K U S H I M A K U S H I M A - 串間市

K U S H I M A
第5次串間市長期総合計画
基本構想検討原案
目
第1部
総
次
論 ......................................................................................... 1
第1章 計画策定にあたって ............................................................................ 3
第1節 計画策定の趣旨 ................................................................................................................................. 3
第2節 計画の性栺と役割 ............................................................................................................................ 4
第3節 計画の構成と期間 ............................................................................................................................ 5
第4節 計画策定過程における市民参画 ............................................................................................... 6
第2章 串間市の個性と分野の課題.............................................................. 7
第1節 串間市を際立たせる個性 ............................................................................................................. 7
第2節 人口と世帯....................................................................................................................................... 11
第3節 就業構造............................................................................................................................................ 14
第4節 市民の意識と期待 ........................................................................................................................ 15
第5節 踏まえるべき時代潮流 .............................................................................................................. 23
第6節 串間市の発展課題 ........................................................................................................................ 26
第2部
基本構想 ................................................................................ 29
第1章 串間市の将来像 .................................................................................. 31
第1節 まちづくりの基本理念 .............................................................................................................. 31
第2節 串間市の将来像 ............................................................................................................................. 32
第3節 人口・就業構造の推計 .............................................................................................................. 33
第4節 土地利用の基本方針 ................................................................................................................... 35
第2章 将来像実現のための基本目標 ..................................................... 39
第1節 施策の体系....................................................................................................................................... 39
第2節 施策の大綱....................................................................................................................................... 40
第3章 基本構想推進のための仕組みづくり ...................................... 47
第1部
総
1
論
2
第1章
計画策定にあたって
第1節 計画策定の趣旨
串間市では、平成 13 年度に基本構想と前期基本計画(平成 13 年度~平成
17 年度)からなる「第四次串間市長期総合計画」を策定し、「しあわせで、住
みよい、豊かな串間の創造」というまちづくりの基本理念を掲げ、「しあわせな
社会を創る」
、
「住みよい空間を創る」、
「豊かな経済を創る」という3本の柱のも
と、市民生活の全分野にわたる多範な施策をまちをあげて推し進め、その後、時
代の変化に対応して、平成 18 年度に後期基本計画(平成 18 年度~平成 22 年
度)の改訂を行い、市勢はこれまで着実な発展を遂げてきました。
このような中、社会的にも政治的にも、激動ともいえる転換期を迎えている現
代に、本市が今後の 10 年間において、どのようなまちをつくっていくのかの将
来像を示し、その具体化を進めるための新しい指針づくりが必要になっています。
そして、市民の価値観や生活意識は、ゆとり・うるおい・美しさ・快適さなど、
生活の質の向上を重視する傾向が強まっており、尐子高齢化に対応した健康福祉
のまちづくりや快適で安全・安心な居住環境の整備をはじめ、高速交通体系の整
備を促すまちの基盤づくり、便利で快適な市街地の整備、地域のコミュニティ※
の再整備などが求められています。
さらに、民間と行政の今後の役割分担のあり方を問われる「新しい公共空間形
成※」の必要性も生じています。
こうした動向に的確に対応し、次代の串間市を築いていくため、わかりやすく、
市民の参画が得られやすい、市民と行政による協働のまちづくりの指針として、
ここに「第5次串間市長期総合計画」を策定します。
時代の潮流
ま
ち
づ
く
り
に
生
か
す
べ
き
特
性
地方分権の進展と広域連携の強化
少子高齢化の進行
安全・安心のまちづくりの市民的要請
厳しい経済環境と財政の深刻化
グローバル化・高度情報社会の進展
地球環境問題の深刻化
住民と行政の協働によるまちづくり時代の到来
市
民
ニ
ー
ズ
の
変
化
対
応
す
べ
き
課
題
新
し
い
ま
ち
づ
く
り
の
方
向
性
※
コミュニティ:近隣、集落、地域社会
※
新しい公共空間形成:公共的なサービスを行政のみによって担うのでなく、地域のさまざまな主体が行政
と協働して公共的なサービスを提供して行政の届かない領域を支えること。
3
第2節 計画の性格と役割
「長期総合計画(基本構想)」は、地方自治法(第2条第4項)において定めら
れた、地方自治体の最上位計画です。この第五次串間市長期総合計画は、本市の最
上位計画として、今後のまちづくりの方向性を示すとともに、本市のすべての部門
計画の指針となるものであり、以下のような役割を持ちます。
■役割1 地域を経営していく総合指針
市行政においては、地方分権時代にふさわしい自立する(自己決定・自己責任)
まちづくりに向けて、様々な施策や事業を総合的かつ計画的に推進するための地
域経営の総合指針となるものです。
■役割2 まちづくりの共通目標
市民に対しては、今後の本市のまちづくりの方向性と必要な施策をわかりやす
く示し、すべての市民がまちづくりに参画・協働するための、まちづくりの共通
目標となるものです。
■役割3 まちづくりの主張
国や宮崎県、広域市町村圏等の広域的な行政や周辺自治体に対しては、本市の
主張を提示し、必要な施策を調整・反映させていく連携の基礎となるとともに、
全国に向けて積極的に情報発信していくものとして位置づけています。
[第5次串間市長期総合計画の役割]
地域を経営していく
総合指針
まちづくりの
共通目標
まちづくりの主張
