古典學派の貿易理論について

KURENAI : Kyoto University Research Information Repository
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古典學派の貿易理論について
松井, 清
經濟論叢 (1936), 43(1): 105-124
1936-07-01
http://hdl.handle.net/2433/130824
Right
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Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
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古典串恨の貿易理論について:::::空室主松井清
新着外園経済雑誌主要論題
附録
市町村に於ける園政事務費・:::・・摺湾皐博士汐見三郎
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チュ!ネンの人口論:・・:::;::・経由主主菊田太郎
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ブィシヤア利子設の難黙:・ :it---:::文 事 博 士 高 田 保 馬
地方税に遁嘗在る粒種・・ :-ji--:・;:法一畢博土紳戸正雄
現下の土地問題と自作農創設事業経済皐博士八木芳之助
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蜘一間以日本朝鮮及満洲の金魚替本位制::経由栂皐士松岡孝児
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古典事汲の貿易理論につ いて
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の某礎理論となったこの理論は、爾京都今日に至るまで自由主義的貿易理論家によって相品質ら十承
け龍がれてゐるのである。また多くは保護貿易の立場に立つず貿易や論、する犬陸の撃者に於てす
らその操りどころは、古典理論の多かれ少かれの修正か或びは批剣であったん︺一再へょう。然るに
最近に至り理論材班山群島十の分野に於ける一般均衡理論の廊倒的勝利は、古典串振の貿易理論一はその
基礎に横はる勢働債値説が成立九能は司ざるが故に成立ち能はやとする議論を生むに至った。倒へ
ばエンヂエ Yとかオ Iリン等の皐者の一一一口ふところである。これ等の著者ω議論は、しかし乍ら、
そのま、には受け入れられない。但令ひ彼等の説︿が如︿通日労働償値説はそのよって立つ前提の
第四十二一巻
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第
一O 五
抽象性の故に妥営する範園も自ら限定さるべきであると一五ふことを訟めるとしても、その結果は
古典早振の貿易理論について
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比較生産費説の名と結び附けムれる古典撃探の貿易理論とは.此慮に指摘するまでもなく、
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ト レ ン T の著書 ω
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直接に意画したところは、常時英国に勃興じた重農主義的
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害者の反駁であるが、その内に闘らす色比較生産費の教義が主主べられた
のである。
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古典事波の貿易理論について
第州十三巻
一O 六
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一関岡際貿易時論は悶際交検従つで闘際
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現 象 の よ っ て 来 る 原 因 の 宇 ぱ 砂 見 失 はY るを符ないのである。何故ならば二期比論が相補充し A口
五日'伊がもし費用分析を否定するときは必然に前者の理論ぞ拘禁すること﹀なり、そのために貿易
行はれる窮極の原因を説明し、後者は貿易の直接の動きを説明する使命を持ってゐる。ところが
分業が何故に行はれるかの理論とその際に於げる債格決定の理論を主要内容とし、前者は貿易の
f ら成つ一て凍るの?める。
せ在宅慮じ入れaEZは必要 L﹂
ゐ る 。 か ︿ 考 ふ る と き 古 典 皐 恨 の 貿 易 珂 論 は 成 立 が 可 能 と な る の み な ら 中 、 一史らに次のことぞ併
代理論に於ても、英岡皐慌の好んで用ひる・賀質費用分析は古典愚被か広多くの悼統を承り隣いで
に還元され得ることを許す限り、五口みは努働債値説から皐ぶべき何者かを持つであらう。現に近
費用項目の内で重要なる地位を占むることを認める限り、克らに他の費用項目も窮極に於て勢働
必やしも古典準探の貿易理論を否定することにはならない。如何なる立場に於ても、材労働費用が
