優れたIT 文書管理システムを実現 - Microsoft

コンプライアンスへのニーズに対応する、
優れた IT 文書管理システムを実現
[概要]
国 / 地域:ドイツ
業種:通信産業、バイオテクノロジー産業
[プロファイル]
Roche Diagnostics
Roche グループの一員として、輝かしい歴史を持つ Roche
Diagnostics は、QOL ( 生活の質 ) 向上のサポートにおいて
他社と一線を画する製品およびサービスの提供を行い、医療
情報の革新に大きな影響力を発揮しています。同社の従業
員数は 18,000 名にのぼります。
[背景]
Roche Diagnostics は、自社の文書管理システムを刷新し
たいと考え、厳格な FDA の規制に準拠することのできる豊
富な機能を備えた、堅牢なソリューションを必要としていました。
[ソリューション]
SharePoint Server 2007 を利用して、同社のビジネス ニー
ズおよび規制要件に対応するように設計された IT 文書管理
システムを構築しました。
[メリット]
・承認ワークフローを含めた IT 文書管理の改善
・PDF ファイルの自動生成
・イントラネットでの公開の容易化
・規制対応
[ソフトウェアとサービス]
■ Microsoft® Office SharePoint® Server 2007
[パートナー]
Alegri International
「使い慣れた Microsoft® Office system による環境下で発揮される
Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 の優れた操作性と
コラボレーション機能は非常に魅力的でした」
Roche Diagnostics エンタープライズ文書管理 上級顧問 Simona Scheele-Cretulov 氏
Roche Diagnostics は、体外診断薬 (臨床検査用試薬) の分野に
おけるトップ企業であり、膨大な量の分子的洞察データを管理し、
そ
れらに基づいて医師および患者にとって治療価値の高い製品を製
造しています。
こうした業務の性質上、
複雑かつ細かな対応が求めら
れるため、Roche Diagnostics では文書の管理および保管に関し
て綿密な要件を設定しています。IT プロジェクト用の文書管理シス
テムを、
より堅牢な機能を備えた新しいソリューションに変更したいと
考えた同社は、
マイクロソフト認定ゴールドパートナーである Alegri
International の協力を得て、Microsoft® Office SharePoint ®
Server 2007 に基づくソリューションを構築。包括的なセキュリティ
機能、文書のライフサイクル全体にわたるワークフローのサポート、
ならびに PDF の自動レンダリング (画像化) およびパブリッシング (
公開 ) を実現しました。このソリューションは、米国食品医薬品局
(FDA) が定める厳格な規制に準拠するように設計されています。
導入の背景
Roche Diagnostics の存在と同社が提供する
革新的な診断検査およびシステムは、疾病の早
期発見、
標的スクリーニング、
評価、
およびモニタ
リングを対象とする、統合的な保険医療ソリュー
ションにおいてきわめて重要な役割を果たして
います。全世界で 18,000 名の従業員を抱える
Roche Diagnostics は、科学研究システムや臨
床検査システムから患者のセルフ モニタリングに
至るまで、
すべての市場区分で活躍しています。
同社では、IT 電子文書の管理と保管について
は、EMC Documentum を基盤とするシステム
を使用していましたが、
その老朽化に伴いシステ
ムの交換を決定しました。同社のコンテンツ管理
/コラボレーション責任者 Erich Weyrauther 博
士は次のように言っています。
「私たちは、最先端の新しい文書管理ソリュー
ションの持つ可能性に期待したのです」。
Roche Diagnostics の業務には生体外試験の
開発が含まれているため、FDA が定める厳しい
規制を順守する必要があります。使用する文書
管理システムはすべて、電子記録に関する規則
を規定している連邦規則集 21 条第 11 章 (21
CFR Part 11) に準拠していなければなりません。
それらの規則では、
コンピュータ システムのアク
セス認証、文書監査証跡、電子署名、
および検
証に関する要件が定められています。
Roche Diagnostics には、
その他にも、新しい
IT 文書管理ソリューションに関する以下のよう
な要件がありました。
・ 同社のイントラネットによる文書の容易な管
理、更新、
および公開
・ メタデータ一式を収録したカバー シートが含ま
データをはじめとする 100,000 以上の文書が
保存されていたため、
どのソリューションを選ぶに
しても、移行が容易であることが重要なポイント
でした。なにせ、350 件にも及ぶプロジェクトで、
約 120 のアプリケーションを使用し、世界各国
3,000 名の従業員によって作成、編集、および
アーカイブされた文書を移行しなければならない
のです。
