人事・給与関係業務情報システムに係る ヘルプデスク支援業務 調達仕様書(案) 2009 年(平成 21 年)12 月 人 事 院 目 次 1. 調達件名 .............................................................................. 1 2. 調達の目的 ............................................................................ 1 3. 人事・給与システムの概要 .............................................................. 1 3.1. 人事・給与システムの目的 .......................................................... 1 3.2. 最適化計画 ........................................................................ 1 3.3. 人事・給与システムの現況 .......................................................... 2 3.3.1. システム改修の状況 ............................................................ 2 3.3.2. 基盤システムの整備状況 ........................................................ 2 3.3.3. 運用サービス担当業者の調達状況 ................................................ 3 3.3.4. 関係システム(他の府省共通システム)との連携 .................................. 3 3.4. 導入スケジュール .................................................................. 3 3.5. プロジェクト体制 .................................................................. 5 3.5.1. 人事・給与システムのプロジェクト体制 .......................................... 5 3.5.2. 人事・給与システムの運用体制 .................................................. 7 4. 業務条件 .............................................................................. 9 4.1. 前提条件等 ........................................................................ 9 4.2. サービスレベル協定 ............................................................... 12 5. 調達内容 ............................................................................. 13 5.1. 業務要件 ......................................................................... 13 5.1.1. 業務実施計画の策定及び運営管理 ............................................... 13 5.1.2. 導入作業 ..................................................................... 15 5.1.3. ヘルプデスク業務作業 ......................................................... 16 5.1.4. 運用サービス担当業者との連携 ................................................. 19 5.1.5. 共同利用システム基盤外で人事・給与システムを運用する府省への対応 .............. 20 5.1.6. 制度改正、人事・給与システムの改修等による対応 ............................... 20 5.2. ヘルプデスク業務環境要件 ......................................................... 20 5.2.1. コールセンタ設備要件 ......................................................... 20 5.2.2. システム機能要件 ............................................................. 21 5.2.3. 機器等の要件 ................................................................. 24 5.2.4. 擬似環境への接続 ............................................................. 24 5.2.5. ヘルプデスク業務環境の運用・保守の実施 ....................................... 24 5.3. 情報セキュリティ要件 ............................................................. 25 6. 実施体制 ............................................................................. 26 6.1. 実施体制 ......................................................................... 26 6.2. 作業従事者の要件 ................................................................. 26 6.3. 作業従事者の変更 ................................................................. 27 6.4. 会議体 ........................................................................... 27 6.5. 遵守すべき文書 ................................................................... 28 6.6. 守秘義務の徹底 ................................................................... 28 i 6.7. 情報セキュリティ対策 ............................................................. 29 7. 契約期間等 ........................................................................... 29 7.1. 契約期間 ......................................................................... 29 7.2. 作業の成果物(納入物品) ......................................................... 29 7.3. 作業場所 ......................................................................... 30 8. 応札条件 ............................................................................. 31 8.1. 入札参加者の要件 ................................................................. 31 8.2. 入札制限 ......................................................................... 31 9. その他 ............................................................................... 32 9.1. 基本的な留意事項 ................................................................. 32 9.2. 再委託 ........................................................................... 32 9.3. 関係者との調整 ................................................................... 33 9.4. 仕様書の解釈 ..................................................................... 33 9.5. 知的財産権等 ..................................................................... 33 9.6. 関連資料の貸与 ................................................................... 33 9.7. 契約変更 ......................................................................... 34 9.8. その他 ........................................................................... 34 9.9. 問い合わせ ....................................................................... 34 10. 妥当性証明 .......................................................................... 34 ii 1. 調達件名 人事・給与関係業務情報システムに係るヘルプデスク支援業務 2. 調達の目的 人事院は、人事・給与等業務・システム最適化計画(以下「最適化計画」とい う。)