医薬品インタビューフォーム - 共和薬品

2007 年 12 月作成(第 1 版)
日本標準商品分類番号
871146
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成
消炎・鎮痛剤
向精神薬・劇薬・指定医薬品・習慣性医薬品・処方せん医薬品
剤
規
格
・
含
形
水性注射剤
量
1管中に下記の成分を含有する。
日局 サリチル酸ナトリウム 350mg
日局 スルピリン水和物
250mg
日局 カフェイン水和物
100mg
アロバルビタール
10mg
日局 プロカイン塩酸塩
10mg
和名
一
般
名
洋名
サリチル酸ナトリウム
Sodium Salicylate
スルピリン水和物
Sulpyrine Hydrate
カフェイン水和物
Caffeine Hydrate
アロバルビタール
Allobarbital
プロカイン塩酸塩
Procaine Hydrochloride
製造販売承認年月日:
2007 年 8 月 31 日(販売名変更に伴う代替新規承認)
薬 価 基 準 収 載・
薬価基準収載年月日:
2007 年 12 月 21 日(変更銘柄名での収載)
発
発 売 年 月 日 :
1955 年 2 月
製造販売承認年月日・
売 年 月 日
開 発 ・ 製 造 ・
輸 入 ・ 発 売 ・
提携・販売会社名
製造販売元:宇 治 製 薬 株 式 会 社
発
売 元:共和薬品工業株式会社
担当者の連絡先・
電話番号・FAX 番号
TEL
FAX
本 IF は 2007 年 12 月改訂(第 6 版)の添付文書の記載に基づき作成した。
IF 利用の手引きの概要
−日本病院薬剤師会−
1.医薬品インタビューフォームの作成の経緯
当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MR と略す)等にインタビューし、当該医
薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォームを、昭和 63 年日
本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第 2 小委員会が「医薬品インタビューフォーム」
(以下、
IF と略す)として位置付けを明確化し、その記載様式を策定した。そして、平成 10 年日病薬学術第
3 小委員会によって新たな位置付けと IF 記載要領が策定された。
2.IF とは
IF は「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な
医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が集約された総合
的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作
成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等
に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反した情報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は
IF の記載事項とはならない。
3.IF の様式・作成・発行
規格は A4 判、横書きとし、原則として 9 ポイント以上の字体で記載し、印刷は一色刷りとする。
表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。IF は日病薬が策定した「IF 記載
要領」に従って記載するが、本 IF 記載要領は、平成 11 年 1 月以降に承認された新医薬品から適用と
なり、既発売品については「IF 記載要領」による作成・提供が強制されるものではない。また、再審
査及び再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ、記載内容が
大きく異なる場合には IF が改訂・発行される。
4.IF の利用にあたって
IF 策定の原点を踏まえ、MR へのインタビュー、自己調査のデータを加えて IF の内容を充実させ、
IF の利用性を高めておく必要がある。MR へのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経
緯、製剤的特徴、薬理作用、臨床成績、非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改訂される使
用上の注意等に関する事項に関しては、当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用医薬品添付文書、
お知らせ文書、緊急安全性情報、Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等により薬剤師等自ら
が加筆、整備する。そのための参考として、表紙の下段に IF 作成の基となった添付文書の作成又は改
訂年月を記載している。なお適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国
での発売状況」に関する項目等には承認外の用法・用量、効能・効果が記載されている場合があり、
その取扱いには慎重を要する。
目
次
Ⅰ.概要に関する項目・・・・・・・・・1
1.開発の経緯
2.製品の特徴及び有用性
Ⅱ.名称に関する項目・・・・・・・・・2
1.販売名
2.一般名
3.構造式又は示性式
4.分子式及び分子量
5.化学名(命名法)
6.慣用名、別名、略号、記号番号
7.CAS 登録番号
Ⅲ.有効成分に関する項目・・・・・・・4
1.有効成分の規制区分
2.物理化学的性質
3.有効成分の各種条件下における安定性
4.有効成分の確認試験法
5.有効成分の定量法
