警察行政主要施策の推進状況 - 石川県警察

平成22年
警察行政主要施策の推進状況
石 川 県 警 察 本 部
目
次
重点目標1 犯罪抑止総合対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
総合評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
重点推進事項の検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1 安全・安心まちづくりの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
2 消費生活侵害事犯等の徹底検挙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
3 精強な地域警察の構築 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
重点目標2 子ども・女性の安全確保と少年非行防止対策の推進 ・・・・・・ 7
総合評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
重点推進事項の検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
1 子ども・女性安全対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
2 地域社会と一体となった少年非行防止対策の推進 ・・・・・・・・・ 9
3 少年保護総合対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
重点目標3 重要犯罪・組織犯罪の徹底検挙と適正捜査の推進・・・・・・・・12
総合評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
重点推進事項の検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
1 重要犯罪等の徹底検挙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
2 組織犯罪の徹底検挙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
3 捜査活動基盤の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
4 適正捜査の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
重点目標4 死亡事故等重大交通事故の抑止 ・・・・・・・・・・・・・・・21
総合評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
重点推進事項の検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
1 交通事故抑止対策等の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
2 安全・安心な交通環境の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
重点目標5 テロの未然防止と大規模災害等緊急事態対策の推進 ・・・・・・26
総合評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
重点推進事項の検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
1 テロの未然防止 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
2 緊急事態対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
重点目標6 初動警察活動の的確な推進と警察力の充実強化 ・・・・・・・・29
総合評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
重点推進事項の検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
1 初動警察刷新強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
2 人的基盤の充実強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
3 物的基盤の充実強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
4 士気の高い職場環境づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
5 県民の立場に立った警察活動の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・33
6 警察署の機能強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
重点目標1
犯罪抑止総合対策の推進(生活安全部)
[背景と施策の方向]
刑法犯認知件数は、平成15年をピークに6年連続して減少し、「指数からみた安全度」は一
定の改善傾向が見られる。
しかしながら、殺人、強盗等の凶悪犯罪、子どもや女性を対象とした声かけやつきまとい
等の性犯罪の前兆事案、多様な手口の振り込め詐欺及び悪質商法事案等が依然として発生す
るなど、県民が安全と安心を肌で実感できる「体感の安全度」は依然として厳しいものがある。
このため、犯罪発生状況の分析に基づく地域実態に即したパトロール、立ち寄り警戒など
「見せる」活動の強化、多角的な情報発信等の犯罪抑止対策を推進するとともに、県民が身
近に不安を感じる街頭犯罪、生活経済犯罪と悪質な環境犯罪等の取締りを強力に推進し、犯
罪抑止の傾向を確実なものとし、「指数からみた安全度」と「体感の安全度」の両面で治安再
生を図るべく、自治体を始め関係機関・団体、防犯ボランティア等との連携を図り、管内の
状況に応じた「オーダーメイド」の犯罪抑止総合対策を推進する必要がある。
総
合
評
価
1
施策の目標
街頭犯罪、生活経済犯罪を重点に防犯及び検挙対策を推進し、刑法犯認知件数
の減少傾向を維持する。
2
成果
犯罪抑止総合対策を推進した結果、刑法犯認知件数が7年連続で減少(前年比
519件、5.9%減少)した。
特に、刑法犯の総量を押し上げている自転車盗は、「鍵かけ」の広報啓発活動
等の被害防止対策や検挙対策を推進した結果、前年に比べ29件(1.4%)減少した。
【刑法犯認知・検挙状況の推移】
年別
区分
認知件数
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
16,805 16,666 17,770 14,648 12,739 12,524 10,669
増 減
平20
平21
平22
9,689
8,812
8,293
-519
-5.9
件(人)数 率(%)
検挙件数
3,939
8,296
6,667
6,406
5,272
5,208
4,406
3,714
3,066
2,905
-161
-5.3
検挙人員
2,284
2,906
2,994
2,964
2,892
2,957
2,403
2,195
2,163
2,051
-112
-5.2
1,063
1,258
1,126
985
902
911
755
620
594
571
-23
-3.9
23.4
49.8
37.5
43.7
41.4
41.6
41.3
38.3
34.8
35.0
うち少年
検挙率
0.2 ポイント
【乗り物盗の認知件数の推移】
増 減
年別
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
区分
件数 率(%)
乗 り 物 盗 認 知 件 数 4,936 3,800 3,818 2,883 2,558 2,924 2,551 2,698 2,331 2,315
-16 -0.7
自動車盗認知件数
201
159
177
175
127
90
73
59
54
89
オートバイ盗認知件数
621
369
226
171
165
244
192
201
167
145
自転車盗認知件数 4,114 3,272 3,415 2,537 2,266 2,590 2,286 2,438 2,110 2,081
- 1 -
35
64.8
-22 -13.2
-29
-1.4
3 今後の課題
(1) 盗難被害に占める無施錠の割合が、全国平均に比べ依然として高いことから、
引き続き「鍵かけ」の広報啓発活動を推進する。
(2) 振り込め詐欺の被害件数、被害額とも前年に比べ減少しているものの、犯行
グループの様々な対抗策による犯行を封じ込めるため、引き続きあらゆる媒体
を活用した広報啓発活動を推進し、被害の撲滅を図る必要がある。
(3) 犯罪の起きにくい社会の実現に向けて、重層的な防犯ネットワークをきめ細
かく整備するとともに、社会の中に高い規範意識と強い絆を根付かせるための
対策を推進する。
重
点
推
進
事
項
の
1 安全・安心まちづくりの推進
(1) 推進状況
ア 犯罪類型ごとの個別防犯対策の推進
○ 盗難防止等の防犯講習会や金融機関、
コンビニ等に対する防犯診断及び訓練
○ 振 り 込 め 詐 欺被 害 防 止の た めの 講習
会やATM集中警戒、防犯寸劇等の実施
○ 「石川県万引等防止連絡協議会」の活
動強化、振り込め詐欺、鍵かけ等被害防
止キャンペーン等の開催
【窃盗被害における無施錠率】
平18 平19 平20 平21 平22
62%
73%
71%
66%
-5 ポイント
38%
39%
42%
42%
0 ポイント
石川 78%
73%
56%
67%
48%
-19 ポイント
全国 29%
27%
28%
27%
27%
0 ポイント
石川 50%
48%
60%
60%
59%
-1 ポイント
全国 34%
38%
36%
38%
40%
2 ポイント
石川 61%
63%
68%
68%
73%
5 ポイント
全国 47%
47%
50%
50%
53%
3 ポイント
車上
ねらい
自転車盗
イ
証
【 ATM集中警戒】
増 減
住宅対象 石川 66%
侵入窃盗 全国 35%
自動車盗
検
【万引防止キャンペーン】
多角的な情報発信と共有
○ 携帯電話メール等を活用したタイムリーな情報発信
○ ホームページ、地域安全ニュース、ミニ広報紙、マスメディア等による
対象に応じた情報発信
ウ 防犯ボランティア団体の育成と支援
○ 防犯ボランティア団体の活動実態の把握と活性化の推進
○ 大学生によるヤングボランティア団体の結成(平成22年9月)
○ 防犯ボランティア団体の活動継続に対する支援
・ 防犯活動アドバイザー講師謝金の予算化
・ パトロールバッジの購入と配布(100個)
○ 防犯活動アドバイザーの活用と防犯ボランティアリーダーの育成活動
- 2 -
【防犯ボランティア等】
年別
区分
(2)
平15
防犯ボランティア団体
25
防犯ボランティア人員
900
平16
平17
72
平19
0.5
4,687
4,998
-
3
-
3
青色防犯パトロール実施者数
-
30
508
増 減
件(人)数 率(%)
7
青色防犯パトロール車両
503
平22
200
青色防犯パトロール団体
492
平21
515
4,590
449
平20
8,500 25,000 35,700 36,700 37,600 37,800 38,000
子ども110番の家
310
平18
1.4
5,530
5,655
5,639
5,675
5,652
-23
-0.4
21
93
107
118
131
141
10
7.6
57
297
368
398
451
477
26
5.8
350
966
1,231
1,244
1,369
1,456
87
6.4
今後の課題