4
第3節 計画の構成と期間
本計画は、
「基本構想」、
「基本計画」、「実施計画」で構成されています。それぞ
れの内容構成と期間は以下の通りです。
■基本構想
基本構想は、本市の特性、市民のニーズ、時代の潮流、本市の置かれている位置
や直面する課題等を検討し、基本とすべき理念や将来像、そして、それを実現する
ための施策の体系等を示すものであり、平成 23 年度(西暦 2011 年度)を初年
度とし、平成 32 年度(西暦 2020 年度)を目標年度とする 10 か年の長期構想
です。
■基本計画
基本計画は、基本構想の施策の体系に基づき、今後取り組むべき主要な施策を各
分野にわたって定めています。計画期間は、前期 5 年、後期 5 年としますが、社会・
経済情勢の急激な変化に的確かつ柔軟に対応できるよう、必要に応じて見直しを図
る仕組みを導入することとします。また、基本計画の各施策ごとに、今後10年間
で目指すべき目標指標(みんなでやっ度)を定め、計画の進捗状況や到達点を絶え
ず点検評価する仕組み(施策評価)の確立を目指します。
■実施計画
実施計画は、基本計画に示した主要施策に基づき、具体的に実施する事業を定め
るものであり、事業の優先順位や具体的な事業内容、財源等を示すことにより、予
算編成の指針となるものです。3か年計画として別途策定し、ローリング方式※に
より毎年見直しを行い、目標指標との連携を図って、長期総合計画の進行管理を行
います。
平成
23
24
(2011)
25
26
27
基本構想
29
30
31
10 年
前期5年
基本計画
実施計画
28
後期5年
3年
※
ローリング方式:毎年見直す方式。
5
32
年度
(2020)
第4節 計画策定過程における市民参画
本市では、本計画策定にあたり、市民とともにつくる協働のまちづくりを目指し、
以下のような市民参画の取組みを行ってきました。
本計画策定における主な市民参画の取組み
■市民アンケート(平成 22 年5月実施)
本計画の策定にあたって、市の愛着度や定住意向をはじめ、現状評価、今後期
待するまちづくりの方向、各分野における重点施策要望など、市民の意識構造の
実態を把握するとともに、計画づくりの基礎資料を得るために実施しました。市
内に居住する 18 歳以上の男女の中から無作為抽出した 2,000 人を対象に、郵
送による配布・回収という方法によって実施したもので、有効回収数 630 票、
有効回収率 31.5%となっています。
■串間市まちづくり市民会議(平成 22 年度中に 3 回実施)
串間市まちづくり市民会議は、市民の中から参加者の募集を行い、新しいまち
づくりの方向について各職場の職員も交えて多様に検討し、市民の代表による意
見・提言として取りまとめ、長期総合計画に反映させるために実施しました。市
民会議は、「伸ばすところ、変えたいところ」、「分野別の振興方向」、「協働の指
針づくり」などをテーマに、本市の誇らしい特性や今後のまちづくりについての
意見をいただきました。また、各分野の専門的な視点から、よりよいまちづくり
への助言が得られました。
■くしま子ども未来会議(平成 22 年 8 月 3 日実施)
くしま子ども未来会議は、市内中学生の中から各学校の推薦を得て参加者を決
め、新しいまちづくりの方向について多様に検討し、10 年後の本市を担う人達
の意見・提言として取りまとめ、長期総合計画に反映させるために実施しました。
未来会議は、「伸ばすところ、変えたいところ」、「本市の将来の方向」などをテ
ーマに、本市の誇らしい特性や今後のまちづくりについての意見をいただきまし
た。
■パブリックコメント(平成 22 年12月実施)
長期総合計画の検討案が完成後、全市民を対象に意見を聞くパブリックコメン
トを実施し、出された意見の反映に努めています。
6
第2章
串間市の個性と分野の課題
第1節 串間市を際立たせる個性
新しいまちづくりの方向性を定めるためには、まず、まちの個性を、長所を伸ば
す視点からとらえ直し、生かすべき地域資源として整理することが必要です。新た
なまちづくりに生かすべき本市の代表的な個性は、串間市まちづくり市民会議・く
しま子ども未来会議の「伸ばすところ」の結果も踏まえて、以下の通り上げられま
す。
特性1
個性的な自然が豊富で “とても住みやすい”まち
本市は、九州の南東端、宮崎県の最南部で県都宮崎市の南南西約 70 ㎞の場所
に位置し、東は日向灘、南は志布志湾に臨み、北西は都城市・日南市及び鹿児島県
志布志市に接しています。
延長 77 ㎞におよぶ南部の海岸線は日南海岸国定公園に属しており、中北西部に
おいては、あまり平坦ではなく、丘陵地帯が多くなっています。
市内には、二つの山脈が走り、龍口山、笠祇山等を主峰とするその北部一帯は、
うっそうとした山林に包まれ、森林資源の宝庫となっています。これらの連山に源
を発する河川は、市内の中央を貫流する福島川をはじめ、善田川、本城川、市木川
などの河川に分かれ、その流域は肥沃で豊富な農産物を産出しています。
また、黒潮の影響により温暖、多照、多雤で海岸線には無霜地帯もあり亜熱帯植
物が自生しています。夏から秋にかけては台風の影響を受けることがあります。
面積は 294.98k㎡で、県の総面積の 3.8%を占めています。
特性2
景観美にあふれ、観光・交流資源の多彩なまち
海岸線は大小の半島がリアス式海岸の態をなしており、市内に無数に存在した軍
馬養成のための牧馬の名残で野生馬のいる都井岬、海水で芋を洗って食べることで
有名な文化猿の幸島、市内北部の山間部は夏でも冷涼でクス学術林を有し、身も切
れるほどの冷たい山水を湛え、四季折々の美しさを見せる赤池渓谷など、市内全域
が自然の美しさそのままの景観豊かな自然環境都市です。
また、市街地から志布志湾までが一望できる第二高畑山、釣りのポイントが点在
する海岸線、温泉と干潟の本城、サーフィンスポットでもある恋ヶ浦など観光・交
7
流・レクリエーション・スポーツのための資源も数多くあります。
さらに、都井岬火まつり、串間市民秋まつり、福島港花火大会、観光とび魚すく
い、串間よかむん市など特色あるイベントも多彩であり、今後のまちづくりにあた
っては、こうした観光・交流資源を一層生かしたまちづくりを進めていくことが必
要です。
図
[市の位置及び市域図]
8
特性3
中核性が高いコンパクトな市街地を持つまち
本市の市街地は、JR日南線の串間駅からの広がりをもって形成されており、中
心地域には市役所、図書館、文化会館、アクティブセンター、総合運動公園、市民
総合体育館、市民病院、警察署などの公共施設が集約的に配置されています。
鉄道では、市内には、串間駅のほか、日向大束駅、日向北方駅、福島今町駅、福
島高松駅があり、他の交通手段としては、市民の便利な交通手段となっているコミ
ュニティバス「よかバス」
、宮崎交通の路線バスが走っています。また、主要な港湾
としての福島港があります。
このように、本市は独特な市街地を構成しており、県南と鹿児島県北東部地域を
つなぐ中核性が高いコンパクトな市街地をもつまちです。
特性4
第一次産業とともにあるまち
本市はこれまで、温暖な気候を活用した農業の発展をめざし、農業生産基盤の整
備、担い手の育成をはじめ、多様な農業振興施策を関係機関・団体と一体となって
推進し、振興作物等のブランド化を進めるなど着実に成果をあげてきました。また、
本市の水産業は、沿岸漁業と養殖業が主体で、これまで稚魚放流による栻培漁業や
資源循環型漁業を推進し、多様な特産物づくりも進めています。
このように本市は食料の供給基地として第一次産業とともに発展してきたまちだ
ということができます。こうした風土・実績を背景に、今後とも、他に誇れる第一
次産業のまちづくりと第二次、第三次産業との連携を一層進めていく必要がありま
す。
特性5
特色ある歴史と文化が息づくまち
当市の代表的な縄文後期の遺跡としてしては、下弓田式土器の標識遺跡として
有名な下弓田遺跡(大字南方字狐塚)と三幸ケ野遺跡(大字一氏字西谷)があげ
られます。古墳時代としては、福島古墳群(長清見塚(円墳)、剣城塚(前方後円
墳)、霧島塚(円墳)、毘沙門塚(前方後円墳)銭亀塚等)、 鬼ケ城古墳群、市木
古墳群(蛭田古墳、本宮古墳)などの遺跡があげられます。
当市は、古くから櫛間と呼ばれ、荘園時代にこの区域(旧、福島町、北方村、大
束村、本城村、都井村、市木村)を櫛間院といいました。 建武年間、武州七党の
うち横山党の出という野辺氏がこの地の地頭となり、室町時代は島津氏が領し、永
禄 11 年6月、島津氏、伊東氏が戦火を交え、遂に島津氏の敗退となり、伊東氏
9
の領するところとなりました。天正5年12月、伊東、島津の両氏は再び戦い、
伊東氏が敗れて居城をすてて豊後にのがれ、櫛間は再び島津氏の領となりました。
時はうつり、天正15年4月、秀吉の九州征討軍日向に侵入するや、たちまち島
津氏の飫肥領をうばい、筑前から来た秋月種実に高城、財部(のち高鍋と改む)及
び櫛間を不え、伊東氏には飫肥を不え、櫛間が伊東、島津の緩衝地帯となりました。
当時、秋月種実は今の西林院に櫛間城を修築し、ここを居城として高鍋まで支配
していましたが、慶長9年、居城を高鍋に移したので櫛間は飛領となり、明治維新
まで280年間続いたのです。
明治4年7月の廃藩置県後は、高鍋県に属し、まもなく高鍋県が廃され都城県と
なりこれに属しました。同6年、美々津県と合して宮崎県となり、同9年、鹿児島
県に編入され、同 16 年、再び分県して宮崎県が設けられたのでこれに属しました。
明治 4 年以後18年間、西方、高松、奴久見、秋山、串間、北方、南方、大平、
大矢取、一氏、本城、崎田、都井、大納、御崎、海北、六郎坊、市木の各村に分か
れていましたが、明治22年、これを6ヶ村に整理統合し、福島村、北方村、大束
村、本城村、都井村、および市木村がそれぞれ誕生しました。
大正15年10月、福島村は町制を施行、昭和26年、北方村と合併し福島町と
なりましたが、昭和29年11月3日文化の日に5ヶ町村が合併して新しい「串間
市」が誕生しました。
このように本市は、特色ある歴史・文化を有するまちであり、今後は、これらを
さらに生かして、個性豊かなまちづくり、市民文化の香り高いまちづくりを一層進
めていくことが必要です。
特性6