「本当にたいへんなチャレンジでした」
と、同社の
エンタープライズ文書管理 上級顧問 Simona
Scheele-Cretulov 氏は語っています。
ソリューション
Roche Diagnostics は、
マイクロソフト認定ゴー
ルド パートナーである Alegri International の
コンサルタントの協力を得て、新しい IT 文書管
理システムを導入しました。SharePoint Server
2007 が堅牢なソリューションの構築を実現する
豊富な機能を備えていることを、
プロジェクト チー
ムはすぐに実感したといいます。
「使い慣れた Microsoft ® Office system に
よる環境下で発揮される SharePoint Server
2007 の優れた操作性とコラボレーション機能は
非常に魅力的でした」
と、Scheele-Cretulov 氏
は述べています。
新しくなったシステムにおいて情 報を効 率
的に整 理するため、プロジェクト チームは、
SharePoint Server 2007 のサイト コレクション
機能を利用して、実際のプロジェクト編成に対応
する文書階層を実装しました。それぞれのサイト
コレクションはアプリケーションを表し、関連する
プロジェクトの文書は IT プロジェクト管理方式
に沿ってフォルダーに格納されます。
さまざまなア
プリケーションの文書を上位のレベルで管理す
ることができます。
れている PDF 版文書の
自動生成
・ さまざまな場所に保管され
ている文書間の参照リン
クの提供
・ 一 貫 性のある文 書 格 納
構造の実現
Roche Diagnostics の既
存のシステムには、
プロジェ
クト関連、文書の所有者、
ワークフローに関するデー
タなど、複数の版およびメタ
図 1 Roche Diagnostics の新しい文書管理システム
1 つの文書を同時に複数の
プロジェクトで使用しなけれ
ばならない場合もあります。
その対応策として、
ユーザー
がさまざまなプロジェクトの
有効文書およびそれらのメ
タデータを参照できる高度な
リンク メカニズムを作成する
ことで、従業員側が複数の
版の文書を保持しなくても
済むようになりました。
また、 図2 承認済みの文書は、ワークフローが完了した時点で編集不可の
PDF ファイル 「レンディ
(
ション」) へと自動的に変換される
SharePoint Server 2007
を利用することで、
ファイル
に対する権限の監視が可能になり、認証ユー
は編集を加えられないように、
ロックダウンするこ
ザーのみが編集を行えるようになっています。
とができます。文書は、保管を目的として保持され
るので、
引き続き表示することはできますが、編集
権限は、
チーム単位のセキュリティコンセプトに
することはできなくなります。
従ってユーザーに割り当てられます。Reader 、
Contributor、Manager という 3 つのユーザー
Roche Diagnostics では、
この新しい文書管理
システムの実装に約 6 か月かかりました。
グループがあり、
それぞれの権限レベルに応じて
また、
異なるタスクを実行することができます。Reader
ほぼ 1 年間は古いシステムと新しいシステムを
共存させ、
その間に、既存のプロジェクト関連の
は文書の表示のみ、Contributor は文書の作
文書を移行し、不要になった文書はアーカイブに
成と編集、Manager は文書の作成と編集に加
収納しました。
えて自身のプロジェクトに関連する管理タスクを
「 SharePoint Server 2007 を利用すること
実行することができます。
で、非常に複雑な IT プロジェクトを比較的短
文書は、
ドラフト版をはじめとして、厳しく管理さ
期間で導入することができました」
と、Scheeleれたライフサイクル ワークフローをたどります。
Cretulov 氏は述べています。
通常、
このワークフローにはいくつもの承認サイ
クルが含まれます。ワークフローは、
その規定に
従って文書が不要になった時点で終了します。
導入メリット
適切な権限を持つユーザーのみがライフサイク
ル ワークフローに関与します。
それらのユーザー
Roche Diagnostics では、従業員が IT 文書を
には、必要なアクションを通知し、文書にアクセ
管理しやすく、
また、簡単に PDF ファイルを作成
スするためのリンクを含む電子メールが送信され
し自社のイントラネットで公開できる堅牢な文書
ます。SharePoint Server 2007 では、
ユーザー
管理ソリューションを構築しました。新しいシステ
は、文書を表示することや、必要に応じて、電子
ムは、
該当するすべての FDA 規制に準拠するよ
署名を使用して文書を承認したり、文書を却下し
うに設計されています。
てコメントを付けたりすることができます。
■ 文書管理の改善
また、該当の版の文書と一緒に、
ワークフローで
使用されるすべての署名が保存されます。ユー
ザーは、
いつでも、誰が、
いつ、
どの版を承認した
かということ、および、
その承認者のロールを確
Roche Diagnostics の従業員は、
自身のプロ
