108号 - 宮城県

平成24年11月12日
①
とめ普及センターだより
№108
登米農業改良普及センター
∼人と技術と環境で築く元気な登米農業∼
〒987−0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150−5
TEL ㈹0220−22−6111 FAX 0220−22−7522
E-mail:[email protected]
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/et-tmsgsin-n/
新URL:http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/143/
108号の内容
P1:写真「農大生視察研修会」
所感「あらためて担い手育成」
P2:平成24年度プロジェクト課題の紹介
登米の元気ファーマー
P3:登米市農業士会
登米地区農村生活研究グループ
登米市4Hクラブ
P4:平成24年度農林産物・花き品評会
平成24年度宮城県畜産総合共進会
宮城県農業大学校生が管内先進
農家を視察研修しました。
あ ら ためて担い手育成
農業普及指導専門監 阿 部 俊 彦
季節は初冬となり一年の穫り入れも一段落つい
た頃と思います。
今年の夏に普及活動検討委員の皆さんと共に新
たに部門を開始された農業者を訪ねる機会があり
ました。
一組は全く新たに就農され施設園芸を開始され
た方,もう一組は土地利用型経営に新たに園芸作
物を取り入れた方でした。どちらも普及支援対象
農家で,普及指導員が日頃訪問支援を行っていま
す。
今年の作柄は良好との説明でしたが,技術的な
こと,経営的なこと,資金のこと等当事者でしか
分からない不安も多いことと推察しました。
振り返って,就職難と言われる時代,普及セン
ターに新規就農を希望し相談に訪れる方々が増え
ています。
登米地域は土地改良事業が進み汎用化された水
田が広がり,また,高速交通網の整備により物流
の利便性も格段に向上しました。
このような状況の中,先ほど紹介した農業者の
方々の目は生き生きとしていました。
農業の新規部門に果敢に挑む方々を地域一丸と
なって支援する体制を構築していきたいと思いま
す。
登米農業改良普及センターホームページ 新 U R L :http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/et-tmsgsin-n/
h t t p : / / www. p r e f . mi y a gi . j p / so sh i ki /1 4 3 /
②
とめ普及センターだより
平成24年11月12日
☆☆平成24年度プロジェクト課題の紹介☆☆
普及センターでは,重点的に普及活動に取り組むプロジェクトを8課題設定しておりま
す。そのうち4つの課題を紹介します。
「魅力ある宮城の農業・農村再興プロジェクト」
平成23年3月11日に発生した東日本大震災によっ
て,農地や農業生産基盤に甚大な被害が発生しました。
また,東京電力福島第一原子力発電所事故によって,
管内の農地や農産物からも放射性物質が確認されまし
た。
このため,昨年4月から本プロジェクトを立ち上げ,
農業施設等の復旧・再興
に向けた支援や,農産物
や稲わら等生産資材の
放射性物質調査を行っ
て,農産物の安全性の確
認を行っています。
「運営改善による農産物直売所の活発化」
東和町米谷地区の「カタクリの里」は,地場産野菜や
山菜類,焼きたてパンを主力商品とする直売所です。直
売所の中にはお茶のみスペースもあり,地域住民の交流
の場となっています。
普及センターでは,直売所の新たな品目を作りたいと
いう会員の要望を受けて,小ぎくやりんどう,ブルーベ
リー,ぶどうの栽培支援を行っています。今年はぶどう
の栽培開始から3年目となり,多くの果実が収穫できま
した。
直売所では,11月上旬に行われる「東和の秋まつり」
のほか,毎週水曜日の午前中に,米谷公民館にて「あお
ぞら市」に出店していま
す。
普及センターでは農
作物の栽培技術及び直
売所の運営について,今
後も関係機関と協力して
支援します。
「登米農業を担う青年農業者の経営管理能力
向上」
登米市で農業をしたいという新規就農者は毎年10名
程度ですが,農業を実践する上での準備が,不十分なケ
ースが大きく見られます。
そのため,先進的な農業経営を行っている農家の視
察や農業簿記研修などを開催し,農業技術及び農業経
営などの基本的な知識を身につけるための支援や,農
業を行う上で重要な仲間
