Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5 Page 6 腕症状が消失するもの

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
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漆灰腎に就て
大森, 孝郎; 八田, 栄造; 片村, 永樹
泌尿器科紀要 (1955), 1(1): 64-71
1955-03
http://hdl.handle.net/2433/111045
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
64
漆灰
腎
に
就
泌 尿 紀 要1巻1号
」
昭 和30年3月
・.
て
京都大学医学部泌尿器科教室(主 任 稲 田務教授}
緒
助
手
大
森
孝
郎
助
手
八
田
栄
造
副
手
片
村
永
樹
正常 な るも左腎 部 に大小数 個 の 円形 陰 影が 重 り合 つ た
言
像 を認め,之 は単純撮 影 に 於 て も存 在 す る,血 液 所
漆 灰 腎Kittniereは
乾 酪 空洞 型腎 結 核 の
未 期 病 変 に 於 け る特 殊 型 で あ つ て,其
頻 度 は 極 め て 低 く,稀
の発 生
見,正 常.血 沈,1時
間 値8,2時
間値30.P.S.P
試 験 は正常.以 上に よ り左 側漆 喰腎 及 び右腎 結核 の疑
な病 変 に 属 す もの で あ
あ りと診断 し直 ちに左 腎摘 出術 を施 行 した.手 術 時腎
る・ 著者 等 は最 近に 京大 泌 尿 器 科教 室 に 於 て
はやや 高位 に位置 す る も倭 小 に して癒 着軽 度 な る為容
4例 の 全 漆 灰 腎 を 経 験 し た の で 鼓 に 症 例 の 追
易 に摘 出 し得 た.
加 を 行 う と共 に,国
内 文 献 よ り症 例 を 蒐 集 し
統 計 的 観 察 を 行 い,漆
灰 腎 に 関 聯 せ る2,3の
問 題 に 就 て 考 按 を 加 え た い,
症
症
摘li腎 所 見:82g・,8・0×5.0×5・Ocmに
して
一倭 小型 に属 す・割 面 は大 小5個 の空 洞 よ り成 り 灰 白
色 の硬 泥状漆 灰 様物質 に よつ て充 た ざれて い る1第2
図}.腎 実質 は箸 し く菲薄 な嚢 及び隔 壁 と 化 してそ の
厚 さは2∼3mmと
例
な つて い る.腎 孟 は消 失 し,、
尿管
は細小 に して管 腔 を認 めない.空 洞 内 容 に就 て鏡檎
例1.
培養 何 れ にて も結核 菌 を証 明 し得 ない ・
患
者:○
主
訴
光三.45才,男
子,初 診,昭 和26.4.
排尿 痛.
既 径 症120才
組 織 学的 所 晃:残 存組織 の大 部分 は 空洞 に 接 した
結 合織 層 で あ り,そ の外 側 に僅 かに皮質 を認 め硝 子様
の時膀 胱症状 あ り左腎 結核 の診 断
変性 に陥つ た糸毬 体 が少数 認 め られ る.細 尿 管 は拡張
を受 け たが放置 した.半 年 に して 自覚症 状全 く消 失 し
しすべ て硝子 様物質 にて充 た され てお り一部 で は石灰
爾来25年
沈 着 をみ る.間 質 は繊 維化 の傾 向著 明 に して僅 か に小
間 尿路症状 は な か つた.4年
前腰 椎結 核
に罹 患 し現 在爾 軽度 の腰痛 あ り,
現 病 歴:約2週
り,全 身症 状 はない.尿 数,昼 間5∼6,夜
所
見
円形 細 胞の浸 潤 があ る・空 洞 に近 い結合 織 の 中に もわ
間 前 よ り終 末排尿 痛,尿 溜濁 あ
一般状 態 には特別 の変化 は な いが,脊 柱
の運 動制 限せ られX線
ず か な浸 潤 あ り附近 に類 士皮 細 胞 を認 め るが巨態 細 胞
は認 め得 な い・数 ヵ所 よ り作 製 した標 本 に於 て新鮮 な
間0.
像 に於 て第 五腰椎 に変化 が認
め られ る.両 腎 と も下極 を触れ るが圧 痛 はない,呼 吸
結 核病 変 は認 め られ ない.染 色 によつ て組 織内結 核菌
を検 索す る も証 明 し得 ない.尿 管 は全 く結合 織性 に閉
鎖 されて い る.
性 移動 は正常 に存 す.外 陰部 には 異常 を認 めないが 前
立 腺 に硬 結 あ り.尿 は軽 度 に溜 濁 し蛋 白(+),多
数の
術 後の 遅 過:術 後 の検査 に よつて 右 腎 の 初期 腎結
核 を確 認 した ので 強力 に花学 療 法 を 実施 し た 後 退 院
白血球 及び少数 の上 皮細 胞 あ り結核 菌 を証 明 する.膀
した,
胱 粘膜 は一 般 に軽 度 に充 血 し少数 の濱瘍及 び結核 結節
症
例2.
が散在 す る.右 尿管 口の周 囲に発 赤あ り,左 尿管 口は
患
者:松 ○○一,44才,男
運 動及 び尿排 出 を 認 め ない.青 排 出 は 右 正常,左 ほ
15分 に至 る も陰性.逆 行性 ピエ ロ グ ラフf一 は不 能 ,
主
訴1頻 尿及 び排 尿痛.
排 泄性 ピエに ログ ラムに於 て(第1図)右
現 肩歴=12年
腎 は 概ね
子,初 診,昭 和27.ラ.