治安情勢は着実に改善しつつあるものの、いまだ道半ばであり、今後はこれ
までの成果を確実に定着させながら、下記の施策を中心とした犯罪抑止総合対
策を更に推し進め、真に犯罪の起きにくい社会を実現する必要がある。
ア 官民連携による重層的な防犯ネットワークの整備
イ 「鍵かけ」運動の継続実施による更なる防犯意識の向上
ウ 大学生によるヤングボランティア団体の結成促進と活動の支援
エ 自治体等による防犯カメラの設置拡充などによる「安全・安心まちづくり」
に向けた気運の醸成
オ 万引き等のゲートウェイ犯罪 (注)に対する総合的な抑止対策の推進
(注) ゲートウェイ犯罪とは、軽い気持ちで手を染めてしまう犯罪で、安易に見過ごすと
規範意識の低下により、累犯や悪質重大な犯罪につながる犯罪をいう。
2 消費生活侵害事犯等の徹底検挙
(1) 推進状況
ア 良好な生活環境を守るための諸対策の推進
(ア) 風俗事犯の検挙状況
風俗関係事犯の検挙件数は55件で、前年に比べ7件(14.6%)増加した。
特に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営適
正化法」という。)違反の検挙が増加(前年比7件、77.8%)した。
(イ) 片町地区環境浄化対策
平成17年11月、片町地区環境浄化対策本部を設置し、金沢中署の現地本
部との連携により、これまでにカラス族による客引き等134件を摘発した。
平成22年は、風営適正化法違反等で20件を検挙し、前年に比べ5件(33.3
%)増加した。
【風俗事犯検挙状況】
年別
区分
風営適正化法
入管・外登法
売春防止法
わいせつ図画
その他
計
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
19
8
50
2
11
90
24
18
3
6
24
75
9
10
3
5
5
32
10
5
4
4
5
28
22
5
3
9
10
49
- 3 -
39
23
7
1
11
81
30
28
1
5
3
67
7
24
2
3
20
56
9
25
2
2
10
48
16
21
2
1
15
55
増
件 数
7
-4
0
-1
5
7
減
率(%)
77.8
-16.0
0.0
-50.0
50.0
14.6
平成22年中の検挙事例
(注)
○ 片町の風俗店における入管法 違反(不法就労助長等)事件〔金沢中署〕
風俗営業店経営の女(51)ら3人は、外国人留学生が法務大臣の資格外活動の許可を受
けていないことを知りながら、風俗営業店において、同人らをホステスやボーイとして稼
働させて、事業活動に関して不法就労活動をさせた(7月12日検挙)
。
注:
「入管法」とは、
「出入国管理及び難民認定法」
○ ソープランドにおける売春防止法違反(場所提供)事件〔大聖寺署〕
会社役員の男(65)ら5人は、ソープランドにおいて、女性が客と売春をすることを知
りながら、同店の個室を貸して使用させ、売春を行う場所を提供した(7月23日検挙)
。
イ
サイバー空間の安全と秩序を維持するための対策の推進
○ 石川県警察サイバーパトロールモニター委嘱(17人)によるサイバーパ
トロールの強化
○ インターネットカフェ防犯連絡協議会(平成20年7月設立)関係業者
(18店舗)との連携強化
【サイバー犯罪検挙状況】
年別
区分
サイバー犯罪検挙件数
コンピュータ犯罪
ネットワーク利用犯罪
不正アクセス禁止法
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
50
0
49
1
43
0
43
0
71
0
71
0
48
0
48
0
152
1
149
2
44
5
34
5
40
0
39
1
30
0
30
0
40
1
35
4
41
0
40
1
増 減
件数 率(%)
1
2.5
-1 -100.0
5
14.3
-3
-75.0
平成22年中の検挙事例
○ 海外サーバを利用したわいせつ画像公然陳列事件〔金沢西署〕
会社役員の男(46)は、インターネット上のブログにわいせつ画像を掲載し、不特定多
数のインターネット利用者に閲覧させた(10月14日検挙)
。
○ インターネットホットラインセンターからの違法情報提供により検挙したわいせつ画像
公然陳列事件〔松任署〕
会社員の男(25)は、携帯電話の電子メール機能を用いてインターネットの掲示板にわ
いせつ画像を投稿し、不特定多数のインターネット利用者に閲覧させた(11月30日検挙)
。
ウ
消費者の目線に立った生活経済事犯対策の推進
生活経済事犯の検挙件数は238件で、前年に比べ28件(10.5%)減少したもの
の、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下、「出資
法」という。)違反及び貸金業法違反等のヤミ金融事犯の検挙件数は10件で、
前年に比べ6件(150.0%)増加した。
平成22年中の検挙事例
(注)
○ 住宅リフォーム業者による特商法 違反(書面不交付)事件〔金沢西署、七尾署合同〕
自営業の男(61)ら3人は、屋根瓦の修繕工事の契約を結んだ際、クーリングオフの内
容を記載した書面を交付しなかった(7月1日検挙)
。
注:
「特商法」とは、
「特定商取引に関する法律」
○ 090金融業者によるヤミ金融(無登録・超高金利)事件〔金沢東署、寺井署、松任署合同〕
無職の男(32)ら2人は、無登録で貸金業を営み、携帯電話を使い複数の多重債務者に
対して融資を持ちかけて、法定の割合を超える利息を受領した(7月14日、8月11日検挙)
。
- 4 -
【生活経済・環境事犯検挙状況】
年別
区分
生活経済・環境
事犯
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
検挙件数 97
検挙人員 103
検挙件数 40
廃棄物処理法
検挙人員 43
0
出資法・貸金業 検挙件数
法
検挙人員
0
0
商標法・不正競 検挙件数
争防止法
検挙人員
0
検挙件数
0
詐欺等刑法犯
検挙人員
0
検挙件数 11
電波法
検挙人員 14
検挙件数
9
軽犯罪法
検挙人員 10
検挙件数 18
迷惑防止条例
検挙人員 15
内水面漁業調整 検挙件数
3
規則・水産資源保
検挙人員
4
護法
検挙件数 16
その他
検挙人員 17
(2)
136
140
46
60
6
4
0
0
0
0
15
15
20
21
27
18
4
5
18
17
226
219
85
103
21
21
0
0
26
2
4
4
28
25
31
29
8
10
23
25
198
187
79
87
2
6
3
5
12
2
2
2
34
36
33
32
2
2
31
15
285
275
113
136
2
5
1
1
45
1
3
3
54
70
32
29
5
5
30
25
334
328
153
172
6
6
5
1
18
4
8
8
67
69
28
28
6
8
43
32
305
327
138
165
15
12
3
2
10
3
2
2
65
75
41
35
10
10
21
23
272
304
119
147
5
4
8
2
3
1
6
8
53
76
31
25
4
6
43
35
266
322
119
147
4
2
0
0
1
1
0
0
60
89
29
28
3
4
50
51
238
247
74
84
10
7
1
1
0
0
0
0
55
68
45
41
2
5
51
41
増 減
率(%)
-28
-10.5
-75
-23.3
-45
-37.8
-63
-42.9
6
150.0
5
250.0
1
1
-1 -100.0
-1 -100.0
0
0
-5
-8.3
-21
-23.6
16
55.2
13
46.4
-1
-33.3
1
25.0
1
2.0
-10
-19.6
件(人)数
今後の課題
ア 健全な風俗環境の保全及び消費者の目線に立った生活経済・環境事犯対策
を推進するため、消費生活支援センター等の関係機関との更なる連携を図る
必要がある。
イ ヤミ金融事犯の相談に的確に対応するため積極的に事件検挙を行うほか被
害拡大防止のため電話警告や口座凍結等を推進する。
ウ インターネットホットラインセンター(IHC)等からの違法情報の提供
に的確に対応するため、サイバー犯罪捜査に関する研修会等を実施する。
3 精強な地域警察の構築
(1) 推進状況
ア 治安回復に向けた街頭活動の強化状況
パトカー等によるパトロールや交番等にお
ける立番による「見せる」活動のほか、金融
機関、コンビニエンスストア等に対する犯罪
抑止のための立寄り警戒を実施
【街頭パトロール活動】
イ 地域警察官の職務執行力向上の推進状況
○ 職務質問技能指導官等を警察署へ派遣し、第一線の地域警察官に対する
同行指導等の実施
○ 職務質問技能インストラクター研修会、職務質問マイスター研修会の開催
○ 第一線の地域警察官等を対象に、警察庁指定広域技能指導官(職務質問)
による職務質問スキルアップ研修会の開催
ウ 地域に密着した活動の推進状況
○ 巡回連絡を通じ、地域住民の安全で平穏な生活を確保するために必要な
- 5 -
事項等の指導連絡や地域住民からの意見・要望等を聴取
○ 交番・駐在所連絡協議会を開催し、地域住民と地域の治安に対する問題
について協議
○ 全交番(64ヶ所)に交番相談員を1名
配置し、地域住民からの各種相談等へ
の対応や交番勤務員不在時の補完体制
を確立
○ 「交番速報」等の広報紙の発行によ
るタイムリーな情報提供及び各種会合
における犯罪被害防止や交通事故防止
講習等の実施
【見まもり活動】
(2) 今後の課題
ア 見せる活動の一層の強化
犯罪発生状況の的確な分析に基づく地域実態に即したパトロール及び通勤
通学時間帯等、通行量の多い時間帯における交番周辺等での立番等の見せる
活動のほか、街頭における積極的な活動を推進する必要がある。
イ 地域警察官の職務執行力の向上
各種訓練や伝承教養等を効果的に実施し、地域警察官の職務執行力の向上
を図る必要がある。
ウ 地域に密着した活動の推進
地域住民の要望・意見を警察活動に反映させるとともに、タイムリーな情
報提供による犯罪被害の未然防止を図るなど、地域に密着した活動を推進し
ていく必要がある。
- 6 -
重点目標2 子ども・女性の安全確保と少年非行防止対策の推進(生活安全部)
[背景と施策の方向]
子どもや女性を対象とする性犯罪等については、何の罪もない被害者の平穏な日常生活を
突如として破壊し、地域住民のみならず社会全体に大きな衝撃を与え、治安に対する著しい
不安感を生じさせることとなる。
このため、子どもや女性を対象とする性犯罪等の前兆とみられる声かけ、つきまとい等が
発生した場合は、重大な結果に至る前の段階で警告、検挙等の措置を講じることが重要であ
る。平成21年3月、警察本部に「子ども・女性安全対策室」を設置したが、当対策室と各警
察署の連携を図り、性犯罪等の未然防止を図る先制・予防的な警察活動及び平素からの防犯
指導や自主防犯活動への支援等子ども・女性の安全対策を総合的に推進する必要がある。
また、県内の刑法犯少年の検挙補導人員は、平成14年をピークに減少傾向にある。しかし、
中学生による万引や暴行事件及び触法少年による犯罪が増加しており、少年非行の低年齢化
が懸念されているほか、出会い系サイトなどのインターネット上の違法・有害情報に関連す
る福祉犯事件や児童虐待事案等子どもが被害となる事件が依然として後を絶たない状況にある。
このため、関係機関、地域社会と連携しながら、少年の規範意識の醸成、児童ポルノ・児
童買春等少年の福祉を害する犯罪の取締り、非行集団の解体、少年の立ち直り支援及びフィ
ルタリングの普及促進、児童虐待の防止など少年非行防止・保護対策を総合的に推進する。
総
1
合
評
価
施策の目標
○ 子どもと女性に対する性犯罪等の未然防止のための先制・予防的な警察活動
を推進する。
○ 少年非行防止対策等により刑法犯少年の検挙補導人員をピーク時(平成14年
1,416人)の半数以下に減少させる。
2 効果
(1) 子ども・女性対象事案の検挙件数については、子ども対象事案は減少したも
のの、女性対象事案は増加した。
子ども・女性対象事案の指導・警告件数については、子どもと女性の安全対