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目・・13
1.警告内容とその理由
2.禁忌内容とその理由
3.効能・効果に関連する使用上の注意と
その理由
4.用法・用量に関連する使用上の注意と
その理由
5.慎重投与内容とその理由
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
7.相互作用
8.副作用
9.高齢者への投与
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
11.小児等への投与
12.臨床検査結果に及ぼす影響
13.過量投与
14.適用上及び薬剤交付時の注意
(患者等に留意すべき必須事項等)
15.その他の注意
16.その他
Ⅸ.非臨床試験に関する項目・・・・・・20
Ⅳ.製剤に関する項目・・・・・・・・・6
1.剤 形
2.製剤の組成
3.製剤の各種条件下における安定性
4.他剤との配合変化(物理化学的変化)
5.電解質の濃度
6.混入する可能性のある夾雑物
7.製剤中の有効成分の確認試験法
8.製剤中の有効成分の定量法
9.容器の材質
10.その他
Ⅴ.治療に関する項目・・・・・・・・・8
1.効能又は効果
2.用法及び用量
3.臨床成績
Ⅵ.薬効薬理に関する項目・・・・・・・9
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
2.薬理作用
Ⅶ.薬物動態に関する項目・・・・・・・10
1.血中濃度の推移・測定法
2.薬物速度論的パラメータ
3.吸 収
4.分 布
5.代 謝
6.排 泄
7.透析等による除去率
1.一般薬理
2.毒 性
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目・・・・ 22
1.有効期間又は使用期限
2.貯法・保存条件
3.薬剤取扱い上の注意点
4.承認条件
5.包 装
6.同一成分・同効薬
7.国際誕生年月日
8.製造販売承認年月日及び承認番号
9.薬価基準収載年月日
10.効能・効果追加、用法・用量変更
追加等の年月日及びその内容
11.再審査結果、再評価結果公表年月日
及びその内容
12.再審査期間
13.長期投与の可否
14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード
15.保険給付上の注意
ⅩⅠ.文
献・・・・・・・・・・・・・23
1.引用文献
2.その他の参考文献
ⅩⅡ.参考資料・・・・・・・・・・・・24
主な外国での発売状況
Ⅰ.概要に関する項目
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
(1)サリチル酸ナトリウム
1871 年にKolbe が合成し、Stricker,Clamann およびG.See らが初め
て医薬に供した。
(2)スルピリン水和物
1910 年頃すでに合成されていたが、1912 年に解熱剤としてバイエル社
からノバルギンの名称で発売されたものである。
(3)カフェイン水和物
1820 年Runge がコーヒー豆から初めて本品を製出し、その製造は 1895
∼1899 年E.Fisher およびその門下の全合成により確定された。通例、
カフェイン水和物である。
(4)アロバルビタール
1911 年Basel 化学会社が製造法を発明し、1915 年Castaldi が経口投
与すると催眠を招来すると報告した。1914 年Ciba 社からDial の名称
で発売された。
(5)プロカイン塩酸塩
Einhorn らにより合成、Braun らにより薬効が確認された。Hichst
社より局所麻酔剤としてNovocain の名で発売された。
2.製品の特徴及び有用性
5成分を配合することにより、強い鎮痛消炎作用を発現させるだけでなく、
幅広い疼痛性疾患に効力をあらわす。
−1−
Ⅱ.名称に関する項目
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
和名:ザルソカイン注 10mL
洋名:Salsocain
名前の由来:サリチル酸ナトリウム(慣用名
ザルソ)とプロカイン塩酸塩
を含む配合剤であるため
2.一般名
3.構造式又は示性式
和名
洋名
サリチル酸ナトリウム
Sodium Salicylate
スルピリン水和物
Sulpyrine Hydrate
カフェイン水和物
Caffeine Hydrate
アロバルビタール
Allobarbital
プロカイン塩酸塩
Procaine Hydrochloride
和名
構造式
サリチル酸ナトリウム
スルピリン水和物
カフェイン水和物
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
−2−
Ⅱ.名称に関する項目
4.分子式及び分子量
5.化学名(命名法)
成分名
分子式
サリチル酸ナトリウム
C7H5NaO3
160.10
スルピリン水和物
C13H16N3NaO4S・H2O
351.35
カフェイン水和物
C8 H10N4O2・H2O
212.21
アロバルビタール
C10H10N2O3
208.22
プロカイン塩酸塩
C13H10N2O2・HCl
272.77
和名
化学名
サリチル酸ナトリウム
スルピリン水和物
カフェイン水和物
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
6.慣用名、別名、略号、
Monosodium 2-hydroxybenzoate
Monosodium[(1,5-Dimethyl-3-oxo-2-phenyl-2,3dihydro-1H-pyrazol-4-yl)-(methyl)amino]
methanesulfonate monohydrate
1,3,7-Trimethyl-1H-purine-2,6-(3H,7H)
-dione monohydrate