に基づき、各府省等が、個々に整備運用してきた人事・給与等業務に係る既存 システムを廃止し、原則として 2010 年度末(平成 22 年度末)までに、システムを集 中的に管理運用する人事・給与関係業務情報システム(以下「人事・給与システム」 という。)を開発し、各府省への導入を図ることとなった。また、本最適化計画につ いては、平成 19 年度に、それまで各府省にシステム機器を個別に設置する方式(以下 「分散管理方式」という。)から、システムを集中的に管理運用する方式(以下「集 中管理方式」という。)への変更を行い、平成 20 年度において、共同利用システム基 盤に係る利用についての改正を実施し、さらに、平成 21 年 8 月には、改修計画の延長 や新たな他システム連携等による改正を行っている。 人事院は、これらに対応するための人事・給与システムの改修を実施し、平成 21 年 度末から人事・給与システム運用センタ(注)において、各府省が共同で利用する方式 (以下「府省共同利用型」という。)により、人事・給与システムの運用を開始する。 各府省は、順次人事・給与システムへの移行作業を実施し、運用を行うこととなって いる。 本調達は、府省共同利用型の人事・給与システムに係るヘルプデスク業務について、 外部の専門業者に委託し、実施するものである。 (注) 人事・給与システムは、共同利用システム基盤上に構築される。また、人事・給与システム運用センタは、 共同利用システム基盤の運用センタと同じ施設内に置かれる。なお、共同利用システム基盤にて調達・整備さ れる機器・設備については、共同利用システム基盤の運用センタにて運用される。 3. 人事・給与システムの概要 3.1. 人事・給与システムの目的 人事・給与システムは、①人事・給与等業務の簡素化・合理化、②システムの運用 等に係る政府全体の経費の最小限化、③情報システムの安全性・信頼性の確保及び個 人情報の保護を図ることを目的とし、これを実現するために国家公務員に対する人 事・給与等業務の業務モデルを策定し、それを支える道具として開発している。 3.2. 最適化計画 人事・給与等業務は、各府省等が実施している採用、人事異動、退職、分限、懲戒、 1 昇格・昇給等による俸給決定、扶養手当・住居手当・通勤手当・単身赴任手当等の申 請・認定、給与の支給(月次給与計算、期末・勤勉手当計算、年末調整等)、勤務時 間・休暇、人事・給与等業務関係の調査、共済組合の組合員資格及び被扶養者の申告、 共済掛金等の控除などに係る業務であり、現状においては、各府省等において、必要 に応じ個々にこれらの事務処理に係るシステムを整備し、運用している。 人事・給与等業務の最適化に当たっては、決裁等事務処理を見直すとともに、人事 管理、給与管理、職員からの届出・申請処理等の諸機能を一体化した標準的なシステ ムである人事・給与システムを全府省等に導入するため、平成 16 年 2 月 27 日に最適 化計画を策定した。なお、最適化計画の詳細については、以下を参照すること。 人事・給与情報システム調達関係情報 http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/systemtyoutatujyoho.htm 人事・給与等業務・システム最適化計画 http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/jinkyu/saitekikakeikaku.pdf 3.3. 3.3.1. 人事・給与システムの現況 システム改修の状況 人事・給与システムについては、共同利用システム基盤を利用した集中管理方式に より運用を行い、各府省は、霞が関 WAN を経由して、システムの利用を行う。 なお、現在集中化に係る改修を実施しているところであり、これらの改修の概要に ついては、「人事・給与関係業務情報システムの集中化及び府省要望等への対応並び に制度改正への対応のための設計・改修仕様書」及び「人事・給与関係業務情報シス テムの届出申請機能等の設計・改修仕様書」を参照すること。 人事・給与関係業務情報システムの集中化及び府省要望等への対応並びに制度改正 への対応のための設計・改修仕様書 http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/080829_1.nyusatsu.htm 人事・給与関係業務情報システムの届出申請機能等の設計・改修仕様書 http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/090408_nyusatu.htm 人事・給与関係業務情報システムの業務機能強化のための設計・改修仕様書(案) http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/091217_1_ikensyousei.htm 3.3.2. 基盤システムの整備状況 各府省は、人事・給与等業務用に現在運用している情報システムから人事・給与シ ステムに平成 22 年 3 月以降段階的に移行するため、機器も段階的に導入される。これ らの調達の内容については、「人事・給与関係業務情報システム機器・ソフトウェア 賃貸借及び保守仕様書」及び「人事・給与関係業務情報システム機器・ソフトウェア 2 賃貸借及び保守(第二期)仕様書(案)」を参照すること。 人事・給与関係業務情報システムの機器・ソフトウェア賃貸借及び保守仕様書 http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/090727_nyusatu.htm 人事・給与関係業務情報システム機器・ソフトウェア賃貸借及び保守(第二期)仕 様書(案) http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/091217_2_ikensyousei.htm 3.3.3. 運用サービス担当業者の調達状況 人事・給与システムのシステム機器及びネットワーク機器等の運用を実施する運用 サービス担当業者の調達については、今年度調達を実施する。これらの調達の内容に ついては、「人事・給与関係業務情報に係る運用センタ支援業務仕様書(案)」を参 照すること。 人事・給与関係業務情報システムに係る運用センタ支援業務仕様書(案) http://www.jinji.go.jp/tyoutatu/091217_3_ikensyousei.htm 3.3.4. 関係システム(他の府省共通システム)との連携 人事・給与システムは、他の府省共通システムである職員等利用者共通認証基盤 (以下「GIMA」という。)及び共済組合事務システムと連携することにより、平成 22 年 3 月より運用を開始する予定としている。また、官庁会計システム、国有財産総合 情報管理システム、旅費等内部管理業務共通システム及び国税電子申告・納税システ ムとは平成 23 年 4 月に連携することを予定している。 3.4. 導入スケジュール 人事・給与システムの運用開始に向けて、以下の導入作業が並行して進められてい る。 (1) システム開発 第一期「集中化及び府省要望等への対応並びに制度改正への対応のための設計・改 修」及び第二期「届出申請機能等の設計・改修」は平成 22 年 4 月からサービス開始を 予定している。また、第三期「業務機能強化のための設計・改修」は平成 23 年 4 月か らサービス開始を予定している。さらに、制度改正に伴う設計・改修が行われる。 なお、アプリケーション保守の開始は、平成 23 年 4 月を予定している。 (2) ハードウェア導入 第二期「ハードウェア賃貸借及び保守」は平成 22 年 7 月から運用開始を予定してい る。また、第三期「ハードウェア賃貸借及び保守」は平成 23 年 10 月から運用開始を予 3 定している。 (3) 各府省の移行 各府省における人事・給与システムの導入は、各府省のシステム移行計画に基づき 行うものとする。各府省の移行スケジュールについては、別添資料 1「各府省の導入予 定及び利用者の概算人数等」を参照のこと。 (4) 運用センタ支援業務 運用センタ支援業務の開始は、平成 22 年 7 月とし、平成 26 年 6 月末日まで実施する。 (5) ヘルプデスク支援業務 ヘルプデスク支援業務の開始は、平成 22 年 9 月とし、平成 26 年 6 月末日まで実施す る。 (6) プロジェクト管理支援 プロジェクト管理支援については、平成 22 年 3 月までの実施となるが、平成 22 年 4 月より、改めてプロジェクト管理支援を開始する。 人事・給与システムに係るシステム整備全体スケジュールについて図 3.1 に示す。 年度 四半期 平成21年度 10-12月 1-3月 平成22年度 4-6月 7-9月 平成23年度 10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月 平成24年度 1-3月 4-6月 7-9月 【設計・開発】 第一期 設計・改修 第二期 設計・改修 第三期「業務機能強化のための 設計・改修」 調達手続き 設計・改修 調達手続き アプリケーション保守 アプリケーション保守(予定) 【機器・ソフトウェア賃貸借】 第一期 設置・調整 設置 調整 アプリケー ション調整 第二期 「人事・給与関係業務情報 システムに係る機器・ソフトウェア 賃貸借及び保守」 本番環境、執務室及び検証環境の、賃貸借・保守 調達手続き 調達手続き 業務評価環境の、賃貸借・保守 設置 調整 本番環境の賃貸借・保守 設置 調整 擬似環境の賃貸借・保守 第三期 調達手続き 【移行】 設置 調整 賃貸借・保守 各府省移行(データ投入、データ確認、並行稼働) 順次、本番稼働 【運用センタ支援業務】 調達手続き 準備 運用センタ支援業務の実施 ~平成26年6月末まで 【ヘルプデスク支援業務】 調達手続き 導入 ヘルプデスク支援業務の実施 (本調達) 【プロジェクト管理支援】 ~平成26年6月末まで プロジェクト管理支援 調達手続き プロジェクト管理支援 図 3.1 システム整備全体スケジュール 4 3.5. プロジェクト体制 3.5.1. 人事・給与システムのプロジェクト体制 人事・給与システムの開発については、人事院と総務省により構成される人事・給 与システム事務局において実施される。また、システム運用については、人事院が運 用主体として実施する。 人事・給与システムは、各府省が共同で利用する府省共通システムであり、仕様や 運用に関して検討を行うため、システムの利用者となる各府省の担当者により構成さ れた「人事・給与関係業務情報システム関係府省連絡協議会」、同協議会の実務的な 検討会議である「人事・給与関係業務情報システム実務担当者連絡会議(全体ワーキ ング・グループ(全体 WG))」、「改修検討サブ・ワーキング・グループ(改修 SWG)」及び「運用サブ・ワーキング・グループ(運用 SWG)」、並びに「導入サブ・ ワーキング・グループ(導入 SWG)」等(以下これらを総称して「協議会等」とい う。)において、検討が行われる。 受託者は、これらの検討体制を理解するとともに、これらの協議会等において、本 調達内容に関して検討が行われることもあることを理解すること。 図 3.2 及び表 3.1 に、人事・給与システム開発におけるプロジェクト体制と役割を 記載する。 