小島定吉 - 数理・計算科学専攻

講
名 集合と位相第一 (Set and Topology I)
義
開
講
時
期 第3学期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
小島 定吉
西8号館 (W) 11階1106号室 (内線3207)
【講義のねらい】 集合と位相に関する基礎的な概念を,とくに集合を中心に解説する.この科目は後期
の「集合と位相第二」に続く.
【講義計画】
1. 集合
(a) 集合の定義と例
(b) 種々の演算
(c) 演算の間の関係
2. 写像と関係
(a) 写像とその性質
(b) 直積と写像のグラフ
(c) 添え字付けられた集合族
(d) 同値関係と商集合
3. 濃度
(a) 濃度の定義
(b) 濃度の比較
(c) 可算集合
(d) 連続の濃度と非可算集合
4. 整列集合とツォルンの補題
(a) 順序関係
(b) 整列集合
(c) ツォルンの補題
5. ユークリッド空間と距離空間
(a) ユークリッド空間
(b) ユークリッド空間の点集合の性質
(c) 距離空間
【成績評価】
試験による.
【テキスト等】 講義は,森田茂之「集合と位相空間」朝倉書店,にそって行う.同内容の多くの類書があ
るので,自分にあった本を見つけることも推奨する.
【履修の条件】
「集合と位相第一演習」を同時に履修することがきわめて望ましい.
講
名 集合と位相第一演習 (Exercises in Set and Topology I)
義
開
講
時
期 第3学期
担
当
教
官
単位数
0–1–0
高沢 光彦(演習)(講義は 小島 定吉)
西8号館 (W) 11階1103号室 (内線3879)
【演習のねらい】 講義「集合と位相第一」と平行して,そこで解説される集合と位相に関する基礎的な
概念をより深く理解するための演習を行う.講義の内容は以下の通り.
【講義計画】
1. 集合
(a) 集合の定義と例
(b) 種々の演算
(c) 演算の間の関係
2. 写像と関係
(a) 写像とその性質
(b) 直積と写像のグラフ
(c) 添え字付けられた集合族
(d) 同値関係と商集合
3. 濃度
(a) 濃度の定義
(b) 濃度の比較
(c) 可算集合
(d) 連続の濃度と非可算集合
4. 整列集合とツォルンの補題
(a) 順序関係
(b) 整列集合
(c) ツォルンの補題
5. ユークリッド空間と距離空間
(a) ユークリッド空間
(b) ユークリッド空間の点集合の性質
(c) 距離空間
【成績評価】
【履修の条件】
試験による.
「集合と位相第一」を同時に履修することがきわめて望ましい.
講
名 応用線形代数 ( Linear Algebra and Its Applications)
義
開
講
時
期 3 学期
担
当
教
官
単位数
1–1–0
小島 政和 教授
西8号館 (W) 7階706号室 (内線3201)
【講義のねらい】 情報科学を学習するために必要な線形代数の基礎知識を習得することを目的とし, 以下
の内容で講義と演習を行なう.
【講義計画】
1. 情報科学と線形代数 1
2. 情報科学と線形代数 2
3. n 次元 Euclid 空間の諸性質 1
4. n 次元 Euclid 空間の諸性質 2
5. 線形部分空間 1 – 次元, 基底, 直行補空間
6. 線形部分空間 2 – 幾何学的解釈
7. 線形部分空間 3 – 部分空間の演算
8. 中間試験
9. 線形方程式系 1
10. 線形方程式系 2
11. 線形方程式系 3
12. 行列式とその幾何学的解釈
13. 逆行列
14. 2 次形式と固有値 1
15. 2 次形式と固有値 2
【成績評価】
演習のレポートおよび試験(中間,期末)により評価する.
講
名 集合と位相第二 (Set and Topology II)
義
開
講
時
期 第4学期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
高橋 渉
西8号館 (W) 10階1004号室 (内線3208)
【講義のねらい】 「集合と位相第一」に引き続き,集合と位相に関する基礎的な概念を,とくに位相空
間論を中心に解説する.
【講義計画】
1. 位相と位相空間
(a) 位相空間
(b) 開集合系の基と近傍系
(c) 位相空間の部分集合
2. 連続写像と誘導写像
(a) 連続写像
(b) 相対位相と部分空間
(c) 直積位相と直積空間
(d) 商位相と商空間
(e) 誘導位相
3. 位相空間の種々の性質
(a) ハウスドルフ空間
(b) 正則空間と正規空間
(c) 可分空間
(d) 分離公理と連続関数
(e) 連結性
(f) コンパクト性
4. 距離空間
(a) 距離空間の位相
(b) 距離空間の完備性
(c) 距離空間の位相的性質
【成績評価】
試験による.
【テキスト等】 講義は,森田茂之「集合と位相空間」朝倉書店,にそって行う.同内容の多くの類書があ
るので,自分にあった本を見つけることも推奨する.
【履修の条件】 「集合と位相第一」「集合と位相第一演習」「応用線形代数」および「解析概論第一」を
履修した上で履修すること.
「集合と位相第二演習」を同時に履修することがきわめて望ましい.
講
名 集合と位相第二演習 (Exercises in Set and Topology II)
義
開
講
時
期 第4学期
担
当
教
官
単位数
0–1–0
木村 泰紀(演習)(講義は 高橋 渉)
西8号館 (W) 11階1103号室 (内線3879)
【演習のねらい】 講義「集合と位相第二」と平行して,そこで解説される集合と位相に関する基礎的な
概念をより深く理解するための演習を行う.講義の内容は以下の通り.