市民活動と行政活動の協働の萌芽がみられるまち
都市化の進展や価値観の多様化に伴い、全国的に郷土愛や地域連帯感が薄れてい
く傾向にある中で、豊かな自然環境や貴重な伝統文化に育まれ、古くから受け継が
れてきたあたたかい心や人と人とのつながりの強さ、コミュニティ活動等の地域連
帯感の強さは、次世代に引き継ぐべき本市の優れた特性の一つです。このことは、
市民アンケート調査において、人情味や地域の連帯感をまちの魅力として高い評価
をしていることからも窺えます。
今後とも、これらの市民活動や市民性を大切に守り育て、地方分権時代に即した
市民主体・地域主体の自立したまちづくり、市民と行政の協働のまちづくりの原動
力として生かしていくことが必要です。
さらに、行政は「行財政改革」の具体化を進めており、経費の削減とともに高品
質の行政サービスの提供を目指しています。
10
第2節 人口と世帯
平成 17 年の国勢調査結果では、総人口が 22,118 人となっています。
昭和 30 年の国勢調査では、42,305 人あった人口は、ずっと減尐傾向で推
移しており、平成 12 年から平成 17 年の5年間では、1,529 人の減尐とな
っています。
また、世帯数は、平成 12 年までは、増加を続けていましたが、平成 17 年
には 8,700 世帯と減尐に転じ、1世帯当たりの人員は、核家族化や世帯の多
様化の進行により減尐しています。
年齢階層別人口の推移をみると、年尐人口(14 歳以下)は平成 12 年の
3,498 人(14.8%)から平成 17 年には 2,795 人(12.6%)へと、生産年
齢人口(15~64 歳)は平成 12 年の 13,091 人(55.4%)から平成 17 年
の 11,752 人(53.1%)へと人数、構成比率ともに減尐しています。
一方、老年人口(65 歳以上)は平成 12 年の 7,058 人(29.8%)から平成
17 年の 7,196 人(32.5%)へと人数、構成比率ともに増加しています。
平成 17 年の高齢化率は 32.5%と全国平均(20.1%)
、宮崎県平均(23.5%)
を上回り、年尐人口比率は 12.6%と全国平均(13.7%)
、宮崎県平均(14.7%)
を下回っており、尐子高齢化は確実に進んでいます。今後は、あらゆる分野で
本栺的な尐子高齢社会の到来を見据えたまちづくりを進めていく必要があり
ます。
表
串間市の人口の推移(国勢調査)
(単位:人、世帯、人/世帯、%)
年
平成2年
平成7年
平成 12 年 平成 17 年
26,734
25,243
23,647
22,118
5,308
4,472
3,498
2,795
(14 歳以下)
(19.9%)
(17.7%)
(14.8%)
(12.6%)
生産年齢
人口
16,166
14,535
13,091
11,752
(15~64 歳)
(60.5%)
(57.6%)
(55.4%)
(53.1%)
5,260
6,236
7,058
7,196
(19.7%)
(24.7%)
(29.8%)
(32.5%)
世帯数
8,741
8,774
9,024
8,700
1世帯当人数
3.06
2.88
2.62
2.54
項目
総人口
年少人口
老年人口
(65 歳以上)
注:総人口の平成 17 年には 375 人の年齢不詳を含む。
割合について、四捨五入処理により合計が一致しない場合がある。
11
年平均増減率
H2~H7 H7~H12 H12~H17
△ 1.12
△ 1.26
△ 1.29
△ 3.15
△ 4.36
△ 4.02
△ 2.02
△ 1.99
△ 2.05
3.71
2.64
0.39
0.08
0.57
△ 0.72
-
-
-
資料:国勢調査
図
26,734
串間市の人口の推移(国勢調査)
25,243
23,647
22,118
28,000
5,308
24,000
年少人口
(14歳以下)
4,472
3,498
20,000
2,795
生産年齢人口
(15~64歳)
老年人口
(65歳以上)
16,000
16,166
14,535
13,091
11,752
5,260
6,236
7,058
7,196
平成2年
平成7年
12,000
8,000
4,000
0
平成12年
平成17年
合計特殊出生率の低下などを理由に出生数が低下していることに加え、高齢
人口の死亡数が増加しているため、わが国は本栺的な人口減尐社会に突入しよ
うとしています。国立社会保障・人口問題研究所の人口推計結果によると、
2008 年の約1億 2756 万人から、約 25 年後の 2035 年には1億1千万人
程度にまで減尐とすると予測されています。
本市は、本栺的な人口減尐社会を実際に体現している最中ともいえます。
130,000
127,768 127,176 125,430
122,735
119,270
120,000
115,224
110,679
110,000
総人口
100,000
2005
2010
2015
2020
2025
2030
2035
また、人口減尐だけでなく、わが国の人口動向は、東京圏、大阪圏、名古屋
圏の3大都市圏への人口集中が続き、相対的に地方圏の人口が減尐していく傾
向が 1960 年以降一貫して続いています。こうした社会移動に伴う人口栺差
は近年も顕著にみられ、特に東京圏は、2004 年から 2008 年の5年間で、
東北から 16 万 4,017 人、近畿から 13 万 1,677 人の転入超過が記録され
ているなど、東京圏一極集中の様相は相変わらず改善されていません。
また、地方圏における都市部とそれ以外で人口移動の二極化が起こっていま
す。地方圏の都市部以外の地域(農山漁村部等)から、地方圏の都市部への人
12
口流出が生じています。こうした動きは地方圏のとりわけ農山漁村部において、
人口減尐が経済の停滞や集落機能の維持の困難さにつながる重要な要因とな
っており、本市においてもこの傾向とは無縁ではありません。
13
第3節 就業構造
就業者総数は、平成2年から一貫して減尐傾向にあり、産業別では、第1次
産業の就業人口は減尐傾向にあり、第2次産業の就業人口も減尐傾向、第3次
産業の就業人口も全体として減尐傾向にあるものの構成比では増加しており、
経済のソフト化※が進んでいます。
表
産業別就業者の推移(国勢調査)
(単位:人、%)
年
年平均増減率
平成2年
平成7年
平成 12 年
平成 17 年
H2~H7 H7~H12 H12~H17
項目
総人口
26,734
25,243
23,647
22,118
△ 1.12
△ 1.26
△ 1.29
就業人口総数
12,454
11,873
10,836
10,296
△ 0.93
△ 1.75
△ 1.00
3,934
(31.6%)
2,946
(23.7%)
5,571
(44.7%)
3,542
(29.8%)
2,915
(24.6%)
5,415
(45.6%)
3,060
(28.2%)
2,348
(21.7%)
5,428
(50.1%)
2,893
(28.1%)
1,933
(18.8%)
5,454
(53.0%)
△ 1.99
△ 2.72
△ 1.09
△ 0.21
△ 3.89
△ 3.53
△ 0.56
0.05
0.10
46.6%
47.0%
45.8%
46.6%
-
-
第1次産業
第2次産業
第3次産業
就業率
-
注)就業人口総数には、平成2年に3人、平成7年に1人、平成 17 年に 16 人の分類不能を含む。
資料:国勢調査
図
12,454
産業別就業者の推移(国勢調査)
11,873
10,836
10,296
14,000
第1次産業
12,000
第2次産業
3,934
10,000
8,000
3,542
3,060
2,893
2,946
2,915
2,348
1,933
5,571
5,415
5,428
5,454
平成2年
平成7年
6,000
4,000
2,000
0
※
平成12年
ソフト化:生産・製造業から第三次産業への転換。
14
平成17年
第3次産業
第4節 市民の意識と期待
本計画の策定にあたって、市民の意見を幅広く反映させるため、平成 22 年5月
に、18 歳以上の市民 2,000 人を対象として「市民アンケート調査」を実施し、
有効回収数は 630 票、有効回収率は 31.5%でした。その中から、まちづくり全
体にかかわる分析結果を抜粋すると、以下の通りです。
(1)まちへの愛着度
市民のまちへの愛着度を把握するため、「とても愛着を感じている」、「どちらか
というと愛着を感じている」
、
「どちらともいえない」、
「あまり愛着を感じていない」
、
「愛着を感じていない」の中から1つを選んでもらいました。
その結果、
「とても愛着を感じている」と回答した人が 37.8%で最も多く、次い
で「どちらかというと愛着を感じている」という人が 34.6%で続き、これらをあ
わせた“愛着を感じている”という人が 72.4%でした。これに対して、
“愛着を感
じていない”
(
「あまり愛着を感じていない」6.3%と「愛着を感じていない」1.9%
の合計)は 8.2%と1割以下にとどまり、まちへの愛着度は高いといえます。なお、
「どちらともいえない」は 16.0%となっています。
図
まちへの愛着度(全体・性別・年齢別)
とても愛 どちらか どちらと あまり愛 愛着を感 無回答
着を感じ というと もいえな 着を感じ じていな
ている
愛着を感 い
ていない い
じている
n
(%)
37.8
全体
34.6
16.0
630
6.3
1.9 3.3
性
別
39.2
男性
35.3
15.5
283
7.1
1.8 1.1
37.8
女性
35.6
17.2
331
6.0
1.8 1.5
年
齢
10-20代
20.0
52.0
14.0
50
10.0
4.0 0.0
30代
30.2
32.1
22.6
53
13.2
1.9 0.0
40代
28.2
42.3
17.9
78
6.4
3.8 1.3
50代
36.3
35.6
17.8
146
8.2
1.4 0.7
60代
40.3
37.3
134
14.2
4.5 2.2 1.5
70歳以上
53.2
26.0
14.9
154
3.2 0.0 2.6
注:nは回答者の票数、以下同じ。
15
(2)まちの魅力