人事院 内閣官房IT室(GPMO) CIO 他の府省連携システム 担当府省 人事院PMO CIO補佐官 総務省 人事・給与システム事務局 プロジェクト 管理支援 担当業者 統括グループ 開発 グループ 設計・開発 担当業者 運用 グループ 運用サービス 担当業者 企画 グループ ハードウェア 導入業者、 ハードウェア 保守サービス 担当業者 アプリケーション 保守サービス 担当業者 関係府省連絡協議会、 ワーキング・ グループ等 職員福祉局電子化推進室 ヘルプデスク 担当業者 (本調達の受託者) 設計・開発担当業者等 図 3.2 人事・給与システムにおけるプロジェクト体制図 5 各府省の 利用者 表 3.1 人事・給与システムにおける各体制と役割 体制 役割 人 事 ・ 給 与 シ ス テ ム 事 設計・開発、運用、保守等、人事・給与システムのライフサイ 務局 クル全体にわたって、プロジェクト管理・運営を実施する。事 業者の作業進捗等の管理を行うとともに、他の府省連携システ ム担当府省との調整、プロジェクト内における各事業者間の調 整を行う。 他 の 府 省 連 携 シ ス テ ム 人事・給与システムと連携する他の府省連携システム担当府 担当府省 省。 官庁会計システム、共済組合事務システム及び国有財産総合情 報管理システムを担当する財務省、並びに共同利用システム基 盤及び職員等利用者共通認証基盤を担当する総務省を指す。 設計・開発担当業者 人事・給与システムの設計、開発、テストを実施する。 運用サービス担当業者 人事・給与システム及び基盤システムの各種運用管理業務を実 施する。また、運用段階において人事院が行う他の府省連携シ ステム担当府省との調整及び各事業者間の調整の支援を行う。 ハ ー ド ウ ェ ア 導 入 業 人事・給与システムの基盤システムに係る機器・ソフトウェア を導入し、基盤システムの設計、構築、運用設計、テスト、機 者、 ハ ー ド ウ ェ ア 保 守 サ ー 器保守及びソフトウェア保守を実施する。また、ハードウェア に関する障害への対応を行うとともに、運用サービス担当業者 ビス担当業者 からのエスカレーションを受け、技術的な支援を行う。 ア プ リ ケ ー シ ョ ン 保 守 人事・給与システムの保守を実施する。保守においては、アプ リケーションに関する障害への対応を行うとともに、運用サー サービス担当業者 ビス担当業者からのエスカレーションを受け、技術的な支援を 行う。さらに、人事院が行う他の府省連携システム担当府省と の調整の支援、及びプロジェクト内における各事業者間の調整 の支援を行う。 ヘルプデスク担当業者 人事・給与システムの利用者からの問い合わせを受け付け、一 (本調達の受託者) 次回答、運用サービス担当業者へのエスカレーション等のヘル プデスク業務を行うとともに、オペレーション業務の管理やモ ニタリング、稼働状況報告を行う。また、ヘルプデスク業務遂 行に当たって必要となるヘルプデスク業務環境の整備、要員の 教育及びヘルプデスク業務環境の運用・保守を行う。 プロジェクト管理支援 人事・給与システムの設計・開発等の工程管理を実施し、人 担当業者 事・給与システム事務局に対してプロジェクト管理支援を実施 する。 6 3.5.2. 人事・給与システムの運用体制 人事・給与システムの運用は、人事・給与システム事務局(以下「人事院専任部 門」という。)が中心となり、運用関連サプライヤ、各府省及び共同利用システム基 盤担当府省との連絡・調整等を実施する。また、運用サービス担当業者、ヘルプデス ク担当業者、アプリケーション保守サービス担当業者及びハードウェア保守サービス 担当業者の運用関連サプライヤにおける各担当事業者は、統括責任者によって統括・ 管理される。 受託者は、これらの運用体制を十分理解し、本業務を実施する必要がある。 図 3.3 及び表 3.2 に、人事・給与システムの運用体制と役割を記載する。また、詳 細な役割分担については、「9.1. 事・給与関係業務情報システム 基本的な留意事項」に示す資料閲覧に基づき「人 運用センタ運用設計書(平成 21 年(2009 年)12 月)」を参照すること。 連絡・ 調整 連絡・ 調整 人事・給与システム事務局 運用関連サプライヤ 運用事業者 システム基盤利用 ハードウェア保守サービス担当業者 アプリケーション保守サービス担当業者 ヘルプデスク担当業者( 本調達の受託者) システム 利用 運用サービス担当業者 第一次利用者 第三次利用者 共同利用 システム基盤 統括責任者 各府省 (本省・地方機関) 第二次利用者 共同利用システム基盤 共同利用システム基盤 担当府省 担当府省 図 3.3 人事・給与システムの運用体制図 7 各府省 表 3.2 人事・給与システムの運用における各体制と役割 名称 役割 第一次利用者 各府省において、人事・給与システムの運用に ついて人事・給与システム事務局及び運用セン タと調整を行う。 第二次利用者 人事・給与システムを利用して、各府省の本省 及び地方機関における人事・給与等業務を実施 する。 第三次利用者 人事・給与システムに自己のデータの入力を行 う。又は、部課等の取りまとめを行いデータの 入力を行う。 人事・給与システム事務局 統括責任者からの報告を受け、運用センタに係 る全体的な方針を決定する。また、共同利用シ ステム基盤等、他システム及び他組織と、責任 分解点等に係る調整を行う。 統括責任者 運用センタに関与する各サプライヤを統括し、 運用センタ全体の品質を管理する。また、共同 利用システム基盤等、他システムとの運用に係 る業務調整等を行う。 ヘルプ 管理者 スーパーバイザ及びオペレータの管理、コール デスク センタにおける問い合わせ対応状況、オペレー 担当業者 タ勤務状況、着信状況等の稼働状況の管理を行 う。 スーパー オペレータの管理、指導等を行うとともに、オ バイザ ペレータでは回答が困難と認められる問い合わ せについて、引継ぎを受け、その後の対応を行 う。 オペレータ 利用者からの問い合わせを受け付け、1次回答 及び2次エスカレーション等のヘルプデスク業 務を行う。 運用サービス担当業者 利用者からの問い合わせに応じて、人事・給与 システムに対するオペレーションを実施する。 また、オペレータからのエスカレーションを受 け付け、2次回答及びエスカレーションを 行 う。 アプリケーション保守サ アプリケーションに関する障害に対する対応を ービス担当業者 行うとともに、運用サービス担当業者からのエ スカレーションを受け、技術的な支援を行う。 ハードウェア保守サービ ハードウェアに関する障害に対する対応を行う ス担当業者 とともに、運用サービス担当業者からのエスカ レーションを受け、技術的な支援を行う。 共同利用システム基盤担当 共同利用システム基盤の運用管理の責任を 負 府省 う。また、人事・給与システム等の他システム との調整等の一元窓口を担う。 運用関連サプライヤ 8 所属 人事院 本調達 の受託 者 各担当 事業者 総務省 4. 業務条件 4.1. 前提条件等 (1) 調達範囲 本調達の対象となるものは、人事・給与システムのヘルプデスク業務に係る一連の作 業(詳細については「5.1. 業務要件」を参照)並びに本業務を実施するに当たって必 要となるコールセンタ設備、機器等のヘルプデスク業務環境(詳細については「5.2. ヘルプデスク業務環境要件」を参照)の整備、提供及び運用・保守である。 なお、一連の作業の遂行に当たっては、人事・給与システムの設計・開発担当業者、 運用サービス担当業者等(以下「関係事業者」という。)からの情報提供が不可欠であ ることから、受託者は、必要に応じ、人事院専任部門を通じて、関係事業者及び各関係 府省から必要な情報を受けられるものとする。また、受託者において、関係事業者と調 整が必要な事項が発生した場合には、人事院専任部門を通じて、関係事業者と調整を実 施するものとする。 図 4.1 に運用センタの概要及び本業務の位置付けを示す。 各サプライヤ 共同利用システム基盤 人事院庁舎 《人事・給与システムHW》 《共同利用システム基盤HW》 データベース サーバ APサーバ 本番環境 ストレージ APサーバ 検証環境 監視エージェント FAQサーバ 設計・開発担当業者 人事・給与システム 事務局 ・設計・開発 等 ・企画 ・予算 ・契約 ・WG運営 等 業務評価環境 アプリケーション保守 サービス担当業者 統括責任者 ・AP保守 等 監視エージェント マシン室 端末・ 電話 作業依頼 ・運用統括管理 ・システム改修依頼 ・FAQ運用 ・システム移行支援 ・研修支援 等 ハードウェア導入業者、 ハードウェア保守 サービス担当業者 ・HW保守 等 監視 サーバ ・監視 ・バックアップ 等 霞が関WAN 運用事業者 (監視系) 共同利用システム基盤 監視室 (本調達の受託者) 人事・給与システム ヘルプデスク(コールセンタ) 運用センタ (人事・給与システム 執務室) ヘルプデスク担当業者 問い合わせ ・1次受付 履歴管理等 ・1次回答 ・エスカレーション 等 運用管理 運用サービス 端末 担当業者 ・調査対応 ・切り分け ・エスカレーション ・オペレーション 擬似環境 ・夜間対応 等 インシデント管理 端末・ 電話 各府省庁舎 (本省・地方機関) 端末 端末・ 電話 ・システム利用 問い合わせ (電話・メール) ・第一次利用者 ・第二次利用者 ・第三次利用者 VPN 電話回線及びインターネット 図 4.1 運用センタの概要及び本業務の位置付け 9 端末・ 電話 (2) 施設及び環境 本業務を実施するに当たって使用する設備及び環境は、受託者が提供すること。 (3) 履行期間 契約締結日から平成 26 年 6 月 30 日までとする。 (平成 22 年 8 月末までは導入期間とし、平成 22 年 9 月 1 日からサービス提供開始 とする。) なお、サービス提供日については、土日・祝日及び年末年始(12 月 29 日から 1 月 3 日まで)を除くが、詳細については、受託後に人事院専任部門と協議の上、決定する こと。 (4) サービス提供時間 8 時 30 分から 19 時までとする。 なお、ヘルプデスク業務のサービス提供時間外は、あらかじめ録音された音声(人事 院専任部門と受託者が協議の上、受託者が作成する。)で、サービス提供時間外である 旨を案内すること。 (5) 利用対象者 人事・給与システムの並行稼働又は本番稼働を開始した各府省における第一次利用者 及び第二次利用者がヘルプデスクへ問い合わせを行う利用対象者(以下「利用者」とい う。)(注)となる。また、問い合わせを行う利用者の所在地については、本府省、地方 支分部局等を含むことから、全国から問い合わせを受け付けること。 各府省の導入計画及び利用者の概算人数については、別添資料 1「各府省の導入予定 及び利用者の概算人数等」を参照。 なお、ヘルプデスクの利用者は、各府省におけるシステム運用や業務の取りまとめを 実施する第一次利用者及び第二次利用者であるため、問い合わせ内容は、人事・給与シ ステムや人事・給与業務等について詳細なものも含まれることに留意すること。また、 一般職員である第三次利用者の問い合わせは、第一次利用者及び第二次利用者が取りま とめた上でヘルプデスクに問い合わせを行う。 (注) 以降では、原則、ヘルプデスクの利用対象者を「利用者」、人事・給与システムの利用者を「システム利用 者」という。 (6) 問い合わせ窓口 受託者は、利用者からの問い合わせ窓口として代表電話番号及び代表メールアドレス を用意し、利用者の問い合わせを受け付けること。また、利用者の問い合わせ窓口とは 別に、運用センタとの連絡に使用する電話番号やメールアドレス等を用意すること。 電話及び電子メールに関する詳細については、「5.2.2. 能」に示す。 10 (1) コミュニケーション機 (7) 想定業務量 想定業務量について、以下に示す。 なお、想定業務量の詳細については、「9.1. 基づき「人事・給与関係業務情報システム 基本的な留意事項」に示す資料閲覧に ヘルプデスク運用設計書(平成 21 年 (2009 年)12 月)」を参照すること。 ① 平常時の問い合わせ件数(注)については、約 450 件/日を想定し、基本的には、 電話による問い合わせを想定する。 ② 年間の業務量については、人事・給与等業務の特性及び各府省の状況を勘案する と、3 月、4 月、6 月、11 月及び 12 月が業務繁忙期となり、閑散期は 8 月、9 月及び 10 月を想定する。 ③ 利用者の増加推移については、(5) に示す。 (注) (5) に示す各府省の移行がすべて完了した時点以降の、1日当たりの平均的な問い合わせ数を示す。 (8) 擬似環境の使用 受託者は、人事院専任部門が別途調達を行う人事・給与システムの擬似環境(以下 「擬似環境」という。)(注)を、次項(9) に示すインターネット VPN(Virtual Private Network)に接続し、使用すること。また、擬似環境に係る設定等の作業については、原 則、運用サービス担当業者が実施するが、受託者が用意する端末の設定等について、必 要となる作業がある場合には、受託者が作業を実施すること。 なお、擬似環境の機能の詳細については、「3.3.2. 基盤システムの整備状況」に示 す「人事・給与関係業務情報システム機器・ソフトウェア賃貸借及び保守(第二期)仕 様書(案)」を参照すること。 (注) 運用サービス担当業者及びヘルプデスク担当業者が人事・給与システムの操作等を確認するための環境であり、 擬似データを登録し人事・給与システムと同じ業務アプリケーションを動作させる環境を示す。 (9) インターネット VPN 接続 受託者において用意するコールセンタ設備(ヘルプデスク業務環境)と共同利用シス テム基盤内に設置される擬似環境をインターネット VPN により接続すること。 インターネット VPN の詳細については、「5.2.4. 擬似環境への接続」を参照のこと。 (10) 費用負担 受託者の負担外とする費用及び受託者負担とする費用について、以下に示す。 なお、受託者負担とした費用については、本業務の実施に当たって必要となる費用と して、すべて費用見積りに含んだ上で、提案すること。 (ア) 受託者負担外 以下の費用については、受託者の負担外とする。 11 ① 各府省の利用者がコールセンタへ問い合わせを行う際の通信費用 ② 人事・給与システム擬似環境の機器・ソフトウェア及び運用・保守作業に係る費 用 (イ) 受託者負担 以下の費用については、受託者の負担とする。 ① 本業務を実施するに当たって必要となる受託者が用意する要員の人件費 ② コールセンタ設備に係る賃料等の費用 ③ ヘルプデスク業務環境(回線、端末等を含む)に係る機器・ソフトウェア等の 購入費用、リース費用又はライセンス費用 ④ ヘルプデスク業務環境(回線、端末等を含む)に係る機器・ソフトウェア等の 運用・保守費用 ⑤ 利用者へのコールバック、運用サービス担当業者へのエスカレーション等にお けるすべての通信費用 ⑥ 共同利用システム基盤とインターネット VPN で接続するために必要となる機器、 機器の設置・設定作業、機器の運用・保守作業、通信等に係るすべての費用 ⑦ 本業務を実施するに当たって必要となるすべての消耗品の費用 ⑧ 会議等へ出席するための交通費等の諸経費 ⑨ 上記に含まれない本業務の実施に当たって必要となるすべての費用 (11) 作業場所及び作業に対する監査 人事院専任部門の判断により、必要に応じて、受託者の作業場所及び作業が適切に実 施・管理されているか、監査を実施するので留意すること。 (12) 利用者満足度調査の実施 人事院専任部門の判断により、ヘルプデスク業務に対する利用者の満足度を測るため に、必要に応じて、利用者満足度調査を実施する場合がある。また、この調査結果を踏 まえ、人事院専任部門と受託者による協議の上、ヘルプデスク業務の運用の改善を求め ることとする。 4.2. サービスレベル協定 (1) サービスレベル 本業務の実施に当たって求められるサービスレベルについて、別添資料 2「人事・給 与関係業務情報システムに係る運用センタサービスレベル定義書(案)」(以下「サ ービスレベル定義書(案)」という。)に示す。 なお、本業務に求められるサービスレベルについては、サービスレベル定義書 (案)のうち「9 サービス指標一覧 (2)ヘルプデスク担当業者」に示す。 12 (2) サービスレベル協定及びサービスレベルの見直し 受託者は、サービスレベル定義書(案)を踏まえ、サービス開始の 1 ヶ月前までに、 人事院専任部門に対して提供できるサービスレベル項目及びその指標を明らかにした サービスレベル合意書を作成し、人事院専任部門とサービスレベル協定(以下「SLA」 という。)を締結すること。また、受託者は、締結した SLA を遵守すること。 なお、サービスレベル合意書では、SLA 未達成時における対応として、サービス指標 の見直し、契約内容の見直し等の対応についてあらかじめ定めておくものとする。 5. 調達内容 5.1. 業務要件 受託者は、本業務を実施するに当たって、以下の作業を実施すること。 なお、以下に示す作業以外に、本業務を実施するに当たって必要と考えられる作業 については、受託後に、人事院専任部門と協議の上、作業の詳細を決定するものとす る。 5.1.1. 業務実施計画の策定及び運営管理 受託者は、業務実施計画の策定及び運営管理を、以下のとおり実施すること。 (1) 業務実施計画の策定 受託者は、あらかじめ業務実施計画の策定として、ヘルプデスク業務実施計画書(以 下「業務実施計画書」という。)を作成し、人事院専任部門の承認を受けること。 以下に、業務実施計画の策定内容を示す。 ① 全体スケジュール ② 成果物 ③ 計画の改定手順及び変更管理手順 (2) 導入計画の策定 受託者は、業務実施計画を策定の後、導入期間中の作業計画を示したヘルプデスク業 務導入計画書(以下「導入計画書」という。)を作成し、人事院専任部門の承認を受け ること。 以下に、導入計画の策定内容を示す。 ① 導入スケジュール ② ヘルプデスク業務環境整備計画 ③ ヘルプデスク要員教育計画 ④ 実施体制 13 ⑤ 会議体 ⑥ 要員計画(導入期間中分) (3) 業務運用計画の策定 (ア) 業務運用計画の策定 受託者は、本業務のサービス開始までに、サービス開始後のヘルプデスク業務運用に ついて、ヘルプデスク業務運用計画書(以下「業務運用計画書」という。)を作成し、 人事院専任部門の承認を受けること。 以下に、業務運用計画の策定内容を示す。 ① ヘルプデスク業務運用計画 ② 実施体制 ③ 会議体 ④ 要員計画(サービス提供期間中) ⑤ 計画の改定手順及び変更管理手順 (イ) 業務運用実施要領の策定 受託者は、本業務のサービス開始までに、「人事・給与関係業務情報システム 運 用センタ運用・保守要領(平成 21 年(2009 年)12 月)」(以下「運用・保守管理要 領」という。)に基づき、ヘルプデスク業務運用実施要領(以下「業務運用実施要 領」という。)を作成し、人事院専任部門の承認を受けること。 なお、業務運用実施要領は、統括責任者及び運用サービス担当業者と調整を実施す ること。また、エスカレーション時の流れ及び連絡手段の詳細についても、統括責任 者及び運用サービス担当業者と協議の上、業務運用実施要領に反映すること。 以下に、作成する業務運用実施要領を示す。 なお、作成する業務運用実施要領に過不足がある場合には、受託後に人事院専任部 門と協議の上、決定すること。 ① 文書管理実施要領 ② 情報セキュリティ対策実施要領 ③ サービス指標管理実施要領 ④ 課題・問題管理実施要領 ⑤ コミュニケーション管理実施要領 (ウ) 業務マニュアルの作成 受託者は、本業務のサービス開始までに、策定した業務運用計画及び業務運用実施 要領に基づき、ヘルプデスク担当業者内部で必要となるオペレータの電話応対、ヘル プデスクシステム(注)の操作方法等に関するヘルプデスク業務マニュアル(以下「業 務マニュアル」という。)を作成すること。 14 (注) 本業務を実施するために必要な電話、FAX、PBX、CTI、各種サーバ、各種ソフトウェア等によって構成され るシステムのこと。詳細については、「5.2.2. システム機能要件」を参照。 (4) 運営管理 受託者は、上記で策定した業務実施計画、導入計画及び業務運用計画に基づき、本業 務の運営管理を行うこと。 5.1.2. 導入作業 受託者は、「4.1. 前提条件」に定められた期日までに、本業務のサービスを開始 できるように、策定した導入計画に基づき、以下に示す導入作業を実施すること。 (1) ヘルプデスク業務環境の整備 受託者は、ヘルプデスク業務環境(詳細については「5.2. ヘルプデスク業務環境 要件」を参照)について、設計、準備、設置、設定等の本業務を開始するために必要 となるすべての作業について、受託者の責任において実施すること。また、本業務を 実施するに当たって必要となる各種マスタデータの整備、ヘルプデスク業務環境を使 用して、問い合わせ受付や問い合わせ内容登録等が正常に実施できることの確認(又 はテスト)を含むこととする。 (2) ヘルプデスク業務の準備 受託者は、ヘルプデスク業務の準備作業として、以下の作業を実施すること。また、 その他必要となる作業がある場合には、受託者において作業を実施すること。 (ア) FAQ 情報を参照する環境の準備 人事・給与システムでは、システム利用者向けに霞が関 WAN を経由して FAQ 情報の 公開を行うこととなっている。受託者はこの FAQ 情報を参照することができないため、 初期の FAQ 情報を人事院専任部門より受け取り、ヘルプデスク内でオペレータ等がこ れを参照する環境を独自に準備すること。 なお、FAQ 情報に関する運用の詳細については、「5.1.3. (1) (オ) システム利用 者向け FAQ 情報に係る対応」を参照のこと。 (イ) 擬似環境用データの整備 受託者は、人事・給与システムの操作等を確認するために、擬似環境に登録する擬 似データについて、運用サービス担当業者と調整し、必要となるデータの検討及び作 成を行うこと。また、擬似環境用データの整備に当たっては、必要に応じて、運用サ ービス担当業者及び第三期設計・開発担当業者と協力し実施すること。 なお、擬似環境のデータ登録及び運用・保守作業については、原則、運用サービス 担当業者が実施するものであり、受託者の作業範囲外とする。ただし、受託者が端末 を使用し、画面上から登録可能な作業等については、運用サービス担当業者と協議の 上、受託者が実施するものとする。 15 (3) ヘルプデスク要員の教育 受託者は、本業務を円滑に実施するために、サービス開始までに、オペレータ等のヘ ルプデスク要員に対して必要となる教育を受託者の責任において実施すること。 