既 往 症 家 族歴=特 記 すぺ きもの な し.
前両 側副 睾丸 結核 の診 断 を受 けた が
大
手 術 せ ず.8年
前 よ り1∼2ケ
り,約5年
森,八
田・片 村一漆
月続 く 血 尿 が 数 回 あ
した,5ケ
前 よ り頻 尿 及 び 排 尿 痛 を 来 た し 漸 次 増 悪
月 前Streptomycin129を
使用 し た が
見:全
に 就 て
ptomycin409の
65
注 射 を受 けた.治 療 開始後 間 も な
く自覚症 状全 く消失 し2ケ
月後手 術 を受 け るこ とな
く退院 し 日常 生活 に復 して いた.と ころが1年5ケ
月
前 多尿 及び 飢渇 を自覚 したので再 び上 記病 院 に入 院 し
症 状 は 殆 ど変 化 せ ず.
所
灰 腎
身 所 見 異 常 な し ・ 右 腎 触 れ ず,左
腎2
尿崩 症 の診断 の下 に治療 を受 け たが軽快 しない 為1年
横 指 触 知 す る も圧 痛 な し,両 側 副 睾 丸 結 核 及 び 前 立 腺
前本 院 内科 に入 院 して 直 ちに当教 室外 来 を訪 れ た・現
結 核 あ り.尿
在排 尿痛 其 の他 の膀胱 症状 は全 くない.1
は 血 性 溺 濁 に し て 蛋 白(+),赤
血 球,白
1
血 球 共 に 多 数 あ る も結 核 菌 を認 め ず,膀
量50ccに
胱 は萎 縮 し容
し て,粘 膜 は 一 般 に発 赤 溺 濁 し 漫 潤 強 く各
所 に限 局 性 充 血 斑 及 び 結 核 性 潰 瘍 を 認 め る.両
側尿 管
所
見.全
痛 な く左 腎 は 触 れ ず,外
ず.尿
見 な し,膀
テ ー テ リ ス ム ス は 実 施 不 能 で あ る.排
る.右
輪 郭 がや や 明瞭 に 認 め られ,そ
の 内 部 を詳 細 に 観 察 す
れ ば 多 少 濃 淡 の 差 が あ るP・S.P.試
見,正
常,血
沈 ・1時
泄性 ピエ ログ ラ
腎 は 排 泄 を 認 め な い が,
間 値60,2時
験.正
常.血 液 所
間 値100,左
結 核 の 診 断 の下 に 腎 摘 出 術 を 行 つ た.手
腎
術 時 高 度 の癒
着 を認 め た.
表 面 不 平,被
し て
膜下 に多数 の 結核結 節散 在 す・割 面 をみ
るに 実 質 の 破 壊 高 度 に し て 軟 泥 状 の 漆 灰 様 物 質 が 充 満
す る を見 る ・残 存 せ る 実 質 に 結 核 結 節 を認 め る.脂
置 換 の 傾 向 か 誘 め ら れ る.空
肪
洞 内容 には 結核 菌 を証
明 し得 ず ・摘 出 尿 管 は 鉛 筆 大 に し て 腎 孟 と の 移 行 部 に
組 織 學虻 所見.空 洞 に接 して無構 造 の 壊死 層 あ り
そ の外 側 に結合織 層 が認 め られ るがそ の内部 に も尚小
円形細 胞,類 上皮 細 胞の浸 潤 があ る・ 実質 に接 する部
位 に於 て は巨態 細胞 も認 め られ る・他 の3例 に比 較 し
て最 も多 く実質 が残存 して お り,糸 毬 体 の大 部分 を認
め得 るが一 部 は硝 子様 変性 を来 た して いる.細 尿 管 は
演濁腫 脹 を来た すの みで破 壊 をまぬが れた もの が多 い
が,一 部 わず かに拡 張 して硝 子様物 質 を入 れて い る ・
間質 に於 ては小 円形細 胞,単 核 球,類 上 皮 細胞 の浸 潤,
尿 管 口 は 後 上 方 に 牽 引 され て 尿 排 出 を見 な い ・
管 カ テ ー テ リ ス ム ス は 不 能,左
に も 異 常 を 認 め な い.右
腎 部 に於 て 石 灰 化 を 思 わ せ る
漆 灰 腎 の 診 断 を 下 し た が 尿 崩 症 の 為 約1年
内 科 に 於 て 治 療 を 受 け て 昭 和28年6月
した.入
院 後 撮 影 し たX線
像 に 於 て は1年
り,直
径2∼4,8crnの
る(第5図),膀
ほ ぼ 正 円形 の 陰 影5個
日2000∼4700ccの
多 尿 が あ る.P.S.P.試
間 値18,2時
間 値4L血
血 液 像 に 於 てEosinophi】ieを
子,初 診,昭
臨 径 症=16才
肋 膜 炎,23才
急 性 腎 臓 炎,
右 腎 及 び 膀 胱 結 核 と の 診 断 を受 け 直 ち に入 院 しStre一
面嚢
内腔 を透 見 し得 る程 度 とな る ・
被 膜 に 脂 肪 組 織 の 癒 着 強 く腎 門 部 で は 特 に 著 明 で あ
り,被 膜 下 に は 少 数 の 結 核 結 節 が 散 在 し て い る 。割
面..実 質 は 高 度 に 破 壊 せ ら れ 漆 灰 様 物 質 に よ つ て 充 満
第1図
症 例1,排
和27.7.