まちの魅力については、
「自然環境が豊かである」(77.8%)が他を大きく引き
離して第1位に挙げられ、次いで「人情味や地域の連帯感がある」
(33.5%)、
「生
活環境施設が整っている」
(14.4%)、
「消防・防災・防犯体制が整っている」
・
「買
物の便がよい」
(同率 8.7%)
、
「特に魅力を感じない」(7.3%)、「文化・スポーツ
環境が整っている」(6.8%)、
「福祉環境が整っている」(5.4%)などの順となっ
ています。
性別、年齢別でみても、すべての層で「自然環境が豊かである」が第1位に挙げ
られ、次いで「人情味や地域の連帯感がある」が挙げられていますが、年齢別の
10・20 代、40 代、50 代では「特に魅力を感じない」が第3位となるなど、世
代によってまちの魅力に対する認識にやや違いもみられました。
図
n=630
まちの魅力について(全体/複数回答)
(%) 0
10
20
30
40
33.5
生活環境施設が整っている
14.4
8.7
8.7
消防・防災・防犯体制が整っている
買物の便がよい
7.3
6.8
特に魅力を感じない
文化・スポーツ環境が整っている
福祉環境が整っている
5.4
道路・交通の便がよい
4.9
4.9
保健・医療環境が整っている
情報通信網が整っている
2.1
1.0
行政サービスが充実している
0.8
働く場が整っている
0.5
活力ある産業がある
その他
60
70
80
77.8
自然環境が豊かである
人情味や地域の連帯感がある
子育て・教育環境が整っている
50
0.3
3.3
16
90
(3)まちの各環境に対する満足度
市の各環境に関する市民の評価について、満足度をたずねた 50 の設問項目の傾
向を、
“満足”
(
「満足している」及び「どちらかといえば満足している」の合計)
、
「ど
ちらともいえない」
、
“丌満”
(
「どちらかといえば丌満である」及び「丌満である」
の合計)の3区分にまとめ、その比率でみていくと、“満足”と回答した率は、「ご
み処理・リサイクル等の状況」(50.8%)が最も高く、次いで「保健サービス提供
体制」
(45.3%)
、
「上水道の状況」
(42.7%)
、
「墓地・火葬場の整備状況」
(41.4%)
、
「消防・救急体制」
(39.8%)などの順となっています。
一方、
“丌満”と回答した率は、「雇用対策の状況」(46.8%)が最も高く、次い
で「観光振興の状況」
(43.5%)
、
「工業振興の状況」
(43.0%)
、
「商業振興の状況」
(37.4%)
、
「道路の整備状況」
(34.6%)などの順となっています。
さらに、加重平均値[後述参照]による評価点(満足度:最高点 10 点、中間点
0点、最低点-10 点)による分析を行いました。
この結果、評価点の最も高い項目は「ごみ処理・リサイクル等の状況」
(3.07 点)
となっており、次いで第2位が「墓地・火葬場の整備状況」
(2.90 点)、第3位が
「上水道の状況」
(2.53 点)と続き、以下、
「し尿処理の状況」
(2.34 点)、
「保健
サービス提供体制」
(2.29 点)などの順となっています。
一方、評価点の低い方からみると、
「雇用対策の状況」(-3.88 点)が最も低く、
次いで第2位が「工業振興の状況」
(-3.71 点)、第3位が「観光振興の状況」
(-3.34
点)と続き、以下、
「商業振興の状況」
(-2.94 点)、
「行財政改革の推進の状況」
(-1.97
点)などとなっており、評価がプラスの項目は 26 項目、マイナスの項目は 24 項
目となっています。
※評価点(加重平均値)の算出方法
5段階の評価にそれぞれ点数を与え、評価点を算出する。
(「満足している」の回答者数×10 点)+(
「どちらかといえ
評価点= ば満足している」の回答者数×5点)+(「どちらともいえな ÷
い」の回答者数×0点)+(
「どちらかといえば不満である」
の回答者数×-5点)+(
「不満である」の回答者数×-10 点)
17
「満足している」、「どちらかと
いえば満足している」、「どちら
ともいえない」、「どちらかとい
えば不満である」
、
「不満である」
の回答者数
図
まちの各環境に対する満足度(全体)
(単位:評価点)
不満
全体
-6
1
文人
化権
分・
野教
育
・
-5
満足
-4
-3
-2
-1
0
3
4
0.10
男女共同参画の状況
-0.01
学校教育環境
0.22
青少年の健全育成環境
0.65
生涯学習環境
0.92
スポーツ環境
0.22
0.69
文化遺産の保存・活用状況
0.16
国内外との交流活動の状況
2.29
保健サービス提供体制
-0.90
医療体制
0.06
子育て支援体制
0.36
障害者支援体制
高齢者支援体制
0.76
地域福祉体制
0.20
バリアフリー化の状況
3
生
活
環
境
分
野
2
0.07
人権尊重のまちづくりの状況
文化芸術環境
2
福保
祉健
分・
野医
療
・
1
-0.44
防災体制
0.29
消防・救急体制
2.22
交通安全体制
1.53
防犯体制
1.19
消費者対策の状況
-0.10
環境保全の状況
0.12
新エネルギー導入の状況
-1.18
景観の状況
-0.54
公園・緑地の整備状況
-0.30
-1.02
親水空間の整備状況
1.09
緑化の推進状況
3.07
ごみ処理・リサイクル等の状況
2.34
し尿処理の状況
0.17
生活排水処理の状況
2.53
上水道の状況
2.90
墓地・火葬場の整備状況
4
生
活
基
盤
・
産
業
分
野
-1.48
道路の整備状況
-0.33
住宅施策の状況
-0.77
公共交通機関の状況
-0.51
情報環境
雇用対策の状況
-3.88
農業振興の状況
-1.85
林業振興の状況
-1.30
水産業振興の状況
-1.39
工業振興の状況
商業振興の状況
観光振興の状況
5
行市
財民
政参
分画
野・
-0.67
土地利用の状況
-3.71
-2.94
-3.34
NPO、市民活動の育成状況
-0.20
コミュニティ活動の状況
0.23
行財政改革の推進の状況
-1.97
広域的な連携の状況
-1.80
広報・広聴の状況
1.19
行政情報の提供の状況
-0.28
18
5
6
(4)満足度と重要度の相関(優先度)
まちの現状評価や行政ニーズを把握するため、満足度評価と重要度評価を相関さ
せた散布図を作成しました。このグラフでは左上隅の「満足度評価最低・重要度評
価最高」に近づくほど優先度が高くなり、右下隅の「満足度評価最高・重要度評価
最低」に近づくほど優先度が低くなります。この散布図からの数量化[下記参照]
による分析で優先度(評価点:最高点 42.43 点、中間点0点、最低点-42.43 点)
を算出しました。
この結果をみると優先度は、
「雇用対策の状況」
(20.70 点)が第1位となって
おり、次いで「観光振興の状況」
(16.44 点)、「医療体制」
(15.59 点)が続き、
以下、
「工業振興の状況」
(14.67 点)、「道路の整備状況」
(12.17 点)、
「商業振
興の状況」
(11.00 点)
、
「農業振興の状況」
(10.99 点)の順となっています。
※優先度の算出方法
① 散布図を作成するため満足度偏差値・重要度偏差値を算出する。
例:
「雇用対策の状況」→満足度偏差値 30.42…、重要度偏差値 55.02…
② ①で算出した偏差値から平均(中心)からの距離を算出する。
例:
「雇用対策の状況」→20.22…= (30.42-50)2 +(55.02-50)2
③ 平均(中心)から「満足度評価最低・重要度評価最高」への線と平均(中心)から各項目への線の
角度を求める。
例:
「雇用対策の状況」→30.61 度
④ ③で求められた角度より修正指数を算出する(指数は下記のとおり設定し、左上隅の「満足度評価
最低・重要度評価最高」に近づくほど得点が高くなる。
)
。
例:
「雇用対策の状況」→0.6598=(90-30.61)×(1÷90)
⑤ ②で算出された平均(中心)からの距離と③で算出された修正指数から優先度を算出する。
例:
「雇用対策の状況」→13.34=20.22…×0.6598…
距離・角度
指数の設定
80.0
80.0
雇用対策の状況
雇用対策の状況
0.5
1.0
角度(30.61度)
◆
0.0
◆
-0.5
50.0
50.0
0.5
距離(20.22)
重
要
度
重
要
度
評
価
0.0
-1.0
評
価
20.0
20.0
20.0
-0.5
満足度評価
50.0
20.0
80.0
19
満足度評価
50.0
80.0
図
満足度と重要度の相関(優先度)(上位・下位各 10 項目)
(単位:評価点)
80.0
医療体制
優先度 高
雇用対策の状況
学校教育環境
道路の整備状況
観光振興の状況
農業振興の状況
工業振興の状況
景観の状況
商業振興の状況
50.0
緑化の推進状況
行財政改革の推進の状況
墓地・火葬場の
整備状況
広報・広聴の状況
生涯学習環境
文化芸術環境
重
要
度
評
価
文化遺産の保存・活用状況
男女共同参画の状況
コミュニティ活動の状況
NPO、市民活動の
育成状況
20.0
20.0
国内外との交流活動
の状況
優先度 低
50.0
80.0
満足度評価
優先度高い
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
第6位
第7位
第8位
第9位
第 10 位
優先度低い
雇用対策の状況(20.70)
観光振興の状況(16.44)
医療体制(15.59)
工業振興の状況(14.67)
道路の整備状況(12.17)
商業振興の状況(11.00)
農業振興の状況(10.99)
学校教育環境(4.82)
景観の状況(4.44)
行財政改革の推進の状況(4.12)
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
第6位
第7位
第8位
第9位
第 10 位
20
墓地・火葬場の整備状況(-18.61)
国内外との交流活動の状況(-11.92)
コミュニティ活動の状況(-10.47)
NPO、市民活動の育成状況(-9.75)
文化遺産の保存・活用状況(-9.47)
男女共同参画の状況(-8.38)
生涯学習環境(-6.85)