5,5-Di-2-propenyl-2,4,6-(1H,3H,5H)
-pyrimidinetrione
2- ( Diethylamino ) ethyl 4-aminobenzoate
monohydrochloride
該当資料なし
記号番号
7.CAS 登録番号
分子量
成分名
CAS 登録番号
サリチル酸ナトリウム
54-21-7
スルピリン水和物
5907-38-0
カフェイン水和物
5743-12-4
アロバルビタール
52-43-7
プロカイン塩酸塩
51-05-8
−3−
Ⅲ.有効成分に関する項目
Ⅲ.有効成分に関する項目
1. 有効成分の規制区分
成分名
規制区分
サリチル酸ナトリウム
なし
スルピリン水和物
劇薬、指定医薬品
カフェイン水和物
劇薬・指定医薬品
アロバルビタール
劇薬、指定医薬品、習慣性医薬品、向精神薬
プロカイン塩酸塩
劇薬、指定医薬品
2.物理化学的性質
(1)外観・性状
成分名
外観・性状
サリチル酸ナトリウム
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
白色∼淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で、におい
はなく、味は苦い。
白色の柔らかい結晶又は粉末で、においはなく、
味はやや苦い。
無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においは
なく、味はわずかに苦い。
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
スルピリン水和物
カフェイン水和物
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
(2)溶解性
成分名
サリチル酸ナトリウム
スルピリン水和物
カフェイン水和物
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
(3)吸湿性
(4)融点(分解点)、
沸点、凝固点
溶解性
水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやす
く、エタノール(95)にやや溶けやすい。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶け
にくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
クロロホルムに溶けやすく、水、酢酸(100)又は
無水酢酸にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶
けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
アセトンに溶けやすく、エタノール(95)又はジ
エチルエーテルにやや溶けやすく、クロロホルム
にやや溶けにくく、水に溶けにくい。
炭酸ナトリウム試液に溶ける。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや
溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けな
い。
該当資料なし
成分名
サリチル酸ナトリウム
融点(分解点)
(サリチル酸ナトリウムから誘導されるサリチ
ル酸の融点は 158∼161℃を示す。)
スルピリン水和物
224∼225℃(分解)
カフェイン水和物
235∼238℃(乾燥後)
アロバルビタール
172∼175℃
プロカイン塩酸塩
155∼158℃
−4−
Ⅲ.有効成分に関する項目
(5)酸塩基解離定数
該当資料なし
(6)分配係数
該当資料なし
(7)その他の主な示性値
成分名
サリチル酸ナトリウム
カフェイン水和物
飽和水溶液のpH は 5.5∼6.5 である。
1.0g を水 20mL に溶かした液のpH は 5.0∼6.0
である。
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
3.有効成分の各種条件下
における安定性
4.有効成分の確認試験法
成分名
安定性
サリチル酸ナトリウム
光によって徐々に着色する。
スルピリン水和物
光によって着色する。
カフェイン水和物
乾燥空気中で風解する。
成分名
サリチル酸ナトリウム
スルピリン水和物
カフェイン水和物
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
5.有効成分の定量法
示性
2.0gを水 20mL に溶かした液のpH は 6.0∼8.0
である。
1.0g を水 100mL に溶かした液のpH は 5.5∼6.5
である。
有効成分の確認試験法
①赤外吸収スペクトル測定法
②ナトリウム塩の定性反応
①酸化呈色反応
②希塩酸による分解
③ナトリウム塩の定性反応
①タンニン酸塩の生成とその溶解性
②ムレキシド反応
③プリン系化合物の定性
第 9 改正日本薬局方のアロバルビタールの確認
試験に準じる。
①紫外可視吸光度測定法
②赤外吸収スペクトル測定法
③塩化物の定性反応
成分名
有効成分の定量法
サリチル酸ナトリウム
電位差滴定法
スルピリン水和物
ヨウ素滴定法
カフェイン水和物
非水滴定法
第 9 改正日本薬局方のアロバルビタールの定量
法に準じる。
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
ジアゾ滴定の電気滴定法
6.その他
−5−
Ⅳ.製剤に関する項目
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤
形
(1)剤形の区別、規格
及び性状
剤形:注射剤(アンプル)
容量:1 管 10mL
性状:本剤は無色∼微黄色澄明の水性注射液である。
(2)溶液及び溶解時の
pH:5.5∼6.5
