(平成17年度~平成21年度)(PDF:462KB) - 防衛省

防衛省特定事業主行動計画
防衛省特定事業主行動計画
「仕事と子育ての両立支援プラン
「仕事と子育ての両立支援プラン
~みらいを支えるために~」
~みらいを支えるために~」
一部改正
平成17年3月30日
防 衛 庁 長 官
防衛施設庁長官
平成19年1月 9日
平成20年9月22日
1.策定の趣旨
我が国における急速な少子化の進行を踏まえ、次代の社会を担う子どもたちが健
やかに生まれ、かつ、育成される社会の形成に資するために、平成15年7月に『
次世代育成支援対策推進法』が成立した。
防衛省等の国の機関や地方公共団体は、一つの事業主としての立場から、所属す
る職員の子どもたちの健やかな育成についての役割を果たしていかなければならな
い。
次世代育成支援対策推進法では、このような考え方から、国の機関や地方公共団
体を『特定事業主』と定め、所属する職員の子どもたちの健やかな育成のための行
動計画(特定事業主行動計画)を策定するよう求めている。
防衛省・自衛隊は、我が国の防衛を主たる任務としつつ、近年においては、イラ
ク人道復興支援活動、テロ特措法に基づくインド洋での支援活動、ゴラン高原での
国際平和協力業務、スマトラ沖大地震に伴う復興支援活動、新潟県中越地震や台風
の風水害等に伴う災害派遣等、多種・多様な役割へ迅速に対応することが求められ
ている。
本行動計画は、次世代育成支援対策推進法に基づき定められた行動計画策定指針
に掲げられた事項を踏まえつつ、防衛省・自衛隊における勤務の特殊性を考慮して、
職員が、職業生活と家庭生活を両立させ喜びをもって子育てをしていくことができ
るような勤務環境等を整備するために策定したものである。
本行動計画を実行するに当たっては、生活環境や価値観等が異なる職員それぞれ
が、次世代育成支援対策推進法の目的である『少子化の流れを変えること、次代の
社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、育成されること』の重要性を理解し、現
実的には、子育てをする職員やその勤務環境等に関心を持ち、職員が互いに助け合
い、支え合う気持ちを持って、子育てをする職員をサポートすることが必要である。
本行動計画に基づき、職員が将来に夢と希望を持ち、職業生活と家庭生活の両立
に不安を抱くことなく、安心と喜びを持って、子どもを育てていくことができるよ
うな勤務環境等を整えるために、防衛省・自衛隊を挙げて取組を推進させていく。
2.計画期間
次世代育成支援対策推進法は平成17年度から平成26年度までの10年間の時
限法であるが、本計画は、その前半の期間である平成17年4月1日から平成22
年3月31日までの5年間を計画期間とし、概ね3年ごとに見直しを行うこととす
る。また、本計画には、達成すべき又は努力すべき目標とその時期を具体的に明示
した。
3.推進体制
本計画を策定し推進するため、人事教育局長を委員長とし、内局・各機関等にお
いて人事・厚生等を担当する課長クラスを構成員とした「防衛省次世代育成支援対
策推進委員会」を設置した。推進委員会では、本計画を策定するほか、各年度にお
ける同計画の実施状況を把握・点検し、その後の計画の実施及び見直しに反映させ
ることとしている。
本計画を策定するに当たり、平成16年12月に、①防衛庁・自衛隊の職員約12
,000名を対象にした『職業生活と家庭生活の両立を支援するための育児休業、特
別休暇制度の活用状況等』及び②防衛庁・自衛隊の女性職員約16,000名を対象
にした『庁内託児施設の設置』に関するアンケート調査を実施した。
今般のアンケート調査結果のうち、高い回答割合になっているものは、
①子どもの看護のための特別休暇制度を知らない。[85%]
②育児休業制度をほとんど知らない。[50%]・部分休業制度をほとんど知ら
ない。[75%]
③母性保護及び母性健康管理の観点から設けられている通勤緩和等のための特別
休暇制度を知らない。[63%]
④年次休暇を取得することにためらいを感じる。[63%]
