲が変わったため、
対象拠点が39拠点増加しております。
22
≪コミュニケーション編≫環境マネジメントシステム リコーロジスティクスグループでは、ISO14001:2004の認証継続や、環境マネジメントシステムに
関する社内教育へ力を入れ、一人一人が環境経営を意識し、環境に配慮した事業活動や日々の行動が出来るよう
な環境を生み出しています。
ISO 14001:2004認証取得状況 リコーロジスティクスグループでは、有効性の高い環境活動の継続的改善を目
指し、環境マネジメントシステムを推進しております。財団法人日本品質保証
機構(JQA)を審査機関として、ISO14001:2004の認証を日本国
内の全拠点への認証範囲の拡大(統一認証)を達成しております。
また、2009年度より、香港、深圳の海外2拠点へ認証の拡大を致しており
ます。2012年度以降も、認証の継続と、それによる環境マネジメントの向
上に向け、取り組んでまいります。
TOPIC 海外での環境活動の取り組み(アメリカ) リコーロジスティクス-USAでは、全ての環境活動の基本となる5S+SS向上を目指し、社員一丸と
なっての活動推進を図っています。
倉庫内における作業者の安全や作業効率を考慮し、一方通行や一時停止、その他エリアの境界線などの
表示を徹底。5S+SSを社員に浸透させるための教育も実施しております。
また、週に一度の「5Sツアー」も実施。自分達で倉庫内をパトロールして改善事項を見つけ、指摘さ
れた改善点は素早く社内で共有化され、改善が完了するまで指摘事項の進捗管理をしております。
5Sツアーの様子
優先車道
一方通行
フォークリフト運転時のヘルメット・
シートベルトの着用、倉庫内作業時の
安全ベスト着用など、日々5S+SSの
基本に忠実に仕事を実施。
倉庫内の表示
環境マネジメントシステムに関する社内教育 環境マネジメントシステムの内部監査体制強化、並びに、より多くの従業員が環境マネジメントシステムや業務
に関わる環境関連の法規制等への理解を深める機会として、内部監査員教育を全国各地にて実施しています。
また、入社1年目の社員を含めた全従業員が、環境問題の現状/自分の業務・生活と環境との関わりを理解し、
具体的な環境活動ができるよう、「環境教育」を行っています。
従業員一人一人がリコーグループ、ロジスティクスグループの一員としての自覚を持ち、より業務・事業に密着
した環境活動の推進ができるよう、リコーロジスティクスグループオリジナルのポケットブックなど、独自の教
育ツールを活用した教育や、毎月行われる「職場パトロール」の実施による「意識付け」を根気強く行っています。
(人) 内部監査員人数推移
600
オリジナル
ポケットブック
46 9
100%
469
500
400
535
80%
424
336
351
60%
300
40%
200
22%
22%
21%
24%
25%
25%
20%
100
全体人数における監査員の割合
0
23
0%
06年
07年
08年
09年
10年
11年
≪コミュニケーション編≫生物多様性保全活動
リコーグループの生物多様性保全活動 リコーグループは、事業活動が生物多様性を基
盤とする地球の生態系サービスの提供を受けて
成り立っていることを認識し、地球環境の回復
力の維持・向上を目指し、事業活動と社会貢献
活動の両面で生物多様性保全に取り組んでおり
ます。
リコーグループの生物多様性保全を目的とした
環境社会貢献活動は、「森林生態系保全活動」
「グループ組織の社会的責任活動」「社員のボ
ランティア活動」「環を拡げる活動」の4つの
施策から構成され、世界各地の地域コミュニティ
と一体となって進めています。
リコーロジスティクスグループでは、事業活動
における生物多様性保全を意識してゆくととも
に、「グループ組織の社会的責任活動」として、
森林保全活動や河川清掃活動などを通じて、豊
かな地球生物の多様性保全と持続可能な社会づ
くりの支援をしております。
リコーグループの環境社会貢献活動
出典:リコーHP(http://ext.ricoh.co.jp/ecology/)
リコーグループ生物多様性方針(抜粋)
リコーグループ生物多様性方針(抜粋)
社会は豊かな地球環境によって育まれ、その地球環境を支えている多様な生き物の営みが衰えつつあるという認識のもと
社会は豊かな地球環境によって育まれ、その地球環境を支えている多様な生き物の営みが衰えつつあるという認識のもと
に生物多様性方針を掲げる。
