LESSON 1 × 京都 洛南高等学校(前編)(2014.4.15)

LESSON 1(前編)
■はじめに
Unicorn では生徒さんたちが第1学年で学んだ基礎力を第2学年で応用し,自分
の力として発揮できるような使い方をしていただくために,Unicorn2から英作文講座を
開催します.LESSON 1 Through the eyes of imagination は,京都洛南高等
学校の岡田委子先生ご担当クラス生徒さんたちに協力いただき,本文の中から選択さ
れた3つの文を英語で書いてもらいました.
■LESSON 1 Through the Eyes of Imagination
第1課は「想像力の目を通して」ものごとを多角的な視点で捉えよう,という
Unicorn 2 のコンセプトでもある課です.具体例で抽象的な概念を説明されている構
造を理解すると同時に,英語の表現の多様さを実感できる文章で構成されています.
簡単に英作文のモデル文と課の内容についてご説明いたします.
Question 1
What is important is that we cannot tell which
view is correct.
重要なことは,どちらの見方が正しいのか私たちには分からないということだ.
(Part 2)
教科書本文では,時間や場所,角度などによってものの見方が変わる,という錯覚の説明から,
有名なだまし絵「ルビンの壺」を例に,一概に自分の見方が正しい,とは断言できないことを説明し
ているところの文章です.
Question 2
The trouble is that we tend to assume that our first
perception tells us everything about the object.
困ったことに,私たちは最初に認識したことによって,その対象のすべてが分か
ると思いこむことが多い.(Part 3)
第一印象ですべてが分かった気になってしまうというのが,私たちの日常に多々あることだ,それを
防ぐには「想像力」を使いなさい,とルーブル美術館の至宝「サモトラケのニケ」を例に解説されてい
ます.
Question 3 Exercising imagination is not always easy.
想像力を駆使することは,いつも簡単にできるとは限らない.(Part 4)
12 月…雪の中をそりで走るサンタクロースはクリスマスの風景でしょうか.地球の半分は夏の時期な
のに?一見完璧なものを見せられたとき「想像力」が眠ってしまうことがある,という警告とともに,私
たちがいつも多角的な視点でものごとを見るには想像力の目が必要なのだ,という文章で結んでい
ます.
■UNICORN×京都洛南高等学校
京都洛南高等学校の歴史は,今からおよそ 1200 年前,日本文化の父といわれる
弘法大師が庶民のための教育の場として創られた日本最初の私立学校「綜藝種智院」
にまでさかのぼることができます.1962 年「洛南高等学校」として発足.さらに教育の
一層の充実強化を願って,1985 年 4 月に附属中学校が開校されました.2006 年
からは,男女共学校として発展しています.
今回は 4 月からの授業にあわせて,去年の 12 月,岡田先生に英作文ミニテストを
お 願 い し ま し た . こ の 時 点 で は , UNICORN English Communication 1 の
Lesson 9 が終了したところ.まだ Unicorn 2 の教科書は見たこともないので,みんな
今まで学校で学んだ文法を駆使して果敢に挑戦してくれました.
■まずは岡田先生にインタビュー!
文法の授業についてお伺いします.まず,コミュニケーション1の
授業で文法はどの程度扱われるでしょうか.
岡田先生:原則,新しい課に入る前に新出文法事項のポイント
を handout などで補足しながら指導します.
文法の時間はありますか.
岡田先生:「文法」という独立した時間はありません.先ほども申
しましたようにコミュニケーション1の中で行ったり,英語表現内で
作文などのアウトプット作業に必要な文法事項が指導されています.
また,本校では英語科で編集した暗唱例文集を使い,学年単
位で小テストを行っているため,その進度に合わせて教科書のシラ
バスに関係なく文法指導を必要なときに適宜行っています.
今回の課題文となりました「S is that ....」と「部分否定」は学習済みでしたか.
岡田先生:暗唱例文集の中にありましたので学習済みです.
それでは英作文についてお尋ねします.1年生の時期ではどれくらいの分量を生徒さ
んたちに書かせていらっしゃいますか.
岡田先生:分量的には一文がそう長くはないもの,かつ,かなり文法・構文的には「し
ばり」のあるものが多いですが,いわゆる和文和訳や語法にも注意するよう指導はしてい
ます.
書く内容については「自分の身の回りのこと」にとどめていらっしゃいますか.
岡田先生:必ずしもその限りではありません.「身の回り」をどの程度に設定するかにも
よりますが・・・.
自由英作文はどの程度なさっていますか.
岡田先生:手紙,メールの長所について(どちらが優れていると思うか)意見を述べさ
せる自由英作文など書かせたことはあります.
入試に向けての対策をお伺いします.いまは1年生の3学期ですが,具体的にはど
のあたりから入試を意識したご指導が始まりますか.
岡田先生:「いつから」でもなければ,逆に「いつでも」,です.特に入試対策ということ
を全面に出して指導するのではなく,「ほら,こういうことがきちんとできるとこういうところに
も役立つよ」というように普段の学習が実用的な場面,入試にもきちんとつながるのだ,
と教えるよう心がけています.実用英語と受験英語というのは別物じゃないよ,と.ただ,
慣れる必要のある形式についての練習はある程度必要であるとは思いますが.
よろしければお使いになられている英作文問題集を教えてください.
岡田先生:他社さんにはなりますが『必携英作文 write to the point(数研出版)』
です.教材はとにかく一冊を徹底することが必要だと思います.
英作文の添削方法ですが,ネイティブの先生も参加なさっていますか.
岡田先生:はい.できるだけその方がいいと考えています.とはいえ,「1人の意見が
こうだから…」という判断は避けたいとは思います.ネイティブに意見を尋ねる際も論点が
分かりやすいように質問し,論拠確認をしたいと思っています.
英作文の添削のときには,ターゲットとなる構文や文法のポイントのみを添削するの
でしょうか.
岡田先生:時と場合によりけりですね.ポイントを初めに意識している場合もありますが,
生徒の添削をした結果,ポイントがあとで見つかる場合もあるので.文構造があまりにぐ
ちゃぐちゃなものは,まず基本形をしっかり覚えるべきとして正解のひな型を提示し覚える
ように勧めます.また,間違いや発想の点で他の生徒や事項への波及効果を期待した
い場合はチェックします.
岡田先生,ありがとうございました!
次回(4 月21日)は Unicorn 著者の高橋和久先生と開成高等学校の西久保
弘道先生による解説と生徒さんたちの作文データサンプルを掲載いたします。お楽し
みに。