pH、浸透圧比、粘度、 浸透圧比:1.8∼2.1(生理食塩水を1とする)
比重、安定な pH 域等
(3)酸価、ヨウ素価等
該当しない
(4)注射剤の容器中の
窒素置換
特殊な気体の有無
及び種類
2.製剤の組成
(1)有効成分(活性成分)
の含量
1管中に下記の成分を含有する。
日局
サリチル酸ナトリウム
350mg
日局
スルピリン水和物
250mg
日局
カフェイン水和物
100mg
アロバルビタール
10mg
プロカイン塩酸塩
10mg
日局
(2)添加物
(3)添付溶解液の組成及
亜硫酸水素ナトリウム
10mg
炭酸水素ナトリウム
適量
該当しない
び容量
3.製剤の各種条件下に
おける安定性
(1)本剤は室温にて遮光して保存するとき、3カ年を経ても外観・含有成
分共に有意の変化を認めなかった。
(2)露光 (1000 ルクス) 試験 (3カ月間)では外観上微かに黄色の着色が
増加しており、スルピリン水和物の含量低下(100∼78.5%)が認めら
れた。
(3)加温(40°C)試験(3カ月間)では外観上変化はなく、含有成分を
定量した結果、含量低下は認められなかった。
−6−
Ⅳ.製剤に関する項目
4.他剤との配合変化
規格pH
5.5∼6.5
(物理化学的変化)
○ザルソカイン注 10mL 1 管(10mL pH:5.80)に、酸性試薬(0.1mol/L
HCl)を 9.6mL 加えたところ、結晶が析出し pH:3.31 となった。
○ザルソカイン注 10mL 1 管(10mL
pH:5.80)にアルカリ試薬
(0.1mol/L NaOH)を 10.0mL 加えたところ、pH:12.40 となり、少
なくとも 24 時間後まで外観上変化はなかった。
5.電解質の濃度
該当しない
6.混入する可能性のある
なし
夾雑物
7.製剤中の有効成分の
確認試験法
8.製剤中の有効成分の
定量法
成分名
製剤中の有効成分の確認試験法
サリチル酸ナトリウム
塩化第二鉄試液による呈色。
スルピリン水和物
希塩酸による分解
カフェイン水和物
プリン系化合物の呈色
アロバルビタール
コバルト錯体による呈色
プロカイン塩酸塩
芳香族第一級アミンの定性
成分名
製剤中の有効成分の定量法
サリチル酸ナトリウム
鉄塩法
スルピリン水和物
p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド法
カフェイン水和物
次亜塩素酸ピリジン法
アロバルビタール
ガスクロマトグラフィー法
プロカイン塩酸塩
ジアゾ化法
9.容器の材質
無色透明のガラスアンプル
10.その他
特になし
−7−
Ⅴ.治療に関する項目
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果
症候性神経痛、腰痛症
2.用法及び用量
通常、成人には局所に1回量として 10mL 以下(1箇所最大 2.5mL)を皮
下、又は筋肉内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤は、鎮痛剤の経口投与が不可能な場合にのみ使用する。
3.臨床成績
(1)臨床効果
該当資料なし
(2)臨床薬理試験:
忍容性試験
該当資料なし
(3)探索的試験:
用量反応探索試験
該当資料なし
(4)検証的試験
1)無作為化平行用量
該当資料なし
反応試験
2)比較試験
該当資料なし
3)安全性試験
該当資料なし
4)患者・病態別試験
該当資料なし
(5)治療的使用
1)使用成績調査・特別
該当資料なし
調査・市販後臨床
試験
2)承認条件として実施
なし
予定の内容又は実
施した試験の概要
−8−
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある
成分名
化合物又は化合物群
薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
サリチル酸ナトリウム
アスピリン等(サリチル酸系)
スルピリン水和物
アンチピリン等(ピラゾロン系)
カフェイン水和物
テオフィリン等(キサンチン系)
アロバルビタール
フェノバルビタール等(バルビツール酸系)
塩酸テトラカイン等
(アミノ安息香酸アルカミンエステル類)
プロカイン塩酸塩
2.薬理作用
(1)作用部位・作用機序
スルピリン水和物およびサリチル酸ナトリウムは鎮痛作用を有しており、
更にサリチル酸ナトリウムはプロスタグランジンの生合成を阻害すること
により抗炎症作用を発現する。 1)
ザルソカイン注 10mL はこれらの両主薬に、頭痛緩解作用を持つカフェイ
ン水和物、自律神経調整作用により不定愁訴症候群に有効なプロカイン塩
酸塩
2)、ならびに脳幹性鎮静作用のあるアロバルビタールを配合し、これ
ら各薬物の配合による効力の増強が期待できる。
(2)薬効を裏付ける試験
成績
鎮痛作用と配合意義 3)
マウスを用いて酢酸Writhing法によりザルソカイン注10mLの各配合成分
の配合比に応じて漸次成分を添加し、それぞれの段階で鎮痛効果を測定
した。
その結果は下記に示すように各配合成分の添加に対応した鎮痛効果の
増強が認められ、配合による効果が認められた。
<配合効果試験成績>
図 成人適用量の17.5倍量を投与した場合の有効率
略号
SS
Sp
Cf
Ab
Pc
成人適用量の17.5倍量の成分・分量
成分名
投与量
サリチル酸ナトリウム
112.5mg/kg
スルピリン水和物
87.5mg/kg
カフェイン水和物
35.0mg/kg
アロバルビタール
3.5mg/kg
プロカイン塩酸塩
3.5mg/kg
−9−
Ⅶ.薬物動態に関する項目
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移・測定法
(1)治療上有効な血中濃度 該当資料なし
(2)最高血中濃度到達時間 該当資料なし
(3)通常用量での血中濃度 該当資料なし
(4)中毒症状を発現する
該当資料なし
血中濃度
2.薬物速度論的パラメータ