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たとき初めて貿易現象は具鯉的に説明きれたと云ひ得るからでめる。か﹀ることのな主ために古
典皐慌を反省することが必要'となって来るのである。
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私は以下に於て一定の前提の下に古典涙貿易理論の成立し得るを認めつ﹀その範圏内に於て問
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依りつ﹀問題を展開してゐるに卦し、なは本論に於てバロ 1 ネ ・ ヲ Y ムの行き方を鳳 ばんとする
意闘を持ってゐる。
(註)古典鬼平汲の持つ素朴性は、その立場に於て展開3れうる問題を著しく限定することは一五ふまでもない。 費用は生産物数
盆に関係な:一定と凡られでゐる。従って最抵ゲラハムやハロヴドの取扱ってゐる費用済滅費用混晴の法則と貿易の関係と
一五ふ問題の知きは古典地時捕では取扱ひ得ない。主だ債格形成に於りる需要ω作用が著し︿艇胡されてゐる。需要が生産物侠
格形成に如何なる設割を山むるかに関しては若子の展開が行はれてゐるが、これとても近代埼論に比すべ︿もない。夏らに
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右の様な意同に持て問題伝活めて行くのであるが、
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古臭事濃の貿易理論について
誼弔問十一一一巻
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第
一O 七
であるし、ま七直別することが出来る。今は古典皐涙の貿易概念を観察しつ﹀、それから陪史的
分に妥営し狩るのである。二者は窮極に於ては一致するものであるに拘らや、
う現賓が可な hJに 饗 化 し た 今 日 で も 、 そ の 理 論 的 劃 象 が 何 ら か の 形 で 存 し 得 た な ら ば 、 理 論 は 充
vee園緯したであら
頭から中葉に至る英岡の現貨からその理論ぞ生み出したのであるが、 y カl
次の事賓を見れば直ちに明らかと成らう。 リカ lドは漸く産業資本主義一か完成した十九世紀の初
至った歴史的枇合的事貨との問に一藤明確な直別を設けねばならないと云ふととである。それは
の問題に闘して特に注意すべきことは、貿易理論の理論的封象とか冶る理論的針象を生み出すに
か、更らに進んでは何を理解す.べきでめったかについてである。貿易の概念規定とも一宮ふべきこ
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古典準涯の貿易理論について
第凶十=‘巻
事宣伝﹂除き去ると一五ふか山に於て貿易一の概念を規定して行きたい。
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されて規定されてゐる。被によると資本の如きは岡際聞に於ても遠隔地聞に於ても移動が自由で
に ク ア ン ズ に 至 る と 9ヵI ド・ミ Yに卦立して、貿易は資本・勢働の移動不自由なる事費から解放
してゐるから、この見地からすれば貿易は遠隔地聞の商業を意味すること、なるのである。夏ら
ら宇しも闘際聞にのみ限らない。か﹀る事責は一一般遠隔地周の商業に見らる﹀ところであるとな
ミY によると資本・勢働の如き生産要素の移動が困難な地域聞の商業ぞ貿易とするなら、之は必
に附着せる政治地理皐的要素を除き去って、遠隔地聞の商業と近接地聞の商業の匡別を行つわ。
ミ Yは nyカ!ドに於て貿易
易は間際貿易であり、闘内商業と相劃立するものである。次に J ・ ・
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本主義は資本・勢働の如き生産要素を闘民的に拘束するからである。か︿て η
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間に亙って不均等たるや常とし、債値法則は妥嘗せや平均利潤率は支配しない。何故なら農業資
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保件の不均等はたとが一時的には存在レ件るとしでも、長期閉じ五つては決して存在し件ない。
な自由競雫は闘内じ於てのみ一認められ名。関内では資本と労働は常に移動自由である結果、生産
した。産業資本主義は悶民的生摩市営規模として殺生し完成する。従って産業資本主義の持つ完全
りカ i ドは先づ園際聞に於ける資本と勢働の移動困難と一五ふことによって貿易念特色づけんと
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ゐって、資本の移動の困難なぞと一五ふことは決しτ貿易の特質を明らかになし特ない。ケアンズ
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はかくて無競争集幽の概念企貿易理論に慮用するのである。却はち自由競争の行はれる産業集闘
取引は相互需要によって支配されるとしたのである。この外にシヂクイックの如