作り支 援を行っていま
す。
登米市の農業後継者
を育成・確保するため,
今後も新規就農者が農
業を継続できるよう支援
を行います。
「施設野菜における総合防除体系(IPM)の
普及促進」
登米地域は環境保全型農業への取り組みが盛んな地
域です。普及センターでは,防除の省力化と環境に配慮
した農産物生産をめざし,化学農薬利用による化学的
防除だけでなく,耕種的,生物的,物理的防除を総合的
に組み合わせた防除体系(IPM)の導入をすすめていま
す。
天敵による害虫防除としては,いちごのハダニ類の防
除やキュウリやナスのアザミウマ類,コナジラミ類防
除。生物農薬による病害防除では,きゅうりのズッキー
ニ黄斑モザイクウイルス
(ZYMV)対策として
の弱毒ウイルスのワクチ
ン接種,いちごのうどん
こ病対策として生物農薬
のダクト内処理などの防
除を中心に普及をすすめ
ています。
はっ とり やす ひろ
☆☆登米市の元気ファーマー 服部泰啓さん(豊里)☆☆
今回の元気ファーマーは豊里町の和牛繁殖農家の服部泰啓さんです。服
部さんは宮城県農業実践大学校(現・宮城県農業大学校)を卒業後,市内
の先進農家で1年間研修し,平成21年に就農しました。現在は,母牛30頭
を管理しており,1年1産を確実に達成できるよう日々牛たちと向き合って
います。
10月末にあった和牛の品評会「全国和牛能力共進会」では,服部さんの
牛が県代表として出品され,「父も出品した全国大会に自分も出品できて
うれしい」と喜びを見せていました。
地域の先輩たちにも恵まれ,とても前向きで清々しい服部さんの人柄も
あり,皆さんの支えの中で,充実した日々を送っています。
普及センターのホームページがリニューアルして,URLも変わりました。
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/et-tmsgsin-n/
URL:http://www.miyagi.pref.jp/soshiki/143/
平成24年11月12日
③
とめ普及センターだより
地域農業を支える 登米市農業士会
宮城県では,優れた農業後継者の育成
と地域農業を推進するため,農村青少年
等の育成及び地域農業の振興に貢献して
いる農業者を「農業士」として認定して
います。
登米地域においては,認定を受けた農
業士がその資質向上と自主的な組織活動
の促進を目的として「登米市農業士会」
を組織しており,会員20名が会員相互の
連携強化と自己研鑽を行いながら,地域
農業振興に努めております。
今回,新たに認定を受けた登米地域の
農業士さんを紹介いたします。
<指導農業士>
●経営の取り組み●
ど い
土井 まきの 氏
(登米市豊里町)
●経営推進部門●
水稲・転作大豆と露地野菜生産
を組み合わせた経営に取り組んで
います。
露地野菜生産については地域の
生産農家と産地形成を目指した活
動をするなど,地域内における農
業者からの信頼度は高く,地域農
業の推進役として優れたリーダー
シップを発揮しております。
露地野菜
活躍する女性たち 登米地区農村生活研究グループ連絡協議会
登米地区農村生活研究グループ連絡協議会は,よ
りよい農業・農村づくりを目指し,女性農業者60人が
活動しています。
今年は7月5日に管内のパプリカ栽培施設と農産加
工場を見学したほか,
8月27日に古川農
業 試 験 場を視 察し,
先進的な農業事例
について学びました。
また,今後は塩麹を
使った料理講習会を
開催する予定です。
また,県内の他の
生 活 研 究 グ ル ープ
との技術交換も盛ん
に行われています。
会員は研修を通じ
て,自身の農業経営
や農産加工技術の向上を図っています。
普及センターでは今後も女性農業者の資質向上を
支援します。また,活動に興味をお持ちの女性農業者
の方は,普及センターまで御連絡ください。
地域農業の担い手 登米市4Hクラブ活動
登米市4Hクラブでは市内の農村青少年が集い,共
通の課題解決と自己研鑽を目的に研修や講習会など
の活動を行っております。
4Hとは頭(Head),心(Heart),技術(Hand),
健康(Health)の4つのH
を意味し,これら4つの
Hの向上のため20代か
ら30代前半の約20名で
活動しています。
今年は特に,一昨年か
ら取り組んでいる耕作放
棄地を活用したそばづく
りに力を入れています。
作付け作業や試
食会に南方の仮
設住宅に入居し
ている東日本大
震災の被災者を
招き,被災者の
支援にもなるよ
うな取り組みを
行っています。
登米市4Hクラブでは,会員を大・大募集中です!