(1)吸収速度定数
該当しない
(2)バイオアベイラビリティ 該当資料なし
(3)消失速度定数
該当資料なし
(4)クリアランス
該当資料なし
(5)分布容積
該当資料なし
(6)血漿蛋白結合率
該当資料なし
3.吸
収
4.分
布
該当資料なし
(1)血液−脳関門通過性
該当資料なし
(2)胎児への移行性
該当資料なし
(3)乳汁中への移行性
該当資料なし
(4)髄液への移行性
該当資料なし
(5)その他の組織への
該当資料なし
移行性
−10−
Ⅶ.薬物動態に関する項目
5.代
謝
(1)代謝部位及び代謝経路
成分名
サリチル酸ナトリウム 4)
スルピリン水和物 5)
カフェイン水和物 6)
アロバルビタール 7)
プロカイン塩酸塩
(2)代謝に関与する酵素
薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
サリチル酸はエーテル型またはエステル型のグ
ルクロン酸抱合、グリシン抱合あるいは5位で水
酸化をうける。ヒト尿中主代謝物 はサリチル尿
酸、ゲンチジン酸で、他はグルクロン酸との抱合
体である。
スルピリン水和物は加水分解をうけ、4-メチルア
ミノアンチピリンを生成し、ついで脱メチル化に
より4-アミノアンチピリンとなり、4-アセチル
アミノアンチピリンおよび4-ホルミルアミノア
ンチピリンへと代謝される。ヒト尿中主代謝物は
4-アセチルアミノアンチピリンおよび4-ホルミ
ルアミノアンチピリンである。
ヒトにおいて、カフェイン水和物は 1,7ージメチ
ルキサンチンを経てメチルキサンチンおよびメ
チル尿酸に代謝される。
ほとんど未変化体として排泄されると考えられ
るが、ラットの尿中ではアリル基の一方が酸化さ
れたエポキシド体が確認され、その主代謝物は 5アリル-5-(2 ,3 -ジヒドロキシプロピル)-バル
ビツール酸と結論されている。
血清中の非特異性コリンエステラーゼにより加
水分解され、その大部分のパラアミノ安息香酸は
抱合体を形成する。
該当資料なし
(CYP450 等)の分子種
(3)初回通過効果の有無
該当資料なし
及びその割合
(4)代謝物の活性の有無
該当資料なし
及び比率
(5)活性代謝物の速度論
該当資料なし
的パラメータ
−11−
Ⅶ.薬物動態に関する項目
6.排
泄
(1)排泄部位
(2)排泄率
(3)排泄速度
該当資料なし
<参考>
成分名
サリチル酸ナトリウム8)
スルピリン水和物 9)
カフェイン水和物 6)
アロバルビタール 7)
プロカイン塩酸塩
排
主に未変化体として尿中に排泄される。
尿中に排泄される。
7.透析等による除去率
(1)腹膜透析
該当資料なし
(2)血液透析
該当資料なし
(3)直接血液灌流
該当資料なし
泄
サリチル酸ナトリウムを経口投与したとき、投与 24 時
間までに未変化体と代謝物がほぼ 100%尿中に排泄され
ている。
ヒト、イヌ、ラットに 14C−スルピリンを静脈内投与する
とき、いずれの種においても投与量の 80∼90%が尿中に排
泄され、糞中にもわずかに認められている。
一部はそのままで、その他はメチルキサンチン、メチル
尿酸等の代謝物として尿中より排泄される。
−12−
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
警告
重篤なショックをおこすことがある。使用上の注意に特に留意すること。
2.禁忌内容とその理由
禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1)本剤又はサリチル酸系化合物(アスピリン等)及びピラゾロン系化
合物(スルピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)先天性G-6PD欠乏症の患者〔スルピリンにより海外で溶血性貧
血が発現したとの報告がある。〕
(3)重篤な血液の異常のある患者〔血液障害(再生不良性貧血、無顆粒
球症等)があらわれるおそれがある。〕
(4)重篤な肝障害のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
(5)重篤な腎障害のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
(6)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦、産婦、授乳婦等
への投与」の項参照〕
3.効能・効果に関連する
該当なし
使用上の注意とその
理由
4.用法・用量に関連する
該当なし
使用上の注意とその
理由
5.慎重投与内容とその
理由
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)本人又は両親・兄弟に他の薬物に対するアレルギー、蕁麻疹、気管
支喘息、アレルギー性鼻炎又は食物アレルギー等のある患者
(2)血液の異常又はその既往歴のある患者〔症状が悪化又は再発するお
それがある。〕
(3)肝障害又はその既往歴のある患者〔症状が悪化又は再発するおそれ
がある。〕
(4)腎障害又はその既往歴のある患者〔症状が悪化又は再発するおそれ
がある。〕
(5)消化性潰瘍のある患者〔症状を悪化させることがある。〕
(6)潰瘍性大腸炎の患者、クローン病の患者〔症状を悪化させることが
ある。〕
(7)心臓障害のある患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
−13−
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
6.重要な基本的注意と
その理由及び処置方法
(1)サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国におい
てサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告が