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聞の商業は結局生産費に従って取引されるとなし、之に劃して貿易は無競争産業集岡聞の取引で
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のって、 か
︿運賃の大小を以て貿易と他の商業との匝別たらしめんとした同英語も存在したが、大睡古典皐祝
ミ y・ケアンズによって確立されて行ったそれを指す左見て差支へなく、
の貿易概念はリカ l v・
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第四十三巻
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高田保馬博士、経済E堅新講第コ巻 20J ,,_,::~04頁。
その後之に劃して種 φの立場から幾多の批判が加へられた。がその詳細には今は鯛れないこと﹀
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私は貿易は生産僚件を異にする綜合経漕聞の取引を意味する色の正して議論を窪めて行き
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聞にのみ限ら字、間内にも地域貿易とも云ひうべき貿易が存すること﹀なる。しかし乍ら生産保
か4 の如︿貿易を生産保件を異にする綜 A口経神間の取引と解する時は、貿易は必らやしも岡際
では依然として古典串限貿易問論の妥脅する能地は存してゐるのである。
因のため‘生産僚件の長期的不均等は依然として存在してゐる。従って上越の如き前提の下に於
にある現在ではその移動は比較的容易に成ってゐるが、しかもなほ濁占その他の枇合的自然的原
極構聞の取引と云ふ右の規定によって完全に避けうる。生産要素ことに資本は金融資本主義の下
動が自由になったと云ふ経験的事買をあげる読があるが、 こ の 批 判 は 生 産 保 件 の 不 均 等 な る 綜 合
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件の不均等は閥際問に於て特に著し︿、 且つまた之とは反針に岡内では、今日生産僚件の均等化
古典皐滋の貿易理論について
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古典事滋の貿易理論にういて
第四十一一王者
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かの絶劃的大いさを深想することは、如何なる立場に於てリカ 1 Vぞ批剣するに嘗つでも必ら十
ところで相封的債値或ひは交換傍値は盤動常なきものであって、その恭礎に不動の基準たる何ら
るものではない o﹂となしてゐる如く、比較せらる、ものは相劃的債値であって生産費ではない。
値を支配する閉じ規則は、二悶若くは共以上の闘の聞に交換せらる冶貨物の相調的情値を支配す
如何なる個所に於てもか﹀る文学を使用してはゐないのである。﹁一岡に於て諸貨物の相針的債
言葉は直ちにヲカ l vと結び附けて論じられてゐるが、 9 カl ドはその外岡貿易論を取扱ふ章の
貿易が何故に行はれるかの理論は比較生産費設として知られてゐる。この比較生産費説と云ム
工、貿易は伺敢に特はれるかの理論
なそれを排斥するものでない正一一ムふこ 2訟は京してお︿
私はそれ故理論的な貿易の概念と政治地理準的なそれとを匝別す与が、必ら十しも政治地理皐的
ぅ。かくて解することは闘枕・魚替相場の如き問題と貿易理論を結び附けろ際特に便宜である。
ら、貿易と一 Eふ文字で外岡貿易を理解する常識は、大韓に於て首ってゐると一おって差支へなから
を妨げる種冷の原因が殺生してゐるとは云ふもの﹀、なほ比較的に均等化の傾向が拙度であるか
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指摘さるべきである。従って五円冷もリノカ l vの敷例営各財貨債値の括卦的大いさを表すものとて
次の如︿理解する。
~:::地域貿易の説明が詳し
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一川との問の比較ぞ途に断念するに至ったかの加古﹁論調そ示してゐる。(しかしこの黙は必ちゃし色明瞭で
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ない)ミ Y に至るとこの傾向は夏らに著しくなり、間際問の債値比較は明白に否定され、物ムザ交挽
の前提に立って、唯雨闘内に於けるこ財貨の交換比率のみが取扱ほれてゐるのである。
述 者 バ ラ7 1プ Yに 於 て も 同 様 で あ ち 、 ご の 行 き 方 は 或 石 意 味 に 於 で 英 悶 撃 慌 の 特 徴 と
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る。現在﹄ロヲドの如く比較生産費設の成立のためには生産費の絶封的大いきに於ける比較は必
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に於て英聞に於けるよりも少量の魁労働を以て生産せられる相場合に於でもなほやはり行はれるであ
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生産費説が岡際債格論にまで殺展すぺきでみると云・?