復興へ 頑張ろう!みやぎ
④
とめ普及センターだより
平成24年11月12日
∼受賞おめでとうございます∼
<平成24年度宮城県農林産物・花き品評会>
品評会は,10月13日(土)∼14日(日),宮城県庁(仙台市)において開
催されました。宮城県各地から,438点(農林産物277点,花き161点)
が出品され,登米市からは42点(農産物26点,花き16点)出品されま
した。その結果,下記計6点が入賞しました。
今年の気象状況は高温が続き,出品者の方々は栽培にご苦労されたこ
とと思われますが,優れた農産物が出品され,各種受賞により登米産農
玄米の部で入賞した佐々木英雄氏
産物の良さをPRすることができました。
部 門
品目名
品種名
順位 地 域 氏 名(敬称略)
普通作物
玄米
ひとめぼれ
4席 中田町
佐々木英雄
宮城県知事賞(2等)
(社)宮城県農業公社理事長賞
野菜
(葉茎菜類)
にんにく
福地ホワイト
7席 東和町
佐藤 徳男
宮城県知事賞(3等)
花き
スプレーぎく
シンディ風車
銀賞
花き
ばら
花き
ニオイザクラ
花き
シクラメン
迫町
チェリーブランディ 銀賞 米山町
ルクリア シャルロッテ 銀賞
オリジナル
迫町
銀賞 中田町
備 考
佐藤 武志
㈱ 耕 伸
佐藤 義雄
伊藤 正幸
相澤 圭治
<平成24年度宮城県総合畜産共進会>
3年ぶりの開催となった県共進会では,県内各地から出
品家畜が集まる中,登米市の生産者が大健闘しました。
肉用牛の部(7月27日,28日)
区 分
地域
氏 名
宮城県知事賞
登米市 登米和牛育種組合
名誉賞 農林水産大臣賞
生産局長賞
迫町
小野寺 正人
養豚の部(9月5日)
区 分
地域
氏 名
宮城県知事賞
豊里町 ㈲ピッグ夢ファーム
農林水産大臣賞
名誉賞
生産局長賞
迫町
㈲タダキ畜産
東北農政局長賞 迫町
伊藤 範義
入賞された皆様
登米で実施した農林産物放射能検査
県では農林産物の安全性確保のため,放射性物
を超過した場合,精密検査を実施します。
質の検査として,精密検査と簡易検査を実施して
食品の暫定規制値が100Bq/kgに改正された
います。現在,宮城県に精密検査用のゲルマニウ
4月1日以降では,登米市産農林産物249点の
ム半導体検出器が1台配備されており,またそれ
検査を実施し,このうち暫定規制値を超過したも
を補完するため簡易型放射能測定器が各合同庁舎
のは林産物で3点でした。(10月1 5日現在)
等に計7台配備され,基準値を超過する農産物の
なお合同庁舎で実施している簡易検査について
流通を未然に防ぐためのモニタリング体制が整備
は,検査結果をホームページに随時更新しており
(http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/et-tmsgsin-n/)
ます。(URL:http://miyagi.pref.jp/soshiki/143/)
されています。簡易検査で国の暫定規制値の1/2
この普及センターだより「元気つうしん」は1,500部
作成し,1部当り印刷単価は@40円です。