あるので、本剤を 15 歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与し
ないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与
し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。
[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等の
ウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)
と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・
ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低
プロトロンビン血症、低血糖症等の症状が短期間に発現する高死亡率
の病態である。]
(2)ショックを起こすことがあるので、経口投与が不可能な場合又は緊急
に鎮痛が必要な場合にのみ投与を考慮すること。なお、本剤の使用に際
しては、常時直ちに救急処置のとれる準備をしておくことが望ましい。
(3)ショック等の反応を予測するため、十分な問診を行い、投与後少な
くとも 10 分間は患者を安静な状態に保たせ、観察を十分に行うこと。
(4)発熱を伴う患者に対し解熱を目的として使用しないこと。
(5)本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
原因療法があればこれを行う。
(6)感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して
用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与
すること。
(7)他の解熱鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
(8)小児及び高齢者には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用
にとどめるなど慎重に投与する。
7.相互作用
(1)併用禁忌とその理由
該当資料なし
−14−
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(2)併用注意とその理由
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・
措置方法
機序・危険因子
クマリン系抗凝血剤 ク マ リ ン 系 抗 凝
サリチル酸製剤(アスピリン等)は
ワルファリン
血剤の作用を増
血小板凝集抑制作用による出血作
強することがあ
用を有する。また、本剤の成分であ
るので、減量する
るサリチル酸ナトリウム又はアロ
など慎重に投与
バルビタールは、血漿蛋白に結合し
すること。
たクマリン系抗凝血剤と置換し、こ
れらの薬剤を遊離させる。
糖尿病用剤
糖尿病用剤の作
サリチル酸製剤(アスピリン等)
インスリン製剤
用を増強するこ
は血漿蛋白に結合した糖尿病用
及び
とがあるので、減
剤と置換し、これらの薬剤を遊離
トルブタミド
量するなど慎重
させる。
に投与すること。
ドキシサイクリン ド キ シ サ イ ク リ
本剤の成分であるアロバルビタ
ンの抗菌作用が
ールがドキシサイクリンの代謝
減弱することが
を促進し、血中濃度半減期を短縮
ある。併用する場
させるおそれがある。 10)11)
合には、用量に注
意する。
−15−
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
8.副作用
(1) 副作用の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施してい
ない。
1) 重大な副作用と
初期症状
(1)重大な副作用(頻度不明)
①ショック:ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、
胸内苦悶、血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸困難等があらわれ
た場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
②皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、中毒性表皮壊死症
(Lyell 症候群)、剥脱性皮膚炎:これらの副作用があらわれるこ
とがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与
を中止し、適切な処置を行うこと。
③再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少:これらの副作用があら
われることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合
には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
④黄疸:黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常
が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
⑤急性腎不全:急性間質性腎炎等により急性腎不全があらわれること
があるので、乏尿、血尿等の症状および蛋白尿、BUN・血中クレ
アチニン上昇、高カリウム血症等の検査所見が認められた場合には
直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)その他の副作用
(2)その他の副作用
頻度
頻度不明
分類
過敏症 注1)