策の浸透により、先制・予防的な警察活動が強化され、指導・警告件数はいず
れも増加した。
【子ども・女性対象事案の検挙・指導警告件数】
年別
区分
検
平18
平19
平20
平21
平22
子ども 女性 子ども 女性 子ども 女性 子ども 女性 子ども 女性
増 減
件数 率(%)
挙
28
210
31
154
28
145
34
104
22
120
4
2.9
指導・警告
14
-
10
-
8
-
30
11
41
23
23
56.1
計
42
210
41
154
36
145
64
115
63
143
27
15.1
※ 平成21年女性対象事案の指導・警告件数は、対策室発足後(4月以降)の件数で
平成20年以前は統計なし
- 7 -
(2) 刑法犯少年の検挙補導人員は、平成14年の1,416人をピークに8年連続で減
少し、ピーク時のほぼ半数(709人)まで減少した。
【刑法犯少年の検挙補導状況】
年別
平13
区分
刑法犯少年 1,196
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
1,416
1,373
1,196
1,103
1,081
909
757
749
709
増 減
人数 率(%)
-40
-5.3
3 今後の課題
(1) 子どもや女性を対象とした性犯罪等の前兆と見られる悪質な声かけやつきま
とい事案等の根絶を目指し、学校・教育委員会、自治体、防犯ボランティア等
との連携を一層強化する。
(2) 刑法犯少年の検挙補導人員は減少しているものの、中学生による万引きが増
加するなど刑法犯少年の低年齢化と少年の規範意識の低下が懸念される。
また、インターネット上の違法・有害情報に関係する福祉犯事件や児童虐待
事案など子どもが被害に遭う事件が依然として認められることから、今後も関
係機関、地域社会と連携した少年非行防止・保護対策を総合的に推進する必要
がある。
重
点
推
進
事
項
の
検
証
1 子ども・女性安全対策の推進
(1) 推進状況
ア 防犯対策の推進
○ 子ども・女性を対象とした実戦的防犯
講習会や学校侵入対応訓練の実施
イ 多角的な情報発信と共有
○ 携帯電話メール、ホームページ、地域
安全ニュース、ミニ広報紙、マスメディ
【学校侵入対応訓練】
ア等を活用したタイムリーな情報発信
○ GISを活用した犯罪情勢の分析に
基づく安全情報の提供
ウ 子どもを犯罪から守るための施策の推進
○ 学校、自治体、関係機関、防犯ボラ
ンティア等と連携した子どもの危険回
避能力向上のための教養
○ 「防犯ベル」や「子ども110番の家」
等の利活用方法の教養
【子ども対象の防犯講習会】
(2) 今後の課題
性犯罪等の未然防止を図る先制・予防的な警察活動を推進するとともに、見
守り隊等防犯ボランティア団体への支援や自治体による防犯灯の設置整備など
による「安全・安心まちづくり」の促進を図るなど、子ども・女性の安全対策
を総合的に推進する必要がある。
- 8 -
2 地域社会と一体となった少年非行防止対策の推進
(1) 推進状況
ア 少 年 の規 範意 識の 醸成 のた めの各 種
非行防止教室の開催
小中学生を対象とした「ピュアキッズ
スクール」をはじめ、薬物乱用防止教室
等の各種非行防止教室を開催し、少年の
規範意識の醸成と高揚を図った。
※ 「ピュアキッズスクール」とは、学校の道徳
の授業時間に、警察職員がゲストティーチャー
として参加し、非行事例を生徒児童にディスカ
ッションさせる参加型の非行防止教室をいう。
【ピュアキッズスクール】
【非行防止教室の実施状況等】
平18
(集計は年度)
平22
区分
小学校 中学校 高校 小学校 中学校 高校 小学校 中学校 高校 小学校 中学校 高校 小学校 中学校 高校
ピュアキッズ
111
51
139
53
142
50
144
49
136
52
スクール
年度別
イ
平19
平20
平21
薬物乱用防止
49
51
43
42
50
46
40
41
48
48
51
55
53
47
48
その他
14
8
16
25
19
35
19
24
47
39
35
44
41
35
44
計
174
110
59
206
122
81
201
115
95
231
135
99
230
134
92
学校・地域社会と一体となった初発型非行防止対策
○ 自転車盗が多発する公営駐輪場において、民間委託の「鍵掛け指導」事
業を導入するとともに、学校、地域ボランティアと連携し、自転車の盗難
防止に向けたキャンペーンを実施した。
○ 万引防止対策として、石川県万引等防止連絡協議会や少年警察ボランテ
ィア等と連携し、児童・生徒参加型のキャンペーンを実施したほか、店舗
等に対し商品陳列方法の改善、保安体制の強化等犯罪抑止の環境整備につ
いて協力要請を実施した。
【初発型非行による検挙補導状況】
年別
増 減
平18
平19
平20
平21
平22
区分
人数
率(%)
初発型非行
693
572
499
498
508
10
2.0
※「初発型非行」とは、非行の動機、手口が比較的単純で、初期型段階の非行と
いわれる万引、自転車盗、オートバイ盗及び占有離脱物横領をいう。
ウ
いしかわS&Pサポート制度の効果的運用
「いしかわS&Pサポート制度」(平成15年導入)により、警察と学校と
の間で児童・生徒の非行事案等に関する相互連絡を行い情報を共有し、早期
指導による立ち直り支援や再非行・再被害防止を図った。
【いしかわS&Pサポート制度による連絡状況】
年別
区分
警察から学校
平18
平19
平20
平21
平22
増
人数
-20
減
率(%)
-4.2
620
484
386
476
456
学校から警察
40
27
16
7
6
-1
-14.3
計
660
511
402
483
462
-21
-4.3
- 9 -
(2)
今後の課題
刑法犯少年の検挙補導人員及び不良行為少年の補導人員がともに減少傾向に
あるものの、万引き等の初発型非行は増加しており、その検挙補導人員も全刑
法犯少年の71.7%と依然として高い割合を占めている。
今後も学校、教育委員会等の関係機関や少年警察ボランティア等との地域社
会と一体となった少年非行防止対策を推進し、少年の健全育成と刑法犯少年の
総量抑制を図っていく必要がある。
3 少年保護総合対策の推進
(1) 推進状況
ア 福祉犯事件の検挙状況等
暴力団等が関与する組織的な事件、インターネット上の違法・有害情報に
関係する事件及び児童ポルノなど少年の性的被害にかかる事件に重点を指向
した取締りを推進した。
【福祉犯事件の検挙状況等】
年別
増 減
件・人 率(%)
5
7.8
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
検挙件数
88
71
76
55
67
53
62
64
64
69
検挙人員
67
54
57
49
58
51
56
56
59
67
8
13.6
検挙件数
11
20
12
7
14
2
11
11
5
11
6
120.0
検挙人員
4
8
4
12
12
2
7
11
6
11
5
83.3
検挙件数
6
12
6
5
4
3
8
1
5
9
4
80.0
検挙人員
14
13
6
5
6
4
15
4
5
11
6
120.0
児童買春・児童 検挙件数
ポルノ禁止法
検挙人員
34
10
11
24
8
12
12
23
14
20
6
42.9
18
8
8
16
8
10
9
9
7
18
11
157.1
いしかわ子ども 検挙件数
総合条例
検挙人員
27
23
42
14
35
28
24
21
31
26
-5
-16.1
26
18
32
13
25
24
15
21
29
25
-4
-13.8
検挙件数
10
6
5
5
6
8
7
8
9
3
-6
-66.7
検挙人員
5
7
7
3
7
11
10
11
12
2
-10
-83.3
区分
総
数
児童福祉法
風 営 適 正 化法
そ
の
他
イ
児童虐待事案への適切な対応
児童相談所や学校等の関係機関及び部内関係課と連携し、被害児童の早期
発見・早期保護を図った。
ウ インターネット上の有害情報対策
学校、教育委員会と連携し、ピュアキッズスクール等の非行防止教室や新
入学時の保護者会等の機会を通じて、インターネット上の違法・有害情報の
危険性とフィルタリングサービスの有効性等について、少年や保護者に対し
広報啓発活動を実施した。
【フィルタリングに関する広報啓発活動実施状況(平成22年)】
回数
エ
小学校
中学校
64
67
高校
75
大学
1
その他
33
計
240
少年に対する立ち直り支援活動
非行少年、福祉犯事件の被害児童等に対し、少年警察補導員等による面接、
カウンセリングを通じた継続補導、継続的支援を推進し、平成22年中に24件
の立ち直り支援を実施した。
- 10 -
平成22年中の検挙事例
○ 女子中学生被害にかかる児童買春周旋事件[金沢西署]
会社員の男(28)は、女子中学生(14)をインターネットで募集した複数の男性に紹介
し、みだらな行為をさせた(4月27日検挙)
。
○ 組織的な児童福祉法違反及び売春防止法違反事件[小松署]
無職の男(25)らは、無職少女(17)に売春するよう約束させ、複数の男性とみだらな行
為をさせた(5月14日検挙)
。
○ 出会い系サイトを利用した女子中学生被害にかかる児童買春周旋事件[金沢中署]
代行運転手の男(30)は、女子中学生(13)を出会い系サイトを使って複数の男性に紹介
し、みだらな行為をさせた(8月21日検挙)
。
○ 無許可風俗店における風営適正化法違反(年少者使用)事件[小松署]
飲食店経営の男(60)らは、風俗営業の許可を受けないで、少女(17)を不特定多数の客
に対して接待をさせた(9月12日検挙)
。
(2)
今後の課題
ア 悪質な福祉犯事件の取締り強化
福祉犯事件の検挙件数、人員とも前年を上回っており、中でも児童ポルノ
をはじめ少年の人権を著しく侵害する悪質な福祉犯事件については、引き続
き取締りを強化する必要がある。
イ 児童虐待事案への適切な対応
児童虐待事案が増加する中、児童相談所、学校や自治体等の関係機関との
連携が不可欠であり、要保護児童対策地域協議会や各種会合等を通じた緊密
な連携を強化する必要がある。
ウ インターネット上の有害情報対策の推進
インターネットを介した少年の非行・被害が深刻化しており、いしかわ子
ども総合条例の改正(平成22年1月施行)を踏まえ、学校、教育委員会等の
関係機関や地域ボランティア、関係業界との連携を強化し、フィルタリング
の100%普及を目指した広報啓発活動を推進する必要がある。
エ 少年に対する立ち直り支援活動の推進
立ち直り支援については、少年や保護者からの相談を待つだけではなく、
地域住民や関係機関の協力を得ながら、積極的に手を差し伸べていく支援活
動を推進する必要がある。
- 11 -
重点目標3 重要犯罪・組織犯罪の徹底検挙と適正捜査の推進(刑事部)
[背景と施策の方向]
刑法犯の認知件数が減少傾向にある中、犯罪の悪質・凶悪化、広域化は一層進んでおり、
県民生活に不安や脅威を与える殺人、強盗等の重要犯罪、住宅対象侵入窃盗等の重要窃盗犯、
振り込め詐欺等秘匿性の高い知能犯罪など県民生活に不安や脅威を与える犯罪は依然として
発生しており、これらの犯罪については、早期に被疑者を逮捕し事件の解決を図ることが強
く求められている。
また、暴力団や来日外国人による犯罪、薬物及び銃器に関する犯罪等、組織を背景とした
犯罪は、ますます悪質・巧妙化が進み治安悪化の大きな要因となっている。
これら犯罪組織の壊滅、弱体化を図るため、徹底した情報収集による実態把握と資金源犯
罪の検挙、資金源の封圧、組織を挙げた戦略的な取締りを推進する。
このような悪質な犯罪や組織犯罪の徹底検挙と併せて、その捜査が単に適法であると言う
だけではなく、県民の納得する妥当な方法で行われるという要請に応えるため、取調べの適
正化を始めとする適正捜査に関する教養を推進し、その末端浸透を図るとともに、裁判員裁
判に対応したち密かつ適正な捜査をより一層推進することにより、警察捜査に対する県民の
信頼を確かなものとしていく。
総
1
合
評
価
施策の目標
○ 重要犯罪の早期検挙と暴力団を始めとした犯罪組織の壊滅・弱体化を図る。