【講義計画】
1. 位相と位相空間
(a) 位相空間
(b) 開集合系の基と近傍系
(c) 位相空間の部分集合
2. 連続写像と誘導写像
(a) 連続写像
(b) 相対位相と部分空間
(c) 直積位相と直積空間
(d) 商位相と商空間
(e) 誘導位相
3. 位相空間の種々の性質
(a) ハウスドルフ空間
(b) 正則空間と正規空間
(c) 可分空間
(d) 分離公理と連続関数
(e) 連結性
(f) コンパクト性
4. 距離空間
(a) 距離空間の位相
(b) 距離空間の完備性
(c) 距離空間の位相的性質
【成績評価】
平常点およびレポートによる.
【履修の条件】 「集合と位相第一」「集合と位相第一演習」「応用線形代数」および「解析概論第一」を
履修した上で履修する.
「集合と位相第二」を同時に履修することがきわめて望ましい.
講
名 代数系 (Algebra)
義
開
講
時
期 4 学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
2–1–0
講義 : 北野 晃朗 (西 8 号館 (W) 11 階 1105 号室 (内線 3490))
演習 : 高沢 光彦 (西 8 号館 (W) 11 階 1103 号室 (内線 3879))
整数,群,環,体などの代数系の基礎的な概念を解説する.
【講義計画】
1. 整数
(a) 数の基本的性質
(b) ユークリッドの互助法
(c) 素数
(d) 合同式
2. (半群と)群
(a) 群の概念
(b) 準同型・同型・群の作用
(c) 剰余群と準同型定理
(d) 群の直積
3. 環と体
(a) 環の概念
(b) 体の概念
(c) 多項式環
【成績評価】
【テキスト等】
試験による。
教科書として,
• 小野寛晰「情報代数」共立出版
を挙げる.また,参考書として
• 森田康夫「代数概論」裳華房
を挙げる.
【履修の条件】
すること.
「集合と位相第一」「集合と位相第一演習」および「応用線形代数」を履修した上で履修
講
名 複素解析 (Complex Analysis)
義
開
講
時
期 第4学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
1–1–0
講義: 西畑 伸也 (西 8 号館 (W) 10 階 1007 号室 (内線 3205))
演習: 高沢光彦 (西 8 号館 (W) 11 階 1103 号室 (内線 3879))
複素関数論の基礎について講義する.
【講義計画】
1. 複素数とオイラーの公式
2. 複素関数(特に1次分数関数)
3. 初等関数(指数関数、三角関数、累乗数、対数関数)
4. 正則関数とコーシー・リーマンの微分方程式
5. 等角写像
6. 複素積分とコーシーの積分定理
7. コーシーの積分表示
8. テーラー展開
9. ローラン展開と留数
10. 留数定理とその応用
11. 留数定理による実積分の計算
【成績評価】
【テキスト等】
演習および試験.
教科書として次のものを使用する.
• 田村 二郎,解析関数 (新版),裳華房.
【履修の条件】
解析概論第1を履修しておくことが望ましい.
【担当教官から一言】 複素関数論は古典数学の中で最も美しい理論の1つです.講義を通じその美しさを
味わって欲しいと期待しています.
講
名 非線形解析学序論 (Introduction to Nonlinear Analysis)
義
開
講
時
期 第5学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
高橋 渉、 木村 泰紀(演習)
西 8 号館 (W)10 階 1004 号室 (内線 3208), 西 8 号館 (W)11 階 1103 号室 (内線 3879)
情報科学を学習するための数学の基礎知識を系統的に修得することを目的とする.
【講義計画】
1. ノルム空間および Banach 空間の定義と例
2. 有界線形作用素
3. 共役空間
4. 選択公理と Zorn の補題
5. Hahn-Banach の定理
6. Banach 極限
7. Hilbert 空間の定義と例
8. 直交系
9. 完全正規直交系
10. リースの定理
11. 共役作用素
12. Ekeland の定理
13. 微分方程式の解の存在
14. 非拡大写像の不動点定理
15. Schauder の不動点定理
【成績評価】
【テキスト等】
試験を行なう.
教科書および参考書として次のものを使用する.
• 青木利夫,高橋渉 著,集合・位相空間要論,培風館.
• 青木利夫,高橋渉,平野載倫 著,演習・集合位相空間,培風館.
• 高橋渉 著, 凸解析と不動点近似,横浜図書
【履修の条件】
2–1–0
集合と位相、代数系、複素解析を履修した上で履修する.
【担当教官から一言】
関数解析学は幅広い応用をもつ学問です.
講
名 数理論理学(Mathematical Logic)
義
開
講
時
期 5学期
担
当
教
官
単位数
1-1-0
鹿島 亮
西8号館 (E) 10階1008号室 (内線3502)
【講義のねらい】 人間の論理的, 数学的な思考はどのように行なわれ, それはどんな形の体系にまとめら
れるだろうか. また, そのような体系から論理や数学に関するどんな事実が明らかになるだろうか. これら
の問題を数学的に考察する分野を数理論理学という. 本講義ではその入門として, 自然演繹体系 NK を紹介
し, この体系が, あらゆる対象に対して論理的に正しいすべての推論, そしてそれのみから成ること(ゲーデ
ルの完全性定理)を解説する. 数学の各分野にはそれぞれ固有の公理があり, それらの公理に NK の推論を
組み合わせて適用することによってその分野固有の定理が導かれる. ところがそのようにして得られる公理
的体系は, 不可避的にある限界を持っていること(ゲーデルの不完全性定理)が示されている. この定理の
意味とその証明のアイディアについても解説する.
【講義計画】
• 数学のコトバとしての論理式
• 論理式の形と意味
• 自然演繹体系, その健全性と完全性
• 公理, 定理, 理論
• 自然数に対する公理系, 不完全性定理
【成績評価】
【テキスト等】
レポートと試験による.
プリントを使用する.