に生物多様性方針を掲げる。
基本方針
基本方針
私たちは生き物の営みによる恩恵を得、生物多様性に影響を与えながら事業活動を行っているという事実を踏まえ、生物
私たちは生き物の営みによる恩恵を得、生物多様性に影響を与えながら事業活動を行っているという事実を踏まえ、生物
多様性への影響を削減するとともに生物多様性保全に貢献する活動を積極的に行う。
多様性への影響を削減するとともに生物多様性保全に貢献する活動を積極的に行う。
出典:リコーHP( http://ext.ricoh.co.jp/ecology/ )
リコーロジスティクスグループの社会貢献活動
リコーロジスティクスグループでは、
CO2を排出する物流事業者として、
CO2を吸収する森林と全ての地球環境
を支える生物多様性の重要性を理解し、
森林生態系保全を含めた社会貢献活動を
行っていくことが必要だと考え、生物多
様性保全活動の中でも森林生態系の保全
を重要視しております。
また、環境の保全活動を行うと共に、活
動を通じて環境の実態を肌で感じ、地球
環境への理解を深め、その環を拡げてい
くという「人」づくりも重要と考えてい
ます。その考えの下に、「社会貢献活動
方針」を2011年12月に制定いたし
ました。
森林を始めとした地球環境という素晴ら
しい財産を引き継いでいくために、社員
の社会貢献活動の活性化を願う思いがこ
の社会貢献活動方針に込められています。
リコーロジスティクスグループ
社会貢献活動方針
【基本方針】
リコーロジスティクスグループは、リコーグループ生物多
様性方針、リコーロジスティクスグループCSR方針に則り、
温室効果ガスを排出する物流業者として、温室効果ガスを吸
収する森林と、全ての地球環境を支える生物多様性の重要性
を理解し、生物多様性保全のための社会貢献活動を実施する。
並びに社会貢献活動による、地球環境の重要性を理解する
「人」を育成し、リコーグループとして、持続可能な社会づ
くりを目指す。
【行動指針】
今を そして 将来を生きる世代のために
未来へ続く「青い地球、緑あふれる社会」を
これからも・・・ 1.地球温暖化の抑制に努める
2.地域特性に合わせた生物多様性の保全を実施する
3.多様な地球環境とのふれあいを通じて人を育成する
2011年12月
リコーロジスティクス株式会社
代表取締役 市岡 進
24
≪コミュニケーション編≫生物多様性保全活動 森林生態系保全活動
生態系保全のため、それぞれの地域で開催される植林・植栽・緑化活動など、生態系保全活動へ積極的な参加を
行っております。2011年度は、延べ154名が様々な活動へ参加致しました。
■事例 中国(華南地区)「ミカニア・ミクランサ除去活動」
理光国際貨運代理(深圳)有限公司[中国]
11月6日、Ricoh Asia Industry (Shenzhen) Ltd.が主催する「ミカニア・ミク
ランサ除去活動」に10名が参加しました。外来種のミカニア・ミクランサは在
来種の草木に絡みつく有害植物で、覆われた草木は日光や水分が取れなくなり枯
れてしまいます。リコーグループ総勢60名にて、中国華南地区の山を守るため
の有害植物の除去活動を実施しました。
■事例 佐賀県『三瀬村森林ボランティア「第6回どんぐりこ~の森」』
三愛ロジスティクス[九州] 5月21日、リコージャパン主催の『三瀬村森林ボランティア「どんぐりこ~の
森」』活動に参加。これは、佐賀県のリコーグループが一体となり、佐賀市の市有
林を5年間に渡り整備することで、元気な森林を守っていく活動です。三愛ロジ
スティクス[九州]の33名を含め、リコーグループからご家族を含む総勢152
名が参加しました。13万㎡もの広い森林で、ヒノキの枝打ち、樹木下の草刈り、
植樹作業を実施しました。
■事例 神奈川県「足柄・桧山水源保全活動」
国際事業本部、品質保証本部(※) 5月14日、神奈川県南足柄市役所様/アサヒビール神奈川工場様主催の「足柄・
桧山水源保全活動」に品質本部、国際事業本部の3名にて参加しました。これは、
箱根・丹沢山系の水源地の保全を目的に、山林の傾斜地に苗木を植える活動です。
枯れ木などの大木を排除し、傾斜地にクワでヤマボウシ、イロハモミジなど3種
類の苗を植え、支柱を立て水をたっぷりとあたえました。昭和初期から行われて
いる活動であり、官公造林によって水源地が守られています。
※活動実施当時の組織名称です。
TOPIC 企業の森・リコーロジスティクスグループ(御岳) 協定調印