○ ち密かつ適正な捜査を一層推進する。
2 成果
(1) 重要犯罪等の検挙
重要犯罪等発生時の早い段階に大量の捜査員を現場に投入するなど、警察力
を活かした迅速・的確な初動捜査を行い、以下の事件を検挙した。
ア 金沢市二俣町地内における女性殺人・死体遺棄事件の検挙
イ 暴力団組員等による身の代金目的拐取等事件の検挙
ウ ホテルを拠点とした窃盗前歴者による連続空き巣事件等の重要窃盗犯の検挙
エ 警察官を騙る訪問型のオレオレ詐欺、通信教材購入にかかる登録料等請求
名下の架空請求詐欺事件の検挙
(2) 組織犯罪の検挙
暴力団組織の壊滅を目指して、暴力団犯罪の取締りを徹底するとともに暴力
団排除活動を強力に推進した。
また、暴力団構成員等の検挙人員は減少したが、山口組弘道会対策を積極的
に推進し、弘道会系組長を検挙した。
(3) 適正捜査の推進
裁判員制度等に的確に対応するため、ち密かつ適正な捜査を一層推進すると
ともに、取調べの適正化に関する指導・教養等の各種施策を推進した。
また、証拠品及び捜査資料の適正な保管・管理にも努めた。
- 12 -
3 今後の課題
(1) 重要犯罪等の早期検挙
未解決となっている重要犯罪の早期検挙を目指し、継続的な捜査を推進して
被疑者の割り出しに努めるほか、平穏な日常生活を脅かす、重要窃盗犯の検挙
にも努める。
また、依然として発生している振り込め詐欺の撲滅に向け、被害防止対策及
び検挙対策の強化を図る。
(2) 犯罪組織の壊滅・弱体化
ア 暴力団が、組織実態や資金源活動の潜在化・不透明化を進めていることか
ら、関係企業や共生者を含めた実態解明の推進と徹底検挙を図る。
イ 社会全体による暴力団排除活動を推進する。
ウ 犯罪のグローバル化に対応するため、その基盤となる人的ネットワークや
犯罪インフラの解明・解体に向け、部門の枠組みを超えた相互連携を強化の
上、情報の収集及び共有・分析を推進する。
重
点
推
進
事
項
の
検
証
1 重要犯罪等の徹底検挙
(1) 推進状況
ア 重要犯罪の検挙
重要犯罪の検挙率は、平成17年以降70%を超え、全国平均を上回っている。
特に、罪種別の検挙率では、強姦133.3%、殺人100.0%、強制わいせつ
91.3%と高い数値を示している。
【重要犯罪検挙率の推移】
年別
区分
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
石川県
57.9
54.1
53.0
60.9
73.1
77.6
87.8
76.3
92.6
83.3
-9.3 ポイント
全国
53.0
50.2
51.6
52.3
56.0
59.4
60.2
62.6
64.5
62.8
-1.7 ポイント
増
減
【重要犯罪の罪種別検挙率の推移】
年別
区分
重 要 犯 罪
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
増 減
57.9
54.1
53.0
60.9
73.1
77.6
87.8
76.3
92.6
83.3
-9.3 ポイント
殺
人
100.0
100.0
91.7
90.0
100.0
100.0
100.0
80.0
125.0
100.0
-25.0 ポイント
強
盗
36.8
70.0
69.2
77.8
69.2
60.0
108.3
50.0
92.9
60.0
-32.9 ポイント
放
火
66.7
81.8
38.9
61.5
94.1
94.4
80.0
83.3
33.3
66.7
33.4 ポイント
強
姦
71.4
53.8
75.0
88.9
66.7
78.6
58.3
125.0
150.0
133.3
-16.7 ポイント
略取誘拐・人身売買 100.0
100.0
100.0
66.7
100.0
-
83.3
-
100.0
33.3
-66.7 ポイント
41.8
40.7
45.6
63.5
68.4
89.5
73.1
91.7
91.3
-0.4 ポイント
強制わいせつ
50.0
平成22年中の検挙事例
○ 金沢市二俣町地内における殺人死体遺棄事件[捜査第一課・金沢中署合同]
無職の男(59)は、平成21年10月6日ころ、金沢市安江地内駐車場に駐車中の車内で、
被害者女性の首を腕で絞め殺害し、その後、頸部を切断し、頭部を除く部分をスーツケ
- 13 -
ースに詰め、これを金沢市二俣地内の山中に投棄し、死体を遺棄した(4月2日検挙)
。
○ 加賀市山代温泉地内における兄弟間の斧使用殺人事件[大聖寺署]
無職の男(74)は、6月22日午後6時ころ、加賀市山代温泉地内の被害者方において、
実弟の被害者の首を斧で切りつけ殺害した(6月22日検挙)
。
○ 暴力団組員等による身の代金目的拐取等事件[捜査第一課・組織犯罪対策課・松任署合同]
暴力団組員の男(47)他2名は、12月8日の朝、野々市町の路上において、身の代金
を交付させる目的で、通学途中の女子中学生を略取のうえ監禁し、同被害者の実父に対
して身の代金1億円を要求した(12月8日検挙)
。
イ
重要窃盗犯の検挙
重要窃盗犯の検挙率は37.0%で、平成22年に全国平均を下回ったものの、
住宅対象侵入窃盗のうち居空きは66.7%、学校荒しは94.4%、給油所荒しは
283.3%と高い検挙率を示している。
【重要窃盗犯検挙率の推移】
年別
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
石川県
30.6
33.5
60.3
46.2
57.2
45.4
69.8
67.0
48.1
37.0
-11.1 ポイント
全国
27.1
28.0
30.0
33.3
39.4
45.3
51.4
53.6
50.9
47.8
-3.1 ポイント
区分
増 減
平成22年中の検挙事例
○ 農山村を対象とした広域空き巣事件[石川(金沢中署)
・福井合同]
無職の男(47)は、6月15日の日中、羽咋郡宝達志水町内の一般民家に侵入し、現金
2万円を盗んだ(総被害68件、約115万円、7月9日検挙)
。
○ 窃盗前歴者による連続空き巣事件[金沢東署]
無職の男(57)は、5月14日の日中、金沢市内の一般民家に侵入し、現金5万5千円
等を盗んだ(総被害86件、約830万円、6月5日検挙)
。
ウ
振り込め詐欺の撲滅に向けた取締活動の推進
平成22年5月を「振り込め詐欺撲滅のための取締活動及び予防活動の強化
期間」に設定し、振り込め詐欺撲滅に向けた取締活動を積極的に推進した。
【振り込め詐欺の検挙件数・人員の推移】
年別
罪種別
振り込め詐 検挙件数
欺
検挙人員
オレオレ 検挙件数
詐
欺 検挙人員
架空請求 検挙件数
詐
欺 検挙人員
融資保証金 検挙件数
詐
欺 検挙人員
還付金等 検挙件数
詐
欺 検挙人員
検挙件数
助長犯罪
検挙人員
検挙件数
合
計
検挙人員
平15
平16
平17
平18
5
3
1
1
4
2
-
-
-
-
19
2
24
5
6
3
1
3
5
-
-
5
11
5
11
-
-
6
5
12
8
- 14 -
平19
平20
平21
平22
38
5
15
2
23
3
8
37
7
18
3
19
4
12
3
4
1
8
2
12
7
50
12
35
20
43
20
56
37
93
44
15
11
27
14
8
増
件(人)数
-25
-4
-14
-2
-11
-2
-41
-26
-66
-30
減
率(%)
-67.6
-57.1
-77.8
-66.7
-57.9
-50.0
-73.2
-70.3
-71.0
-68.2
【振り込め詐欺認知件数の推移】
年別
罪種別
認知件数(件)
被害額(万円)
オレオレ 認知件数(件)
詐
欺 被害額(万円)
架空請求 認知件数(件)
詐
欺 被害額(万円)
融資保証金 認知件数(件)
詐
欺 被害額(万円)
還付金等 認知件数(件)
詐
欺 被害額(万円)
振り込め詐欺
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
92(54) 293(103) 227(20) 134(3)
102
162(2)
50(8)
5,024 28,607 21,594 12,553 10,036 15,760
4,526
92(54) 179(100) 47(17)
27(3)
13
18
3
5,024 16,615
7,439
5,021
2,346
4,558
860
59(3)
42(2)
30
30
52
36(8)
7,285
4,742
2,615
2,108
3,845
3,135
55
138(1)
77
50
52
11
4,707
9,413
4,917
4,793
3,569
531
-
-
-
-
9
40(2)
-
-
-
-
789
3,788
平22
35(2)
3,126
5(1)
161
27(1)
2,938
3
27
増
件数(額)
-15
-1,400
2
-699
-9
-197
-8
-504
減
率(%)
-30.0
-30.9
66.7
-81.3
-25.0
-6.3
-72.7
-94.9
-
注1:認知件数の( )は未遂件数で内数
注2:「オレオレ詐欺」とは、電話を利用して親族、警察官、弁護士等を装い交通事故示談金や
犯罪被害等を名目に、現金を口座に振り込ませるなどの方法により騙し取る詐欺をいう。
注3:「架空請求詐欺」とは、郵便、インターネット等を利用して不特定多数の者に対し、架空
の事実を口実とした料金を請求する文書等を送付するなどして、現金を口座に振り込ませ
るなどの方法により騙し取る詐欺をいう。
注4:「融資保証金詐欺」とは、実際に融資しないにもかかわらず、融資する旨の文書等を送付
するなどして、融資を申し込んできた者に対し、保証金等を名目に現金を口座に振り込ま
せるなどの方法により騙し取る詐欺をいう。
注5:「還付金等詐欺」とは、税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、
口座間送金により財産上の不法の利益を得る電子計算機使用詐欺をいい、平成19年から振
り込め詐欺の類型に追加している。
平成22年中の検挙事例
○ 架空請求詐欺に使用された預金通帳等詐欺事件[穴水署]
会社員の男(33)は、他人に利用させる目的で、平成21年11月10日、千葉県所在の銀
行の支店から自己名義の預金通帳1通及びキャッシュカード1枚を騙し取った(2月25
日検挙)
。
○ 偽造国民健康保険証を使用した携帯電話詐欺未遂事件[金沢西署]
無職の男(34)は、不正に作成した自己名義の国民健康保険証を使用し、4月16日、金
沢市内のドコモショップから携帯電話4台を騙し取ろうとした(4月16日検挙)。
○ 詐欺グループ5名による通信教育講座の終了手続き費用等名下の架空請求詐欺事件[石
川(金沢東署)
・福岡県など4道県合同]
会社役員の男(27)ら5人は、共謀の上、通信教育講座終了手続き費用等名下で、3
月ころ、高知県内居住の男性(20歳代)から、約42万円を振り込みさせ、騙し取った(5
月26日検挙)
。
○ 通信教育講座の受講契約終了手続費用請求名下の架空請求詐欺未遂事件[金沢東署]
会社役員の男(56)ら3人は、共謀の上、通信教育講座の受講契約終了手続費用請求
名下で12月下旬ころ、金沢市内居住の男性(60歳代)から、現金約50万円を騙し取ろう
とした(12月25日検挙)
。
【知能犯罪の認知・検挙件数の推移】
増 減
年別
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
区分
件(人)数 率(%)
認知件数
625
387
641
721
736
670
503
420
248
250
2
0.8
検挙件数
585
248
438
237
522
329
253
241
212
137
-75 -35.4
検挙人員
119
103
103
111
146
153
101
109
161
108
-53 -32.9
検挙率(%) 93.6 64.1 68.3 32.9 70.9 49.1 50.3 57.4 85.5 54.8 -30.7ポイント
- 15 -
平成22年中の検挙事例
○ 社会福祉協議会からの生活支援費借用名下の詐欺事件[大聖寺署・小松署合同]