、﹀存在を前提せ十しでは、間際債格現象の説明は不可能とならまるを符ない。だから五口々は比較
古典按汲の貿易時論について
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むだけの羅紗量佐増加してゐる。かくてポ Y ト ガ
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1出叩)だけの葡萄酒量を増加し、
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る。以上がリノカ l v外聞貿易論の大要である。彼れは相卦的使値から出発し、二岡仁於ける財貨
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の交換比率を問題とすることにより貿易の利盆を算局し、以て貿易げが何故に行はれる h
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方 1ドの原理をより平明な形で粗越したのみならや、根本原珂から個ム干の特殊ケ l
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にまで問題ぞ慣大することによって後の貿易理論の稜展に貢献したところが多い。倒へば運賃費
用舎考慮に入れた場合、貿易が二財以上について行はれる場合、貿易が二岡以上で行はれる場合
等 ι7T考察しに如きである。けれどもそれ等の特殊ヶ I スの考察は問題の本質を麺更するもので
はないから今は鯛れないこと﹀して、比虚では卦物交換比率の種ゆなる割合の器使化による雨園へ
の貿易利盆の蹄屈に闘しミ Yが竣展せしめた理論を考察しよう。リノカ l vに於ては交換比率決定
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に際して需要の占むる役割は会ムゲ無組されてゐた。一言葉を換へて云へば需給均衡下に於げる交換
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比率の決定機構が明らかにされたのである。 ミ Mは
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古典準滋の貿易理論について
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第四十三巻
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hる交換比率に於てはポ Yトガ Yは再び幾分多︿の羅紗量を買ふであら
する。ボ Yト dNYの需要の増加である
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之に反して英闘は相麗ら中従来通りの葡萄酒量を需要寸
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の場も同様である。 一割一の債格に於てはポ Yトガ Yは従前以上の羅紗畳を需要するに至ったと
するに至る。需要の作用により交換比率はポ戸トガ Yによち利益ある如く決定されてゐる
う し 、 英 園 は 高 債 と な っ た 葡 萄 酒 の 需 要 量 を 幾 分 減 少 す る で あ ら う 。 か ︿ て再び間際需給は均衡
一羅紗であるとする。 か
果として英聞は自闘に不利なる交換比率に甘ん十るであらう。この比耕平を一葡萄酒に到する一・
は相麗らや従来返りの葡萄酒量を需要する。閤際需給は明らかに均衡せF るに至ったー 必然の結
来通りの羅紗量子需要せ。きるに至つ亡とする。ポ Yトガ Yの需要の減少であ石。之に反して英国
JU
比率一ト於工均衡佐保りてゐる。吹いい胆定を焼却)で一刻一の交扱比率仁於ては.ョホ Yトカ げは従
以上は需要されることなく、それ以下の敗量では需要を満し切れない。岡際需給は一封一の交換
需要伝満し切れない。 一方英闘に於てもこの交換比率下では一定量の葡萄酒需要が存在し、ぞれ
の一定羊が存在する筈である。それ以上の数量は需要されることなく、まだそれ以下の数量では
紗の交換比率ぞ例へば一割一にとって考へてみる。この交換比苓に於てはポ Yトガ Yの羅紗需要
何なる作用を受けるかについて考察を加へてゐる。謂はゆる相互需要の法別である。葡萄酒と羅
按
る。間際需給は明らかに均衡せF るに至ったむ必然の結果としてボ戸トガ Yは白岡に不利なる交
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目
第
換比率に甘んするであらう。 この比率を一葡萄酒に針する目前羅紗とする。か¥る交換比率に於
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か︿て再び岡際需給は均衡するに至る。この均衡下に於りる交換比
てはポ Yトガ Yの羅紗需要量は再び幾分減少するであらうし、英闘は安債となった葡萄酒の需要
量を幾分増加するであらう
卒は明らかに英闘に卦してよ hJ多t有利である。以上二つの場合を通じて相互需要の作用による
交換比率の決定は次の如き結論を生なっ到物交換比率は相手闘の生産物に到する自闘の川市要度の
より小なる闘により利益ある如く決定きれると。さてミ Yは第三版に於て吏らに新しい領域を開
拓してゐる。今までの議論では相手同の需要を満たすべき闘の供給数畳については本でや考慮が抑
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と英同の大いきいか旧来
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はれてゐないが、これは著しく非現宜的 fある。 ポ Yトガ Yと 英 岡 の 問 に 成 立 す べ き 闘 際 分 業