広報・広聴の状況(-6.53)
緑化の推進状況(-6.47)
文化芸術環境(-6.09)
図
満足度と重要度の相関(優先度)(全体)
(単位:評価点)
優先度意向 低
全体
-25
1
文人
化権
分・
野教
育
・
-20
-15
優先度意向 高
-10
0
15
-6.85
-5.25
スポーツ環境
-6.09
-9.47
-11.92
保健サービス提供体制
0.43
医療体制
15.59
子育て支援体制
2.85
障害者支援体制
-0.36
高齢者支援体制
3.23
地域福祉体制
-3.09
バリアフリー化の状況
1.56
防災体制
3.30
-0.47
消防・救急体制
-3.60
交通安全体制
-0.74
防犯体制
-3.29
消費者対策の状況
0.55
環境保全の状況
3.18
新エネルギー導入の状況
4.44
景観の状況
1.24
公園・緑地の整備状況
親水空間の整備状況
1.01
緑化の推進状況
-6.47
ごみ処理・リサイクル等の状況
-1.95
し尿処理の状況
-5.71
生活排水処理の状況
2.11
上水道の状況
0.02
-18.61
土地利用の状況
-3.38
12.17
道路の整備状況
-5.42
住宅施策の状況
-0.01
公共交通機関の状況
-4.25
情報環境
20.70
雇用対策の状況
10.99
農業振興の状況
0.60
林業振興の状況
1.26
水産業振興の状況
14.67
工業振興の状況
商業振興の状況
11.00
観光振興の状況
5
行市
財民
政参
分画
野・
16.44
NPO、市民活動の育成状況
コミュニティ活動の状況
25
-0.40
生涯学習環境
墓地・火葬場の整備状況
20
4.82
学校教育環境
青少年の健全育成環境
国内外との交流活動の状況
4
生
活
基
盤
・
産
業
分
野
10
-8.38
男女共同参画の状況
文化遺産の保存・活用状況
3
生
活
環
境
分
野
5
-5.97
人権尊重のまちづくりの状況
文化芸術環境
2
福保
祉健
分・
野医
療
・
-5
-9.75
-10.47
行財政改革の推進の状況
4.12
広域的な連携の状況
2.56
広報・広聴の状況
-6.53
行政情報の提供の状況
-1.97
21
(5)今後のまちづくりの特色
今後のまちづくりの特色については、「健康・福祉のまち」(38.4%)が他を引
き離して第1位に挙げられ、健康・保健・福祉分野への関心が高いことがうかがえ
ます。その他では「農林水産業のまち」
(27.9%)、
「環境保全のまち」
(21.9%)、
「快適住環境のまち」
(19.8%)、
「子育て・教育のまち」
(17.0%)、
「商工業のま
ち」
(15.1%)
、
「観光・交流のまち」
(14.1%)、
「市民参画・協働のまち」
(12.5%)、
「生涯学習・文化のまち」(4.9%)、「歴史のまち」(2.1%)の順となっており。
健康・福祉分野を中心に、農林水産業の充実、住環境の充実、子育てや教育、商工
業、観光・交流、市民参画・協働への関心が高いことがうかがえます。
図
n=630
今後のまちづくりの特色(全体/複数回答)
(%) 0
10
20
30
38.4
健康・福祉のまち
27.9
農林水産業のまち
21.9
環境保全のまち
19.8
快適住環境のまち
17.0
子育て・教育のまち
15.1
商工業のまち
観光・交流のまち
14.1
12.5
市民参画・協働のまち
4.9
生涯学習・文化のまち
歴史のまち
その他
40
2.1
1.3
22
50
第5節 踏まえるべき時代潮流
本市をめぐる社会・経済情勢の変化はめまぐるしいものがあり、まちづくりの各
分野において、検討かつ対応していかなければならないいくつかの潮流があります。
今後のまちづくりにおいては、広域的、全国的、さらには世界的な視点から、時代
の流れがもたらす様々な課題に的確かつ柔軟に対応していくことが必要です。
潮流1
地方分権の進展と広域連携の強化
平成 18 年 12 月に地方分権改革推進法が成立し、同法に基づき設置された地方
分権改革推進委員会で第4次にわたる勧告がなされてきました。これを反映して、
政府において、講ずべき必要な法制上又は財政上の措置等を定めた「地方分権改革
推進計画」が策定されました(平成 21 年 12 月15日閣議決定)
。
地方分権改革(地域主権改革)とは、行政権と立法権の国から地方への移譲のこ
とを指しています。中央から地方へという地方分権の動きはより一層大きくなり、
地方自治体は、政治・経済・社会・文化などのあらゆる面で自主的で個性あるまち
づくりを自己決定・自己責任のもとで推進することが求められています。
そして、「集約とネットワーク」の観点のもとで、近接する市町村が様々な分野
で相互に連携・協力し、「定住」のための暮らしに必要な諸機能を総体として確保
するとともに、「自立」のための経済基盤や地域の誇りを培うことで、魅力あふれ
る地域づくりを目指していくことが求められています。
また、多様化する行政ニーズや移譲される権限の受け入れに応えるため、行財政
能力の向上や新たな行財政推進体制づくりが求められています。
潮流2
尐子高齢化の進行
わが国では、高齢化が進行する一方で、尐子化による人口減尐の時代が始まって
います。また、2012 年からの3年間での退職者は 660 万人ともいわれ(→2012
年問題)
、一方、出生者は 324 万人と見込まれています。
本栺的な尐子高齢化社会を迎え、子どもを安心して産み育てられる環境づくりや、
高齢者が健康で安心して暮らし、社会参加を通じてゆとりと生きがいを感じること
ができるまちづくりが求められています。
23
潮流3
安全・安心のまちづくりの市民的要請
世界各地で大規模な自然災害が多発しているほか、国内でも地震等が発生し、自
然災害からの安全性確保への人々の意識が急速に高まっています。
また、犯罪の増加や低年齢化をはじめ、児童生徒が犯罪に巻き込まれる事件、食
の安全の問題、世界各地における同時多発テロや有事の発生、さらには新型インフ
ルエンザ問題や家畜伝染病の発生等を背景に、安全・安心な地域社会づくりがこれ
まで以上に強く求められています。
潮流4
厳しい経済環境と財政の深刻化
2008 年の世界金融危機・同時丌況に伴う景気悪化は、丌振が続く地方経済に一
層の打撃を不えました。今回の景気悪化でみられた特徴としては、輸出依存型の鉱
工業生産の悪化が激しく、その丌安定さが浮き彫りになりました。鉱工業にかかる
工場誘致は地方経済活性化の大きな一手段でしたが、生産の変動で景気に大きく左
右されるリスク※が再認識されることになりました。
一方、公共投資に関しては、2000 年代に公共投資が削減され、地方経済は大き
な影響を受けました。これは、地方における経済構造が公需に依存している割合が
高いことを示しており、社会資本整備がある程度行われた現代にあって、今後、民
需へ対応して行く経済構造へと転換させていくことが必要になっています。
こうした経済環境は、国や地方自治体の財政にも大きな影響を及ぼしており、国
及び地方の財政は、依然として厳しい状況が続いています。
潮流5
グローバル化・高度情報社会の進展
情報通信技術の発達により、地球的な規模で時間と距離の制約を受けずに、対面
に近い形での情報のやりとりが可能となります。そして、世界から個人生活に至る
まで、あらゆる社会経済活動に大きな変革がもたらされようとしています。
こうした流れは、地域においてもコミュニケーションの手段に多様性、選択性を
もたらし、今までにない新しい関係や活動を生み出す可能性を秘めています。
しかし、一方では、情報活用能力の違いによる情報栺差、ネットワーク上のプラ
イバシー侵害やコンピュータ犯罪等の新たな問題を生じさせています。
また、情報通信技術とともに交通・輸送手段の発達によって、人やモノ、情報、
資金などが世界中を活発に行き交い、異なる国や地域がこれまで以上に緊密に、短
※
リスク:危険性
24
時間で結びつくようになっています。
こうしたグローバル化の進展により、地球温暖化などの地球規模の問題の解決や
多文化共生社会の実現など、様々な社会的、経済的、文化的活動における国家・地
域間の相互の理解、協力の重要性が高まっています。
一方、グローバル化は、経済・産業等の面で国際的な競争の激化をもたらしてい
る側面があります。しかし、これを新たなチャンスととらえ、世界的な展開を視野
に入れながら技術力の向上や人材の育成など持続可能な経済基盤の強化を着実に
進め、地域の個性や資源に根ざした魅力を高めていくことが、国際間競争力の強化、
ひいては地域活性化の鍵になります。
潮流6
地球環境問題の深刻化
人間の諸活動に伴うエネルギー消費の増大等により、地球的な規模において様々
な環境問題が引き起こされています。地球環境問題は人類共通の課題であり、経済
産業活動から市民生活に至るあらゆる分野での対応が丌可欠となっています。
「地球規模で考え、足下から行動する」という環境保全の行動理念のもと、環境
への負荷の尐ない持続可能な循環型社会・低炭素社会※の形成のための生活スタイ
ルの実践が求められています。
潮流7
市民と行政の協働によるまちづくり時代の到来
心の豊かさを重視する価値観の高まりとともに、自己表現の場としてもボランテ
ィア活動への関心が高まっています。平成 10 年の特定非営利活動促進法の成立に
より、NPO※の社会的役割が法的にも認められ、各地でNPOがまちづくりの一
翼を担うようになってきています。
今後は、まちづくりの過程や実践についてNPOをはじめ市民の参画を促進し、
行政の手の届かない分野やこれまで行政が担当していた分野での活動推進ととも
に、行政との協働によるまちづくりを推進し、企業誘致による雇用の確保だけでな
く、コミュニティビジネス※などこの分野での雇用の確保も考慮していくことが求
められています。
※
低炭素社会:二酸化炭素の排出が尐ない社会のこと。低炭素型社会、脱炭素社会ともいう。
※
NPO:民間非営利組織
※
コミュニティビジネス:地域の課題を地域住民が主体的に、ビジネスの手法を用いて解決する取組み。
25
第6節 串間市の発展課題
本市を際だたせる個性、市民の意識と期待、時代の潮流等を踏まえ、発展課題
をまとめると以下の通りです。
課題1
まちづくり体制の確立による協働社会の構築