講
名 応用微分方程式論 (Applied Theory on Differential Equations)
義
開
講
時
期 第6学期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
谷口 雅治
西 8 号館 (W) 10 階 1006 号室 (内線 3209)
【講義のねらい】 数理物理に現れる微分方程式に関する基礎的な知識と数学的手法に習熟することを目
的とする. さらに、それらの数値解法についても講義する予定である。
【講義計画】
1. 偏微分方程式の数学的解析
(a) 常微分方程式におけるコーシー・リプシッツの定理
(b) 数理物理に現れる微分方程式の導出
(c) 固有値問題と完全正規直交系
(d) フーリエ級数による熱方程式の解法
(e) 流れ場の中での拡散問題
(f) 半無限媒質中の熱伝導とラプラス変換
(g) フーリエ級数による波動方程式の解法
(h) 波動方程式における D’Alembert の解
2. 偏微分方程式の数値解法
(a) 楕円型方程式の差分解法
(b) 放物型方程式の差分解法
(c) 陽解法と陰解法
(d) 差分スキームの適合性と収束性
【成績評価】
【テキスト等】
試験とレポート提出による.
参考書として次のものを挙げておく.
(購入の必要はない)
・スタンリー・ファーロウ,偏微分方程式,朝倉書店
【履修の条件】
「複素解析とフーリエ解析」を履修し複素関数論を習得していることが望ましい.
【担当教官から一言】 微分方程式は、理工学に現れる様々な現象の数学的表現です. 現象の直感的理解を
助ける為に、コンピューターを援用して視覚的な講義も行います. 講義を通じ現象とその解析手法の多様性
に触れて欲しいと思います.
講
名 情報数学 I (Information Mathematics I)
義
開
講
時
期 第 7 学期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
田中 環(新潟大学大学院自然科学研究科教授)
【講義のねらい】 非線形最適化の基礎とその基礎理論である凸解析について説明します。多変数実数値関
数の最適性条件の直感的理解から出発し,不等式制約付きの最適化問題に対する最適性条件と方向微分や
劣微分の関係を学習し,それらの理論的な展開の理解を目的とします。また,凸集合と凸関数に関する性質
の理解とその証明の仕方の習得も目的とします。
【講義の形式】
集中講義
【講義計画】
1. n 次元ユークリッド空間と内積の不思議さと便利さ — 超平面,連立一次方程式,点と直線の距離
2. 凸集合の諸性質 — 凸集合と位相の相性のよさ
3. 非線形計画と不等式制約 — 方向微分,最適性条件,二者択一の定理
4. 凸関数とフェンシェル双対性 — 凸関数と劣微分,ラグランジュ関数と最適性,フェンシェル双対性
5. 関数の下半連続性と凸性の奇妙な類似性 — 凸関数の連続性,レベル集合,拡張と展望
【成績評価】
レポート
【テキスト等】
特に指定しません。参考書などは講義中に適宜紹介します。
【履修の条件】
いです。
「集合と位相第一」、「応用線形代数」、「非線形解析学」等を履修していることが望まし
【担当教官から一言】 凸解析学の歴史は,1970 年に Rockafellar 氏が名著「Convex Analysis」をまとめ
てから早 30 年以上経ちます。色々な分野に影響を与えつつ今でも新鮮で応用力のある研究分野です。この
分野に限らず,数学的な内容を理解するには,いつでも図を書いて定理などを理解するようにしましょう。
講
名 情報数学 II (Information Mathematics II)
義
開
講
時
期 7 学期
担
当
教
官
未定
単位数
2–0–0
講
名 情報数学 III (Information Mathematics III)
義
開
講
時
期 第 8 学期
担
当
教
官
未定
単位数
2–0–0
講
義
名
情報数学 IV ( Information Mathematics IV )
開
講
時
期
8 学期
担
当
教
官
未定
単位数
2–0–0
講
名 数値解析(Numerical Analysis)
義
開
講
時
期 第6学期
単位数
担
当
教
官 西 8 号館 (W) 10 階 1007 号室 (内線 3205),11 階 1103 号室 (内線 3879)
2–1–0
西畑 伸也(講義),高沢光彦(演習)
【講義のねらい】 近年のコンピュータの発達により, 大規模な数値計算が可能になり, 理学・工学の発展
の原動力となっています. これにともない種々の数値計算法が開発され, 誤差解析を中心とする理論的研究
が盛んに行われています. 本講義では, いくつかの基本的な数値計算法とその理論を紹介し, 実際にプログ
ラムを組む演習を行います.
【講義計画】
1. 数値表現と丸め誤差
2. 非線形方程式
2.1 ニュートン法
2.2 ニュートン法の収束性
2.3 連立非線形方程式
3. 連立一次方程式
3.1 ガウスの消去法
3.2 LU分解
3.3 反復解法
4. 数値積分
4.1 台形公式
4.2 シンプソンの公式
4.3 ガウス型積分公式
5. 常微分方程式
5.1 オイラー法
5.2 ルンゲ・クッタ法
【成績評価】
試験およびレポートの提出による.
【テキスト】
山本 哲朗,数値解析入門,サイエンス社.
【担当教官から一言】 講義では, 数値計算の理論を板書形式で開設する. 演習では, 実際にプログラムを
動かします. 常微分方程式の数値計算では, いろいろな数理モデルを数値計算でシミュレーションする予定
です. 講義と演習のいずれにおいても積極的に質問をして,理解を深めて下さい.
講
名 組合せ理論 (Combinatorial Theory)
義
開
講
時
期 第6学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
2–0–0
小島 定吉
西 8 号館 (W) 11 階 1106 号室 (内線 3207)
初等整数論や数え上げの手法のいくつかと,グラフなど複体の初歩について講義する.
【講義計画】
1. 初等整数論
2. 母関数
3. Mobius の反転公式
4. Polya の定理
5. グラフ,多面体,複体
【成績評価】
【テキスト等】
試験 (中間・期末) の成績による.
参考書として次のものをあげておく.