なお、ヘルプデスク要員の教育実施に当たっては、FAQ コンテンツ及び擬似環境を有 効利用するとともに、教育マニュアル等の教育資材を作成し、受託者内において効率的 かつ効果的な教育を実施すること。 ヘルプデスク要員の教育における教育内容及び人事院の支援について、以下に示す。 (ア) 教育内容 受託者において、以下の教育内容について、効率的かつ効果的な教育を実施すること。 ① 人事・給与等業務全体の内容 ② 人事・給与システムの機能及び操作 ③ 運用実施要領の内容 ④ 業務マニュアルの内容 ⑤ 情報セキュリティ対策 ⑥ その他必要となる教育内容 (イ) 人事院からの支援 人事院専任部門は、受託者の求めに応じて、ヘルプデスク要員の教育に必要となる 人事・給与システムの操作マニュアル等の必要となる資料の提供を行う。詳細につい ては、受託後に、人事院専任部門と協議の上、決定すること。 (4) ヘルプデスク導入実施状況の報告 ヘルプデスク導入作業の実施状況については、「6.4. 会議体」に示す会議において、 人事院専任部門へ報告すること。また、受託者内において、導入実施状況を確認するた めの会議等を随時実施し、状況把握に努めること。 なお、本業務のサービス開始に支障をきたすような緊急又は重大な問題が発生した場 合には、速やかに人事院専任部門へ報告すること。 5.1.3. ヘルプデスク業務作業 受託者は、「4.1. 前提条件」に定められたサービス提供開始日より、以下のとお り、ヘルプデスク業務を実施すること。 なお、ヘルプデスク業務の詳細な実施手順等については、「9.1. 項」に示す資料閲覧に基づき「人事・給与関係業務情報システム 計書(平成 21 年(2009 年)12 月)」を参照すること。 (1) ヘルプデスク業務の実施 ヘルプデスク業務の実施における作業内容を以下に示す。 16 基本的な留意事 運用センタ運用設 (ア) 1次受付 受託者は、1次受付として、以下の作業を実施すること。 なお、1次受付における問い合わせ種別について、表 5.1 に示す。 ① ヘルプデスクシステムによって振り分けられた利用者からの問い合わせを電話及 び電子メールで受け付ける。 ② 受け付けたすべての問い合わせについて、利用者情報及び問い合わせ内容等をヘ ルプデスクシステムに登録する。 ③ 問い合わせ内容が、ヘルプデスクで回答可能な内容かどうかの判断と、回答可能 な場合は1次回答を行い、回答できない場合には2次エスカレーションをする。 表 5.1 問い合わせ種別 問い合わせ種別 概要 各利用者の権限に応じて人事・給与システムの各機能を利用 して、各府省内での人事・給与等業務を遂行する際に発生し た課題に関する問い合わせ。 例) 人事・給与システムの操作方法 システム 利用者 各府省のシステム利用者へ公開する FAQ 情報(以下「利用者 向け FAQ 情報 向け FAQ 情報」という。 )に関する問い合わせ。 システム管理 各府省における人事・給与システムの運用管理業務を遂行す る際に発生した課題に関する問い合わせ。 例) 人事・給与システムメンテナンス予定 トラブル問い合わせ 人事・給与システム操作中等において検知した障害に関する 問い合わせ。 要望依頼 人事・給与システムに対する操作方法等に関する改善要望及 び利用者向け FAQ 情報に対する改善要望。 一 般 問 い 合 わ せ 業務・機能 (イ) 1次回答 受託者は、1次回答として、以下の作業を実施すること。 ① 1次受付においてヘルプデスクで回答可能と判断した問い合わせについて回答 を検討し、利用者に対して回答する。 ② 利用者への回答完了後、回答内容等をヘルプデスクシステムに登録する。 (ウ) エスカレーション 受託者は、エスカレーションとして、以下の作業を実施すること。 なお、エスカレーション時は、受託者内において、FAQ 等を利用した効率的な情報検 索を行うとともに、スーパーバイザ等への確認を徹底することで、受託者において1 次回答可能な回答について、運用サービス担当業者へ、エスカレーションしないよう に努めること。 17 ① 1次受付においてヘルプデスクでは回答できないと判断した問い合わせ、運用 サービス担当業者へ依頼すべき依頼事項等について、利用者に対して、折り返し 連絡する旨を伝え、電話対応を終える。 ② 運用サービス担当業者に、問い合わせ対応を引き継ぎ、エスカレーションする。 ③ ヘルプデスク担当業者は、問い合わせ対応を運用サービス担当業者に引き継い だ後、回答内容、対応状況のステータス等をヘルプデスクシステムに登録又は更 新する。 ④ 運用サービス担当業者が利用者に対して回答を行った場合には、ヘルプデスク 担当業者は、運用サービス担当業者から対応完了の連絡を受けた後、回答内容、 対応状況のステータス等をヘルプデスクシステムに登録又は更新する。 ⑤ ヘルプデスク担当業者が運用サービス担当業者から利用者に対する回答を引き 継いだ場合は、ヘルプデスク担当業者が、利用者に対して回答を行い、回答内容、 対応状況のステータス等をヘルプデスクシステムに登録又は更新する。 (エ) ナレッジ管理 受託者は、ナレッジ管理として、以下の作業を実施すること。 ① 登録した問い合わせ及び回答内容について、利用者からの問い合わせ頻度等を 考慮した上で分析・整理を行い、ヘルプデスク担当業者内部向けの FAQ 等を作成 し、情報共有を図る。 ② 人事・給与システム事務局、運用関連サプライヤ等の運用センタ全体で共有す べき情報については、策定した運用実施要領に基づき、関係者間で情報共有を図 る。 (オ) システム利用者向け FAQ 情報に係る対応 システム利用者向け FAQ 情報については、霞が関 WAN 内で公開されることから、受 託者が参照することはできない。このため、受託者は、システム利用者向け FAQ 情報 の問い合わせ対応が可能となるように、以下の作業を実施すること。 ① 定期的に更新する予定である利用者向け FAQ 情報について、随時、CSV ファイル 等の電子ファイルを人事院専任部門から受領すること。 ② 受領したシステム利用者向け FAQ 情報について、ヘルプデスク担当業者内でオ ペレータ等が参照できるようにするとともに、内容について情報共有を図ること。 ③ 利用者向け FAQ 情報に関する問い合わせについては、「表 5.1 問い合わせ種 別」に示すとおり対応を行うこと。 ④ 各府省のシステム利用者へ公開する FAQ 情報の情報源として、月次で問い合わ せ情報をすべて抽出(1ヶ月分)し、CSV(Comma Separated Values)ファイルに 出力したものを CD-R 等の媒体に格納し、人事院専任部門へ提出する。 なお、引渡し項目や引渡し方法の詳細については、受託後に人事院専任部門と 協議の上、決定すること。 18 (カ) 稼働状況管理 受託者は、稼働状況管理として、以下に示す項目を管理すること。 なお、管理項目については、項目ごとに日別や週別等の集計、府省ごとや問い合わ せ種別ごと等の集計が可能となるようにすること。詳細な管理項目及び集計方法につ いては、受託後に、人事院専任部門と協議の上、決定すること。 ① 問い合わせ対応状況として、稼働率、放棄率、応答時間遵守率等のサービルレ ベルを管理する。 ② オペレータ対応状況として、オペレータ対応数、オペレータ別の対応件数等を 管理する。 ③ 着信状況として、総問い合わせ件数(総呼量)、受付件数、1次回答件数、エス カレーション件数等を管理する。 ④ 問い合わせ回線の混雑状況を通信事業者に定期的に問い合わせることで、混雑 状況を管理する。 (2) ヘルプデスク要員の教育 受託者は、効率的かつ効果的なヘルプデスクサービスを維持するために、新規参画の 作業従事者に対する教育を行うとともに、既存の作業従事者に対して定期的に教育を実 施すること。 なお、教育内容については、「5.1.2. (3) ヘルプデスク要員の教育」に示すとおり とする。 (3) ヘルプデスク業務稼働状況等の報告 受託者は、ヘルプデスク業務作業の稼働状況等について、「6.4. 会議体」に示す会 議において、人事院専任部門へ報告することとする。また、受託者内において、稼働状 況等を確認するための会議等を随時実施し、状況把握に努めること。 なお、本業務に支障をきたすような緊急又は重大な問題が発生した場合には、速やか に人事院専任部門へ報告すること。 5.1.4. 運用サービス担当業者との連携 受託者は、本業務の実施に当たって、運用サービス担当業者との連携を十分に図り、 効率的に作業を実施すること。 なお、運用サービス担当業者と電子ファイルを授受する場合には、擬似環境が有す る OS の機能を使用できる。 19 5.1.5. 共同利用システム基盤外で人事・給与システムを運用する府省への対応 受託者は、府省の判断により、人事・給与システムを共同利用システム基盤外に設 置・運用する府省の利用者からの問い合わせについても、原則として「5.1.3. (1) ヘルプデスク業務の実施」に基づいて対応を実施すること。詳細な対応手順について は、受託後に、人事院専任部門と協議の上、決定すること。 5.1.6. 制度改正、人事・給与システムの改修等による対応 受託者は、制度改正や人事・給与システムの改修等に伴い、業務運用計画書、業務 運用実施要領、マニュアル等の各文書の改定が必要となった場合には、人事院専任部 門と協議の上、速やかに各文書の修正を行うこと。その際、必要に応じて、各文書の 修正に必要となる人事・給与システムの改修内容の詳細について、第三期設計・開発 担当業者から情報の提供を受けること。また、改定内容について、作業従事者への周 知及び教育を徹底することで、情報共有を図り、本業務の遂行に支障をきたすことの ないように努めること。 5.2. ヘルプデスク業務環境要件 受託者は、本業務を実施するに当たって、以下に示す要件を満たすヘルプデスク業 務環境を提供すること。 5.2.1. コールセンタ設備要件 受託者は、以下に示す要件を満たすコールセンタ設備を提供し、コールセンタ内に おいて、本業務を実施すること。 (1) 構造 コールセンタの構造については次のとおりとする。 ・ 建築基準法に規定されている耐火建築物又は準耐火建築物であること。 ・ 建築基準法等に規定されている耐震基準を満たす建築物であること。 ・ 排煙設備及び防火区画整備等の延焼防止対策が講じられていること。 ・ 洪水時等に対する防水壁等の防水対策が講じられていること。 ・ 火災時の被害を最小限にする対策が講じられていること。 ・ 作業従事者の増加等を考慮し、拡張性を確保しておくこと (2) セキュリティ コールセンタのセキュリティについては次のとおりとする。 20 ・ 作業実施場所及び本業務に係る機器設置場所は、施錠機能及び入退室管理機能等 を有すること。 ・ 作業実施場所は、本業務のための専用執務区画とし、作業従事者以外が立ち入る ことができないよう、IC カード、生体認証等による入退室管理が実施できるように すること。 ・ 作業実施場所は、特段の理由がない限り、分散させずに一つの場所に集約するこ と。 (3) 電源設備 コールセンタの電源設備については次のとおりとする。 ・ 電力会社から、特高受電系統の冗長化やスポットネットワーク方式等により、平 常時及び非常時における安定した電力供給に関する対策が講じられていること。 