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rかちが市ト円引所ドーか呉川附苅阿需要日一旦 mw全 部 営 術L
紗のみを生産するが如︿考へられてゐる。けれども現貨に於てはポ Yトグ
なるによってポ Y トガ Yは相麗ら十葡萄消・羅紗の二財を生産してゐる仁拘らや英闘は羅紗のみ
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を生産するに至る場合や、之 L﹂反到の場合が生やるのである。 3う云った場合交換比率は如何に
五
目
決定されるかを問題とする必要がめる。コ一つの場合が生やる。
山雨闘の大いきが等しい場合。却はちこれは雨閣の生産保件が数に於て等しいこk p﹂一示す。こ
の場合はポ Y トガ Yは葡萄酒のみを英闘は羅紗のみを生産するに至 h
J、 完 杢 な 岡 際 分 業 が 行 は れ
盟
主
ると考へられる。これまで一般的な事例 と
E して考察したところで、交挽比率は岡闘交換比率の中
第四十三巻
第
問、川例へば一劃一に定まるであらう。この貿易は雨園へ各々利益を奥へる。
古典間中滋の貿易理論について
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古典準振の貿易理論につい亡
第四十三巻
第
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は葡萄酒のみを生産するに至ると云ふ岡際分業の結果を示す。劃物交換
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に軍一る貿易論の大要は右の内に壷きて居ると思はれる。その観察に於て存々
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業もとの岡際分業によって生やる利益も唯雨岡に於ける物量の増加と云ふことによって説明する
は暖昧なる相卦的債値から出発したために絡に財貨の交換比率のみを問題とするに歪旬、岡際分
リノカ!ドからミ
いて云へば.大岡と小岡との取引に於て利盆するものは常に小岡であると云ふことである。
量的割 A口を考慮に入れると、貿易に於け名利益の分属は次の如くなる。郎はち交換比率のみにつ
るのでみのる。 かくて雨岡の大い湾、或ひは略ミ同様のことを意味するでめらうが、雨闘の生産の数
比 率 は 英 闘 の そ れ で あ る 、 } 却 に 従 ひ 、 こ の 貿 易 の 利 益 は あ げ て ポ Yトガ Yの得るところとな
ゐるに反し、 ポ Yト
穀に於て麿倒的である場合を示す。 あたかも前の場合と反卦で、英闘が相麗ら中二財を生産して
伺英岡がポ Yトガ Y仁比して大なる場合。卸はちこれは英園の生産保件がポ Yトガ Yに劃し、
一
民
r二財を生産してゐるに反し、 英閲は羅紗のみヤ生産する仁主ると
の結果はポ戸トガ町げが相麗らA
J
てはポ Yトガ Yは何ら利益するところな︿、貿易の利益は めげて英闘に蹄する円 而して闘際分業
格を支配的たらしめよう。従って交換比率はポ戸トガ Yのそれ即はちHh に認まりこの交換に於
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トガ戸僚
が英闘に比して大なる場合。却はちこれはポ Y トガ Yの生産保件が英岡に劃し、
ム
数に於て煙倒的である場合を一不す。この場合貿易開始後に於げる競争の結果は結局ポ
開 ポ Yトガ
ノ、
に至ってゐる。古典撃波が貿易消費者利盆設を栴へたのは、彼等が唯交換比率のみを着目し、物
量の増加のみを問題としたが故である。相互需要による貿易利益の分属も、雨岡の大いさを考慮
に入れた際の貿易利盆の種 b相 も こ 左 ご と に 到 物 交 換 比 率 に つ い て の み 論 じ ら れ て ゐ る に 過 ぎ な
ぃ。しかし乍ら考へてみると岡際交換が同家の統制意思によって各自に利盆める如く行はれてゐ
る場合ならいF 知らや¥現貨の貿易が資本主義的に最高利潤の獲科を目棋として行はれてゐる以
上、問題は交換比率の動きによる物泣の噌加と云ふことによって決して具瞳的に説明3れたとは
一ムへない。一五ふまでもな︿貿易ド従事するのは個冷の商人であって. 彼等は一闘の素材的富じ於
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げる刊協を常置し fuh w
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債格に従って買買を行ってゐるド過ぎないω 従って仮令ひ古典準慌の推奨するが如き貿易の利盆
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が、個ム干の商人活動の無意識的結果として生子ることが事貨であるとしても、問題は更らに進ん
でか冶る事貨が資本家的見地に於ける償格闘係に如何に現はれるかの問題として検討されねばな
らない。これはケアンズによって頗りに間制された輸であるが、今は便宜上引例その他 9 カl ド
に従ぴつ冶考察を進めて行︿。
三、圏陣慣措決定の理論
第四十一一一巻
第
再びリノカ l ドの設例に蹄る o彼の輿へた数字印はちポ Y トガ Y の加、卯、英岡の印、聞はそれ
古典阜、援の貿易理論について
七
古典準涯の貿易理論について
第凶十コ一巻
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英 闘 の 生 産 保 件 が 絹 針 的 に 劣 り 、 ポ Yトガ Y の そ れ が 純 封 的 に 優 れ る も の と は 云 ひ 特 な い で あ ら