⑤結婚して子どもが生まれた後も、育児休業の取得や子どもを託児施設に預けて
、仕事を続けたい。[62%]
⑥庁舎内託児施設はあった方がよい。[90%]
⑦公務員宿舎の貸与が子育てに必要な要素と考える。[75%]
等であった。
また、具体的な意見としては、「制度を普及し周知させることにより職場や各人の
認識を向上させ、理解ある環境を作って欲しい」等が多く見られた。
このような状況を踏まえれば、人事諸制度の周知徹底や職員の意識改革を図ること
、勤務の特殊性に配慮して職員の処遇改善を図ることにより一層の努力が必要である
ことは言うまでもない。このため、アンケート調査結果や人事諸制度、福利厚生事業
内容等を防衛省ホームページに掲載するとともに、これらを小冊子にして全職員に配
布することとする。また、本計画には、達成すべき又は努力すべき目標とその時期を
明示し、その達成状況を客観的に判断できるようにするとともに、これを達成するま
でフォローアップしていくことにより、担当部局や職員の意識改革を図ることとする
。
本計画では、その具体的な内容を、①職業生活と家庭生活の両立を支援するための
人事諸制度の活用、②新たな人事諸制度の検討、③制度を活用しやすい職場の環境整
備、④施設面における環境の整備等、⑤その他の事項とに区別して記述した。
1.職業生活と家庭生活の両立を支援するための人事諸制度の活用
職員の職業生活と家庭生活の両立を支援するための人事諸制度を周知徹底させ
るとともに、職場の意識改革や職場の雰囲気作りを醸成させ、制度の活用を促進
させる。
(1)現行の人事諸制度の周知徹底等
母性保護のための女性職員の特別休暇制度、育児休業・育児時間制度、妻の産
前産後の期間における育児のための男性職員の特別休暇制度、妻が出産する際の
男性職員の特別休暇制度及び子どもの看護休暇制度等並びにアンケート調査結果
について、防衛省ホームページに記事を掲載するとともに、制度の内容や育児休
業、特別休暇の取得例等を解説した小冊子を平成18年3月に、更に平成20年
3月には改訂版を、全職員に配布して周知徹底を図り、制度の活用を促進してき
た。
また、職業生活と家庭生活の両立を支援するための人事諸制度やその運用例等
子育ての参考となる情報を提供する窓口を各機関に設置した。
[平成21年度までの目標]
引き続き、防衛省ホームページや小冊子を利用して、制度の周知や利用の促進
を図る。
(参考)
○
母性保護のための特別休暇は、「妊娠中又は出産後1年以内の女性職員が保健指導又
は健康診査を受ける場合、その必要な時間」、「妊娠中である女性職員の業務が母体又
は胎児の健康保持に影響があり休憩等することが必要な場合、その必要な時間」、「妊
娠中の女性職員が利用する交通機関の混雑の程度が母体又は胎児の健康保持に影響があ
ると認められる場合、1日について1時間を超えない範囲」での休暇取得が可能な制度
となっている。
○
職員の休暇や勤務時間等の人事諸制度(施行規則・訓令・通達・通知)は、防衛省ホー
ムページ の情報検索サービスを活用して閲覧が可能となっている。
○
アンケート結果によれば、「子どもの看護休暇制度を知らない(85%)」、「育児
休業制度をほとんど知らない(50%)」、「部分休業制度をほとんど知らない(75
%)」、母性保護を目的とした「保健指導等のための休暇制度をほとんど知らない(5
5%)」・「母体又は胎児の健康保持のための休暇制度をほとんど知らない(50%)
」・「通勤緩和のための休暇制度をほとんど知らない(63%)」等が高い回答割合に
なっている。
(2)職員の育児休業・育児時間の取得促進
職業生活と家庭生活の両立を目指すためには、職員が必要な時に必要な期間又
は時間の育児休業等が取得できるようにすることが重要である。
特に、男性職員の育児休業等の取得率は極めて低くなっていることから、男性
職員が積極的に育児休業等を取得して、母親等の家族とともに子育てに参加する
ことができるよう、「男性は仕事、女性は家庭という考え方から、男性は仕事に
加えて家庭も」という考え方への職場の意識改革や職場の雰囲気作りを醸成させ
