コンポストを使った、ウジ虫が発生しないで生ごみを堆肥化 - 新居浜市

コンポストを使った、ウジ虫が発生しないで生ごみを堆肥化処理する方法
問合せ先
新居浜環境カウンセラー交流会 (真鍋) [email protected]
新居浜市 ごみ減量課 Tel:65-1252, [email protected]
手軽で安価な生ごみ堆肥化処理器としてバケツを逆さにした形のコンポストが普及
ている。しかし、予期したほどに堆肥化が進まなくて,使わないまま放置されているケ
ースが多いのではないだろうか。その最大の原因はウジムシの発生である。
コンポストは屋外の土の上に置いて使う器であるため、気軽に生ごみを投入できる。
しかし、プラスチック製の密閉構造だから、生ごみの分解で発生する水分の逃げ場がな
くて、内部が多湿になるので、ウジムシが発生する。
そこで、コンポストを使って、ウジが発生することなく、生ごみを堆肥化する方法を
工夫した。
処 理 条 件
[1](設置場所) 庭や畑の土の上に置く。
[2](水分除去法) 容器とフタの間に角材を 2 本挟んで,水蒸気の逃げ口を作る。
[2] (基材の活用) 生ごみが固まりにならないように、生ごみを分散させる目的で、最
初から基材を容器の半量程度の量を入れておく。ここで、基材とは、ピートモス、
モミガラ、モミガラ薫炭、腐葉土、木材や竹のチップなど、多孔質のもの。単一種
か、または、混ぜて使う。
ここに示したやり方と違って、市販のコンポストでは、生ごみ投入時に土や落ち葉
で生ごみを覆う(基材と生ゴミを混ぜない)と指示している。
処 理 手 順
1)入手可能な基材をコンポスト容器の半量程度入れる。生ごみを入れたときに充分手
が届くレベルまで入れる。
2)生ごみを入れる前に、基材の中央部にスコップで窪みを作り、その部分に米ヌカを
敷く。
3)新鮮な(1 日以内の)生ごみを、水滴が落ちない程度に水を切って、窪みのヌカの上に
置く。(前もって生ごみを裁断しておくと醗酵し易い)
4)生ゴミに「えひめ AI-2」を振りかけて、更に米ぬか(または、ぼかし)を振りかける。
添加するヌカの量は、べとつかないように、水分調整を目安として決める。
5)ヘラを使って生ごみを突いて裁断しながら基材とよく混ぜる。(切断した生ごみの一
片一片を基材で包むような気持ちできりながら混ぜる。)(生ごみが塊りにならなけ
ればウジは湧き難い)(細かく切るほど分解が速い)
(ヘラ:壁紙などをはがす為の表具用のヘラ。これの刃を研いで包丁代わりに使う)
6)保温などの為に、生ごみの周りの基材で覆う。順調に醗酵すると翌日~数日後には
発熱して 40~70℃まで温度が上がり、水蒸気が発生し基材の表面で結露する。
7)2)~6)の操作を毎回繰り返す。
醗酵が順調に進むと、表面に白いカビが発生する。醗酵で発生した大部分の水蒸気
は上の隙間から外に出るが、一部は容器の内壁で冷やされて壁面で結露する。また、
生ごみを埋め込んだ内部は高温でも、表面部には結露する。
注 意 事 項
1)生ごみは基材の中央部に入れること。周辺部は出来るだけかき混ぜないこと。周辺
部は内部の生ごみが醗酵して発生した水蒸気の逃げ道になる。また、保温材の働き
1
をして、屋外で、真冬でも醗酵が起こる。
2)内部で順調に醗酵が起こっていても(内部温度 40~70℃)、生ごみから発生した水分
が容器外に出ないで内部に留まり、あまり多湿になるとウジムシが発生する場合が
ある(例えば、一時的にフタをして密閉するなどした場合)。
一旦、ウジが発生すると、基材内部温度が高温(40~70℃)でも基材表面の温
度はウジには適温らしく、おびただしいウジが発生する。この場合、見た目は良く
ないが、ウジがむしゃむしゃと生ごみを食べるらしく、生ごみがどんどん消滅する。
生ごみ処理という目的からするとこの状態でも問題が無いのかもしれない。
しかし、ウジが気持ち悪い場合は、数日間、生ごみの投入を止めると、水分の発
生が止まって、やがてウジが消えるので、その後に投入を再開する。
3) 3~4 ヶ月継続後、基材が土っぽく(さらさら感が消失)なったら堆肥として使える。
新規に基材を入れ替える場合は、全量を入れ替えるのではなくて、一部を残し活用
する方が、微生物が残るので、醗酵に有利。
7)(醗酵の条件の最適化) (水分やヌカの過不足を調整)
①(水分過剰)基材の中央部の生ごみを置いた部分が水分過剰の場合、生ごみ投入時
にヌカを多めに入れて水分調整するか、または、生ごみの投入を数日止めて、基材
が乾くのを待つ。
②(炭素と窒素の比率調整)炭素分が多い生ゴミだけでは醗酵しないので、米ぬかを
加えて窒素分を補充する。
③醗酵促進材(微生物:えひめ AI-2,や EM)を加えると醗酵が順調に起こる(加えなく
ても微生物は自然に発生するが少し遅れる)。
生ごみのほとんどが水分だから、醗酵が順調なら、生ごみが消滅して、同時に醗酵
熱で水分が蒸発するので、容器の中の量は増えない。
8)
(醗酵による発熱の条件)水分とヌカの量だけでなくて、生ごみ量と生ごみ濃度に関
係する。広い範囲で混ぜると生ごみの濃度が低くなり、発熱しても温度が上がらな
い。逆に、少量の生ごみでも狭い範囲で混ぜると熱が溜まって温度が上がる。
9)(ウジ、コバエが発生した場合)水分が多すぎると起こる。その場合は 2,3 日生ご
みの投入を止めると乾燥して、虫が消滅するのでその後に投入を再開。多くの場合、
発生するのは基材の表面部分だから、虫発生の部分を取り除けば解決する。生ごみ
がほぐれていなくて、生ごみが部分的にかたまりになっていると塊の中で虫が発生
する場合がある。
10)
(処理可能生ごみ)植物、動物(腐るもの)は原則的に全て可。生よりも、煮たも
のの方が処理が早い。卵の殻、小魚の骨なども細かく裁断すれば消滅する。数日し
て形が残っているものがあれば取り除く。
11)
(生ごみ堆肥)ピートモスとモミガラ薫炭は土質改良材(土を柔らかくする)であ
って、肥料成分は無し。3 ヶ月程度(生ごみ+ぬか)を入れ続けると窒素分やミネ
ラル分が蓄積して堆肥ができる(土っぽい感触になる)。コンポスターや鉢で使う
場合は、土に 1~3 割程度、できた堆肥を入れて土とよく混ぜ、1 ヶ月程度の間、
土となじませた後に植物を植える。(醗酵の途中だと、発熱し、酸素を奪うので、
植物の成長に害を及ぼす)
。
12)(えひめ AI-2)“アイニ”と読む。愛媛県の試験場で生まれた環境浄化微生物。原
料は納豆、ヨーグルト、ドライイースト。これらを混ぜて再醗酵したもの。すべて
食品由来だから安全。自作可能。 “垣生公民館”
、
“泉川公民館”、
“協働オフィス”
で入手可。
13) (米ぬか) 生ごみを醗酵させる為に使うが、米ぬかだけでも良質の有機肥料になる
ので、生ごみ堆肥化にはぬかを多めに使うことを心がける。
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