比較可能である左云ふことはきさに注意せるところである。然ら苫れば五川ん可はこの数字によって
︿ ¥lの 間 内 交 換 比 率 の 基 準 た る べ き 大 い さ 号 表 現 寸 る の み な ら や 、 ま に こ の 大 い さ は 岡 際 的 に も
第
田和紗供給償私
と 、 両 人 的 見 地 に 於 て は 商 品 は 常 に 債 格 の 低 き 所 よ hノ 高 き 所 へ 向 っ て 動 く か ら 、 葡 萄 酒 ・ 羅 紗 と
も に ボ 炉 ト ガ Yか ら 英 岡 へ 轍 出 さ れ る と 見 な け れ ば な ら な い 。 と こ ろ が 比 較 生 産 費 説 の 結 論 す る
と こ ろ に よ る と 二 財 の 生 産 に 於 て 共 に 優 れ る ポ Y トガ Yか ら は 葡 萄 酒 が 輸 出 さ れ 、 共 に 劣 れ る 英
固からは羅紗が轍出されねばならぬ筈であった。貿易の利盆は部分的であるか九帝国的であるかは
別として、何らかの程度でか﹀る間際分業が成立して初めて獲得し得る筈であった。この比較生
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) 相針債絡の理論 ω みで行〈場f合、こ~)!~のみに着目し工比較生産費設は成立
た十と寸る。例へばエンヂェノL
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配してゐる。故に吾ム干の数例は、同時に二闘に於げる供給債格の大いきであると見ることが出来
る。次の如︿書き改められるであらう。
葡萄酒供給領特
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同
ポルトガル
同
貿易開始前に於ては勿論雨聞に於ける需給は均衡してゐる。この状態に於て貿易が開始される
実
産費識の主張は使格闘係の世界に於て色成立するであらうか。それを成立せしなるためには、否
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から輸出される吠態から出殺して、窮極の溶着黙としてポ
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。は二財がポ Y ト ガ
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葡萄明か英同からは羅紗が輸出される状態を導き出さねばな・ つなんパ。
否々は商品交通は一一生産物のみについて行はれること、 去に向品交通以外の経梼交通は行はれ
ないこE を前提してゐるのであるから、 ポ Y ト ガ Yから輪出さるべき二財の封債は必然に金を以
MF
に一五へば姥聞に於げる-需給内線は日じ程皮に下方へ向って下落す
て支捕はれなければならない。英聞からの金の流出法英岡に於げる滑要可能性の減退一と賃銀の下
落へと導く。 之をグ一 7 7 イ カ
るこん﹄吉駅ゆる。 勿論ヂ一の場へ口、 会流出によって引旭きれた購買力の減少は純ぺ-しの騨践者仁射し
で同様に働いてゐること、 賃銀低下にまで導︿勢働市場への略迫はすべての生産者の費用に摘し
て同様に働︿ヂ﹂とが前提きれねばならぬ。 之とは反卦にポ Y ト dNYへの金の流入は需要可能性と
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に於て英岡に於けるよ
賃銀の騰貴を結呆す。需給曲線は上方へやり上る。かくて新し︿生じた債格水準に於けるこ財供
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ト が Yに於けるよりも低い。かちる状態の起 hJ
給債格を次の如くであ石としよう。葡萄酒の債格は依然としてポ Y ト ガ
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. 之に反しで羅紗債格は英閣に於てポ
りも低
得ることは吾々の数例を維持する限り営然であらう。羅紗は英閏から葡萄酒はポ
出きれ石駅態にある。然らばか冶る事態の進行は如何な名岡際債格を生十るであらつか。相互に
轍出入される財貨は今や共通の市場を持つに至ったのであるから、主(庭にはやがて一物一債の法
第四十三巻
則が働いて共通の闘際債格を生ぜしめ、この債格に於て園際需給は均衡を保たねばならないので
古典宰滋の貿易理論について
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) 以下の説明は主としてパローネ、 コルムケ参考とした。 En
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古典息源の貿易理論仁ついて
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第凶+コ一巻
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の圃際債値論に従ふと、 ポ英雨岡の大いきの異なるに従って一一一つの場合が生中る。
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げの三財市場債絡佐騰貴せしめ、之と一流卦に英
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トガ Yのそれド比して下廻るに至ったのである。 更らにこ
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トガ Yが英闘に比して大なる場合
萄酒債格は問でめるとすることが出来る。
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Yの生産僚件が英闘に劃して
