Vol.18(2013年11月発行) - 川崎病院

川崎病院通信
2013年 11月発行
発行責任者 病院長 中村 正
編集責任者 浦野 聖史 Vol. 18
http://www.kawasaki-hospital-kobe.or.jp/
循環器内科部長就任ご挨拶
循環器内科 部長 藤田 幸一
(日本循環器学会専門医)
平成 25 年 7 月 1 日付けで循環器内科部長に就任いたしました。平成 21 年 4 月に川崎病
院に赴任して以来、地域の先生方には大変お世話になっており感謝しております。今後ともど
うぞよろしくお願い申し上げます。
わたしは、火曜日と金曜日の循環器内科外来と、病棟業務では心臓カテーテル検査や経皮的冠動脈インターベンション、
ペースメーカ治療を含めた循環器診療全般を担当しております。また以前勤務していた大阪大学では、心不全やメタボリッ
クシンドロームの研究も行っていました。近年わが国では、過栄養と運動不足を背景に虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患
が急増しています。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が蓄積することにより、インスリン抵抗性および糖代謝異常、
脂質代謝異常、高血圧を合併し、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性心血管疾患になりやすい病態のことです。心筋梗塞
発症者を調べてみると、日本人では特にメタボリックシンドロー
ムに当てはまる人が多いことがわかっています。また内臓脂肪蓄
積は、高度肥満者にのみ認められるというわけではなく、BMI
が 25 未満でもウエスト周囲径の大きい内臓脂肪型肥満の人に
は蓄積していると考えられます。そして、メタボリックシンドロー
ムによる最終結果としての心血管疾患は、働きざかりの人に発症
することが多いことや、後遺症を残す可能性もあることからその
予防が重要です。メタボリックシンドロームの場合、生活指導に
より食事療法と運動療法をおこない内臓脂肪を減少させること
がまず第一の治療となりますが、生活指導で高血圧や糖尿病や
脂質異常が改善しなければ薬物治療が必要です。また冠動脈疾
患を含めた全身の動脈硬化性疾患を見逃さないことも大切です。
川崎病院循環器内科では、冠動脈疾患や、下肢動脈など末梢動
脈疾患の診断や治療に積極的に取り組んでいます。メタボリック
循環器内科 症例件数
(平成24年度)
シンドロームで動脈硬化性疾患が疑われる患者様がございましたら、当院に御紹介
症 例
件 数
いただければ精査加療させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
経皮的冠動脈形成術(PCI)
316 件
お陰様で、循環器内科では、この数年カテーテル手術が増加しており、平成 24
内、緊急 PCI
59 件
冠動脈造影検査(CAG)
403 件
年度には PCI(経皮的冠動脈インターベンション)を 316 件、PTA(経皮的動脈
86 件
形成術)を 51 件行いました。また新規のペースメーカ植え込み手術は 22 件でした。 血管内治療(EVT)
内、経皮的動脈形成術(PTA)
51 件
新病棟移転後の平成 25 年 1 月からは ICU/CCU 部門を設置し、2 月には新しい血
心臓超音波検査(心エコー)
2,736 件
管撮影装置を導入し、重度の心臓病患者様の増加にも対応できるようにしておりま
心臓核医学検査(心筋シンチ)
602 件
冠動脈 CT
302 件
す。今後とも地域の先生方のお役に立てるよう努力していく所存です。川崎病院循
ペースメーカ植込術(新規)
22 件
環器内科をどうぞよろしくお願いいたします。
職
入職
新
新入
の
師の
医
医師
介
紹介
ご
ご紹
歯科口腔外科医員 西尾 良介(にしお りょうすけ)
専門分野:歯科口腔外科全般
趣 味:旅行
一言メッセージ
神戸大学医学部付属病院での研修後に、兵庫県立がんセンターで2年間、口腔
がん治療に従事してきました。患者さんや先生方のお役に立てるよう、ベストな治
療を心がけて参ります。よろしくお願いいたします。
早期胃癌の
早期胃癌
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のご紹介
消化器内科 部長 野村 祐介
(日本消化器内視鏡学会専門医)
早期胃癌に対する内視鏡的治療として EMR(endoscopic mucosal resection;内視鏡的粘膜切除術)がながく行われ
てきました。ところが、1990 年代後半に新技術として ESD(endoscopic submucosal dissection;内視鏡的粘膜下層
