平成24年度トピックス - 江東区

江東区の環境
平成24年度「江東区 環境基本計画」実績報告
平成 25 年 10 月
本区の環境対策は、平成 22 年 3 月に策定した「江東
区環境基本計画」に基づき、取り組んできましたが、
平成 23 年 3 月、東日本大震災以降の国内の環境・エネ
ルギー事情は一変し、とりわけ原子力発電所の事故は
今後の我が国のエネルギー政策のあり方について、国
民的議論を喚起するとともに、国民の環境意識を格段
に向上させることとなりました。このため、平成 25 年度末に国が策定を予定して
いる「エネルギー基本計画」は本区としても注視していかなければなりません。私
たちも常にスピード感をもって、環境問題に取り組んでおります。
平成 24 年度本区では、新たに契約電力 50kW 以上の 118 の区有施設において「江
東区エネルギー管理規定(管理標準)」を策定しました。これにより、区の施設は
エネルギー使用量を大幅に抑えることに成功しました。また、平成 25 年度におい
ては、23 区初となる「マイクロ水力発電設備」設置にかかわる調査活動や、
「江東
区エコポイント制度」の実施など、新規事業も意欲的に進めております。
本年 9 月には、2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定しまし
た。全 28 競技中 15 競技が江東区で開催され、大変楽しみなことと喜んでおります。
オリンピック・パラリンピックの開催に当たっては、様々な施設整備や多くの来場
者が予想されますが、可能な限り環境負荷を抑え、廃棄物の抑制や自然エネルギー
の活用、CO2 削減対策など、人と自然にやさしい取組みとしていかなければなりま
せん。
本書を通じて、広く区民の皆様が江東区の環境、さらには地球規模の環境問題に
ついて、理解を深めていただく一助として役立てていただければ幸いです。
平成 25 年 10 月 31 日
目 次
1.
編集方針
・・・・・・1
2.
平成 24年度
トピックス
(1)マイクロ水力発電設備設置調査事業
(2)江東区CIGビジョン
(3)臨海部コミュニティサイクル実証実験の開始
(4)生ごみ減量モニター事業
(5)古着・古布の回収
(6)林業白書掲載
(7)グリーン電力証書の活用
(8)江東区エネルギー管理規程(管理標準)
・・・・・・2
・・・・・2
・・・・・3
・・・・・4
・・・・・6
・・・・・7
・・・・・8
・・・・・9
・・・・・10
3.
水と緑豊かな地球環境にやさしいまち
・・・・・・11
4.
環境管理システム
・・・・・・12
5.
15の基本施策の進捗
・・・・・17
6.
その他報告
・・・・・68
7.
第三者意見
・・・・・73
8.
参考資料
・・・・・74
4-1
4-2
4-3
4-4
江東区環境基本計画
環境管理体制
江東区環境審議会
15の基本施策
施策 1
施策 2
施策 3
施策 4
施策 5
施策 6
施策 7
施策 8
施策 9
施策10
施策11
施策12
施策13
施策14
施策15
地球温暖化対策の推進
ヒートアイランド対策の推進
ごみ減量の推進
公園・緑地の整備
水辺環境の整備
生態系の保全
景観・美観の向上
水循環健全化の推進
大気環境汚染防止対策の推進
水環境の保全の促進
騒音・振動等の公害対策の推進
有害化学物質の発生抑制対策の推進
環境情報の交流・共有
環境教育・学習の推進
環境保全活動の推進
・・・・・12
・・・・・13
・・・・・14
・・・・・15
・・・・・18
・・・・・29
・・・・・31
・・・・・39
・・・・・41
・・・・・42
・・・・・44
・・・・・48
・・・・・49
・・・・・53
・・・・・55
・・・・・57
・・・・・59
・・・・・61
・・・・・66
6-1 江東区みどり・温暖化対策基金
・・・・・68
6-2 工場・指定作業場に関する事務
・・・・・69
6-3 区内における空間放射線量および土壌中の放射能の測定結果 ・・・・・71
1. 編 集 方 針
1 はじめに
本書は、平成 24 年度にこれまでの編集方針を改め、情報開示資料、環境教育ツールとしての
質の向上を目指すとともに、環境省のガイドラインに準じた内容とした。
2 平成 25 年度編集方針