無職の男(46)ら2名は、共謀の上、社会福祉法人から生活支援費借入名下に金員を
詐取するため、低所得者でないのに、無職とする虚偽の生活福祉資金申込書及び給料支
払明細書等を提出し、5回にわたり、同福祉法人から72万円を振り込み入金させた(11
月26日検挙)
。
○ 元社団法人専務理事による多額業務上横領(告訴)事件[金沢中署]
無職の男(67)は、4月ころ、金沢市内所在の社団法人に専務理事として会計責任者
の業務に従事していた際、同法人の普通預金口座から現金300万円を払い戻し、横領した
(12月6日検挙)
。
(2)
今後の課題
ア 未解決事件の早期検挙
未解決となっている金沢市久安地内アパートにおける独身男性殺人事件及
びローソン加賀桑原町店における強盗殺人事件を早期に検挙する。
イ 重要窃盗犯の徹底検挙
発生状況の分析等に基づく捜査重点の決定や他県警等との合同・共同捜査
を推進し、重要窃盗犯の検挙を徹底する。
併せて、刑事部門と生活安全部門が連携して、住宅侵入盗等の防犯対策も
強化する必要がある。
ウ 振り込め詐欺の撲滅
振り込め詐欺の撲滅に向け、基礎捜査や突き上げ捜査を継続し、本犯及び
助長犯を検挙するほか、官民一体となった予防活動及び被害者層に応じた広
報啓発活動を推進する必要がある。
2 組織犯罪の徹底検挙
(1) 推進状況
暴力団犯罪、薬物犯罪、来日外国人犯罪の検挙人員はいずれも減少したが、
山口組弘道会系組長による詐欺(賃借権)事件、麻薬特例法 (注) を適用した覚
せい剤密売事件、犯罪のグローバル化に繋がる偽装結婚事件を検挙した。
また、平成22年7月に検挙した売春防止法違反事件(大聖寺署)では、県内
初となる、
「押収した売上金」に対する起訴前没収保全命令の発出を得るなど、
組織犯罪の徹底検挙に努めた。
(注) 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬
及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律
- 16 -
【暴力団構成員等の検挙状況】
年別
罪種別
総
数
暴
行
傷
害
恐
喝
賭
博
窃
盗
その他
刑法犯
覚せい剤
銃刀法
その他
特別法犯
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
検挙件数
検挙人員
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
366
161
7
9
30
40
7
12
0
0
64
19
205
46
38
28
4
0
11
7
3,803
176
14
15
19
22
8
19
1
10
3,640
21
42
40
29
21
3
3
47
25
455
205
11
9
22
41
16
13
0
0
224
32
87
50
49
27
4
1
42
32
798
175
14
18
27
36
6
5
6
13
627
32
62
31
31
16
2
1
23
23
478
168
8
9
30
37
7
17
3
3
264
18
95
40
49
24
1
1
21
19
396
176
9
8
25
25
54
21
1
8
145
27
74
34
40
23
12
7
36
23
591
171
15
11
22
26
7
5
17
17
417
23
44
34
29
19
1
1
39
35
436
131
9
8
20
21
5
6
3
10
306
14
40
36
22
17
4
1
26
18
317
152
14
12
25
28
4
3
0
1
131
21
85
45
31
21
1
0
26
21
272
119
9
8
21
22
6
7
0
0
152
25
31
22
29
18
3
1
21
16
増
減
件(人)数 率(%)
-45 -14.2
-33 -21.7
-5 -35.7
-4 -33.3
-4 -16.0
-6 -21.4
2
50.0
4 133.3
0
-
-1 -100.0
21
16.0
4
19.0
-54 -63.5
-23 -51.1
-2
-6.5
-3 -14.3
2 200.0
1
-5 -19.2
-5 -23.8
平成22年中の検挙事例
〇 弘道会系組長等による賃借権詐欺事件[金沢東署]
弘道会系組長(54)は、男性と共謀し、自己の住居として使用する目的を隠し、男性
名義で建物の賃貸借契約を結んだ(5月19日検挙)
。
〇 弘道会系組員による恐喝事件[金沢中署]
弘道会系組員(38)は、飲食店店長に因縁をつけて現金を脅し取った(5月27日検挙)
。
○ 暴力団組員等による身の代金目的拐取等事件[捜査第一課・組織犯罪対策課・松任署合同]
暴力団(弘道会系)組員の男(47)他2名は、12月8日の朝、野々市町の路上において、
身の代金を交付させる目的で、通学途中の女子中学生を略取のうえ監禁し、同被害者の
実父に対して身の代金1億円を要求した(12月8日検挙)
。
【薬物事犯の検挙状況】
年別
罪種別
覚せい剤
大
麻
麻 薬 等
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
増
件(人)数
減
率(%)
検挙件数
94
86
108
120
101
76
48
47
57
60
3
5.3
検挙人員
68
57
68
68
55
52
36
34
47
44
-3
-6.4
検挙件数
10
4
6
14
2
21
26
24
15
12
-3
-20.0
検挙人員
6
3
2
8
1
6
17
19
9
7
-2
-22.2
検挙件数
12
2
4
11
9
7
3
12
3
5
2
66.7
検挙人員
14
1
0
5
5
4
2
4
2
2
0
0.0
平成22年中の検挙事例
〇 中京ルートの覚せい剤密売事件[大聖寺署]
愛知県在住の自営業の男(35)は、覚せい剤を石川県内の男に有償で譲り渡した(1
月21日検挙)
。
〇 麻薬特例法を適用した覚せい剤密売事件[金沢東署・金沢西署・大聖寺署・小松署合同]
とび職の男(38)は、業として、覚せい剤を仕入れて複数の者に譲渡した(3月2日検挙)。
〇 建設業男性による覚せい剤、コカイン等所持事件[金沢西署]
建設業の男(37)は、自宅において、覚せい剤約2.5g、コカイン約0.2g、合成麻薬の
MDMA等4錠を所持した(9月15日検挙)
。
- 17 -
【来日外国人犯罪の検挙状況】
年別
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
区分
検挙件数 199
87 438 532 144 279 225
95
63
41
検挙人員
55
74
68
43
70
95
69
74
61
40
増
件(人)数
減
率(%)
-22
-34.9
-21
-34.4
平成22年中の検挙事例
〇 中国人女性にかかる偽装結婚事件[金沢中署]
自営業の男(42)は、中国人女性に長期在留資格を取得させるため、婚姻の意思がな
い知人男性との婚姻届を金沢市に提出し、受理させた(6月17日検挙)
。
〇 中国人等による組織的な外国人登録証明書偽造事件[金沢東署・能登署合同]
不法残留となった中国人研修生(30)等は、稼働を継続するため、日本国籍の男の仲
介により、外国人登録証明書を偽造して所持した(11月24日検挙)
。
(2)
今後の課題
暴力団の弱体化・壊滅に向け、実態解明による資金源犯罪の検挙や犯罪収益
の剥奪を積極的に推進する必要がある。また、治安に対する重大な脅威となっ
ている犯罪のグローバル化とこれを支える犯罪インフラに対し、取締りと対策
を強化する必要がある。
3 捜査活動基盤の充実
(1) 推進状況
ア 現場鑑識の徹底と採取資料の有効活用
現場足跡管理システムを活用し、現場
に 遺 留され た足 跡を照 合 して連 続窃盗
(空き巣)事件の被疑者を検挙するなど同
システムの有効活用を図った。
また、鑑識専科、刑事養成塾、地域警
察官を対象とした交番に対する出前教養、
鑑識上級検定(全科目)を実施し、現場
【現場鑑識活動】
における鑑識活動の徹底を図った。
イ 科学捜査の積極的な推進
フラグメントアナライザー、加温振と
う装置、PCR装置、DNA定量装置、
DNA抽出装置等の新型装置を平成22年
2月より運用開始し、効果的な鑑定業務
を推進している。
ウ 早期事件検挙に向けた捜査支援
地域登録データ、犯罪手口等の各種情
報を総合的に分析し、振り込め詐欺事件の 【最新の科学技術を使用した鑑定】
容疑者の割出しや脅迫事件の重点警戒地
域の設定による事件の早期検挙等効果的な捜査支援を推進した。
また、捜査員を対象とした「CIS-CATS塾」の開催等により、効果
的活用事例やデータ管理等の指導、教養を推進した。
- 18 -
エ
人的基盤の充実
若手捜査員の早期育成を図るため、刑事養成塾、新任捜査員研修等を実施
するとともに、新任刑事プログラムによる教養を実施した。また、若手捜査
幹部の指揮能力向上を図るため、捜査指揮官専科、検察庁における刑事関係
司法警察員の実務研修を実施した。
(2) 今後の課題
ア 科学捜査の推進
高度な科学技術や各種資機材を駆使して、犯罪現場に残された微細・微量
な採取資料を正確かつ迅速に鑑定し、捜査に的確に反映させていく必要がある。
また、DNA型鑑定の確認件数(率)の向上を図るとともに、DNA型鑑
定資料の採取及び被疑者DNA型の登録を推進する。
イ 情報分析支援システムの活用推進
発生状況把握、よう撃場所選定、聞き込み地域選定、容疑車両絞り込み、
地理的プロファイリングによる容疑者絞り込み等、CIS-CATS各種機
能を効率的に活用し、捜査手法の一方法として定着化を図る。
ウ 若手捜査員の早期戦力化
若手捜査員の早期戦力化に向けた計画的な指導教養を推進する。
4 適正捜査の推進
(1) 推進状況
ア ち密かつ適正な捜査の推進
ち密かつ適正な捜査を一層推進するため、
○ 金沢地方検察庁次席検事による講習(刑事課長会議・捜査指揮官専科)
○ 証人出廷専科における検察官及び弁護士による教養
○ 心理学専門家による被疑者の心理状態に関する教養
○ 巡回教養、各種専科教養、執務資料の発出等
を推進した。
また、取調べの適正化及び裁判員裁判への的確な対応に努めるとともに、
証拠品及び捜査資料の適正な保管・管理に努めた。
イ 適正な検視業務の推進
検視官による臨場率は55.7%で、前年と比べ18.9ポイントと大幅に向上した。
また、誤認検視を防止するため、
○ 検視を担当する警察官に対する検視実務専科
○ 画像(CT)検査、超音波検査(エコー)及び薬物検査キット等の積
極的活用
○ 「石川県警察死亡時画像診断ネットワーク」(平成22年1月23日発足)
の活用
等を実施した。
【検視官臨場率の推移】
年別
平18
平19
平20
平21
平22
県下の死体取扱数 1,120
1,179
1,302
1,267
1,362
10.0
14.2
36.8
55.7
区分
臨 場 率 (%)
10.3
- 19 -
増 減
件数 率(%)
95
7.5
18.9 ポイント
ウ
教養の実施
県警察学校における全ての任用科及び専科教養に「適正捜査」を必須教授
科目に指定するなど、部門横断的な教養を実施した。
(2) 今後の課題
ア ち密かつ適正な捜査の推進
平成22年2月、金沢地方裁判所において県内初の裁判員裁判が行われて以
降、12月末までに8件の公判が実施された。引き続き、裁判員裁判における
問題点等の把握に努め、執務資料を発出するなど的確な対応を図る必要が
ある。
また、平成22年9月の無罪事件を踏まえて、基本に忠実な捜査の更なる徹
底を図る必要がある。
イ 適正な検視業務の推進
死体取扱数の増加に的確に対応し、適正な検視業務を推進するため、検視
体制の強化と検視官による臨場率の更なる向上を図る必要がある。
- 20 -
重点目標4
死亡事故等重大交通事故の抑止(交通部)
[背景と施策の方向]
平成21年中の交通事故は、発生件数、死傷者数とも、平成18年以降4年連続で減少し、石
川県交通安全対策会議が策定した第8次石川県交通安全計画で示された「平成22年までに年
間の死者数を58人以下、死傷者数を9,200人以下にする。」という数値目標を平成20年に引き