• 木田裕司,
「初等整数論」,朝倉書店
• 根上生也,
「離散構造」,共立出版
• G. ポリア・R.E. タージャン・D.R. ウッズ著,今宮淳美 訳,
「組合せ論入門」,近代科学社
【履修の条件】
集合と位相第一第二,代数系,複素解析, 解析概論第一を履修しておくことが望ましい.
講
名 確率と統計第一 (Probability and Statistics I)
義
開
講
時
期 3学期
担
当
教
官
単位数
2–2–0
高橋(幸)教授
西8号館 (W) 7階704号室(内線3203)
【講義のねらい】
確率的現象の理解とその数学的表現力を養うことが目的である.
確率とは何を表しているのか,その意味は?
確率を数学的に表現するにはどのような工夫がいるか.
先人はどのような道をたどって現代の確率論に到達したか.
データからその裏にある構造を理解するには確率が必要だ.
確率は不思議な性質を持っている.
確率を使うとこんな現象が理解できる.
【講義計画】
1. 確率とは,組み合わせ確率
2. 標本空間と確率
3. 条件付き確率と事象の独立性
4. 確率変数と離散分布
5. 離散多次元分布
6. 無限標本空間と確率の公理
7. 連続確率変数と連続分布
8. 2 次元分布、多次元分布
9. 独立確率変数と大数の法則
10. 中心極限定理
11. マルコフ連鎖
12. 吸収的連鎖
13. エルゴード的マルコフ連鎖
【成績評価】
講義に引き続いて演習の時間があり,毎回,レポートの宿題が課せられる.
成績は,演習の時間の解答状況,レポートの提出状況,期末試験の成績から総合的に判定する.
【テキスト等】
原則として,プリントを配布する.ただ,わからなかった部分を確認するため,各自,参考書は
持っていた方がよい.候補のひとつとして次のものをあげておくが,確率に関する基本的な書物なら
ばこれに限らない.
• 伏見正則 「確率と確率過程」,朝倉書店,2004.
講
義
名
確率と統計 第二(Probabilitiy and Statistics II)
第4学期
開
講
時
期
担
当
教
官
単位数
2–2–0
間瀬 茂 教授、金森 敬文 助手
西 8 号館 (W) 8 階 806 号室 (内線 3877),西 8 号館 (W) 8 階 803 号室 (内線 3851)
【講義のねらい】
講義では数理統計学の基礎的諸概念を、過度に数学的になり過ぎない範囲で厳密に講義する。演
習ではランダムデータの統計解析で必要となる基本的計算の訓練と、講義で取り上げられた話
題の理解を深める演習問題を解く。
【講義計画】
1. ランダムデータと統計学
2. 統計的決定理論
3. 推定、検定、回帰理論の基礎概念
4. ネイマン・ピアソンの定理と統計的検定問題
5. 最小自乗法と回帰分析
6. 最尤原理と最尤推定量
【成績評価】
平常点とレポート (講義および演習で別個に提出) による.
【テキスト等】
稲垣宣生著「数理統計学」裳華房 (もしくは同等のテキスト)、およびプリント
【履修の条件】
確率と統計第一を履修していることが望ましい. 少なくとも確率論のある程度の知識が不可欠.
【担当教官からの一言】
ランダム現象の背後にある法則性を記述する数学が確率論です。統計学は、個々の具体的なラ
ンダム現象 (データ) を支配する確率法則を特定する方法を与えることにより、データの持つ真
の情報を取り出し、活用するための道具です。
講
名 計画数学第一 (Methods for Operations Research 1)
義
開
講
時
期 5 学期
担
当
教
官
単位数
2–1–0
小島 政和 教授
南 1 号館 6 階 612 号室 (内線 3201)
【講義のねらい】 オペレーションズ・レサーチの手法である線形計画法、動的計画法、ネットワーク計画
法などについて講義および演習を行う。
【講義計画】
1. 数理計画法について
2. 線形計画問題とは
3. シンプレックス法の基本的な考え方
4. シンプレックス法の技術的な側面 1
5. シンプレックス法の技術的な側面 2
6. 双対性 1
7. 双対性 2
8. 線形計画法に関する試験
9. 分枝限定法 1
10. 分枝限定法 2
11. 分枝限定法 3
12. 動的計画法 1
13. 動的計画法 2
14. 動的計画法 3
【成績評価】
レポートと試験
【テキスト等】
• 一森哲男,「数理計画法ー最適の手法」, 共立出版.
• V. クバータル著, 阪田省二郎・藤野和建訳, 「線形計画法」上, 啓学出版.
• 今野浩著,「線形計画法」, 日科技連.
• 茨木俊秀著,「離散最適法とアルゴリズム」(岩波講座 応用数学)岩波書店.
【履修の条件】 「集合と位相第一」、「集合と位相第一演習」、「応用線形代数」、「確率統計第一」等を履
修していることが望ましい。
【担当教官から一言】 授業でやった内容に関して毎回演習を行い, レポートを提出してもらいます. 授業
と演習の両方に出席することが必要です.
講
名 計画数学第二 (Methods for Operations Research II)
義
開
講
時
期 6学期
担
当
教
官
未定
【講義のねらい】
【講義計画】
【成績評価】
【テキスト等】
【履修の条件】
【担当教官から一言】
単位数
2–0–0
講
名 情報理論 (Infomation Theory)
義
開
講
時
期 第 5 学期
担
当
教
官
単位数
2-0-0
三好 助教授,高橋(幸)教授
西 8 号館 (W) 7 階 W702 号室 (内線 3218),西 8 号館 (W) 7 階 W704 号室 (内線 3203)
【講義のねらい】 通信やコミュニケーション手段の基礎となる情報理論の入門として,シャノンの通信の
理論と符合理論に基づき,情報量と情報源,情報源の符合化,情報伝送の理論と通信ネットワークのモデル
化等について講義する予定である.
