アウエアネスを持った学生づくり教育の目的と背景 - 鳥取大学

 平成16年4月からの国立大学法人鳥取大学の発足を目前に控えて、その移行準備作業があわただしく進めら
れています。この間、鳥取大学にとっては、社会的に高い評価をいただく機会が続き、教職員・学生一同、喜び
に包まれているところです。本誌『風紋』でも、第6号(2003年3月刊)の特集でとりあげた「地域貢献特
別支援事業」(平成14年度、15年度連続採択)
、および、第7号(2003年10月刊)でとりあげた「21
世紀COEプログラム(乾燥地科学プログラム)」につづいて、今回あらたに、教育版COEとも言うべき「特
色ある大学教育支援プログラム」に採択されました。全国の大学・短大から664件の申請があり、その中から
80件が選ばれました。これは、研究面の評価である「21世紀COEプログラム」とは別の意味で、大きな評
価をいただいたと考えています。受験生やご家族の皆様の立場からみれば、大学に入学して充実した教育を受け
られるということは、当然なことではありますが、価値のあることだからです。今回の採択により、鳥取大学は、
教育においても努力しているという保証をいただいたということになります。鳥取大学の申請テーマは「アウエ
アネス(自覚)を持った学生づくり教育」ですが、この採択をはげみにして、教職員・学生、一丸となってより
充実した大学へと発展していきたいものだと思います。
さらに、『週間ダイヤモンド』誌2003年10月25日号の国公私立145大学の総合評価ランキングでは、
鳥取大学は総合順位15位、また、三菱総研と河合塾が産業界への貢献度で大学の格付けを行った結果(200
3年10月27日発表)では、鳥取大学はIT(情報技術)分野で最上位5%の「A+」と、実に高い評価をい
ただいたことも、あわせてご報告しておきます。
広報委員会委員長 高取憲一郎
大学教育支援プログラム(COL)において、本学から申請した「ア
大学教育支援プログラム(COL)
大学教育支援プログラム
(COL)において、本学から申請した「ア
において、本学から申請した「ア
ウエアネスを持った学生づくり教育−フィールドに学ぶ動機
ウエアネスを持った学生づくり教育−フィールドに学ぶ動
づけ実践プログラム−」が採択されました。
付け実践プログラム−」が採択されました。
目的意識が希薄で学習意欲、コミュニケーション能力が低く、
実践的学習不足による問題発見・解決能力に欠ける若者に対し、
「知と実践の融合」を人類にとって価値のあるもの、有効な
「知と実践の融合」を人類にとって価値の有るもの、有効な
「知と実践の融合」を人類にとって価値の有るもの、有効
ものとするためには、「人間活動を行う個人個人の生きる目
ものとするためには、「人間活動を行う個人個人の生きる
的意識を明確にした学習への自覚:アウエアネス」が必須の
的意識を明確にした学習への自覚:アウエアネス」が必須
基本要素です。このプログラムは、この基本要素、アウエア
基本要素です。このプログラムは、この基本要素、アウエ
本学は、教育地域科学部、医学部、工学部、農学部の4学
本学は、教育地域科学部、医学部、工学部、農学部の4
ネスを基に各学部の教育目的を達成しようとするもので、フ
ネスを基に各学部の教育目的を達成しようとするもので、
部よりなる実学的性格に富む大学です。共通(教養)教育充
部よりなる実学的性格に富む大学です。共通(教養)教育
ィールド学習による動機づけ教育を特徴とした実践プログラ
ィールド学習による動機づけ教育を特徴とした実践プログ
実の基に教育重視の大学を表明し、様々な角度から実践教育
実の基に教育重視の大学を表明し、様々な角度から実践教
ムです。
に積極的に取り組み、次のような様々な実践プログラムを実
に積極的に取り組み、次のような様々な実践プログラムを
施しています。
本プログラムは、「実践ものづくりプログラム」と「実践
本プログラムは、「実践ものづくりプログラム」と「実
協定に基づく県教委との連携(全国で初めての試み)、出前
農学プログラム」から構成されています。
授業の高校と大学との連携、人生を語る教養特別講義、FD(公
プログラム誕生の背景と目的並びに特色と成果を次図で示し
プログラム誕生の背景と目的並びに特色と成果を次図で示
開授業、双方向授業)、JABEE(日本技術者教育認定機構)対
ます。
応教育システム、GPA導入による厳格な成績評価、学生によ
応教育システム、GPA
応教育システム、
GPA導入による厳格な成績評価、学生によ
導入による厳格な成績評価、学生によ
る授業評価、地域との連携教育プログラム、インターンシップ、
チュートリアル教育等々のプログラムをそれぞれの教育目標
チュートリアル教育等々のプログラムをそれぞれの教育目
に合わせ、工夫しています。
また、顕著な教育効果、啓蒙効果をあげたプログラム担当
また、顕著な教育効果、啓蒙効果をあげたプログラム担
者は、教育功績賞制度により、顕彰されます。一方、学長表
者は、教育功績賞制度により、顕彰されます。一方、学長
彰をはじめとした様々な学生表彰制度が整備され、学生の学
彰をはじめとした様々な学生表彰制度が整備され、学生の
習への動機づけ効果を側面から促進しています。各学部にお
習への動機づけ効果を側面から促進しています。各学部に
いても学部にふさわしい学生表彰制度を制定しています。
この度、それらの実績を評価され、文部科学省の特色ある
この度、それらの実績を評価され、文部科学省の特色あ
アウエアネス・プログラムの背景と目的
高等教育が抱える教育上の問題点 学習する「問題意識」の欠如
教養教育の充実 実践教育
動
機
づ
け
教育研究理念:知と実践の融合
教育目標:会社の中核となりうる教養豊かで、
広範な知識と国際感覚、柔軟な思考を備えた人材育成
さまざまな教育プログラム
アウエアネスを持った学生づくり教育
ーフィールドに学ぶ 動機づけ実践プログラムー
実践 ものづくりプログラム
実践 農学プログラム
(産学連携教育プログラム/16単位)
(汎農学教育プログラム/74単位)
企業フィールド
(課題発見)
学生自ら企画・立案
(ものづくりフローの実体験)
長 期 実 習
(3年、6学期)
企業による評価
(プロジェクト成果、対学生評価)
問題発見・解決能力、
コミュニケーション
能力をもつ人材
グローバルなフィールド学習
メキシコ乾燥地域農学実習
(10単位)
主体性、独創性、
創造性豊かな人材
国内外長期現場実習(10単位)
フランス(ブドウ栽培)
北海道(畑作)、カナダ(農業英語)
様々なフィールドで
グローバルに活躍でき、
国際性豊かな人材
履修科目の自主選択
農林業ボランティア活動
ボランティア精神を
もつ人材
アウエアネス・プログラムの特色と成果
実践 ものづくりプログラム
実践 農学プログラム
企業フィールド学習、3年間の長期実施
国際フィールド学習、履修科目の自由選択
現場で課題発見、
学生自ら
テーマ選定
企業
学生
ディスカッション、
アドバイス、
指導
動機づけ
教育
動機づけ
教育
国際フィールド
実地研修
教職員
協力
科目選択幅の広い教育システム、ボランティア活動
公開
学生のやる気、
学生のやる気、
満足感、達成感
満足感、達成感
砂地・乾地実習
(学会発表、新聞・テレビ報道)
社会・協力企業の
高い評価