月 前 膀 胱 症 状 あ り某 病 院 に 於 て
認 める・手 術 の 際腎
摘 出 腎 所 見:180g,10・S〈6.5x5・5cm.表
尿.
現 噛 歴:2年5ケ
験 正 常.
圧,122/80・
腫 様 膨 隆 著 明 に して 一部 に 於 て は 極 め て 薄 く黄 白 色 に
例3,
訴:多
を認 め
周 囲 の 脂 肪 異常 に 多 く癒 着 高 度 で あ つ た.
好 に して 化学 療 法 及び 両 側副 睾丸
者}四CG-,47才,男
前 のそ
胱 及 び 尿 に は 異 常 を 見 な い が,街1
摘 出 術 を 行 つ た 後 退 院 し現 在 健 康 で あ る.
孟
間
当科 に転 室
れ に 比 較 し て 陰 影 の 濃 度 が 著 し く増 加 し て 明 瞭 とな
う定 型的結 核結 節 を認 める。組 緬 内結核 菌 を検 す るに
患
泄性 ピエ ログラ ムに
於 て も 右 腎 の 排 泄 を認 め ず 同様 の 陰 影 を 認 め る1第4
陽性.
症
右 側尿
腎 尿 は 異 常 な く腎 孟 像
数 ケ の 不 鮮 明 な 陰 影 を 認 め る,排
結合織 増殖 が著 明 であ り一部 では 少数 の巨 態細 胞 を伴
術 後 の 経 過:良
渣 に 病的所
胱 粘 膜 は搬 痕 を見 る の み に し て 清 浄 で あ
血 沈,1時
於 て 完 全 に 匪 塞 し て い る.(第3図}.
立 腺 に も異 常 を認 め
青 排 出 は左 側 は 正 常 な る も右 側 よ りは 認 め ず
図).右
摘 出 腎 所 見:325g,12.2×7・Ox7・Ocmに
陰 部,前
は淡 黄 色 澄 明 に し て 蛋 白(一},沈
口共 に不 明 ・青 排 出 も 出 血 の た め 不 明 瞭 に し て 尿 管 カ
ムに 於 て 右 腎 は 概 ね 正 常,左
身 所 見 異 常 な し・右 腎 下 極 を触 れ る も圧
燦 》
泄 性 ピエ ログ ラム
66
大 森,ハ
田・片村一 漆
灰 腎
に 就
て
され て お り,腎 孟 は肥 厚 し周 囲 に於て 脂肪置換 が著 明
数 認め るが結 合織 増殖 は余 り薯 し くな い.殆 どすぺ て
で ある.摘 出尿管 は比 較的 細い が消息 子 を通 し得 るの
の糸 毬体 は硝 子様 変性 を来 た し細尿 管 も僅 かに認 め ら
で 狭窄部 位 は更に下 方 なる を知 る 〔
第6図)・
れ るが何 れ もや や拡 張 して硝 子様 物質 を入 れ る.空 洞
組織 學的 所見:実 質 は小円形 細胞,類 上皮細 胞 を多
第2図
症 例L摘
第4図
症 例3,手
に接 す る部 分 には無 構 造の崩 解物 質 が多 量附 着 して居
第3図
出 腎
術 の1年
前
第5図
症
例2.摘
出 腎
症 例3,手
術直 前 プ ノイモ レ トロ
ベ リ トネ ウ ム 併 用
..磁
「
鷲
嬢'㌔
曝 滋
る
・
㌶・
鷲4
瓢
、
騨
瀦
彰
雲 陶
..』 吝
第6図
症 例3.内
容除 去後
第7図
往
匹
内 容除 去後
症 例4・
μ
舵
國
・ 劉
伽
・'
、,即
.ノ
ロコロ
ト
劉
纈∼
67
大 森,八 田,片 村 一漆 灰 腎 に 就 て
り,そ の外 層 の結合織 層 は比較 的薄 く之 と皮 質 との境
み で結 核性 に非 ざ る事 を確認 し化学 療法 を行 つた後 退
界附 近 には 胞細皮 上類 反応 薯 明で巨 態細 胞 も認 め られ
院 したが,そ の後尿 管狭 窄 が進 行 した為右 腎痕 を作 つ
る..
た.現 在健 康.
術 後 の脛過:良 好 に して現在 健 在 ・
症
統 計 的 観 察
例4・
患
考:島 ○千 ○・37才 女 子 ・初診,昭 和27.9・
漆 灰腎 の発 生頻 度は ・ どの程 度 の石灰沈 着 を示す も
の を漆灰 腎 と称 す るか に よつ て,発 表者 に よ り可成 り
重 、訴1頻 尿及 び尿失 禁.
差 異 が あ る のは当然 で あ る.Grenshaw(1935)は
窮 径 症:19才 ・ 肋膜 炎
現癖 摩i昭 和23年9月
頃 よ り排 尿痛 ・血 尿・頻
MayoClinicに
於 け る1817例
の腎 結核 患者 の内131
尿 を来た し腎 及び 膀胱結 核 の診断 を受 けた が手術 を受
例(7・1%1に
け なかつ た.症 状 は漸 次 増 悪 して約1年 前 よ り時々夜
或 は膀胱 症状 を伴 わな い全漆灰 腎 であつ た と述べH.