【講義計画】
1. 情報理論とは?
2. 情報量,情報源とエントロピー
3. 符合の性質と構成法
4. 情報源符合化
5. 通信路と相互情報量
6. 通信路符合化
7. 情報セキュリティ技術
【成績評価】
【テキスト等】
期末試験により評価する.
テキストは指定しないが,参考書として次のものを挙げておく:
• N. Abramson, “Information Theory and Coding,” McGraw-Hill (邦訳あり).
• 今井 秀樹, “情報理論,” 昭晃堂.
【履修の条件】 確率論の基礎知識があれば望ましいが, 必要に応じて適宜説明するのでこの知識がなくて
も受講可能である.
講
義
名
データ解析 (Data Analysis)
第5学期
開
講
時
期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
下平 英寿
西 8 号館 (W) 7 階 707 号室 (内線 3219)
【講義のねらい】
「データ解析」では統計処理ソフトウエアであるRを用いた多変量解析の実践的な講義を行う.
Rの使用法について簡単に紹介した後,実際にRを使ったデータ解析を行う.単にソフトの使
用法を学ぶのではなく,その背後にある数学を自分のものにすることが目標である.回帰分析
や主成分分析のためのR関数を自分自身で書き,それを使ってデータ解析を行うのである.こ
の経験は将来未知の問題で新しい手法を開発する場面で役に立つだろう.
【講義計画】
1. イントロダクション
2. 確率分布と確率変数
3. 一変量の統計学
4. 推定量のバイアスとバラツキ
5. 単回帰分析
6. 重回帰分析
7. 検定と信頼区間
8. モデル選択
9. 主成分分析
【成績評価】
出席とレポートによる.
【テキスト等】
講義資料(PDF 形式)を講義ウェブサイトから各自ダウンロードする.
【履修の条件】
確率と統計第一・第二を履修していることが望ましい.
【担当教官からの一言】
詳細は講義ウェブサイトを参照
http://www.is.titech.ac.jp/~shimo/class
講
名 モデル解析 (Model Analysis)
義
開
講
時
期 6学期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
高橋 (幸) 教授,三好 助教授
西8号館 (W) 7 階 704 号室(内線 3203)
【講義のねらい】
オペレーションズ・リサーチにおける種々のモデル解析,とくに確率的モデル解析について,理論
と応用のバランスを取りながら講義を行う.
【講義計画】
1. 待ち行列 (1): 図で考える待ち行列
2. 待ち行列 (2): 等間隔運転は待ちを減らす
3. 待ち行列 (3): ランダムネスと待ち時間
4. 待ち行列 (4): ネットワークとコントロール
5. ランダム・ウォーク (1): 1 次元の対称ランダム・ウォーク
6. ランダム・ウォーク (2): 1 次元の非対称ランダム・ウォーク
7. ランダム・ウォーク (3): 2 次元の対称ランダム・ウォーク
8. ランダム・ウォーク (4): 3 次元の対称ランダム・ウォークと再帰確率
9. シミュレーション (1): 評価尺度を求めるシミュレーション
10. 信頼性 (1): システムの信頼性
11. 信頼性 (2): ネットワークの信頼性
12. シミュレーション (2): 様子を調べるシミュレーション
13. モデル化の例 (1)
14. モデル化の例 (2)
【成績評価】
【テキスト等】
数回のレポートにより評価する.
基本的にプリントを用意する.ただし,次の本は参考になるかもしれない.
• 高橋幸雄・森村英典 「混雑と待ち」, 朝倉書店, 2001
【履修の条件】
確率と統計第一,第二,計画数学第一を履修していることが望ましい.
講
名 OR の理論第一 (Topics on Operations Research II)
義
開
講
時
期 第 7 学期
担
当
教
官 未定
単位数
2–0–0
講
名 OR の理論第二 (Topics on Operations Research II)
義
開
講
時
期 第 8 学期
担
当
教
官 未定
単位数
2–0–0
講
名 計算機科学概論 (Introduction to Computer Science)
義
開
講
時
期 3学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
2–0–1
佐々 政孝(講義)
・千葉 滋(演習)
西 8 号館 (W) 9 階 906 号室 (内線 3228)・西 7 号館 2 階 203 号室 (内線 2712)
計算機科学の基本概念を解説する.また,プログラミングの基礎的手法を説明し,演習(計算機実習)を
行う.
【講義計画】
講義では,計算機の基礎 (以下の 1-4, 12),計算機科学の基本概念 (7-11),プログラミングの基本的手法
(5-6),科学技術者倫理 (13) を解説する.
演習では,5-9 の内容について,Java 言語を使って実際にプログラミングを行う.
1. 計算機とは
2. 2進法とその演算,数値の表現法
3. 計算機アーキテクチャ (1):論理演算とゲート,簡単な論理回路
4. 計算機アーキテクチャ (2):計算機の構成要素と基本的な動き
5. プログラミング (1):簡単な例,いろいろなプログラミング言語,Java 言語入門
6. プログラミング (2):プログラミングの基礎,段階的詳細化,モジュール化,プログラム設計・開発・
検査
7. アルゴリズム (1):配列,サーチング,時間計算量の初歩
8. アルゴリズム (2):再帰的なアルゴリズム
9. アルゴリズム (3):データ構造,抽象データ型,リスト処理
10. 計算とは:計算可能性,計算不可能性
11. アルゴリズムの理論:計算の複雑さ,NP 完全問題,アルゴリズムの正当性
12. 計算機ソフトウェア:ソフトウェアの体系,システムソフトウェア,コンパイラ,インタプリタ,ア
センブラ
13. 科学技術者倫理
【成績評価】
試験とレポートによる.
【テキスト等】 講義ではテキストを指定せず,プリントを配布する. 参考書はプリント中に記述する.演
習ではテキストとして,千葉滋著「やさしい Java プログラミング」(アスキー)を使用する.