血
液 注2)
精神神経系 注3)
肝
臓 注1)
発疹、紅斑、浮腫、小疱性角膜炎、結膜炎、そう痒感
血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、貧血、プロトロ
ンビン時間の延長
耳鳴、難聴、めまい
AST(GOT)・ALT(GPT)・Al−P の上昇
消化器
胃痛、食欲不振、悪心・嘔吐、消化管出血
その他
頭痛、倦怠感、血清葉酸値の低下 12)
注1):このような場合には投与を中止すること。
注2):このような場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注3):このような場合には減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
−16−
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
(2)項目別副作用発現頻
該当資料なし
度及び臨床検査値異常
一覧
(3)基礎疾患、合併症、 該当資料なし
重症度及び手術の有無
等背景別の副作用発現
頻度
(4)薬物アレルギーに対
する注意及び試験法
1)警告:重篤なショックをおこすことがある。使用上の注意に特に留意
すること。
2)禁忌:本剤又はサリチル酸系化合物(アスピリン等)及びピラゾロン
系化合物(スルピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
3)慎重投与:本人又は両親・兄弟に他の薬物に対するアレルギー、蕁麻
疹、気管支喘息、アレルギー性鼻炎又は食物アレルギー等のある患者
4)重要な基本的注意:
①ショックを起こすことがあるので、経口投与が不可能な場合又は緊
急に鎮痛が必要な場合にのみ投与を考慮すること。なお、本剤の使
用に際しては、常時直ちに救急処置のとれる準備をしておくことが
望ましい。
②ショック等の反応を予測するため、十分な問診を行い、投与後少なく
とも 10 分間は患者を安静な状態に保たせ、観察を十分に行うこと。
5)重大な副作用(頻度不明)
ショック:ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、胸
内苦悶、血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸困難等があらわれた場
合には投与を中止し、適切な処置を行うこと
6)その他の副作用
頻度
頻度不明
分類
過敏症 注1)
発疹、紅斑、浮腫、小疱性角膜炎、結膜炎、そう痒感
注 1):このような場合には投与を中止すること。
9.高齢者への投与
一般的に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する
こと。
−17−
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
10.妊婦、産婦、授乳婦
等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔ス
ルピリン水和物及びサリチル酸ナトリウムは動物実験で催奇形作用
が報告されている。〕
(2)分娩前に連用した場合、出産後新生児に禁断症状(多動、振戦、反
射亢進、過緊張等)があらわれることがある。
(3)スルピリン水和物を妊娠末期に投与したところ、胎児循環持続症(P
FC)が起きたとの報告がある。
(4)スルピリン水和物及びサリチル酸系製剤(アスピリン)13)を妊娠末
期のラットに投与した実験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されてい
る。
(5)授乳中の婦人には、投与中は授乳を避けさせること。〔スルピリン
水和物は母乳中へ移行することが報告されている。〕
11.小児等への投与
12.臨床検査結果に及ぼ
小児に対する安全性は確立していない。
該当なし
す影響
13.過量投与
14.適用上及び薬剤交付
時の注意(患者等に留
意すべき必須事項等)
該当資料なし
(1)投与経路:皮下・筋肉内投与にのみ使用すること。
(2)皮下・筋肉内投与時:注射部位に疼痛、硬結をみることがあるため、
投与にあたっては、下記の点に注意すること。
1)筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
2)注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与すること。
3)くりかえし注射する場合には、同一注射部位を避けること。
4)注射針刺入時、激痛を訴えたり、血液の逆流を見た場合は、直ち
に針を抜き、部位を変えて注射すること。
(3)投与時及び投与後:使用に際し、副作用防止のため患者の全身状態
の観察を十分に行うこと。
(4)アンプルカット時:本剤はワンポイントカットアンプルであるが、
アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットする
ことが望ましい。
15.その他の注意
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期投与されている女性において、一時的
な不妊が認められたとの報告がある。
−18−
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
16.その他
長期・大量投与
できるだけ長期連用を避けること。〔過呼吸、貧血、腎障害、肝障害があ
らわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止
すること。〕
−19−
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.一般薬理
(1)体温に及ぼす影響 14)
マウスによる発熱体温及び正常体温に及ぼすザルソカイン注 10mL の