G.Hanley(1952)は
結 核腎摘 出術 を行 つ た 患 者87
間 に尿 失禁 を来 たす様 になつ た.約9ケ
月 前よ り
1NAHを
服 用 して症状 は次第 に軽減 し て 来 た が 街
15∼30分 毎の頻 尿 が ある・
所1見1全
於 て腎 石灰 化 を認 め更 に内10例
例 に於 てX線
的 に37例(42.5%)の
は頻 尿
高 率 に石灰 化
を認 めた と述 べ てい る.本 邦に於 て は佐 藤が 文献 を綜
身所 見 は異 常 が ない.右 腎下極 を3横 指
合 して漆 灰腎 は腎結核 の約1.1%に
見 られ る としてい
.触れ るが表面及 び硬度 に は異常 な く呼吸性 移 動 を認 め
る.之 等 の統 計は部 分的 漆灰腎 を も含む もの であつ て
任 痛は ない・左 腎は下極 を僅 かに触 れ圧痛 あ り.尿 は
'淡黄色軽度 に潤濁 し赤 血球
,白 血 球多 数 を認 め るが 結
全漆 灰腎 の頻 度は更 に低 い もの と老 え られ る.大1E5
核 菌は証 明せず.膀 胱容 量は90ccで
出 した結 核腎1428例
の内全 漆灰 腎は 妓 に 報 告 した
4例 を含 め て10例(0・7%)で
あ る・
萎 縮 して お り,粘
膜 の病変 は高度 に して浸 潤 及び発 赤強 く容 易 に出血 す
る・底部 に陳 旧性 潰瘍1個
を認 める.右 尿 管 口は通
年 よ り昭和29年
末 までに京都 大学 泌尿器 科 に於 て摘
従 つ て漆灰 腎 は比 較的稀 な もの と老 え られ てお り本
常 よ り高 位 にあ り小 孔状 に して運 動性 に乏 し く尿 腺不
'明ゼ
.孝尿管 ロは 認 め得 ない ・青排 出 は両側12分 まで
邦 に於 け る報 告例 も50例
陰性 ・
尿管 カテー テ リスムス を行 い 得ず,排泄 性 ピエ ロ
自験例1例
グラフ1一 を行 うに右腎 は 中等 度 に拡 張せ る水腫 腎の
灰腎5例),其
像 を示 す が左腎 は排 泄 を認 めずわず かに凹凸 あ る輪郭
山科,中 内 。藤井,真 行寺,井 尻,岡 ・宮軒 ・宮野 ・谷奥,
を認 め る・,血沈 ・1時 間値50,2時
塩川,斎 藤,伊 賀,岩 崎,広 瀬等 各1例,原
試験 は低下 し.3時 間 で430/,.左
間値76・P・S・P・
末期 腎結核 及び 右
水腫腎 の診断 の下 に左腎 摘 出術 を行つ た.癒 着 中等度
して
肥早せ る禄 膜 の下 に多数 の結核 結節 が散 在す る.上 極
内面 に異常血管 あ り,割 面1第7図
」,実質 は強 く破
前後 で あ ろう と思わ れ る ・
川村 が本 邦文献 中 よ り16例
を集 め
を加 えて報告 して い る が(内 ・部分 的漆
の後 著者 が文 献 を渉 猟 して得 た症例 は
妻,太 田 ・横竹 等各2例
口 ・長
宛黒 川 ・石 井3例,原
例 の全漆灰 腎 と岩下 ・岡,外 塚,前
各1例
にして比較 的容易 に摘 出 し得 た・
摘 出 腎 所見:2309,16,3×9.O×9.4cmに
即 ち昭和14年
の部 全的 漆灰 腎 であつ て計30例
家 症例 を加 え る と総計51例
口8
田,三 浦 ・笠 等
で ある・ 自
とな るの で統計 的事項 を
簡単 に述べ たい と考 え る.
先 ず年 令及 び性別的 関 係 をみ るに(第1表)10才
壊 され てい るが他 の3例 に比較 す れば 可成 りよ9残 存
してい る.,空洞 はすぺて流 動性 の ない泥 状物質 にて充
以下 の症例 は な く20才
た され てお り腎孟 粘膜,尿 管 共 に肥 厚 し両者 の移行部
(多田氏)と 比 較す る と可 成 りのずれ が認 め られ る.之
に於 て完 全閉塞 を証 明す る・
は漆 灰 腎 に至 る まで に或 程 度の期 間 を必 要 と す る 為
組織 學的 所見1腎 被膜 の 肥厚薯 明.空 洞 に 接 す る
以後50才
迄 に多 いが,之 を
京大泌 尿器科 に於 け る腎結 核 一般 の 年 令的 分布状 態
と,又 患者 が無 症状 の為泌 尿器科 医の対象 にな るのが
部 分は平滑 にして壊死 層殆 どなし,結 合織 層 は非常 に
遅 れ た為 であ ろ う.Grenshawは
厚 く残存 実質 の内部 に於て も繊維 化 が極 めて強 い ・実
と述 ぺ てい るが本 邦例 で は 男子23例,女
賓 の大紬
であ る.
は高度 に拡 張 した細尿 管 に よ つ て 占 め ら
れ,そ の 中には硝 子様物 質 を入 れてい る.糸 毬体 は殆
ど残 つ でいない ・間質 に小 円形 細胞,類 上皮 細胞,単
核球 をみ とめ,一 部 に定型 的結 核結 節 を認 め る.