と同様である。然るに二財の岡際債格は前の場合の如︿二岡冷内債格の中間には定まらない。.ホ
め、英闘の二財市場債格を低下せしめつ﹀遂に英固からの羅紗轍出を目見るに至ることも前の場合
へ向って流出するであらう。克らに引績き行はれる轍出がポ Yトガ Yの二財市場債格を騰貴せし
債格であることはミ Yの指摘する通りである。前の場合と同様に先づ二財がボ Yトガ Yから英岡
数に於て魅倒的である場合ぞ一不寸。この揚令闘際市場債格の決定者は主止してポ Yトガ Yの闘内
c帥はちこれは。ホ戸トガ
るに至った時の二財の債格は共に雨闘 ι
町内債格の中間に定まるのは掛同然である。羅紗偵格は町葡
落とはその程度を等しくすると見るべきである。従つで雨岡から葡萄酒及び羅紗が相互に輪出れ
の場合一閉闘の大いきを等しいとしてゐる限旬、一方に於ける債格の騰貴と他方に於ける債格の下
格水準に於ては英岡羅紗の債格がボ
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広ふまでもない。 引績き行ばれる輸出はポ
供給債格の中間に定まる。 最初債格のよb低い。ホ
冷は一般的の論誼としてかうる事例から出殺すべきは営然である。この場合岡際債格は雨園々内
間雨闘の大いさが等しい場合。帥はちこれは雨闘の生産保件が教に於て等しいことを示す。吾
ある
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にか大闘であり、英闘が小闘でめると云ふ前提に立つ以上、他の保件を一定とすれば、
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に於ける僅かの物債騰貴は英聞に於ける大なる物債下落となって現はれる。これは金を
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Yトガ
介入せしめて考へれば直ちに珂解しうるところである。従って英闘から羅紗の輸出されるに至る
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時期はその債格が著しく下落してポ Yトガ Y岡内債格に近づいた勅でめる。 之を例へば m
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Jに比して大なる場介。印はちこれは英閣の生産保件一かが
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ト dNYに却し数
ことが出来る。之に卦しでポ Yトガ yhrら輸出さる﹀葡萄酒債格公認×ヤリ∞認である。
同兆闘がポ Yトが
仁於て懸倒的である判明ん引を示す。 との岡際債格の決定者は主として英闘の閑内債格である。
u一小陥引きれる:ーへ ごの臨引が h wトガ戸川拘簡を嬬由民けしめ、 応酬の物情
りふ山川トガ川町わら凶d
を 下 落 せ し む る こ と は 前 三 つ の 場 介 と 川 様 で あ る 。 が ポ Y トガ Yが 小 凶 で あ り 、 英 岡 が 大 岡 で め
ると云ふこの前提に於ては正に向とは反卦にポ Yトガ Y に於ける大幅の物債騰貴が英闘に於ける
小量の物債下落となって現はれる。従って英闘から羅紗の輸出されるに至る時軸はその債格が問
から輪出きる﹀葡萄一泊の債格はむ斗×民リ=ぷ である。
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内債格を僅かに下廻るに至った時賄でめる。これを例へば町'とすることが出来る。之に卦してポ
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第附十一一-巻
第
明日制
古典事滋の貿易理論についず
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以上三つの場合を要約しよう。
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古典準滋の貿易理論について
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第川十一一-巻
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内費用と比較して見る必要がある。岡際問では完全な自由競争が行はれ中、生産保件が均等化さ
れないと一耳ふ前提に立つ以上、貨幣機構が通じての貨幣費用の均等化は行はれる'としても、砕貝質
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るであら
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ワ炉、この鮎は無税しでか﹀
素材崎市の附加川生産保作に幾分の場一
山武川は本質的に鈍化しない幣である心貿易の結果生十ペヘ c
化伝典へる限りに於て、寅質費用に幾分の品硬化守生ザ
る。きうした場合否今は同じ岡際債格が生産保件T異にする二闘の具った費用投下に相臆じてゐ
ることを知るのであふ。夏らに詳し︿云へば生産傑件の優れた園の費用は闘際市場に於て、高き
金債格で云ひ表は 3 れ、生産保件の劣った閣の費用は岡際市場に於てほき金債格で表現されてゐ
る。。ホ Y トガ Yは勢銀その他の生産要素債格の高いのに拘ら中、その優れた生産力の故に葡萄酒
を輪出し得るし、英聞はより劣った生産力を持てるに拘らや労銀その他の生産要素債格の低いた
め羅紗を轍出すべき服態にあるぞ示してゐる。両闘の大いさが異なるにつれ、ま七雨困の需要度
が異なるにつれ、ぞの程度は異なるがこれは三つの場舎を通じて共通の事貨である。以上吾冷は