る。また、女性職員の育児休業の取得率の維持にも努める。
職員は親になることが分かったら、速やかに、管理者や庶務担当者に申し出る
とともに、管理者等は、職員に対し、小冊子等を活用して制度を周知させるとと
もに、必要に応じて育児休業等を取得するよう勧める。
[平成21年度までの目標]
育児休業の取得促進
男性職員の取得率
0.01%(15年度)⇒ 5%
女性職員の取得率 89.54%(15年度)⇒90%(現状維持に努める)
なお、平成19年度の育児休業取得率の調査結果では、女性職員は既に目標で
あった90%を超えており、育児休業の取得が定着してきているといえるが、男
性職員にあっては0.1%に留まっており、男性職員に対し、育児休業の取得に
ついてより一層の周知徹底を図るとともに、取得しやすい環境の醸成に努める。
(参考)
○
育児休業等は、子どもが3歳に達するまで育児休業をすることができるとともに、子
どもが小学校就学の始期に達するまで、1日を通じて2時間を超えない範囲内で育児時
間を取得することができる制度となっている。特に、男性職員は、妻の産前・産後期間
中は、妻の就業にかかわりなく育児休業等を取得することができる。また、夫婦がとも
に職員である場合は、交代で育児時間(夫が出勤時、妻が退庁時等)を取得することも
可能である。
○
平成15年度中に新たに取得可能となった職員の育児休業(部分休業)の取得状況は
、女性職員が89.54%(1.54%)、男性職員が0.01%(0.01%)とな
っている。なお、男性職員の育児休業及び部分休業の取得者(取得可能者)は各々1名(
7,550名)である。
○
平成15年度の一般職における育児休業の取得状況は、女性職員が92.2%、男性
職員が0.5%となっており、防衛省は一般職に比べ、特に、男性職員の育児休業の取
得率が低くなっている。
○
我が国に限らず、殆どの先進国が少子化の傾向となっているが、北部ヨーロッパのア
イルランド、アイスランド、ノルウエー、西部ヨーロッパのフランス、北アメリカのア
メリカが比較的高い出生率の水準を維持している。出生率の高い国は、女性の労働力率
や女性の社会進出指数(GEM:ジェンダー・エンパワーメント指数。女性が政治・経
済活動に参加し、意思決定に参加できるか否か測定したもの。)が、高いという傾向が
見られる。
また、出生率の高い国では、男性の家事・育児分担度合いが高い(例えばノルウエー
、アメリカ、フランスの男性の家事時間割合は35~40%で、日本は7%)という傾
向が見られる。
我が国の少子化対策においては、出生力低下の要因ともなっている女性の育児に対す
る孤立感や疲労感を解消するため、男性の子育て参加の促進が必要であるとしている。
国
名
アメリカ
アイルランド
アイスランド
フランス
ノルウエー
日本
出
生
2.01
1.97
1.93
1.88
1.75
1.32
率
女性の労働力率(%)
60.1
47.6
47.8
69.6
48.5
※
※
女性の社会進出指数(順位)
0.760
(10)
0.683
(16)
0.847
(1)
0.847
(2)
0.515
(44)
注1:出生率とは、一人の女性が生涯何人の子どもを生むかを示す数字。
注2:労働力率は、15歳以上人口に占める15歳以上労働人口の割合(アメリカは16歳以上、ノルウェーは1
6歳以上74歳以下。)。
注3:2002年(GEMは2003年)のデータ。ただし、※は2001年のデータ。
注4:順位は、GEM測定可能な70か国中の順位。
注5:出典は、厚生労働省人口動態統計、総務省労働力調査、ILO(労働統計年鑑)、UNDP(人間開発報告
書)等。
○
アンケート結果によれば、育児休業制度又は部分休業制度を「ほとんど知らない」と
回答した男性職員の割合は、各々47%、68%となっている。
また、今後、男性職員が育児休業を取得できる要件を満たした場合の育児休業の取得
希望については、「積極的に又はできるだけ取得したい(40%)」と回答した者と「
仕事の状況次第でわからない(36%)と回答した者はほぼ同数となっている。
(3)妻の産前産後の期間における育児のための男性職員の特別休暇及び年次