5.2.2. システム機能要件 受託者は、本業務を実施するために必要な電話、FAX、PBX、CTI、各種サーバ、各種 ソフトウェア等によって構成されるシステム(以下「ヘルプデスクシステム」とい う。)を提供し、作業を実施すること。 (1) コミュニケーション機能 利用者、人事・給与システム事務局、運用関連サプライヤ等と電話、電子メール及び FAX によりコミュニケーションを実施することができる機能を有すること。また、コミ ュニケーション機能で用意すべき窓口等について、以下に示す。 なお、詳細については、受託後に人事院専任部門と協議の上、決定すること。 (ア) 電話 受託者は、以下に示すとおり電話番号等を用意すること。 (A) 利用者向け問い合わせ窓口 利用者からの問い合わせ窓口として代表電話番号を一つ用意し、利用者が問い合 わせを行う際の電話料金について、全国どこからでも極力一律料金となるようにす るとともに、「4.2. サービスレベル協定」に示すサービルレベルを維持するため に十分な電話回線を用意すること。 (B) 運用センタ向け窓口 運用センタ向け窓口として前項(A) に示す利用者向け問い合わせ窓口とは別に、 運用サービス担当業者と協議の上、運用サービス担当業者との連絡用の電話番号を 用意すること。また、必要に応じて、作業従事者ごとに内線番号を割り振る等の対 応を行うこと。 21 (イ) 電子メール 受託者は、以下に示すメールアドレス等を用意すること。 (A) 利用者向け問い合わせ窓口 人事院専任部門が指定するドメイン名及びアドレスの代表メールアドレスを一つ 用意し、利用者からの電子メールによる受付が可能となるようにすること。 (B) 運用センタ向け窓口 運用センタ向け窓口として前項(A) に示す利用者向け問い合わせ窓口とは別に、 運用サービス担当業者と協議の上、運用サービス担当業者との連絡用のメールアド レス(メーリングリスト等)を用意すること。 なお、ドメイン名については、人事院専任部門が指定するものを使用すること。 (C) 作業従事者ごと 作業従事者が、利用者、運用サービス担当業者等と連絡を行うために必要となる、 作業従事者ごとのメールアドレスを用意すること。 なお、ドメイン名については、人事院専任部門が指定するものを使用すること。 (ウ) FAX 受託者は、人事・給与システム事務局、運用関連サプライヤ等の連絡手段として、 FAX を用意すること。 なお、利用者からの問い合わせ手段としては、使用しない。 (2) 着信機能 電話着信時に取得した発信番号から、オペレータへ着信通知を行う機能を有すること。 また、着信を効率的に分配し、コントロールする機能を有すること。 (3) 自動応答機能 サービス提供時間外等における利用者からの電話による問い合わせに対して、あらか じめ定められたガイダンスを自動で応答する機能を有すること。 (4) 自動返信機能 電子メールによる問い合わせ受付に対して、問い合わせを受け付けた旨を示すあらか じめ定められた返信文を利用者に自動で返信する機能を有すること。 (5) 通話・録音機能 通話内容の録音が可能であり、録音ファイルを問い合わせ情報に対応させて、管理で きる機能を有すること。また、それらを容易に検索・閲覧できる機能を有すること。 (6) 保留機能 22 電話対応の保留が可能であるとともに、保留時にあらかじめ定められたメロディを流 すことができる機能を有すること。 (7) 問い合わせ情報登録・参照・検索機能 利用者からの問い合わせ履歴及び所属情報等を登録・参照し、各種情報を検索するた めの機能を有すること。また、情報登録・参照・検索に当たっては、各種分類を行うた めの項目(問い合わせ種別、府省の区分等)を自由に設定できるものとし、問い合わせ 情報等を効率的に検索することが可能なこと。 (8) FAQ 機能 ヘルプデスク担当業者内部で使用する回答事例等を整理した情報を登録・参照検索す ることができる FAQ 機能を有すること。 (9) 情報共有機能 ヘルプデスク担当業者内部において共有すべき情報を検索・参照・展開する等の情報 共有を図る機能を有すること。 (10) エスカレーション機能 オペレータが対応できない問い合わせに対して、適切な担当者にエスカレーションす る機能を有すること。 (11) 稼働状況管理機能 オペレータの稼働状況、着信状況等をリアルタイムに監視できる機能及びこれら情報 の集計や統計情報を出力することが可能な機能を有すること。 (12) 問い合わせ支援機能 未解決の問い合わせが放置されることを防止するために、一定時間経過後に、未解決 である旨を通知する等、問い合わせ対応の遅延又は問い合わせの放置を防止する機能を 有すること。 (13) 帳票機能 データベースで管理されている問い合わせ情報や各種管理情報を指定された条件に従 い集計又は表示するために、帳票を作成し出力する機能を有すること。 (14) エクスポート機能 データベースで管理されている問い合わせ情報や各種管理情報を指定された条件に従 い集計し、CSV ファイルとして出力する機能を有すること。 なお、「5.1.3. (1) (エ) ナレッジ管理」に示す FAQ 情報の引渡しについて、本機 能で実現するため、次に示す機能を有すること。 ① 期間を指定し情報を出力することが可能なこと 23 ② 出力項目を選択し情報を出力することが可能なこと ③ CSV ファイルとして出力することが可能なこと (15) インポート機能 人事院専任部門が作成した FAQ コンテンツ等を CSV ファイル等で読み込み、インポー トする機能を有すること。 (16) 運用・保守機能 「5.2.5. ヘルプデスク業務環境の運用・保守の実施」に示す稼働管理、ログ管理、 セキュリティ対策、保守・障害対策及びバックアップについて、運用・保守の実施を行 うことができる機能を有すること。 (17) その他 その他、ヘルプデスク業務を効率的かつ効果的に実施するための機能を有すること。 5.2.3. 機器等の要件 受託者は、本業務を実施するに当たって、「5.2.2. システム機能要件」を満たす 電話、FAX、PBX、CTI、各種サーバ、各種ソフトウェア、端末、ネットワーク機器、電 話回線、じゅう器等を用意すること。 なお、端末やサーバ等の各機器について、インターネット VPN へ接続する機器とイ ンターネットへ接続する機器については、セキュリティ上の観点から、それぞれを分 離して接続するものとする。 5.2.4. 擬似環境への接続 受託者は、「4.1. (9) インターネット VPN 接続」に示すとおり、共同利用システ ム基盤が別途調達するインターネット VPN へ接続すること。インターネット VPN の詳 細については、別添資料 3「インターネット VPN 接続について」を参照のこと。また、 本業務遂行に当たって、受託者は、霞が関 WAN へ接続することはできないので、留意 すること。 なお、インターネット VPN への接続については、通信網を提供する通信業者、接続 方法、通信接続に係る契約内容等の詳細について、人事院専任部門の承認を得た上で、 実施すること。 5.2.5. ヘルプデスク業務環境の運用・保守の実施 受託者は、安定したヘルプデスクサービスを提供することを目的とし、以下のとお り、ヘルプデスク業務環境の運用・保守を実施する。 なお、運用・保守は、原則、ヘルプデスク業務に影響を与えることがないように、 サービス提供時間外に実施することとする。 24 (1) 稼働監視 サーバ等の CPU 使用率、データ使用量等の稼動監視を行うこと。 (2) ログ管理 サーバや端末等の認証ログ、アクセスログ等のログを適切に取得しログ管理を行うこ と。 (3) セキュリティ対策 サーバ、端末等へウィルス対策ソフト等のセキュリティ対策ソフトウェアを導入の上、 常に、最新のウィルス定義ファイルが適用され、最新のセキュリティ対策プログラム (パッチ)が適用されるように、ソフトウェアの更新、パッチ適用等を実施すること。 (4) 保守・障害対策 ハードウェア及びソフトウェアに障害が発生した場合は、速やかに障害復旧を行う。 また、交換が必要となる部品等がある場合には、定期的に交換を実施すること。 (5) バックアップ 問い合わせ情報等の各種情報については、定期的にバックアップを行うこと。 5.3. 情報セキュリティ要件 本業務を実施するに当たっての情報セキュリティ要件は、次のとおりとする。 ・ 作業場所での外部記憶媒体等の使用について、原則、禁止する等の対策を実施し、 情報漏洩を防止すること。 ・ 作業従事者が作業場所に入室する際は、IC カード、生体認証等による入退室管理を 実施すること。 ・ 保守作業等の実施のため、作業従事者以外の者が作業場所に入室する際の管理方法 を定めた上で、入退室管理を実施すること。 ・ 電子データ又は電子データを格納するサーバに対しては、適切なアクセス権限を設 定し、作業従事者以外の者がアクセスできないようにすること。 ・ ヘルプデスクシステム、端末等を使用する際はユーザ認証を実施するとともに、ア クセスログ等を取得し、いつ、誰が使用したのか証跡を残すことが可能であること。 ・ 情報セキュリティインシデント発生時等における緊急時の対応について整備するこ と。 25 6. 実施体制 6.1. 実施体制 本調達の受託者は、本業務の実施に当たって実施体制表を作成し、人事院専任部門 の承認を得ること。実施体制の確立に当たっては、ヘルプデスク業務全体を管理する 管理者(以下「管理者」という。)を選任し、作業の管理を実施すること。 本作業の従事者である管理者、スーパーバイザ及びオペレータ(詳細については次 項 6.2. を参照)については、本業務に専任させること。専任が見込めない者につい ては、専任できない理由又は専任でなくても業務の実施が可能である理由を提案書に 明記すること。また、問い合わせ件数の変動(繁忙期、閑散期等)による業務量の繁 閑等を考慮した配置を可能とし、呼量又は電子メール受付件数の増減に伴い、オペレ ータの席数等を調整可能であること。 なお、本業務の関係者は、「3.5.1. び「3.5.2. 人事・給与システムのプロジェクト体制」及 人事・給与システムの運用体制」の枠組みの中で作業を実施することと なる。 6.2. 作業従事者の要件 業務に従事する者の資格要件として、次の要件を満たす者であること。 (1) 管理者 管理者は、スーパーバイザ及びオペレータの管理、コールセンタにおける問い合わ せ対応状況、オペレータ勤務状況、着信状況等の稼働状況の管理を行う。また、運用 センタにおける運用報告会議、年間評価会議等の会議へ出席する。 本業務に従事する管理者は、以下の要件を満たすこと。 なお、管理者については、次項(2) に示すスーパーバイザと兼務することを可能とす る。 ① 本業務と同等以上の規模を持つインバウンド型コールセンタの管理者として経 験を有する者であること。 ② 官公庁、独立行政法人、都道府県等地方自治体、民間企業(支社や子会社にま たがるもの)等において、ヘルプデスク業務の実施又はヘルプデスク業務の運営 管理の経験を有する者であること。 ③ コールセンタの運営に関する深い知識及び高度な能力を有し、管理者として本 業務を円滑に遂行することができる者であること。 ④ 人事院専任部門が指定する場所(都内を予定)において、定期的に開催する会 議等に参加可能な者であること。 ⑤ 1 名以上配置することとする。 