リコーロジスティクスグループは、2011年12月、
公益財団法人 東京都農林水産振興財団様と「企業の
森」協定調印を実施しました。
これは、CO2を吸収する森林の保全で地球温暖化を
防止することを目的に協定されたものです。リコーロ
ジスティクスグループは2012年~2021年の10年間、東
京都青梅市にある森林「企業の森・リコーロジスティ
クスグループ(御岳)」にて森林整備などの社会貢献活
動を実施します。
社員を中心に、植樹・下草刈り・間伐などの森林生態
系保全活動のボランティアを募り、「青い地球、緑あ
ふれる社会」を守る活動を行って参ります。
「企業の森・リコーロジスティクスグループ
(御岳)」現地
※ 企業の森とは
企業・東京都農林水産振興財団様・森林所有者様と森林整備に関する協定を
10年間結び、企業は協定期間中、協定森林での森林生態系保全活動(植樹・
下草刈り、間伐)などの社会貢献活動を行う活動です。
協定調印式の様子
25
河川・海岸・路地での生物多様性/環境保全活動 運送会社であるリコーロジスティクスグループでは、持続可能な社会実現のための一環として、全国各地にて、
拠点周辺等の地域の清掃活動の実施や、河川・海岸などでの清掃活動や生物多様性保全活動へ参加しております。
2011年度の清掃活動は、全108回、延べ1,306名を越える従業員が参加しました。リコーロジスティ
クスグループでは、今後もそれぞれの地域へのお役立ちを考えた環境社会貢献活動を積極的に実施してまいりま
す。
首都圏事業本部
三愛ロジスティクス[東京] /東京都
三愛ロジスティクス[東北]/北海道
三愛ロジスティクス[九州]/佐賀県
三愛ロジスティクス[関西] /大阪府
RICOH LOGISTICS CORPORATION[USA] ジョージア支店/アメリカ
サプライ事業部/静岡県
三愛ロジスティクス[中部]/愛知県
三愛ロジスティクス[九州]/沖縄県
国際事業本部(国際ロジスティクス
センター)/神奈川県
環境保全活動実施組織/拠点一覧
■三愛ロジスティクス[東京]
■三愛ロジスティクス[東部]
物流センター東北
札幌OS配送センター
札幌営業所
岩手営業所
光学営業所
山形営業所
■三愛ロジスティクス[中部]
物流センター中部
福井営業所
石川営業所
富山営業所
■三愛ロジスティクス[関西]
物流センター関西
和歌山営業所
島根営業所
■RLC-USA
ジョージア支店
■三愛ロジスティクス[九州]
九州本社管理センター
物流センター九州
物流センター福岡
佐賀営業所
沖縄営業所
■RLC-SZ
■RLC-HK
■生産物流事業本部
■生産事業部
リコー厚木事業所
■サプライ事業部
リコー福井事業所
■首都圏事業本部
TRC周辺地区拠点
京浜島地区拠点
物流センター平和島第二
千葉営業所
■国際本部
国際ロジスティクスセンター
■五反田本社事務所
26
≪コミュニケーション編≫表彰/認定 リコーロジスティクスグループでは、2011年度、環境に関する表彰や認定を受けました。
「優良自動車運送事業者」表彰
三愛ロジスティクス[関西]は、「平成23年度優良自動車運送事業者」とし
て国土交通省 近畿運輸局から表彰を受けました。
これは、「安全・安心な輸送サービスを提供するだけでなく、環境対策・
福祉対策・地域活動等へ積極的に取り組み、社会的貢献を果たしている」
と認められる優良事業者を表彰する制度です。
2011年度は、近畿2府4県のバス・タクシー・トラック関係事業者
のうち、48事業者が表彰されました。
今後も、環境対策をはじめとした多方面の取り組みを継続し、輸送サー
ビスの質の向上を目指してまいります。
表彰式の様子
TOPIC エコドライブ活動 コンクール3年連続入賞 (生産物流事業本部 物流センター御殿場)
「エコドライブ活動コンクール」は交通エコロジー・モビリティ財団主催にて、エコドライブ活動が
全国に普及することをめざし、ドライバーと企業の協働により大気汚染の防止、二酸化炭素排出の削減
を継続的に推進するために実施されているコンクールです。
物流センター御殿場は、「平成23年度エコドライブ活動コンクール」にて
取り組み体制や教育の実施、燃費管理、活動の成果などが高く評価され、
優良賞を受賞いたしました。今年度は1,349社(事業所)の応募があり、優良賞は
39社が受賞。物流センター御殿場は3年連続の受賞となりました。
◆物流センター御殿場 エコドライブ取り組み事例のご紹介◆
①徹底した燃費分析・ドライバーミーティング