(1)「平成 24 年度江東区の環境」の編集コンセプト
(1) 社会的に求められている「環境報告書」としての要件を満たす
(2) 「情報開示資料」・「環境教育ツール」としての質の向上を目指す
(3) 他の開示資料との補完関係を明確にし、重複内容を省くことで、冊子のスリム化を図る
(2)具体的な編集対応
① 環境省「環境報告書ガイドライン(2012
環境省「環境報告書ガイドライン(2012 年版)」への準拠
・ 環境省により「環境報告書ガイドライン」が平成 24 年 4 月に改定されたことを受け、
これまでの「2007 年版」から「2012 年版」に合わせて編集する。主な改定点は、環
境配慮経営に関する記述情報を大幅に追加する等、事業者向けにさらに詳細な内容とな
ったことである
・ 対応表を作成し、ガイドラインが求める内容に特化するとともに、不要な情報について
は整理した
② 他自治体・企業の好事例を参考とした構成・誌面づくり
他自治体・企業の好事例を参考とした構成・誌面づくり
・ 編集上の工夫により「読ませる」冊子を目指す
・ 広報ツール、研修・教育資料として活用できるよう汎用性を高める
・ 間伐紙、大豆油インキを使用する等、冊子自体の環境性に配慮する
・ 内部管理の役割を担う資料とする
③「環境白書」、HP掲載内容との連携
・ 「年次報告書」としての性格を強め、「環境白書」や江東区HPに記載のある、条
例の原文や用語集等については掲載を見合わせる
・ 本文中の、表やグラフのみの頁については、「データ集」として巻末等に整理する
平成 25 年 10 月
「江東区の環境
平成 24 年度『江東区 環境基本計画』実績報告
1
」編集委員会
2. 平成24
平成24年度
24年度 トピックス
(1) マイクロ水力発電設備設置調査事業
担当:環境清掃部 温暖化対策課 環境調整係
区内内部河川を利用した「マイクロ水力発電設備」の設置可能性を調査しています。
平成 24 年度は既存データによる基礎調査を実施し、区内数地点での発電見込量や設置・管理
コストを算出。その結果、①仙台堀川公園 やすらぎの滝、②横十間川親水公園 水門橋、③古
石場川親水公園と大横川の合流点の 3 地点を有力候補地として抽出しました。
平成 25 年度はその3地点について水量・落差等の実測等、さらに詳細な調査を実施し、最終
的に設置に最も適した1地点を選定します。
設置は平成 26 年度を予定しており、設置した発電設備は環境学習施設として活用し、区民の
皆様が再生可能エネルギーについて学ぶ機会を創出するほか、「水彩都市 江東」を象徴する新
たな観光資源として活用し、広く全国的に PR します。
<有力候補地3箇所>
①仙台堀川公園 やすらぎの滝
②横十間川親水公園 水門橋
③古石場川親水公園
と大横川の合流点
大横川の合流点
マイクロ水力発電とは?
マイクロ水力発電とは?
一般的に出力「100 kW」以下の水力発電設備のこ
とを指します。低落差・少水量でも発電が可能なた
め、土地の高低差の少ない江東区のような地域でも
設置可能性が広がっています。また、ダム等を必要
とせず簡易な工事で設置できるため、環境を破壊す
ることなく、再生可能エネルギーの中でも特に環境
にやさしい発電方法です。
「開放型らせん水車」
(出典:山梨県都留市HP)
2
担当:土木部 管理課 CIG 推進係
(2) 江東区CIGビジョン
CITY IN THE GREEN(略して CIG)とは、都市の中の緑ではなく、「緑の中の都市」をイ
メージした緑化推進事業の総称です。「江東区基本構想」に掲げた「水と緑豊かな地球環境にや
さしいまち」の実現を目指して、「江東区 CITY IN THE GREEN」を更に推進するため、平成
24年7月に「江東区 CIG ビジョン」を策定しました。
● 5つのビジョン
「江東区 CIG ビジョン」は5つのビジョンから構成されています。
1. 【まちづくり】・・・緑の施策の強化により「緑の中の都市」が実現している
2. 【文化創造】・・・・江東区ならではの「緑を育む文化」を創造している
3. 【区民生活】・・・・「緑に親しむライフスタイル」が定着している
4. 【協働】・・・・・・区民・事業者・行政が一体となって推進している
5. 【基金活用】・・・・「みどり・温暖化対策基金」を積極的に活用している