引績き商品流通が自由に行はれるとの想定の下に、また貨幣機構を通じての作用は各因子に同様
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至るや否や、閏内にもまた尖営し初める。きて脊々は此慮で新しく成立した岡際市場債格を各岡
この債格は単に闘際聞にのみ行はれるのでなく、貿易が開始され
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に働︿との想定の下に問題を考察し、結局比較生産費説の主張は、債格関係の世界に於ても成立
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) このことは貨幣賃銀の高いことは必す'しも物債江 ~告i' .ことを意味しないと
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ち、従つで相劃債格の理論と矛盾するものでないことを明らかにしたのである。吾々の想定が破
云ムことを?示してゐる。
(
3
)
れたとき勿論上越の理論は成立たない。例へば生産力の劣った闘が岡民的生産力の向上するまで
保護関税制を寅行することによって商品流通の自由ぞ妨げる場合とれ、貨常数量の理化が必ら十
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の甥極の庶悶伝素材的富の世界に於て探求する傾向と、ケア
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しも各因子に同様に働かない場合とかであるの現賓には り
h しろ屡とか冶る事賞に直面するのであ
るが、今はそれに立入り得ない。
困、結
Z Mの様に貿易が何故に畑地る
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様に貿易の直接の動きど貨幣償格の世界で探求す芯傾向が、貿易所論に相補充し AHふもの唱と
して存在することは本論の二項三項で観察した通りである。この二つの行き方は近代理論にもそ
のま h存在してゐる。前者却はち主として、物今交換の世界で研究を進める行き方は、マージヤ
y ・エヅヂクオ l 丸一智によって代表される英閥的傾向であり、後者却はち主として貨幣債格の世
界にのみ問題を限定する行き方は、且ンヂエ y ・ォ!?シ等によって代表きれる大陸的傾向であ
る。この二者は貿易理論に於て理論的に統一されねばならぬ。何故なら肢に指摘せる様に、一方
は主主して貿易が何故に行はれるかの窮極の原因を説明し、他方はその直接の原因を説明するも
のであるが故に、 二者が理論的に統一されたとき、・初めて貿易現象は具閥的に説明されにと云ひ
第一披
σ彼は勢働費用
得るからである。一舟やは二者の統一をバロ I ネ・コ Y ム的な方法によって行ったのであるが、か
第凶十三巻
﹀る問題に謝する今一 つの方法としてタクシツグの方法炉型げられ得るであらう
古典準涯の貿易理論について
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l Economy. Vol
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事柄である。
語
6) こ れ は 後 準 資 本 主 義l
岨 ド イ ツ の ロ マ シ テ fカーによって盛んに主張された
古典早渡ω貿易理論にワいて
第間十一一一巻
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れたからである。
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ロlネゆコ Y ムの方法一いよって導き出しに世界 Lし同じ世界を
刷者は欠のい川害防じ於て一致してゐるからでめる
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他財の債格はB 岡に於て低︿なってゐる。
産費説が貨幣債格の世界に於ても成立つことを明らかにするにあり、その目的は肢に一腹還せら
ぞの問題に立入る徐裕を持たないし、まに立入る必要もない。本論に於げる吾ム干の目的は比較生
を導き出す理論的損作が正しいかについては、無論多︿の問題が存するであらう。同町れE も今は
王しいか、又はバロ!ネ・コ Y ムの如く世界貨幣たる会を介入せしめ一ることによってか冶る紋態
タウノシツグの様に最初より雨闘に於ける貨幣傍銀の大いさを断定として出殺する県論的棟作が
財の供給債格はA闘に於て低いじ拘ら
(=)然るにそれから議き出された貨幣債格の世界に於ては、 A 岡の生産要素債格が一両い結呆一
てより少い費用投下を以て生産されてゐることを前提して出殺してゐる。
(一)生産保件は絹針的に A岡に於て優れ B 闘に於て劣ってゐること。従って二財共に A闘に於
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目
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出した憤格閥係の世界寸十九日ヶド今
費用とM じ比例を似っと一一ムム前提がなければならないっかもる前提を置くときタクシツグの導き
てゐる鈷に於て非難されねばならぬ。或ひは同じこと含意味するでめらうが、持銀外費用が勢銀
方法はしかし乍ら、例へばゲアイ十ーも批判してゐる様に、州労働費用以外の費用部分が無視され
銀のクエイトを附加するこーとによって債格闘係の世界を導き出したのである。このタクシツグの
から出殺してその世界に於て考察し符る問題を考察した後、材労働費用に二闘に於て異なる貨幣勢
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