休暇の取得促進
男性職員の妻の産前産後の期間(産前6週間前~産後8週間まで)に、出産に
係る子ども又は上の子ども(小学校就学前)の養育のため、特別休暇や年次休暇
が取得できるように職場の意識改革や職場の雰囲気作りを醸成する。
男性職員は、妻の産前産後の期間における育児のために、特別休暇等を最低5
日以上取得するよう努める。
管理者や庶務担当者は、職員に対し、小冊子等を活用して制度を周知させると
ともに、必要に応じて休暇を取得するよう勧める。
[平成21年度までの目標]
特別休暇等5日以上の取得(勤務等により休暇取得が困難な者を除く。(以下
、特別休暇等の適用は同じ。))⇒100%
(参考)
○
この制度は、平成17年1月1日に新設されたものであり、妻の産前産後の期間にお
いて5日の範囲内で特別休暇の取得が可能(日又は時間を単位としての休暇取得が可能
)である。
(4)妻が出産する際の男性職員の特別休暇及び年次休暇の取得促進
男性職員の妻が出産するための入院の付添い等のために、特別休暇及び年次休
暇が取得できるように職場の意識改革や職場の雰囲気作りを醸成する。
男性職員は、妻が出産するための入院の付添い等のための特別休暇等を最低2
日以上は取得するよう努める。
管理者や庶務担当者は、職員に対し、小冊子等を活用して制度を周知させると
ともに、必要に応じて休暇を取得するよう勧める。
[平成21年度までの目標]
特別休暇等2日以上の取得⇒100%
(参考)
○
この制度は、従来、暦日で2日の範囲内での休暇取得を可能にしていたが、男性職員
が家庭責任を果たすことを支援するため、平成17年1月1日より、休暇の取得事由を
拡大し、入退院の付添いのほか、出産の付添いや出生届等の場合にも休暇取得を可能に
するとともに日に加え時間を単位にした休暇の取得を可能にしたところである。
○
アンケート結果によれば、妻が出産する際、入院の付き添い等のためのに男性職員が
特別休暇や年次休暇を「取得しなかった(47%)」と回答した者と、「5日未満だが
取得した(40%)、5日以上取得した(13%)(合計53%)」と回答した者はほ
ぼ同数となっている。
(5)子どもの看護休暇(特別休暇)の取得促進
子どもの看護休暇制度のより一層の周知徹底を図るとともに、看護休暇が取得
できるように職場の意識改革や職場の雰囲気作りを醸成する。特に、制度を知ら
ないことにより看護休暇が取得できないことのないように、管理者や庶務担当者
は、職員に対し、小冊子等を活用して制度を周知させるとともに、必要に応じて
休暇を取得するよう勧める。
[平成21年度までの目標]
看護休暇取得可能者の看護休暇1日以上の取得⇒100%
(参考)
○
この制度は、従来、小学校就学の始期に達するまでの子ども(配偶者の子を含む。)
を養育する職員が、その子どもの看護(負傷し、又は疾病にかかったその子どもの世話
を行うことをいう。)のため、暦日で5日の範囲内での看護休暇の取得を可能にしてい
たが、子育てを行う職員の看護休暇の重要性に鑑み、職員の弾力的な休暇取得を可能に
するため、平成17年1月1日より、5日の範囲内であれば、日に加え時間を単位にし
た休暇の取得を可能にしたところである。
○
アンケート結果によれば、子どもの看護休暇制度を「知らない(85%)」と回答し
た者が「知っている(15%)」と回答した者を大きく上回っている。
(6)育児休業を取得した職員の円滑な職場復帰
育児休業を取得した職員が職業生活と家庭生活の両立に不安を抱くことなく、
円滑に職場復帰できることは、育児休業の取得促進を図る上では重要な要素であ
る。このため、管理者をはじめとする職場の職員は、電子メール等の手段により
、育児休業職員との連絡を密にして、業務又は職場に関する情報を可能な限り提
供して、職員が職務復帰する際の不安の除去に努める。
[平成21年度までの目標]
育児休業中の職員に対する情報提供の促進
電子メール・電話等を活用して職場等の情報を定期的に提供
(参考)
○
育児休業中の職員に対しては、電話等の手段により職場等に関する情報を提供してい
る。