続き達成した。とりわけ、死者数54人については、統計を取り始めた昭和31年の53人に次ぐ
少ない記録となった。
しかしながら、未だ多くの尊い命が交通事故の犠牲となっており、飲酒運転による交通事
故も後を絶たないなど、交通事故情勢は予断を許さない状況にある。
こうした情勢を踏まえ、関係機関・団体と連携した各種交通安全運動の普及浸透を始め、
高齢者や自転車利用者を重点とした交通安全教育、飲酒運転等悪質性、危険性、迷惑性の高
い違反に重点を置いた指導取締り、効果的かつ計画的な交通安全施設の整備など、総合的な
交通死亡事故抑止対策を推進する。
総
合
評
価
1
施策の目標
○ 平成22年までに年間の死者数を58人以下、死傷者数を9,200人以下にすると
いう第8次石川県交通安全計画の数値目標を昨年に引き続き達成する。
○ 交通死亡事故抑止「新アンダー50作戦」を展開し、交通事故死者数50人未満
及び交通事故重傷者数400人未満を目指す。
2
成果
交通事故の死者数は64人で、前年と比べ10人(18.5%)増加し、「新アンダー
50作戦」の目標は達成できなかったものの、総合的な交通死亡事故抑止対策や
交通環境の整備等を推進した結果、交通事故の発生件数及び負傷者数については、
いずれも平成18年以降5年連続で減少した。
【交通事故発生状況の推移】
年別
区分
昭47
平11
平12
平18
平19
平20
平21
平22
発生件数(件) 8,532 9,250 9,645 7,948 7,438 6,769 6,320 6,037
100
98
10 18.5
負傷者数(人) 11,725 11,443 11,952 9,864 9,230 8,287 7,656 7,223
-433 -5.7
重傷者数(人)
-
837
827
※ 昭和47年は重傷者数の集計なし
3
65
669
59
562
56
507
54
-283 -4.5
64
死者数(人)
183
増 減
件(人)数 率(%)
470
403
-67 -14.3
今後の課題
高齢者の死者数が、前年と比べ19人(90.5%)増加と極めて多く、また、死者数
全体に占める割合についても、62.5%(全国平均50.4%)と非常に高い状況にある
ことから、今後も高齢者を重点とした対策を推進していく必要がある。
- 21 -
【死者数に占める高齢者の割合】
年別
区分
石川県の交通事故死者数(人)
石川県の交通事故による高齢者
の死者数(人)
石川県の死者数に占める高齢者
の割合(%)
全国の死者数に占める高齢者の
割合(%)
重
増 減
人 数 率(%)
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
108
79
92
65
75
65
59
56
54
64
10
18.5
42
39
43
29
35
39
34
32
21
40
19
90.5
38.9
49.4
46.7
44.6
46.7
60.0
57.6
57.1
38.9
62.5
23.6ポイント
36.8
37.8
40.4
41.4
42.6
44.2
47.5
48.5
49.9
50.4
0.5ポイント
事
項
の
検
証
点
推
進
1 交通事故抑止対策等の推進
(1) 推進状況
ア 高齢者や自転車利用者を重点とした交通安全教育の推進
交通安全講習を受ける機会がない高齢者を対象に、民間委託の指導員等と
協力して家庭訪問による個別指導を行うとともに、街頭や高齢者が集まる施
設における交通安全指導を徹底した。
また、高齢歩行者教育システムや、サイクルシミュレータ等の擬似体験型
交通安全教育機材を活用した参加・体験型の交通安全教室を開催した。
【高齢者宅への訪問指導活動】
【サイクルシミュレータを活用した交通安全教室】
イ
高齢運転者対策の推進
高齢者の身体機能の変化を自覚してもらうため、高齢者ドライビングスク
ールや交通安全体験車を活用した参加・体験型の交通安全講習を実施した。
【高齢運転者による交通事故の推移】
年別
増 減
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
区分
件(人)数 率(%)
発生件数(件)
856
906
928
932
986
935 1,005
926
954
882
-72
-7.5
死者数
11
1
10.0
負 傷 者 数 ( 人 ) 1,104 1,103 1,155 1,183 1,223 1,166 1,259 1,142 1,154 1,068
-86
-7.5
ウ
(人)
15
10
22
6
15
9
15
10
10
飲酒運転等悪質・危険・迷惑性の高い違反に重点を置いた指導取締りの推進
無免許運転、著しい速度超過、交差点関連違反等の交通事故に直結する悪
質性、危険性の高い違反を取締り重点として、交通指導取締りを推進した。
特に、飲酒運転を根絶するため、取締り強化期間、取締り強化日を指定す
るなど、集中した取締りを推進した結果、第1当事者飲酒運転による交通事
- 22 -
故発生件数が17件(25.4%)減少した。
【交通取締り件数の推移】
年 別
違反種別
飲
酒
運
転
無 免 許 運 転
平13
平14
3,086
平15
2,389
平16
1,957
平17
1,853
平18
1,454
平19
1,407
平20
629
平21
424
平22
385
増 減
件数 率(%)
303
-82 -21.3
638
656
662
637
596
573
379
307
285
252
過
32,384
38,441
39,777
35,377
34,183
36,163
34,986
31,558
29,457
31,138
1,681
5.7
そ の 他 違 反
37,333
39,679
57,118
43,943
39,326
34,689
34,473
36,746
38,530
36,916
-1,614
-4.2
小
計
73,441
81,165
99,514
81,810
75,559
72,832
70,467
69,035
68,657
68,609
-48
-0.1
反
33,897
37,074
49,723
32,550
23,879
36,970
39,800
39,964
39,474
33,373
交通関係法令違反
239
182
322
347
428
309
271
249
157
207
50
31.8
99,866 110,111 110,538 109,248 108,288 102,189
-6,099
-5.6
速
度
点
超
数
違
合
計 107,577 118,421 149,559 114,707
-33 -11.6
-6,101 -15.5
【飲酒運転による交通事故の推移】
年別
区分
平13 平14 平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22
発生件数 (件 ) 188
増 減
件(人)数 率(%)
-17 -25.4
143
120
129
135
87
72
62
67
50
21
8
6
1
6
1
5
1
6
3
-3
-50.0
負傷者数 (人 ) 267
203
165
177
201
128
93
82
94
71
-23
-24.5
死者数
(人)
エ
改正道路交通法の円滑な施行
高速自動車国道等における車間距離保持義務違反に係る法定刑引き上げや
高齢運転者等専用駐車区間制度の導入に伴い、講習会をはじめ、チラシ、パ
ンフレット等により改正道路交通法を周知した。
オ ち密な交通事故事件捜査の推進
交通事故事件捜査統括官及び交通事故鑑識官による迅速かつ具体的な初動
捜査を推進するとともに、客観的な証拠収集の徹底など、ち密な交通事故事
件捜査を推進した。
カ 総合的な暴走族対策の推進
暴走族の根絶を目指して「石川県警察暴走族総合対策本部」を設置し、取
締りを強化した。
キ 悪質・危険運転者対策等の推進
違反を繰り返す運転者や重大な交通事故を起こした運転者を道路交通の場
から早期に排除するための適正かつ迅速な行政処分を徹底した。
【行政処分執行状況の推移】
年別
区分
取 消 (人)
ク
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
増 減
人数 率 (%)
296
356
516
446
412
363
280
247
296
373
77
26.0
90日以上(人)
1,062
1,267
1,469
1,553
1,259
1,156
874
564
474
433
-41
-8.6
停
60日 (人)
1,474
1,294
1,316
1,093
972
893
721
685
550
584
34
6.2
止
30日 (人)
8,218
7,053
6,515
5,878
5,617
5,068
4,445
3,370
2,997
2,970
-27
-0.9
計 (人)
10,754
9,614
9,300
8,524
7,848
7,117
6,040
4,619
4,021
3,987
-34
-0.8
被害軽減対策の推進
シートベルトやチャイルドシートの着用率等を向上させるため、指導取締
りを強化するとともに、各種講習会の開催や広報啓発活動を実施した。
- 23 -
【シートベルトの着用率】
〈一般道路〉
〈高速道路〉
運転席 助手席 後部席 チャイルドシート
平19 95.0%
平22 97.0%
86.3%
92.2%
7.2%
34.1%
運転席 助手席 後部席
50.2%
51.0%
平19 98.3%
平22 99.7%
97.0%
97.3%
22.9%
56.4%
(注) 平成20年6月から自動車の後部座席同乗者のシートベルト着用が義務化
ケ
関係団体及び交通関連事業者との連携と指導の強化
交通関係団体等と連携し、各季の交通安全運動等を推進するとともに、各
団体が本来の活動趣旨に則って業務が適正に行われるように指導に努めた。
(2) 今後の課題
大幅に増加した高齢者が犠牲となる死亡事故の特徴を見ると、大半は夜間道
路を横断中にはねられる事故であり、その多くは黒っぽい服装で夜光反射材を
着用していなかった点が挙げられる。また、犠牲となった高齢者のほとんどが
交通安全教育未受講者であった。
今後は、受講機会のない高齢者に対する交通安全教育を一層充実させるとと
もに、夜光反射材等の着用徹底を図っていく必要がある。
2 安全・安心な交通環境の整備
(1) 推進状況
ア 交通安全施設等整備事業の重点的、効果的かつ効率的な推進
交通事故の発生状況、渋滞状況及び住民等の要望を踏まえた信号機の新設、
視認性に優れ消費電力が削減される信号灯器のLED化を推進したほか、バ
リアフリー対応型信号機の設置など計画的な交通安全施設の整備・推進を実
施した。
【交通信号機数と信号灯器LED化の推移】
年度
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
1,975
2,069
2,100
2,132
2,160
2,183
2,206
2,230
2,257
2,274
2
10
72
78
44
46
73
89
99
2
12
84
162
206
252
325
414
513
0.1
0.6
3.9
7.5
9.4
11.4
14.6
18.3
22.6
区分
信号機総基数
うち LED化整備数
LED化整備総数
LED化率(%)
【バリアフリー対応型交通信号機の推移】
年度
区分
視覚障害者用付加装置
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
343
270
281
283
286
290
304
318
329
337
高
齢
者
感
応
化
42
52
61
61
64
64
66
66
66
66
歩
行
者
感
応
化
8
9
9
9
9
10
10
10
10
10
歩行者等支援装置(PICS)
20
20
20
22
22
22
22
22
22
22
音響式歩行者誘導付加装置
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
10
11
14
16
17
16
16
17
16