剥離術)が登場すると、瞬く間に EMR に取って代わり、現在では完全に早期胃癌の内視鏡的治療の主流となりました。
ESD では、専用電気メスを用いて病変の周囲を切開した上で粘膜下層を剥離して病変を切除します。高度な技術を要します
が、EMR では切除できなかった大きな病変を確実に一括切除でき、また潰瘍瘢痕を伴う症例でも切除可能になりました。今ま
では手術を要した癌に対しても内視鏡で切除できることが多くなり、患者さんにとって大きなメリットになっています。
当院では早くも 2003 年から ESD を導入しており、今まで多数の経験を積み重ねてきました。年々症例数は増加しており、
今後さらに充実させていく方針です。
今後も地域の皆様のお役に立てるよう努力していきたいと考えておりますので、これからもよろしくお願い申し上げます。
内視鏡的粘膜下層剥離術
(ESD)
の流れ
1. 早期胃癌の周囲にマーキング
2. 癌の周囲を全周切開
3. 粘膜下層を剥離
専 門 特 殊 外 来 担 当 医 表
診 療 科
内 科
月
火
4. 剥離終了時
専門特殊外来は予約(または一般外来の受診)が必要です。
水
木
循環器内科 午後
・・・・・
・・・・・
午前
・・・・・
・・・・・
・・・・・
午後
【乳腺外来】
阪尾 淳
13:30∼14:30
【直腸肛門外来】
柴北 宗顕
14:00∼
【乳腺外来】
木許 健生
13:30∼14:30
・・・・・
午前
・・・・・
・・・・・
・・・・・
耳鼻咽喉科 午後
・・・・・
・・・・・
午前
・・・・・
整形外科
形成外科
【リンパ浮腫外来】
午後
要外来受診
武川 力
専 門
糖 尿 病
内科
肥満、高脂血症、痛風
血 液
腎 臓
耳鼻
咽喉科
形成外科
睡眠時無呼吸症候群
中 耳 炎
アレルギー性鼻炎
副 鼻 腔 炎
扁 桃 炎
声帯ポリープ
突発性難聴
顔面神経麻痺
熱傷を含む外傷
良性・悪性の皮膚腫瘍
美容医療
・・・・・
【直腸肛門外来】
柴北 宗顕 10:00∼11:00
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
【直腸肛門機能外来】
(第1、第3) 9:00∼11:00
【ストマ外来】
(第2、第4)
14:00∼16:30
・・・・・
・・・・・
・・・・・
【スポーツ外来】
戸祭 正喜
・・・・・
【補聴器外来】要外来受診
(第1、第3、第5)
・・・・・
・・・・・
【フットケア外来】
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
その他、各診療科にて力を注いでいる疾患・治療
標榜科
土(第2・4は休診)
金
【糖尿病外来】 【腫瘍外来】 【神経内科外来】 【呼吸器外来】
・・・・・
午前 【糖尿病外来】 【糖尿病外来】 【脳神経外来】
大塚 章人
向原 徹
野田 佳克
徳永 俊太郎
市原 紀久雄
大塚 章人
篠山 隆司
【糖尿病連携合併症外来】
【血液外来】
【呼吸器外来】
【禁煙外来】
【糖尿病外来】
【腎臓外来】
午後
村井 潤
久保 聡子
中村 正(1・3・5)/久保 聡子(2・4)
飯田 正人
粕本 博臣
三輪 菜々子
【ペースメーカ外来】
(第1、第3のみ)
外 科
5. 切除標本
注)学会など諸事情により代診、休診になる場合もあります。
あらかじめご了承ください。
医師名および診療曜日
標榜科
市原 紀久雄(金曜 午前)
大塚 章人(月曜 午前)
消化器内科
中村 正(月曜 午前/水曜 午前)
飯田 正人(月曜 午前/水曜 午前/木曜 午前)
粕本 博臣(水曜 午前)
櫨木 聡(月曜 午前)
循環器内科
整形外科
下屋 聡子
(月、水、木、金、土 午前)
土曜日は第3・5のみ
武川 力
(月・火・木・金 午前/水曜 午後)
ご予約は地域医療連携室まで電話またはFAXにてお申し込み下さい。
・・・・・
専 門
悪性疾患(膵臓癌、胆管癌等)により
黄疸が出た時のステント減黄術
消化器癌の早期発見と
内視鏡治療
閉塞性動脈硬化症
狭 心 症
小 児 全 般
手 全 般
スポーツ障害全般
医師名および診療曜日
前田 哲男(月曜 午前/水曜 午前)
野村 祐介(火曜 午前/木曜 午前)
西田 悠(金曜 午前)
多田 秀敏(火曜 午前/金曜 午前)※内科2診で診察
全医師が対応いたします
戸祭 正喜
(月曜 午前/金曜 午前)
眼科
涙 道 手 術
松場 眞弓(火・水・金 午前)
歯科
口腔外科
感 染 症
腫瘍(悪性、良性)
顎 骨 骨 折
インプラントおよび
インプラントのための骨再生
全医師が対応いたします
電話
078-511-3133 / FAX 078-511-3297