○
アンケート結果によれば、育児休業を取得したことのある職員が最も不安と感じてい
たことは、「業務に関すること(54%)」、「昇進等に関すること(12%)」、「
職場の理解に関すること(16%)」、「経済的な問題に関すること(18%)」であ
り、70%の者が業務や職場に関して不安を感じていたと回答している。
(7)育児休業取得時の代替要員等の確保
本施策の推進にあたっては、代替要員等の確保が重要であり、実効性のある対
策を早急に講じる必要がある。
育児休業取得時の代替要員等については、後任者の配置、任期付採用、臨時的
任用、非常勤職員の採用等のあらゆる手段を検討し、適切な確保に努める。
人事担当部局及び管理者は、職員が不安なく育児休業を取得できるよう、代替
要員等の確保に当たり、事務引継等に必要な期間の確保に努める。
平成19年9月には、自衛官に対しても元自衛官から代替要員を採用するとい
う育児休業代替要員制度を制定したところであり、引き続き、パンフレット等を
活用して情報提供に努め、制度の普及を図る。
パンフレットや防衛省ホームページ等を活用し、情報提供に努め、制度の普及
を図る。
(参考)
○
平成15年度の育児休業取得者は、自衛官は533名、事務官等は144名であり、
その平均取得日数は、自衛官は230日(約8か月)、事務官等は287日(約10か
月)となっている。事務官等の場合、10月以上の比較的長期の育児休業を取得した者
は、取得者全体の59%となっており、また、育児休業期間における代替要員等の確保
(後任者の配置、任期付採用、臨時的任用、非常勤の採用等)については、取得者全体
の29%を対象に実施しており、これは、長期休業者の約5割に当たる。
(8)福利厚生事業内容の周知徹底
職員の福利厚生事業は、防衛省共済組合が、職員(組合員)やその被扶養者の
生活の安定と福祉の向上に寄与すること等を目的として共済組合事業として実施
している。
厚生担当部局、管理者や庶務担当者は、職員に対して、組合員又は被扶養者が
出産したときの出産費や出産費附加金の支給、組合員が出産、育児や介護のため
に勤務できないときの出産手当金、育児休業手当金や介護休業手当金の支給事業
の内容及び必要な事務手続きを共済組合広報誌等により周知させているところで
あり、引き続き全職員を対象とした新たな普及広報を推進して、手当金等の受給
を迅速に行う。
[平成21年度までの目標]
防衛省共済組合のホームページの更なる活用(携帯サイトの開設等)により、
福利厚生事業内容の周知徹底
全職員に対し、共済組合が行う各種福利厚生事業を網羅した小冊子「共済のし
おり」を配布
(参考)
○
組合員又は被扶養者が出産したときは、出産費(35万円)と出産費附加金(2万円
)又は家族出産費(35万円)と家族出産費附加金(2万円)が支給される。
また、組合員が出産、育児や介護のため勤務することができなかったときは、
・出産手当金:1日につき標準報酬日額(標準報酬月額の1/22)の2/3に相当する
額
・育児休業手当金:1日につき標準報酬日額(標準報酬月額の1/22)の50/100
に相当する額
・介護休業手当金:1日につき標準報酬日額(標準報酬月額の1/22)の40/100
に相当する額
が支給される。
○
アンケート結果によれば、職員又は配偶者が出産した場合に、共済組合から出産費が
支給されることについて「詳しく知っている(22%)」、「概要程度は知っている(
58%)」、「ほとんど知らない(20%)」との回答割合になっている。
2.新たな人事諸制度の検討
一般職における新たな人事諸制度導入の検討状況を注視しつつ、職員の休暇や
勤務時間等に関する人事諸制度を弾力化・多様化し、職業生活と家庭生活の両立
支援の推進を図るため、新たな人事諸制度の検討を行う。
(1)子育て等を行う職員への早出遅出勤務の適用
平成18年6月に、自衛官を含め省内全組織において早出遅出勤務(始業時間
は午前7時以降、終業時間は午後10時以前)が導入されたところであり、子育
てや介護を行う職員の福祉の増進、公務能率の向上を図るため、子育て等を行う