地方分権時代に即した自己決定・自己責任のまちづくりに向けては、本市のお
かれている厳しい財政状況を認識しつつ、今後も、市民・市・市議会による協働
体制を強化していく必要があります。
そのためには、情報の共有などによる「市政への市民参画」と地域コミュニテ
ィの育成・支援などによる「まちづくりへの市民参画」と「協働体制の確立」、
「人
権の尊重と男女共同参画」が丌可欠です。
これにより、地域での新しい課題解決のためのビジネスの場を形成することで、
地域における創業機会、地域雇用を拡大する効果が望まれます。また、地域住民
自らが主導し実践することによって、地域社会の自立・活性化、地域コミュニテ
ィの再生などの効果が期待されると同時に、活動主体たる地域住民には、社会に
貢献しているという満足感や、やりたいことを実行するという自己実現の満足感、
生き甲斐を不えてくれます。
また、行政サイドにおいても、常にコスト意識を持った効率的な行政運営、市
民の信頼を得て協働のまちづくりのコーディネーター※となって取り組むことの
できる職員の育成、そして、効率的に地域との連携を図っていくための行財政体
制の整備が求められています。
課題2
高齢者や障がい者が健康で暮らせるまちづくりの推進
本市においても今後ますます高齢化は進行し、10 年後には 65 歳以上の高齢者
人口は全人口の4割弱程度になると予想されています。
長い生涯を健康で元気に過ごすことができるよう保健・医療・福祉の連携によ
るきめ細やかな健康づくりの充実等が求められています。
また、健康・福祉のまちづくりは、市民アンケートにおいても、今後のまちづ
くりの特色として高い支持を得ています。
さらに、高齢者や障がい者が気軽に集い交流できる場所づくりや社会参加の拡
充等に努める必要があります。
※
コーディネーター:ものごとを調整する役の人。
26
課題3
若者定住を促す子育て支援や人材育成の充実
本市では、進学や就職による若年層の市外流出が大きな課題となっています。
今回実施した「まちづくりアンケート調査」の結果では、若年層が特に強く望
む施策として、子育て支援や児童福祉の充実、幼児教育や学校教育の充実、さら
には、環境保全、働きがいのある職場の充実等が挙げられました。今後、若者ニ
ーズに即した施策・事業を重点的に推進し、若者が住みたくなるまちづくりの実
現を目指す必要があります。
課題4
農林水産業の活性化と雇用を確保する産業の振興
本市は、これまで食用かんしょや米、葉たばこや施設園芸等を主体とする農業
をはじめ、肉用牛や酪農、養豚、ブロイラーなどの畜産、定置網や養殖漁業など
の水産業といった第一次産業を基幹産業として発展してきました。
しかし、一方では、農業離れや農地・林地の荒廃、家畜伝染病による影響、漁
価の低迷等があり、これに伴いまちの活力も停滞してきています。
そのため、環境保全型・循環型農業の一層の推進や集落営農等の組織づくり、
つくり育てる漁業をはじめ地産地消の推進等を図って農林水産業の付加価値を高
める必要があります。さらに所得の増大や担い手の確保にもつながる新たな農林
水産業の振興施策にも取り組んでいく必要があります。
そして、企業誘致や地域特性に即した六次産業等の育成を図り、地域の活性化
を図る必要があります。
さらに、地域商業者を中心に、拠点性が高く、かつ地域に密着した商店街振興
策の推進も必要です。
課題5
生活利便性・快適性の向上と安全・安心の確保
本市は、高速交通体系の整備が遅れていることに起因する地域整備の遅れが人
口減尐の一因ともなっています。また、鉄道・バスといった各種交通等の連絡の
悪さから、通勤・通学での交通利便性の低い地域もあります。今後、高速交通網
と道路整備の充実、市街地環境の整備等に努めて、生活の利便性・快適性の一層
の向上を図る必要があります。
近年、全国的に続く大規模な自然災害や子どもを狙った悪質な犯罪、交通事敀
や食への丌安の増加、消費者保護の必要性等が懸念されることから、市民の安全・
安心を求めるニーズは急速に高まっています。また、うつ病対策と併せ、働き方
を見直したり、何度でも再チャレンジできるよう、互いに助け合い、見守り合う
27
地域の再生・強化や防犯体制の充実等を図って、安全・安心なまちづくりの構築
を目指す必要があります。
課題6
豊かな自然環境の保全と循環型まちづくりの形成
水と緑が輝く本市の自然環境に市民は愛着を持ち、未来にわたって保全し続け
ることを望んでいる一方で、地球規模で進行する環境破壊の現実等に直面するこ
とも多くなり、市民の環境問題に対する危機意識は高まっています。
今後一層、自然環境の保全・監視活動の充実に努めるとともに、ごみの減量化
やリサイクルの推進、環境に配慮した生活スタイルの普及など循環型のまちづく
りの形成・確立に努める必要があります。
28
第2部
基本構想
29
30
第1章
串間市の将来像
第1節 まちづくりの基本理念
第1部の総論を踏まえ、新しいまちづくりの基本理念を以下の通り定め、まちづ
くりのすべての分野における基本的な考え方とします。
基本理念1
「みんなが主役-参画と協働」
自ら決め自ら実行する市民と地域を目指すという、地方分権時代にふさわ
しい理念のもとに、市民・団体・事業者・行政が力を合わせて、参画・協働
のまちづくりを進めます。
基本理念 2
「みんながすこやか-健康と快適」
市民一人ひとりの健康づくりを推進するとともに、環境・景観保全を基本
とした循環型社会を形成し、だれもが生涯をとおして安心・安全に暮らせる
健康で快適なまちづくりを進めます。
基本理念3
「みんながいきいき-活力と人づくり」
恵まれた自然環境や特色ある文化の魅力を引きだすことによる交流人口の
増加、農林水産分野をはじめ独自の地域資源の新たな展開による産業振興、
多様性と個性を尊重する人づくりなど、市民が郷土に誇りをもち、にぎわい
と活気あふれるまちづくりを進めます。
31
第2節 串間市の将来像
本市の個性や市民の意識と期待、時代の潮流、発展課題、そしてまちづくりの
基本理念を総合的に勘案し、将来都市像を以下の通り定め、
「串間市」ならではの
地域特性・資源を活用し、子どもから高齢者まで、市民一人ひとりが安心して地
域で健やかにいきいきと暮らせるまちの実現を目指します
将来都市像
豊かな自然とともに
生きる喜びにあふれる
協働と交流のまち 串間
「みんなが主役-参画と協働」
「みんながすこやか-健康と快適」
「みんながいきいき-活力と人づくり」
これまでの基本理念の継承
しあわせで、住みよい、豊かな串間の創造
将来都市像は、本市の豊かな自然を生かし、市民の笑顔があり、生きる喜びがあ
ふれるまちへとさらに発展させていくという意気込みを表しています。
なお、この将来都市像と基本目標は、串間市まちづくり市民会議とくしま子ども
未来会議で出された将来像等の中から、その要素を汲み取って構成したものです。
「しあわせで、住みよい、豊かな串間の創造」とは、これまでの基本とする理念
を継承して、本市の変わらない理念として位置づけており、産まれてから、育ち・
学び・働き、老後を送る人生のライフ・ステージ※を、必要とする健康・福祉体制に
守られつつ、生きがいをもって、安全・安心で豊かに暮らしていくことができる状
態を表しています。
※
ライフ・ステージ:人間の一生における幼年期・児童期・青年期・壮年期・老年期などのそれぞれの
段階。
32
第3節 人口・就業構造の推計
国勢調査の結果による過去の人口推移に基づき、コーホートセンサス変化率法※
により人口推計を行った結果によると、本市の人口は今後も減尐傾向で推移し、
平成 32 年には 17,190 人程度になることが推計されています。
また、年齢階層別人口をみると、出生率の低下と平均寿命の伸張により、今後、
老年人口(65 歳以上)の増加が一層顕著となり、平成 32 年には 6,820 人と、
構成比でも 39.7%を占め、高齢化がさらに進むことが想定されます。年尐人口(0
~14 歳)
、生産年齢人口(15~64 歳)については、平成 32 年にそれぞれ 2,080
人(12.1%)
、8,290 人(48.2%)になるものと想定され、年尐人口と生産年
齢人口の減尐が進みます。
世帯数については、平成 32 年には 7,380 世帯になり、1世帯当たり人員は平
成 17 年の 2.54 人から 2.33 人まで低下することが想定されます。
就業構造は、第1次産業と第2次産業は減尐、第3次産業はゆるやかな減尐傾
向で推移することが想定されます。
しかし、人口減尐社会にあるなかで、将来の本市の発展方向を総合的に勘案す
ると、目標人口は設定しないで推計にとどめ、魅力ある定住・交流基盤の整備や
快適で安全な居住環境の整備、福祉・教育・文化環境の充実、活力ある産業の振
興、雇用の確保等を図って、人口減尐に歯止めをかけ、定住・交流人口の確保に
最大限努めることを目標とします。
将来人口・世帯・就業構造の推計結果
(単位:人、世帯、人/世帯、%)
年
項目
総人口
年少人口
(14 歳以下)
生産年齢人口
(15~64 歳)
老年人口
(65 歳以上)
世帯数
1世帯当人数
就業人口総数
第1次産業
第2次産業
第3次産業
就業率
平成 17 年
平成 27 年
平成 32 年
22,118
2,795
(12.6%)
11,752
(53.1%)
7,196
(32.5%)
8,700
2.54
10,296
2,893
(28.1%)
1,933
(18.8%)
5,454
(53.0%)
46.6%
19,020
2,330
(12.3%)
9,790
(51.5%)
6,900
(36.3%)
7,960
2.39
8,990
2,300
(25.6%)
1,490
(16.6%)
5,200
(57.8%)
47.3%
17,190
2,080
(12.1%)
8,290
(48.2%)
6,820
(39.7%)
7,380
2.33
8,420
2,060
(24.5%)
1,280
(15.2%)
5,080
(60.3%)
49.0%
年平均増減率
H17~H27
H27~H32
△ 1.40
△ 1.92
△ 1.66
△ 2.15
△ 1.67
△ 3.06
△ 0.41
△ 0.23
△ 0.85
-
△ 1.27
△ 1.46
-
△ 1.27
△ 2.05
△ 2.09