講
名 計算機科学第一 (Computer Science I)
義
開
講
時
期 第四学期
担
当
教
官
脇田 建
単位数
2–0–1
(http://www.is.titech.ac.jp/˜wakita/classes/cs1-2005/)
【講義のねらい】 Java を用いたアプリケーション構築について実習を行う。実用的なシステムを作成するための基礎を学ぶ。
【講義計画】
• 文字と文字列の操作
• 例外処理
• ファイルを用いた入出力
• オブジェクト
• データ構造の定義とその利用
• グラフィックスとグラフィカルユーザインタフェイス
• インタフェイス、クラス継承
• アプリケーション設計
• 総合実験演習
【成績評価】
実習課題の提出とレポートによって評価する。
【参考図書】 Deitel & Deitel, “Java: How to program,” 6th Ed., Prentice Hall, 2004. (ISBN: 0131483986)
例題がたくさん載っていて、プログラミングのこつについても解説されています。HOWTO 本にしては、
よく書けています。日本語版はありますが、版が古いです。将来、難しい専門書に出逢う準備に、こういう
易しい英語から入るのはよいと思い。
【担当教官から一言】 実習のスタイルは「習うより、慣れろ」です。学生さんが、実用的なプログラムが
書けることを目指しています。実習課題もできるだけ、役に立ちそうな素材を選びます。ここ数年の課題で
は、ドローエディタと表計算ソフトの作成しました。
出席は取りませんが、講義には出席して下さい。サボるとついて来られません。
ティーチングアシスタントが週に数回、演習室でプログラム相談に応じます。プログラミングが苦手な人
は、なるべくプログラム相談を利用して下さい。いろいろ工夫して、できるだけ学生のみなさんをサポート
するつもりです。でも、評価は厳しいです。
講
名 計算機科学第二 (Computer Science II)
義
開
講
時
期 第5学期
担
当
教
官
単位数
2–0–1
柴山 悦哉
西8号館 (W) 8階807号室 (内線3211)
【講義のねらい】 プログラムの分析と設計,データのモデリングなどの実習を通して,抽象化という概
念について学ぶ.サイズが大きく,寿命が長く,しかも頻繁に修正を必要とする現実的なソフトウェアの開
発に必要なセンスを身につけることとを目標とする.
【講義計画】
1. 抽象化
2. オブジェクトと型
3. 手続きの抽象化
4. 機能分割による設計
5. メソッド仕様と契約
6. 例外
7. 入出力の仕様
8. 正規表現の利用
9. データの抽象化
10. データの設計と仕様
11. 不変条件
12. 繰り返しの抽象化
13. 型階層
14. 多相による抽象化
【成績評価】
【テキスト等】
レポートの提出による.
教科書は指定しないが,参考図書として以下のものを推薦する.
Program Development in Java: Abstraction, Specification, and Object-Oriented Design (Barbara Liskov with John Gutttag, Addison-Wesley, 2000, ISBN 0-201-65768-6)
【履修の条件】
Java 言語によるプログラミングの経験があることを前提に講義と演習を行う.
講
名 アルゴリズムとデータ構造 (Algorithms and Data Structures)
義
開
講
時
期 3 学期
担
当
教
官
単位数
2–1–0
渡辺 治
西8号館 (E) 10階1007号室 (内線2688)
【講義のねらい】 よいソフトウェアを作成するためのプログラミング技術の基礎として,アルゴリズム
の基本と,その実現に適した情報表現法について述べる.
【講義計画】
1. アルゴリズムとその効率の解析方法
2. 二分探索法 (プログラミング,効率の計測・制御)
3. 分割統治法 (プログラミング,効率の計測・制御)
4. 動的計画法 (プログラミング,効率の計測・制御)
5. データ構造の基本
6. 2分探索木 (プログラミング,効率の計測・制御)
7. NP 完全問題,問題の難しさの分類,最近のアルゴリズムの話題
【成績評価】
演習の小テスト,中間試験,期末プログラムレポート,等の成績による
【テキスト等】
(参考書)
1. T. Cormen, C. Leiserson, and R. Rivest(浅野 哲夫 他訳),アルゴリズム・イントロダクション
(第1巻),近代科学社 1990.
2. T. Cormen, C. Leiserson, R. Rivest, and C. Stein, Introduction to Algorithms (2nd edition),
MIT Press, 2001.
3. R. Motwani and P. Raghavan, Randomized Algorithms, Cambridge, 1995.
講
名 オートマトンと数理言語論 (Automata and Formal Language Theory)
義
開
講
時
期 4 学期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
田中 圭介
西 8 号館 (W) 11 階 1108 号室 (内線 3884)
【講義のねらい】 基礎的な計算モデルである有限オートマトン,および,プログラミング言語や自然言
語の基礎となる形式言語を主に扱う.これらを通して,計算機のハードウェア,ソフトウェアに関する基本
的な数学的性質について学ぶ.
【講義計画】
1. 講義全体の概要,文字字列と言語,決定性有限オートマトン
2. 非決定性計算,形式的定義,正規言語
3. 非決定性有限オートマトンと決定性有限オートマトンの等価性,正規演算,正規言語の閉包性
4. 演習 I
5. 正規表現,正規表現と有限オートマトンの等価性
6. 正規言語に関するポンピング補題
7. 文脈自由文法,Chomsky の標準形
8. 演習 II
9. プッシュダウン・オートマトン,プッシュダウン・オートマトンと文脈自由文法の等価性 I
10. プッシュダウン・オートマトンと文脈自由文法の等価性 II
11. 文脈自由言語に関するポンピング補題
12. 演習 III
【成績評価】
講義中に行なう小テストおよび期末試験による.