影響を検討した。発熱体温では体温を降下させ、正常体温に対しては成
分中のカフェイン水和物の中枢興奮作用による軽度の体温上昇傾向が
みられた。
(2)心電図及び血圧に及ぼす影響 15)
家兎にザルソカイン注 10mL を静脈内投与し、心電図および血圧に及ぼ
す影響を検討したところ、比較的大量投与でも著変はみられなかった。
(3)脳波及び呼吸に及ぼす影響 16)
家兎にザルソカイン注 10mL を静脈内投与し、脳波および呼吸に及ぼす
影響を検討したところ、比較的大量投与においても著変をみなかった。
2.毒
性
(1)単回投与毒性試験
急性毒性 17)
雄性マウスを用いてザルソカイン注 10mL ならびに配合各成分の腹腔内
(i.p)および静脈内 (i.v)投与により急性毒性試験を行った。結果は下記に
示すとおりで、ザルソカイン注 10mL のLD 50 は腹腔内投与で 946
mg/kg (注射液として 13.14 mL/kg)、静脈内投与で 813 mg/kg(注射液
として 11.29 mL/kg)であり、配合各成分の単独投与と比較して特に配合
による急性毒性の増加は認められなかった。
ザルソカイン注10mLのLD50値
成分名
LD 50(mg/kg)
腹腔内
静脈内
サリチル酸ナトリウム
618
560
スルピリン水和物
3,600
2,990
カフェイン水和物
278
106
アロバルビタール
219
218
プロカイン塩酸塩
171
50.8
ザルソカイン注10mL
946
813
サリチル酸ナトリウム
スルピリン水和物
カフェイン水和物
アロバルビタール
プロカイン塩酸塩
−20−
460
329
131
13
13
395
282
113
11.3
11.3
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
(2)反復投与毒性試験
亜急性毒性 17)
雌雄のラットを用いてザルソカイン注10mLを 14.4 mg/kg からその 30倍
量までの 6段階の投与量で 3カ月間連続腹腔内投与し、一般状態、体重、
血液学的検査、血清の生化学的検査、尿検査、臓器重量、剖検および病
理組織学的検査の各項目において対照群(生理食塩液のみを投与)と比
較検討した。
ザルソカイン注10mLの使用可能の上限は 360 mg/kgで、最大無作用量(安
全量)は 288 mg/kgであるといえる。
(3)生殖発生毒性試験
該当資料なし
(4)その他の特殊毒性
免疫抗体産生能 18)
Ouchterloney 寒天板法において、免疫抗体産生能を検討したところ、配
合成分であるサリチル酸ナトリウムおよびスルピリン水和物には抗体産
生能は認められない。
−21−
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
1.有効期間又は使用期限
使用期限: 3 年
2.貯法・保存条件
室温・しゃ光保存
3.薬剤取扱い上の注意点
規制区分:劇薬、指定医薬品、習慣性医薬品(注意−習慣性あり)、向精神薬、
処方せん医薬品(注意−医師等の処方せんにより使用すること)
4.承認条件
5.包
装
該当しない
10mL×50 管
6.同一成分・同効薬
7.国際誕生年月日
不明
8.製造販売承認年月日及
製造販売承認年月日:2007 年 8 月 31 日(販売名変更に伴う代替新規承認)
び承認番号
承
認
番
号:21900AMX01294000
9.薬価基準収載年月日
2007 年 12 月 21 日(変更銘柄名での収載日)
10.効能・効果追加、用
該当しない
法・用量変更追加等の
年月日及びその内容
11.再審査結果、再評価
1993 年9月8日に医薬品再評価結果平成5年度(その1)で公示済み。
結果公表年月日及びそ
の内容
12.再審査期間
該当しない
13.長期投与の可否
該当しない
14.厚生労働省薬価基準
1146400A1039
収載医薬品コード
15.保険給付上の注意
特になし
−22−
ⅩⅠ.文献
ⅩⅠ.文
献
1.引用文献
1)L.S.Goodman and A.Gilman(Ed.):The Pharmacological Basis of
Therapeutics,5th Ed.,331(1975)
2)蒔田光郎他:基礎と臨床,10,1779(1976)
3)宇治製薬(株) ザルソカイン文献集(1977)
4)J.T.Wilson, et al.:Clin.Pharmacol.Ther.,23,635-643(1978)
5)M.Volz,et al.:Br.J.Clin.Pharmacol.,10,299S-308S(1980)
6)H.Herbert,et al.:J.Biol.Chem.,228,315 (1957)
7)D.J.Harry,et al.:Drug.Metab.Dispos.,5,527-546(1977)
8)T.Tsuchiya,et al.:J.Pharm.Sci.,61,800-801(1971)
9)O.Christ,et al.:Arzneim-Forsch.,23,1760-01767(1973)
10)Penttila,O.,et al.:Brit.Med.J.,2,470(1974)
11)Neuvonen,P.J. and Penttila,O.:Brit.Med.J.,1,535(1974)
12)岸高正他:日本小児科学会雑誌,99(1),122(1995)
13)門間和夫他:小児科の進歩,2,95(1983)
14)宇治製薬(株) ザルソカイン文献集(1977)
15)宇治製薬(株) ザルソカイン文献集(1977)
16)宇治製薬(株) ザルソカイン文献集(1977)
17)伴康近他:基礎と臨床,12 (8),1868 (1973)
18)福田雅武:基礎と臨床,14(5),1070(1980)
2.その他の参考文献
該当なし
−23−
ⅩⅡ.参考資料
ⅩⅡ.参考資料
主な外国での発売状況
該当しない
−24−