26 (2) スーパーバイザ スーパーバイザは、オペレータの管理、指導等を行うとともに、オペレータでは回 答が困難と認められる問い合わせについて、引継ぎを受け、その後の対応を行う。 本業務に従事するスーパーバイザは、以下の要件を満たすこと。 ① 本業務と同等以上の規模を持つインバウンド型コールセンタのスーパーバイザ としての経験を有する者であること。 ② オペレータの管理及び指導の実績・能力を有すること。 ③ 本業務へ専任で従事可能なこと。 ④ サービス提供時間内は常時 1 名以上配置することとし、オペレータの管理及び 指導を実施するに十分な人数を配置すること。 (3) オペレータ オペレータは、利用者からの問い合わせを受け付け、問い合わせ内容及び回答内容を 登録し、利用者への回答、運用サービス担当業者へのエスカレーション等のヘルプデス ク業務を行う。 本業務に従事するオペレータは、以下の要件を満たすこと。 ① 本業務遂行に必要となる知識及び能力を身に着けることが可能な者であること。 ② 利用者からの問い合わせに対し、日本語による円滑な受け答えが可能な者であ ること。 6.3. ③ 本業務へ専任で従事可能なこと。 ④ サービスレベルの到達に十分な人数を配置すること。 作業従事者の変更 本調達における管理者及びスーパーバイザについては、本調達の契約期間完了まで 継続して実施可能な者を担当とすること。また、作業従事者の変更を行う場合は、事 前に人事院専任部門と協議した上で、十分な引継ぎ期間又は教育期間を設け、ヘルプ デスク業務に影響しないように配慮すること。 なお、人事院専任部門は、本業務を遂行するための要員として不適当であることが 認められる者について、それが合理的な理由に基づく場合には、受託者に対して交代 を求めることができる。この場合、受託者は、人事院専任部門と協議の上、当該要求 を妥当と認めるときは、受託者の責任において、速やかに当該要員の交代を行うもの とする。 6.4. 会議体 受託者は、運用センタ全体で実施する表 6.1 に示す会議に出席すること。 なお、運用報告会議及び年間評価会議については、人事院専任部門が指定する場所 (都内を予定)で開催する。個別調整会議の開催場所については、都度、関係者と調 27 整を行うこと。また、会議体の詳細については、受託後に、人事院専任部門と協議の 上、決定すること。 表 6.1 会議体 会議体 概要 導入状況報告 会議 運用報告会議 年間評価会議 個別調整会議 6.5. ヘルプデスク導入期間中にお いて、ヘルプデスク業務環境 整備、要員の教育の進捗状況 等について報告を行う。 人事・給与システム事務局に 対して稼働状況やサービスレ ベル指標の報告を行う。 年間を通じたサービスの実績 や結果対応の状況などを報告 するとともに、サービスレベ ル指標の妥当性を評価する。 個別の調整が必要となった場 合に、必要に応じて開催す る。 開催 頻度 隔週 (月に 2 回) 月に 1回 年に 1回 随時 出席者 ・人事・給与システム事務局 ・統括責任者 ・ヘルプデスク担当業者 ・人事・給与システム事務局 ・統括責任者 ・運用サービス担当業者 ・ヘルプデスク担当業者 ・アプリケーション保守サービス担当 業者 ・ハードウェア保守サービス担当業者 随時、調整する。 遵守すべき文書 本業務の実施に当たっては、次の文書に記載された事項を遵守すること。 ① 「業務・システム最適化指針(ガイドライン)2006 年 3 月 31 日 各府省情報化統括 責任者(CIO)連絡会議決定」 http://e-gov.go.jp/doc/scheme.html ② 「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(2009 年 2 月版[第 4 版]) 」 http://www.nisc.go.jp/materials/index.html ③ 「人事院情報セキュリティ対策基準(第 4 版)(2009 年 7 月 1 日) 」 当該資料は、閲覧を可能とする。閲覧申請方法等については、応札資料作成要領を参 照のこと。 6.6. 守秘義務の徹底 本作業において知り得た情報は、本作業の目的以外に利用しないこと。また、本作 業における資料及び人事院及び各府省からの貸与物等に関して情報の漏洩がおこらな いよう保管するとともに、本作業の終了時には、責任を持って返還すること。 28 6.7. 情報セキュリティ対策 受託者は、実施体制の中に情報セキュリティ責任者を設置し、プロジェクト作業従 事者の入退室の管理、取り扱うドキュメント類の管理等を徹底すること。また、上記 に挙げる文書に基づきセキュリティ対策を実施し、情報漏洩等への対策を行うととも に、緊急時の対処法についてあらかじめ策定しておくこと。 本業務の実施に当たっては、提供されるドキュメントに記載された個人情報に触れ る機会が想定される。このため、作業従事者に対しては個人情報の取扱いを含むセキ ュリティ教育を実施し、情報セキュリティ保持に関する意識の徹底を図ること。 なお、データ保護については、人事院の定める別紙「データ保護・管理要領」を遵 守すること。 7. 契約期間等 7.1. 契約期間 契約終結の日から平成 26 年 6 月 30 日までの契約とする。 7.2. 作業の成果物(納入物品) (1) 成果物 受託者は、表 7.1 に記載されている書類及び同内容の電子媒体を、それぞれの提出期 限までに人事院専任部門が指定する場所へ提出すること。 なお、内容、提出期限等については、作業計画作成時に人事院専任部門と協議の上決 定すること。また、書面による納品物については、一太郎、MS-Word・MS-Excel・MSPowerPoint 2003 のバージョンを使用し、A4版で作成することとするが、内容が詳細 になる場合等は、必要に応じてA3版を使用する。また、成果物を納入するための記録 媒体は、受託者において準備すること。 29 成果物 ヘルプデスク業務 実施計画書 ヘルプデスク業務 導入計画書 ヘルプデスク業務 運用計画書 ヘルプデスク業務 運用実施要領 ヘルプデスク業務 マニュアル ヘルプデスク業務 教育資材 FAQ 情報 稼動状況報告書 年間評価報告書 問い合わせ・対応 履歴情報 ヘルプデスク業務 実施完了報告書 表 7.1 成果物一覧表 説明 本業務全体の実施計画を示したもの。 提出期限 契約締結後 2 週間 以内 本業務のサービス開始に先立つ、導入計 契約締結後 1 ヶ月 画を示したもの。 以内 本業務サービス開始後の運用計画を示し サービス開始の たもの。 1 ヶ月前まで 運用・保守管理要領に基づき、運用セン サービス開始まで タの枠組みにおいてヘルプデスク担当業 者が実施すべき作業、運用関連サプライ ヤ間における連絡手段等を定めたもの。 本業務を実施するに当たっての電話応対 サービス開始まで やヘルプデスクシステムの操作方法等を 記載したマニュアル。 オペレータ等の要員を教育するためのマ サービス開始まで ニュアル等の教育資材。 各府省のシステム利用者へ公開する FAQ 月次 情報の情報源として、当該期間(1ヶ月 (サービス開始後) 間)の問い合わせ情報をすべて抽出し、 CSV ファイルに出力したもの。 運用報告会議において報告する当該期間 月次 (1ヶ月間)の稼働状況やサービスレベ (サービス開始後) ル指標、報告内容等を取りまとめたも の。 年間評価会議において報告する当該期間 年次 の稼働状況やサービスレベル指標、評価 (サービス開始後) 結果等を取りまとめたもの。 ヘルプデスクシステムに格納されたすべ 平成 26 年 6 月 30 日 ての問い合わせ・対応履歴情報の電子デ (本業務終了時) ータ。 本業務の完了時に、作業実施結果や目的 人事院専任部門が指 達成状況等を取りまとめたものであり、 定する期日まで すべての稼動状況報告及び年間評価報告 について総括したもの。 (2) 瑕疵担保責任 本仕様書に基づき納入された成果物について検収完了後 12 ヶ月以内に発見された瑕 疵に対しては、受託者の負担と責任において修正・対処すること。 7.3. 作業場所 本業務の実施に当たって、受託者は、次に示す場所で作業を実施すること。 ① 人事院専任部門又は運用関連サプライヤとの調整、協議、会議等については、人事 30 院専任部門が指定する場所(都内を予定)で行うこと。 ② 上記以外のすべての業務については、受託者が用意する設備、作業場所等において 作業を実施すること。 8. 応札条件 8.1. 入札参加者の要件 入札参加者は、以下に示す条件を満たすものであることとする。 (1) ヘルプデスク業務を熟知し、実績を有する事業者であること。 (2) 以下のいずれかの資格・認証を取得していること。 ① ISO27001 あるいは ISMS 適合評価制度の認証を取得している事業者、又はこれと同 等のセキュリティマネジメントを確立している事業者。 ② (3) プライバシーマークの認証を取得している事業者。 官公庁、独立行政法人、都道府県等地方自治体、民間企業(支社や子会社にまたが るもの)等において、本業務と同等以上の規模を持つ官庁内又は社内向けのインバウ ンド型コールセンタの整備及び運営について、直接、請け負い、実施した複数の実績 を有すること。 8.2. 入札制限 (1) 人事院 CIO 補佐官及びその支援スタッフ等の属する事業者に対する入札制限 人事院 CIO 補佐官及びその支援スタッフ等(常時勤務を要しない官職を占める職員、 「一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律」(平成 12 年 11 月 27 日法 律第 125 号)に規定する任期付職員及び「国と民間企業との間の人事交流に関する法 律」(平成 11 年 12 月 22 日法律 224 号)に基づき交流採用された職員は除く。)が現 に属する又は過去 2 年間に属していた事業者及びこの事業者の「財務諸表等の用語、 様式及び作成方法に関する規則」(昭和 38 年大蔵省令第 59 号)第 8 条に規定する親 会社及び子会社、同一の親会社をもつ会社並びに緊密な利害関係を有する事業者は、 本調達仕様書に基づく入札に参加することはできない。 (2) 設計・改修等のプロジェクト管理支援事業者に対する入札制限 設計・改修等のプロジェクト管理支援事業者及びこの事業者の「財務諸表等の用語、 様式及び作成方法に関する規則」(昭和 38 年大蔵省令第 59 号)第 8 条に規定する親 会社、子会社、同一の親会社をもつ会社並びに委託先事業者等の緊密な利害関係を有 する事業者は、本調達仕様書に基づく入札に参加することはできない。 なお、当該入札制限を受ける事業者は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社で ある。 31 (3) 本調達仕様書の作成に直接関与した事業者等に対する入札制限 本調達仕様書の作成に直接関与した事業者及びこの事業者の「財務諸表等の用語、 様式及び作成方法に関する規則」(昭和 38 年大蔵省令第 59 号)第 8 条に規定する親 会社及び子会社、同一の親会社をもつ会社並びに緊密な利害関係を有する事業者は、 本調達仕様書に基づく入札に参加することはできない。 なお、本調達仕様書の作成に直接関与した事業者は、ティーディーシーソフトウェ アエンジニアリング株式会社である。 