16
353
376
390
397
405
419
435
447
454
460
歩
者
分
計
離
イ 交通事情の変化等に対する的確な対応
(ア) 交通事故多発交差点、路線対策の推進
交通事故多発交差点、路線等の事故抑止対策として、道路管理者、自治
体、地域住民等との協議を行い、道路改良による危険要因の排除等、交通
- 24 -
環境を整備した。
(イ) 「より合理的な交通規制」の推進
平成21年10月の交通規制基準の一部改正(警察庁)に伴い、交通規制の
見直しを行い、国道159号・津幡バイパス本線の一部区間約2.8㎞を最高速
度70㎞/h(見直し前60㎞/h)とした(7月)。
ウ 歩行者・自転車利用者の安全通行の確保
(ア) 生活道路等の対策
歩行者や自転車利用者の交通事故が多い生活道路等の安全対策として、
道路管理者と連携し、交差点のカラー塗装等の安全施策を実施した。
(イ) 自転車通行環境の整備・推進
道路管理者等と連携し、金沢市小坂地区(JR東金沢駅~小坂町交差点
間)に幅2.25m、延長距離約600mの自転車専用通行帯を設置(3月)し、
自転車利用者の安全通行を確保した。
エ 高度道路交通システム(ITS)の推進
最先端の情報通信技術を用い、渋滞や交通事故といった道路交通問題の解
決を目指す次世代の交通システム構築のため、交通管制システムの標準化に
向けた整備、信号制御の高度化等を推進し、交通管理の最適化を図った。
オ 環境対策の推進
自動車からの二酸化炭素排出量削減を図るため、交通状況に応じた信号機
の運用や交通規制の改善等を行ったほか、環境省等が主唱するエコドライブ
推進月間(11月)の広報啓発活動を実施した。
カ 総合的な駐車対策の推進
(ア) 駐車規制の見直し
地域住民の要望や物流の必要性等に配慮した駐車規制の見直しを行った
ほか、駐車禁止規制除外措置及び駐車許可制度の適正な運用に努めた。
(イ) 高齢運転者等専用駐車区間制度の推進と駐車区間の整備
道路交通法の一部改正による高齢運転者等専用駐車区間制度の導入(4
月施行)にあわせ、各警察署において申請・標章交付等事務が円滑に行わ
れたほか、金沢市兼六町及び七尾市生駒町の2箇所7台分の駐車区間を設
置し供用を開始した。
(2) 今後の課題
交通事故の更なる減少を実現するため、引き続き交通安全施設関連の予算を
確保し、計画的に交通安全施設を整備(更新)する必要がある。
また、平成20年度を初年度とする社会資本整備計画(5カ年計画)に基づい
た道路交通環境の整備を着実に推進する必要がある。
- 25 -
重点目標5 テロの未然防止と大規模災害等緊急事態対策の推進(警備部)
[背景と施策の方向]
依然として厳しい国際テロ情勢に加え、社会が不安定化、流動化しており、右翼等による
テロのほか、新たな勢力の出現も懸念されるなど警備情勢は厳しいものがある。
こうした中、平成22年に我が国において開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳
会議及び関連閣僚会合等に対するテロ等の発生が危惧され、その未然防止対策に万全を期す
必要がある。
また、全国的に発生している大雨や地震等の大規模災害をはじめ、テロ等の緊急事態に迅
速・的確に対応するため、警察部隊の対処能力の向上を図るとともに、関係機関との実戦的
な合同訓練を実施し、緊密な連携を確保するなど、警備諸対策を推進する。
総
1
合
評
価
施策の目標
○ テロを未然防止するとともに、大規模災害等の緊急事態に対して迅速・的確
に対処する。
2 成果
(1) 全国警察が一体となって取り組んだAPEC首脳会議等の警備を完遂すると
ともに、テロ関連情報の収集・分析、国際海空港等の水際対策、重要施設等に
対する警戒警備等の諸対策を推進し、県内におけるテロの発生を未然防止した。
(2) 緊急事態に備えて対処能力の向上に向けた実戦的訓練等を実施するなど諸対
策を推進した。平成22年中、県内において緊急事態の発生は無かった。
3 今後の課題等
(1) テロ情勢は依然として厳しいことから、継続してテロの未然防止に向けた諸
対策を実施する必要がある。
(2) 近年増加傾向にある局地的大雨、集中豪雨やこれまで予想できなかった事態
に即応するため、対処要領の検討や基礎資料、装備資機材の整備等を継続して
実施する必要がある。
重
点
推
進
事
項
の
検
証
1 テロの未然防止
(1) 推進状況
ア 情報活動の推進
テロ関連情報の収集・分析を推進するとともに、警備諸対策や取締り等に
も活用した。
イ 関係業者等への協力要請等の実施
県内の爆発物原料取扱業者、生物剤・化学物質取扱業者、旅館業者、不動
産業者等に対して不審情報の通報等の協力要請を実施した。
- 26 -
ウ
水際対策の推進
金沢港、小松空港等の国際海空港にお
いて、関係機関と連携して水際対策を強
化し、テロリスト等の入国阻止を図った。
また、テロリスト等の密入国事案に備
え、沿岸警備協力会等と連携して沿岸警
備訓練を実施した。
エ 取締りの推進
違法行為に対する取締りを推進し、入
【小松空港ハイジャック対策訓練】
管法違反で9人の来日外国人を検挙した。
オ 警戒警備の強化
厳しい国際テロ情勢を踏まえ、原子力発電所、海空港等の重要施設や金沢
駅等の公共交通機関に対する警戒警備を強化してテロを未然に防止した。
また、APEC首脳会議等の開催に伴い、警戒員を増強するなど重要施設
の警戒警備を強化した。
カ 警衛・警護警備の完遂
皇室と国民との親和に配意した警衛警備及び的確な警護警備を実施してテ
ロ等を未然に防止した。
キ 警察部隊の練度、対処能力の向上
不測の事態に対応できるよう大規模な暴動等を想定した実戦的な訓練や要
人警護訓練等を反復実施した。
(2) 今後の課題
テロ情勢は依然として厳しいことから、継続して関連情報の収集・分析、取
締り、警備諸対策等を推進するとともに、関係機関・事業者等との連携を更に
強化していく必要がある。
2 緊急事態対策の推進
(1) 推進状況
ア 災害基礎資料の整備
年間を通じ、関係機関と連携した災害危険箇所等の把握と資料化を実施した。
イ 各種訓練・教養の推進
(ア) 装備資機材取扱訓練
○ 災害用通信機器の取扱教養を実施
した。
○ NBCテロ及び大規模災害等の装
備 資 機 材 の 取 扱 教 養 ・ 訓練 を 実 施
した。
(イ) 関係機関との合同訓練
緊急事態発生時における迅速・的確
な対応を行うため、県、海上保安庁、
【石川県防災総合訓練】
空港保安委員会等関係機関と連携した
実戦的な合同訓練等を実施した。
- 27 -
ウ
関係機関との会議の開催
空港保安委員会、海港保安委員会、防災等関係機関懇談会等の会議を開催
した。
エ 態勢の確立
大雨警報等の気象警報発表に伴い、災害警備連絡室を設置した。
(2) 今後の課題
ア 近年増加傾向にある局地的大雨、集中豪雨やこれまで予想できなかった事
態に即応するため、対処要領の検討や基礎資料の整備等を継続して実施する
必要がある。
イ 迅速・的確な情報収集や救出救助活動等を実施するため、装備資機材を活
用した実戦的訓練等を継続して実施する必要がある。
- 28 -
重点目標6
初動警察活動の的確な推進と警察力の充実強化
(生活安全部、警務部)
[背景と施策の方向]
警察にとって初動は生命線であり、重大事案発生直後における迅速・的確な警察活動は、
被害拡大の防止、犯人の確保等の警察目的のため欠かせないものである。
近年、全国的に無差別殺傷事件の相次ぐ発生や突発的集中豪雨被害の発生等、警察事象の
多様化・スピード化等を受けて初動警察の困難性が増す中で、時代の要請に応えた初動警察
であり続けるためには、その要たる通信指令の強化や初動警察における事案対応能力の強化
等を図り、組織的かつ効果的な活動を推進することが急務である。
こうしたことから、県警では初動警察の重要性にかんがみ、「初動警察刷新強化施策」を策
定し、「地域警察を中心とした精強な第一線警察構築のための総合プラン」に重点施策として
盛り込み、これら諸施策の計画的な実施に取り組んでいるところであり、引き続き迅速・的
確な初動警察活動を推進する。
また、大量退職・大量採用期が長期にわたって続き、組織の急激な若返りを迎えている中、
県警察の地力を維持しつつ、厳しい治安情勢に的確に対処するためには、第一線における職
務執行力の充実強化が必要不可欠である。
そこで、優秀な警察官の採用を一層推進し、各種訓練や伝承教養等の推進により、若手警
察官の早期戦力化と幹部の指揮能力の向上を図り、士気の高い職場環境づくりを推進する。
さらに、県民の立場に立った警察活動を推進するため、被害者支援や警察安全相談等の一
層の充実を図るほか、活動の基盤となる組織体制や施設、装備資機材等の充実を図り、警察
力の充実強化を一層推進する。
総
1
合
評
価
施策の目標
○ 迅速・的確な初動警察活動を実施するための施策を推進する。
○ 優秀な人材の確保と若手警察官の早期戦力化を推進する。
2 成果
(1) 初動警察刷新強化の推進
初動警察刷新強化施策を策定し、施策の計画的な実施により初動警察の刷新
強化を図ったほか、新たに通信指令技能検定及び通信指令専科を実施するなど
通信指令を担う人材の育成を図った。
(2) 警察官採用試験受験者数の増加
若手警察官32人を採用リクルーター(注)に
指定し、募集活動を推進したほか、体験・
体感型の就職説明会、警察学校オープンキ
ャンパス、警察署におけるインターンシッ
プ(就業体験)等の諸活動を強化した結果、
受験者数が4年連続して増加した。
(注) 「採用リクルーター」とは、大学、高校等の
恩師、就職担当者への働きかけや、後輩への受
験勧奨、就職説明会等への参加を通じて採用募
集活動を行う者をいう。
- 29 -
【警察官募集活動】
(3)
積極的な実戦的総合訓練の推進と当直指揮訓練の導入
年間2回の実戦的総合訓練 (注) の強化期間を設定し、若手警察官等を重点に
推進したほか、通信指令訓練を盛り込むなど訓練内容の充実も図った。
また、重要事件等発生時の迅速・的確な初動対応を確立するため、当直指揮
訓練を導入し、当直主任の事件指揮及び当直員の事案対応能力の強化を図った。
(注) 「実戦的総合訓練」とは、事案等を題材とした想定に基づき、一連の警察活動をロール
プレイング方式により実施又は指揮する訓練をいう。
3 今後の課題
(1) 通信指令技能検定受験者の拡大及び県下通信指令・無線通話技能競技会の実
施により、警察署勤務員の通信指令技能の向上を図る。
(2) 採用試験受験者の一層の拡大により、真に警察官たるにふさわしい資質と熱
意を持った優秀な人材の確保を図る。
(3) 実戦的総合訓練及び総合術科訓練(注)の充実と当直指揮訓練の定着化を図り、
若手警察官を中心に現場執行力の維持、向上を図る必要がある。
(注) 「総合術科訓練」とは、警察官が職務を執行するにあたって被疑者等から攻撃等を受け
た場合を想定し、警棒などの装備資機材を活用した逮捕術などにより、これらの攻撃
等に対する防御及び制圧・逮捕を行う訓練をいう。
重
点
推
進
事
項
の
検
証
1 初動警察刷新強化
(1) 推進状況
ア 初動警察の重要性の周知
事件・事故に迅速・的確に対応することは警察の重要な責務であることに
ついて、各種会議、学校教養及び警察署への巡回教養等において職員に周知
した。
イ 通信指令を担う人材の育成
捜査幹部経験者の通信指令官等への配置、本部通信指令室員の他県警への
長期派遣研修、通信指令技能検定及び通信指令専科等の実施により、通信指
令を担う人材の育成を図った。
ウ 迅速かつ的確な初動警察活動を行うため
の取組み
重大 事案を 想定し た本部通信指令室 と
警察署との実戦的訓練、無線不感地帯に
お け る 無 線通 話確 保訓 練 及び 当 直 指揮
訓練等を実施したほか本部通信指令室と
本部執行隊との連携強化検討会を開催す
るなど、初動警察における事案対応能力
の強化を図った。
【通信指令訓練】
- 30 -
【110番総受理件数の推移】
総受理件数
120,967
63,895
72,170
71,965
73,013
70,020
65,567
66,340
65,811
67,745
増 減
件数
率(%)
1,934
2.9
有効受理件数
42,038