職員に早出遅出勤務を推進する。
職員及び人事担当者への制度の周知徹底を行い、制度利用者の増加に努める。
(2)在宅勤務制度
在宅での勤務を選択することにより、業務の効率化や成果の向上が見込まれる
場合には、在宅での勤務を正規の勤務とみなす新制度の導入に向けた試行を実施
する。
新制度導入の可否の検討
試行による新制度の導入に伴う問題点等の把握⇒一般職の検討状況を注視
(参考)
○
一般職における検討状況を踏まえつつ、防衛省において在宅勤務制度を取り入れる場
合、どの様な機関、職種が可能となるのか、また、勤務時間管理上等の問題点を把握す
るために特定の機関・部署において在宅勤務制度を試行する。
○
e-Japan戦略Ⅱ(平成15年7月2日IT戦略本部決定)においては、「IT
を活用し、国民がそれぞれの人生設計に対応した多様な就労形態を選択することにより
、就業において、一人ひとりが創造的な能力を最大の能率で発揮しうる社会を実現する
」こととされており、そのための方策の一つとして、テレワークに関する環境整備が位
置付けられている。また、このような社会の実現は、「ひいては、就業と家事・育児・
介護の両立が可能となるなど、男女が共同して参画する社会の実現に資する」ものと考
えられている。また、テレワーク実施に関する考え方(指針)においては、テレワーク
を実施する際には、情報システムのセキュリティに対する配慮や確保について十分に留
意する必要があるとしている。
3.制度を活用しやすい職場の環境整備
職員に対する教育・研修等を通じて、制度を活用しやすい職場の環境作りに取
り組むという意識の啓発を図るとともに、子育て中の職員に対する人事的な配慮
、超過勤務の縮減や年次休暇の取得促進を図る。
(1)職員に対する教育・研修等
中級・上級の幹部職員を対象とした教育・研修の機会を捉えて、育児休業等の
人事諸制度、福利厚生事業内容等に関する資料を配付して、制度等の周知を図る
とともに、配下の職員が育児休業等を取得し易い職場の環境作りに管理者が自ら
取り組むという意識の啓発を図る。さらに、初級・中級クラスの職員を対象にし
た教育・研修や初任者研修等においても、制度を積極的に活用することができる
職場の環境作りを行うという意識の啓発を図る。
[平成21年度までの目標]
さらに、次世代育成支援対策等を進めるため、教育や研修のみならず、様々な
機会を捉えて制度の周知徹底を図るとともに、管理者の意識の啓発を図る。
(参考)
○
指揮幕僚課程、幹部特修課程、上級幹部研修、上級研修、中級研修及び初任研修等に
おいて、人事諸制度等に関する内容の教育・研修を実施している。(年間約1,660
コース・51,000名)
(2)異動や配置換等についての人事的な配慮
人事担当部局は、意向カード等に職員の子育て等に伴う異動や配置換、研修受
講等に関する人事的な配慮の希望を具体的に記入させ、より一層の身上把握に努
め、職員の子育て等の状況に応じた、きめの細かな人事的な配慮を行うよう努め
る。
[平成21年度までの目標]
既に意向カードの様式を一部改正するなど、子育て等を行う職員に対して人事
的な配慮を実施。引き続き、子育て等の家庭事情に配慮するよう努める。
(参考)
○
当省では、職員の家族状況、住宅状況、職務内容、転勤や配置換の希望の有無、その
他の人事的な配慮の希望の有無等を把握するため、年1回、意向カード等を作成すると
ともに、必要に応じて面談等を実施して、職員の身上把握に努め、その上で必要な人事
を適切に行っている。
(3)超過勤務の縮減
超過勤務縮減キャンペーン週間(10月の第1週)を通じて、超過勤務縮減の
より一層の推進を呼び掛けるとともに、引き続き、毎週水曜日の全省庁一斉定時
退庁日、毎週金曜日の防衛省定時退庁日に庁内放送により定時退庁を呼び掛ける
。
また、会議、打ち合わせ等については極力電子メール、電子掲示板を活用する
等、事務の簡素・合理化に努める。
管理者等は、部下が定時退庁しやすい職場環境を醸成するとともに、自ら率先
して定時退庁する等、計画の実行に努める。
(参考)
○
超過勤務の縮減対策として、「国家公務員の労働時間短縮対策」(平成4年12月9