9. その他 9.1. 基本的な留意事項 受託者は、以下の事項について十分理解し、人事院専任部門と調整の上作業を実施 すること。 (1) 人事・給与システムの仕様に関する確認 人事・給与システムについては、システムの改修を継続して実施しており、本調達の 作業中においても、改修に関する設計・開発が実施されることとなるため、人事院専任 部門と調整を図りつつ、作業に必要となる仕様の確認を実施し、作業を円滑に実施する こと。 (2) 人事・給与システムに係る運用センタにおける運用の詳細に関する確認 人事・給与システムに係る運用センタにおける運用の詳細に関しては、「人事・給与 関係業務情報システム 運用センタ運用設計書(平成 21 年(2009 年)12 月)」及び 「人事・給与関係業務情報システム 運用センタ運用・保守要領(平成 21 年(2009 年)12 月)」(仮称)を閲覧すること。閲覧申請方法等については、応札資料作成要領 を参照のこと。 (3) 人事・給与システムに係るヘルプデスク業務における運用の詳細に関する確認 人事・給与システムに係るヘルプデスク業務における運用の詳細に関しては、「人 事・給与関係業務情報システム ヘルプデスク運用設計書(平成 21 年(2009 年)12 月)」を閲覧すること。閲覧申請方法等については、応札資料作成要領を参照のこと。 (4) 人事・給与システムに係る FAQ 運用の詳細に関する確認 人事・給与システムに係る FAQ 運用の詳細に関しては、「人事・給与関係業務情報シ ステム FAQ 運用設計書(平成 21 年(2009 年)12 月)」を閲覧すること。閲覧申請方 法等については、応札資料作成要領を参照のこと。 9.2. 再委託 受託者は、業務の全部を第三者に再委託することはできない。業務の一部を再委託 32 する場合は、事前に再委託する業務、再委託先等を人事院に書面で提出し、承認を受 けること。受託者は、機密保持、知的財産権等に関して本仕様書が定める受託者の債 務を再委託先業者も負うよう、必要な処置を実施し、人事院に書面で提出し、承認を 得ること。なお、第三者に再委託する場合は、その最終的な責任を受託者が負うこと。 9.3. 関係者との調整 関係事業者(「3.5. プロジェクト体制」に記載されている事業者)との調整事項 について、人事院専任部門と協議の上、人事院専任部門が行う調整作業を支援するこ と。 9.4. 仕様書の解釈 本仕様書の内容及び解釈について疑義が生じた場合は、人事院専任部門に確認する こと。 9.5. 知的財産権等 受託者は、本契約履行過程で生じた納入成果物に関し、著作権法第 27 条及び第 28 条に定める権利を含むすべての著作権を人事院に譲渡し、人事院は独占的に使用する ものとする。なお、受託者は人事院に対し、一切の著作者人格権を行使しないことと し、また、第三者をして行使させないものとする。 納入成果物に第三者が権利を有する著作物が含まれている場合は、人事院が特に使 用を指示した場合を除き、受託者は当該著作物の使用に関して費用の負担を含む一切 の使用許諾条件等につき、人事院専任部門の了承を得ること。 本件仕様書に基づく作業に関し、第三者との間で著作権に係る権利侵害の紛争等が 生じた場合、当該紛争等の原因が専ら人事院の責に寄与する場合を除き、受託者は自 らの責任と負担について一切の処理をすること。なお、人事院は紛争等の事実を知っ たとき、速やかに受託者に通知することとする。 9.6. 関連資料の貸与 関連資料の貸与について、以下に記載する。 (1) 人事院は、受託者が本仕様書に基づく作業を履行する上で必要な関連資料を随時貸 与する。ただし、貸与された資料は指定された期日までに人事院に返還しなければな らない。 (2) 受託者は、貸与された資料を本仕様書に基づく作業の目的以外に使用してはならな い。 33 9.7. 契約変更 本業務の実施によって、契約締結時に想定した業務量あるいは合意したサービスレ ベル等が著しく変動した場合には、受託者と人事院専任部門は協議の上、契約の変更 を可能とする。 9.8. その他 (1) 人事院専任部門が必要と認め、指示した事項については、その指示に従い必要な 調査、資料作成等を行うこと。 (2) 契約期間満了時は、人事院専任部門の指示に従い、次期受託者に業務の引継ぎを 行うこと。 9.9. 問い合わせ 本仕様に関する問い合わせ先は、以下のとおりとする。 なお、問い合わせ方法及び関連資料の閲覧方法等については、応札資料作成要領に 記載する。 人事院職員福祉局電子化推進室 〒100-8913 東京都千代田区霞が関 1-2-3 TEL 03-3581-5311(代表) FAX 03-3581-5050 10. 妥当性証明 本調達仕様書が妥当であることを確認する。 人事院職員福祉局電子化推進室長 34 赤司 淳也 別 紙 データ保護・管理要領 第1 目 的 本件委託業務において取り扱う各種データについて、適正なデータ保護・管理方策、情報システム のセキュリティ方策、データの漏洩、亡失、改ざん、及び消去等(以下、 「データ漏洩等」という。 ) 発生時に実施すべき事項・手順等について明確にすることを目的とする。 第2 適用範囲 本件委託業務で取り扱う、主管課が交付又は使用を許可した全てのデータ(電子データ、印刷され た情報を含む。 )を対象とする。 第3 本件委託業務を受託する者が遵守すべき事項 受託者は、本契約の履行に関して、以下の項目を全て遵守すること。 1 委託作業開始前の遵守事項 受託者は、下記(1)から(5)の各項に定める事前計画内容を遵守し、 「データ管理計画書」 として取りまとめた上で主管課へ提出し、主管課の承認を受けること。 (1)データ取扱者等の指定 受託者は、上記「第2 適用範囲」に定めるデータを取り扱う者(以下「データ取扱者」と いう。 )及びデータ取扱者を統括する者として情報システム部門に精通した課長相当職以上 の者(以下「データ取扱責任者」という。 )を指定し、その所属、役職及び氏名等を記入し た「データ取扱者等名簿」を作成すること。 なお、データ取扱者及びデータ取扱責任者(以下「データ取扱者等」という。 )は、守秘 義務等データの取扱いに関する社内教育又はこれに準ずる講習等を受講した者とし、その受 講実績を併せて記入すること。 (2)データ取扱者等への教育・周知 受託者は、本件委託業務で取り扱うデータについて、その取扱いや漏洩防止等に係る「教 育・周知計画書」を作成し、本データ保護・管理要領の内容に関して、データ取扱者等に対 する教育及び周知を行うこと。 (3)データの取扱いに関する計画策定 受託者は、本件委託業務におけるデータの取扱いに関し、データの複製、破棄及び保管場 所の変更が生じる場合の取扱いについて、 「データ取扱計画書」を作成すること。 (4)作業場所等のセキュリティ確保 受託者は、人事院以外の作業場所において本件委託業務を行う場合は、データ及び本シス テムに係るセキュリティ確保のため講じ得る措置について、 「作業場所等に係るセキュリテ - 1 - ィ措置計画書」を作成すること。 ① 作業場所等のセキュリティ確保 例:データエントリールーム、データ保管室、電子計算室等に対する施錠設備、ID カードやパスワードを用いた入退出管理機能等 ② 作業場所におけるセキュリティ確保 例:システムログインパスワード、データに対する専用の ID、アクセス権限の設定 等 (5)データ漏洩等発生時の対応手順作成 受託者は、本件委託業務で取り扱うデータの漏洩等が発生した場合を想定し、その対応手 順書を作成すること。 2 委託作業中における遵守事項 (1)データ管理簿の作成 受託者は、主管課から貸与を受けた各種ドキュメント、電子データ類及び委託業務を実施 するに当たり作成されたドキュメント、電子データについて、授受方法、保管場所、保管方 法、使用場所、使用目的等取扱方法を明確にするため「データ管理簿」を作成すること。 (2)作業場所の監査 受託者は、人事院以外の作業場所において本件委託業務を行っている場合に、主管課がそ の施設及び設備に関し、上記1-(4)で受託者が作成した「作業場所等に係るセキュリテ ィ措置計画書」に則ったセキュリティ確保が図られているか監査する旨申し出たときは、定 期・不定期にかかわらず、これを受け入れること。 (3)データの取扱い 受託者は、本件委託業務において取り扱うデータに関し、データ取扱責任者に以下の作業 を行わせること。 ① データ取扱責任者は、データ取扱者の作業に立ち会う等適切な管理を行うこと。 ② データ取扱責任者は、データ取扱者を作業に従事させる前に、データ取扱者ごとに使 用するユーザーID 及びパスワード等、主管課が事前に指定する事項について主管課へ報 告を行い、承認を受けること。 なお、報告する時期等は主管課の指示に従うこと。 また、報告した内容に変更が生じる場合も、事前に主管課の承認を受けること。 ③ データ取扱責任者は、作業に従事する予定のデータ取扱者について、事前に氏名、勤 務時間、作業内容及び取扱データを記入した作業予定表を主管課へ提出し、承認を受け ること。 - 2 - ④ データ取扱責任者は、作業に従事したデータ取扱者が作業を終了し作業場所を離れる 際は、データの持ち出しの有無を厳重に検査すること。 ⑤ データ取扱責任者は、作業終了後、作業に従事したデータ取扱者の氏名、勤務時間、 作業内容、取扱データ及びデータの持ち出しの有無等を記入した作業結果表を主管課へ 提出すること。その際、当初予定していた勤務時間を超えている場合は、その理由も併 せて記入すること。 なお、作業結果表の提出時期については、主管課の指示によること。 3 委託作業完了時の遵守事項 (1)データ返却等処理 受託者は、委託業務完了時に上記2(1)で作成した「データ管理簿」に記載されている 全てのデータについて、返却、消去、破棄等の措置を行うこと。 なお、その処理について方法、日時、場所、立会い者、作業責任者等の事項を網羅した「デ ータ返却等計画書」を事前に主管課へ提出し、承認を得たうえで、処理を実施すること。 (2)作業後の報告 受託者は、上記(1)に基づき返却等の処理終了後、その結果を記載した「データ管理簿」 を主管課へ提出すること。 4 上記以外の遵守事項 (1)データ漏洩等発生時の対応 受託者は、本件委託業務に関し、データ漏洩等が発生した場合は、以下により直ちに対応 を図ること。 ① 発生状況報告 委託業務中にデータの漏洩等が発生した場合は、その事由が発生した日時、場所、事 由及びその時のデータ取扱者を明らかにし、速やかに主管課へ報告すること。 ② 対応措置 受託者は、主管課の指示に基づき対応措置を実施すること。 ③ 報告書の提出 受託者は、主管課が指定する期日までに、発生した事態の具体的内容、原因、実施し た対処措置等を内容とする報告書を作成の上、提出すること。 ④ 再発防止策の策定・提出 受託者は、データ漏洩等が発生した場合、その処理後に再発を防止するための措置内 容を策定し、主管課の承認を得た後、速やかにデータ漏洩等再発防止策を実施すること。 - 3 - (2)情報の管理 受託者は、主管課が交付又は使用を許可した情報に限らず、本件委託事務を履行するに当 たり知り得た情報について、本契約の目的以外に使用又は第三者に開示若しくは漏洩等して はならない。 - 4 -
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