【参考書】
• 計算理論の基礎,Michael Sipser 著,渡辺 治,太田 和夫 監訳,阿部 正幸,植田 広樹,田中 圭介,藤岡
淳 訳,共立出版,2000 年,ISBN 4-320-02948-8.(原著: Introduction to the Theory of Computation,
Michael Sipser, PWS, 1996, ISBN 0-534-94728-X.)
講
名 計算機システム (Fundamentals of Computer Systems and Architectures)
義
開
講
時
期 第5学期
担
当
教
官
単位数
2–0–1
松岡 聡 教授
西 7 号館 2 階 202 号室(内線 3876)
【講義のねらい】 計算機科学においては、現在ではハードウェアとソフトウェアが密接・複雑化してお
り、計算機システムにおけるハードウェアアーキテクチャの構成原理を知ることがますます重要になってき
ている。本講義では、その基礎を学ぶとともに、演習を通じて実際の計算機のシミュレータや PC 等を作成
し,計算機システムの計測・制御技術等も学ぶ。
【講義計画】
1. 計算機の構成原理
2. 機械語
3. 命令セットアーキテクチャ
4. 組合せ回路
5. 演算回路
6. 同期回路
7. CPU アーキテクチャ
8. データパス
9. シングルサイクル実装
10. 順序回路
11. CPU の制御・マイクロプログラム
12. パイプライニング
13. メモリ階層, キャッシュメモリ
14. 入出力制御 (外部インターフェイスを用いた計測・制御,トレーニングキッドを用いた実験等)
15. 性能評価 (計算機・通信制御の効率解析など)
【成績評価】
試験と演習のレポートによる
【テキスト等】
なし
【履修の条件】
Java 言語と C 言語の一部を既知とみなす。
講
名 計算の理論 (Theory of Computation)
義
開
講
時
期 6 学期
担
当
教
官
単位数
2–0–0
田中 圭介
西 8 号館 (W) 11 階 1108 号室 (内線 3884)
【講義のねらい】 基礎的な計算モデルである Turing 機械に関する計算可能性を主に扱う.これを通して,
計算機のハードウェア,ソフトウェアに関する基本的な数学的性質である計算可能性の概念について学ぶ.
【講義計画】
1. 講義全体の概要,オートマトンと数理言語の復習
2. Turing 機械,Church-Turing の提唱
3. Turing 機械のバリエーション
4. 判定可能な言語
5. 演習 I
6. 停止問題,対角線論法
7. 帰着可能性,言語理論における判定不可能性
8. Post の対応問題
9. 写像帰着可能性
10. 演習 II
11. 再帰定理
12. 数理論理における判定可能性
13. ラムダ計算
14. 演習 III
【成績評価】
講義中に行なう小テストおよび期末試験による.
【参考書】
• 計算理論の基礎,Michael Sipser 著,渡辺 治,太田 和夫 監訳,阿部 正幸,植田 広樹,田中 圭介,藤岡
淳 訳,共立出版,2000 年,ISBN 4-320-02948-8.(原著: Introduction to the Theory of Computation,
Michael Sipser, PWS, 1996, ISBN 0-534-94728-X.)
• 計算論—計算可能性とラムダ計算,高橋 正子 著,近代科学社,1991 年,ISBN 4-7649-0184-6.
【履修の条件】
オートマトンと数理言語に関する基礎的な知識を前提として授業は行なう.
講
名 コンパイラ (Compiler)
義
開
講
時
期 6学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
2–0–0
佐々 政孝
西8号館 (W) 9階906号室 (内線3228)
言語処理系作成の基礎理論と手法について,コンパイラを中心に解説する.コンパイラの設計手法を通
じて,情報システムの設計や管理などについて習得する.
【講義計画】
1. 言語処理系とそのなかま
2. コンパイラのあらまし
3. 字句解析:正規表現,有限オートマトン,字句解析器,字句解析器生成系 Lex
4. 構文解析:文脈自由文法,下向き構文解析,再帰降下構文解析器,LL 文法
5. 構文解析:上向き構文解析,演算子順位構文解析器
6. 構文解析:LR 構文解析器,LR 文法,構文解析器生成系 Yacc
7. 意味解析:属性文法,型と演算の解析,識別子の宣言と使用の解析
8. 意味解析:記号表とその処理,記号表のデータ構造
9. 意味解析:属性評価器,属性評価器生成系 Rie
10. 実行時環境:活性レコード,静的リンク,動的リンク
11. 中間コード生成:中間言語の種類,代入文や制御文の中間コード
12. コード生成:式のコード生成,文の列のコード生成,レジスタ割当て
13. コード最適化:最適化の例,データフロー解析と各種最適化変換,のぞき穴最適化
14. インタプリタ:仮想機械,インタプリタの構成
【成績評価】
レポートと試験による.
【教科書】
佐々政孝:プログラミング言語処理系,岩波書店.
【関連科目】
必須ではないが,
「オートマトンと数理言語論」(情報科学科で開講) を履修していることが望ましい.
講
名 オペレーティングシステム (Operating Systems)
義
開
講
時
期 第6学期
担
当
教
官
単位数
千葉 滋
西 7 号館 2 階 203 号室 (内線 2712)
e-mail: chiba @ is.titech.ac.jp
【講義のねらい】
オペレーティングシステムに関する基礎的な概念の習得を目標とする。
特にオペレーティングシステムが、ハードウェアとアプリケーション・ソ
フトウェアをどのように接続しているかを解説する。
またC言語によるプログラミングの基礎にもふれる。
【講義計画】
1. オペレーティング・システムとは何か
2. C言語の基礎
3. 割り込み処理
4. ネットワーク処理
5. マルチ・プロセス処理
6. ファイルシステム
7. メモリ管理
8. 並行プログラミングと排他制御
9. セキュリティ技術
【成績評価】
講義中にほぼ毎回出題するレポートの内容と出席等による。
なおレポートは、C言語によるプログラミング課題を含む。
【テキスト等】
次の参考図書の主要部分を講義する。
Silberschatz and Galvin: Operating System Concepts, 5th ed.,
John Wiley & Sons, 1997.