燃費データを「なぜ良かったか・悪かったか」という視点で徹底的に分析し、月に一度のドライバーミーティングにてドライバーへのフィー
ドバックを実施しております。徹底的な分析により、燃費に影響する事例を水平展開でき、またドライバーに対して公平な評価をする
ことが出来ます。
②パートナー企業と燃費データの共有化
自社だけの活動に留まらず、パートナー企業と燃費データを共有化することで、
閉鎖的でない、より効果的なエコドライブ活動を展開しております。
③マイカーへのエコドライブ普及活動
今までに培ったエコドライブ知識をマイカーへも展開し、日常生活から
エコドライブを意識する事でメンバーの意識向上に努めております。
具体的には、燃費データ情報の収集・エコドライブ新聞の作成・掲示による
エコドライブテクニック・活動の効果の紹介などを実施しております。
前年と同じ活動をしていても、コンクールで連続して入賞する
ことは出来ません。
メンバー全員がスパイラルUPする活動を常に心がけています。
BCG エコドライブ推進委員と
ドライバーの皆さん
安全性優良事業所認定(Gマーク) リコーロジスティクスグループでは、安全性優良事業所認定制度(※)の認定取得を積極的に行っています。20
11年度は、8組織/拠点が社団法人全日本トラック協会から認定を受けております。
認定の証「Gマーク」
ステッカー
2011年度認定組織/拠点 三愛ロジスティクス[東部] 仙台営業所
三愛ロジスティクス[関東] 群馬営業所
三愛ロジスティクス[中部] 物流センター名古屋
三愛ロジスティクス[関西] 物流センター関西
三愛ロジスティクス[九州] 物流センター九州
生産物流事業本部 物流センター御殿場
福井物流センター
首都圏事業本部 輸配送統括部
※ 安全性優良事業所認定制度
①安全性に対する法令の遵守(40点)②事故や違反の状況(40点)③安全に対する取り組みの積極性(20点)の3
項目の認定基準で、80点以上を取得した事業所が認定されます。認定事業所は、認定マークや認定ステッカーを「安全
性優良事業所」の証として使用できます。有効期間は2年間など(更新するたびに1年間有効期間が延長)ですが、重大
事故を起した時などは再審査され、認定を取り消される場合もあります。
27
≪特集≫ 災害による影響とその対応 東日本大震災 と タイの洪水による事業への影響
2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、リコーロジスティクスグループでは倉庫内の在
庫の破損・道路状態が悪く輸送への影響がでるといった被害を被りました。
また、2011年7月より、モンスーンの影響からタイにおいて洪水被害が発生しました。リコーグルー
プのタイにある2つの工場は洪水の直接の被害は免れましたが、広範囲に及ぶ洪水被害の影響により、部
品調達に支障が生じ、一部部品の供給不足により製品供給への影響が避けられない状況となりました。 東日本大震災、タイの洪水という二つの災害の影響により、2011年は臨時の航空輸送が発生し、災害
対応によって稼働時間が増加しました。その結果、CO2の排出量も大きく増加することとなりました。
東日本大震災への対応 ~社会貢献活動の実施 及び 危機管理体制の構築
リコーロジスティクスグループでは、被災地の方々へ向けた様々な社会貢献活動を実施しております。20
11年6月~2012年3月にかけて、「コミュニティ巡回型情報プリントサービス」にてコピーサービス
カーを運行いたしました。これは、リコーロジスティクスグループの車両にコピー機を搭載して避難所・仮
設住宅地域を巡回し、行政からのお知らせや過去情報・各種申請用紙(行政への届出・税金関係の申請書)など
を被災者の方のご要望に合わせて無償でコピー・プリントして配布するサービスです。リコー、リコージャ
パンが「チームリコー」として活動したものであり、東日本大震災の被災者の皆さまへのお役立ちとして始
めました。リコーロジスティクスグループのドライバーもチームの一員として同行し、支援を行いました。
その他にも、被災地の企業やNPO、小学校への支援物資の無償配送や、ユニセフ(国連児童基金)の依頼
によるOA機器の搬入を実施いたしました。
一方で、リコーロジスティクスグループでは東日本大震災により大きな被害を受け、災害時の対応に向けた
十分な事前準備の重要性を再認識しました。従来の危機管理の体制は、火災を想定したものとなっており地