'
術後 の経過 ・術 働 検査 によ り残 存腎}ま 水 腫 腎の
罹患側 は右26例,左22例,不
男子 が女子 の3倍
明3例
子28例
で 一般腎
結核 同様 大差 は ない様 で ある.
一 般 に腎結核 は常 に進行 性 であ り膀 胱結 核 を伴 う為
常 に膀胱 症状 を伴 うので あ るが、閉塞 性腎 結核 では 膀
・68
大 森,八 田,片 村一 漆 灰 腎 に 就 て
性 にな るこ とは ない と考 え て葺 支 え ない.
第1表
計
年
令1写011茄121菊31痛41罰51舘1不
男
子
0
1gl291
1
1
子
0
26117
2
.O
女
計
0
%
0
3
I
5,8
2.0
3151316
5・8}29・4}25・ 『31・4
明
23
初診 時膀胱 結核 を認 め た ものは21例
た もの は26例,不
X線
明4例
・認 め なかつ
であ る・
像 は一般 に知 られて い る様 に腎 全体 又 は そ の
11 が特徴 で あ るが,石 灰 含有 量 の少 い場合 は 明瞭 でな い
場合 もあ る.第1例,第3例
はGrenshaw或
は
}100%
賢 結劉IL・i14・ ・1・6・1;25・;1・93・gl(京
搬+)
一 部 に於 て多房性 の 濃淡不 同 の石灰 化 陰影 を認 め るの
Eisendrathの
分 類 に於 け る第3群
な陰影 を認 めた が,第2例
に属 す る 定塑 的
・ 第4例
は 腎部 陰 影 の
軽 度の増 加 を認 め るのみ で あつた ・第3例
に於 て1
胱 症状 が消失 す る もの が多 く稀 には 終始膀 胱症状 を欠
年 間 に薯 し く陰影 が増 した 事は漆 灰腎 の石 灰 化 の速度
如 す る場 合 もあつ て泌 尿器 科 医の対i象となる こ とが少
を示す例 として興味 があ る.X線
い・全例 中全 く膀胱 症状 を 自覚 しな かつ た とす る もの
る45例
が7例 あ る(川 付,篠 田,山 科,真 行寺,谷 奥,原 口,
陰影 が不 明瞭 で あつた とす る ものは14例
で ある.
45例 に於 て摘 出術 が施 行 され てお り腎 の重量 は 第
原 口 ・長 妻,黒 川 ・石井).
主 訴 を見 るに膀胱 症状 を主 訴 とす る も の が29例
像 に就 て 記 載 のあ
に於 て明瞭 な陰 影 を得 た と言 う もの は31例
3表 の如 く100g未
満 が4例
あ るが一 般 には増 加せ
(59・9%、,膀 胱症 状 を欠 き他 の症状 を訴 えた もの には
るものが 多い ・最大 は篠 田 の1435g,最
腎 部腫 瘤8例,腎
井 の609で
部疹 痛2例,発
部 不快 感等3例 が あ る
熱,食 思不振,'胃
又此 の外他 の疾患 の際 医師 に
よつ て偶 然発 見 され た ものが4例,腎
応 ρて発 見 された ものが4例,不
結核 予後調 査 に
明3例 があ る・
あ る.薯 者 の第1例
小 は 中内 ・藤
は829の
菲薄 となつ た実質 の癩 痕 性収 縮 の為 と考 え られ る.空
洞 内容 に就 て結核 菌 を検 索 した10例
に於 て3例
最 初 に膀 胱 症状 が発 現 してか ら診断 を受 けた までの
期間 は判 明 した22例 に於 て第2表 の 如 くで あつて
一般 腎結核 の経過 が比較 的短 い のに較 ぺて薯 し く長 い
証 明せ られ てい る(岡 ・宮軒 ・宮 野1,原
例 が多い ・此 の22例
い もの1例1原
に就 て 膀胱 症 状 の 有無 を調査
す る と・現 在欠 如す る もの11例,最
初 よ り引続 き存
在 す るもの8例 ・一時 消失 し再 び起つ た もの2例,不
明1例 で ある.一
時 消失 し再 び発 現 したのは著 者 の
第1例 及び黒 川 ・石 井の例 で あつ て,前 者 は他側 腎 の
結 核罹 患の為 で あ り,後 者 は11年
前膀 胱炎 が1ケ
月 あ り其 の後無 症状 で あつた ものが1年
症状 を来 た した例 を報告 してい るが,11年
繧 小 型 で'
あ る,之 は恐 ら く先天 的 歴 小 腎で は な く内容 の濃 縮 と
学 的所見 の記 載あ る20例
く認 めない ものが1例
では
に
口2).組 織
結 核組 織 反応 を 全
仲 内 ・藤 井),殆 どみ とめな
口)が あ るのみ で他 は すべ て 認 めて
い る.
空洞 内容 が どの程度 のCaを
含 有 す るもの か ら漆
灰 腎 と称す るか とい う明 確 な規 準 は ない.そ の測 定 を
行 つてい るのは 広瀬 のみ で1.3%で
い る.