ジェクトに関連する文書を簡単に管理および更
新することができます。文書は Web サイトからア
認することができます。
さらに、編集されたそれぞ
れの文書について、初版の内容や関連するす
べてのワークフロー データを含む PDF 版が自
チェックインして編集することができます。
ソリュー
ションのワークフロー機能を利用すれば、該当の
ルートに沿って文書の編集および承認を求める
ことが可能です。
また、2 つのチームのメンバー
動的に生成されるように、
ソリューションが Adlib
Express Server と統合されています。
内容が古くなり使用されなくなった文書は、以降
クセスすることができ、Web サイトで表示したり、
が同じ文書の異なる版に対して作業を行ってい
たとしても、バージョンの競合やデータの損失が
起こらないようにすることができます。
■ PDF ファイルの自動生成
新しい文書管理システムでは、承認済みの文書
は、
ワークフローが完了した時点で編集不可の
PDF ファイルへと自動的に変換されます。それぞ
れの PDF 版には、初版の内容とカバー シート
が、該当するすべてのワークフロー データと一緒
に含まれます。Scheele-Cretulov 氏は次のよう
に説明しています。
「これは、私たちにとって非常に重要なことです。
PDF ファイルと一緒に印刷されたカバー シートか
ら、文書のどの版が印刷され、誰が承認したのか
といったことがすぐにわかります」。
PDF 版の生成が完了すると、
自動的に、
そのプ
ロジェクトに関連するファイルが文書リポジトリ
に格納され、
ソース文書へのリンクが設定されま
す。ユーザーは、
いつでも文書を検索して表示す
ることができます。
医療機関向けの
Microsoft ソリューション
医療機関およびライフ サイエンス機関は、規制
に関する要件の充足、治療法の向上、医薬品
の開発および商品化までの期間短縮など、多く
のプレッシャーにさらされています。こうした課題
に対応するため、
マイクロソフトとそのパートナー
企業は、医療機関の日常業務を合理化および
自動化することで生産性の向上をはかり、
いつで
もどこでも必要なときに情報を提供できる、費用
効率に優れたソリューションを開発しています。
主な成果として、生産性、安全性、
および品質の
改善が挙げられます。
医療機関向けの Microsoft ソリューションの詳
細については、
次の Web サイトをご覧ください。
http://www.microsoft.com/japan/business/
industry/healthcare/default.mspx
■ イントラネットでの公開の容易化
Roche Diagnostics の従業員は、
リンクを使
用して、承認済みの文書を同社のイントラネット
で簡単に公開することができます。こうすること
で、文書管理システムを使用していない場合で
もファイルを利用できるようになり、
また、文書の
ローカル コピーの管理に伴う煩わしい作業を行
わなくても済むようになります。
■ 規制対応
新しい IT 文書管理システムは、該当するすべて
の FDA 21 CFR Part 11 規制に完全に準拠す
るように設計および実装されています。
プロジェク
ト完了後、社外の専門家による監査に合格しま
した。
本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/japan/showcase/
本ケース スタディに記載された情報は公開当時の内容に基づくものであり、閲覧された時点では変更になっている可能性があることをご了承ください。
本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/
■マイクロソフト カスタマー インフォメーション センター 0120-41-6755
(9:30-12:00、13:00-19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除きます)
※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。
*Microsoft、SharePoint は、米国 Microsoft Corporation および、またはその関連会社の商標です。
*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。
*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。
本ケース スタディは、下記 URL に記載されている記事を翻訳したものです。(2009 年 7 月公開 : 本 URL は予告なく変更、または掲載を中止する場合がありますのでご了承ください)
http://www.microsoft.com/casestudies/Case_Study_Detail.aspx?casestudyid=4000004972
〒 108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー
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