また講義中に適宜参考資料を指示する。
【履修の条件】
Java プログラミングの基本的な知識を前提として講義を行う。
「計算機科学概論」「計算機システム」を履修済みであることが望ましい。
2–0–0
講
名 計算機科学特別講義第一 (Special Lecture on Computer Science I)
義
開
講
時
期 第 6 学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
2–0–0
未定
計算機科学に関するトピックスを適宜選んで講義する(詳細は未定).
講
名 計算機科学特別講義第二 (Special Lecture on Computer Science II)
義
開
講
時
期 第 7 学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
2–0–0
未定
計算機科学に関するトピックスを適宜選んで講義する(詳細は未定).
講
名 計算機科学特別講義第三 (Special Lecture on Computer Science III)
義
開
講
時
期 第 8 学期
担
当
教
官
【講義のねらい】
単位数
2–0–0
未定
計算機科学に関するトピックスを適宜選んで講義する(詳細は未定).
講
義
名
情報科学総合演習・実験 (Advanced Exercises and Experiments in Information Sciences)
開
講
時
期 第6学期
担
当
教
官
単位数
0–1–1
各教官
【講義のねらい】
情報科学は,その性格上発想の異なる複数の分野を包含している.理論的色彩の強い分野もあれば,実
験的色彩の強い分野もある.概念構成を大切にする分野もあれば,応用的色彩の強い分野もある.
このことに対応して,情報科学科の各研究室でなされている研究には,大きなバラエティーが見られる.
情報科学を全体として理解するためには,そのどれかを選んで,深く体験してみることが必要である.最終
的には全体像をつかむための例題として,完全でないとしても,一度は具体的に,一定の枠の中で何かを生
み出そうとしてみることが不可欠である.
そのように情報科学のいずれかの分野で具体的体験をし,何かを生み出そうと努力するための場として,
別項の学士論文研究がある.情報科学総合演習・実験は,それに先立ち,情報科学の分野をやや深く理解す
るための手助けをすることが目標である.
【講義計画】
この科目は,
第1ラウンド
第2ラウンド
第3ラウンド
第1週∼第5週
第6週∼第10週
第11週∼第15週
にわけて実施される.その中で,できるだけ有効に分野を選んでほしい.そこで情報科学科の研究室を,発
想に基づいて便宜的に3分野に分割し,そのうちから少なくとも2分野を経験してもらうことにしている.
分野は次の通りである.
M分野
O分野
C分野
数学的発想を中心とする研究室
応用を中心とする研究室
計算機科学関係の研究室
学期のはじめには全員に集まってもらってガイダンスを行い,その席で希望を募り,相談の上で研究室を
決定する.あまり人数が偏ることは望ましくないので,若干の調整をすることもある.
理論的研究室では輪講,実験的研究室では実験が中心となる.応用的研究室では,野外調査を行うとこ
ろもある.具体的内容は,ガイダンスの席で説明する.
時間割には週2回の枠を用意してある.これは研究室によって演習・実験の様態が異なることを考慮し
たものである.学習申告の際には両方の枠を申告しておくことが必要である.
講
義
名
学士論文研究 (Bachelor’s Thesis)
開
講
時
期 第7・8学期
担
当
教
官
単位数
前学期,後学期各4
各教官
【学士論文研究のねらい】
学士論文研究の目的は,情報科学のある特定の分野を選び,それを深く経験し,そこで何かを生み出そ
うと努力し,そうする中で情報科学の全体像をつかみ,情報科学科卒業生にふさわしい専門性を身につけ
ることである.
【具体的な進め方】
指導教官を定めて研究室に所属し,1年間にわたって個人的指導を受け,学士論文を執筆し,年度末に開
催する学士論文発表会において口頭発表を行う.具体的な手順は年度ごとに変わっていく可能性もあるが,
これまでの例ではおよそ次のとおりである.
1. 前年度末 (例年 1 月下旬ごろ) にガイダンスが開かれ,その席上各研究室の教官から,研究内容の説明
がある.諸君が申し出た希望をもとに,所属研究室を決定する.必要に応じて調整を行う.
2. 研究の具体的内容は,研究室ごとに異なっている.まず基礎的知識,技能を身につけるための輪講等
に参加し,それが終ったあと各人の興味に合わせた独自の研究に移る,というのが一つの典型的な姿
である.輪講の内容はさまざまであるが,外国語の書物または論文を取り上げる例が多い.
3. 研究を進めた後,学士論文の正式な題目を,所定の期限 (例年1月末ごろ) までに指導教官の指導と承
認を得て決定し,届け出る.
4. 学士論文は所定の期日 (例年2月上旬ごろ) に提出する.提出以前に教官,先輩から,研究のまとめ方
や文章の書き方について深い指導を受ける機会がある.
5. なお学士論文の要約を作成し,指定部数のコピーを添えて学士論文と同時に提出する.コピーは学科
の教官,および発表会参加者に配布される.
6. その後 (例年2月中旬ごろ),論文発表会が開かれる.その席で学士論文の内容を,各自口頭発表す
る.OHPやプロジェクタを用いるのが原則であるが,ビデオを併用したり,計算機によるデモンス
トレーションを行なう人もいる.ここでも教官,先輩から,口頭発表のしかたについて深い指導を受
ける機会がある.
なお上記 1∼6 では,3月末卒業を前提として時期を示した.9月末卒業を希望する者は時期が異なるの
で注意してほしい.
希望する研究室の選択にあたっては,情報科学総合演習・実験 (別項) や研究室訪問などを通じて情報収
集に努めるよう勧める.さらに,将来の進路を考慮しつつも自らの視野を広げる気概をもって,希望する研
究室を選んでほしい.