あつ た と述 べ て
前 よ り 膀胱
第3表
前の 膀胱
炎 が結核性 で あつた か どうかは不 明 であ るので尿管 が
再 び開通 した ものか ど うかは断定 出来 ない と思 う.従
つ τ尿管閉塞 を来た した後長期 間 を経過 して再 び開放
重量11100㌦ 下ilol菊 。gl201騒。9150{蕊。91100㌦
畢
例数14
7
8
1
4
第2表
20年 以 上
2
10∼20年
8
5∼10年
3
1∼5年
9
1年 未 満
0
絢 括並に考按
第1例
は所 謂Autonephrectomy後25
年 間 無症 状 で あつ た もの が他 側 腎結 核 の発 生
に よる膀 胱 結 核 を来 た し て 来院 した もの でX
線 像 に 明 瞭 な 陰影 を与 え る高度 の漆 灰 腎 を発
見 した例 で あ る・ 他 側 腎 結 核 が 極 め て初 期 で
あ るの で摘 出術 を 行 い,重 量829の
高度 ・
あ
大 森,八 田・ 片村 一漆 灰 腎 に 就 て
漆 灰 腎 を 得 た.組
か つ た.合
る・
』
第2例
織学 的 に結核 性 変化 が 少 な
併症 と しで腰 椎 結核 を 有 し て い
は8年
前 よ り 膀 胱 症 状 が あ り5事
ケ 月 前Streptomycin129を
ロ
69
漆 灰 腎 と な る と考 え て よい.
石 灰 沈 着 の発生機 転 は未 だ 全 く 不 明 で あ
る・ 黒 川 は摘 出腎 に於 け る脂肪 置換 が著 しい
か らfattydegeneration又
はfatty
使 用 し た が 街replacementがCalciumSoapの
形 成 を促
グ
膀胱 に結核 性 変 化 を有 して い る.尿 管 閉 塞 の
進 す る事 が 因子 の 一 つ で あ ろ う と述 べ て い る
時 期 とStreptomycinの
が,薯 者 は論 ず べ き根 拠 を持 つ てい ない.今
関係 は 明 らか で な い
が 閉 塞 後 ま だ 余 り経 つ て い な い も の と考 え ら
後 の研 究 を要 す る問題 で あ る.
ド
尿 管 狭 窄 の 問題 に関 聯 して新 らし く現 わ れ
れ る.肉 眼的 組織 学 的 に 定 型 的 な結核 性 変化
がみ とめ られ 組 織 学 的 に結 核 菌 を証 明 した ・
た問 題 は 化学 療 法 に よつ て之 が 促 進 され る事
、第3例
実 で あ る.又 化 学 療 法 の為 空洞 の 入 口に 狭 窄
は2年5ケ
月 前Streptomyc{n
を409使
用 し て 颪 ち にAutonephrectomy
の状 態 となつ た もの で あつ て石 灰 沈 着 の 速度
か 起 り腎 孟 と交 通 が遮 断 され る事 もあ る.此
を知 る事 が 出 来 た例 で あ る.摘 出腎 に 結核 性
於 て 著 明 で あ る・ 鼓 に 報告 した 例 で は第1例
の傾 向 はINAHよ
り もStreptomycinに
変化 を認 めた ・ 尿崩 症 の為 内科 に 入 院 し 当科
を除 く3例
に 術 前化 学 療 法 が 行 わ れ て お り
に紹介 され て 漆 灰 腎 を発 見 した もの で あ る ・
特 に 第3例
で は 化学 療 法 と閉 塞 と の 関係 が
第4例 は4年
前 よ り膀胱 症 状 が 去 らず9
ケ月 前か らINAHを
服用 した 例 で,萎 縮 膀
明瞭 で あ る.患
老 はAutonephrectomyを
胱 で あ り粘膜 に倫 結 核 性 変化 あ り,摘 出腎 に
治癒 と混 同す るの で術 前化 学 療 法 の使 用 に 当
つ ては此 の点 充 分 留意 せね ば な らな い ・著 老
も明瞭 な結核 性 変 化 を認 め た ・
は化 学 療 法 の 乱用 に よ つ て 将 来Autone一
著老 は 漆灰 腎 朔)発生 に は 非 開放 性 で あ る事phrectomy或
が 必要 で あ る と老 え て い るが そ れ に は次 の三
つ の場 合 が考 え ら れ る.即 ち,1)慢 性 腎 結
は 漆灰 腎 の頻 度 が 上昇 す るの
で は な いか と推 測 して い る.