江東区 CIG ビジョンの実現に向けて、緑化事業の進捗状況を把握するために、緑被率・緑視
率の目標設定をしており、数値管理をしていきます。
緑被率・緑視率の目標値
緑被 率※ 1
緑視 率※ 2
平 成17年
基 準年
16.68%
18.10%
平成 26年
長期計 画前期
19%
20%
平成31年
長 期計画 後期
20%
22%
※1 緑被率…ある地域において樹木などの緑で覆われた土地(緑被地)の占める割合
※2 緑視率…視野において樹木などの緑の占める割合
平成 24 年度、区内の緑被率等調査によれば、緑被率が 19.93%で 23 区中 8 番目という結
果となり、併せて調査したみどり率 が 36.40%と非常に高い数値で、23 区中 1 番という結
果が出ました。みどり率の好結果を受け、これからもCIGの実現に向けて様々な主体と連携し
ながら、積極的な緑化の取組みを進めていきます。
※3
※3 みどり率…緑被率に「河川等の水面の占める割合」と「公園内の樹林等の緑で覆われていない面積の割合」
を加えたもの
江東区 CIG ビジョンのイメージ
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木場公園を望むまちなみの眺望
江東区 CITY IN THE GREEN
3
(3) 臨海部コミュニティサイクル実証実験の開始
担当:都市整備部 まちづくり推進課 事業推進担当
『豊洲グリーン・エコアイランド構想』に掲げる「環境と人にやさしいエコモビリテ
ィの導入」の実現に向けて、平成 24 年 11 月より「江東区臨海部コミュニティサイク
ル実証実験」を開始しました。
コミュニティサイクルは、一定の地域内に複数配置されたステーション(専用駐輪施設)
で自由に貸出・返却することが可能な自転車共同利用のしくみで、従来のレンタサイク
ルとは異なり借りた場所と違う場所で返せることや短時間での使用を前提とした料金設
定等、移動利便性の向上やまちの回遊性を向上します。また、自動車利用からの転換を
促すことによって CO 排出量の削減効果も期待できます。
この実証実験では豊洲地区をはじめ東雲・有明・青海などに 18 ステーション(平成 25
年 3 月末)を設置し住民のみならず就業者や観光客など様々な方に利用されています。
2
●既存ステーション
既存ステーション(18
ステーション(18)
(18)
●既存ステーション
既存
ステーション
(18(3))
●開設予定
予定ステーション
ステーション(
開設
予定ステーション(18
ステーション(18)
●
開設予定
予定ステーション
ステーション(
開設
予定
ステーション
●有人登録カウンター(
●有人登録カウンター(2) (3)
●有人登録カウンター(
●有人登録カウンター(2)
市場前駅
市場前駅
台場駅
15
有明テニス
の森駅
お台場海浜公園駅
21
12
17
20
東雲水辺公園
有明テニス
の森駅
9
台場駅東京テレポート駅
お台場海浜公園駅
ゆ
9
8
15
り
か
10
東京テレポート駅
も
船の科学館駅
青海駅
め ゆ
8
り
10 7
か
も
青海駅
め 船の科学館駅
豊洲IHIビル前
1
アーバンドック
ららぽーと豊洲 豊洲IHIビル前
16
1
13
アーバンドック
ららぽーと豊洲
16
2
13
豊洲駅
新豊洲駅
有楽 19
町線 2
豊洲駅
新豊洲駅
有 19
楽町
線
東雲水辺公園
6
7
11
21
大江戸温泉物語 テレコムセンター駅
11
12
大江戸温泉物語 テレコムセンター駅
6
国際展示場駅
有明駅
5 4
14
国際展示場駅
国際展示場正門駅
有明駅
4
5
国際展示場内広場
1418
国際展示場正門駅
りんかい線
りんかい線
りんかい線
りんかい線
20
東雲駅
3
東雲駅
国際展示場内広場
18
ステーションマップ
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17
3
都市整備 >
No.4 石と光の広場ステーション(国際展示場駅前)
コミュニティサイクル
4
『豊洲グリーン・エコアイランド構想』
豊洲地区(豊洲五丁目の一部及び豊洲六丁目全域)では、今後、豊洲新市場の整
備や民間事業者による大規模な開発などが予定されています。