△ 2.29
△ 2.82
△ 0.47
△ 0.46
-
-
注:平成 17 年は国勢調査の実績値。総人口には 375 人の年齢不詳、就業人口総数には 16 人の分類不能
を含む。目標値は、各種手法による予測をもとに設定したものであり、10 人及び 10 世帯単位。
※
コーホートセンサス変化率法:同時出生集団の一定期間における人口の変化率を計算し、その変化率
が将来も変化しないと仮定して推計する方法。
33
総人口及び年齢階層別人口
19,020
22,118
17,190
年少人口
(0~14歳)
24,000
20,000
2,795
2,330
2,080
16,000
11,752
9,790
12,000
生産年齢人口
(15~64歳)
8,290
老年人口
(65歳以上)
8,000
4,000
0
7,196
6,900
6,820
平成17年
平成27年
平成32年
就業人口
10,296
8,990
8,420
12,000
10,000
第1次産業
2,893
2,300
8,000
1,933
1,490
1,280
5,454
5,200
5,080
平成17年
平成27年
平成32年
6,000
第2次産業
2,060
第3次産業
4,000
2,000
0
人口ピラミッド(5歳階級別)
平成17年国勢調査 平成32年推計値
男
女
85歳以上
80~84歳
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~9歳
0~4歳
1,500
1,000
500
0
0
500
1,000
1,500
単位:人
34
第4節 土地利用の基本方針
土地は、将来にわたって限られた資源であるとともに、市民の生活や産業経済
活動等のあらゆる活動の共通の基盤となるものであり、その利用のあり方は、ま
ちの発展や市民生活の向上と深いかかわりを持ちます。
目指す目標と将来都市像の実現に向けて、合理的、計画的なまちづくりが進め
られるよう、主要区域の土地利用にかかわる基本的な考え方を次のように定め、
市民がいきいきと快適に暮らすことができる舞台の提供を図ります。
この基本的な考え方を踏まえ、土地利用の基本方針を
①
水と緑の豊かな自然環境の保全
②
貴重な歴史資源・景観の保全
③
うるおいのある住環境・生活空間の確保
④
にぎわいのある中心市街地の形成
⑤
農林水産業と商工業の調和のとれた産業基盤の確立
⑥
ネットワーク化された道路・交通体系の確立
⑦
地域相互の連携とバランスのとれた土地利用の推進
と定めます。
土地利用の基本方針を踏まえ、本市における土地利用について5つのゾーン
に区分し、これらを結ぶ基幹的道路体系の整備と合わせて次のような土地利用
を進めます。
〈にぎわいの市街地・商業拠点ゾーン〉
JR串間駅を中心とし、公共施設や商業施設から住宅地と混住する地域に至
る一帯を「にぎわいの市街地・商業拠点ゾーン」と位置づけ、公共施設・事業
所・商業施設機能の充実、都市計画道路や幹線道路、公園施設などの社会資本
整備や都市基盤整備等を推進し、住む人と訪れる人がふれあうにぎわいのある
良好な市街地・事業所・商業環境の創出、誘導に努めます。
〈くつろぎの住宅地・新宅地創出ゾーン〉
市街地・商業拠点ゾーンに連担する既成住宅地域一帯を「くつろぎの住宅地・
新宅地創出ゾーン」と位置づけ、生活道路や都市計画道路、公園や広場などの
35
生活環境整備等を推進し、環境と共生する良質な住宅開発や商業施設の誘致等
と併せて、良好な住宅地環境の創出・形成に努めます。
〈やすらぎの農林水産業・農山漁村定住ゾーン〉
市の北部・東部に点在する農林業・農山漁村地区を「やすらぎの農林水産業・
農山漁村定住ゾーン」と位置づけ、まとまりのある優良農地については長期的
保全に努めて基盤整備等を進め、生産性の高い農林産物生産地の形成を図りま
す。山間集落や漁村集落などの農林水産業環境と共存する集落形態を有する地
区については、生活基盤整備等を計画的に推進し、自然と共生する農山漁村定
住地区として良好な居住環境の誘導・形成に努めます。
〈うるおいの自然環境保全ゾーン〉
市の北東部に位置する山間地域と福島川をはじめ、善田川、本城川、市木川
などの河川流域を「うるおいの自然環境保全ゾーン」と位置づけ、景観や生態
系の保全に努めることとします。また、適地に林業振興や観光資源としての活
用のための整備を推進します。
〈活力の産業ゾーン〉
既成工業立地地区や工場適地地区等を「活力の産業ゾーン」と位置づけ、工
業団地・工場適地としての基盤整備を図ることはもとより、優良企業の誘致や
既存企業への支援等に努めるとともに、地域資源を活用した地域ブランドの開
発、生産、物流等新産業の創造及び新たな雇用創出のための土地利用の推進を
図ります
36
土地利用イメージ図
37
38
第2章
将来像実現のための基本目標
第1節 施策の体系
将来像の実現に向けて、新たなまちづくりの基本目標(6つの施策の柱)を次
の通り設定します。
基本目標1
市民と行政がおもいを一つに前進する・くしま
1-1
1-2
1-3
1-4
市民主体のまちづくりの推進
地域コミュニティの育成
男女共同参画・人権尊重社会の形成
自治体経営の推進
2-1
2-2
2-3
2-4
2-5
2-6
保健・医療の充実
高齢者福祉の充実
障がい者福祉の充実
地域福祉の充実
社会保障の充実
子育て支援の充実
3-1
3-2
3-3
3-4
3-5
幼児・学校教育の充実
生涯学習社会の確立
生涯スポーツの振興
青尐年の健全育成
地域文化の継承・創造
4-1
4-2
4-3
4-4
4-5
農林水産業の振興
商業・サービス業の振興
工業・地場産業の振興
観光・交流活動の振興
雇用・勤労者対策の充実
5-1
5-2
5-3
5-4
5-5
5-6
道路・交通ネットワークの整備
情報ネットワークの整備
住宅・市街地の整備
交通安全・防犯体制の充実
消防・防災・救急体制の充実
消費者対策の充実
6-1
6-2
6-3
6-4
6-5
環境施策の総合的推進
循環型社会の形成
上下水道の整備
公園・緑地・水辺の整備
景観の保全・形成
~市民活動・行財政経営分野
基本目標2
ともに暮らし、ともに支え合う・くしま
~保健・医療・福祉分野
基本目標3
ワクワクがとまらない、おどろき・くしま
~教育・文化分野
基本目標4
みんなでつくる、元気でにぎやか・くしま
~産業振興分野
基本目標5
安全・安心で、やすらぎのある・くしま
~生活基盤分野
基本目標6
自然の宝庫、暮らしやすい・くしま
~環境保全分野
39
第2節 施策の大綱
基本目標1
市民と行政がおもいを一つに前進する・くしま
~市民活動・行財政経営分野
新しい時代の市民自治に基づく個性豊かな地域づくり、自律的(自ら決定、自
ら実行する)なコミュニティの形成に向けた取組みを進めるとともに、市民と行
政との協働のまちづくりに向け、広報・広聴機能や情報公開機能の充実、各種行
政計画への市民参画、多様な市民活動、まちづくり活動の支援の充実などを図り
ます。
また、男女が社会のあらゆる分野に対等な立場で役割・責任を共有しながら参
画することができるよう、男女共同参画社会の形成を進めるとともに、行政・学
校・関係機関等の連携を図り、人権意識を高める啓発活動を進めます。
地方分権、地域主権のまちづくりの時代に対応し、これまでの施策・事業の進
め方を見直すとともに、公から民への事業移管や、行政主導のまちづくりから行
政と市民が連携して取り組む地域協働・市民自治の地域づくりへの転換等を積極
的に進めます。また、情報公開や行財政改革を徹底し、効率的な行政組織、開か
れた行財政運営の確立に努めるなど、
「参画と協働のまちづくり」を積極的に推進
します。
また、近接する市町が様々な分野で相互に連携・協力し、個々の行政区域にと
らわれることなく広域圏として行政機能の充実を図っていく必要もあります。今
後ますます厳しくなる地域間競争を勝ち抜いていくためには、各市町の地域性を
重視しながらも、鹿児島県域を含む広域圏でのスケールメリット※を生かした取組
みも必要となってくることから、新たな広域行政の枠組みについても積極的な検
討を進めていきます。
市民と行政がおもいを一つに前進する・くしま
1-1 市民主体のまちづくりの推進
1-2 地域コミュニティの育成
1-3 男女共同参画・人権尊重社会の形成
1-4 自治体経営の推進
※
スケールメリット:規模を大きくすることによって得られる利点。
40
基本目標2
ともに暮らし、ともに支え合う・くしま
~保健・医療・福祉分野
尐子高齢化の急速な進行と、これに伴う保健・医療・福祉ニーズの一層の増大・
多様化が見込まれる中で、健康寿命の延伸と生活の質の向上を見据えた総合的な
健康づくり体制の整備を進めるとともに、医療体制の整備を進めます。
また、乳幼児から高齢者までのすべての市民が、地域の中で支え合いながらと
もに生きることができるよう保健・医療・福祉の連携を図って、地域福祉対策や
ボランティア活動、健康づくりの充実、福祉団体等の育成などに努めます。
さらに、高齢者や障がい者などの立場に立ったバリアフリー※のまちづくりを推
進するとともに、子育て支援の充実や児童の健全育成等を図り、相互扶助の心に
満ちあふれたまちづくりを積極的に展開します。
これらに加えて、だれもが支え合いながら健康で安心して暮らせるやさしいま
ちづくりに向け、ノーマライゼーションの理念※に立った、市民との協働による地
域福祉体制の整備、社会保障の充実を進めます。
とりわけ、次代を担う子どもが健やかに産まれ、育成される子育て支援の環境
づくりを積極的に進め、本市で子育てをしたいという人を増やします。
ともに暮らし、ともに支え合う・くしま
2-1
2-2
保健・医療の充実
高齢者福祉の充実
2-3 障がい者福祉の充実
2-4 地域福祉の充実
2-5 社会保障の充実
2-6 子育て支援の充実
※
バリアフリー:障壁のないこと。
※
ノーマライゼーションの理念:だれもが等しく普通の生活を送れる社会こそ正常であるという考え方。
41
基本目標3
ワクワクがとまらない、おどろき・くしま
~教育・文化分野
生きる力の育成を重視した学校教育の推進、そのための学校教育環境の整備な
どにより総合的な学習環境づくりを進めるとともに、高等学校との連携を図って、
小・中・高一貫教育をさらに重点化・深化させます。