日人事管理運営協議会決定。最終改正平成15年9月26日)に掲げられている事項(
①定時退庁日に職員に対して、定時退庁日である旨を庁内放送により周知・徹底、②管
理職員による早期退庁の督励、③管理職員自ら率先して退庁すること等)を実施するこ
ととしている。
(4)年次休暇の取得促進
年次休暇については、計画的に連続した休暇を取得する場合、特定の時期・曜
日に取得が必要となる場合や子ども病気等の理由により突発的な取得が必要とな
る場合等、職員個々のニーズにはさまざまなものがある。いずれの場合でも、躊
躇なく休暇(前述の特別休暇を含む。)が取得できるよう、休暇計画表を作成す
る等して、休暇取得の促進に努める。
管理者や庶務担当者は、職員の休暇計画を関係職員に周知させるとともに、文
書等の情報の電子・共有化の推進や休暇中の職員の業務を他の職員に割り振る等
の措置により、業務が滞ることのないよう配慮しつつ、より一層の休暇取得の促
進を図る。
[平成21年度までの目標]
休暇取得の促進
年次休暇の平均取得日数9.6日(15年)⇒15日以上
(参考)
○
平成15年における職員1人当たりの年次休暇の平均取得日数は、9.6日(事務官
等12.8日、自衛官8.8日)となっており、また、夏季(平成15年7月~9月末)
における年次休暇・夏季休暇の職員1人当たりの平均取得日数は5.3日(うち夏季休
暇日数2.9日)となっている。
○
平成15年における一般職の職員1人当たりの年次休暇の平均取得日数は、11.0
日となっており、また、夏季における年次休暇・夏季休暇の職員1人当たりの平均取得
日数は6.2日となっている。
○
年次休暇の取得率が高い省庁においては、職員1人当たりの年次休暇の平均取得日数
は約15日となっている。
○
アンケート結果によれば、年次休暇を取得することに「ためらいを感じる(20%)
」、「多少ためらいを感じる(43%)」、「ためらいは感じない(37%)」として
おり、ためらいを感じると回答した者の74%が「みんなに迷惑がかかる」又は「職場
の雰囲気で取得しづらい」等と回答している。
4 .施設面における環境の整備等
職員の職業生活と家庭生活の両立を支援するため、施設面における環境の整備
を図る。
(1)庁内託児施設の整備
従来の託児施設の多くは、運営時間や運営日等に関して、職員、特に自衛官特
有の勤務環境(①災害派遣等の非常呼集時、②当直、警衛や演習等の勤務)から
生じる子育てに関するニーズを必ずしも満足させるものではなかった。このこと
から、庁内託児施設の設置は、喫緊の課題との認識のもと、平成19年4月に、
三宿駐屯地に託児施設「キッズガーデン三宿」を開設したところである。これに
続き、平成21年4月には熊本駐屯地、平成22年4月には横須賀地区に託児施
設を開設する予定である。
[平成21年度までの目標]
今後も、職員及び部隊等のニーズ並びに仕事と子育ての両立支援策の効果を踏
まえ、他の駐屯地や基地等への託児施設の開設を推進する。
また、託児施設の設置が馴染まない場合については、その他の託児支援施策を
検討する。
(参考)
○
文部科学省においては、共済組合の福祉事業として平成13年10月に庁舎内託児施
設「かすみがせき保育室」を設置している。また、警視庁の関連団体である(財)自警
会が、平成15年9月に自警会宿舎敷地内に東京都認証保育所「エデュケアセンター・
めぐろ」を設置している。その他、ヤマト運輸、資生堂等の民間企業も事業所内に独自
の託児施設を設置している。
○
アンケート結果によれば、回答者の90%以上が「庁舎内又は官舎地区に託児施設が
あった方が良い」と回答しており、その理由は、「残業や当直等の夜間勤務時における
保育が期待できるから(26%)」、「職場に近いことによる利便性(18%)」、「
人事異動時の保育先の確保が期待できるから(12%)」、「土日勤務時の保育が期待
できるから(11%)」等としている。
(2)宿舎の貸与における配慮
宿舎担当部局は、宿舎入居希望調書等に子育てに関する事項を記入させ、子育