区民の環境意識の高まりや環境施策への取組の社会的要請、災害への対応、豊洲
地区の新たなイメージの確立など社会的背景を受け、官民が連携・協働して、環
境に最大限配慮したまちづくりの実現を目指すため、概ね 15 年後の姿を展望す
る『豊洲グリーン・エコアイランド構想』を、平成 23 年 6 月に策定しました。
平成 24 年度には、江東区・東京都・民間地権者で構成される「豊洲地区環境ま
ちづくり協議会」を設立し、本構想の実現に向けた行動計画である「環境ロード
マップ」を作成しました。
【 豊洲グリーン・エコアイランド構想の全体像
職員の声
便利でエコなコミュニティサイクル
都市整備部 まちづくり推進課
事業推進担当
私たち職員も開発予定地の調査などで臨海部を訪れる際に利用し
ていますが、同じようにコミュニティサイクルを利用している方々
によく出会います。朝夕は、
「豊洲⇔有明」
、
「東雲⇔豊洲」などの区
間の利用が多く、通勤に利用していただいているようです。日中は、
老若男女、区間も様々に、観光やちょっとしたお買いものなどに使
っていただいている様子を見かけます。より多くの方に使っていた
歩道上に設けられたステーション
江東区HP
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生活情報 >
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だけるよう、今後も利便性向上に努めていきます。
地区のまちづくりについて >
豊洲地区
5
担当:環境清掃部 清掃リサイクル課 清掃リサイクル係
(4) 生ごみ減量モニター事業
区全体のごみ量を削減するためには、燃やすごみの約 4 割を占める生ごみの減量化を図
る必要があることから、区では平成 24 年度から生ごみ減量モニター事業を開始しました。
本事業は、公募による区民に、区が資器材を提供し、自宅で生ごみの減量に取り組んで
もらい、その効果を検証する事業です。
区民の皆さんには、ごみ減量方法について、2 型式 4 方式(下図参照)の中から 1 つ
を選択していただき、9 ヶ月間家庭で出る生ごみの減量に取り組んでもらいます。
5 月の基調講演会から始まり、各方式において講習会を年 3~4 回実施しました。取組
方法を具体的に講義し、質問回答や意見交換を行うことで、参加者の取り組みをサポート
しました。また、3 月には全体事業報告会を実施しました。
平成 24 年度は 47 名に活動いただき、全体で 2,658 ㎏の生ごみの削減に成功しまし
た。本モニター事業は 25 年度も引き続き実施していきます。
<平成 24 年度 生ごみ減量モニター事業実績>
応募者数
47名
講習会
全16回
<方式別生ごみ削減実績(平成 24 年 7 月~平成 25 年 3 月)>
型式
方式
ベランダdeキエーロ
ごみ消滅型 ※1
森のしくみ
段ボールコンポスト
堆肥化型 ※2
EMぼかし
参加人数
18名
8名
10名
11名
削減実績
755.8㎏
328.7㎏
564.5㎏
1,009.3㎏
1人あたり削減量
42.0㎏
41.1㎏
56.5㎏
91.8㎏
総削減実績
2,658.3㎏
※1 ごみ消滅型:堆肥を増やさず、バクテリアの力を使って、生ごみを分解・消滅させることを主の目的とするタイプ
※2 堆肥化型 :積極的に堆肥を作ることを主の目的とするタイプ
ベランダ de キエーロ
森のしくみ
職員の声
環境清掃部 清掃リサイクル課
清掃リサイクル係
段ボールコンポスト
EM
ぼかし
区民の方々とともに生ごみの減量を目指します!
集合住宅の多い江東区の特性を踏まえ、狭いベランダでも気軽に取り組める方法で、区民の皆様に
生ごみ減量に取り組んでいただいています。
取組みの結果、モニターに参加した方からは「燃やすごみを捨てる回数が減った。
」
「できた堆肥を
使った野菜作りが楽しい!!」などの多くの意見をいただいています。今後はより多くの区民の方々
に取り組んでいただけるよう、事業の拡充を目指します。
江東区HP
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生活情報 >
環境・ごみ >
生ごみ減量・堆肥化 >
生ごみ減量モニター事業
6