44,230
51,129
54,071
55,062
53,285
52,549
53,287
52,873
55,613
2,740
5.2
無効受理件数
78,929
19,665
21,041
17,894
17,951
16,735
13,018
13,053
12,938
12,132
-806
-6.2
年別
区分
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
【平成22年中の110番通報の事案別受理件数】
区 分
件 数
(2)
刑法犯 交 通 その他
けんか 保 護 災 害 各 種 要 望 各 種 虚 偽
変 死
続 報 その他
関 係 関 係 法違反
口 論 救 護 関 係 情 報 苦 情 照 会 誤 報
2,660 24,902
204
418
2,336
1,480
471
5,273
3,934
4,849
194
8,463
合計
429 55,613
今後の課題
ア 通信指令を担う人材の育成
本部通信指令室補勤員、本部地域課員及び警察署指令担当者(当直含む)
等に対する通信指令技能検定の受検を拡大するほか、警察署通信室における
急訴受理、無線指令及び現場警察官による現場報告等を内容とした県下通信
指令無線通話技能競技会を実施するなどにより、人材育成を図る必要がある。
イ 事案対応能力の強化に向けた実戦的訓練の継続実施
重大事案発生を想定し、事件等の主管部門、警察署及び本部通信指令室が
連携した実戦的訓練を反復実施することにより、迅速・的確な初動警察活動
の確立を図る必要がある。
ウ 通信指令機能の強化
地域警察デジタル無線システム(デジタル署活系無線機とデータ端末機)
の整備など現場警察官の情報通信手段の高度化を図る。
2 人的基盤の充実強化
(1) 成果
ア 組織力を最大限発揮するための組織体制の整備
若手警察官の早期戦力化と幹部の指揮能力の向上など人的基盤の強化を図
るため、警務部に「人材育成課」を新設したほか、総合的な交通事故抑止対
策を推進するため、交通企画課に「交通事故抑止対策室」を設置した。
イ 警察官採用試験受験者数の増加
警察官A(大学卒)及び同B(高校卒程度)の受験者数は782人で、前年
と比べ73人(10.3%)増加し、4年連続増加となった。
【採用試験受験状況の推移】
年別
区分
平13
特別募集
受 験 者
警察官A 合 格 者
合格倍率
受 験 者
警察官B 合 格 者
合格倍率
受 験 者
合計 合 格 者
合格倍率
採用者数
平14
平15
平16
特別募集
平17
特別募集
403 342 442 454 297 498 217 431
31
42
32
36
16
39
20
39
13.0 8.1 13.8 12.6 18.6 12.8 10.9 11.1
150 190 254 265 195 256 142 238
26
15
29
20
7
15
8
41
5.8 12.7 8.8 13.3 27.9 17.1 17.8 5.8
553 532 696 719 492 754 359 669
57
57
61
56
23
54
28
80
9.7 9.3 11.4 12.8 21.4 14.0 12.8 8.4
46
56
46
48
23
49
28
72
- 31 -
平18
特別募集
196
25
7.8
196
25
7.8
25
平19
平20
特別募集
371
61
6.1
200
31
6.5
571
92
6.2
86
140
17
8.2
140
17
8.2
15
平21 平22
特別募集
397
76
5.2
226
25
9.0
623
101
6.2
85
403
82
4.9
237
27
8.8
640
109
5.9
91
114 474
14
60
8.1 7.9
- 235
22
- 10.7
114 709
14
82
8.1 8.6
13
73
556
73
7.6
226
23
9.8
782
96
8.1
83
ウ
再任用制度の活用
大量退職・大量採用期における人的基盤の維持を図るため、平成20年度か
ら再任用制度を開始し、平成22年度は警察官27人、一般職員6人の計33人を
再任用した。
エ 若手警察官の早期戦力化
若手専務員を早期に育成するため、各部門において新任専務員等育成プロ
グラムを導入し、効果的なマンツーマン指導を推進した。
(ア) 教養資料・教養訓練の充実等
教養資料「魂の伝承」、執務資料「初動警察活動ハンドブック」等を作
成し教養を実施した。また、専門業者によるコーチング (注) 研修会、警察
署への総合術科訓練及び柔道・剣道等巡回指導を実施した。
(注) 「コーチング」とは、人材育成や能力開発のための手法で、対象者の可能性と自発
性を最大限に引き出すためのコミュニケーション技術をいう。
(イ)
技能指導官等の伝承教養
各分野の専門的技能を有する職員を技能指導官、技能指導員に指定し、
同行指導や警察学校や職場における教養など若手警察官等に対する伝承教
養を推進した。
(2) 今後の課題
ア 警察官募集活動を一層充実し、受験者の拡大と競争倍率を向上させるほか、
再任用制度を活用し、警察力の充実強化を図る必要がある。
イ 若手警察官の早期戦力化と幹部の指揮能力向上を図るため、各種訓練・施
策を一層推進するとともにベテラン警察官に対する術科訓練の充実を図り、
警察力の充実強化を図る必要がある。
3 物的基盤の充実強化
(1) 推進状況
ア 施設の整備と充実
「石川県警察警察署機能強化計画」に基づき、県民の安全・安心の「砦」
である警察署及び最も身近な活動拠点である交番・駐在所の整備を推進した
ほか、各種警察施設の充実強化を図った。
○ 白山警察署庁舎建設着工(平成24年3月完成予定)
○ 交番、駐在所の整備
新築(交番2カ所・駐在所1カ所)及び改修(駐在所1カ所)
○ 警察学校本館・術科訓練棟の設計に着手(平成25年度中完成予定)
○ 機動隊庁舎の建設(平成22年3月完成)
○ 機動隊潜水訓練棟建設の着工(平成23年3月完成)
イ 装備資機材の整備と充実
第一線警察官による安全かつ効果的な職務執行が確保できるよう各種装備
資機材の整備を図った。
○ 受傷事故防止用資機材の整備
耐刃防護衣、伸縮式ジャバラコーンの整備
○ 捜査活動用資機材の整備
- 32 -
指掌紋情報管理システムの高度化、現場用携帯型投光器等の整備
○ 車両の更新整備
小型警ら車、交通指導取締用四輪車等の更新
ウ 情報システムの開発
○ 警察安全相談システムの開発(平成23年3月運用開始)
(2) 今後の課題
「石川県警察警察署機能強化計画」の具体化に向け、警察施設の計画的な整
備・改修を推進するほか、現場に必要な装備資機材の計画的な整備を推進する
必要がある。
4 士気の高い職場環境づくり
(1) 推進状況
ア 積極的な広報の推進
昼夜を問わず地道に活動する警察官の姿などの広報素材を積極的に提供
し、テレビによる特別番組の放映や新聞による特集記事の掲載など、県民の
安全・安心を確保するため活動する警察官の姿が大きく報道された。
イ 組織的な健康管理対策の推進
専門医による「心の健康相談室」の運用及びメンタルヘルス研修会の開催
など心の健康対策を推進した。
また、生活習慣病の改善及び予防対策として、生活習慣病改善セミナー等
を開催した。
(2) 今後の課題
ア 効果的な警察広報を推進するため、県警ホームページの充実を図るほか、
主管課との連携を強化する。
イ 高い士気と執行力を備えた力強い警察組織を構築するため、職員個々の実
態に応じたきめ細かな健康管理対策を推進する。
5 県民の立場に立った警察活動の推進
(1) 推進状況
ア 県民の意見・要望の把握と適正な対応
(ア) 県民から寄せられる相談と苦情申出に対する適正な対応
警察安全相談件数は17,231件で、前年に比べ619件増加し、苦情件数は
25件で1件減少した。
相談者の立場に立った適正な相談業務を推進するため、警察安全相談員
及び担当職員を対象とした研修会を開催した。
○ 9月11日の「警察安全相談の日」に広報等キャンペーンを実施(9月)
○ 県民相談相互支援ネットワーク連絡会の開催(11月)
(イ) 情報公開の推進と情報公開制度の適正な運用
情報公開請求件数は56件で、前年に比べ32件増加した。
個人情報保護及び開示手続き業務の適正な推進を図るため、警察署の情
報公開担当職員を対象とした研修会を開催した。
- 33 -
【警察安全相談等受理の推移】
年別
増
件数
619
減
率(%)
3.7
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
警察安全相談件数
9,341
11,932
19,135
23,197
17,386
15,876
16,081
17,140
16,612
17,231
苦
46(2)
98(13)
80(12)
29(5)
35(5)
40(1)
24(6)
13(1)
26(5)
25(9)
-1
-3.8
229
51
89
65
89
54
32(1)
24
56(1)
32
133.3
区分
情
件
数
情 報 公 開 件 数
注
-
情報公開件数は年度統計で平成14年度より
( )は内数で公安委員会あて
イ
民意を酌み取る活発な警察署協議会の開催
警察署の業務について、地域住民の意見を聴くとともに理解と協力を求め
ることを目的として積極的に警察署協議会を開催した。
(ア) 意見等を警察署の業務運営に反映
○ 警察と協議会が一体となった犯罪抑止対策の実施
○ 地元広報媒体を活用した交通事故防止等の広報の推進
○ 祭礼時における飲酒運転取締りの強化
(イ) 自主的な取組事例
○ 道路管理者へのガードパイプ設置に関する要望書の提出
(ウ) 警察署との協働による取組み
○ 交通規制の一部変更に伴う現場視察と交通安全に関する意見交換
○ 学校等駐輪場所の視察による犯罪被害の起きにくい社会づくりの推進
ウ きめ細やかな被害者支援の推進
警察本部に各種相談電話を設置するとともに犯罪被害者等からの相談を幅
広く受け付けた。
被害者支援フォーラムの開催や命の大切さを学ぶ教室の開催等、石川被害
者サポートセンターと連携した被害者支援の広報啓発活動を実施した。
【被害者支援件数の推移】
年別
区分
被害者支援件数
手引交付件数
平13
平14
平15
平16
平17
平18
平19
平20
平21
平22
増 減
件数 率(%)
261
187
213
169
180
166
209
168
218
325
107
49.1
111
66
135
163
199
160
215
311
96
44.7
注:手引交付件数は平13~平14まで統計なし。
エ
効果的な被疑者取調べ監督の推進
被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則の適正な運用を図り、取調
べ監督システムによる効果的な被疑者取調べ監督を推進した。
オ 非違事案の未然防止
(ア) 所属長等幹部職員に対する意識付けを徹底し、若年及び中・高年警察職
員による非違事案の未然防止対策を推進した。
(イ) 情報セキュリティ監査等を実施して、外部記録媒体の大幅な削減等、警
察情報の流出防止対策を推進した。
(2) 今後の課題
ア 警察安全相談、苦情申出制度及び警察署協議会等の警察改革要綱に盛り込
まれた施策の趣旨に配意し、その運用について更に定着化、深化を図り、県
民の立場に立った警察活動を推進する必要がある。
イ 犯罪被害者等早期援助団体に対し、適切な支援活動が行われるよう、その
運営及び活動に協力する。
- 34 -
6 警察署の機能強化
(1) 推進状況
「石川県警察警察署機能強化計画」(平成21年6月)に基づき、統合新設さ
れる白山警察署庁舎建設のための予算を計上し、同工事に着手するなど、警察
署の機能強化に向けた物的基盤の整備・充実を図る作業を推進した。
また、警察署の機能強化に関する検討会議を開催するなど、機能強化計画の
実現に向けて各種作業を鋭意推進した。
(2) 今後の課題
警察署の統合による機能強化に関する地域住民等への周知や円滑な業務移行
に向けた諸準備を推進するとともに、警察署の人的基盤強化や施設・車両等の
装備資機材の物的基盤の整備を計画的に推進する。
- 35 -