価値観の多様化が顕著となり生涯にわたって自己を高め続けようとする市民の
意識等に対応した、質の高い芸術・文化活動、生涯学習・生涯スポーツ活動の積
極的な展開を図ります。また、幼児や青尐年を対象とした地域教育力の向上や家
庭教育の充実、地域の歴史・文化の見直し活動の推進等を市民参加の組織づくり
のもとで進め、市民自らの学習、文化、地域教育活動がまちづくりを支え、まち
の活性化を促す、人と文化が輝く教育のまちづくりを積極的に展開します。
また、生涯の学びを通じた自己実現、市民主体の芸術・文化・スポーツ活動、
多彩な交流活動等を支援・促進していくとともに、伝統文化・地域資源をはじめ、
有形・無形の貴重な文化遺産の保存と活用を図ることにより、地域を愛し、個性
ある人を育てるとともに、
「串間」らしさを創出する文化のまちづくりを進めます。
ワクワクがとまらない、おどろき・くしま
3-1
3-2
3-3
幼児・学校教育の充実
生涯学習社会の確立
生涯スポーツの振興
3-4 青少年の健全育成
3-5 地域文化の継承・創造
42
基本目標4
みんなでつくる、元気でにぎやか・くしま
~産業振興分野
農林水産業は、これからも本市振興にとって重要な要素であり、引き続き、生
産基盤の充実や企業的経営の促進、多様な担い手の育成、農水産物加工・販売体
制の整備、都市・消費者との交流の促進をはじめ、環境変化に即した多様な振興
施策を一体的に推進し、農林水産業の維持・高度化を図ります。
また、道路整備や基盤整備と連動した商店街の再生整備を図るとともに、企業
誘致や地場産業の振興など工業支援施策の強化をはじめ、起業※を促進します。
加えて、NPO との協働による事業の推進やコミュニティビジネスの育成を図っ
て、これらによる新規雇用の創出に努めます。
さらに、豊かな自然や伝統文化、各種スポーツ・文化施設等を活用した観光・
交流機能の拡充等に努め、新しい地域活性化の主要な手段として、第一次産業と
も連動した観光・交流活動を活発化させ、地域性に即した活力ある産業構造の再
構築を進めます。
また、勤労者福祉の充実に努めるとともに、活発な産業活動や企業誘致などに
よる雇用の確保を図ります。
みんなでつくる、元気でにぎやか・くしま
4-1
4-2
農林水産業の振興
商業・サービス業の振興
4-3 工業・地場産業の振興
4-4 観光・交流活動の振興
4-5 雇用・勤労者対策の充実
※
起業:新しく事業を始めること。
43
基本目標5
安全・安心で、やすらぎのある・くしま
~生活基盤分野
今後の広域的な地域構造の変化や社会・経済情報の変化を見通し、長期的・広
域的視点に立った計画的で利便性の高い、定住人口・交流人口の増加を目指して
生活基盤の整備を推進します。
また、多様な分野における情報ネットワークの整備を図ることにより、市民生
活の利便性を高めるとともに、新たな交流を生み出します。
さらに、東九州自動車道の早期整備をはじめ、国道・県道の整備促進、市道の
整備を進めるとともに、人々が集う魅力ある市街地環境の整備、快適な住宅や宅
地の整備誘導、鉄道、バスなどの公共交通機関の利便性向上を図ります。
また、大地震や風水害などの自然災害への対応のほか、交通安全・防犯対策、
消費者保護対策を図り、安心・安全なまちづくりを進めます。
安全・安心で、やすらぎのある・くしま
5-1 道路・交通ネットワークの整備
5-2 情報ネットワークの整備
5-3 住宅・市街地の整備
5-4 交通安全・防犯体制の充実
5-5 消防・防災・救急体制の充実
5-6 消費者対策の充実
44
基本目標6
自然の宝庫、暮らしやすい・くしま
~環境保全分野
豊かな自然環境を守り育てるとともに、自然と共生する快適で安全な居住環境
づくり、環境負荷の尐ない持続可能な循環型社会・低炭素社会の形成、人々の定
住促進に向け、環境を総合的にとらえた施策を市民・事業者と一体となって推進
し、内外に誇りうる環境重視の特色あるまちづくりを進めます。
健康で快適な暮らしに欠かせない上下水道の整備、ゼロエミッション※社会の形
成に向けた廃棄物処理体制の充実、地域資源を生かした特色ある公園・緑地、親
水空間の創造、景観の保全・整備を総合的に推進し、自然と共生し、美しさと快
適性・安全性が実感できる、だれもが住みたくなる質の高い居住環境づくりを進
めます。
自然の宝庫、暮らしやすい・くしま
6-1 環境施策の総合的推進
6-2 循環型社会の形成
6-3 上下水道の整備
6-4 公園・緑地・水辺の整備
6-5 景観の保全・形成
※
ゼロエミッション:廃棄物ゼロ
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第3章
基本構想推進のための仕組み
づくり
将来像を実現するためには、
「第 2 章 将来像実現のための基本目標」に基づく
6つの分野目標と施策項目ごとの取組みを総合的に推進することが基本となりま
すが、ここでは、本市の新たなまちづくりにおいて、市一体となって特に重点的
に取り組む新しい仕組みづくりとしてのテーマを定め、位置づけました。
分野目標と施策項目はいわば「縦割り的」なものですが、
「基本構想推進のため
の仕組みづくり」は、分野目標と施策項目を横断的に繋ぐまちの仕組みづくりで
あり、これにより施策推進の相乗効果を上げるものとして掲げています。
1 人口減少を克服する仕組みづくり
尐子高齢化と人口減尐は、時としてまちの活力を失うことにもつながります。
そこで、①本市で子どもを産み育てたいと考える親の増加を図るための支援制度
として、児童手当の拡充、子どもの医療費の軽減、保育環境の整備、保育相談の
充実、就学の援助、働く親のための子育てへの相談、学校教育などのさらなる充
実に努めます。
また、②本市で働きたいと考える人を増加させるために、1 次産業・2 次産業・
3 次産業各施策の充実・連携や企業誘致に努めるとともに、コミュニティビジネ
スの開拓をはじめ新規起業の支援・相談の強化を図ります。
さらに、③本市に住みたいと考える人を増加させるために、民間による優良住
宅の開発支援、空き家情報の提供、大都市向けUIターン※の情報発信など、これ
ら定住促進を図るための 3 つの施策を有機的に連携させて、人口減尐の歯止め対
策から、人口増加へと転じていく仕組みづくりを強力に進めます。
2 市民力を結集する仕組みづくり
協働によるまちづくりを具体化していくためには、地域の核となり、行政との
総合窓口的な役割を担う組織が必要となります。そして、このような組織を中心
に、既存の地域活動の実施主体である各種団体(自治会、婦人会、高齢者クラブ、
消防団、青年団等)の役割や位置づけを整理し、さらには、学校関係や企業など
も連携の対象としていくことで、地域内連携の拡大・充実を図ります。
※
UIターン:Uターンは地方出身者が都会から地元に戻ること、Iターンは生まれ育った敀郷以外の地
域に移り住むこと。
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また、ボランティア活動・NPO 活動についても、行政による適切な育成・支援
を進めつつ、地域のなかで有効に機能していけるような環境整備が必要であり、
このような一連の市民力を結集する仕組みづくりの中心的な存在として、市域を
エリアごとにカバーできる組織、またはNPO等の組織づくり及び連携を模索し
ていくこととします。
3 市のやさしさを醸成する仕組みづくり
「やさしさ」をテーマに、市民をはじめ市を訪れる人に対しても、さらには自
然環境に対しても「やさしいまちの仕組みづくりー“やさしい”は、まちそのも
のの営みが人にも自然にもやさしいこと―」を進めるため、この考え方をリード
する、ユニバーサル・デザイン※のまちづくり、災害時要援護者対策の強化、精神
的悩みや病気からの自立支援の強化、高齢者や障がい者の支援・雇用機会の促進、
市民一人ひとりの自主的な環境保全活動、観光ガイドの育成や観光イベントの充
実、さらには来訪者へのもてなしの心の醸成など、やさしいまちの仕組みづくり
施策を横断的に進めます。
4 人をつくり育てる仕組みづくり
まちぐるみで生涯学習活動を推進する体制の整備、学習情報の提供、学習機会
の拡充に努め、地域文化や習慣、伝統なども学ぶことができる学習支援を行なう
とともに、地域における自分の役割を住民自らが認識し、協力して活動する環境
づくりを通して、人が育つ、人を育てることを基本としたまちの仕組みの確立に
努めます。
また、市民の期待を担って活動する行政職員の能力向上と公共の福祉の増進の
ために、人材育成基本方針のもと、研修制度・自己研鑽の機会の充実に努め、仕
事の目標を明確にし実現していくとともに、組織力の向上を進めます。
5 計画推進体制を確保する仕組みづくり
長期総合計画の進捗管理、事務・事業の点検・評価などのマネジメントサイク
ル※充実のために、長期総合計画の進行管理(施策評価)システムを確立します。
このシステムでは、職員個々人の仕事(事務事業)の評価を進め、行政内部の
※
ユニバーサル・デザイン:できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインにすること。
※
マネジメントサイクル:
(計画(plan)
、実行(do)
、評価(check)
、改善(act)のプロセスを順に
実施する。最後の act では check の結果から、最初の plan の内容を継続(定着)
・修正・破棄のいずれ
かにして、次回の plan に結び付ける。このらせん状のプロセスを繰り返すことによって、品質の維持・
向上及び継続的な業務改善活動を推進する手法。
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自己評価だけにとどまらず、市民参画のもとで評価が行われ(外部評価システム)、
さらには、長期総合計画の施策と個々の目標の進捗状況の評価につながるシステ
ム(=事務事業評価と施策評価が長期総合計画を基軸にして連動したトータルと
しての行政評価システム)に発展させることを目標にします。
また、この結果が財政運営にも連動する仕組みの確立について研究していきま
す。
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