又 他 の結核 性症 患 を治 療 す る 目的 で 化学 療
核 の経 過 中尿 管 の 擁 痕性 収 縮 の為Zucker一
法 を行 つ た為 に 所 謂無 症 候 性Autonephre一
kand1の 所 謂 閉 塞性 結 核 性膿 腫腎 とな り内 容ctomyの
状 態 を来 た す症 例 も 増 加 す るの で
を
が濃 縮 し同 時 に石 灰 沈 着 を来 た す 場合,2)開
は な いか と思 われ る・
放 性で あつ た 結核 性空 洞 が腎 孟 と交 通 を絶 つ
てその 内容 が 石 灰化 す る場 合 ・3)実
質内に
未 期 腎 結核 の 自然 治 癒 の 問 題 は古 くか ら議
論 が 多 い.Wildbolzは
「自然 治療 とは 腎結 核
発 生 した 空 洞 が 腎 孟 に 交 通 す る 事 な くそ の ま
の診 断 を受 け た ものが そ の機 能 を保 存 しつ つ
ま石 灰 化 す る 場 合 に 要 約 出 来 る の で は な い か
と考 え る ・ 何 れ の 場 合 も 全 漆 灰 腎 に ま で 発 展
し得 るわ け で あ る が 後2者
の 場 合全 漆 灰 腎 に
まで発 展 した 実例 は 文 献 上 な い様 で あ る・ た
s"ThomsonWalkerは
第3の
場 合 が
Caseouscrmassivetuberculosisofthe
kidneyと
な る 事 を 述 べ 最 近M.Paulは
そ
完 全 に 癩 痕 性 治 癒 を 営 ん だ も の 」 と定 義 し て
い るが 之 に合 致 す る例 とし て認 め られ てい る
も の はWildbolz,Castaigneの
過 ぎ な い.此
僅 か2例
に
の 様 な 厳 密 な 意 味 で な く腎 機 能
を 失 つ た 閉 塞 性 膿 腫 腎 或 は 漆 灰 腎 の様 な 場 合
に,結
核 菌 の消 失 及 び 組織 学 的 に結核 性 変 化
を 認 め な い こ と を 以 て 自 然 治 癒 と考 え て い る
の例 を 報 告 し て い る ・ 之 が 石 灰 化 す る 場 合 も
者 も あ り,Ekehorn,LegueuetVerliac,
あ り得 る の で 此 の 様 に し て 全 漆 灰 腎 が 出 来 る
Hallさ,Papin,Castaigne,Grenshaw等
可 能 性 も あ るわ け で あ る.然
し普 通 は 全 漆 灰
此 の 意味 の 自然 治癒 説 を支 持 し て い る・本 邦
腎 は1)の
場合 は 部分的
に 於 て 此 の 様 な 例 を 報 じ た の は 中 内 ・藤 井 及
場 合 で,2),3)の
が
70
大 森,八 田,片 村一漆 灰 腎 に 就 て
び原 口の2例
が あ るに 過 ぎな い,Wildbolz行
つ た 報 告 は ない が,一 般 腎 結 核 同様 完全 治
は 斯 る例 を経 験 せ ず と言 い,他 の 大多 数 の意
癒 は期待 出 来 ない で あ ら うし又 臨 床 的 に 治癒
見 も否定 的 で あ る.自 験 例 の第2,3,4例
を判 定 す る方 法 も な い・
ケ
で
は多 少 と も組 織學 的 に繊 維1化及 び 結核 性 変 化4)石
灰 化 が 強 くて も腎 に荷 新 鮮 な病 巣 の
の減 少 の 傾 向ほ 認 め られ る が衙 明 らか な結 核 存在 す る場 合 もあ り,術 前 に病 変 程 度 を知 る
性 病 変 を認 め る.第1例 は 極 め て薄 い繊 維 性
の襲 と言 客 る状 態 であ つ て 実質 は0:5mm以5)全
こ とが 出来 な い.
身状 態 の良 い 時 こそ 手 術 に 最 適 の 時
下 の厚 さに残 つ て い るに過 ぎず,細 胞浸 潤 あ
期 で あ る.
り類 上 皮 細胞 も存 在 す るが定 型 的 な結核 性 変6)化
化 は 認 め得 なか つ た.著 者 はWildbolzと
様 にAutonephrectomy乃
同
学 療 法 剤 の進 歩 に よつ て手 術 に よ る.
生 命 の危 険が 著 し く減 少 した.
至漆 灰 腎 に 結核
腎 結核 に対 す る化 学 療 法 の効 果 は 極 め て早
性 変化 の ない 事 を 以 て 自然 治癒 と称 す る説 に
は 反対 で あ るが,此 の症例 の 様 にAutone一
期 の 場合 を除 い ては 余 り期 待 出来 な い のが 現
状 で あ るが,漆 灰 腎 に於 て は或 程 度 繊 維 化 及
phrectomy後
長 期 間(本 症 例 で は25年)を
経 た 場 合 は組 織 学 的 に結核 性変化 が殆 ど消 失
び結核 性 組織 反応 の減 少 す る傾 向が あ る ので
之 に対 す る効 果 は未 だ 不 明 で あ り今 後 の研 究
す る可能 性 も あ る事 を知 つ た わ け で あ る・
が 必 要 で あ る,し か し実 際 問 題 とし ては 臨 床
治 療 に就 い て も問題 が あ る.現 在 自覚 症 状
的 に組 織 学 的 の病 変 の消 失 を証 明 す る こ とは
が あ る場 合 は 問 題 な いが 無 症状 で あ り全 身 状
不 可 能 で あ り化 学 療 法 に期 待 す るの は 誤 りで
態 も良好 な時 之 を手術 す べ きか否 か につ い て
は な いか と考 え て い る・著 老 の3例 に於 て組
議 論 が あ る.Grenshawは
織 学 的 に 化学 療法 の効 果 を判 定 す る こ とは 出
「肺 結核 を合 併 せ
ず 膀 胱結 核 の な い漆 灰 腎 は 別 出術 を施 行 す べ
来 な かつ た ・
きで な い 」と主 張 し,川 村,原 口 も同様 な意 見
筒 第1例 は 腰 椎 結核 を合 併 して い る..教 室
を述 べ て い る.然 し乍 らKapsammer,Bath,の
Hanley其
他 多 数 の人 は合 併 症 の発 生 した例
森 の統 計 に よれ ば 腎 結 核 患 老 の4・9%に
於 て骨 関 節 結核 の 合 併 が 存 在 す る.・古'く
を報 じ,又 自然 治 癒 を否定 す る立 場 か ら腎 摘Albarran,Braun,HeitzRoyor,LbEur
出術 の 必 要 を強 調 し てい る.本 邦 に 於 け る真
等 が 腎結 核 が 近 接 病 巣 よ り淋 巴 性 に発 生 す る
行 寺 の例 も腎 周 囲膿 瘍 の為 発 見 され た もの で
と述 べWildbolzも
あ る.著 者 は 次 の如 き観 点か ら手術 的療 法 の
最 近 は 之 を否 定 す る説 が 強 い(楠,原
必 要 を主 張 す る.巴
1)漆
灰 腎 に 於 い て稀 に組 織学 的 に結核 性
変 化 の乏 しい ものが あ る こ とは認 め るが 完全
此 の可 能 性 を認 め た が
田).淋
性 感染 を否 定 す るに して も左 漆 灰 腎,腰 椎
結核 ・ 右 腎結 核 者 の 因果 関 係 を否 定 す る こ と
は 出来 な い・
な る治 癒 は稀 有 乃 あつ て期 して待 つ べ き もの
ではない
文 献 に 見 られ る殆 ど全 症 例 に 於 て
結
論
摘 出腎 に明 らか な結 核 性変 化 を認 め て い る1)京
都 大 学 泌 尿器 科 教 室 に於 て最 近 経 験
し,結 核 菌 の証 明 され た例 も多 い.