てをしている職員に対して、子育てをしやすい環境にある宿舎の貸与に配慮する
。
[平成21年度までの目標]
既に宿舎入居希望調書の様式を一部改正するなど、子育て等を行う職員に対し
て配慮を実施。引き続き、職員の意向も踏まえ、子育て等の家庭事情に配慮す
るよう努める。
(参考)
○
アンケート結果によれば、回答者の75%が「公務員宿舎の貸与は子育てに必要な要
素である」と回答しており、公務員宿舎に望む要素については、「宿舎使用料が低廉で
あること」の他に、「勤務官署の近くにあること」、「同世代の子どもを持つ家族が多
数入居していること」等と回答している。
5.その他の事項
子ども・子育てに関する地域貢献活動を実施するとともに、子どもとふれあう
機会の充実を図る。
(1)子育てバリアフリー
来庁者が安心して施設等を利用することができるように、駐屯地記念行事等に
おける来庁者の実情を勘案して、引き続き、授乳コーナーやベビーベッド等を設
置するとともに、職員は、子どもを連れた来庁者に対して、親切、丁寧な応接・
応対に心掛け、行政サービスの向上に努める。また、管理者等は、職員に対する
教育・指導を適宜実施するよう努める。
(参考)
○
来庁する者の多くは、広報館、資料館の利用や駐屯地記念祭、基地航空祭の見学等を
目的としたもので、その数は年間約490万人となっている。このうち、乳幼児を連れ
て来庁する者は少数ではあるが、来庁者が安心して施設等が利用できるよう、授乳コー
ナー、ベビーベッドや子供案内所を設置している。
(2)子ども・子育てに関する地域貢献活動
地域の幼稚園、保育園、小・中学校や団体等が実施する運動会や各種の運動競
技会を支援するため、勤務に支障のない範囲内で、駐屯地等の体育館、武道場、
プール、グランド等を提供するとともに、各種の運動競技会に審判員を派遣する
等の協力を実施しており、引き続き、子ども・子育てに関する地域貢献活動を実
施する。
(参考)
○
駐屯地等においては、例えば、リトルリーグチームの練習(週2回)や駐屯地司令杯
の大会を実施するためのグランドの提供、保育園・幼稚園の運動会(700人規模)を
実施するための基地体育館の提供、ジュニア水泳クラブの練習のための基地プールの提
供(週3回)等(年間1万5千件以上)や中学校体育大会に審判員を派遣する等、地域
の子ども・子育てに密着した各種の貢献活動を実施している。
(3)子どもとふれあう機会の充実
防衛省では、文部科学省をはじめ中央省庁等が連携して開催する「子ども霞が
関見学デー」の一環として、子どもたちに防衛省・自衛隊の現状や防衛問題を学
んでもらうための『ピクルス王子とパセリちゃんの市ヶ谷台探検ツアー』や子ど
もたちが自衛隊の施設や装備品等の見学を通じて防衛省・自衛隊の現状等を学ん
でもらうとともに、隊員との交流を図るための『チビッコ・ヤング大会』、文部
科学省が実施する『総合的な学習の時間』に対する協力等を実施しており、引き
続き子どもとふれあうための行事を実施する。
また、管理者は、駐屯地記念行事等の機会を捉えて、職場見学を実施する等、
職員の子どもや家族とふれあう機会の充実に努める。
(参考)
○
防衛省では、小学生、中学生及び高校生等に対して、防衛省・自衛隊の現状や防衛問
題を学んでもらうとともに、子どもたちと隊員との交流を図るため、ピクルス王子の市
ヶ谷台探検ツアー(平成19年度より「ピクルス王子とパセリちゃんの市ヶ谷台探検ツ
アー」に改称)(約200人)、チビッコ・ヤング大会(約5.2万人)、艦艇による
体験航海(約13.8万人)、航空機による体験搭乗(約4.6万人)、隊内生活体験
入隊(約2.1万人)、「総合的な学習の時間」への協力(約2.0万人)等を実施し
ている。(注:参加人数は平成15年度実績。)
職員の子育てをサポートするためには、「防衛省・自衛隊を挙げて全職員が積極的に
取り組む」ことが大変重要である。職員が互いに助け合い、支え合うことで、働きやす
い勤務環境が整えられ、ひいては子育ての喜びや楽しさを実感しつつ、職員それぞれの
ライフスタイルに合った有意義な職業・家庭生活をおくることができるようになるもの
と期待する。