震対策の面で不十分なところがありました。そのため、災害発生時に適切な対応が出来る環境が整っており
ませんでした。現在、東日本大震災での経験を生かし、危機管理体制の再構築に取り組んでおります。
コミュニティ巡回型情報プリントサービスの実施
三愛ロジスティクス㈱東部所有の
ハイブリットトラックの車内
必要な手続き書類などをプリンターで出力し、
コピーカーを利用される被災者の方々
被災地の住民の方々は、自宅のPCやプリンターも津波に流されてしまい、行政からの減税・免税、
義捐金配布などの申請用紙、web上の情報等のプリントもできず、全て役所などに取りに行かなけ
ればならない状況にありました。
また、各自治会、町内会でも大量の印刷が不可能なため、地域内での回覧や会議にも支障が出て
おり、行政からの情報が伝わらない環境にありました。そこで、被災者支援・復興支援策の一環とし
て、この活動がスタートしました。
28
資料
会社概要
商 号
リコーロジスティクス株式会社
(英文名:RICOH LOGISTICS SYSTEM CO.,LTD)
本社所在地
東京都品川区東五反田 5-22-33
設 立
昭和39年2月1日
資 本 金 4億4,800万円(2011年3月末現在)
代 表 者 代表取締役 社長執行役員 市岡 進
従 業 員 数 リコーロジスティクスグループ連結
2,165名(2012年3月31日現在)
事業内容 1)一般貨物自動車運送事業
2)貨物運送取扱事業
3)コンピューター・事務用機器類及び
その消耗品等の回収・リサイクル事業
4)倉庫業及び保税上屋業
5)通関業
6)航空貨物運送取扱事業
7)港湾運送事業
8)外航海運貨物運送取扱事業
9)包装設計並びに包装資材の製造・販売
10)その他定款に定める事業
関 連 会 社 29
三愛ロジスティクス株式会社[東部]
三愛ロジスティクス株式会社[関東]
三愛ロジスティクス株式会社[東京]
三愛ロジスティクス株式会社[中部]
三愛ロジスティクス株式会社[関西]
三愛ロジスティクス株式会社[九州]
RICOH LOGISTICS CORP.[USA]
RICOH INTERNATIONAL LOGISTICS(H.K)Ltd.[香港]
理光国際貨運代理(深圳)有限公司[中国]
資料
沿革
1964年 2月 三愛運輸株式会社 創設(東京都大田区)
2002年 3月 三愛ロジスティクス株式会社[関東]を設立
取締役社長に市村 清就任
5月 第三回物流環境大賞「物流環境保全活動賞」受賞
1970年 9月 一般区域貨物自動車運送事業 免許取得(東京)
受賞テーマ「循環型ロジスティクスシステムの構築」
1971年 2月 厚木事業所・東北事業所 開設
8月 RICOH LOGISTICS CORPORATIONを米国(カリフォルニア)
1976年12月 自動車運送取扱事業 免許取得(東京)
に設立
1980年 2月 自社倉庫竣工 仙台営業所 オープン
10月 「2002年度ロジスティクス大賞技術賞」受賞
1981年 1月 本社新社屋竣工(東京都大田区)
受賞テーマ「SCM&グリーンロジスティクスを融合した
京浜島物流センター オープン
ビジネスモデルの構築 ~ゆりかごからゆりかごへ
1987年 2月 物流センター厚木 オープン
“循環型ロジスティクスシステム”~」
10月 物流センター草加 オープン
11月 ゼロエミッション(ごみゼロ)倉庫実現
1989年 2月 リコーロジステック株式会社に社名変更
(物流センター御殿場・物流センター厚木)
1991年 8月 物流センター御殿場 オープン
2003年 3月 ゼロエミッション(ごみゼロ)倉庫実現
1994年 8月 国際物流センター オープン
(東北物流センター・淡路物流センター・鳥栖物流センター)
1995年 2月 RICOH INTERNATIONAL LOGISTICS(H.K)LTD.を香港に設立
10月 ロジスティクスパトナー主催の
中国華南地区市場へ本格進出
最新ロジスティクスセミナーで“物流と環境対策”講演
4月 リコーインターナショナルロジステック株式会社に
10月 JILS主催のロジスティクス強調月間2003
社名変更
“九州ロジスティクス講演会”で
リコーロジステック(株)と
「循環型ロジスティクス」を講演
リコーインターナショナルシステムズ(株)が合併
12月 「ISO 14001」認証取得範囲 全45サイトに拡大
10月 「‘95ロジスティクス大賞奨励賞」受賞
12月 三愛ロジスティクス株式会社[関西]