した 全 漆 灰 腎4例 を報 告 した
.教 室 に於 け る
2)他 側 腎 や 他 臓 器 へ の感 染源 とな る可 能 全 漆 灰 腎 は1428例
の摘 出腎 中10例 で あつ
性 が あ り・ 腎 周 囲膿 瘍 其 他 の合 併症 を起 こす
てO.7%で
危 険 が あ り・ 又全 身 に対 す る 中毒作 用 も老 え2)本
られ るの で保 存 的 療法 は有 害無 益 で あ る・
3)現
在 まで め と ころ漆 灰 腎 に化 学 療 法 を
あ る.
邦 文 献 を渉 猟 し47例
の で 自家 例4例
行 つ た.
の症 例 を得 た
を加 え て簡 単 な統 計 的 観 察 を
大 森,八 田,片 村 一漆 灰 腎 に 就 て
B)自
家腎 摘 出は 決 して 自然 治 癒 で は な
71
11)原
口:皮
紀 ・44巻,1号,21頁
の如 く結核 性 変
12)原
口:皮
紀,45巻,6号,173頁
化 の減 少す る もの もあ る ・
4)化 学 療 法 の乱 用 に よつ て所 謂 自家 腎摘
13)齋
い.然 し極 め て稀 に は第1例
藤:日
14)伊
出の状 熊 に至 る ものが 増 加 す るで あ ら うと老
え,化 学 療 法 の 使 用 に は充 分 注 意 を払 う必 要
が あ る と強 調 した.第3例
,1000頁.
図 説,31号,196.
田,横
竹:日
泌 尿会 誌
川,石
井:日
泌 尿 会 誌,44巻
,43巻,3号,
124頁.
16)黒
で はStreptomycin
と尿 管 閉塞 の関 係 が 明 らか で あつ た.
5)漆 灰 腎 も亦 一 般 腎 結核 同様 腎 摘 出術 を
,
泌 尿 会 誌,29巻,11号
賀:皮
15)太
.
17)前
田=日
18)三
泌 尿 会 誌,42巻,g号,412頁.
浦 、笠:日
岩
崎:日
泌 尿 会 誌,45巻,10号,690頁.
原 則 とす べ きで あ る とそ の理 由 を列 挙 して主
19》
張 した.
20)廣
潮:日
医 大 誌17巻,3号,166頁.
21)川
村:皮
尿 誌,45巻,3号,218頁.
稿を終るにのぞみ恩師稲田教授 の御懇篤なる
御指導並びに御校閲を感 謝する・
,8号,
427頁.
泌 尿 会 誌,42巻,5号,218頁.
22}Grenshaw:J.urol,,23,515,1930.
23)H・G・Hanley:Brit.J.
、Urol.,24,
3,188,1952.
蓼
1}山
科:皮
考
24)佐
献
泌 尿 会 誌 ・32巻,4号
3)中
内,藤 井:日
4}眞
行 寺;軍
5)井
尻:臨
25》
・
、444頁.
医 団 雑 誌,333号,217頁
本 医 事 新 報,1515号,
1927.
28)市
川,柿
29)森:臨
野 病 院 業 績 報 告 集,3巻,
崎:腎
臓 結 核 の 諸 問 題,1951・
床 皮 泌,7巻,5号,285頁.
30)M.Paul:Brit・J・urol・,25,1,38,
7)谷
輿:体
8)肇
性,42巻,10号
川:日
」,1692頁
1953.
・
31)楠:臨
本 外 科 会 誌,42回,10号,
床 の 皮 泌 と 其 領 域,7巻,IC号,
553頁.
1692頁.
10}原
森=日
27)Wildbolz:Z,f.Urol.,Bd.32,1924.
床 の 皮 泌 と其 領 域,4巻,12号,
軒,宮9:北
尿 誌,38巻,3号,515頁,
田,大
6頁.
・
2冊.
9}外
稻 田,多
26)Wildbolz=Handb。d.Urol.,Bd.IV,
泌 尿 会 誌,30巻,1号,61頁.
・
6)岡,宮
藤:皮
ノ
と泌,10巻,4号,316頁
2}岩F,町:日
1053頁
文
塚:日
口,長
本 の 臨 床.10巻9冊,961頁
婁:皮
紀,44巻,4号,99頁
・
・
32)原
田,他1日
本 医 事 新 報,1400号,491頁.