有機系太陽電池評価における計測センター機能の構築 (財) 神奈川科学技術アカデミー(KAST) 高度計測センター 有機系太陽電池評価プロジェクト ○青木大輔、青木智子、斎藤英純、高木克彦 【目的】有機系太陽電池は、従来型シリコン太陽電池に比 べ製造時の CO2 排出量が少なく、原材料の資源的制約も少 CEP-2000MLQR を用いた。単色光は 1.0×1016 cm-2 s-1 の定フ ォトン光を、白色光バイアス光は JIS C 8912,8933 A 級の ないうえカラー化・フレキシブル化・大面積化・高速印刷 製造が可能であり、低価格化を実現できる可能性を有して ものを用いた。 【結果】色素増感太陽電池の IPCE スペクトルは、チョッピ いる。しかし、これら有機系太陽電池は、適切な性能評価 試験を行うための装置、手順等が規定された統一的な方法 ング周波数に依存し、 より低周波数条件ほど IPCE が高くな っていることが分かる(図 1) 。この場合は、周波数が 3.3Hz が未だ確定していない状況にある。それは、特に色素増感 太陽電池において顕著な傾向であるが、波長域に対する分 ~1.3Hz あたりであれば、 ほぼ同程度の IPCE を示している。 しかし、 この 3.3Hz~1.3Hz という値も個々の色素増感太陽 光感度特性や応答速度など有機系太陽電池特有の問題があ り、既存のシリコン太陽電池の JIS、IEC 規格をそのまま適 電池によって 異なっている 用することができないためである。 本研究では、有機系太陽電池分野における産業界での公 可能性もあり、 今後多くの試 平な競争やそれに伴う市場拡大に対応するために、信頼性 の高いデータを得られるように検討された統一的な評価方 料を測定して いく中で、適 法・基準の規格作りとそれらを用いた評価技術を構築し、 中立な第三者機関としての「計測センター」機能を確立す 切な手法を見 出していくこ ることを目的する。そこで、まず各種文献等で述べられて いる有機系太陽電池の基本的な性質について確認を行った。 とが課題とな っている。 【参考文献】 【方法】 色素増感太陽電地の分光感度特性 IPCE における白 色バイアス光を重畳した交流法でのチョッピング周波数依 存性を確認した。分光感度測定装置は分光計器社製 図1 IPCE のチョッピング周波数依存性 「色素太陽電池の性能評価方法」 (OITDA 規格) 、(財)光産 業技術振興協会、2009 年 3 月制定
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