受賞テーマ「国際物流センターの情報システム化」
淡路・天満事業所が「安全性優良事業所」認定
1996年 5月 アメリカ カリフォルニア州に北米支店を開設
2004年 2月 JILS主催のロジスティクス関西大会2004で
1997年 4月 リコーロジスティクス株式会社に社名変更
「循環型ロジスティクス」を講演
1998年10月 横浜物流センター オープン
3月 ゼロエミッション(ごみゼロ)倉庫 全17サイトに拡大
10月 「E-POCHグッドパッケージング賞」受賞
8月 「ISO14001」認証取得範囲 全47サイトに拡大
(環境にやさしい段ボール緩衝材)
11月 理光諮詢(深圳)有限公司を中国に設立
1999年10月 「‘99年ロジスティクス大賞奨励賞」受賞
12月 「安全性優良事業所」12事業所に拡大
受賞テーマ「輸出出荷システムの改善による
12月 ISMS認証基準(Ver2.0)/BS7799-2:2002の認証取得
顧客との信頼関係の強化」
2005年 1月 物流センター関西 オープン
2000年 5月 九州事業部を分社化
6月 チーム・マイナス6%参加
三愛ロジスティクス(株)[九州]を設立
2006年 2月 物流センター埼玉 オープン
7月 国内関連会社3社 社名変更
2007年 3月 ISMS認証基準(Ver2.0)/BS7799-2:2002をISO27001に移行
三愛物流東北(株)→三愛ロジスティクス株式会社[東北]
4月 理光諮詢(深圳)有限公司を
三愛物流中部(株)→三愛ロジスティクス株式会社[中部]
理光国際貨運代理(深圳)有限公司に社名変更
三愛物流関西(株)→三愛ロジスティクス株式会社[関西]
12月 「ISO14001」認証取得範囲 全組織に拡大
7月 オランダ アムステルダムに欧州支店を開設
12月 RICOH INTERNATIONAL LOGISTICS(H.K.)LTD.と
10月 東北リサイクルセンターを開設
理光国際貨運代理(深圳)有限公司が
回収リサイクル事業を更に強化
「ISO27001」を認証取得
12月 「ISO14001」認証取得
2008年 5月 物流センター関東 オープン
(1)本社事務所[東京都品川区]
10月 「‘08ロジスティクス大賞環境賞」受賞
(2)京浜島サイト(東京ロジステックセンター)
受賞テーマ「環境経営の深化に向けたグリーン
[東京都大田区]
ロジスティクスの高度化」
(3)大黒サイト(国際物流センター) [横浜市鶴見区]
2009年12月 「ISO14001」認証取得範囲、RICOH INTERNATIONAL (4)BCGサイト(物流センター御殿場) [静岡県御殿場市]
LOGISTICS(H.K.)LTD.と理光国際貨運代理(深圳)有限公司に 2001年 7月 北海道への業務拡大に伴い呼称を変更
拡大
三愛ロジスティクス株式会社[東部]
2010年 8月 物流センター北名古屋 オープン
2001年 9月 「ISO14001」認証取得
9月 物流センター板橋、関西リサイクルセンター オープン
(1)BCAサイト(物流センター厚木)[神奈川県厚木市]
2011年 3月 理光国際貨運代理(深圳)有限公司 自社車両導入
(2)三愛ロジスティクス 東北サイト[宮城県柴田郡]
2012年 2月 RICOH LOGISTICS CORP.[USA]が「ISO27001」を認証取得
(3)三愛ロジスティクス 岡崎サイト[愛知県岡崎市]
5月 物流センター横浜 オープン
(4)三愛ロジスティクス 淡路サイト[大阪府大阪市]
(5)三愛ロジスティクス 鳥栖サイト[佐賀県鳥栖市]
11月 三愛ロジスティクス株式会社[東京]を設立
12月 日本全国98行政区で「産業廃棄物収集運搬業」許可
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リコーロジスティクスグループ
環境経営報告書
2012
この度はリコーロジスティクスグループの環境経営報告書をご覧いただき、
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リコーロジスティクス株式会社 品質本部 社会環境部
TEL:03-5449-1215 FAX:03-5449-1241
URL:http://www.rlc.co.jp/
■発行年月 2012年 9月
この報告書は、色覚の個人差を問わず、多くの方が見易いよう、カラーユニバーサルデザインに配慮して作成しました。